同級生~再開しなければ良かった~
私は………
なんて事をしてしまったんだろう。
一つの『家庭』に亀裂を入れてしまった
最初はそんなつもりはなかったのに………
どうしてこんな風になってしまったんだろう。
そして……………これは私のした事への罰なの?
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私は、原田結衣 13歳。
着慣れない制服を着て中学に通い始めたばかり。
身長が150㎝ない私は、いつものようにでかい男2人、『山本健吾』と『黒川斗真』にからかわれていた…。
「もうっ!なんなのよ毎日毎日…」とぶつぶつ言いながらも私はそんなに嫌な気分ではなく、むしろ少し嬉しかった。
この頃はただの『友達』だった…
- << 336 生きていく中にはたくさんありますね😠あの時、強がらず本音言ってたら…私も違っていたかも…もし一緒になれたとしても上手く行かなかったかも知れないかも…赤ちゃん残念だったね💧でもね、罪や罰を持って来るべビは居ないよ😃もしかしたら、悲しいかな産まれてこれなかったけど、『パパ・ママ回り道したけど幸せになってね』とのメッセージかも知れない…ご主人も、もしかして気付いてるかもしれない…あえて云わなくていい…貴女と子供が必要と変わられたんだからね😃😃小説おわっちゃったけど、お幸せにね😉 私も高校の時に大好きな人と意地はり・理解ある女を演じて、泣いちゃいました💧
お互いに恋愛感情はなかったはずなのに、あの日から少しずつ変わっていった。
あの日……夏休みが明けてしばらくした頃の昼休み、健吾に「お前、ちょっと帰り残ってろよ!」と言われた。
私は「えっ?何?何で?」と聞いたが、健吾は「いーから、いーから!」と言ってどこかへ行ってしまった。
なんなのかさっぱりわからない私は、午後の授業なんてそっちのけで、なんなのか?を考えていた。
いくら考えても分からず下校時刻になった…
友達に「あれ?結衣帰らないの?」と聞かれ、あやふやな答えをし、
なんとか教室が空になるまでトイレで待った。
『そろそろいいかな…?』
そう思い教室へ行くと、健吾と斗真だけがいた。
私がいつもの口調で
「なぁに?」
と警戒心むき出しで聞くと、斗真が真っ赤な顔をしながら
「これ…………やるよ」
と小さなキーホルダーをくれた。
全く予想していなかった私は
「あ………ありがとう」と言いながら、私まで顔が赤くなるのがわかった。
そこからどうやって帰ってきたのかよくは覚えてないが、その日から斗真にどう接したらいいのかわからなくなった。
どういう意味であのキーホルダーをくれたのかわからなかった。
あの日以来、斗真を意識してしまっている自分がいた。
でも、斗真の態度はまるで変わらない。
段々モヤモヤしてきた私は、思い切って斗真に電話をした。
呼び出してすぐに斗真が電話に出た。
他愛のない会話をしてから私は切り出した…。
「あのさぁ、キーホルダーなんだけど………何で私にくれたの?」
すると斗真は、
「あ、あれ?実は俺、宮本さんの事ずっといいなぁと思ってて…夏休みに出かけた時に宮本さんに買ったんだけど、なんとなく宮本さんには渡せなくてさ!だからお前にあげただけ。」
「あ、そーゆー事ね!なぁんだ。わかった!でもありがと。じゃぁね」
と、明るく電話を切ったもののなんとなくショックだった。
あの日までは別に好きでも何でもなかったのに…
紛らわしいことすんな!
あのドキドキを返せ!!
私は斗真に惹かれ始めている自分に気付いた。
私は、悔しいので自分の気持ちを閉じ込めて、今までどおり『友達』として、じゃれあっていた。
健吾も斗真も、他の女の子とはあまりしゃべらない方で、女の子からはなんとなく怖がられていた。
健吾は、頭が良く目つきが悪い(単に目が悪いだけ)。斗真は男とばっかりつるんでいていつもふざけてる。
でも、私とはグループで映画を観に行ったり、電話でくだらない話をしたり…
それだけで楽しかった。
恋愛じゃなくても、私は『他の子とは違う』
それだけで満足していた。
そうこうしているうちに、いつの間にか1年も終わろうとしていた…。
あっという間に2年になり、クラス替えの発表が張り出されていた。
健吾とはまた同じクラス。斗真とは階すらわかれてしまった。
なんとなく寂しかった。
でも健吾がいたので付き合いは続いた…。
相変わらず電話もしていた。むしろクラスが替わったので電話をする回数は増えた。
私は、同じクラスになって『千尋』と仲良くなった。
千尋と『由美』は親友で、由美は斗真と同じクラスだったので、斗真のクラスに遊びに行く事も増えた。
夏休みが近づいた頃……由美から
「私、斗真の事好きになっちゃった。夏休みになったら告白するから協力して!!」
と言われ、私は
「うん!いーよ!」
と言いながらも、気持ちは複雑だった。
夏休み…………健吾、斗真、千尋、由美、私でよく遊んだ。
斗真は、由美の気持ちに気付いていないらしく普通に仲良くしてる
なんとなく嫉妬した。
私だけ『特別』だと思っていたのに………。
由美と斗真を見ていたくなかった。
今更「私も斗真が好き」と言えるはずもなく、
気持ちとは逆の行動をとっていた…。
ある日…由美と千尋に呼び出され、待ち合わせ場所に行くと、由美が泣いている。
私は慌てて「ど、どーしたの?」
と聞くと、由美が泣きじゃくりながら
「振られちゃったぁ……」
と言った。
私は、そんな由美を見て、本当に可哀相だと言う気持ちと、
斗真がOKしなくて良かったと言う気持ちで揺れていた。
どちらかと言えば嬉しい方が大きかったかもしれない。
心の中で由美に『ごめんね』と言った…。
由美が振られたと知った私は、斗真に電話をした。
斗真の方から由美の話題を出してきた。
私は
「なんで由美じゃダメだったの? 仲良さそうにしてたじゃん」
と言うと、
斗真は………
「俺は、お前のことが好きだ。由美に告白されて気が付いた」
と言った。
私は動転して
「それ、由美に言ったの?」
とだけ聞いた。
由美、千尋との関係も壊したくなかったから……
斗真は「言ってないから大丈夫だよ」と言ってくれた。
その日はそのまま電話を切り、夜はなかなか寝付けなかった。
由美への罪悪感よりも、嬉しさの方が上だった。
初めて、好きな人に好かれた喜びを知った…
斗真に「好きだ」と言われてから数日が経った。
告白されたはずなのに、なんら変わりない。
好きだと言われた日の喜びも段々小さくなっていった。
『普通、お互い好きだったら付き合おうとかならないのかな?』
『私も好きな事…気付いてないのかな』
『でも、由美の事もあるから、今はこのままがいいかな。』
と色々考えつつ、私と斗真の関係は、はたから見たら《友達》のまま時間が経っていった。
3年になり、私とは千尋は同じクラス。
健吾と斗真が同じクラスになった。
斗真のクラスには、それほど仲がいい子もいなかったので、学校で顔を合わせることがあまりなくなっていた。
その分、電話では話していたが私達の仲は相変わらずだった。
好かれているのは分かる。私が好いてる事もわかっているだろう
でもお互いにあと一歩の勇気が出せずにいた……
そんな時、私は初めて同じクラスになった、クラスの人気者『貴』と仲良くなり始める……。
貴は、斗真とは全然違うタイプの男の子で、
男でも女でもよくしゃべるし、面白い。
好かれるのが分かる気がした。
私もクラスの中では一番いいなぁ……と思っていた。
でもやっぱり斗真が好きだった。
斗真はサッカー部だったので放課後、教室の窓から斗真を見ていたりした。
授業中でも、斗真のクラスが外で体育をやっていたりすると、何故か斗真だけは見つけられた(笑)
そんなある日…斗真から電話があった
斗真は
「サッカーの試合があるんだけどさ、観に来ない?」
と言ってきた。
素直じゃない私は
「来て欲しいなら行ってあげる。」
と言った。
私がわざと言ってる事がわかってる斗真は
「あっそ。来たくないなら別にいいけど………」と言いつつも
「〇〇日の〇〇時な!忘れんなよっ」
と言って電話を切った。
そんなやりとりも、私の事をわかってくれている気がして嬉しかった。
試合当日……
私は、千尋に付いてきてもらい応援に行った。
斗真のゴールで勝った!!
その夜、斗真から電話があり
「今日の俺、すごかっただろ?」
「私の応援のおかげでしょ!」
なんてやりとりの後……
暫く沈黙が続き、
斗真が照れ臭そうに
「再来週の土曜日暇?
次の試合に勝てたら、その日も試合だから無理なんだけど、次負けたら……どっか行かない?」
その時ばかりは、ひねくれず
「いーよ。でも…負けて欲しくないような、負けて欲しいような……複雑だよ! でもやっぱり負けんなよ!」
と、私は言った。
斗真は、笑って
「おう!」
と言って電話を切った。
切った後に、嬉しさが込み上げてきた。
その日の夜はなかなか眠れなかった。
翌週、斗真の次の試合の日だった。
夜、電話があり
私はドキドキしながら
「試合…どうだった?」
と聞いた。
すると、斗真は
「負けた!!」
と、少し悔しそうに、でも少し嬉しそうに言った。
「そっか…」
としか言えない私に
「で?どこ行く?」
と斗真が言った。
結果、遊園地に行く事になった。
斗真は、地元の一番近い駅ではなく、少しだけ離れた駅で待ち合わせしようと言ってきた。
『なんで?』
と思いながらも、私は了承した。
遊園地当日…
待ち合わせ場所に行くと、斗真はもう来ていた。
私服をあんまり見慣れていないせいか、
2人きりで出かけたことがないからか
少し恥ずかしかった。
でも遊園地に着いたらそんな事は忘れて、はしゃぎまくった(笑)
ほぼ、その遊園地にある乗り物という乗り物を制覇し、最後の乗り物に乗ろうと並んでいたら……
突然の大雨。
2人は、あっという間に全身濡れてしまった。
「どっかで雨宿りしよう」
と斗真が言い、私の手を引っ張った。
初めて手をつないだ………
きっと私の顔は真っ赤だっただろう。
もしかしたら、斗真もそうだったかもしれない。
初めて繋いだ斗真の手は、雨のせいで冷たかったが、大きくて力強かった……
数十分ほどすると雨は止んだ。でも濡れた体は冷えて寒かったので
そろそろ帰ろうか……
と言う事になり帰りの電車に乗った。
私達だけびしょ濡れで恥ずかしかった。
帰りは、地元の駅まで一緒だと思っていたのに、斗真は
朝待ち合わせした駅で
「じゃ、また学校でな!」
と笑顔で帰っていった……
私は
『そんなに私と歩いてるとこ見られたくないんだ…』
と、出かけた楽しさよりもショックと寂しさでいっぱいだった。
あの日から私達はすれ違ってしまった………
次の日から私のため息が増えた。
もしかしたら斗真は、そんなに私の事好きじゃないのかもしれない。
悪い事しているわけじゃないのにこそこそするのは嫌だ。
そんな気持ちでいっぱいだった。
そんな時……同じクラスの貴が
「俺と付き合わない?」
と言ってきた。
私は
「ちょっと考えさせて…」
と言ってしまった。
貴に告白された夜、
私は斗真に電話をした。
「貴に、付き合わない?って言われちゃった~」
と私が言うと、斗真は
「で?付き合うの?」
と、明らかに不機嫌そうに言った。
私が
「付き合ってもいいの?」
と聞くと
斗真は
「あいつの事好きなの?」
と聞いてきた。
好きなわけじゃない。でも……斗真と違いオープンな貴。こそこそするのが嫌な私は、少なからず貴にも惹かれていた。
そう思いながら私は、斗真の質問には答えず、不安に思っていることを確かめるかのように
「ねぇ、明日学校から一緒に帰れる?」
と聞いてみた。
すると、斗真は
「誰かに見られたら、なんか言われるじゃん。俺、冷やかされるの嫌なんだよね」
と言った。
私は一気に涙がこぼれてきて、
「あ、そう。そんなに私といる所見られたくないならもういいよ!」
と言って、一方的に電話を切ってしまった。
斗真には、
「貴と付き合うことにしました。」
と手紙を書いた。
それを斗真に渡してもらえるよう健吾に頼んだ。
貴は、思っていた通りオープンな人で、毎日のように一緒に帰った。
休み時間でも私の席に来たりした。
だからみんなにもすぐバレタが、貴は平気な顔して
「付き合ってるよ」
と言った。
クラスに、貴の事を好きだった女の子がいたらしく、暫くはやっかみもあった。
でも私は、逆にそれが心地よかった。
こそこそしないのがこんなに嬉しいとは思わなかった。
そんな貴にどんどん惹かれていった。
そう……あの話を聞くまでは………
ある日、私と同じクラスの『春子』の私への態度が妙に冷たいと感じ、
私は春子に
「ねぇ、私春子に何かした?」
と聞いてみた。
すると春子は
「教えてあげない。」
と言った。
訳が分からない私に、春子は
「ヒントね。
私………斗真の事が好きなの。」
と春子が言った。
斗真に電話を繋いでもらうと、
「どうした?貴となんかあったか??」
と懐かしい声。
「貴とは、うまくいってるよ。実は春子が私の事嫌ってるみたいで……
春子となんかあった?」
と聞いた。
すると斗真は
「付き合ってくれって言われて、断っただけだよ……」
と言った。
「なんで、それで私に冷たく当たるのよ」
と聞いたら
「俺が、お前の事を好きだからって断ったからじゃない?」
と…………。
その一言で私の心はまた揺れてしまった。
斗真と電話を切った後、
斗真の事が頭から離れなくなっていた。
『やっぱり私は斗真が好きだ』
そう思ってしまった。
でも貴を傷つけたくない。貴は、とても優しくて一緒にいると楽しくて、私を一番に考えてくれている。
悩んだ挙げ句、私は斗真への気持ちを忘れようとした。
なのに………
中3の冬休み……
何故か、貴と自然消滅してしまった………。
思い返せば、貴とはあまり電話をしない。
学校で話したり、夜会う約束をしたりしていたから…。
私からも電話をかけづらかった。
やる事がなくて暇な私は、ブラブラと散歩にでかけた。
するとばったり斗真に会ってしまった。
少し気まずかったが、普通を装って挨拶をし、なんとなくしゃべりながら歩いた………
私は斗真が好きだ。
でも、貴ときちんと別れてもいない。
貴と斗真は同じ塾なので、そこそこの知り合いだ。
私がきっかけで2人の仲が悪くなるのも嫌だった。
『私はどうしたらいいんだろう……』
そう考えてたとき、
私に何かあったと気付いていたた斗真は、家まで送ってくれて帰り間際、
「貴となんかあったんだろ? 俺、今でもお前の事好きだよ。だから俺は貴とどうなってもいい………お前が俺のとこ来てくれるなら……」
と言ってくれた。
泣くのを我慢できず、ぼろぼろと泣いてしまった。
「ありがとう。でもきちんと終わってないから……
これ以上私に優しくしないで」
と言って家に入った。
3学期が始まると、貴は何事もなかったかのように話し掛けてきた。
普通に
「今日、一緒に帰ろ」
と笑顔で言われてしまうと、申し訳なくて断れない自分がいた。
斗真とはあれ以来話していない。
斗真からは何も言ってこない。
校庭に斗真の姿を見つけると、つい目で追ってしまう私。
自分の気持ちに気付いていながらも別れられない私。
そんな宙ぶらりんのまま卒業間近になっていた。
卒業式……
結局私は気持ちを押さえたまま、貴と付き合い続けていた。
きっと………またこそこそ付き合う事が私にとっては凄く嫌な事だったんだろう。
斗真に戻る勇気は出なかった。
卒業証書授与が始まり、斗真の名前が呼ばれた時は、何故かドキッとした。
今思えば、私達は中学の3年間、お互いに想っていたのにすれ違いばかりだった。
高校に入り、私達は滅多に会う事はなくなった……
貴は、私が通う高校のすぐ近くの高校に入学した。
いつの間にか斗真への気持ちは《思い出》になり、貴の事が本当に大事になっていた。
でも…高校1年の夏、
私は貴に二股を掛けられ、
挙げ句の果てには、相手の女
(貴のバイト先の2階に住んでいる同じ中学の1コ先輩)
に
「結衣ちゃんは、キープだと思うんだ。私は貴の事が好きだし、これからも会うから。」
なぁんて言われてしまった。
ショックで1~2週間は、食事も喉を通らず、眠れない日々が続いた………
友達には
「あんな男別れなよ!
結衣はモテるんだから、もっといい男いるって!!」
でも私は、貴と別れたくなくて悩んでいた。
貴の友達から
「実は貴の両親が離婚してさ、あいつ荒れてるんだよね。だからもう少し待ってやってよ」
と言われた。
何も知らなかった私は、私には何も言ってくれない、
頼ってくれない貴が寂しかった。
毎日、夜になると
『またあの女と一緒にいるのかな……』
そう考えて眠れない日々は続いた。
でもある日、貴は相手の女と初めて2人きりででかけたようで、夜貴が私の家に来て
「2人で出かけてみて初めてわかった。お前じゃないと駄目だ」
そう言われた。
嬉しかった。
でも、なぜだろう…戻ってきたらきたで、気持ちが薄れていく自分に気付く。
私はただ、あの女から取り返したかっただけなのかもしれない……そう思った。
数日後、凄く久しぶりに斗真から電話があった。
「よぉ!元気か?」
斗真は相変わらず元気そうだ。
私は
「久しぶり!どーしたの?なんかあった?」
と聞いた。
中学の時といい、今回といい斗真は私に何かあった時にいつもタイミング良く、会ったり、連絡をくれる。
ただの偶然なんだろうけど、偶然とは思えなかった。
だからこそ、貴との問題を斗真には知られたくなかった。
斗真は
「別に用事はないんだけどさ、たまには飲みにでも行こうぜ」
と言った。
私は
「うん!いつにする?」
と乗り気だった。
斗真と話している間も、電話を切った後も貴の事は思い出さず、
斗真のおかげで久しぶりにゆっくり寝られた。
斗真との電話で、2週間後に飲みに行くことになった。
久しぶりに会える嬉しさもあったが、貴との事も
悩んでいた。
悩んだまま、斗真と会いたくなかった私は
貴のバイト先へ行き、きちんと話し合おうと思った。
貴のバイトが終わる時間を見計らって、バイト先へ行った。
するとそこには、別れたはずの、
二股を掛けられた相手の女が、
笑いながら貴としゃべっていた。
私はカーッとなり、店に入って、貴に
「どーゆーこと?」
と冷たい視線を向けながら聞いた。
貴は
「そーゆーのじゃないから!」
とあわてた様子で言った。
でも私は、もう貴の事を信じられなくなっていた…
私は
「もういい! 勝手にすれば!! 別れよう」
と吐き捨てて店を後にした。
怒りの方が大きくて、不思議と涙は出なかった。
それよりも別れたことがスッキリしていた。
そして、斗真と飲む日……
夕方待ち合わせをした。
私の方が先に着き、待っていると、
斗真が走りながら近寄ってきた。
息を切らし、ぜぃぜぃ言いながら
「わりぃ、待った?」
と斗真。
そんな斗真を見ていたら、笑いが込み上げてきた。
つい、私は
「なんでそんなに全速力で走ってきてんのよ、ばぁか!」
と言ってしまった。
斗真は
「お前の姿が見えたからだろ~! ったく…、ほら行くぞ!」
と言いながら、私の手を引っ張った。
そう……初めて2人で出かけた時のように………
店につき、とりあえずビールを飲みながら
近況などを話し合った。
やっぱり斗真といると楽しい。
ひどい振り方をしたのに、ずっと好きでいてくれた人。
私は懲りずにまた、斗真に惹かれてしまった…
そして帰り道の途中で公園に寄って話をしていた時…
少しの沈黙の後に初めてキスをした。
キスの後は、少し気まずいような、恥ずかしいような…
でも、お互いに同じ気持ちなのだと思って嬉しかった。
でもその直後…
斗真は
「ごめん、つい……。
ずっと言おうと思ってたんだけど俺、彼女ができたんだ。」
と言った。
「え………? あ、そうなんだ。。。じゃぁ…今のは何?」
と私が言うと
「だから、ごめん。俺帰るわ」
そう言って去っていった。
残された私は、なんだかわからないまま家に帰った。何故か涙が出た………
それから暫くして、私にも彼氏ができた。
斗真の事を忘れたことはなかったが、諦めるしかないのだと自分に言い聞かせ
他の男と付き合った。
でもどの人とも長くは続かなかった。
斗真とは、友達として付き合っていこうと思っていたし、斗真にもそう思っている事を言ったので、
年に1度くらいのペースで遊びに行っていた。
でも18歳の頃……私はある人に一目惚れをする。
友達のバイト先の店長が、草野球をやっていて、
たまたま車がないから友達が連れて行ってくれと頼まれ、私も便乗した。
ただ単に暇だったから(笑)
グラウンドに着き、なんとなく練習風景を見ていたら
『あ。あの人!あの人格好いい』
遠くでキャッチボールをしているだけで、
顔もハッキリ見えないのに、
何故か一目で好きになってしまった…
店長に、私は
「ねぇねぇ!あそこで投げてる人………あの人誰?」
と聞くと、
「あ~、あの人は大澤勇治さん。結衣の5つ上だよ。何?気に入ったの?」
と、言われ、私は
「うん。格好いい! でも恥ずかしいから言わないで。」
と言った。
店長が
「結衣、彼氏いるんじゃなかったっけ?」
と言ってきたので
「うまくいってない」
とだけ答えた。
うまくいってないのは本当だった。
でも、その時はもう彼氏の事なんてどうでも良かった。
大澤勇治の事で頭がいっぱいだった。
『こんな気持ちになるのは斗真以来だ』
そう思った。
私はどうしても、大澤勇治と付き合いたいと思っていた。
私は車に乗ったまま、タバコを吸っていると、
一人の男の人が、「ラジオ聞いてる?野球の試合!」と話し掛けてきた。
「付けましょうか?ラジオ…」
と言いながらその人の顔を見た。
そこにいたのは、一目惚れをした大澤勇治だった…
ラジオをつけた私は、大澤勇治を初めて間近で見た。
『やっぱり格好いい』
そう思った。
「大澤さん…ですよね?」
と私が聞くと
「うん。よく知ってるね!君は?」
と聞かれ
「原田結衣です!」
と答えた。
すると大澤は、
「結衣ちゃんね!よろしく! ラジオありがとう!!」
と笑顔で私の頭をポンポンっと叩いてグラウンドに走って行った…。
店長が、大澤勇治の連絡先を教えてくれ、電話しようか迷っているある日、
店長に
「話があるんだけど」
と、店長の店に呼び出された。
私はその頃、早生まれの為車の免許を取ってから働くつもりでいた。
免許も取れたし、そろそろ仕事を探さなきゃと思いつつ
高校時代にバイトをして貯めたお金で生活していた。
店長が働いているカラオケ店に行くと、そこには店長と、店長の上司らしい人がいた。
店長が、
「今月で〇〇支店のバイトがやめることになって、人数が足りないんだ。そこで暫く働かない?」
と言った。
私は即座に
「よろしくお願いします!」
と言って、即決だった(笑
上司がいなくなってから、店長に
「大澤さん、よく〇〇支店に遊びにくるよ! 頑張れよ」
と言われた。
『やったー!大澤さんに会える!』
そう思い、店長にお礼を言いバイトに行く日を待った。
いよいよバイト初日。
おそるおそる店に入ると、店長とバイトの人達が、忙しそうに働いていた。
私は深呼吸してから
「原田結衣です!よろしくお願いします!」
と言った。
みんないい人達そうで、私は安心した。
その夜、早速大澤さんが店に遊びに来た。
大澤さんは、私の顔を見ると
少しびっくりしたような顔で
「結衣ちゃん?だよね?
ここで働き始めたの?」
と聞いてきたので、私は
「はい!よろしくお願いします。」
と言った。
ついでに………勇気を出して
「今度電話してもいいですか?」
と聞いたら、大澤は
「おぅ!いつでもしておいで。」
と笑顔で答えてくれた。
私はもうそれだけで舞い上がっていた。
その頃はもう……斗真の事は頭になかった。
それから暫く、大澤さんは、店に来なかった。
迷った挙げ句電話をしてみることにした。
呼び出してすぐに、男の人が電話に出た。本人だった。
「お久しぶりです。結衣です。電話しちゃいました…」
と私が言うと、大澤さんは
「結衣ちゃん、元気だった? バイトどう?」
と優しい声で聞いてきた。
「はい!大分慣れてきました。大澤さんは、暫く店には来ないんですか?」
と聞くと、
「仕事が忙しくてね……」
と言われてしまった。
私が言葉に詰まっていると、大澤さんが、
「俺、来週の土曜日誕生日なんだよね。
祝ってくれる人いないんだけど、結衣ちゃん祝ってくれない?」
と、言ってきた。
私は、即座に
「暇です!超暇です!!
お祝いさせてください。」
と言って、時間と場所を決め電話を切った後
店長にプレゼントの相談をした
大澤さんの誕生日…
悩みまくった結果、気を遣わせないくらいの値段の上着をプレゼントすることにした。
今思えば良く知らない人に服なんて、よくあげられたものだ(笑)
遠慮がちに
「これ………一応プレゼントです。」
と言って渡すと、大澤さんは、すぐに開けて
「俺、こーゆーの欲しかったんだよ!ありがとう!!」
と言って喜んでくれた。
その日を境に、私と大澤さんは、頻繁に連絡をとるようになり、
ある日大澤さんが、
「ちゃんと付き合おう」
と言ってくれた。
もちろん私はOKした……
大澤さんと、付き合いだしてからも、
忘れた頃に斗真から電話はあった。
でも、気持ちが揺れることはなかった。
お互いの近況などを報告し合い、斗真は高校の時の彼女とずっと続いているらしい。
『斗真は、彼女の事そんなに好きなんだ…』
と思うと、ちょっとだけ心がチクっとしたが、
それだけだった。
斗真には
「たまには飲みに行こうぜ」
と誘われたが、私は会うのは断った。
その時の私は、とにかく大澤さんの事しか見えず、
やっと…やっと斗真を忘れられる。
そう思っていた。
大澤勇治と付き合い始めて、3年程が過ぎた。
その頃は私は、やっと大澤さんではなく『勇治』と呼べるようになっていた。
年上の男の人と付き合うのが初めてだった私は、たかが名前……でもなかなか勇治とは呼べなかった。
ある時、勇治が仕事を辞めた。
勇治が26歳、私が21歳の時だった。
私は3年間も続いた人は今までいなかったし、
何より斗真を忘れさせてくれた人だったので、
漠然と《結婚》も意識しはじめていた。
そんな矢先、
上司との喧嘩が原因で簡単に仕事を辞めてしまった勇治に対して、
勝手に不安になっていった。
勇治は、その後1ヶ月たっても、2ヶ月たっても、3ヶ月たっても
仕事を探していなかった。
その頃から私達は、喧嘩ばかりするようになった…
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いじめなのか本当に息子が悪いのか
小学4年生の息子の母です。 息子が学校で同じクラスの女の子のお尻を触ってしまうというトラブルがあり…
72レス 3361HIT 教育に悩むママさん (30代 女性 ) -
私が悪いのですが、新入社員に腹が立ちます。
中間管理職です。私が悪いのですが、腹が立つので聞いてもらいたいです。 新入社員の部下が試用期間が終…
14レス 439HIT おしゃべり好きさん (30代 女性 ) -
言い方とか、誹謗中傷等したりはやめて下さい。原因はなんだろね
腰痛になり整骨院通い始めたんだけど 相変わらず、行けばまぁ治るんだけど休みの日(病院が休み、自分も…
30レス 550HIT 聞いてほしいさん -
ひねくれてますか?
母親から愛情を受けずに育ちました。 日常生活はめちゃくちゃ、人間関係を築けず、で大人になりました。…
24レス 896HIT 心の病気さん -
私の人生観、おかしいですか?(長いです)
30歳を過ぎ、自分の考えに疑問に思うことが増えたので、聞いていただきたいです。 私は20歳を過…
15レス 451HIT 相談したいさん - もっと見る