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闇の中の天使

No.51 13/02/19 19:49
中谷月子 ( ♀ ezeSnb )
あ+あ-

≫50


近藤さんが
「ソノハラって、半年くらいの予約待ちでしょう?一日に三人くらいしかお客を受けない店で、イケメン美容師がいるって聞いたことがある!」
と、興奮気味に言った。
真田さんも驚いた表情で、「ねえ、私も予約できるかな?」と聞いてきた。
「無理よ、言ったでしょう?ソノハラは半年の予約待ちなんだから」近藤さんが、繰り返し言った。
真田さんは「だからあ、曽根崎さんの口利きで…」それに便乗したように「それなら私も…」と、近藤さんまでが言いかけた時に「おやめなさい」園田佳奈美が静かに言った。
「今日、転校してきたばかりの方に、無理なお願いをするなんて失礼よ。もし、半年待ちなら横入りみたいなズルはしないで、ちゃんと予約して順番を守るべきじゃないかしら?」と、理路整然と言い放った。
二人はつまらなそうな表情で、プレートに乗った食事をもそもそと黙って食べ始めた。
やだな…、なんだか雰囲気が悪くなっちゃったな。
「ダメかも知れないけど、おば様にお願いしてみます」私は、つい言ってしまった。
二人は、ぱっと明るい表情になった。「うわあ…、楽しみ!」「本当に、ダメかもしれないから…」「うん、分かったわ」二人は口を揃えてそうは言ったものの、もうソノハラに行けると思い込んでいるのが見て取れた。
園田佳奈美はもう何も言わず、鈴かに食事を続けていた。

午後の授業も終わり、私が校門をくぐるとそこには矢島さんが待っていた。
「おかえりなさいませ。由香里さん」と言って、ドアを開けてくれた。
「ただいま」
運転しながら、矢島さんはルームミラーで私の顔を見て、「どうかされましたか?」と聞いた。
「ううん。何でも無いの」
私は、今日のお昼に真田さんと近藤さんに頼まれたソノハラの予約のことを考えていた。

園田佳奈美が言ったことは、尤もなことだとも思うし、一方ではこれから卒業まで同じ顔ぶれで送る高校生活のために、真田さんや近藤さんと仲良くしたいとも思う。

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