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会社員( ♀ yGMTnb )
16/09/28 08:04(更新日時)

とあるパチンコ店


後ろを通った男に見覚えがあった、、

確か10年ぐらい前にお金を借りた男だ

一緒にいるのはあの女かまだ付き合ってたんだあの二人

腐れ縁っていうやつか




私の何でもない日常を書いていきます

No.2375091 16/09/08 08:11(スレ作成日時)

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No.1 16/09/08 08:27
会社員 ( ♀ yGMTnb )

当事私は20歳年下の金のない男と息子と3人で住んでいた


お金を貸してくれた男とはパチンコ店で知り合った


最初見たときは永島敏行に似て格好いいと思った


パチンコ店で顔を会わせるうちに話しをするようになっていった


No.2 16/09/08 09:34
会社員 ( ♀ yGMTnb )

ある時台が隣どうしになった



その人は台が大当りになり台を立って缶コーヒを買ってきた



そしてポン!と私の手にもう1つの缶コーヒをくれた



「あ、どうもありがとうございます」



私は思わず笑顔でお礼をした



この時初めてその男N と口を聞いたのだった



No.3 16/09/08 12:32
会社員 ( ♀ yGMTnb )

それまで私はパチンコをやった事がなかったむしろ毛嫌いしていた



当時、私には外川と言う7歳上の愛しい人がいた



外川と会っていれば何もいらなかった



平日は会えなくても週末には必ず会っていた



パチンコに行く時間などもったいなかった



外川の愛しかたは愛に溢れていて身も心もとろけそうなくらいだった


No.4 16/09/08 17:46
会社員 ( ♀ yGMTnb )

外川とは昔同じ会社で働いていた、と言っても外川がその会社にいたのは僅か1ヶ月足らずだった


私はそこの会社で事務とか現場の手伝いとか何でもやっていた


ある日外川が10時過ぎに出勤してきた



思わず「重役出勤ですね」と言うと照れたように笑った



後に外川は「その時はあまり仕事をやる気がなくて家に居たら社長から出てくれと言われたから仕方なく会社に行ったんだ」と聞かされた


No.5 16/09/08 18:00
会社員 ( ♀ yGMTnb )

ある日、会社で仕事が終わってからみんなでお茶を飲んで話しをしていた



すると会社の電話が鳴った



社長の奥さんが電話に出た



「唯香さんあなたに沢井さんという女の人からよ!」



「すみません、、」



訳がわからないままに電話に出ると




「もしもし、外川ですけどお茶でもしませんか?」



No.6 16/09/08 18:22
会社員 ( ♀ yGMTnb )

外川からだった



私はみんなに解らないように平静を装い



「は、はい、、」と返事をした



『良かったら6時過ぎにT 駅前の「蘭」と言う喫茶店に来てくれる?』



「わかりました、、」と言うのがせいいっぱいだった




当時は今みたいに携帯電話もなく会った時に断ればいいわ、、と思っていた


No.7 16/09/08 18:34
会社員 ( ♀ yGMTnb )

社長の奥さんが不思議そうな顔をしていた



「会う約束してた友達からだったからビックリしたわ」と誤魔化した



仕事が終わって家に帰ると不思議なもので会う気になっていた


当時、私はまだちゃんと旦那とは別れていなかった


確か家裁で調停をする前だったかもしれない



旦那から気持ちが離れていたからそんな事は頭の中になかった



No.8 16/09/08 18:47
会社員 ( ♀ yGMTnb )

約束の6時過ぎに喫煙店の前で入ろうか迷っていると1台の車が止まった



見ると運転席に外川が乗っていた



車から降りて来て「来てくれてありがとう、良かったら乗って下さい」



と言って助手席のドアを開けた




私は言われるままに車に乗り込んだ




同じ会社の人だし知らない人ではないしまさか変な事するはずがないわ、、そんな気持ちだった


No.9 16/09/08 20:03
会社員 ( ♀ yGMTnb )

外川はしばらく車を走らせると



「行きつけのお店があるからそこで飲もう」と言った



そのお店はとてもいい雰囲気のお店で外川のボトルが置いてあった




ママはとても綺麗で着物がよく似合っていた



お酒を薄めに作って貰いママと3人で乾杯した



久し振りにアルコールを飲んで楽しい時間が過ぎて行った



気がつけば夜の11時を過ぎていた




アパートの近くまで送って貰い、車を降りる時に「また電話してもいいですか?」



と外川が聞いてきた




楽しい時間がまた過ごせるならと「はい、今日はごちそうさまでした」と私は言った



No.10 16/09/08 21:12
会社員 ( ♀ yGMTnb )

次の週から外川は会社には来なかった


それは外川から聞かされていたから特に驚かなかった


実は何度も私の連絡先を聞き出したかったけど回りに人がいるしパートの私は早く帰るしで



思いついたのが知り合いの女性に会社に電話をして私に電話に出て貰うと言う事だったらしい



電話をした日が会社の最後の日だったから相当焦っていたと後になって話してくれたのだった



次の勤め先はもう決まっていて会社の社長には引き留められたが断ったという



うーん、あの自己中の社長だと回りは確かに苦労しているのはわかる




まあ、女性には優しいから何とか勤まっているのかもしれないとは思った


No.11 16/09/08 22:11
会社員 ( ♀ yGMTnb )

その頃、旦那は病院に入院していた



その1ヶ月前から旦那はこん、こん、と乾いた咳をして咳き込んでいた




「何か咳がおかしいんじゃない?病院に行った方がいいんじゃない?」




「わかった、わかったそのうちに行くわー」





医者嫌いの旦那はいつもこうだった




こん、こん、ごほっ!



「やっぱりおかしいよ!子供に移ったらどうするの?」



「うるさい!!」



ドアをバタン!と閉めて布団をかぶった






そのうちに熱が出てやっと病院に行った




即入院になってしまった



No.12 16/09/08 23:08
会社員 ( ♀ yGMTnb )

旦那が入院して3日目に仕事帰りに病院に行くと姑が来ていた



旦那が連絡したらしい




「あんたね!自分の旦那が入院しとるのに何で毎日こんの!」



「、、、、」




(仕事が終わってから息子の保育園の送り迎えとか買い物それに家の事もやらないといかんし



だいいちもっと早く病院に行っていれば入院しなくても済んだかもしれないんですけどと言いたかったけど言葉を飲み込んだ)



旦那は知らん顔をしていた



「仕事は行くのに旦那の見舞いは来れんのか!!」


No.13 16/09/08 23:59
会社員 ( ♀ yGMTnb )

息子が怯えた目で義母を見ている




(お義母さんやめてよ!息子の前で)言いたかったが黙っていた




2週間後旦那は「しばらく実家に世話になるわ!」とさっさと病院を退院して実家に帰って行った




入院費用はどうしたんだろうか、、





旦那の実家に電話をすると私からの電話だとわかる「ガチャリ!」と切られた




その頃にはもう旦那から気持ちは離れていた、、





いや、本当は自分でも気がつかないうちにもっと前から離れていた












No.14 16/09/09 00:30
会社員 ( ♀ yGMTnb )

それから私達は別居になり2年後離婚した




外川とはたまに会ってお酒を飲んだり仕事の愚痴を聞いて貰ったりしていた




外川は結婚していたが子供がいなかった




そのせいか息子の事はあまり聞かなかったし私も話さなかった




旦那との夜の生活があまりなかったせいか外川とは直ぐに付き合いたいとは思わなかった




このままたまに会って飲みに行く楽しい時間が過ごせればそれで良かった





私が離婚が決まったと聞いた時、外川は私にキスをしてきた




私は外川に気持ちが傾いて行くのを感じた






No.15 16/09/09 06:56
会社員 ( ♀ yGMTnb )

私はパートの給料だけではやっていけないので正社員の仕事を探した



何ヵ所か面接に行き正社員で働ける所に代わった



外川も会社でいろいろあるらしくその後も転職を重ねていたがようやく落ち着いたみたいだった



あんなに仕事を変わっていたら保険の手続きも大変だったろうと余計な心配もした



いきつけの店ではいつしか私も馴染みの客になっていた




「あなた達いい感じね!」




お店のママにそう言われた





それからしばらくして外川とは結ばれた



外川はいつも優しかった


No.16 16/09/09 07:10
会社員 ( ♀ yGMTnb )

旦那と別れて今住んでいる所の家賃が負担になりはじめていた



市内に公団の団地が前からあるのは知っていた



調べると今より1万円は安くなるし母子だから優先に入れる事がわかりさっそく申し込んだ



それから1ヶ月後新聞に申し込んだ番号が載っていた



「やったあ!」




引っ越しに向けて書類の手続きや荷物をまとめたりして忙しい日が続いた



No.17 16/09/09 08:11
会社員 ( ♀ yGMTnb )

息子の小学校の転校手続きもすみお金がないので



妹夫婦と外川に引っ越しの手伝いをお願いしておいた



仕事が終わると家に帰り慌てて食事の仕度をする



息子が寝たあと夜遅くまで引っ越しの荷物をまとめる、そんな日々が続いた



ある日、いつもと違う胃の射し込むような痛みを感じた



脂汗が出て止まらない、、



どうしよう、、今は夜中の2時過ぎだった



思い余った私は近くの総合病院に電話をした


No.18 16/09/09 12:33
会社員 ( ♀ yGMTnb )

もしもし、こちらA 病院夜間緊急外来です。どうされましたか?」



「あ、あの胃の当たりがとても痛くて我慢が出来ないんです、、」



「こちらにかかられた事はありますか?直ぐにこちらに来れますか?」


「はい、かかった事はあります。はい今から行きます!宜しくお願いします」



私は寝ている息子の拓也をゆっくりと起こした




「あのねお母さん今お腹が痛くて我慢が出来ないから病院に行って来るからね。



朝、いないかもしれないけど机の上にパンがあるから冷凍庫に牛乳があるからちゃんと食べて学校に行くんだよ。」



息子は「うん!」と頷いた



また拓也が寝たのを見届けてから車を運転して慌てて病院に向かった


No.19 16/09/09 18:56
会社員 ( ♀ yGMTnb )

病院で受け付けを済ませるとしばらくして名前を呼ばれた



そしてレントゲンを録ったり血液検査の後にまた呼ばれた



その結果は予想もしていない事だった



「十二指腸に孔が空いているので緊急手術をします。連絡をしたい所があれば直ぐに連絡をとって下さい」




と言われた



時計を見ると朝の5時30分過ぎだった




実家の母に電話をしたが出ない、、



妹に電話をしたら「こんな時間にどうしたの?」と言われ事情を説明すると流石に目が覚めたようだった



後、心配なのはひとり残してきた拓也の事だった




「拓也はまだ何も知らないから、、お願いします」




そうこうしているうちに看護師さんが今から手術を始めますからと呼びにきた


No.20 16/09/10 08:30
会社員 ( ♀ yGMTnb )

目が覚めたのは病室だった



痛い、、、



喉の奥に何かを挿しこめられている、脇腹にも



どうやら6人部屋のようだった



また眠りにおちてしまった、、



次に目が覚めた時は母と妹がいた



「大変だったね、気を使いすぎたんだよ、、」



「ゆっくり休めばいいよ」



「拓也は?」



「旦那さんのところにいるよ!学校があるし」



母はメロンを置いて帰って行った


No.21 16/09/10 10:51
会社員 ( ♀ yGMTnb )

手術して4日が過ぎたある日思いきって外川の家に電話をした




ルルル、ルルル、、





緊張して受話器を固く握りしめていた





幸いにも外川が出た





「今A 病院に入院しているの、手術をしたの、、」





「そうか、、、わかった」





あまり長く話せないのがもどかしかった





次の日仕事帰りに外川が見舞いに来てくれた





No.22 16/09/10 12:03
会社員 ( ♀ yGMTnb )

手にはスーパーのビニール袋を持っていた




中にはバスタオルが3枚、普通のタオルが3枚とコップとスプーン





こんな何でも無いものが有りがたかった




これでパジャマでも買ったら、と5千円をくれた




ありがとう、、




外川の優しさが身に染みた




(最高のお見舞いだよ!)





同じ病室の人達には「やっと旦那さんが見舞いに来てくれたね。」といわれ私もニコニコ笑っていた



No.23 16/09/10 13:07
会社員 ( ♀ yGMTnb )

外川は病院から近いからか毎日のように仕事帰りに見舞いに来てくれた




「おっ!メロンがある。ここに置いて置いても腐るだけだからもったいないから家に持って帰るわ。」




「ダメッ!私のお見舞いなんだから~、取り返しに行くからね~」





そんなたわいもない会話が楽しかった





毎日見舞いに来てくれるなんて優しい旦那さんだね~、と病室の人にはからかわれた





そんなある日引っ越しの日が近づいてきていた



「すみません、明日の引っ越し宜しくお願いします」と妹夫婦に電話をいれた





引っ越し当日は本人は入院中という予想も付かない事態になってしまっていた





No.24 16/09/10 14:54
会社員 ( ♀ yGMTnb )

引っ越しは無事に終わったようだった



妹からは「部屋に適当にぶちこんで置いたからね。後はよろしく!」



といかにも妹らしい電話がかかってきた



しばらく体調が落ち着くまで部屋のかたずけをしながら仕事を休んだ



引っ越し以来外川が初めて団地にやって来た



引っ越し祝いを兼ねて軽くお酒を飲んでいるうちに外川に抱かれた



「引っ越し祝いに明日テレビを見に行こうか?」



「テレビ?」



「うん、唯香ん家のテレビが小さいから大きいテレビを買ってあげたいと思っていたんだ」



確かに人様には見せられる大きさではないけど、、



「ありがとう、嬉しいわ」










No.25 16/09/10 15:27
会社員 ( ♀ yGMTnb )

息子が引っ越しで新しい小学校に転校する事になり



今までお世話になった小学校の担任に挨拶をしに小学校に出かけた



担任は「もう体調は大丈夫ですか?」ときかれた



「はい、ご心配おかけしてすみませんでした」と頭を下げた



担任は「ふー」とため息をついた



「こんな事言うのもあれですが拓也君のお父さんにも困ったものですね」



「、、、、」



「平日はちゃんと授業が始まる前に登校するのに、土曜日はいつも遅刻するのです」



「そうですか、、」



「何回も注意したんですがね、土曜日は仕事が休みだからゆっくりしたいからどうしても起きる時間が遅くなるからと言われましてね。1時間目が始まってから教室に入って来るのです」



私が手術で入院している間は同じ市内に住んでいる元旦那の所に拓也を預けていた



同じ市内でも越境通学になるから毎日の送り迎えは元旦那がやっていたのである



担任は続ける「たった1ヶ月の事なのにそれも父親なのに、、あなたが離婚したくなるのもわかります」



担任にそう言われて、(わかる人は解ってくれるんだ)嬉しような悲しいような複雑な気持ちになった



No.26 16/09/11 00:35
会社員 ( ♀ yGMTnb )

拓也は新しい小学校に転校して4年生になった



私は新しい会社でワイヤーカットという銅線に電気を通して水中で鉄鋼を切る機械の扱い方を教えて貰ったり充実していた




その頃外川は毎週末は家に泊まるようになっていた




泊まった次の日の朝珍しく拓也を誘って3人で喫茶店のモーニングを食べに行った




その時拓也が店にあったスポーツ新聞を読み出した





すると外川は





「拓也はスポーツ新聞なんか読んで生意気だな~」と言った





「何で?野球が好きだから自分の好きなチームが勝ったかどうか見たいだけだよ」




「でも小学生がスポーツ新聞を読む所なんか見た事ないよいやらしい記事も載っているし」





子供がいない外川には子供が何をしても気に入らないのかもしれなかった



No.27 16/09/11 10:00
会社員 ( ♀ yGMTnb )

そして外川と付き合って5年ぐらい過ぎたある日




外川の奥さんの親戚であるヒゲさんという人と付き合っているという女性と4人で飲む事になった




ヒゲさんとその彼女はお互いに結婚していて不倫関係である




彼女は落ち着いた大人の女性で割り切ってヒゲさんとは付き合っているらしい



外川の奥さんとヒゲさんが親戚だと言うのも驚いたが世の中にはこんな事もあるのだろう




ヒゲさんの紹介で外川と奥さんは大阪から今住んでいるA 県に引っ越ししてきたとの事だった





ヒゲさんと彼女に会ったのはこの時だけだった


No.28 16/09/11 10:20
会社員 ( ♀ yGMTnb )

拓也が中学生になり夜遅くまで勉強をするようになると



外川との付き合いかたも変わっていった



行きつけのお店のしーちゃんが独立して「ランブル」という店を持った




しーちゃんの話しでは独立する時に外川が少しお金を出したという事だった





それからは「ランブル」で飲む事が多くなった




「ランブル」で飲んだ後、ホテルに泊まるようになった


No.29 16/09/11 10:44
会社員 ( ♀ yGMTnb )

外川は同郷のN 県出身の仲間たちでN 県会というグループを作っていた



男女合わせて多いときは20人ぐらい集まるらしい



月に1度集まってはキャンプをやったり魚を釣りに行ったりして気の置けない仲間だと言っていた



その中にY ちゃんと言う看護師をしている女性がいて



この前の集まりの時に家に送って行った時に「外川ちゃんの事が好き!」と言ったと聞かされた



外川は「止めてくれよ!グループの和が乱れるような事をするのは!」



と言ったら「ごめんなさい」と謝ったと言う事だった


No.30 16/09/11 11:11
会社員 ( ♀ yGMTnb )

それからしばらくして県人会の集まりが終わってY ちゃんを送って行った時




いきなり玄関からY ちゃんの旦那が飛び出して来て「お前か!外川と言うのは!」





と言って外川の顔を殴ったと言う事だ




Y ちゃんは「やめて!」「やめて!」と泣き叫んでいたらしい




Y ちゃんの旦那さんはトラックの運転手をしていて家を空けることが多く




Y ちゃんの話しを勘違いして外川をいきなり殴りつけてきたと言う事らしい




それから県人会の雰囲気が気まずくなりY ちゃんは出て来なくなったと聞かされた


No.31 16/09/11 14:04
会社員 ( ♀ yGMTnb )

拓也の高校受験が終わり結果的を待つだけになった



外川との付き合いも8年になっていた




最近では全く家に泊まる事もなくなり会社が休みの朝に家に来て




新聞を読んではコーヒーをのんで2時間ぐらい過ごしては帰ると言う茶飲み友達みたいになっていた





拓也が高校に受かり、そのお祝いに拓也の好きな焼肉屋に3人で食べに行った





外川はビールを飲み拓也は焼肉を好きなだけ食べて楽しい時間が過ぎて行った


No.32 16/09/11 15:58
会社員 ( ♀ yGMTnb )

私は外川に結婚の話しはした事がなかった




仕事の愚直や悩みを聞いてくれて美味しいお酒を飲んでたまに優しく抱かれればそれでよかった





時期がくれば一緒になれると思っていたのかもしれないし






拓也の父親にはなれないなと昔に、言われた事があったからかもしれない





でも結果的にはそれを破ったのは私の方だった







No.33 16/09/11 18:54
会社員 ( ♀ yGMTnb )

その頃私は職場の同僚から仕事が終わったら会って欲しいと言われていた




それまでは特別に気になるような相手ではなかった




仕事ぶりを見ているとテキパキと回りに指示を出して回りからも頼られていた




それから近くを通るたびにその久本さんを見るようになっていた




ある日「今日仕事が終わったらお茶でもしない?




駅前のアユミと言う喫茶店で待ってるからきてよ、まってるから!」と言われた




私は「行けたら行きますけど」と答えた





(どうせ家に帰ってもヒマだし)と思った。お茶ぐらい良いよね、、




約束を10分過ぎて喫茶店アユミに行くと久本は待っていた





No.34 16/09/11 19:20
会社員 ( ♀ yGMTnb )

カラン、カランとドアを明けると久本さんは私の顔を見てニコッと笑った



「来て貰えるとは思わなかったよ」と嬉しそうな顔をしたので私も思わず笑った



「なんか桐沢さんの事が気になってて話しがしたいとずっと思っていたんだ」と言った




「なにか飲む?」




「じゃあ、コーヒーを」




そう言うと久本さんは店員さんにテキパキと注文した




「ところで桐沢さんていくつなの?」





「いくつに見えます?」




「いや、女の人はお化粧したりするでしょ?よくわからないよ。おれより歳上かな?」




「じゃあ、久本さんはいくつなの?」




「おれは40歳だよ」




「じゃあ、私の方が少し歳上だわ」



No.35 16/09/11 20:42
会社員 ( ♀ yGMTnb )

「44歳です」



「そっか~でも、若く見えるよね車の免許書か何か持ってる?」



私は鞄から車の免許書を取り出して見せた



「じゃ、おれも見せるわ」



と久本さんはズボンのポケットから免許書を出して見せた



それを見て私は思わず笑ってしまった



「なんか犯罪者みたいな顔に写ってるわね」




「あっはは、は、!!」



そう言われるのがわかっていたのか久本さんも声をあげて笑った




「久本さんは子供さんはいるの?」



「いるよ!3人!」




「3人もいるの?凄いね」




「別にそうでもないけどさ、旦那さんは何してるの?」




「うん、私旦那いないの、バツイチだから会社で旦那と言っているのは付き合っている人の事だから」





「ふ~ん、そうなんだまさか桐沢さんがバツイチだなんて思わなかったな」




わたしは話してしまった、そんな感じだった

No.36 16/09/11 21:00
会社員 ( ♀ yGMTnb )

「これからも会ってくれない?携帯番号教えてよ」



私は携帯番号を交換した




「明日も仕事が終わったらここに来てくれる?ここなら会社の連中も来ないだろうし」




「うん、わかった」




「今日はもう送って行くよ。晩ごはんの支度もあるんじゃない?」




「うん、そうね」




私は久本さんの車で団地まで送って貰った




「じゃあまた明日」




久本さんは私が家に入って窓越しに手を降るのを見てから車を走らせて帰って行った




私は久本さんの車が見えなくなるまで手を振っていた




私は久し振りに胸のときめきを感じた


No.37 16/09/11 22:10
会社員 ( ♀ yGMTnb )

次の日仕事が終わってから喫茶店アユミに行った



中で待っていると久本さんが「待った?」と言って店の中に入ってきた



同僚の話しで盛り上がった後、「今から少しドライブイしない?」と聞いてきた


「それもいいわ」



久本さんの車に乗ってしばらく走らせているといつのまにかうとうとしてしまった



目が覚めると少し小高い山を登っているのがわかった



「綺麗!」



思わず叫んだ



眼下には宝石箱を散りばめたような光の屑が拡がっていた




「時間があると時々ここに来るんだ」




久本さんは前を見ながらそう言った




ここの高台はデートスポットになっているらしく他にもカップルがいた



ずっとこのままここにいたい、、



生活の苦しさそしていろんなしがらみからのがれていたい、、




「そろそろ戻ろうか」




久本さんがそう呟いた




「お腹空いたね」




「うん、少し空いてきた」



(綺麗な景色に見とれていたらお腹が空いたのは気がつかなかった)




帰り道の途中にあるファミレスに入った






No.38 16/09/12 06:52
会社員 ( ♀ yGMTnb )

ある夜外川から電話がかかってきた



いつものように外川の家の近くに車を止めて外川を待つ




外川が歩いて来るのを確認して車を動かして近くまでいく



外川を助手席に乗せていつものお店に向かう




たまに外川が運転して私を迎えに来ることもある




こんな生活を8年続けていた




いつしか会話も少なくなっていた




これがマンネリと言うのか夫婦生活を送った事がない私にはよく解らなかった




外川はこのままでいいと思っているのだろうか




安定というのかもしれなかったが先が見えない感じがした





そんな時に久本さんと出会ってしまった




No.39 16/09/12 07:11
会社員 ( ♀ yGMTnb )

ある日、仕事帰りに同僚の石川さんと喫茶店で1時間ばかりお茶をしてそのあと買い物をして家に帰った



すると、夜外川から電話があった




「何処か出かけてたのか?」




「え、どうしたの?」




「家に行ったけどいなかっただろう?」




外川には合鍵を渡していたからいつ来てもおかしくなかった




でも、仕事帰りに家に来るのは初めてだった





「買い物してたから帰りが遅くなったんだよ」





「そうかじゃあ、また電話するわ」





訳が解らぬまま電話が切れた



No.40 16/09/12 08:03
会社員 ( ♀ yGMTnb )

携帯が出始めのころ今みたいに課金の使い方が知られていない時期



息子があるサイトにはまってしまい携帯の使用料金が5万円を越えてしまった



高校生の息子にはもちろんわが家にとっても大金だった、当然携帯は止められた



連絡の為に小さなボードを置いていた




息子がバイトをしていたためスレ違いが多くそこにお互いに必要な連絡事項を書いていた




私はそこに遅くなるからとある番号を書いておいた事があった




それを見て外川は勘違いをしてしまったらしい




No.41 16/09/12 18:37
会社員 ( ♀ yGMTnb )

突然何を言い出すのだろうと思った



私は外川ともっと深い話しがしたかった



外川が何をしたいのか解らなかった



要するに私に男が出来たと思ったのだろう


じゃあ、自分は何?



奥さんとは別れられないくせに私を責めるの?



(確かにテレビを買ってくれたしクーラー、そして電子レンジを買いに大阪の電気街まで行ったよね)



だから、だからそれで私をつなぎ止めていたつもりだったの?



いつのまにか外川と私の気持ちがすれ違っていた



私は外川の何が欲しかったのだろう




外川はいっぱい愛してくれた女の喜びも教えてくれた



あれから何人かと付き合ったけど貴方以上の人はいなかったわ



後悔してももう遅いけど、、、



No.42 16/09/12 19:01
会社員 ( ♀ yGMTnb )

ある日、ホテルで愛し合った時に外川の胸の横に1㎝ぐらいの傷あとがあるに気がついた




「この傷、どうしたの?」




「ああ、これ?、、若い時に付き合っていた彼女と別れ話になった時に



『別れたくない、別れるぐらいならこれで刺すから!』




と言われたから




「刺せるものなら刺してみい!」




と言ったら持っていたナイフで本当に刺した」との事だった




そんな話がいかにも外川らしいと思った




「その時どうしたの?病院に行ったの?」と聞いたら




「知り合いのやぶ医者に縫って貰った。病院に行くと警察沙汰になるからね」





そんな外川が好きだったのにいつからすれ違ってしまったのだろう







No.43 16/09/12 21:41
会社員 ( ♀ yGMTnb )

私はもう自分の気持ちが解らなくなっていた




外川からの電話にも出なくなっていた





どうして私をもっと捕まえていてくれなかったの





いつか言ったよね





外川唯香になってくれるかって





もう私達無理だよね?





外川からの電話もかかってこなくなった




外川と付き合った8年間楽しかったよ!





いろいろお世話になりました。ありがとうございました。感謝してます。さよなら。






外川に送った最後のメールだった






No.44 16/09/12 22:46
会社員 ( ♀ yGMTnb )

それから10日過ぎた日の夜11時過ぎに家の電話が鳴った





「唯香、いい人出来たんだろう、、唯香な、今度は上手くやれよ、、」






外川からだった






だいぶ酔っているようだった、、






「違うの!和也!聞いてっ!」





ガチャリ!!





電話は切れた





外川の携帯に電話をしたが出る事はなかった





外川も苦しんでいるんだ





私も苦しいよ、、和也、、







No.45 16/09/13 06:54
会社員 ( ♀ yGMTnb )

外川との別れを忘れるかのように私は仕事に打ち込んだ




こんな時、夢中になれるものがあって良かったとおもった




働いていなかったらどうなっていたのだろうか




あれから久本さんは何も言って来なかった





仕事で久本さんの所にデータを取りに行った





「あれ、おかしいわ」データがなかった




「データ昨日渡したよ!」久本さんにそう言われて気がついた





「ごめんなさい、そうだったわ」





「何かあった?元気ないね」と久本さんが心配そうに聞く





「ううん、別に、、」





「今日、お茶しようか?」






なぜかあの綺麗な高台の夜景が目に浮かんだ




No.46 16/09/13 18:00
会社員 ( ♀ yGMTnb )

「久し振りにりに付き合ってあげようかな~」と言うと久本さんは





「じゃあ駅前の喫茶店で待ってるから」





そう言って機械の所に戻って行った





事務所の席に戻ると石川さんが側にきた




「唯香、少しは元気になった?」





先輩の石川さんだけには外川の事を話していた




「はい、大丈夫です。」




外川と別れて1ヶ月が経とうとしていた






仕事が終わると車を運転して駅前の喫茶店に向かった



No.47 16/09/13 18:24
会社員 ( ♀ yGMTnb )

喫茶店に行くと先に久本さんが来ていた



「お久し振りです」




毎日会社で顔を会わせているのについそんなことばが出てしまった




「なに飲む?」



「じゃあアイスコーヒー」



久本さんは私の顔を見ながら「何でこの前は桐原さんが俺とデートしたのかな~と思ったんだ」




「ん~、そうだね、、」





沈黙が続いた





「今日は海を見に行かない?」




「今から?」




「いや、さ、この前釣りに行ったんだ」




「そうなんだ、釣りをやるんだ~今は何が釣れるの」






No.48 16/09/13 18:43
会社員 ( ♀ yGMTnb )

「桐原さん、車を家に置いてきたら?俺も一緒に家に行くから」




「あ、そうだよね。車だったんたわ」




「そろそろ出ようか!」




今から海に行くなんてまるで若いときみたいだな




家に車を置きに行って一緒にきた久本さんの車の助手席に乗った




30分も走ると遠くに海が見えてきた




海を見ていると何故か寂しさが込み上げてきた



ラジオから外川が好きだった香西かおりの曲が流れてきた



流す涙は乾いても♪



淋しい心は隠せない♪



星も見えないこの街で♪



貴方しかない私♪



No.49 16/09/14 07:47
会社員 ( ♀ yGMTnb )

だんだん波の音が近くなってきた








久本さんは堤防が開けた所に車を止めると「煙草を吸っていい?」と聞いた





煙草の匂いが好きな私は「どうぞ」と言った





海の向こうに灯りがゆれている





煙草を吸い終わると






「桐原さんこれからも時々会ってくれる?」





久本さんが聞いてきた





(今はまだ、誰とも付き合う気にはなれなかった)




「たまにこうしてドライブが出来ればね」





「桐原さんといると何か落ち着くんだよね」





「久本さんは結婚してから女の人と付き合った事があるの?」





「あるわけないだろ!」





「そうだよね~」





「なんだ、それー今日初めて笑ったね!」









No.50 16/09/14 12:33
会社員 ( ♀ yGMTnb )

その夜、私と久本さんは結ばれた



遠くで波の音が聞こえていた







それから会社で顔を会わせても久本さんはいつも通りだった



日曜日になった



朝、久本さんが車で迎えにきた




今日は隣街の図書館へいこう




デートで図書館に行くのは初めてだった



久本さんはおこずかいが少いから私とのデートの遣り繰りは大変そうだった




ある時は図書館の2階にあるプラネタリウムに行った事があった




プラネタリウムは息子が小学校の時以来だった




その帰りに久本さんが家に来たいと行った




たぶん、息子がいると思うよ




「構わないよ」


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