今後の私
✨始めに(注意事項)✨
🍀主な登場人物や場所等の名称は仮名・もしくはイニシャルで話を進めていこうと思います。
🍀この話は自分が経験した過去の出来事から回想を始め、今という時間を経由してこれからいずれなる三十路のまでの話を書いていこうと思います。経験談と架空の話を織り交ぜて書くので宜しくお願いします。
🍀毎日更新は出来ないかもしれません。時折、間が空く事もありますが御理解下さい。
🍀約束事として誹謗中傷はやめて下さい。
ではこれからスタートです🙋
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少し歩道橋で互いの感想を述べ合うと場所を変える事にした。
歩道橋を渡り、百貨店やショッピングモールを通り抜け、少し歩くと住宅街が見えてきた。
住宅街の入口近くで小さな公園を見つけると公園の近くにある自販機で飲物を買い、2人してベンチに腰を掛ける。
公園周囲には人影はなく、人混みを避け、静かな場所でゆっくり話をしたかったので丁度良い。
再会を祝して軽くジュースで乾杯するとゆっくりと互いの近況報告を話し始めていった。
クリスマスのメール件、元カノとのその後、
Yと私の現在を2人して色々話した。
「クリスマスになんで連絡くれたの?」
「元カノとあれから上手くいってる?」
ずっと気になっていた事を私は言葉にした。
「元カノとは付き合っていない…」
しかしYの口から出た意外な言葉だった。
“じゃあ、なんのために私と別れたの?”
心の声が自分の口から出そうになった。
「しばらく連絡は取り合っていたけど…」
その事を口にした途端、Yの顔が複雑そうになる。それから私はYから聞いた話の全貌を整理する事にした。
私と別れ、元カノと数回会う機会はあったが特に大きな進展はしなかった事、クリスマスのメールについては別れてから私の事がずっと気になっていたらしく、連絡をしたとYは語った。
Yが私を気にしたのは私に対する罪悪感からだ…。Yの様子を見てすぐに私は悟った。
結局、言葉にする事なく私は自分の想いに蓋をした。切ないが報われないからだ。再び実る可能性は限りなく低かった…。
「自分で聞いてて複雑だったけど、元気そうで良かったよ」
笑顔を作り、私はYにそう言った。
「‥‥有難う」
少し間を置いてYも答えてくれた。
この後、少し店に立ち寄り、ショッピングをした後にまたYと別れを告げた。別れはとてもあっけなかった。
去年の終わり頃から新年にかけて、私はある計画を着々と進める手配をしていた。
勿論退職する時期も頃合を見なければいけない。
普通、1~3月頃に退職する人が多いと思うが、まだ職場の人間に口外していないものの、私は今年の5月に退職する予定を立てていた。
目的の1つ目はバイクの免許を取る事であるが、これについては去年の暮れに免許を取得する事が出来た。
更に2つ目の目的は将来、自分がやりたいと思う職業に就く事だった。
やりたい仕事を見つけた私は転職するためにスクール探しを始めていた。
当初は今の職場を辞めて当分は失業手当に頼りながら、予算が安く済む事からハローワークが実施する職業訓練の募集に応募しようと考えてたが、人気の職業の募集は競争率が高い上、学べる内容や実施期間に制限があるようだったので諦める事にした。
予算は掛かるかもしれないが、どうせ通うなら好きな曜日や時間に合わす事が出来るフリーレッスン制のスクールの方が私には都合が良い。
今の職場を辞めてハローワークに通い出す事になれば教育訓練給付金の活用も視野に入れていた。
※教育訓練給付制度の説明は省略します。
去年の夏、誕生日会を開いてくれた友人達、同窓会に出席して偶然再会したA、個展に招待してくれた恩師には感謝の言葉が尽きない。
友人達が開いてくれた私の誕生日会の席で【同窓会】という話がなければ、きっとずっと私は何も変わらずにいたと思う。
誕生日に自分の中で何かが生まれたのは【自分の生きていく道を切り開く予感】だったのかもしれない。
そして恩師は私に今後のヒントとなる言葉をくれた。筆やペンで絵を書く才能には恵まれなかったが、違う分野で私は絵を描く方法を見つける事が出来たのである。
初心忘れるべからずというべきか?恩師の言葉は運良く自分を見つめ直すチャンスにも繋がった。
スクールをようやく見つけたのは3月に入った頃だった。
雑誌で見つけて一番初めに訪れた所が結局、立地条件や環境、設備的にも良かったからだ。体験入学した時のスタッフの気さくさも大きなポイントになった。
それから退職の旨を上司に伝えたのは4月に入ってすぐの事。そして5月の給料締めの日に私は退職する事になった。
5月の終わり頃、事前に見つけておいたスクールの受講手続きをようやく行った。
職場を辞めてからは毎日のようにスクールに通い、制限日数内で最低限度の知識を付けるために私は必死だった。
総合病院の受付だった頃は病院専用にプログラムされたソフトを使っていたため、ワードやエクセルといったオフィス系のソフトですらまともに使った経験がない。
それは製造業で事務をしていた時も製造管理用のデータベースが既にあったため同じであり、何よりパソコン操作に於いて私が唯一出来た事はタイピングだけであった。
当時の私は、パソコン自体を持っていなければ、インターネットの繋ぎ方すらわからなかった。
超初心者の私はまず最初にパソコンの基本操作から学び、仕組みが分かり始めると今度は専用ソフトの使い方から活用方法等を勉強して地道に努力を積み重ねていった。
当時のこの話を業界の人間に話すと大層驚かれるが、そんなに驚く事なのか?と今でも私は思っている。
全てにおいて無我夢中だったというか…気が付けば、次の転職先が決まるまでに3ヵ月の期間を要する事になった。
新年が明け、久々の再会を果たしてからというもの、Yと時々会う事があった。連絡も毎日ではないが割とよくしていた方だと思う。
転職を決めてから私の日常はかなり変わっていったが、そんな傍らYと会っていた時は切なさだけが残る恋に焦がれるような気持ちになる時間だった。
チョコに例えるならビター味のチョコレート。
この気持ちをそっとチョコの中に流し込んで出来た甘くほろ苦いチョコレート…。
Yと私の関係は溶けて口の中で消えてしまうそんなチョコのような関係だったのかもしれない。
25歳になった頃、私は無事に就職先が決まった訳だが、24歳の最後の日はとても胸が苦しくなる日となった。
この日、偶然にもYと会う機会があったからだ。度々重なる程の頻度ではないが、何度か会う内に既に私の想いに気付いたのか?ずっとYは気付かない振りをしていた。
Yは多分、それがお互いのためだとわかっていたのだと思う。そして24歳の最後の夜、私はYと2人で飲みに行く約束をしていた。
Yが新しく購入した車で居酒屋に向かい、些細な事で居酒屋で盛り上がり、それなりに楽しむと「酔いを冷ますために散歩でもしよう」とYが言い出した。
居酒屋を出るとしばらく歩いた所に小さな丘があり、そこから海が見渡せる形でベンチが設置されている場所があった。
Yの車は居酒屋から少し離れた駐車場に止めたままだ。車を置いたまま、酔いを冷ますために丘を登り、ベンチまで近付くとそこから海を眺める事にした。
水平線上に街の明かりが見えるものの、夜の海という事もあり漆黒の闇が辺り一面に広がりを見せる。
ずっとそんな海を見ていると闇に吸い込まれそうな感覚に私は陥りそうになった。
私はベンチに腰を掛けずに立ったまま海を眺めていた。
「疲れない?座ったら?」というYの声に我に返えると私はYの隣に腰を下ろす。
しばらく無言で2人で海を眺めていると別れてから初めてYが私の肩に手を回してきた。
この場所に人はいない。Yと2人きり…。
「明日なんの日か覚えている?」
私はそう言うと久しぶりの温もりにYの肩に寄り添う事にした。
肌に馴染む温もりのはずだった…。
違和感を感じるのは久し振りだからだろうか?Yの肩に寄り添ったのはいいが、私の中で以前記憶したYの温もりではなくなっていた。
温もりを確かめつつも、私は私の問いにYがどう答えるのかを黙って待っていた。そして…
「‥‥わからない」
考える様子を見せつつもYは短く答えた。
打ち寄せては引いてゆく小波のようなYのもどかしい態度に私はがっかりした。
元恋人の誕生日さえ、別れて1年以上も経てば簡単に忘れてしまうものなのか?
離れるためにYの腕から擦り抜けようとするとYが私を抱き締めた。
「何…?!」
手を振り解こうとしながらも、私は抱き締められた体勢で咄嗟に言った。
すると散々煮え切らない態度を通してきたYが耳を疑うような事を口にした。
「S…、俺ともう1度やり直さないか?」
私の目を見てYは確かにそう言った。
しかしYの言った言葉は、私が今一番欲しい言葉ではなかった。
Yに対する自分の想いに蓋をした私だが、無意識に行動や言動に好きという気持ちが出ていたからもしれない。
今、Yの腕の中で去年祝える事さえ出来なかった私の24歳の誕生日のリベンジをしたかった。
『おめでとう』と一言言って欲しかった…。
ただそれだけを切望し、それを聞けただけで心が満たされたのに…。その願いはまたも叶わず、皮肉にもYの腕の中で日付が変わった。
今宵は満月が美しい夜、私の25歳の誕生日はこんな形で幕を明けた。
私と別れ、元カノとも上手くいかず、現状の寂しさから出た言葉なのか?
酔いに任せて‥?それとも罪悪感から私の想いを無視出来なくなり出た言葉かわからない…。
ただYの言葉はもう私の心に何一つ響かなくなっていた。
私の25歳の誕生日が過ぎて以来、私はYとの連絡を極力避けた。
あれからYとは1度も会っていない。あれが本当に最後となった。
互いに擦れ違い、Yと私は元には戻らなかった…。元に戻れなかった…。
それなりに自分の中では理由があった。Yは私に対して大きな過ちを冒し、私はそれに対して許す事が出来なかった。
私と会って数日後に誕生日の件で『本当は覚えていた』なんてメールで言わなければ、もっと違う未来が待っていたかもしれない。
私の器が小さいと思う人もいるだろう。でも小さなズレが大きな歪みになる事だってある。
壊れた物が元に戻らないのと同じ道理というべきか?私は激怒し、怒りに任せて携帯からYのアドレスを削除した。
本当にやり直したい気があるならどんな手を使っても追い掛けてくればいい。だがYは私に何もしてこなかった。
Yが私に本気じゃないのが充分伝わった。同情されたのだ。同情なんて愛情ではない。
バシッ!自分の頬を叩き、気合いを入れた。そう前を見据えて歩くために。
第二部完結です✏
ここまでのご愛読有難うごさいます🙇
しばらく休憩を挟みますが久々に【ブラックボックス】の話を近日再開させる予定ですのでそちらも宜しくお願いします。
🌱今後の私🌱感想書込板の方ではコメントを頂いた方に今後の話の予告等をそっとお知らせする場合もあります。
意外と必見かもです⁉
🙈キャッ🌟(笑)
彼氏いない歴1年半以上。当面新しい彼氏を作る気も更々なかった。
「25歳お肌の曲がり角」と言う人もいるが、まだまだイケると思うし、今はお洒落が楽しくて仕方のない年でもあった。
新しい靴やバック、新製品のコスメのチェックや可愛い服を着飾る事が楽しくて仕方のない。小さな事がワクワクした。
新しい就職先は派遣会社からの紹介で派遣社員として入ったのはいいが、社員よりも派遣社員の方が多い職場だったので気楽さがあった。
運良く人間関係にも特に悩む事なく穏やか毎日を過ごしていた。
派遣の登録をしてから更新が半年を過ぎようとする頃。派遣先で仲良くなった同じ派遣会社から派遣できたIに合コンに誘われた。
Iは私より2つ年上だが、気心の利く友達でもあり先輩でもあった。
この年になって生まれて初めての合コンに戸惑いながらもその誘いに私は快く快諾した。
季節はちょうどバレンタインが過ぎて間もない頃だった。
誘われてから数日後、
生まれて初めての合コンは会社帰りにする事になった。
I以外にも同じ職場の仲間数人と一緒に待ち合わせ場所に向かった。
Iの大学時代からの友人(男)が、Iの職場のコを誘って合コンしないかという話から今回実現した話を聞かされたのは合コンが始まり、チューハイやビールなどで乾杯した時だった。
最年長のIを筆頭に27歳から下は22歳までの女性4人に対して、
Iの友人は最年長で先輩にも当たる35歳から下は25歳までの男性4人だった。
Iの友人で職場の先輩の一人でもある今年三十路を迎えるという29歳の男性と私は合コンの席で仲良くなった。
彼氏を作りにきた訳ではないが、興味本位できたこの場所でまさかまた新たな彼氏が出来るとはこの時、夢にも思わなかった。
合コンとは出会いの場というより、飲み会の場として成立する事が多いと思われる。
だが初対面にも関わらず、インスピレーションというか、合コンの席で仲良くなったMという名前の男性に私は何かを感じた。
もう少し詳しく例えると“この人だ…”という感覚だろうか?
説明不足で申し訳ないが、それはこの小説をご覧の皆様の想像力を働かせて貰いたい。
正直この新たな出会いから始まる第三部を書くのに私はためらった。
それが少し更新期間が空いた理由の一部でもあるが、これから始まる話はどんどん描写を含め、感情的になってゆく面が多々ある事を事前にお許し頂きたい。
現在に近付いていくこの話を私は時々更新に躊躇してしまう事がある。
過去との対峙は時折苦い思い出も呼び起こすが自分を見つめる大事な作業だと私は思っている。書く事で情緒不安定に陥る事も勿論あるがそれでも頑張って書こうと思う。
何よりこの話の結末を貴方はどう思うのだろう?そして私はどう終わらせるのだろう?そんな事を思いもするが、悔いのない終わり方をしたいものである。
話は脱線したが元に戻り、初めての合コンは先輩や後輩がいたため、
多少の緊張はあったがそれなりに楽しめる事が出来た。
特に楽しめたのは普段見ない態度の職場の仲間達であり、見ているだけでも実に面白かった。
誰の提案か?開催された場所も面白く、
飲んでいる場所は閉ざされた牢獄の中であり、店員の接客や衣装も変わっていた。
薄暗いライトの下、
テーブルに置かれたメニューを見ると品物の名前や実際の品も色んな意味で笑いを誘うものが多かった。
勿論、奇抜さと斬新さの絶妙な組合せがいいのか?客入りも絶える事がなく、初めて訪れる者なら早々厭きはこない場所であろう。
合コン開始から3時間近くが経過し店を出る時間になった。合コン定番?のメアド交換も皆、思い思いに行い、その後解散となった。
そして皆がそれぞれの家路へと帰ってゆく。私も寄道する事なくすぐに駅のホールへと向かった。
帰路の途中、電車に揺られるとお酒の酔いからか眠気が襲う。座席に座ると電車の揺れが眠りへと誘うような感覚に私は陥った。
携帯などを鞄の中に入れ、鞄を膝の上に置いた形で私は席に掛けていた。
すると膝辺りに揺れを感じ、遠のいた意識から我に返ると、私は数秒程眠っていた事に気付いた。
慌てて周囲を見渡すと運良く最寄りを通り過ぎていない事に安心した。ほっとした矢先、携帯を確認すると数件メールが届いていた。
Iからは『良い人いた?』いう文章のメールがあり、他は合コンで知り合った人達の社交辞令的な文章のメールであった。
私はとりあえず適当に皆にメールを返信を返した。Iはともかく、合コンで知り合った人達とはこの先付き合いはないとこの時は思っていた。
たった一人を除いては…。
ある事だけを除いては、色んな事がとにかく猛スピードで展開されていった事を今でもよく覚えている。
私自身もここまで早い展開を迎えるだなんて予想だに出来なかった。なんと合コンから一週間後、合コンの時に仲良くなったMと遊園地で遊ぶ事になったのだ。
合コン解散後、帰宅途中にMからもメールを私は貰っていた。他の人と違い、Mだけが私に対しては社交辞令的な言葉を使わなかったのだ。
飾り気のない日常的な話というそのスマートな内容に私はMに話やすさを感じていた。
今年、誕生日を迎えればMが三十路で私が今年26歳になる。年の差は4つだ。
Mとは年が離れているが、直接話しても不思議と抵抗感を感じず話す事が出来た。それはメールでも変わる事がなかった。
合コンの日を皮切りに何故か毎日メールもするようになっていた。Mは違和感なく私の日常にすんなり馴染む…そんな感じの人と例えれば良いのだろうか?
とにかく最初の第一印象が良かっただけにこの後、幕を開ける波乱に私は悩み、苦しみ、困惑し、憔悴しきる事態へと追い詰められる。
今でも思う事だがあんな事は二度とあって欲しくない。もう懲り懲りだ。
季節は2月がもう少しで終わりを迎え、次にホワイトデーが近付いてくる頃、私はMと駅で待ち合わせをし、遊園地に向かう事になった。
まさかホントに遊園地に行く事になるなんて思いもしなかった。そもそものキッカケはメールのやり取りで私がある遊園地に行った事がないと言ったのが始まりである。
当然まさかまさかの展開に私は驚いた。
思い起こせばこれがMとの初デートの日になった。今でもよく覚えているが、Mのシチュエーションの中では私にどう告白するかは、この遊園地に来るのが決まった時から決っていたらしかった。
ただやはりそこは番狂わせという言葉も存在する訳で、私の突飛な行動に、その当時のMには想像出来ない事も多かったのは事実である。
チケットを窓口で買い、遊園地内に入場と遊園地内はまるで何処か異国の国と思わせるような作りになっており、異国の国を散策するような気分で遊園地内の各施設をMと2人で巡る事にした。
私は初めての場所で当然右も左もわからなかったが、Mはこの遊園地に何度か足を運んだ経験がある事から各施設に詳しく、効率良くアトラクションやショーなど様々な催し物を楽しむ事が出来た。
個人的に会ったのも今回が初めてなのにも関わらず、2人がいきなり向かった場所は遊園地…。
遊園地内に入ったばかりの頃は合コンの時やメールの時とは違い、互いにどういう訳か上手く話す事が出来なかった。
今更ながら互いに緊張もしていたが、ただそれもテーマパークならではの周囲の歓喜や賑いに次第に緊張感もほぐれていったのは言うまでもなかった。
夜になればこの遊園地ではナイトパレードが開催されるらしい。その話を知ったのは遊園地内にある飲食店でMと軽食を取っていた時だった。
覚えがないだけの可能性も高いが、私はパレードというものも見た事がなかった。パレードには興味があるが、人混みが苦手という理由から極力避けたイベントの1つでもあった。
そのパレードにMが行こうと私に提案してきた。私は初めてきたこの場所に、今度はいつ来れるかもわからないという理由からその提案に乗る事にした。
ナイトパレードまでにはまだ時間があった。飲食店を出た頃には空は紅く染まり、夕焼け空へと変わっていた。
日中散々遊んだ事がまるで嘘で、私は西の空を見ながら時間の流れが早いような気がしてならなかった。
そんな時、Mと私は食後の散歩と称し、水辺のある所へ向かうと階段になっている所に2人で腰をかけた。時間的にタイミングが良かったのか?夕陽が辺りを照らし、水面に反射すると水辺はキラキラと輝いて見える。
遊園地内の異国のような構造の建物が重なり、また普段見ぬ景色が場のムードを高めゆくのだろう。周辺には所々にその光景を楽しむ者も何人か見受けられた。
私も周りに便乗してか?そのムードに少し酔いしれていた。
「綺麗だね、夕陽…」私はポツリと呟いた。
「そうだね…」Mもそう答えてくれた。
ここ(遊園地)でMに告白される事は何故か私の中ではわかっていた。ただまだMは一向にその素振りを見せない。そんなMの態度に私は徐々にやきもきしていた。
「ねぇ、どうして今日ここに連れて来てくれたの?」
私はMに少し意地悪な質問をした。何故かこの場で私はMに告白の催促を促すような発言をしてたのだ。
主です。皆様更新が少し開いてしまってスイマセン…😔
メインを余所に違う話だけ何故更新してるんだ!と機嫌を損ねた方がもしおられるなら皆様…本当にスイマセン😔
身勝手かもしれませんが気長に待って貰えれば今は凄く助かります。その理由も元々ここで書く予定でした。
でも本当にこのまま続けていっても良いのか?と今はそれすら迷い始めているのが現状です…。そんな気持ちのままで書くぐらいなら、新たに気持ちを整理した上で書くという事だけに取り組みたかったのも事実です。だから少し時間を置いていました😔
支離滅裂な話かもしれませんが、皆様に私の今の現状を伝えた方が良いと思い、この文章を書きました😔
私は自分の言葉にハッとした。ただもう口から出た言葉に訂正は利かなくなっていた。
後頭部を少し困ったように掻いた後、Mは私の顔を真剣に見据えたとこう言った。
「俺と良かったら付き合ってくれませんか?」
その頃、夕陽は地平線に半分隠れた状態になっていた。
夕陽はどんどん地平線へと沈んでゆく。そんな夕陽とは逆に私の想いは加速していった。
「私で良ければ…」
私は照れくさそうにそう言うと私もMの顔を見据えた。
周辺にいた人々はそろそろ場所の移動を開始する。夕陽が沈めば用はないといった感じだろうか?夜になれば季節的にもまだ冷え込むのでその場にじっといても仕方がない。
だが人気が少なくなった場所にMと私はまだその場所にいた。
しばし見つめ合うとMと私は当然のような自然な流れで口を重ねた…。
口を重ねると共に日は沈み、辺りは夜へ変わってゆく…。
闇に溶け込むように伸びた影がライトに照らされ、2人の陰影もまた重なっていった。
この後、ようやく自然に手も繋げるようになり、繋いだ手のまま待っていたナイトパレードを鑑賞する事となった。
夜の闇を照らすライトが色とりどりに眩しく光り、華やかなパレードの世界に人々の現実という世界を瞬間に忘れさせてゆく。
人工的な光りであれど、人の手で作り上げた幻想的な世界はとても美しかった。
その中、パレードのフィナーレに花火が数発打ち上げられる。
時折、花火の硝煙により折角の花火が見づらくなる事もあったが、寒い夜に打ち上げられる花火もそれはそれで良い味を醸し出していた。
今現在、私が25歳だった2月から3月に掛けての話を進めているが、話を少し戻し、この年の新春を迎えた頃にあえて戻る事にする。
実は合コンの話が出る前の話なのだが、学生時代の友人と2人で私はとある縁結びで有名な神社に初詣に来ていた。
その時、縁結びで有名な事から御利益があると信じていた友人の真似をして、そこで私も縁結びの御守を購入にする事にした。
縁結びの祈願についてだが恋愛成就だったり、
人と人との繋り(人間関係)の上での縁結びだったり様々な縁があるだろう。
恋愛面での淡い願いも私の中で少なからずあったが、次の就職先に縁があるようにという願いの方が強かったため、就職祈願にと購入したこの御守をこの日から肌身離さず持ち歩く事にした。
話を戻し、遊園地のデートから2日後。
この日は平日に当たり、Mと私は仕事帰りに落ち合う約束をしていた。
当然、時間も時間という事もあり、短い時間の中でのデートである。
待ち合わせた後、即居酒屋に向かい、仕事帰りに一杯のビールで乾杯。
「はぁ~~‥‥」
2人揃って同じ言葉が出て共に笑い合う。
一時を旨い物を食べて談笑しながら楽しみ、その後、後は帰るだけだと私は思っていた。
この日に聞かされた事であるが、Mは酒の肴に私に告白しようとした計画をここで初めて教えてくれた。
ビールを一口含みMは言った。「実は遊園地の時の告白だけど…」私の向かいに座っていたMは悪戯な笑みを浮べると更に話を続ける。
「ナイトパレードあったでしょ?」居酒屋のテーブルに頬杖をつく体勢で私はMの話を聞き入れていた。そしてMの話に相槌を打つ。
「じゃあもうわかるよね?」「一番その時の思い出になるかなって考えてて」普段から鈍い私も流石に気付く事が出来た。
“ナイトパレードという最高の場面でか!”とその場でようやく気付き、2人で顔を見合わせると照れ笑いした。
平日なので互いにそんなに大した量のお酒は飲んでいない。意識もそれなりにしっかりしていた。
楽しい食事の時間はあっという間に過ぎ食事後、店を出ようとする間際にMがこう言った。
「一緒にまだ居たい…」
私はドキッとした。まだその時期ではないだろうという気持ちが素早く過ぎる。合コンから知り合って1週間、付き合ってからまだ3日目である。
いくらなんでもまだ早い。そんな軽い女に見られたくないという気持ちも同時に高まってゆく…。
「明日また仕事もあるし、他の店も締まり始めるよ?」
Mの言葉の意味を察したが気付かない振りをし、見当違いの言葉を私は言った。これで察して欲しいという願いもあった。
「‥‥ダメ?」
しかし無情にも願い叶わず、更に深くMは言う。万事休すというべきか、付き合い始めの駆け引きはそれはそれで難しい。また付き合う前とも違う難しさがそこにあった。
私は言葉を詰らせ瞬時に悩み込んだ。
「まだ日が浅いし‥‥」
渋々言いたくなかった言葉を私は切札にしてみる。試されているのだろうか?これを断ったらすぐに別れを告げられるような気がしてならなかった。
悩みに悩みながらも私はMに身体を許してしまった。
その気持ちの強さが伝わったのか?いざという場面になってMは役に立たなかった。
暗闇の中ではあるが肌を見られ、込み上げる恥ずかしがありつつも私は心底安心した。
結局結ばれたのはそれから一か月先の事であった。
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