同級生～再開しなければ良かった～

私は、原田結衣　１３歳。
着慣れない制服を着て中学に通い始めたばかり。


身長が150㎝ない私は、いつものようにでかい男2人、『山本健吾』と『黒川斗真』にからかわれていた…。

「もうっ！なんなのよ毎日毎日…」とぶつぶつ言いながらも私はそんなに嫌な気分ではなく、むしろ少し嬉しかった。　

この頃はただの『友達』だった…

• << 336 生きていく中にはたくさんありますね😠あの時、強がらず本音言ってたら…私も違っていたかも…もし一緒になれたとしても上手く行かなかったかも知れないかも…赤ちゃん残念だったね💧でもね、罪や罰を持って来るべビは居ないよ😃もしかしたら、悲しいかな産まれてこれなかったけど、『パパ・ママ回り道したけど幸せになってね』とのメッセージかも知れない…ご主人も、もしかして気付いてるかもしれない…あえて云わなくていい…貴女と子供が必要と変わられたんだからね😃😃小説おわっちゃったけど、お幸せにね😉 私も高校の時に大好きな人と意地はり・理解ある女を演じて、泣いちゃいました💧

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お互いに恋愛感情はなかったはずなのに、あの日から少しずつ変わっていった。

あの日……夏休みが明けてしばらくした頃の昼休み、健吾に「お前、ちょっと帰り残ってろよ！」と言われた。

私は「えっ？何？何で？」と聞いたが、健吾は「いーから、いーから！」と言ってどこかへ行ってしまった。

なんなのかさっぱりわからない私は、午後の授業なんてそっちのけで、なんなのか？を考えていた。
いくら考えても分からず下校時刻になった…

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友達に「あれ？結衣帰らないの？」と聞かれ、あやふやな答えをし、
なんとか教室が空になるまでトイレで待った。


『そろそろいいかな…？』
そう思い教室へ行くと、健吾と斗真だけがいた。

私がいつもの口調で
「なぁに？」
と警戒心むき出しで聞くと、斗真が真っ赤な顔をしながら
「これ…………やるよ」
と小さなキーホルダーをくれた。

全く予想していなかった私は
「あ………ありがとう」と言いながら、私まで顔が赤くなるのがわかった。

そこからどうやって帰ってきたのかよくは覚えてないが、その日から斗真にどう接したらいいのかわからなくなった。

どういう意味であのキーホルダーをくれたのかわからなかった。

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あの日以来、斗真を意識してしまっている自分がいた。
でも、斗真の態度はまるで変わらない。

段々モヤモヤしてきた私は、思い切って斗真に電話をした。

呼び出してすぐに斗真が電話に出た。

他愛のない会話をしてから私は切り出した…。
「あのさぁ、キーホルダーなんだけど………何で私にくれたの？」

すると斗真は、
「あ、あれ？実は俺、宮本さんの事ずっといいなぁと思ってて…夏休みに出かけた時に宮本さんに買ったんだけど、なんとなく宮本さんには渡せなくてさ！だからお前にあげただけ。」

「あ、そーゆー事ね！なぁんだ。わかった！でもありがと。じゃぁね」
と、明るく電話を切ったもののなんとなくショックだった。
あの日までは別に好きでも何でもなかったのに…

紛らわしいことすんな！
あのドキドキを返せ！！


私は斗真に惹かれ始めている自分に気付いた。

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私は、悔しいので自分の気持ちを閉じ込めて、今までどおり『友達』として、じゃれあっていた。

健吾も斗真も、他の女の子とはあまりしゃべらない方で、女の子からはなんとなく怖がられていた。

健吾は、頭が良く目つきが悪い(単に目が悪いだけ)。斗真は男とばっかりつるんでいていつもふざけてる。
でも、私とはグループで映画を観に行ったり、電話でくだらない話をしたり…
それだけで楽しかった。

恋愛じゃなくても、私は『他の子とは違う』
それだけで満足していた。

そうこうしているうちに、いつの間にか1年も終わろうとしていた…。

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あっという間に2年になり、クラス替えの発表が張り出されていた。

健吾とはまた同じクラス。斗真とは階すらわかれてしまった。

なんとなく寂しかった。

でも健吾がいたので付き合いは続いた…。
相変わらず電話もしていた。むしろクラスが替わったので電話をする回数は増えた。

私は、同じクラスになって『千尋』と仲良くなった。
千尋と『由美』は親友で、由美は斗真と同じクラスだったので、斗真のクラスに遊びに行く事も増えた。


夏休みが近づいた頃……由美から

「私、斗真の事好きになっちゃった。夏休みになったら告白するから協力して！！」

と言われ、私は
「うん！いーよ！」
と言いながらも、気持ちは複雑だった。

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夏休み…………健吾、斗真、千尋、由美、私でよく遊んだ。

斗真は、由美の気持ちに気付いていないらしく普通に仲良くしてる

なんとなく嫉妬した。
私だけ『特別』だと思っていたのに………。

由美と斗真を見ていたくなかった。
今更「私も斗真が好き」と言えるはずもなく、
気持ちとは逆の行動をとっていた…。


ある日…由美と千尋に呼び出され、待ち合わせ場所に行くと、由美が泣いている。

私は慌てて「ど、どーしたの？」
と聞くと、由美が泣きじゃくりながら
「振られちゃったぁ……」
と言った。

私は、そんな由美を見て、本当に可哀相だと言う気持ちと、
斗真がOKしなくて良かったと言う気持ちで揺れていた。
どちらかと言えば嬉しい方が大きかったかもしれない。

心の中で由美に『ごめんね』と言った…。

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由美が振られたと知った私は、斗真に電話をした。

斗真の方から由美の話題を出してきた。
私は
「なんで由美じゃﾀﾞﾒだったの？　仲良さそうにしてたじゃん」
と言うと、
斗真は………

「俺は、お前のことが好きだ。由美に告白されて気が付いた」

と言った。

私は動転して
「それ、由美に言ったの？」
とだけ聞いた。
由美、千尋との関係も壊したくなかったから……

斗真は「言ってないから大丈夫だよ」と言ってくれた。

その日はそのまま電話を切り、夜はなかなか寝付けなかった。

由美への罪悪感よりも、嬉しさの方が上だった。

初めて、好きな人に好かれた喜びを知った…

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斗真に「好きだ」と言われてから数日が経った。

告白されたはずなのに、なんら変わりない。
好きだと言われた日の喜びも段々小さくなっていった。

『普通、お互い好きだったら付き合おうとかならないのかな？』

『私も好きな事…気付いてないのかな』

『でも、由美の事もあるから、今はこのままがいいかな。』

と色々考えつつ、私と斗真の関係は、はたから見たら《友達》のまま時間が経っていった。

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3年になり、私とは千尋は同じクラス。

健吾と斗真が同じクラスになった。

斗真のクラスには、それほど仲がいい子もいなかったので、学校で顔を合わせることがあまりなくなっていた。


その分、電話では話していたが私達の仲は相変わらずだった。


好かれているのは分かる。私が好いてる事もわかっているだろう

でもお互いにあと一歩の勇気が出せずにいた……


そんな時、私は初めて同じクラスになった、クラスの人気者『貴』と仲良くなり始める……。

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貴は、斗真とは全然違うタイプの男の子で、
男でも女でもよくしゃべるし、面白い。
好かれるのが分かる気がした。

私もクラスの中では一番いいなぁ……と思っていた。
でもやっぱり斗真が好きだった。

斗真はサッカー部だったので放課後、教室の窓から斗真を見ていたりした。

授業中でも、斗真のクラスが外で体育をやっていたりすると、何故か斗真だけは見つけられた(笑)

そんなある日…斗真から電話があった

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斗真は
「サッカーの試合があるんだけどさ、観に来ない？」
と言ってきた。

素直じゃない私は
「来て欲しいなら行ってあげる。」
と言った。

私がわざと言ってる事がわかってる斗真は

「あっそ。来たくないなら別にいいけど………」と言いつつも

「〇〇日の〇〇時な！忘れんなよっ」
と言って電話を切った。

そんなやりとりも、私の事をわかってくれている気がして嬉しかった。

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試合当日……
私は、千尋に付いてきてもらい応援に行った。

斗真のゴールで勝った！！

その夜、斗真から電話があり
「今日の俺、すごかっただろ？」

「私の応援のおかげでしょ！」

なんてやりとりの後……

暫く沈黙が続き、
斗真が照れ臭そうに

「再来週の土曜日暇？
次の試合に勝てたら、その日も試合だから無理なんだけど、次負けたら……どっか行かない？」

その時ばかりは、ひねくれず
「いーよ。でも…負けて欲しくないような、負けて欲しいような……複雑だよ！　でもやっぱり負けんなよ！」
と、私は言った。

斗真は、笑って
「おう！」
と言って電話を切った。

切った後に、嬉しさが込み上げてきた。

その日の夜はなかなか眠れなかった。

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翌週、斗真の次の試合の日だった。

夜、電話があり
私はドキドキしながら

「試合…どうだった？」　
と聞いた。
すると、斗真は

「負けた！！」

と、少し悔しそうに、でも少し嬉しそうに言った。

「そっか…」

としか言えない私に

「で？どこ行く？」

と斗真が言った。

結果、遊園地に行く事になった。

斗真は、地元の一番近い駅ではなく、少しだけ離れた駅で待ち合わせしようと言ってきた。

『なんで？』　

と思いながらも、私は了承した。

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遊園地当日…
待ち合わせ場所に行くと、斗真はもう来ていた。

私服をあんまり見慣れていないせいか、
2人きりで出かけたことがないからか
少し恥ずかしかった。

でも遊園地に着いたらそんな事は忘れて、はしゃぎまくった(笑)

ほぼ、その遊園地にある乗り物という乗り物を制覇し、最後の乗り物に乗ろうと並んでいたら……

突然の大雨。
2人は、あっという間に全身濡れてしまった。

「どっかで雨宿りしよう」
と斗真が言い、私の手を引っ張った。

初めて手をつないだ………
きっと私の顔は真っ赤だっただろう。
もしかしたら、斗真もそうだったかもしれない。

初めて繋いだ斗真の手は、雨のせいで冷たかったが、大きくて力強かった……

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数十分ほどすると雨は止んだ。でも濡れた体は冷えて寒かったので

そろそろ帰ろうか……

と言う事になり帰りの電車に乗った。

私達だけびしょ濡れで恥ずかしかった。

帰りは、地元の駅まで一緒だと思っていたのに、斗真は
朝待ち合わせした駅で

「じゃ、また学校でな！」　
と笑顔で帰っていった……

私は

『そんなに私と歩いてるとこ見られたくないんだ…』
と、出かけた楽しさよりもショックと寂しさでいっぱいだった。

あの日から私達はすれ違ってしまった………

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次の日から私のため息が増えた。

もしかしたら斗真は、そんなに私の事好きじゃないのかもしれない。

悪い事しているわけじゃないのにこそこそするのは嫌だ。

そんな気持ちでいっぱいだった。


そんな時……同じクラスの貴が

「俺と付き合わない？」

と言ってきた。

私は

「ちょっと考えさせて…」
と言ってしまった。

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貴に告白された夜、
私は斗真に電話をした。

「貴に、付き合わない？って言われちゃった～」

と私が言うと、斗真は

「で？付き合うの？」

と、明らかに不機嫌そうに言った。

私が
「付き合ってもいいの？」
と聞くと

斗真は
「あいつの事好きなの？」
と聞いてきた。

好きなわけじゃない。でも……斗真と違いオープンな貴。こそこそするのが嫌な私は、少なからず貴にも惹かれていた。

そう思いながら私は、斗真の質問には答えず、不安に思っていることを確かめるかのように

「ねぇ、明日学校から一緒に帰れる？」

と聞いてみた。

すると、斗真は

「誰かに見られたら、なんか言われるじゃん。俺、冷やかされるの嫌なんだよね」

と言った。

私は一気に涙がこぼれてきて、

「あ、そう。そんなに私といる所見られたくないならもういいよ！」

と言って、一方的に電話を切ってしまった。

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その夜は散々泣いた。
切った後、斗真から電話が
かかってくる事もなかった。

『それが斗真の答えだ』

勝手にそう思った私は、貴と付き合う事にした。

半分、いや半分以上が斗真へのあてつけだった…

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斗真には、

「貴と付き合うことにしました。」

と手紙を書いた。
それを斗真に渡してもらえるよう健吾に頼んだ。

貴は、思っていた通りオープンな人で、毎日のように一緒に帰った。
休み時間でも私の席に来たりした。

だからみんなにもすぐバレタが、貴は平気な顔して

「付き合ってるよ」

と言った。

クラスに、貴の事を好きだった女の子がいたらしく、暫くはやっかみもあった。
でも私は、逆にそれが心地よかった。

こそこそしないのがこんなに嬉しいとは思わなかった。
そんな貴にどんどん惹かれていった。

そう……あの話を聞くまでは………

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ある日、私と同じクラスの『春子』の私への態度が妙に冷たいと感じ、

私は春子に

「ねぇ、私春子に何かした？」　

と聞いてみた。

すると春子は

「教えてあげない。」

と言った。


訳が分からない私に、春子は

「ヒントね。
私………斗真の事が好きなの。」

と春子が言った。

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私は、春子に

「え？　斗真と私は関係ないよ。」

と言うと、春子は

「でも腹が立つの！！」

と言われてしまった。


気になった私は、凄く久しぶりに斗真に電話をした。

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斗真に電話を繋いでもらうと、

「どうした？貴となんかあったか？？」

と懐かしい声。

「貴とは、うまくいってるよ。実は春子が私の事嫌ってるみたいで……
春子となんかあった？」

と聞いた。


すると斗真は

「付き合ってくれって言われて、断っただけだよ……」
と言った。


「なんで、それで私に冷たく当たるのよ」

と聞いたら

「俺が、お前の事を好きだからって断ったからじゃない？」

と…………。


その一言で私の心はまた揺れてしまった。

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斗真と電話を切った後、
斗真の事が頭から離れなくなっていた。

『やっぱり私は斗真が好きだ』

そう思ってしまった。

でも貴を傷つけたくない。貴は、とても優しくて一緒にいると楽しくて、私を一番に考えてくれている。


悩んだ挙げ句、私は斗真への気持ちを忘れようとした。

なのに………
中3の冬休み……
何故か、貴と自然消滅してしまった………。

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思い返せば、貴とはあまり電話をしない。

学校で話したり、夜会う約束をしたりしていたから…。

私からも電話をかけづらかった。

やる事がなくて暇な私は、ブラブラと散歩にでかけた。

するとばったり斗真に会ってしまった。

少し気まずかったが、普通を装って挨拶をし、なんとなくしゃべりながら歩いた………

私は斗真が好きだ。
でも、貴ときちんと別れてもいない。
貴と斗真は同じ塾なので、そこそこの知り合いだ。
私がきっかけで2人の仲が悪くなるのも嫌だった。

『私はどうしたらいいんだろう……』

そう考えてたとき、
私に何かあったと気付いていたた斗真は、家まで送ってくれて帰り間際、

「貴となんかあったんだろ？　俺、今でもお前の事好きだよ。だから俺は貴とどうなってもいい………お前が俺のとこ来てくれるなら……」

と言ってくれた。
泣くのを我慢できず、ぼろぼろと泣いてしまった。

「ありがとう。でもきちんと終わってないから……
これ以上私に優しくしないで」

と言って家に入った。

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3学期が始まると、貴は何事もなかったかのように話し掛けてきた。

普通に

「今日、一緒に帰ろ」

と笑顔で言われてしまうと、申し訳なくて断れない自分がいた。

斗真とはあれ以来話していない。

斗真からは何も言ってこない。
校庭に斗真の姿を見つけると、つい目で追ってしまう私。

自分の気持ちに気付いていながらも別れられない私。

そんな宙ぶらりんのまま卒業間近になっていた。

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卒業式……

結局私は気持ちを押さえたまま、貴と付き合い続けていた。　

きっと………またこそこそ付き合う事が私にとっては凄く嫌な事だったんだろう。
斗真に戻る勇気は出なかった。

卒業証書授与が始まり、斗真の名前が呼ばれた時は、何故かドキッとした。

今思えば、私達は中学の3年間、お互いに想っていたのにすれ違いばかりだった。

高校に入り、私達は滅多に会う事はなくなった……

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貴は、私が通う高校のすぐ近くの高校に入学した。

いつの間にか斗真への気持ちは《思い出》になり、貴の事が本当に大事になっていた。


でも…高校1年の夏、
私は貴に二股を掛けられ、
挙げ句の果てには、相手の女
（貴のバイト先の2階に住んでいる同じ中学の1コ先輩）
に

「結衣ちゃんは、ｷｰﾌﾟだと思うんだ。私は貴の事が好きだし、これからも会うから。」

なぁんて言われてしまった。

ショックで1～2週間は、食事も喉を通らず、眠れない日々が続いた………

友達には
「あんな男別れなよ！
結衣はモテるんだから、もっといい男いるって！！」
でも私は、貴と別れたくなくて悩んでいた。

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貴の友達から

「実は貴の両親が離婚してさ、あいつ荒れてるんだよね。だからもう少し待ってやってよ」

と言われた。

何も知らなかった私は、私には何も言ってくれない、
頼ってくれない貴が寂しかった。
毎日、夜になると

『またあの女と一緒にいるのかな……』

そう考えて眠れない日々は続いた。

でもある日、貴は相手の女と初めて2人きりででかけたようで、夜貴が私の家に来て

「2人で出かけてみて初めてわかった。お前じゃないと駄目だ」

そう言われた。


嬉しかった。
でも、なぜだろう…戻ってきたらきたで、気持ちが薄れていく自分に気付く。


私はただ、あの女から取り返したかっただけなのかもしれない……そう思った。

数日後、凄く久しぶりに斗真から電話があった。

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「よぉ！元気か？」

斗真は相変わらず元気そうだ。

私は

「久しぶり！どーしたの？なんかあった？」

と聞いた。


中学の時といい、今回といい斗真は私に何かあった時にいつもタイミング良く、会ったり、連絡をくれる。
ただの偶然なんだろうけど、偶然とは思えなかった。
だからこそ、貴との問題を斗真には知られたくなかった。


斗真は

「別に用事はないんだけどさ、たまには飲みにでも行こうぜ」

と言った。


私は

「うん！いつにする？」

と乗り気だった。

斗真と話している間も、電話を切った後も貴の事は思い出さず、

斗真のおかげで久しぶりにゆっくり寝られた。

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斗真との電話で、2週間後に飲みに行くことになった。

久しぶりに会える嬉しさもあったが、貴との事も
悩んでいた。

悩んだまま、斗真と会いたくなかった私は
貴のバイト先へ行き、きちんと話し合おうと思った。

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貴のバイトが終わる時間を見計らって、バイト先へ行った。

するとそこには、別れたはずの、
二股を掛けられた相手の女が、
笑いながら貴としゃべっていた。


私はカーッとなり、店に入って、貴に

「どーゆーこと？」

と冷たい視線を向けながら聞いた。

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貴は

「そーゆーのじゃないから！」

とあわてた様子で言った。

でも私は、もう貴の事を信じられなくなっていた…


私は

「もういい！　勝手にすれば！！　別れよう」　

と吐き捨てて店を後にした。

怒りの方が大きくて、不思議と涙は出なかった。

それよりも別れたことがスッキリしていた。

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>> 33 読みやすいし初々しくてドキドキします💓

• << 42 ＊　まやさん。 読んで頂いている方なんていないんじゃ…と思っていたので嬉しいです😄 最後まで頑張ろうと思っているので、宜しくお願いします😄

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そして、斗真と飲む日……
夕方待ち合わせをした。
私の方が先に着き、待っていると、

斗真が走りながら近寄ってきた。

息を切らし、ぜぃぜぃ言いながら
「わりぃ、待った？」
と斗真。


そんな斗真を見ていたら、笑いが込み上げてきた。


つい、私は

「なんでそんなに全速力で走ってきてんのよ、ばぁか！」

と言ってしまった。

斗真は
「お前の姿が見えたからだろ～！　ったく…、ほら行くぞ！」

と言いながら、私の手を引っ張った。


そう……初めて2人で出かけた時のように………

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店につき、とりあえずビールを飲みながら


近況などを話し合った。
やっぱり斗真といると楽しい。


ひどい振り方をしたのに、ずっと好きでいてくれた人。

私は懲りずにまた、斗真に惹かれてしまった…

そして帰り道の途中で公園に寄って話をしていた時…
少しの沈黙の後に初めてキスをした。

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キスの後は、少し気まずいような、恥ずかしいような…

でも、お互いに同じ気持ちなのだと思って嬉しかった。

でもその直後…
斗真は

「ごめん、つい……。
ずっと言おうと思ってたんだけど俺、彼女ができたんだ。」

と言った。


「え………？　あ、そうなんだ。。。じゃぁ…今のは何？」

と私が言うと

「だから、ごめん。俺帰るわ」

そう言って去っていった。

残された私は、なんだかわからないまま家に帰った。何故か涙が出た………

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それから暫くして、私にも彼氏ができた。

斗真の事を忘れたことはなかったが、諦めるしかないのだと自分に言い聞かせ
他の男と付き合った。

でもどの人とも長くは続かなかった。

斗真とは、友達として付き合っていこうと思っていたし、斗真にもそう思っている事を言ったので、

年に1度くらいのペースで遊びに行っていた。


でも18歳の頃……私はある人に一目惚れをする。

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友達のバイト先の店長が、草野球をやっていて、

たまたま車がないから友達が連れて行ってくれと頼まれ、私も便乗した。

ただ単に暇だったから(笑)

グラウンドに着き、なんとなく練習風景を見ていたら

『あ。あの人！あの人格好いい』

遠くでキャッチボールをしているだけで、
顔もハッキリ見えないのに、
何故か一目で好きになってしまった…

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店長に、私は

「ねぇねぇ！あそこで投げてる人………あの人誰？」
と聞くと、

「あ～、あの人は大澤勇治さん。結衣の5つ上だよ。何？気に入ったの？」

と、言われ、私は

「うん。格好いい！　でも恥ずかしいから言わないで。」

と言った。

店長が

「結衣、彼氏いるんじゃなかったっけ？」

と言ってきたので

「うまくいってない」

とだけ答えた。


うまくいってないのは本当だった。
でも、その時はもう彼氏の事なんてどうでも良かった。
大澤勇治の事で頭がいっぱいだった。


『こんな気持ちになるのは斗真以来だ』

そう思った。

私はどうしても、大澤勇治と付き合いたいと思っていた。

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私は車に乗ったまま、タバコを吸っていると、

一人の男の人が、「ラジオ聞いてる？野球の試合！」と話し掛けてきた。


「付けましょうか？ラジオ…」

と言いながらその人の顔を見た。


そこにいたのは、一目惚れをした大澤勇治だった…

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>> 34 読みやすいし初々しくてドキドキします💓 ＊　まやさん。
読んで頂いている方なんていないんじゃ…と思っていたので嬉しいです😄

最後まで頑張ろうと思っているので、宜しくお願いします😄

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ラジオをつけた私は、大澤勇治を初めて間近で見た。

『やっぱり格好いい』

そう思った。


「大澤さん…ですよね？」
と私が聞くと
「うん。よく知ってるね！君は？」

と聞かれ

「原田結衣です！」

と答えた。

すると大澤は、

「結衣ちゃんね！よろしく！　ラジオありがとう！！」

と笑顔で私の頭をポンポンっと叩いてグラウンドに走って行った…。


店長が、大澤勇治の連絡先を教えてくれ、電話しようか迷っているある日、
店長に

「話があるんだけど」

と、店長の店に呼び出された。

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私はその頃、早生まれの為車の免許を取ってから働くつもりでいた。

免許も取れたし、そろそろ仕事を探さなきゃと思いつつ
高校時代にバイトをして貯めたお金で生活していた。

店長が働いているカラオケ店に行くと、そこには店長と、店長の上司らしい人がいた。

店長が、

「今月で〇〇支店のバイトがやめることになって、人数が足りないんだ。そこで暫く働かない？」

と言った。

私は即座に

「よろしくお願いします！」

と言って、即決だった(笑

上司がいなくなってから、店長に

「大澤さん、よく〇〇支店に遊びにくるよ！　頑張れよ」

と言われた。


『やったー！大澤さんに会える！』

そう思い、店長にお礼を言いバイトに行く日を待った。

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いよいよバイト初日。

おそるおそる店に入ると、店長とバイトの人達が、忙しそうに働いていた。


私は深呼吸してから

「原田結衣です！よろしくお願いします！」

と言った。


みんないい人達そうで、私は安心した。

その夜、早速大澤さんが店に遊びに来た。

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大澤さんは、私の顔を見ると
少しびっくりしたような顔で


「結衣ちゃん？だよね？
ここで働き始めたの？」

と聞いてきたので、私は

「はい！よろしくお願いします。」

と言った。

ついでに………勇気を出して

「今度電話してもいいですか？」

と聞いたら、大澤は


「おぅ！いつでもしておいで。」

と笑顔で答えてくれた。

私はもうそれだけで舞い上がっていた。


その頃はもう……斗真の事は頭になかった。

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それから暫く、大澤さんは、店に来なかった。

迷った挙げ句電話をしてみることにした。


呼び出してすぐに、男の人が電話に出た。本人だった。

「お久しぶりです。結衣です。電話しちゃいました…」

と私が言うと、大澤さんは
「結衣ちゃん、元気だった？　バイトどう？」

と優しい声で聞いてきた。

「はい！大分慣れてきました。大澤さんは、暫く店には来ないんですか？」

と聞くと、

「仕事が忙しくてね……」
と言われてしまった。

私が言葉に詰まっていると、大澤さんが、

「俺、来週の土曜日誕生日なんだよね。
祝ってくれる人いないんだけど、結衣ちゃん祝ってくれない？」

と、言ってきた。

私は、即座に

「暇です！超暇です！！
お祝いさせてください。」
と言って、時間と場所を決め電話を切った後

店長にプレゼントの相談をした

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大澤さんの誕生日…

悩みまくった結果、気を遣わせないくらいの値段の上着をプレゼントすることにした。

今思えば良く知らない人に服なんて、よくあげられたものだ(笑)　

遠慮がちに

「これ………一応プレゼントです。」

と言って渡すと、大澤さんは、すぐに開けて

「俺、こーゆーの欲しかったんだよ！ありがとう！！」

と言って喜んでくれた。

その日を境に、私と大澤さんは、頻繁に連絡をとるようになり、

ある日大澤さんが、

「ちゃんと付き合おう」

と言ってくれた。

もちろん私はOKした……

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大澤さんと、付き合いだしてからも、
忘れた頃に斗真から電話はあった。

でも、気持ちが揺れることはなかった。


お互いの近況などを報告し合い、斗真は高校の時の彼女とずっと続いているらしい。

『斗真は、彼女の事そんなに好きなんだ…』

と思うと、ちょっとだけ心がチクっとしたが、
それだけだった。

斗真には
「たまには飲みに行こうぜ」

と誘われたが、私は会うのは断った。

その時の私は、とにかく大澤さんの事しか見えず、
やっと…やっと斗真を忘れられる。

そう思っていた。

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大澤勇治と付き合い始めて、3年程が過ぎた。

その頃は私は、やっと大澤さんではなく『勇治』と呼べるようになっていた。

年上の男の人と付き合うのが初めてだった私は、たかが名前……でもなかなか勇治とは呼べなかった。

ある時、勇治が仕事を辞めた。

勇治が26歳、私が21歳の時だった。

私は3年間も続いた人は今までいなかったし、
何より斗真を忘れさせてくれた人だったので、
漠然と《結婚》も意識しはじめていた。


そんな矢先、
上司との喧嘩が原因で簡単に仕事を辞めてしまった勇治に対して、
勝手に不安になっていった。

勇治は、その後1ヶ月たっても、2ヶ月たっても、3ヶ月たっても
仕事を探していなかった。
その頃から私達は、喧嘩ばかりするようになった…

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私は、勇治が仕事を辞めてから、夜一緒にいたくて

カラオケ店を辞め、派遣で平日の昼間、事務として働いていた。

勇治とは、喧嘩ばかりしていても、
私の『好き』と言う気持ちは変わらなかった。

もしかしたら『依存』していたのかもしれない。


勇治以上に好きになれる人はもういない。
そう、思い込んでいた。


1年過ぎても勇治は仕事をせず、貯めていた貯金も底を突いた。

私は、
『私との事…どう考えてるんだろう』

とイラつきながらも、離れられなかった。


徐々に、仕事中でも
『勇治は今、何をしてるんだろう？』
と、不安になったり

まだ携帯が、そんなに普及していなく、家に電話をしてもいない時には

『浮気をしているんじゃないか？』

と思い、いきなり勇治の家に行ってみたりした。

段々自分が自分じゃなくなっていくような気がした。

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『もう、別れたほうがいい』

頭ではわかっているのに、
また1人になるのも嫌だった。

勇治の事も嫌いになれなかった。
それが《愛情》なのか、ただの《情》なのかはわからなくなっていたけど……

とにかく別れたくなかった。

でも、毎日不安に押し潰されそうだった。
自分でもどうしてこんなに不安になるのか
わからなかった。

ある日、思い切って
「ねぇ、私と結婚する気……あるの？」

と勇治に聞いてみた。

すると…

「今はわからない。金ないし…」

との答え。

「じゃぁ、早く働いてよ！！」

と私が言うと

「お前に関係ないだろ！！」

と言われてしまった。

確かに、現時点で結婚しているわけじゃないし、
関係ないと言われればそれまでだ。

でも、何年も付き合ってきた彼に
そんな事を言われるなんて……凄くショックだった。
結婚を考えていたのも私だけ。

「じゃぁ私は、一体勇治のなんなのよっ！」

と言って家を飛び出した。

後ろを振り向いても、追っても来ない………
涙が出た。

私にとって、勇治と言う存在が大きかっただけに、
勇治にとっては、私はこんなものか……

そう思うと、もう何もかもが嫌になった。

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それからは、
『嫌いになりたい』

『嫌いになれない』


『別れたほうがいい』

『でも…別れたくない』


『勇治との先はないだろう』

『でも…働いてさえくれたら、考えてくれるかもしれない』


と、日々気持ちが揺れていた。

「会いたい」

と、勇治に言われてしまうと、
つい車を走らせてしまう自分が嫌だった。

あれ以来、仕事の事は怖くて言えなくなっていた。

でもお金がない事もわかっていたので、週に1万ずつ渡すようになった。


始めは、私がそこまですれば、男としてのプライドもあるだろうから、

働いてくれるだろう。

そんな風に思っていた。
と、言うより思いたかった。


でも、現実は………

それが当たり前になっていった。

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何度も何度も、仲のいい友達に
「別れろ」

と言われた。


私の答えはいつも同じ。

「別れたほうがいいのはわかってる。
でも…………好きなの。」

だった。

本当に自分がどうしたら良いかわからない……

もう、私は精神的に限界だった。

そんなある日、
私の父が、血を吐いて緊急入院した……

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丁度、連休だった為、入院してから3日間は検査が出来なかった。

母も、姉も、私も、
『大丈夫。胃潰瘍だよ！』
と言いながらも

『癌だったら……』


と考えてしまい、毎日不安だった。

連休が終わり、検査結果が出た。
《胃潰瘍》

良かった…。
父は2週間の入院になった。

私は勇治にその事を告げ、
「母と毎日病院に行くから、退院するまで会えない」
と言った。

勇治も、

「仕方ないな。俺もお見舞いに行かなきゃな」

と言ってくれた。


私の両親は、勇治の名前は知っているが、会った事はない。

「ただ遊びにくるだけ」
と何度誘っても、頑なに
断られた。

勇治の中では

親に会う＝結婚
そう思っていた。

そんな勇治が、お見舞いに来てくれると言ってくれて、
久しぶりに嬉しい気持ちになった。

バカな私は、そこでしなきゃいい期待をしてしまったのだ。

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私は、会社の上司に説明をし、

2週間だけ、遅刻をさせてもらうことにした。

朝母を病院に送って行き、
私は会社へ行く。

母は面会時間ずっと病院にいるので、

私か姉が夕飯の支度。
支度をしない方が、母を迎えに行く。

そんな生活を送っていた。

普段、家事の手伝いなんかまるでしない姉妹だったので、

母は、そんな私達を見て少し嬉しそうだった。


勇治には、父が入院している
2週間だけ、私のポケベルを渡してあった。

連絡が取れないのが嫌だったから………

毎日連絡は取った。
ベルを鳴らせば、電話をくれた。


退院が近づき、私は勇治に
いつ、お見舞いに来てくれるのかを知りたくて、

夜の11時頃ベルを鳴らした。

すると、電話の向こうが騒がしい

「外にいるの？」

と私が聞くと、

「あ～、うん。友達に誘われて、カラオケにいる。」
との事。


その時、男の人の声に交じって女の人の声がした………

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「何やってるのよ！
女もいるんでしょ！？」

と言うと

「家に着いたら連絡するから」

と言われて電話が切れた。

私の父の事だから、勇治には関係ない。
わかってはいるけど、
どうして、彼女の父親が
入院している時に、遊びに行けるの？？

と私は無性に腹が立った。

それから数時間後…
やっと勇治から電話があった

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勇治は、全く悪いと思っていなかった。

「誘われたんだから仕方ないだろ！」

と、私から見たら逆ギレだ。

「お父さんのお見舞いに来てくれるんじゃなかったの？」


そう聞くと、勇治は

「働き始めたらね」

と言った。


いい加減頭に来た私は

「嘘つき！お父さんの事、
心配してくれてるなら、仕事なんて関係ないでしょ！
来る気がないなら、言わないでよ！」

と言って、電話を切った。

『もう駄目だ……別れよう』

そう思った瞬間だった。

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父が退院して、数日後…
私は誕生日を迎え、23歳になった。

その翌日、久しぶりに勇治に会った。

別れる覚悟は出来ていた。

勇治の家に行き、とりあえず
私の置いてあった荷物をまとめ始め、

「私達、別れよう」

と言った。


勇治にしてみたらいきなりだったらしく、

「別れたくない」
と言われ、私の荷物も取り上げられ、

「別れるなら返さない」

と言われた。

勇治の幼児さを改めて知って、この5年間はなんだったんだろう………と
虚しくなった。

私は

「じゃぁ、私はいらないからあげる」

と言って帰ってきた。

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翌日から、ベルが鳴りっぱなしになった。

付き合ってた5年間、
《デンワシテ》
この文字しか送ってこなかったくせに

その日から

《ワカレタクナイ》

《オネガイダカラデンワシテ》

《シニソウダ》

と数分置きにベルが鳴る。

私は段々勇治が怖くなっていった。

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私はベルを無視した。


すると………今度は、家の前で待ち伏せするようになった。


私の会社も知っているし、
その日から私は、毎朝
カーテンを開けてはビクビクし、
会社から出れば勇治がいないか確かめた。

仕事をしていない勇治は
時間も自由だし、
何時だろうが現れた。

私は精神的に追い詰められた…


あんなに好きだったのに……
今は《怖い》
それだけだった。

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両親も心配しはじめ、
すっかり体調も良くなった父が

「俺が話そうか？」

と言ってくれた。

でも、付き合っていたのは私。　多分勇治をこうさせたのも私。

そう思い、父には

「ありがとう。でも、自分でなんとかしたい。」

そう言った。


日にちが経ち、勇治も少し冷静になってきたようで

ベルの内容が変わってきた。

《ユイノモノ、カエスカライチドダケアイタイ》


私は、会って良いものか、このまま会わないほうが良いか悩んでいた。

勇治に対する恐怖がまだあったからだ。


すると、斗真…………
また、あの男はタイミング良く電話をかけてきた。

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「おっす！久しぶり！！
最近どうよ？」


斗真は、悩み事なんてあるんだろうか……

そう思うくらいいつもと変わらない。


私が　
「そっちはどうよ？
彼女とはうまくいってんの？」

と聞くと

「まぁね。」

と。


その後何を話せば良いかわからなかった。
口を開いたら、斗真に勇治の事を話してしまいそうだった。


斗真は

「なんかあったんだろ？
話してみ？」

と言った。

『なんで、斗真はいつもいつもわかるんだろう？
』

隠していたつもりなのに、
バレてしまった悔しさと、
私の事をわかってくれる嬉しさが入り交じっていた。

そして私は斗真に甘え、
勇治との事を話し始めた……

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斗真は、ただ黙って聞いてくれた。

すべて話終わった後、

「俺も一緒に行くよ」

とだけ言った。


勇治に、斗真との事を誤解されたら何をするか分からないと
思った私は、

「大丈夫！　１人で行って、スッキリしてくる！」

と言った。


斗真は、


「でも……………」
とまだ何かいいたそうだったが、
さすが斗真。私の頑固さもわかっているのだろう

「本当に大丈夫なのか？
やばいと思ったらすぐに電話しろよ！」


と、初めて斗真の携帯番号を知る。


翌日、私も携帯を買い斗真の番号を登録した。


勇治と会う当日………
私が携帯を買ってしまったことが仇になる。

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勇治に会う日が決まった。
斗真に連絡をし、私の携帯番号を知らせるついでに
会う事を言った。

斗真が
「何時に行くの？」

と聞いてきたので
「21時くらいかな！」

と答え、電話を切った。


仕事が遅くなり、22時頃私は勇治の家へ向かった。

久しぶりに会う勇治は、
少しやつれていた。

「今までごめん。別れるよ」

そう言って荷物を渡してくれた。


その後、今までの思い出話が始まった。

別れると決まったからか、勇治が穏やかだったからか…
私の恐怖も薄れていた。

5年間も付き合った人だったから、

最後くらい綺麗に別れたかった。


気が付いたら23時になろうとしていた。


『これが最後。もう会わないんだ』


そう思ったら、なぜだろう。少し寂しくなった。

私は


「ちゃんと仕事探しなよ！」

と言い、勇治も

「わかってるよ！　今までありがとう。ごめんな」

と言った。

帰ろうとした時、バイブにしてあった携帯が鳴ってしまった。　多分斗真だ。

とっさに
『やばい』
そう思った私は、

親と話しているかのように電話に出た。


でも…電話を切った後、勇治の方を見ると
明らかに今までの表情とは変わり、私を睨み付けていた………

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私は

『ごまかしても無駄だ』

そう思い

「あ、今の女友達。
明日会う約束してて…」

そう言い掛けた時、

「嘘つくんじゃねーよ！
男か？　
本当は男が出来たから別れたいって言いだしたんじゃねーのか？
ふざけんなよ！！」


凄い剣幕で怒っていた。


怖くなり、
「そんなんじゃない！
他に男なんていないよ。」

もう何を言っても無駄だった………。


「とにかく帰る！」

そう言って車に乗り込み　勇治は、まだ何かを怒鳴っていたが、
とにかく車を走らせた。

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途中で車を止め、斗真に電話をした。

最後に電話がきっかけで逃げるように帰ってきてしまったことを言った。

斗真は

「でも別れられたんだろ？　良かったな！
じゃ、奢ってやるから飯でも食いに行こう！」

そう言った。


私は、別れ際の勇治の様子が気になったが、
斗真と久しぶりに何も考えず遊びたかった。

だからOKしてしまった。

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週末、斗真と飲みに行った。

直接会うのは数年ぶりだったから、大人っぽくなっていた。
斗真ももう…《男》だった。

私は、そんな斗真に
「老けた？」
と言った。

斗真は
「久しぶりに会ってこれかよ。
変わってねぇなぁ」
と言った。


そういうやりとりができるのは斗真だけなので、
やっぱり心地よかったし、楽だった。


2人で散々飲んだ後の帰り道、
私は気持ち悪くなってしまった。

言われるがままタクシーを降りて歩いた。
斗真の足が止まった。

顔を上げてみると………

ホテルの前だった。

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私は、
「ちょっと待って……帰らなきゃ」

と言ったが、足はふらふら目はぐるぐる回ってる。


斗真は、

「なんもしねーよ。酔い覚ますだけ。」

そう言って、強引に私を連れていった。


中に入り、私は水を飲みベッドに倒れこんだ。

斗真は、まだビールを飲んでいた。

1時間ほど寝てしまったようで、目が覚めた時少しスッキリしていたが、喉がからからだった。


「水…………」

そういい終わる前に、斗真が冷たい水をくれた。

そして、水をがぶ飲みした私の横に座り、キスをした。

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「なにすんのよっ」

と、払い除けたがまたキスをされた。

気持ちとは反対に、心地よかった。
『いけない』

とわかっていたが、逆らえなかった。

『ま、いっか。』

と思ってしまった。


服を脱がされ、愛撫された。
でも、最後の一線を越える前に我に返り

「やっぱり無理」

と私は言った。


斗真は

「俺の中で、お前は特別なんだ。彼女がいても、お前は別。」

と、私には理解しがたいことを言い始めた。
ただ他の女とやりたかっただけなのかもしれない…。

《特別》

この言葉は嬉しかったが、やはり、最後までは出来なかった。
してもいい気持ちもあったのに出来なかった。


その日はそのまま別れた。

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時間が中途半端で、一向にタクシーがつかまらない。
私達はホテルから、私の家まで夜中の静かな道を
歩いた。


斗真に
「お前は、男見る目ねーなぁ」

なんて言われて、

「うるさいっ！次こそは……」

こんなやりとりをしながら歩いた。

家に着く頃、空が薄明るくなっていた。

『やっと着いた……』

そう思い、斗真に
「送ってくれてありがとう。じゃぁまた………」

そう言い掛けたとき、

《バタン！！》　
と音がした。

びっくりして見てみると、
そこには、凄い形相をした勇治がいた………

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「勇治！」

私が言うと、勇治は私の方ではなく
斗真の方へ歩いてくる。


私は

「この人は関係ないから。ただの友達で……」

何を言っても聞いてない様子。

勇治は、斗真の前に立ち
「話がある」
と言った。

すると、斗真が私に

「お前は家に入れ。」

と言った。私は

「そんな事できない！
勇治、聞いて！友達なの。関係ないの。彼女も……」

言い掛けた時、斗真が
「いいから、家に入ってろ！！」

初めて見る斗真だった……

私が何も言えずにいると、いつもの斗真に戻り
私の頭をポンっと叩きながら

「大丈夫だから。後で電話する」

と言われた。

勇治も私には用はないと言う感じだったので
私は家に入った。

気になって気になって
何も手に付かなかった。

タイミングの悪さに落ち込んだ。

何より斗真に迷惑かけたくなかった。

1時間ほどたった頃
斗真から電話が掛かってきた。

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「よぉ！今家に着いたよ」
何事もなかったかのような斗真。


私は

「大丈夫だったの？」

としか聞けなかった。

斗真は

「楽勝😁✌　もう付きまとわれないから大丈夫だよ！」

と言った。

でも、何を話したのかは
「男同士の話」としか教えてくれなかった。

勇治にまた連絡を取ることも、出来ないし、したくなかったので、

あの時、二人の間でなにがあったのかを知るすべはなかった。

私はそれを境に、斗真と会わなくなった。
申し訳なさと、
改めて《男》として、意識してしまいそうな自分がいたから。

『もう、会ってはいけない』

そう思った。

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2年後………私は25歳。
斗真とは電話でたまに話すだけ。

電話の回数も減っていた。
私は会社の1つ上の男の先輩『大輝』と、妙に気が合い
仲良くなった。

ある日大輝が、自分がバンドを組んでいるメンバーに
私を会わせたい。きっと気が合うから。

そんな話から、3対3で飲みに行くことになった。


そこで私の人生を左右する『智也』と出会う………

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飲みに行こうと言う話が出たものの、
大輝も私も仕事が忙しくなってしまい、
なかなか日程が決まらずにいた。

そんな時、大輝が
「とりあえずメールでやりとりでもしときなよ。
会って初対面よりは、話しやすいでしょ？」

そう言って智也と、もう一人の『義秋』のアドレスを
渡された。

何て送ったら良いかわからなかったが、
とりあえず、
「原田結衣、25歳です。
大輝君とは仲良くさせてもらってます。
飲みに行ける日を楽しみにしてます！」

なんて文章を送ってみた。
すると、義秋は返信なし。
智也はすぐに

「結衣ちゃん！！　大輝から話は聞いてるよ！
俺智也。宜しくね！」

そんなメールが返ってきた。

メールでの印象は
『明るい人』
その日から毎日、智也は他愛のないメールを送ってくれた。

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2週間もすると、メールのやり取りが当たり前になっていた。

飲みに行く日も決まり、
凄くドキドキした。
メールでの智也に惹かれ始めていたのかもしれない。
メールでの出会いが初めてだった私は浮かれていた。

当日……初対面の智也は
メールでの印象そのままの
性格で、ルックスももてそうな感じだった。

一気に惹かれていった……

でも、勇治と別れて以来、彼氏は出来ても長くは続かない。

何人かは「結婚しよう」とも言ってくれた。

けど、乗り気になれず別れていた。

智也に惹かれてはいたが、もう男は当分いらないとも思っていた。

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飲み会は楽しかった。

あっという間に朝になり、みんなで連絡先の交換をして
解散した。

翌日、昼間爆睡していると電話が鳴った。

寝呆けたまま電話に出ると、智也だった。


「今日、仕事でそっち行くんだけど、会える？」

智也の家と私の家は、高速を使って1時間ほどの距離だ。
決して近くはない。

『私も会いたい』

そう思って、会う約束をした。

夕方だったので、2人で
ファミレスで夕飯を食べ、ドライブに行った。

そこで、智也に

「会ったばっかりだけど……付き合って」
と言われた。

当分男はいらない！
そう思っていたはずなのに、
「いーよ。」

そう答えている自分がいた。

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それから毎週土曜日になると、

智也が1時間～2時間かけて迎えに来る。

ホテルに泊まり
日曜日私は電車で帰る……

そんな日々が続いた。

連絡は今までのどの人よりもマメで、毎日何回もくれた。

心配性で、ちょっとの事でもすっとんできてくれそうな人だった。

少し距離がある分、私が不安にならないよう
言葉と態度で安心させてくれた。

智也といると居心地が良かった。
勇治と付き合っているときには感じられなかった

《想われてる》

そんな感覚を、智也は感じさせてくれた。


ある日、智也が

「金曜日からうちに泊まりに来ない？」

と言った。
智也は実家暮し。
泊まっても平気なのかなぁ。
オープンな家なのかな？
くらいにしか考えていなかった私に、
智也は

「おふくろに、結婚したい人がいるって言っちゃった！」

と付け加えた。

私は一気に緊張した。
でも、私は『この人なら…』
そう思って素直に嬉しかった。

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一瞬、ほんの一瞬だけ
斗真の顔が浮かんだが、
二度と私から連絡するつもりはなかった。

会えば気持ちが揺れてしまうことがわかっていたから。

斗真はずっとずっと、初めて出来た彼女と続いていたし、
私の事はもう何とも思ってない。
そう思っていた。


初めて智也の家に行った日、
智也のお母さんは、優しそうな人で
「結衣ちゃん、いらっしゃい！　仲良くしようね」
と、言ってくれた。

私は着慣れないワンピースを来ていて、おずおずと買ってきたお菓子を渡した。
なんだか照れ臭かった。

智也のお父さんは、見た目少し怖かったけど、
始めから「結衣！」って
呼んでくれて可愛がってくれた。

智也の3つ下の妹は、
毎晩夜になると、彼氏の家に
泊りに行っていたので
あまり顔を合わせることはなかったが、

妹がいない私は、妹が出来る。
それだけで嬉しかった。

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それからも、智也との付き合いは順調だった。


ある日
「指輪を買いに行こう！」
と店に連れていかれ、
智也は
「俺、自分のセンスに自信ないからさ、好きなの選んでよ」
と言った。

私は値段を見つつ、普段からつけられそうな
指輪を選んだ。

1週間後、指輪の直しが終わって取りに行くと
その夜、プロポーズされた。

すごくシンプルなプロポーズ。

「俺と、結婚してください」

私は

「はい！」

と答えた。
私が26歳、智也は27歳だった。

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プロポーズされて数日…
私は幸せの絶頂にいた。


その頃は、金曜日に私が会社帰りに
智也の家へ行き、
月曜の朝、そのまま会社へ行く………

そんな生活が続いていた。

いつものように金曜日の昼間

『今日は何時くらいに仕事終わりそう？』

なんてメールのやりとりをしていたが、
どうも智也の様子がおかしい。

気になって聞いてみると、
『夜、話す。』

それだけ。

気になって仕事どころではなくなってしまった。

問いただすと………

「言わなきゃ言わなきゃと思ってたんだけど…
実は俺、バツ１なんだ」と。

ビックリして、
『子供は？』

と聞くと

『子供はいない』

との答え。　少しほっとした。

次に私は、
『今、前の奥さんはどこにいるの？』

と聞いた。

智也からの返事は

『どこにいるかもわからない』

だった。

だったらなにも問題はない。
そう思った私は

『だったら、もっと早く言ってくれれば良かったのに』
とメールをうった。

どうやら、言ったら結婚をOKしてくれないと思ったらしい

離婚理由が気になったが、
それは夜にでも聞こう。
そう思った。

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＊　すみません。

小説と、その他でﾊﾝﾈを使い分けていたため、
変更し忘れてしまいました。

すみません。。。

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その夜、離婚理由を聞いた。

智也は
「俺が悪かったんだ」

と言った。


前の奥さんを助けるつもりで、結婚したが
好きじゃなかった……。
と。

『助けたい』
と言う気持ちを
『愛情』
だと勘違いした…と。
20歳の時に結婚し、すぐに無理だとわかったが、
2年間自分なりに努力をしたと。

でもどうしても駄目で23歳の時に離婚していた。
相手は年上の女性だった。

「決して浮気とかではない」

その言葉を私は信じた。


そこから、トントン拍子に話が進み
半年後………私が27歳になる直前に私達は結婚した。

• 共感0

私達は、智也の会社に近い所に新居も構えた。　

私は近い職場に変え、子供が出来るまでは…

と2人で働いた。


近くに友達がいない、
実家が少し遠いことは寂しかったが
幸せだった。


私が28歳の時、長男が。
31歳の時に次男が産まれた。

2人の子供を産んでから、
私と智也はすれ違っていった………

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斗真からは、相変わらずたまに電話があった。

でも2人の子供の育児に、いっぱいいっぱいだった私は、
会う事まではしなかった。
30歳の時に、斗真もずっと付き合っていた彼女と
結婚していた。


どこでどう、智也とすれ違ってしまったのかわからない

私は子供に向いていた。
智也は私に向いていた。

私は智也が子供に向いてくれないことに腹を立て、

智也は私が自分に向いてくれないことに腹を立てた。

智也は休みの日でも、気が向いたときにしか子供の相手をしてくれなかった。
テレビをみていれば、うるさいと追いやった

どんなに私が忙しそうにしていても、
家事を手伝ってくれることもなかった。


私は日々の生活に疲れていて、智也の相手をする余裕がなかった。


智也は、私と喧嘩になると
子供達にまで八つ当りをした。

だから喧嘩が出来なくなった。

セックスも一度断ったら喧嘩になり、子供達に可哀相な思いをさせた。

だから断れなくなった。


智也が不機嫌そうに家にいると、私まで不機嫌になり、
私まで週末は子供達につらくあたるようになった。

• 共感0

『いけない』

わかっていても、智也を見ているとイライラして
そのイライラを智也にぶつけたら、
喧嘩になり子供達に当たる
それがわかっていた私は、
どこにもそのストレスをぶつけることが出来ずにいた。


子供達にとっては父親……
それだけの理由で離婚は考えていなかった。

• 共感0

長男4歳、次男1歳のある日、長男
「パパなんていらない」

そう言った出来事があった。
子供ながらに相手にされないことが寂しく、
腹が立ったのだろう。


長男は、勢いで言ったことかもしれない。

本心じゃないかもしれない。

でも………子供だけでつながっていた私と智也。

子供のその一言で、私の
『何か』

がプツンと切れてしまった。

その日以来離婚を考えるようになった………

• 共感0

離婚を考えだしたものの、 貯蓄はほとんどない。 マンションのローンもある。
私は子供が産まれてから専業主婦

『離婚したい』

その気持ちはあっても 現実的に今すぐ離婚することは無理だった。
まずは仕事を探そう… 実際に職探しをしてみると、
どんなな昼間子供達を預けて 目一杯働いても 、貯められるお金はわずかになってしまうことに気付く。
自分勝手な私は、経済的な事で自信をなくし

『離婚しないほうが良いのかな……』

『私さえ我慢すれば……』
そんな風に思うようになっていた。

• 共感0

そんなある日、
智也の帰宅後に
会社の同僚だと言う女の人から電話があった。

智也は私の近くで話をしていたし、 やましい様子はなかった。

でも……会話の途中で智也が、
その人の名前を呼んだ時、ドキっとした。

智也は知らないかもしれないが、
新居を購入する際、
戸籍などが必要で
それらの事は、
私がやっていた

だから私は 智也の前の奥さんの名前、誕生日

いつ、婚姻届を出し いつ、離婚届けを出したか…… 私は知っていだ。

智也が呼んだその名前は
前の奥さんと同じ名前だった。

• 共感0

どうして、
こういう時に変な勘が働くんだろう。

気付かなければ良い事に　気付いてしまうんだろう。

そんな自分が嫌になった。
ただの偶然なのかもしれない。

でも……何故か私のその勘には自信があった。


電話を切った智也に、私は

「もう一度だけ聞くけど、 前の奥さん…どこにいるの？」

と聞いた。


智也の顔は、明らかに動揺していた………

• 共感0

智也は、

「なんだよ、突然。
今どこにいるかもわからない
って言っただろ？」


『嘘だ』


智也の様子で、
そう確信した私は

「私、智也の前の奥さん
の名前知ってるんだよ」


そう言うと、智也は慌てて

「ごめん！でも本当に何もないから。
変に心配させたくなくて………」


と言った。


確かに電話の様子からも怪しい雰囲気はない。

でも、今まで何年間も隠されていたことが許せなかった。

結婚前に、
正直に言われていたら……
私は智也と結婚したのかな。

• 共感0

私は、自分の男運の悪さに泣いた……


自分の見る目がないだけなのだけど。


智也は、
「本当にお互いに今は
ただの同僚としか思っていない」


と、必死に説明をした。


けれど私は、今の2人の関係なんて
正直どうでも良かった。


私には、
『大事な事を隠されていた』

その事実が許せなかった。
結婚して、ううん…
結婚前に
『この人なら信用できる』
そう思ったから結婚したんだ。

私は《結婚》は《信頼》が崩れたら終わりだ……

そう思っていた。

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智也は、今までになく
仕事中でもメールをくれるようになった。


「仕事仲間と飲みに行く」
とか

「忘年会」


なんかの時は特に……


智也なりに、なんでもない事を証明しようと
しているかのようだった。

気を遣ってくれているのは充分わかった。

でも許すことが出来なかった……。


ふと、斗真はどうしてるかな………そう思ってしまった。


私がそう思ったのがわかったかのように

1週間後………斗真から連絡が入る

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斗真は、

「俺、携帯のメアド変えたんだよ。
んで、それを知らせようと思ったんだけど………
俺、お前のメアド知らなくて(笑)」

なんて電話だった(笑)

そういえば、いつも電話だけでメールでやりとりをした事はなかった。


私のメアドよりも
斗真のメアドの方がわかりやすかったので

教えてもらい電話を切ってから、
私がメールを送った……


すぐに斗真から返信が来た。

絵文字がある………
イメージと違ってなんか笑えた。

それから私は毎朝

『仕事頑張れよ😁』

とメールをした。

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メールをし始めてから1週間。

斗真の仕事は忙しいらしく、

仕事中に1度、返信があるかないか。

あとは、仕事が終わってから家に着くまでの、たったの15分。

その間に2、3度やりとりをするくらいだった。


平日が休みの日だけは、
返信が早かった(笑)

メールでやり取りをするようになって、
懐かしくて色んな話をした。

ある日、斗真が

「あの時、俺たちが付き合っていたら………
今頃結婚してたかな。」

そんなメールを送ってきた。

• 共感0

斗真の前では、遠慮なくひねくれられる私は

「私は若い時、モテモテだったからなぁ～。
斗真が私の浮気を許してくれたら
今も一緒にいたかもね😜」
と送った。


すると、斗真は……

「俺、すっごく好きだったから、多分何されても許してたな😒」って…

斗真とメールをすればする程、昔の感情が蘇り、
昔の私になっていった……

• 共感0

日に日にメールの回数は

多くなり、仕事中でも2～3時間に1度は
返信が来るようになった。

私は
優しい斗真の事だから
本当は迷惑かも………

と考えながらも、
私の中で《日課》のようになっていた。


メールをし始めてから
今まで知らなかった事をたくさん知った。

斗真は、
別に私との事を知られたくなかった
と言うわけではなかったこと。


斗真は

「俺の友達はみんな知ってたよ」

って………


『なんであの時………』

そう思ってしまうことがたくさんあった

• 共感0

その他にも、

私が、貴付き合いだした時、
一時期、斗真のまわりの誰もが心配するほど
落ち込んで荒れた事

高校に入っても、まだ想っていてくれた事。

私の誕生日になると
毎年思い出してくれていた事。

奥さんと付き合ったのは、
私と付き合えないなら誰でもいいやと
思い、なんとなく付き合い始めた事。

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『知り合った13際の頃から
今まで、忘れた事はなかった……』

そうメールに書いてあった。

今、私達は33歳。
長っ！！
いい年してなにやってんだ………私達。


智也との溝を見てみぬふりをしなから、

斗真とのメールで、ストレスを発散していた

不思議と斗真とやり取りしだしてからは、

今までのイライラは消えていた。

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『昔の事』

そう…もう戻れない昔の事だし、
今はお互いに結婚もしてる。


斗真の所はまだだけど、
私には子供もいる…


そんな状況に安心していた私は

私も過去の気持ちを斗真に伝え始めた…

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「あの時、離れた場所で
待ち合わせして、
別れた事が物凄くショックだった」事。


「貴と付き合い始めたのは
斗真への当て付けだった」事。


それを言った時、斗真は

「あーっ！そうか。
お前なら………やるな！
今ならわかるのに
なんであの時気付かなかったんだろう(笑)」


そう言っていた。


「ずっと私も忘れた事はなかった」


「誕生日も覚えてる」

斗真は

「俺だって覚えてるぞ！」
と自慢げだった。

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今までの20年という長い長い
すれ違っていた糸を、
1本1本ほどくかのように、
色んな
《あの時》

の話をした。

それは、
『あの時こうしていれば………』

そう思ったって、どうにもならない事がわかっていたら………


どうにもならないと思っていたから………


斗真は冗談っぽく

「1度だけ、チャンスがあった時に、
一線越えときゃ良かった(笑)」

なぁんて言ってたね。


そんな、きわどい本音か冗談かわからない
ギリギリの会話も…
私には楽しかった。

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何故だか、斗真とは

何ヵ月ぶり、何年ぶりに話しても

まるで昨日も話していたかのように話せた


他の人には10言わないと
わかってもらえないような事でも、

1か2くらいでちゃんとわかってくれた。


私は思っている事を、
言葉にするのが下手で　
いつも違う意味にとられてしまったり
いくら言っても伝わらなくて

いつしか
『私の事をわかってくれる人なんていない』

そう思ってた。

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『わかってもらえてる』

そう思っていた智也にも
裏切られた。

裏切ったつもりはないだろうが、
私は少なくとも裏切られた気でいた。


だからこそ………
斗真とのやり取りが
私の中で、なくてはならないものに
なっていった………

でもその反面、
以前から心の奥で感じていた

「迷惑がられているんじゃないか」

そんな気持ちが大きくなっていった。

思い切って、私は………

『私が毎日メール送ってて、
迷惑じゃない？
迷惑だったら、ハッキリ言ってね』

そう送ってみた。

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すると、斗真は

『実は、今仕事も家庭も
うまくいってないんだ。

だから…お前とのメールが楽しみなんだよね』


と、メールに書いてきた。

仕事はともかく、家庭はうまくいっているものだと
思い込んでいた私は
ただびっくりして

『なんかあったの？』

と聞いた。


すると

『小さな不満が、積み重なって、今更合わないんじゃないか？
そう思い始めてる』

と………。

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私は、ただ励ましたい、
私も楽しみたい。

そんな気持ちで………
軽い気持ちで


『来週、実家に帰るから飲みに行かない？』

そうメールに書いてしまった。


斗真は

『子供は、大丈夫なのか？
大丈夫なら久々に行こう！
』

と返信してきた。


後に、この時の私の行動が
大きな間違いであった事に気付く…………

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もしかしたら、
メールをし始めた時点で

すでに間違っていたのかもしれない。


その時は、ううん。
私はずっと…………
自分の事しか考えていなかった。


智也の事。

斗真の奥さんの事。

私は、そんな周りの

本当に大事な人の事を考える余裕が
なくなっていた。

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自分から
『飲みに行かない？』

と誘ったものの、いざ日にちが近づくと

凄くいけない事をしようとしている気がして

智也に対しても、なんとなく後ろめたかった。


ふと、斗真は大丈夫なのかと思い聞いてみると


『大丈夫！お前と飲みに行くって言ったから』


思いがけない答えが返ってきた。


ずいぶんと寛大な奥さんなんだなぁと

最初はそう思った。

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奥さんが、了承しているならいっか！

そう思ったが、やっぱり気が引けた。

他の女と2人で飲みに行くと旦那に言われて
気分がいい奥さんはいないはず。


やましい気持ちがなかった私は


『奥さんも連れてくれば？
その方が安心でしょ？』

そうメールを送ると


『次ね！今回は嫁がいると色んな話が出来ないから
2人がいい』

そう返ってきた。


迷った挙げ句…
『奥さんが、本当にいいなら』

と、2人で行く事にした。

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飲みに行く当日、

子供達を母と姉にお願いし、

親にも嘘を付き、斗真との待ち合わせ場所に行った。

実際に会うのは何年ぶりだろう………

お互い老けただろうな。


そんな事を考えながら
ドキドキしていた。


遠くの方から見た事のあるでかい男が

昔と変わらず全速力で走ってきた。

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ぜいぜい良きを切らしながら、斗真は

「待った？」

と言った。

私はどこかで見た事があるな。と思った。


初めて2人で出かけた日……
あの日もこんな感じだった。


私は
「待った待った！！
なんてね。今来たとこ。
さぁ！飲むぞ～」

と言った。

近くにある店に入り
乾杯をして飲み始めた。

斗真は、

「ひっさしぶりだなぁ……
しかし……老けたな(笑)

そう言って笑った。

私は

「うるっさいな！もう33だし、子供も2人産んでんの！仕方ないの！！」

そう言ってふくれた。

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斗真は、そんな膨れっ面の私を見て

更に笑っていた。


飲んでいる最中、

「旦那とはどーなの？」

と聞かれて、一気に現実に引き戻された。


「あ～うん。普通だよ」


としか答えられなかった。
私は、それ以上聞かれたくなかったので

「奥さんとはどうなの？」

と聞き返した。

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斗真は、

「うーん…何かが違うんだよな。
今更なんだけど……
一言で言うと、何を考えてるかわからない。」

そう言った。

私は、

「ふぅ～ん」

とただ聞いていた。

その後は、くだらない話で盛り上がった。

散々飲まされた。私はかなり酔っていた。

多分、斗真も相当酔っていただろう。

あっという間に楽しい時間は過ぎて、

「そろそろ帰ろっか」

そう言って、外へ出た。

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外に出ると、信じられないくらいの大雨………


『初めて2人で出かけた日も
雨だった。』

私はそう思った。

斗真も、同じ事を思ったらしく

「お前、雨女だろ！！」

とニヤニヤ笑ってた。


私は、そうなのかも…
と思いながらも
「私じゃないっ！」

そう言い張った。


タクシーも捕まらず、
2人共酔っ払っていて足もフラフラ

斗真が、冗談ぽく
ホテルを指差して
「あそこで雨宿りする？」
と言った。

酔っ払った勢いで…
私は

「いーよ！行こう！！」

そう言って、ホテルに入ってしまった。

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ホテルに入ってすぐ、
私は目が回ってきた。

私は寝た(笑)


少し寝たら喉が渇いて目が覚めた……

前にもこんな事があったな。成長してないな。。
そう思いながら水を飲む。

ふと斗真を見たら、斗真も寝てた(笑)


時間を見ると11時。
子供達の事が気になり、
帰り支度をして


斗真を起こした。


「斗真！ほら、帰るよ！！」


すると斗真は寝呆けたまま
「結衣………」


そう言って私を押し倒した。

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キスをされ、
ジーパンを脱がされそうに
なった私は


「ちょっと待って！　かえろーよ！」

そう言ったが、斗真の手は止まらない。


『こんな事いけない』

少し酔いが覚めた私は
ホテルなんかに来た事を、
後悔したが、時すでに遅し。
がっちり押さえられた手を振りほどく事は出来なかった。

気持ちとは裏腹に
私の体は反応してしまった………


ついに、一線を越えてしまった…………

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気が付くと時間は12時を回っていた。

さすがにお互いヤバい！

慌てて服を着て、タクシーに乗った。


斗真は私を送ってから、帰っていった………


『私はなんて事をしてしまったんだろう』


智也に対しての罪悪感が
大きかった。


『もう会うのはやめた方が良い』


その時はそう思った。

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翌週、いつものように斗真からメールが来た。


『久しぶりに楽しかった！また飲みに行こう』


そう書いてあった


私は
『もう2人では行かない』

そう送った


その後、その事には触れず、メールのやり取りは続いた。

• 共感0

心の中で智也に謝り、

でも自分が斗真とした事によって

智也の事を許せるような気がした

『私の方が悪い事をした』

そう思ったから………。


そんな矢先、智也とささいな事から
大喧嘩になり
『離婚』の話まで発展してしまった

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喧嘩の原因は、
本当に些細なことだった

智也が仕事で遅く帰ってきても、
いたわらない。

給料を持って帰ってきても
『ご苦労様』
の言葉がない

智也が風邪を引いても
『大丈夫？』
の言葉がない


そんな小さな積み重ねを
智也は智也で我慢していたんだろう。


私にも言い分があった。
私も今まで我慢の積み重ねだった。

お互いに爆発した………

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どうしても気になるんですが、「再開」ではなく「再会」じゃあ？タイトルって途中でも直せるんですかね？横レス失礼致しました。

• << 130 ＊　匿名さん。 途中でタイトル変更できるんでしょうか？ 書き始めてから間違っていることに気付いたんですが……　 初っぱなからすみません 💧

• 共感0

きっかけは些細な事だったけど、

今までの不満は止まらなかった

智也も止まらなかった。

子供に矛先が向くのが嫌で
喧嘩をほとんどした事の
なかった私と智也は

喧嘩をして、本音を出せば出すほど

『こんな風に考えていたのか』

『こんな人だったの………』

どんどん気持ちは冷めていってしまった…

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以前も離婚は考えた
でも現実的に考えたら自信がなかった。


どうしたら良いかわからなくなった私は

久しぶりに、
昔からの友達『千尋』に
電話をした。

千尋はバツイチになっていたから、
何かアドバイスを聞けると思った。

• 共感0

千尋は

「離婚は大変だよぉ。
私は、好きな人が出来たから…だったから、
パパは子供渡さないなんて言うし
調停に持ち込んだもん！」
　
そう言って笑っていた。


『凄いな………』
そう思った


今は新しい彼と、子供と、再婚はしていないが
楽しく暮らしているらしい。

「ありがとう。」

そう言って電話を切った。

すると今度は高校時代の友達から
電話がかかってきた。

• 共感0

友達は、癌で入院中に旦那に浮気をされ、
離婚する事になった
今は公正証書の作成中

と言っていた。

私が
「大変だったんだね、大丈夫？」
と聞くと

「彼氏がいて子供達も彼氏になついてるから、へーき」
と明るく言っていた。


『専業主婦で小さい子が
いたら、離婚の前に次の
男の人がいてくれた方が
安心なんだろうな』

そんな印象を受けた。


凹みきっていた私は、
その日、斗真からのメールに
返信をしなかった。
すると翌日の昼間、電話がかかってきた。

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斗真は、

「昨日はどうした？具合悪いのか？」

と、心配してくれていた。

私は何から話せば良いかわからなかったし、

話すと長くなってしまう
と思ったので

「メールする」

と言って電話を切った。


それから、智也との事を少しずつ斗真に話した。


斗真は、その日仕事が休みだったらしく、
メールを送ればすぐに
返事をくれた。

一通り話すと、斗真に

「お前は今のままでいいのか？
人生1度しかないんだぞ？」

と言われた。

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そんな事は、言われなくてもわかってる。

でも私一人じゃないから、
親としての責任もある。
私さえ我慢すれば夫婦ではいられる。

だからこそ動けずにいた。
『子供にとったら、やっぱり父親はいた方がいい』

『名ばかりの父親なら、いなくてもいい』

そんな事をずっと考えていた

幼いわが子達に、答えを求めることが
出来るわけもなく……

『子供がいない斗真に私の気持ちなんかわからない』

そう思った私は

「子供2人連れての離婚は、勇気がいるの！
別れたら3人面倒見てくれるの？」

とメールした。

• 共感0

すると、斗真は、

「いいよ！3人共、面倒見てやるよ」

と、返事をしてきた。


本気じゃないくせに、
そんな簡単に言われた事にムカついた。


「奥さんとはどーするのよ！」

そう聞くと

「別れるよ。お前の為なら…」

と返ってきた。


どこまで本心なのかわからなくなり

「出来ない事は言わないで！」

と、送って………
返信は来たが、読まずにその日はもう
メールを送るのはやめた。

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>> 128 早く続きが読みたいです。どうなるんですか？気になってしかたがありません…時間があるときに、また読みにきます。

• << 131 ＊みぃさん 読んでくださってありがとうございます！　 極力時間を作って、最後まで書き上げたいと思っているので よろしくお願いします。

• 共感0

>> 121 どうしても気になるんですが、「再開」ではなく「再会」じゃあ？タイトルって途中でも直せるんですかね？横レス失礼致しました。 ＊　匿名さん。
途中でタイトル変更できるんでしょうか？

書き始めてから間違っていることに気付いたんですが……　
初っぱなからすみません
💧

• 共感0

>> 129 早く続きが読みたいです。どうなるんですか？気になってしかたがありません…時間があるときに、また読みにきます。 ＊みぃさん

読んでくださってありがとうございます！　

極力時間を作って、最後まで書き上げたいと思っているので

よろしくお願いします。

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翌日、読まないままにしてあった
メールを見ると

「ごめん。確かに別れると言っても、
すぐに、はい！離婚
って訳にはいかないかもしれない。
でも…子供もいないし、別れる方向で考えてるから………
俺を信じろ！！
」

そう書いてあった。


確かに斗真と一緒になれるなら…
私も頑張れる。

でも……
斗真には子供がいない。
血の繋がらない子供の《父親》になる覚悟は、本当にあるんだろうか……

長年一緒にいた人と別れられるのだろうか………

どこまで本気なんだろう…
私はまだ本気にはしていなかった。

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斗真からのメールを
読んだ私は、

凄くずるい考えをしていた。

『斗真が別れてくれたら
私も別れようかな。』

別れる気持ちがあっても、別れられなかったら……

そう考えると、先に私が別れることは出来ない。
そう思った。

私は、

『智也とは、もう無理だから別れたい』

のか

『斗真と一緒になりたいから別れたい』

のかわからなくなっていった。

でも自分で
『離婚には、斗真は関係ない』
そう思おうとしていた。

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智也とは、毎日のように言い合いが続いていた。

話せば話すほど平行線で
わかりあえることはなかった。

ただ智也はバツイチの為か
「離婚はしたくない」
そう言っていた。


私は
「1人で冷静に考えたい。
来週1週間、実家に帰らせて」

と、智也に言った。

長男の幼稚園も、もう少しで冬休みに入る。

親は、私達がうまくいってない事を知らないから
実家に帰るのはそれまで
我慢しよう。

そう思っていたが、一緒にいたくなかった。

斗真に会いたかったのかもしれない。

• 共感0

智也は

「わかった。気を付けて。」

と了承してくれた。

翌日、斗真に実家に帰ることをメールで知らせると

「会社の近くの駅まで
出てこられない？
会って話そう」

と返事が来た。


会える事が嬉しかった私は
子供達を寝かせ、斗真に会いに行った……

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斗真と歩きながら話をした。

私が探るように

「奥さんとは……どう？」
と、聞くと

「あんまり口きいてない。
仕事から帰ると、
俺すぐ寝ちゃうし。
いきなり別れ話もなんだから、
とりあえず態度から…ね。
別れ話切り出すにしても…今理由を考えてる」

そう言った。


私は、
「私だけしか理由がないなら
別れないほうがいいよ……」

と言った。

私を理由に別れて、
後で後悔されたくなかったから……

別れて欲しいけど、私とは関係ない理由で別れてほしかった。

悪者になりたくなかったのだと思う

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斗真は
「不満はたくさんあるんだけど、
どれも離婚理由になるような
大きいことじゃないんだよな……


と、悩んでいる様子だった。

そりゃぁそうだ。
考えてみたら斗真は、
私に振られ次に付き合った人と
ずっと付き合い結婚した。
《別れる》事を経験したことがなかったのだ。

ましてや、《彼女》ではなく、
《奥さん》なのだから
簡単に別れることは出来ないだろう。

すると斗真は
「好きな女が出来た。
そう言えれば話は早いんだけどな……」

と言った。

• 共感0

私は、頑なに
「それだけはやめて！！」
と言った。

奥さんがどういう人なのかは
よく知らないが、
慰謝料なんて請求されても困るし
子供に何かがあっても困る。

だから

「私の事だけは絶対に言わないで。
」

と、頼み込んだ。

斗真は

「でも、嫁さんは俺が浮気したら
別れるっていつも言ってるから
お前との事言ったら、向こうから
別れるって言ってくると思うよ？」

と言った。

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>> 138 こんにちは☆
子供が寝たので読みにきました。
この話し実話ですか？
結衣さん,頑張って下さい。

• << 143 ＊みぃさん フィクションと、ノンフィクションの半々です💦 読みにくかったり、誤字もあり申し訳ありません。 もう少しお付き合いくださいm(__)m 夜にはまた更新出来ると 思います。

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私は

「そういう事言ってる女に限って、
実際には違うもんなの！！
きっと、奥さんは私との事知ったら、
余計に別れないよ」

と言った。

斗真は、
「そうかなぁ………でもなぁ………」

と１人でぶつぶつ言っていたが、
私は意見を変えなかった。

そろそろ帰らないと
お互いにまずい時間になり
「俺、明後日休みだから、
どっか行こう！」

そう約束をして、
その日は別れた。

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翌日、母に
「あんた、様子が変よ？
智也君と何かあったの？」
と聞かれた。
長男の幼稚園を休ませてまで
実家に帰って来てるのだから
心配するのは当たり前だ。

『もう隠せない』

そう思った私は、
すべてを話した。

母は
「子供達の事をかんがえなさい！」

と怒った。

私は泣きながら

「考えてるよ！！
お母さんは智也が、
子供達にとっていいパパだと
思ってるの？！」

そう聞くと、母は黙ってしまった。

最後に母は

「2人でよく話し合って決めなさい」
とだけ言った。

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それから母は、
何も言わず私の好きなようにさせてくれた。

子供達を寝かし付けてからなら
外に出ていっても、
何も言わなかった。

昼間も
「たまには気晴らし
してきたら？」

そう言って子供達を見てくれた。

有り難かった。
心配かけて申し訳ない……

そんな気持ちでいっぱいだった。


斗真と会ってることは、
どうしても言えなかった。

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>> 139 こんにちは☆ 子供が寝たので読みにきました。 この話し実話ですか？ 結衣さん,頑張って下さい。 ＊みぃさん
フィクションと、ノンフィクションの半々です💦

読みにくかったり、誤字もあり申し訳ありません。


もう少しお付き合いくださいm(__)m


夜にはまた更新出来ると
思います。

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母に全てを話した翌日。

斗真の仕事が休みだったので、
朝から待ち合わせをして出かけた。


いつもは、夜飲みに行っていたので、
昼間に会うのは新鮮だった。

2人で出かける時は、
雨が多かったが、この日は快晴だった。
凄く寒かったけど………

寒かったからか、
自然と手を繋いで歩いた。
昼ご飯を食べつつ、お酒も飲んだ。

くだらない話をして、
2人でずっと笑っていた。

夕方になりどちらからともなく、

2人きりになりたくて
ホテルへ入った………

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ベッドに倒れ込み、
愛し合った後、
これからの事を少し話した。


私は、冗談っぽく
「斗真が、本当に別れたら
別れるから。
どーせ、斗真は別れられないと思うけど！」

と言った。


「本当に俺が別れたら、
俺と一緒になる？
俺で良いのか？
俺と一緒になったら別れてやんねーよ？」

斗真は、そう言った。


私が、

「いやぁ、斗真の方が後悔するかもよ？」

そう言うと

「後悔なんかしねーよ」

そう言って抱き締めてくれた。

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漠然と

『一緒になりたい』　

と、お互いに思ってはいたが、
具体的な事は全く進んでいなかった。

『いけない事』
だと言うのはわかっていたし、

簡単に気持ちだけでは動けなかった。

それは、斗真も同じだったと思う。

正直私は、

『このまま、一緒になれなくても、こうやって
たまに斗真と会えて
メールも出来れば……
それでいい』

そんな風にも思った。
智也と斗真の奥さんには
申し訳ないけど
このままの関係でも良いから
斗真と繋がっていたかった。

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そんな事を考えているうちに
斗真が帰らなければいけない時間になってしまった。
斗真は
「帰りたくないけど、
そろそろ帰らないと…
嫁さんが仕事から帰ってくる」

と、少し寂しそうに、
私に申し訳なさそうに言った。


帰り道、歩いていると
ジュエリーショップがあった。

すると、斗真は何も言わず
店に入っていった。

私は店の外で待っていると
斗真が、中から
『おいで』
と、ジェスチャーで呼んだ。

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店に入ると、
可愛らしいネックレスを
斗真が手にしていた。

「こーゆーのどう？」

と聞かれ
「かわいいね。」

と言うと、

斗真は、店員さんに

「じゃ、これで！
このままでいいですから。つけていっちゃうんで…
」

そう言って、斗真は
私の首にネックレスを
付けてくれた

私がビックリしていると
斗真が、ニッコリ笑って

「初めてのプレゼント！」
と言った。

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私は

「2度目だよ～
初めては、他の子にあげるはずだった
キーホルダー(笑)」

と言うと、　

斗真は
「そんな事あったっけ？
よく覚えてんなぁ～
でも、それなら尚更
初めてプレゼントって
事で！
絶対に外すなよ！！」

と言った。


私は、珍しく素直に

「うん！！ありがとう！！」
と言った。

本当にすごく嬉しかった

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それから、私が智也との家に帰るまでの数日間、

斗真の仕事が終わると
私の実家の近くまで来てくれた。

短い時間しか会えなかったけど……。

少しでも会いたくて
でも、会ってしまうと
離れるのが寂しかった。

別れた後も、斗真が家に着くまでは
メールをした。

そして私が、
智也との家に帰る前の日………

いつものように別れた後
メールをしていた。

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いつもなら20分程すると
「家に着いちゃった😢
また明日ね！」

とメールが来るのに
その日は30分経っても、1時間経っても

「家に着いた」

との返信がなく、
メールが続いた。


私が、
「まだ着かないの？」

と聞くと、

「うん、まだ！
だから大丈夫！　嬉しい？」

と返ってきた。

私は悔しくて

「別に😜」

と送った

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斗真が
「あ、そう。じゃぁ家に帰ってもいいんだな！」

そう送ってくると

私は負けじと
「帰りたければどーぞ！」
そう送ると
最終的に、斗真が

「くそっ！負けた！
俺は帰りたくねぇよ！あほ！」
と折れて

私は
「勝った✌」

と喜んだ。
どんなにひねくれても
本心を見透かされていたので
悔しい反面嬉しかったし
こんなくだらないやりとりが
お互いに心地よかった。

• 共感0

いい加減家に着かない斗真に

「何やってるの？　まだ着かないの？」
と聞くと

斗真は
「まだメールしたいから
こんなに寒い中遠回りしてるんだろ～？
それくらいわかれよ！
寒くて手がもう動かねーよ！」
と言った。


「こんなに寒いのにアホだね(笑)
そんなに私の事好きなんだ？」

と私が言うと

「正直ヤバいくらい。
もう、お前がいないと駄目かも…………って言ったらどーする？(笑)」

と、斗真が言った。

• 共感0

また本気なんだか冗談なんだかわからかった。
だから、私は

「本気で言われた時に考える！
もう寒いから、帰ったほうが良いよ。
いくらバカでも風邪引いちゃう。」

そう言った。

本当はまだまだ帰ってほしくなかったけど……
寒い中私の為に遠回りしてくれたのも嬉しかったけど
毎晩遅くなってしまっていて、
体が本当に心配だった。


私は斗真に何もしてあげられないことが悲しかった。
翌日、私は
《自分の家》
へ帰った。
また智也との話し合いの日々が始まった………

• 共感0

智也には、もう愛情はなかった。

でも、家族としての情はあった。

離婚はしたくなくて、
必死になっている智也を
見ていると、かわいそうになってきた。

でも斗真と会ったり、話したり、メールをしていると、
『斗真の方へ行きたい』

と思ってしまう。


私自身
『斗真が別れたら、私も………』

と思っていたから、
智也との話も進む訳もなかった。

「離婚したい」

とも言えないし、
かといって、仲直りして
うまくやる自信もなかった。

徐々に私は焦ってきた……

• 共感0

少し前は、
『斗真とは、このままでもいいかな』

そう思っていたのに、

『このままは嫌だ』

と思うようになってしまっていた。

一般的に見たら、私達の関係は
《不倫》、《浮気》

そんな関係が辛くなってきていた。
それくらい好きになってしまった。

だから斗真が、本当に別れるつもりがあるのか、ないのか

ハッキリさせたくなった。

• 共感0

本当に離婚したければ
いくらでも理由なんてつけられるはずなのに
そうしない斗真に対して
不安も出てきていた。


『斗真の事だから、
きっと奥さんとは別れられない』

『これ以上好きになっちゃいけない』

まだ引き返せるギリギリの所で
気持ちを押さえようとしてきたが
それももう限界だった。


『ダラダラしてちゃいけない。
斗真に別れる気がないなら
もう終わりにしよう』

そう思い、斗真の次の休みに
会う約束をした。

• 共感0

私は

『斗真に会うのは、
今日が最後になるかもしれない』

そう思っていた。

平日だった為、時間も限られていたので

ゆっくり話がしたくて
朝からホテルへ直行した。

『最後にもう一度だけ……』

そう思いながら、抱かれた。

その後、奥さんとどうなっているのかを聞いた。

• 共感0

斗真は、
「お前の事を言えないし
理由がない。」

そう言った。

私は
「理由なんていくらでも
言えるじゃない？」

と言った。

すると斗真が

「お前の事が一番好きだし、
嫁さんには不満もある
でも、
嫁さんの事を嫌いになったわけじゃない。」

と言った。

私は

『もう無理だ。斗真は絶対に別れられない。』

そう確信した。


私は、涙をこらえ
「だから、最初から斗真は
別れられないって言ったじゃん！」

そう言うと

斗真は
「ごめん………」

とだけ言った。

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よくできました✨✨

• 共感0

必死で泣くのを我慢した。
でも、ネックレスくれたり、
思わせ振りな事を言われたり
凄く好きになってしまっていたから悔しかった。

腹が立った。

私は
「だから最初に言ったのに……
思わせ振りな事しないでよ」

そう言いながら
我慢できなくなって泣いてしまった

そして暫く泣いた後、私は
「もう、二度と会わない」
と言った。

• << 164 旦那への不満、独りきりでの家事育児の大変さ…そんな中なら尚更彼が唯一の心の支えだっただけに辛いだろうなぁ…私もショックです😔

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斗真は、明らかにショックを受けていた。

多分まさか今日で会えなくなるとは
思っていなかったんだろう。

斗真は

「そうだよな、普通そうなるよな。
俺が別れないんじゃ……しょうがないよな。
今更友達には戻れないし……」

と独り言のように言っていた。

私だって終わらせたくはなかった。
でも仕方なかった。もう辛かった。

ただ、同窓会などで
友達としてもこの先
会えなくなるのは嫌だった私は

「お互いが友達として会えるように
なったらまた会おう。」

そう言った。

斗真は、まだ考え込んでいた。

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>> 162 必死で泣くのを我慢した。 でも、ネックレスくれたり、 思わせ振りな事を言われたり 凄く好きになってしまっていたから悔しかった。 腹が立った… 旦那への不満、独りきりでの家事育児の大変さ…そんな中なら尚更彼が唯一の心の支えだっただけに辛いだろうなぁ…私もショックです😔

• << 170 ＊まやさん。 ありがとうございます😄 斗真との事は、だらだらと細かく書き過ぎと感じるかもしれませんが💦 若い頃からの色んな積み重ねを描きたくて💧 読みづらかったり、進みの遅さにイラっときたらすみません😅

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私の言葉に返事もしないで
考えてる斗真に

「どうしたの？」

そう聞くと

斗真は

「勝手だけど………
もう少しだけ時間くれない？
時間もらったからって
別れられるかわからないけど、
もう少しだけ時間が欲しい」

そう言った。

私はもう、
斗真が別れるという
期待はしていなかった。

でも、もう少しだけメールだけでも
やりとりが出来る事が嬉しかった。

バカな私は、つい

「いーよ。1ヶ月だけね。」

と言ってしまった。

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今の状態が辛くて辛くて
自分から別れを切り出したくせに

また元に戻ってしまった。

ただ、今までとは私の気持ちが
少し違った。

『1ヶ月待ったって結果は同じ。
別れられるはずがない』

斗真に期待をするのをやめた私は
少しだけ楽になった。

『後1ヶ月だけ楽しもう』
そう思った。

その日から
斗真とは関係なく、
智也との事を考えはじめた……

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翌日
『あの、涙の別れ話はなんだったの？』

と思うくらい、前と変わらぬやり取りが始まった。


私の中では、もう気持ちは切り替わっていたけど。

でも数日後の金曜日……

いつものように
仕事帰りにメールをしていると
斗真が、
「今日は用事があって
実家に行くから、
帰りにまたメールする」

と送ってきた。

まさか、この事をきっかけに
また状況が変わるなんて
思っていなかった。

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数時間後………斗真から

「ただいまー。
おふくろにお前の事話しちゃった！」

とメールがきた。

『嘘…………信じらんない。何を？何で？』

そう思った私は

「何で？　何を話したの？
お母さんは何て？？」

と質問攻めにした。

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＊　ごめんなさい。　
続けて書いていて削除された投稿を
読んでませんでした。
すみません、不快に思われている方がいらっしゃるのでしょうか？

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>> 164 旦那への不満、独りきりでの家事育児の大変さ…そんな中なら尚更彼が唯一の心の支えだっただけに辛いだろうなぁ…私もショックです😔 ＊まやさん。
ありがとうございます😄

斗真との事は、だらだらと細かく書き過ぎと感じるかもしれませんが💦

若い頃からの色んな積み重ねを描きたくて💧

読みづらかったり、進みの遅さにイラっときたらすみません😅

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斗真は、
ひとつひとつ、質問に答えた

まずは
斗真は、
《言った理由》
を、こう言った。

前日、奥さんとの間で
珍しく揉め事があり、
こんなに長く一緒にいたが、
初めて奥さんの本音を
聞いた事。

その本音は、今までの
奥さんからは全く想像できないもので
一気に、知らない人に見えて
この先うまくやっていく
自信がなくなった事。

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そして、
自分のしている事、
しようとしている事は、
誰にも許されない事なのか
とりあえず母親に聞いてみようと思った……

との事だった。


私は、
『斗真との先はない。』

そう思って気持ちを切り替えようと必死だったので

訳がわからなかった。

次に、斗真は
《何て言ったのか》
を説明した………

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まず、母親に
「今更だけど、合わないかもしれない」　

と話をしたらしい。


すると、母親に
「やっと気付いたの？
いい子だけど、
あんたに合わないのは
わかっていた」

そう言われたらしい。　


続けて斗真は

「もしかしたら、離婚になるかもしれない」

と言ったそうだ。


すると、

「うーん……まぁ、子供もいないしねぇ。
仕方ないんじゃない？」

そんな思いがけない答えが帰ってきたそうだ。

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斗真は、絶対に離婚なんて反対される
そう思っていたらしいのだ。

そして最後に

《私の事まで言った理由》
母親に、
「誰か好きな人でもいるんじゃないか？」

そう聞かれたかららしい。
嘘をついても仕方がないと思い、
私の事をすべて話したらしい。
離婚はまだしてない事。
子供がいる事。

母親は、
「孫が出来る事が嬉しい」
そう言っていた、と斗真は言った。

斗真は
「母親って…女ってすげぇな～」

と言っていた。

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私は、斗真のメールを読み終えて……

信じられない気持ちでいっぱいだった。

確かに

「もう少しだけ時間をくれ」

そう言われて、了承した。
でも、その1ヶ月で何も変わるわけないと思っていた。

それなのに……
斗真の母親は、血が繋がらない子供でも
喜んでくれるの？

血の繋がった、智也の母親は
まったく会おうともしないのに？

この時は、斗真や斗真の家族の
私には少し理解しがたい
《懐の広さ》
みたいな物を感じていた。
母親に後押し？された斗真は
気持ちが一気に《離婚》へ動きだした………

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ただ、私はほんの数日前に
『割り切らなきゃ』

そう思って、必死になっていた所だったので
戸惑いもあった。

母親が反対しなかったからと言って
離婚できると決まったわけではない。

自分が、また傷つくのを恐れた私は
ぬか喜びは出来なかった。

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斗真は、以前から
「嫁さんは、俺の気持ちがなくなったら終わり。
そう言ってるから、別れるのは簡単」

などと言っていて、
親が応援してくれるなら
離婚していいんだ。
後は別れ話をするだけだ

そんな風に楽観的に考えていた。


それも奥さんの本音じゃなかった事も知らずに………

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その頃から斗真は、
気持ちが盛り上がり、

「お前も早く別れちゃえよ」

「とりあえず実家に帰ってくれば？
生活費くらいならなんとかするから！」

などと、私にも離婚をするために動く事を勧めてきた。

私は、斗真の
《奥さん》
の性格がいまいちわからず
斗真の思う通りにはいかないのでは？

と不安に思っていた為、
まだ動こうとはしなかった。

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どう考えてもわからなかった。

実際に奥さんと話したわけでもなく、

斗真からしか聞いていないが、
絶対に斗真が思っているような女ではない。

私の《女の勘》がそう言っていた。


旦那の事を愛していたら
旦那が他の女と2人で飲みに行くのを
笑顔で送り出す女は、
そうそういない。

私はそう思っていた。


そのくせ
口では
「浮気をしたら離婚だ」

「気持ちがなくなったら終わり」

そんな事を言う。

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それに、斗真いわく

奥さんは、
一人では寝る事が出来ない
くらいの寂しがりやで
どんなに遅くなっても
起きて待っていると言う。

友達と遊ぶこともなく、
たまに友達と遊ぶ約束を
していたとしても
斗真が、帰ってくる時間には家にいたし
キャンセルしてしまう事も
多いという。

正直、私とは正反対のタイプで
理解が出来なかった。

その分、怖かった……

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斗真は、男だからなのか
楽天すぎるのか
奥さんの

《言葉》

を鵜呑みにしていた。


そんなに斗真に、ある意味
執着している奥さんが
飲みに行くのを反対しなかったのは何故？

『信頼してるから？』

いや違う

『斗真に愛情がない？』

それも絶対に違う。

『嫌われたくないから』

だ。私はそう思った

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信頼してるのなら、わざわざ
「浮気したら、離婚よ！」
なんて言う必要はない。


愛情がないなら尚更だ。

私はそんな風に、
奥さんが、どんなタイプなのかを考え
斗真が離婚話をしたら
どうなるのかを考えていた。

『別れるというはずがない』

私の中ではそう答えが出た。
いくら、気持ちがない。
浮気した。
そう言われても、

「それでもいいから別れない」

そう言うだろう。
と思った私は、
斗真に、私の思ったことを伝えた……

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私が

「私は、奥さんの事を良く知らないけど……
きっと、別れ話をしても
嫌だと言われるはず。
斗真の事、凄く好きで
今までも我慢してきたんだと思う。

今まで言われてきた《言葉》は、
すべて逆に考えたほうがいい」


そうメールを送ると……

斗真から

「お前の言う通りだよ
俺、もうあいつがわからない……」

そう返信が来た。

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斗真は、

「以前揉めた時、本音を話されて
今まで思っていた嫁さんとは別人だと
思ったけど……
今まで言われた言葉は信じてた。」
そう言った。

続けて

「実は昨日、《気持ちがなくなったから別れたい》
と言ったら
ニコニコしながら、
《私は好きだから別れない》
と言われた。」

そう送ってきた。

私は、びっくりもせず

『やっぱり………』

そう思った。

ただ、一つ
『何で、ニコニコできるの？』
それだけがわからなかった。

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私はそんな奥さんが、
さらに怖くなった。

『絶対に私の事はバレちゃいけない』

そう強く思った。


斗真は、
自分が思っていたのとは
逆の反応だった事に
悩んでいた。

斗真も何で奥さんが笑ったのか
わからない様子だった。

今まで10年以上、一緒にいた
奥さんが1日にして理解できなくなり
斗真も少なからず
恐怖を感じていたようだった。

私はもちろん、斗真も

『この先どうなるんだろう』
そんな風に思った。

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斗真自身、

『どう言えば別れてくれるのか』

がわからなくなり、それ以上
話を進められなかった。


毎日のように

斗真が

「もう、俺には気持ちないよ？
戻ることはない。
一緒にいても辛いだけだ
このままだと、本気で嫌いになりそうだ。
別れたい」


と言い

奥さんが

「嫌いでも構わなぃ。
お金は私が全て握っているし
あなたは、勝手な行動は出来ない。
私は、あなたの事嫌いになれないから
絶対に別れない。
そろそろ子供も欲しいし……」

そんなやりとりだったらしい。

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斗真は、そんな奥さんに
徐々に本当に気持ちが
なくなって行き、

「家に帰りたくない。」

そうメールを送ってくるようになった。


話をしてもしても、
一向に進まないことに
疲れているようだった。

こんな状態にもかかわらず、
毎日笑顔で、以前と変わらぬ
態度で接し、

「今日辺り、赤ちゃん出来そうなんだけど。」

そう言ってくる奥さんに
どう接していいかわからないと。

「もう、お前とする気はない。」

そう言っても　

笑顔で
「そう。」

と答えていたそうだ。

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約束の
《1ヶ月》

が近づいてきた。

確かに、斗真は頑張ってくれていた。

でも、状況は全くと言っていいほど変わらなかった。
変わったと言えば、
斗真のお母さんの事。
斗真の本当に仲が良いまわりの人間に
私との事を話した事。

でも、肝心な奥さんとの
関係がどうにもならない以上
どうしようもなかった……

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智也と私も、一向に話が進まなかった。
私自身、進めようともしていなかったのだが。

冬休みに入り、いつものように
私と子供達で実家に帰った。

また、毎晩仕事帰りに会った。

斗真は、以前と違い、
奥さんには、連絡もせず
遅い時間まで一緒にいた。
途中、奥さんから連絡があっても
放っておいた。


斗真は、
「もう、お前との事を言うしかない。
そうすれば、別れられると思う。」

そう言った。

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「それだけはやめてって
言ったでしょ？」

と、私が言うと


「もう、それしかないんだよ。
今まで、色んな事を言ったんだ。
凄く傷つけるような事も言った。
嫁さんの嫌いな所とか
ひどい事言ったりしたんだよ。
でも、あいつ………
《これから気を付ければいいんでしょ？》
そればっかりで………」

と言った。

• 共感0

私は、斗真に
「奥さんってどーゆー人なの？」

と聞くと

「もうわからない。」

と言った。

私は
「前にも言ったけど、
私しか理由がないなら
別れなくていい。
奥さんが怖い。
私の子供達に、なにかあったら困るの……」

と言った。

「そこまでは、しないだろう」

斗真はそう言ったが
私には、そうは思えなかった。

『何をするかわからない』

そう思っていた。

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『私との事を言わないと別れられない』

そう言う斗真。

『それだけは、
絶対に言われたくない』

私。

おのずと、結果は見えた。
私は、斗真になのか、
奥さんになのか、
自分になのか……
わからないが、苛立っていた。

私は
「本気で別れたいと
思ってるの？
本気で別れたいなら
別居でもなんでもすればいいじゃない！！」

自分は、斗真次第で動こうなどと
勝手な事を考えているくせに
ただの八つ当りだった。

斗真は

「自由になる金が無い」

とだけ言った。

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離婚を拒否している
奥さんが、
今更お金を斗真の自由に
するわけはないだろう。


奥さんは
『嫌われたくない』

そう思っているはずなのに
斗真の気持ちが離れていくような事ばかりをしていた。

きっと今までの10年以上、
斗真だけを見てきたんだろう。
相談する友達もいない。

斗真同様、
《別れ》
を経験した事の無い奥さん。

どうしたらいいか
わからなかったのかもしれない。

私は相変わらずイラついていた。

暫く、そんなピリピリした日々が続いた。

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ある日、斗真の冷たい態度に
いい加減腹が立ったのか
奥さんは、

「どうして、そんなに別れたいの！？
私の嫌だと言われた所は
直すと言ったじゃない！
急に気持ちがなくなった
なんておかしいわよ！
何がきっかけなの？」

とキレた。


斗真は

「前に、揉めた時、
初めて本音を言い合い、
改めて、合わないと思った。
今まで我慢していたんだろ？」

そう言うと、奥さんは

「我慢してでも一緒にいたいのよ。」

と言った。

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斗真は
「俺は、我慢されるの嫌なんだよ！
付き合ってるだけならまだしも、
我慢しながらの生活なんて俺は嫌だ。」

と言った。

すると、奥さんは

「じゃぁ、我慢しないようにするから……」


と言い、斗真は

「今まで無理だったんだから無理だよ。
しかも、我慢してないと言われても
俺は、また我慢してるんじゃないか？
そう思ってしまうから無駄だ。」

そう言った。

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奥さんは

「だったら、もう余計な事は、何も言わないわ。
だから………」


と言いかけると
斗真が

「そう言ってる時点で
我慢だろ？　何でも俺の言った通りじゃねーか！
それが嫌なんだよ！
俺の言う通りにするなら
別れてくれよ！！」

と、怒鳴った。


奥さんは、泣きながら

「それだけは嫌………
別れるくらいなら死んだほうがましよ。
どうしても別れるっていうなら
あなたを殺して、私も死んでやる……」

そう言った。

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りんさん！
何が最低なの？
余計なひと言やめてもらえます？

主様、読者の皆様、私も余計なレスすいません💦

• << 201 ＊198さん、199さん。 すみません。 また削除されたﾚｽを 見逃してしまいました😢 《りんさん》　 と言う方が、不快におもってらっしゃると 言う事ですよね？ どこまでがノンフィクションで どこからがフィクションだかは 明かせませんが、あくまでも 《小説》として読んでいただけたら…　と思います。 不快に思われる方が他にも いらっしゃったら 申し訳ありません。

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>> 198 結衣さんの恋愛観や旦那への不満など共感できるところが多く頻繁にチェックするぐらい楽しませていただいています💖わざわざ嫌なレスする人が出ているみたいですが、結衣さんの作品なんだから無視して続きを頑張ってくださいね😊

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予想だにしなかった

《殺す》
《死ぬ》


そんな言葉を言われた斗真は、
愕然としてそれ以上
何も言えなかった。


そんな話を私にしながら
斗真は、私に

「どうしたらいいんだろう……
俺、今まで嫁さんの何を見ていたんだろう…」

そう言って、今までにないくらい落ち込んでいた。

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>> 198 りんさん！ 何が最低なの？ 余計なひと言やめてもらえます？ 主様、読者の皆様、私も余計なレスすいません💦 ＊198さん、199さん。

すみません。
また削除されたﾚｽを
見逃してしまいました😢

《りんさん》　
と言う方が、不快におもってらっしゃると
言う事ですよね？

どこまでがノンフィクションで
どこからがフィクションだかは
明かせませんが、あくまでも
《小説》として読んでいただけたら…　と思います。

不快に思われる方が他にも
いらっしゃったら
申し訳ありません。

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斗真は、それから暫く
別れ話をしなくなった。

私も、斗真の気持ちは
理解できたから何も言えなかった。

その代わり、
脅して繋ぎ止めている
奥さんにイライラしていた。

『もし、私が旦那の事を大好きだったとして
子供がいなくて
旦那が私に気持ちが無くなったら…
私だったらどうするだろう………』


そう考えた。

当然
「別れたくない」
とは言うだろう。

でも、脅してまで一緒にいても
自分が辛いだけだ。

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私は、
何度も別れを経験しているからなのか
『気持ちが無くなってしまったら
もうどうしようもない。』
それがわかっているだけに
多少時間はかかるかもしれないが
別れるだろう。

だから、いくら考えても
やっぱり、奥さんの事は　
理解できなかった。


でも……
私が現われなかったら………
斗真は、離婚を考えたかな。

そう考えると、苛立ちながらも
奥さんに
凄く申し訳ない
と言う気持ちにもなった。

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斗真にそれを言うと、

「確かにお前との事が
きっかけにはなったかもしれない。

でも、結局俺は
嫁さんと揉める事が
面倒で、嫁さんに対しての不満を
見てみぬ振りをしていただけだし
嫁さんも、嫁さんで、今までずっと
俺に言いたい事も言わずに我慢してた。
遅かれ早かれ、終わっていたと思う。
きちんと嫁さんと向き合ってこなかった
俺が悪い。」

そう言った。

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斗真は、長い年月
積み重ねてきた日々が
奥さんの
《我慢》
によって、うまくいっていただけ
だった事を知り、ショックも受けていたが、

結局、本気で好きでもないのに
《いい子だから》
と付き合って

自分が主導権を握り
逆らわない奥さんの事を

《楽だから》とか
《価値観が合う》

と、思いなんとなくここまで来た自分にも腹を立てていた。


「色々と私と、奥さんを比べれば比べるほど
奥さんへの気持ちは冷めていく。」

と言っていた。

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例えば…

斗真と喧嘩をした時……

奥さんとの場合
ちょっと口喧嘩をすると
奥さんは、１週間は凹んで
口もきかないらしい。
結局、解決しないまま
斗真が
「悪かった。もういいよ」
そう言って終わるのだと言う。


私との場合…
小さなことで大きな喧嘩になる。
お互いに引かず、とにかく喧嘩する。

とことん喧嘩して、
お互いに自分の意見を言った後…
お互い謝る訳でもなく、

数分後には、
「次いつ休み？」
なんて普通の会話になる。

• 共感0

はたまた、

例えば斗真が

「嫌な事があり、仕事を辞めたい…」

そう言った場合。

奥さんだと
「えー。どうしよう……
でも嫌なら仕方ないよね。
辞めても良いよ」
となる。

私の場合…

「そっかぁ、それは嫌だね💢
よしよし！よく頑張った！大丈夫！！　明日も頑張れ👊」

となる。


斗真は、
奥さんの為に仕事を続ける気にはなれなかったけど、
お前と子供の為なら、
何があっても続けられるような気がする。

と言っていた。

• 共感0

そんな話をされても
別れられないものは仕方がない

余計に虚しくなるだけだ。
『奥さんさえ別れてくれれば…』

と、思ったが、
それは叶わない願いだ
と言うこともわかっていた。

2人の先が見えないまま…
でも別れる事も出来なくなっていた。
少なくとも、私からはもう
別れを切り出したくなかった。


ある日、斗真は

「子供達に会ってみたい」
と言ってきた。


私は悩んだ。

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