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会社員( ♀ yGMTnb )
16/09/28 08:04(更新日時)

とあるパチンコ店


後ろを通った男に見覚えがあった、、

確か10年ぐらい前にお金を借りた男だ

一緒にいるのはあの女かまだ付き合ってたんだあの二人

腐れ縁っていうやつか




私の何でもない日常を書いていきます

No.2375091 16/09/08 08:11(スレ作成日時)

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No.109 16/09/28 08:04
会社員 ( ♀ yGMTnb )

「知ってる?社長の娘の美枝さんん子供さんがいるんだよ」





「知ってるよ!あいつら仮面夫婦じやなかったんだな、美枝さんとは別れるなんて俺たちには言ってたけど」





美枝さんの旦那さんは国立大学出のエリートで頭が切れるとみんなが話していた





「今は旦那さんの実家でお義母さんと一緒に住んでいると言ってたよ」





「美枝さんと会ったのか」





「この前喫茶店でね、何処かで見たことがある顔だな?とおもっていたら美枝さんとお母さんと子供さんが隣の席に座ったのよ」






久本さんの車中でも話しが弾んでいるうちにスーパーの駐車場に着いた





「あっ!携帯の番号は変わってないよね!」





「うん、変わってないわ」






「じゃあ、また電話するからね!」






そう言うと車で去って行った



No.108 16/09/28 07:05
会社員 ( ♀ yGMTnb )

いつしか昔の会社の話になった





「あの加藤のせいで常務はやめさせられたんだ」





そう言えば俊から『常務は打ち合わせが早く終わるとその時にいた人と喫茶店でコーヒーを飲んで時間を潰してる』と聞いたことがあった」





どうやら俊が社長にそれを話してから社長と常務が上手くいかなくなり常務が会社をやめた、と言う事らしい





確かに久本さんと常務は仲が良かったし常務の送別会はやらなかった





久本さんも知らないうちに会社を辞めていた




社長は金回りが良かったのか歳に似合わず2人乗りのスポーツタイプのベンツなんかを乗り回しては社員の噂話になっていた




「スーパーで買い物かごを持って買い物をしている男の人は大体俺みたいなバツイチだよ」




確かにスーパーで男の一人で買い物をしてる人を見かけるけどそんな事思った事もなかった




日曜日の昼下がり話が尽きる事はなかった





「そろそろ帰ろうか、桐原さんも家でやることあるでしょ」





「うん、別に予定は無いけど、、」






「スーパーの駐車場まで送って行くよ!」









No.107 16/09/27 21:36
会社員 ( ♀ yGMTnb )

「久本さんも変わってないわよ、今仕事は何やっているの?」




「うん、ちょっと前まで電気関係の仕事をやってたんだけど今は求職中なんだ」




「ふーん、何か勿体ないね。昔あんなにバリバリ仕事をやっていたのにお金とかは大丈夫なの?」





「うん、貯金も少しあるしね。一人だから何とかなるよ」





「でも離婚したなんて知らなかったわ、養育費とか払ってるの?」






「あの家を嫁に渡して出てきたからさ、、子供3人住む所なくなると困るだろうと思ってね」





いかにも男気のある久本さんらしいなと思った





「嫁はあまり俺とは合わないとよく言ってたからさ」





「ふーん、、」





なんと言っていいのかわからなかった





「もうすぐクリスマスだね、、今さ海のイルミネーションが綺麗な所があるから今度行かない?」




「行ってもいいけど久本さんお金は大丈夫なの?」





「何言ってるの?それくらい大丈夫だよ」




No.106 16/09/27 19:53
会社員 ( ♀ yGMTnb )

でもその喫茶店が休みだと言うことを思い出しスーパーの入り口で立っていると




久本さんが私を見つけて車で別の喫茶店に行く事になった





「ちょっとアパートに寄っていいかな?冷凍食品を買ったから冷蔵庫に入れてくるから」





「いいよ、凄いねしっかり主婦してるじゃない!」




「だって、外食ばかりじゃ飽きるじゃだろ」





10分ほど走ると3階建ての建物の駐車場に車を止めた




「ごめん、ちょっと待っててくれる?」




「はーい、わかりました」





慌てて車に戻って来ると「何処にする?」




と聞いてきた




「じゃあ、『珠理奈』知ってる?」




「知ってるよ!そこに行こうか」




駐車場に車を止めて店に入ると





「なに飲む?コーヒーでいい?」





「はい」




「桐原さん変わってないね」





まじまじと私を見て言った




No.105 16/09/27 17:40
会社員 ( ♀ yGMTnb )

ある日、隣町のスーパーで買い物をしていると声をかけられた




「桐原さんでしょう?わかりますか?」




「、、、」





とっさには思い出せなかった






「久本ですけど」





スーパーの買い物かごを下げているせいか直ぐにはわからなかった





「久本さん?お久しぶりです。わからなかったわ、よくここに来るの?」





「うん、実家が近くだからね。実は離婚したんだ。」





「え、ウソでしょう、子供さんはもう大きいの?今何処に住んでいるの?」





「立ち話もなんだから、桐原さん買い物もう終わったの?ちょっと話しをしない?」





喫茶店で待ち合わせする事になった













No.104 16/09/26 01:11
会社員 ( ♀ yGMTnb )

そんな時でも月に1度の会社の仲間達との飲み会には出ていた




その月は私の誕生日の月だったのでみんなからプレゼントを貰った




お金を出しあって買ってくれたネックレスにはピンク色の小さな宝石が輝いていた




「うわー!嬉しい♪ありがとう♪」





みんなからのメッセージカードが付いていた




いつも素敵な笑顔の桐原さんお誕生日おめでとう!





これからも笑顔でね♪





中国のテイホウさんたちも馴れない日本語や中国語でメッセージが書かれていた




お礼にみんなにお酒をついで回った





「来月はせい子ちゃんの誕生日があるね何処か素敵なお店を探しておくからね」





「楽しみにしてるわよ♪」








No.103 16/09/25 12:17
会社員 ( ♀ yGMTnb )

俊とはもうメールもしなくなっていた




いつしか日曜日のモーニングコーヒーも行かなくなった





息子さんが自分のアパートに戻りたいといい出して奥さんと揉めているとこぼしていた





私は更年期のせいか疲れがたまり夜の寝つきが悪くなっていた





血圧が高くなり医者から降圧剤を出された





眠れない夜が続いたので睡眠剤も出して貰った






もう何もかもどうでもよくなっていた





生きていてもしょうがないと思うようになっていた






No.102 16/09/25 11:55
会社員 ( ♀ yGMTnb )

車は近くのレストランに入った




「ここのハンバーグはうまいんだよ!」




「じゃあ私はそれにするわ」




レストランの中庭にある赤い灯がユラユラと揺れていた





「Nさんお孫さんいるの?凄いね」




「いや、息子夫婦と住んでいるからね。俺が一人だとご飯とかが心配だからとか言ってね」




鉄板の上でジュージュー音を立てたハンバーグが運ばれてきた




「美味しそう!」





ナイフを入れると肉汁が溢れてきた





「奥さんはどうして亡くなられたの?」





「うん、ガンでね、何年も入院していろいろ治療したんだけどね」






いろいろ話しをしていると夜も暗くなってきた




パチンコ屋の駐車場に送ってもらうと





「じゃあ、またね」





と言って帰って行った






No.101 16/09/25 09:59
会社員 ( ♀ yGMTnb )

そして慣れたように胸をまさぐってきた




そのままシートを倒した





私は頭がくらくらしてきた





キスをしながら私の下着を下ろすと静かに入って来た





Nが動きを止めた






Nとはこうなってもいいと心のどこかで思っていた






沈黙が流れた






「ご飯食べに行こう」






Nは車を静かに走らせた









No.100 16/09/25 09:36
会社員 ( ♀ yGMTnb )

寂しさを埋めるように仕事が終わるとパチンコに行った




するとNがいた




「おっ!久し振りだな、最近来なかっただろ」




そんなに毎日行けるほどお金があるわけないわ




「どう、儲かってる?」




「いいや、今日はもう止めるからご飯食べに行かないか?」




駐車場でNの車に乗った




しばらく走って車を止めた




「なんか疲れているみたいね、、」




「最近出張が続けてあってね、、家に帰っても小さい孫がバタバタ走り回っているし」




「はあ~」




そしてため息をついた





「あなたは俺のタイプだし気になるし」




そう言うと肩に手を回してキスをしてきた





舌が絡んできた深い大人のキス






No.99 16/09/25 09:12
会社員 ( ♀ yGMTnb )

外川と最後に会った喫茶店『マルシェ』は今は無い





過ぎ去った思い出は色褪せない






あんなに愛された日々があった






外川との思い出はスクリーンシーンのように思い浮かぶ





今を思い出にするのは辛いけど






さようなら、、






外川のスクリーンシーンに私は浮かんでくるのだろうか







外はもう秋の気配だった






No.98 16/09/25 01:46
会社員 ( ♀ yGMTnb )

今でも貴方の微笑みを♪感じる事があるのよ♪



思い出は美しくすぎて♪それは悲しいほどに♪



今はもう手の届かない♪あなた遠い人♪




偶然にも私の好きな矢神純子の曲がかかっていた




そうなんだ外川との8年はもう過去の事なんだ



曲を聞きながらそう思った





「今は体は大丈夫なの?」




「今は月に1回病院で見てもらってるし抗がん剤をしばらくは飲んでいるよ」




外川は髪の毛も少し薄くなって来ていた




私も少し太ったかもしれない





「お互いにもう若くないんだから無理しちゃいかんよ!」




「そっちこそ飲みすぎて道端で寝込んだらいかんよ!」




お互いに減らず口を叩いては笑って過ごせる相手はそんなにいないだろう




何か切なかった



「もう帰ろうか、、」



もう外川と会うことはないだろう

 

あなたの事一生わすれないから、そんな人に巡り合えただけでも幸せに思うよ












 






No.97 16/09/25 01:07
会社員 ( ♀ yGMTnb )

それから10日ぐらい過ぎたある日外川からコーヒーでも飲まないかと電話があった




外川とはどうなるのかしらと思いながらも断り切れずに会うことにした




今は特に付き合っている人はいないから私の事が気になるのかしらん、、などと勝手に思っていた




「Yちゃんと別れてからここが痒くて違和感があったから病院へ行ったら前立腺肥大だと言うことで手術をしたんだよ」




「それは知らなかったわ、大変だったでしょう」





「実はその時に優しくしてくれた看護師さんとお茶をしたりしているうちに付き合うようになったんだけど、、




その人はバツイチでね、高校生の娘がいたんだ




その娘が学校に行っている間にその人の家にいって愛し合おうとしたら




玄関が開いて娘が帰って来たんだ、、それですごい目で俺の事を睨んで出て行った事があったんだ」




「高校生の娘さんは感受性が難しいから大変だったんじゃない?」




「うん、ある時にその娘に呼び出されて『お母さんがあんな風になったのはあんたのせいだからね!』と言われてね




彼女に『俺たちが付き合っているだけで何で娘にあんな事を言われなきゃいかんのか。もう別れよう!』と言ったら





『ごめんなさい、娘には何とか話しをしておくから考え直してほしい』と言われてね」




「、、、」





「それからも何も変わらないから、もう無理だからと別れたんだ、、」





「そんな事があったの、、、」






思えば私が病気になって手術をしたとき外川は助けてくれたんだったあの時の事は今も忘れないわ
















No.96 16/09/24 11:03
会社員 ( ♀ yGMTnb )

その店で1時間近く飲んだ後、中華料理屋さんに歩いて行った




するとそこに現場で働いているテイホウさんと言う中国の人がいた




テイホウさんは測定をしている私の事を前から知っていたとの事だった




テイホウさんはなかなかのイケメンで日本語が上手かった





中国では犬や鳩を食べるとか面白い話しをして3人で盛り上がった





11時近くになり明日も仕事だからと言うことで帰る事になった





「また飲みに来ようね~」





これを機会に会社の中国の人を交えた6~7人で毎月飲み会をする事になるのだった


No.95 16/09/24 10:43
会社員 ( ♀ yGMTnb )

瀬川さんの部屋の前に着いた




「さあ、上がって」




廊下を抜けると奥に広い部屋が見えて来た、クーラーが付いていないのに部屋は涼しかった




「半年ほど前に泥棒に入られてね、、」





「え~、でもここは最上階でしょう?」




「上から入られてやられちゃったんだ、旦那に貰った指輪とか宝石とかみんな持ってかれちゃって、、」





「警察が来たの?」




「もちろん呼んだよ!盗まれたものいろいろ聞かれてあ~思い出しても腹が立ってくる!




そろそろ店に行く?歩いて直ぐの所にあるから」





瀬川さんと常務の行きつけの店だった





そこは「深雪」と言う名前の店だった




「唯ちゃん、なに飲む?」




「なに飲もうかしら」





「ここの芋焼酎飲んでみる?美味しいから」





「じゃあ芋焼酎飲もうかしら」






私がいまだに芋焼酎を飲むようになったのはここで美味しさを知ったからだった



No.94 16/09/24 09:18
会社員 ( ♀ yGMTnb )

会社で私と俊の事が噂になっている事を俊に話した





「そうかおばさん連中もしょうがないな、気にすることないぞ」





現場には瀬川さんと言う女の人が新しく入って来た




常務の紹介で飲み屋で知り合った人だと言うことだった




瀬川さんは私と年も近いので話すようになり





「今度現場の人と飲みに行くから桐原さんも来ない?」とさそわれた





「飲みに行きたいな、よろしくお願いします」




仕事が終わってから瀬川さんのマンションで待ち合わせる事になった




瀬川さんのマンションに行くと瀬川さんが待っていて地下の駐車場に車を止めて




10階の瀬川さんの部屋に行く事になりエレベーターに乗った









No.93 16/09/24 08:45
会社員 ( ♀ yGMTnb )

その頃私は休みになるとパチンコをやりに出かけていた




俊とコーヒーを飲んだ後に2人で行く事もあったがたまに仕事帰りにも1人で行っていた



永島敏行似の人はAさんと行って奥さんを病気で亡くしていた



何回か顔を会わせるうちにお昼にご飯を食べに行く事になった




ある日オムライスのお店にお昼ご飯を食べに行った




いろいろ話しをすると会社の営業をやっていて歳は私より1つ上だと言うことだった




「オムライスを売りにしているわりに味は大した事ないな」



同じ事を思っていたのかと2人で思わず笑ってしまった



「ごちそうさまでした」




「ああ、またな!」




Aさんはそのままパチンコをやりに台に戻って行った



私は買い物をするために近くのスーパーに出かける事にした


No.92 16/09/24 00:30
会社員 ( ♀ yGMTnb )

外川ほどではないけど今は俊に支えて貰っている




「そうだよな、、」





「私もいろいろあったの、、」





お互いに時間が必要だと思った





「拓也は元気か?」





「うん、今は働いてくれてるから助かってるよ」





「それは良かったな!」





それからは昔みたいにお互いの仕事の話しをしたりして気がつくと2時間近くが過ぎていた





「これから友達と用があるから、また連絡するから」






「今日はごちそうさまでした」





喫茶店を出てそれぞれの車に乗って別れた





No.91 16/09/23 23:44
会社員 ( ♀ yGMTnb )

「あの時グループにYちゃんと言う看護師をしている人がいたの覚えてる?」




「確か旦那さんがトラックの運転手をやっていて外川を殴ったとか言ってた」





「そうそのYちゃんと付き合って一緒に住んでたんたけど、、」





「、、、」





そんな話聞きたくなかった





「Yちゃんは俺が飲みに行って帰りが遅くなるのが気に入らないみたいで





『どうしてもっと早く帰って来れないの』と毎日言われて、俺は酒が好きだからさ



もう毎日喧嘩になってさ、酒飲んで家に帰っても気が休まらなくなって




もうダメだからと別れ話になってもなかなか出て行ってくれなくてね、、、」





「、、、」





「Yちゃんのお姉さんに間に入って貰って実家に連れて帰って貰ったんだよ」





「大変だったんだね、、」






「唯香は今好きな人いるの?」





「うん、、、」





時間さえあれば俊と別れてまた外川とやり直せるのだろうか





自分でもわからなかった、、、















No.90 16/09/23 22:34
会社員 ( ♀ yGMTnb )

そんな時、外川から携帯にメールが来た




『元気にしてますか』




なんて返事をしようか




『元気です』




すると『久し振りにコーヒーでも飲もうか』




『はい』




短いメールに思いがこもっていた




そして外川と3年ぶりに再会した




顔を見た時に懐かしさが込み上げて来た



コーヒー好きな外川は夏でもホットコーヒーだった




「実は唯香と別れてから半年後にお袋が死んで離婚したんだ」




「そっか、、、」





「あのまま唯香と付き合っていたらと何度も思ったよ」





時はなんて残酷なんだろう



No.89 16/09/23 21:14
会社員 ( ♀ yGMTnb )

「それはうちのやつが勝手にやった事だから」



(ふーん、だから奥さんは別居したかったんだ)




「社長の娘が物凄く嫌な顔してね」





社長の娘は現場で生産課の課長をやっている、いわゆる同族会社と言うやつだ





まあ、奥さんが会社に怒鳴り混んで来たのにどの面下げて会社に戻って来たのか?と思っただろうな、、、





皮肉な事に一緒に働くと今まで知らなかった俊の嫌な部分を否応なしに知らされる事になった





私の知らない所で今度は私が俊の紹介で入ったと言う事で





私と俊の事が噂になっていると親切?な会社の人が教えてくれた















No.88 16/09/23 07:18
会社員 ( ♀ yGMTnb )

その女の人は俊さんより9才年上で今はこの会社にはいないと言う事だった



にわかには信じがたかったが嘘を言っている顔ではなかった




次の日曜日に俊さんと『ハーフタイム』でモーニングしているときに俊さんに聞いてみた




「ねぇ、会社の人に聞いたんだけど俊さん前に会社の女の人と付き合っていたの?」





「あ、ああ杉山さんと言う人でね、会社の通勤に杉山さんの家の前をいつも通るので




杉山さんは車の免許を持っていないと言う事で仕事の送り迎えをしているうちに親しくなって付き合うようになったよ」





「その人の写真もあるよ」





「今も持っているの?」





そう言うとポケットの中から財布を出して写真を見せた





「捨てようと思ったけど入れっぱなしになってけど、、」





ぽっちやりした小柄な派手めな女の人が写っていた






「なんか奥さんが噂を聞いて会社に怒鳴り込んできたと聞いたけど」





私の知らない俊の顔だった




No.87 16/09/23 01:36
会社員 ( ♀ yGMTnb )

仕事に馴れた頃本社が完成して盛大に竣工式が行われた






社員は合わせて70~80人もおり思ったより人数が多かったのには驚いた





みんな正装していて普段は髪をひっつめにしている人達もお洒落におろしたりして見違えるようだった





社長の音頭で乾杯して会社の益々の発展を祝して無事に終わった






私の職場は品質管理になり俊さんは係長から課長になった






私は三次元測定器と言う機械を使って製品の品質管理をする事になった






新しく覚える事も多くなり仕事にかってない充実感を覚えた





俊さんの息子さんの体調は一進一退であまり外に出なくなり奥さんも落ち着かなくなって会社を休んでいると聞いていた





そんな頃ベテランのおばさんから俊さんが昔会社の人と付き合っていたと言う話しを聞かされた



No.86 16/09/22 11:16
会社員 ( ♀ yGMTnb )

初めて会社に出勤する日がきた




私が入ったA 精機は当事全面改築中で2箇所に分かれて仕事をしていた



その内の1ヶ所で働く事になった、社員の人に簡単に紹介された後俊さんに付いて仕事をする事になった




まずマイクロの持ち方から教えられる




これを測ってと言われ測ろうとすると




「持ち方が違う!」



容赦なかった



「じゃあこれを測って見て!寸法はいくつになる?」



「15.556です」



1000分台の数値を出すのは難しかった



「もう一度測って!」




「15.560です」




「何やってるんだ!さっきより0.004大きいぞ!3回測ったら3回とも同じ数値にならないとダメだ!現場が混乱するから!」





こんな特訓のお陰もあって何とか毎日データを取り記録出来るようになった

No.85 16/09/22 09:37
会社員 ( ♀ yGMTnb )

面接の日が来た




ドキドキしながら会社に行くと受け付けで「こちらでお待ち下さい」と応接室に通された





しばらく待っていると応接室に男の人が入ってきた「私は社長の上原です。桐原さんですね。話は加藤さんから聞いております」と履歴書を見ながら話しをされた




「ではこれを見て下さい」と図面とある製品を出された




「これはどういう形をしていますか?三角法で教えて下さい。この書かれているマークの意味はなんですか?」





簡単な図面の見方のテストだった、知っている限りの事を答えた




「はい、結構です。桐原さん来週から来て下さい」





「ありがとうございます」






やった、俊さんありがとう♪





その夜俊さんに電話をすると「よかったな」と喜んでくれた











No.84 16/09/20 19:58
会社員 ( ♀ yGMTnb )

週末の土曜日俊さんと『ハーフタイム』でコーヒーを飲んでいる時




「唯香は図面が見れるだろう?図面が見れるなら図面を見ながら品物を計ればいいから測定の仕事ができるよ」



確かに図面は書けるし見ることは出来るけど測定と言う仕事はやったことがないからよく解らなかった



社長に「45歳過ぎてるけど図面を書けるし見れる人がいるから」と話しをしたら話しを聞きたいと言われたとの事だった



「でも、何で測るの?測定の仕事は何をするのかよくわからないんだけど」




「マイクロメーターと言う物を使って物を測るんだよ、まあ唯香は俺の仕事を手伝って貰うと言うことで話しをしたるから」




「俊さんが仕事を教えてくれるんなら安心だわ、その時はよろしくお願いします!」



「じゃあ、面接の日が決まったらまた連絡するから」



やった事がない仕事は不安だったけどやるしかなかった


No.83 16/09/20 18:46
会社員 ( ♀ yGMTnb )

次の日、ハローワークに失業手当てを貰う手続きに行った後俊さんにメールをした




すると俊さんからお昼休みにメールがあった




「うちの会社で測定をやる人間を募集しているから面接を受けてみないか?」



と言う事だった詳しい事は会ったときに説明すると言う




前の会社からは十分な退職金が振り込まれていたから、しばらくは休もうと思っていたけど生活の事を考えるとそうも言ってられなかった




そうだ!頑張った自分へのご褒美にノートパソコンを買おう!




次の日からパソコンショップをあちこち見て回った




ある店でよさそうなノートパソコンをあれこれ見た結果16万円のノートパソコンを奮発して買った




すると2万円分のお食事券が特典で付いてきた♪



私はルンルン気分でノートパソコンを家に持ち帰った


No.82 16/09/20 18:03
会社員 ( ♀ yGMTnb )

数日してお昼休みに石川さんが「桐原さん会社辞める事になったのね」と言ってきた




「それでね、桐原さんの送別会をやろうと言う話があるのね、決まったらまた連絡するね」




「ありがとうございます。楽しみにしてます」




それから1週間後に会社を辞めた。残りは有給休暇を使って次の仕事を探す事にした




数日すると石川さんから「桐原さんの送別会の日にちが決まったから」と連絡があった




当日『さくら』と言う居酒屋にドキドキしながら行くと石川さんがもう来ていた




会社都合で辞めると言う事で社長と娘の美枝さんは来なかったけど久本さんの設備の人達も来ていてくれたのが嬉しかった




社員で来ていないのは2人だけだったこんな私の為に送別会をやって貰えるなんてありがたかった




会社であった嫌な事はみんな忘れてしまおうと思った




「桐原さんは今まで会社の為に一緒に働いてくれました。頑張ってこられた事の感謝の気持ちと新たな職場が早く見つかるように」




「乾杯!!」




「ありがとうございます!」





私は涙が出そうだった、なんて素晴らしい人達と仕事をしてきたんだろう




今はこの会社はなくなってしまったけどこの人達はみんなどうしているのだろうか





No.81 16/09/20 12:41
会社員 ( ♀ yGMTnb )

それから4ヶ月経ったある日、私は社長の娘の美枝さんに呼ばれた




「桐原さん、言いにくいんだけど仕事が少なくなっているから会社を辞めて欲しい」と言われた




「もちろんこちらから辞めてもらうので退職金は出しますので、よろしくお願いします」と頭を下げた




私は「わかりました、仕事が減っているから仕方ないですよね」





と言うと申し訳なさそうな顔をしていた





最近は事務の仕事は石川さんが主にやっていて現場を手伝う事が多かった





有休を使って今月いっぱいで辞める事にした

No.80 16/09/20 08:16
会社員 ( ♀ yGMTnb )

俊さんと久し振りに『ハーフタイム』でモーニングを食べた



奥さんも働いているから日曜日になると息子に会いに俊さんのマンションに来ると言う事だ



休みの日はゆっくりしたいのに奥さんがやって来ては家の中でバタバタするから落ち着かない




誰の家だと思ってるんだ!とイライラいていた




「息子さんを奥さんのマンションに連れて行ったらいいんじゃないの?」と言うと



「前に息子のアパートに行ってた時にリストカットをしてわめいていたから、私にはとても面倒が見きれないけど心配だから」と言う事らしい




息子さんのアパートの家賃も払っているとの事だった





「大変なんだね、、」




会社の方はなんとか上手くやっているとの事だった



後に私も俊さんの会社で働く事になるとはこの時は想像もしなかった






No.79 16/09/19 20:35
会社員 ( ♀ yGMTnb )

そうこうしているうちに俊さんが会社を辞める事になった





昔の会社の社長がうちの会社に戻って欲しいと言われて戻る事になった





会社の業績が悪くなり製品の注文が少なくなって来ていたせいか社員も2人辞めていた




バブルの時は社内旅行で飛行機に乗って長崎のハウステンボスに行ったり、中華街で中華料理を食べたりした事もあった




世の中が不景気になり会社にもしわ寄せが来ていた




俊さんは仕事と息子さんの事で忙しそうだった




私とはたまにメールのやり取りをするだけになってしまった




それは仕方のない事だった



No.78 16/09/19 12:53
会社員 ( ♀ yGMTnb )

それから1年近く経ったある日、俊さんが「今度の日曜日にうちのやつと息子の所に行く事になった」と言った



息子さんは27歳で一人暮らしをしていると前から聞いていた



ただ、情緒不安定な所があり病院にかかって薬を飲んでいるけど最近はあまり良くないと言っていた



息子さんは彼女と別れてから思い詰めるようになりリストカットを繰り返していたらしい



仕事を辞めてしまい家に閉じ籠りがちになり俊さんの奥さんが心配して息子さんの所に通っているとの事だった



明日病院に息子さんを連れて行くので奥さんが俊さんに相談してきたとの事だった




確かに自分の息子が大変な時に私の事どころじゃないわね



奥さんが心配するのもわかるし、、俊さんの所に息子さんがしばらく居候する事になった




息子さんが落ち着くまでしばらく会うのは止めようと言う事になった




No.77 16/09/19 09:37
会社員 ( ♀ yGMTnb )

その頃は俊さんもたまに家に来るようになり拓也とも話しをするようになった



拓也も働き始めたばかりで人間関係で悩んだりしていた



俊さんはそんな拓也の相談相手にもなってくれた



ある日、俊さんは拓也を誘って釣りに行く事になった



拓也に安い釣りの道具を買って揃えてくれた



3人で夜釣りに出掛けた



俊さんとは拓也は釣糸を垂らしては何やら話しをしていた



私は車の中で助手席を倒しては横になり音楽を聞いたりして過ごしていた




No.76 16/09/19 09:13
会社員 ( ♀ yGMTnb )

部屋の隅には段ボールがいくつか重なっておいてあった




「お待たせ!美味しいコーヒーをどうぞ!」




「ありがとう♪いただきまーす」




「俊さんのコーヒーは特別に美味しいわ」



加藤さんの俊彦の名前をいつの間にか俊さんと呼ぶようになった



「そうだろう!俺の愛がいっぱい入っているからな~」



2人でまったりとコーヒーを飲んだ



そして隣のリビングのソファーにもたれてテレビを見ていた



「唯ちゃん、写真を撮ろう!」



そしてデジカメを持ち出すと私を写し出した


「2人で撮ろうよ♪」



すると俊さんはタイマーシャッターをおして写る瞬間に私にキスをした



アハハッ!



写真を見ると私の頬に目をつぶってキスをしている俊さんの顔が可笑しかった


2人で大笑いした



あっと言う間に12時近くになった



「そろそろ帰るね」



「また遊びにおいで、おやすみ!」



玄関でおやすみのキスをすると駐車場まで送ってくれた



バックミラーを見ると俊さんがいつまでも手をふっていた






No.75 16/09/19 07:42
会社員 ( ♀ yGMTnb )

ピンポーン!



チャイムを鳴らすとガチャ!と音がして玄関が開いた




「唯ちゃんいらっしゃい!」



と加藤さんが両手を広げて迎えてくれた



玄関マットとかオシャレな感じ!



「はい、お引っ越し祝い♪」



「おーありがとう♪開けていいかな?」




「いいですよ~♪加藤さんコーヒーが好きだからいいかなと思って」




「おー♪これはいいな!高かったんじゃあないの?」



「さっそくコーヒー入れるから座ってて!」



テーブルを見渡すと新聞紙の横の灰皿に口紅がついた煙草の吸殻が目に入った



「ねぇ、奥さん来たの?」




「ああ、娘夫婦に引っ越しを手伝って貰ったからうちのやつに孫を見て貰ってただけだよ」



そっかー、離婚すると娘とか孫に会えなくなるのが嫌だから籍はそのままにしておくんだ



今さらながら勝手な人だわ、、と思った



No.74 16/09/19 07:12
会社員 ( ♀ yGMTnb )

『来週の日曜日に引っ越しが決まったよ!夕方にでも遊びに来ないか?』と加藤さんからメールが届いた



『わかりました、引っ越し祝いを持って行きます』



今までは奥さんの目が気になってメールをして来なかったけどたまにメールが来るようになった



引っ越し祝いは何にしようかしら?



コーヒーが好きだからオシャレなコーヒーカップをプレゼントする事に決めた



贈答品の店を回って4000円のコーヒーカップのセットをペアで買った



『引っ越し終わったよ、6時過ぎにおいで』



『了解でーす』



私は車を運転して家から30分ぐらいの所にある加藤さんのマンションに行った



車を停める場所は前に確認しておいた場所に停めた



No.73 16/09/19 01:09
会社員 ( ♀ yGMTnb )

部屋を見に行こうと言われてから1週間後部屋を見に行くことになった





隣町のK 市にある4階建ての2階にその部屋はあった





ダイニングキッチンと部屋が3つもあり広く感じた




一人住まいには十分過ぎる広さだった
建物は綺麗でオシャレな感じだった




「凄いね!綺麗だし素敵な部屋だわ♪」




「気に入ったかい?ここに決めようか!」



「いいんじゃない♪」




「じゃあ明日にでも大家さんの所に行ってくるわ」




部屋が決まったのが嬉しいのか加藤さんもあちこち触ったりしていた




No.72 16/09/19 00:31
会社員 ( ♀ yGMTnb )

何時ものように『ハーフタイム』でコーヒーを飲んだ後、車を走らせていると




「あの家が売れたよ!うちのやつに余計な事かもしれんけど800万円渡す時に




おまえももう歳だからマンションの一つも買っといたらいいぞ




と言ったら珍しくそうするわといっとったわ」





「ふーん、そうなんだ、でも売れて良かったね」





800万円か私だったらどうするかな、、やっぱりマンション買うだろうな中古マンション安いから





「おれは100万円借金を返したら後は貯金でもするよ、唯ちゃん今度住む所一緒に見に行ってくれないか」





「何処にあるの?見に行ったの?」





「だいたいの見当はついたからね。新築でいい感じだったから唯ちゃんも気にいるよ」








No.71 16/09/18 19:13
会社員 ( ♀ yGMTnb )

それから2年が過ぎたある日「昨日うちの奴にもう別れよう、と言ったら特に嫌だとか言わなかった」とポツリと言った



「ふーん、奥さんは加藤さんと別れたいのかな?」




「わからん、、熟年離婚と言うやつかな、、」



たまに家をあける加藤さんに愛情はなくなったのかも知れなかった





何日かしてハーフタイムでモーニングコーヒーを飲んでいる時




「うちのかみさんと別れる事が決まった」と言われた




「あの家を売ったお金をかみさんとおれとで折半する事になった」




「そうなの、、」




「新しく住む所を探さなきゃ!唯ちゃんも手伝ってくれるかい?」





「もちろん、、」





本当に別れるんだろうか、、いつか加藤さんの家の前で見かけた奥さんの顔が目に浮かんだ









No.70 16/09/18 18:46
会社員 ( ♀ yGMTnb )

台所に行っては洗いものをしながら料理をする加藤さんを手伝ったりした




出来上がった料理をテーブルに並べながら




「わあ~♪美味しそう♪」




と言うと加藤さんも嬉しそうだった




カレイのフライにあんかけをのせたものとか手の込んだ料理を作ってくれた





食事が終わると加藤さんはギターを持ち出しては弾いてくれたりした




2人で洗いものが終わると「コーヒーでも飲むかい?」



とコーヒーを入れてくれた




その後は2人でお風呂に入って私の体を丁寧に洗ってくれた



そして2階にある加藤さんの部屋で激しく抱かれた


No.69 16/09/18 18:22
会社員 ( ♀ yGMTnb )

いつ辞めるとかは自分も噂をされている事を考えると回りに聞く事が出来なかった




ある日から久本さんの姿を会社で見ることがなかった






加藤さんとはハーフタイムでモーニングを食べた後パチンコに行ったりしていた




ある日、「今日家に来ないか?」と言われた




加藤さんが20歳で知り合いからお金を借りてまで建てたと言う自慢の家だった




確か奥さんは友達と旅行に出掛けていると言う事だった




夕方に加藤さんが団地に迎えにきた




車で30分ほど走ると加藤さんの家に着いた




1階に台所と風呂場があり、階段を上がって2階に奥さんの部屋と奥に加藤さんの部屋があった




奥さんの部屋の布団が畳んであるのがチラリと見えた




「今から夕飯の仕度をするから唯ちゃんはテレビを見ていてよ!」




「おふろのお水入れましょうか?」





「入れてくれたら助かるな!」





私はおふろの水を入れながら夕飯の仕度が終わるのを待つことにした



No.68 16/09/18 16:45
会社員 ( ♀ yGMTnb )

あれから久本さんは何も言って来なくなった




ただ、久本さんと仲がいい人達の私に対する態度が一変していた




加藤さんも仕事の期日を守って貰えなくなって困っていると言う話しを聞いた事があった




久本さんとの事は今さらどうなるものではなかった耐えるしかなかった




加藤さんとは喫茶店のモーニングに行った後、車で1時間ぐらいかかる藤の花が綺麗で有名お寺にドライブに行った




その帰りに小綺麗なシティホテルで結ばれた




それからしばらく経って久本さんが会社を辞めると噂で聞いた










No.67 16/09/18 15:40
会社員 ( ♀ yGMTnb )

キムチ焼きそばが来た~!辛そうで美味しそうな焼きそばが!



「美味しい♪」




なんと手羽先が2本ものっている♪




2人してフ~、フ~、言いながら食べた




「ご飯は残さないとキムチ焼きそばが全部食べられないよ!おれでもご飯は全部食べないからね」




「そうだよね~、これだけボリュームあったら全部食べるのはムリだよね」




キムチの辛さがビミョーで美味しかった♪



黙っていようと思ったが加藤さんに久本さんと付き合っていた事、そして手紙を貰った事を話した




「そっかーしかしこれは酷いな、唯ちゃん俺の事は気にしなくてもいいから久本とはどれぐらい付き合ったの?」





「4ヶ月です、、」





手紙を見ながら加藤さんは言った





「お腹がいっぱいになったね。送って行くよ」





「ごちそうさまでした、、」






「今度は藤の花が綺麗な所があるからそこに行こう!」







No.66 16/09/18 14:52
会社員 ( ♀ yGMTnb )

日曜日のお昼前加藤さんから電話がかかってきた



「唯ちゃんお昼は食べたかい?」





「まだ食べてないわ」




「じゃあ、今から迎えに行くから待っとって!」




加藤さんはいつも突然だった




しばらく待っていると携帯が鳴った




「着いたよ!よろしくです!」




車に乗り込むと「今から美味しいキムチ焼きそばを食べさせてあげるからね」




「何?それ美味しそうね」




隣街の『あんぐる』と言う店に着いた




近くに大学があると言う事で若いグループが何組かで食べていた



店員さんがメニューを持ってきた




加藤さんはメニューを見ることなくキムチ焼きそばを2つ頼んだ




No.65 16/09/18 14:22
会社員 ( ♀ yGMTnb )

それから2日が過ぎた日会社で久本さんの所にデータを貰いに行った時に怒ったように紙切れを渡された




「何?これ?」





そこには『あんたは加藤と付き合っているんだろう!加藤と付き合う為におれと別れたのか!いい加減にしろ!ふざけんな!』と書かれていた





『あんたと加藤の事みんなに話してやるからな!』





多分会社の人に話ししたのだろう、久本さんの性格からしたら話すだろうと思った




いつもにこにこ話す岡田さんの態度が変だなとは思ったけど





確かに加藤さんとはドライブに行ったけどまだ、付き合ってはいなかった




次の日も久本さんの所にデータを取りに行った、どうしても必要なデータだった




「私は加藤さんと付き合ってないわ」




「じゃあ何でやつの車があんたの住んでる家の前に止まってたんだ!ふざけんな!」




何を言ってもムダだ、黙るしかなかった




データを貰ってその場を離れた



No.64 16/09/18 13:46
会社員 ( ♀ yGMTnb )

「これからどうしようか?香蘭渓にでも行こうか?紅葉には少し早いけどね」




「今日は特に予定がないからどこでもいいです」




車で1時間も走ると山奥に入って行った



加藤さんは20歳で結婚した事、娘さんは結婚して妊娠中だと言うことを話してくれた



後、息子さんが介護師をしている事もわかった



私も離婚して息子と二人暮らしだと話した



加藤さんは私より5歳年上だとわかった



話しをしているうちに香蘭渓に着いた



駐車場はどこもいっぱいだった



所々に紅く紅葉に染まっていて綺麗だった



名物の五平餅を食べては手を繋いで歩いた



久し振りの遠出のドライブが楽しかった



帰りはファミレスでハンバーグ定食をごちそうになった



楽しい1日が過ぎて行った



No.63 16/09/18 12:17
会社員 ( ♀ yGMTnb )

日曜日の朝、加藤さんが車で迎えにきた



しばらく走ると『ハーフタイム』と言う洒落た名前の喫茶店に車を止めた





この店はモーニングの種類が豊富にあった





この地方はモーニングにパンとか玉子が付く事で有名なのだが朝食にご飯があるのは珍しかった





「じゃあ、モーニング定食にしようか?」





「はい、同じものでお願いします」





「桐原さんが電話くれた時、やっとかかってきた!と思ったよ待ってたよ!」





「ふーん、そうなの」





会社では取り立てて話しをする事はなかった下手すると加藤さんが打ち合わせに出ていて顔を会わせない事もあったのだ




「名刺を渡された時は驚いたわ、あまりにタイミングが良かったから」




「いや、真っ暗になった時とっさに名刺を渡すなら今だ!と思ったよ」




実はトイレにたった時にトイレで名刺の裏に書き込みをしたということだった




「そうね、加藤さんとはあまり会社で話しをした事がなかったもんね」





美味しいコーヒーを飲みながらパンやサラダを食べては話しが弾んだ

No.62 16/09/18 10:41
会社員 ( ♀ yGMTnb )

それから数日後、加藤さんに電話をした




あの時に渡された名刺、何故か財布の中にいれたままだった





「桐原です。この前はコーヒーごちそうさまでしたあれからどうだったんですか?儲かったんですか?」





「ああ、桐原さんどうもだけど、あれから2杯入ったけど結局5万円儲かったよ!」





「それは凄いですね!良かったですね!





「今度は缶コーヒーじゃなくて本物のコーヒー奢ってあげるよ」と言って





あっはっは!と笑った





「じゃあ、今度の日曜日にモーニングでも行くかい?」





「はーい!じゃあお願いします」








No.61 16/09/18 10:22
会社員 ( ♀ yGMTnb )

他の台を見て回って『海物語』に戻ると加藤さんの一つ隣の台に男物のハンカチが置いてあった



加藤さんはそこそこと言うようにこちらを見た



私は自分のハンカチを置き加藤さんにハンカチを返しに行った



加藤さんは5連チャンしていた



しばらくやっていると加藤さんがコーヒーの缶をニュッと差し出した



「ありがとうございます、、」




しばらく打っていると単発の当たりがきた



続くかと思ったが終わってしまったそしてその箱一杯の分も入ってしまった



(あ~あ、、)



加藤さんを見るとまだ、大当たりが続いているようだった



気がつくと時計は4時を過ぎていた





(買い物に行かなきゃ!)





加藤さんに「帰ります。頑張って下さい!」と言うと




わかった、と言うように笑って手を上げた


No.60 16/09/18 09:46
会社員 ( ♀ yGMTnb )

次の日会社で常務にパチンコで儲かった話しをすると


「それは凄いな~、俺も行ってるけど全然ダメだわ~」と言っていた





土曜日の昼過ぎると何故かパチンコに行きたくなった




『A パン』に行ってしまった




この時は『海物語』と言うマリンちゃんが出てくる台が人気があった




空いてる台をぐるぐるさがしたけどどこも空いてなかった




あきらめきれずに台を探していると見たことがある顔があった




同じ会社の名刺をくれたK さんつまり加藤さんだった




「桐原さんもパチンコをやるのか?」




加藤さんは驚いたようだった





「はい、最近ですけど、、」




パチンコ屋で会社の人に会うなんてなんだか恥ずかしかった




加藤さんは回りを見回して「もし台が空いたら取っておいてあげるよ!」



No.59 16/09/18 08:27
会社員 ( ♀ yGMTnb )

私の団地の前に着いた



車を降りる時久本さんは「また電話するから」と言った



私は無言のまま車を降りた



しばらく久本さんが私の家の窓を見ていたがそのまま走り去っていった





会社ではいつも通りだった




仕事の帰りに『A パン』の前を通った




常務や会社の人達と行ったのを思い出した



その時は女の子がスロットで大当たりして常務がコーヒーをみんなに奢ってくれたのだった




やってみようかな~気晴らしになるかな?




時間が6時過ぎのせいか客はまばらだった




確か演歌歌手の田川何とかの台をやったと思う短冊みたいなのがヒラヒラ降りてきて大当たりになった





それからは大当たりが止まらなくて8連位したと思う




3万円7、8千円ぐらい儲かってしまった




儲かった~♪嬉しい~♪










No.58 16/09/18 00:28
会社員 ( ♀ yGMTnb )

「しばらく会わない方がいいのかも知れないわね」




「え?何?そう言うつもりで言ったんじゃないから、唯さん!」




「でも、奥さんに疑われたらまずいんでしょ!」




「唯さん、何、勝手な事いってんだよ!」




久本さんの目が怖かった





「だってそうじゃない!」





久本さんが私の手を掴んだ





「止めてよ!」





まるでドラマのワンシーンみたいだわ何故か可笑しかった





「今日はもう帰りたいから、、」





久本さんは黙って車を走らせた



No.57 16/09/18 00:03
会社員 ( ♀ yGMTnb )

昨日嫁が「『最近、日曜日は何処にいってるの?』と聞いてきたんだ」



「ふーん、久本さんは何て言ったの」




「うん、滝と設備の事で打ち合わせをしている。といったら黙ってたよ」




滝川さんは同じ会社で設備の仕事をしている人だ



(4ヶ月も日曜日に家に居なかったら普通の奥さんなら疑うかも知れないわ)



久本さんは奥さんと上手く行ってないから私に癒しを求めたのかもしれない




私は外川と別れて寂しくて久本さんと一緒にいたかっただけなのかもしれない



しばらく会わない方がいいのかも知れない



久本さんと一緒にいて楽しかったけど愛しているかと言われると、、そうでもない気がした




外川の時は付き合っていくうちに自然に愛している事に気がついた




人を愛すると言う事は理屈じゃないわ




充分過ぎるほどわかっていた


No.56 16/09/17 21:52
会社員 ( ♀ yGMTnb )

「唯さん今日うちに来ない?」
いつのまに私の事は唯さんと呼ぶようになった




「でも、奥さんとかいるんじゃない?」




「嫁は子供が夏休みで今日と明日実家に泊まってくるから」




「そうなんだ、、」




30分位走ると久本さんの家に着いた





二階建てのシンプルな家だった、隣の家との距離が近すぎる感じがした




「唯さん、こっちから入って来て」




玄関の横から家に入った




10畳ぐらいのリビングにテレビが置いてある




「ちょっと待っててコーヒー入れるから」と言いながらテレビを付けると





「もののけ姫」のビデオを付けた




落ち着かないのでそれから2時間ぐらいで家を出た






No.55 16/09/17 15:40
会社員 ( ♀ yGMTnb )

その名刺を見ると隣に座っているK さんからだった




裏を見ると「気が向いたら電話して下さい!よろしくです」と書かれていた




思わずK さんを見るとみんなで話しが盛り上がっていた




Kさんとは仕事で話したことがあるぐらいであまり親しく話したことはなかった




あまりのタイミングの良さに電気を消したのはK さんでしょう?と言いたくなるほどだった




その後、久本さんとは週一でデートを重ねていた




同僚の家の近くを通る時は「近所にH が住んでるからこれをかけて!」と言われてサングラスをかけた




「意外とサングラス似合うね!」




(そんな事言われても嬉しくないんですけど)





運動公園の駐車場に車を止めて夜遅くまで話し込んだりしたりした



No.54 16/09/17 08:43
会社員 ( ♀ yGMTnb )

『ふるさと』には同僚の石川さんと行った



店には久本さんと親しい設備関係の同僚が4、5人来ていた



久本さんが隣にきた




この酒飲みやすいよと『姫※』と言う地酒をグラスに注いでくれた




飲んで見るとスパーリングが効いて爽やかな飲み心地だった




「おいしい♪」と言うと




久本さんも「だろ!」と言って嬉しそうな顔をしていた




「じゃあ!」と言って他の同僚の所へ行ってしまった




しばらくすると、突然店内が停電した




何事が起きたのか判らず客たちがざわざわしだした




すると突然私の手に紙切れみたいなものが握らされた




店内がパッと明るくなった




久本さんはみんなに平謝りでテーブルを回っていた




私は握らされたものを見るとそれは紙切れではなくて名刺だった




No.53 16/09/17 07:48
会社員 ( ♀ yGMTnb )

ある日曜日、久本さんと海の近くの河へ釣りに出かけた



釣りをするのは初めてで当たり、のタイミングとかよく解らなかった



ミミズを針の先に付けるのがぬるぬるして上手く出来なかった



釣れても2~3匹ぐらいでボウズの時もあった



それでも楽しかった



帰りにホテルに行ったり、車の中で抱かれたりした




「今度アニキがやってる店で会社のみんなでご飯食べに行くけど桐原さんも来る?」と聞いてきた




「ふーん、どこでやるの?」




「A 駅前の『ふるさと』と言う店だよ」



No.52 16/09/17 07:17
会社員 ( ♀ yGMTnb )

話しをしているうちに家に着いた



息子は家に居なかった





それから数日経ったある日



常務が「桐原さん今日仕事終わったらみんなでご飯食べに行くけど行かない?」と聞いてきた



「行きたいです」と言うと※※苑に7時に集合だよ!と笑いながら言った



焼肉※※苑には同僚が7~8人が集まっていた



2時間もすると帰る事になり常務は帰りに新しく出来たばかりの『A パン』に行こうと言うと事になり『A パン』に行った



『A パン』は大きなフロアのパチンコ店で女性トイレもおしゃれで綺麗だった



「これで打っておいで」常務は私達女の子達に気前よく3千円づつ渡していた




私はパチンコをやるのは初めてだった 


これをきっかけに寂しさを埋めるようにその後パチンコにはまることになる




No.51 16/09/17 01:05
会社員 ( ♀ yGMTnb )

「ごめんなさい、また別の日にして欲しいんだけど」




「わかったよ」



「久本さん、日曜日なのに家に居なくてもいいの?子供さんまだ小さいんでしょう?」



「大丈夫だよ!嫁さんがいるから、、子供を上手いこと手なずけているみたいだし




家に帰っても嫁さんは子供達と一緒にいてテレビ見てるだけだから」



「そうなんだ~」




「下の子が小さい時にいつも嫁さんが添い寝してそのまま寝ちゃうんだよ!


たまには寝室に戻って来いと言うけど戻って来ないからよく喧嘩になってそのままなんだ」



「奥さんは子供さんが3人もいるから子育てで疲れちゃうんじゃないの?」




「また、子供が出来たらと思うとそんな気になれないとかいってさ」



「、、、」



「ごめん、こんな事言うつもりはなかったけど」


No.50 16/09/14 12:33
会社員 ( ♀ yGMTnb )

その夜、私と久本さんは結ばれた



遠くで波の音が聞こえていた







それから会社で顔を会わせても久本さんはいつも通りだった



日曜日になった



朝、久本さんが車で迎えにきた




今日は隣街の図書館へいこう




デートで図書館に行くのは初めてだった



久本さんはおこずかいが少いから私とのデートの遣り繰りは大変そうだった




ある時は図書館の2階にあるプラネタリウムに行った事があった




プラネタリウムは息子が小学校の時以来だった




その帰りに久本さんが家に来たいと行った




たぶん、息子がいると思うよ




「構わないよ」


No.49 16/09/14 07:47
会社員 ( ♀ yGMTnb )

だんだん波の音が近くなってきた








久本さんは堤防が開けた所に車を止めると「煙草を吸っていい?」と聞いた





煙草の匂いが好きな私は「どうぞ」と言った





海の向こうに灯りがゆれている





煙草を吸い終わると






「桐原さんこれからも時々会ってくれる?」





久本さんが聞いてきた





(今はまだ、誰とも付き合う気にはなれなかった)




「たまにこうしてドライブが出来ればね」





「桐原さんといると何か落ち着くんだよね」





「久本さんは結婚してから女の人と付き合った事があるの?」





「あるわけないだろ!」





「そうだよね~」





「なんだ、それー今日初めて笑ったね!」









No.48 16/09/13 18:43
会社員 ( ♀ yGMTnb )

「桐原さん、車を家に置いてきたら?俺も一緒に家に行くから」




「あ、そうだよね。車だったんたわ」




「そろそろ出ようか!」




今から海に行くなんてまるで若いときみたいだな




家に車を置きに行って一緒にきた久本さんの車の助手席に乗った




30分も走ると遠くに海が見えてきた




海を見ていると何故か寂しさが込み上げてきた



ラジオから外川が好きだった香西かおりの曲が流れてきた



流す涙は乾いても♪



淋しい心は隠せない♪



星も見えないこの街で♪



貴方しかない私♪



No.47 16/09/13 18:24
会社員 ( ♀ yGMTnb )

喫茶店に行くと先に久本さんが来ていた



「お久し振りです」




毎日会社で顔を会わせているのについそんなことばが出てしまった




「なに飲む?」



「じゃあアイスコーヒー」



久本さんは私の顔を見ながら「何でこの前は桐原さんが俺とデートしたのかな~と思ったんだ」




「ん~、そうだね、、」





沈黙が続いた





「今日は海を見に行かない?」




「今から?」




「いや、さ、この前釣りに行ったんだ」




「そうなんだ、釣りをやるんだ~今は何が釣れるの」






No.46 16/09/13 18:00
会社員 ( ♀ yGMTnb )

「久し振りにりに付き合ってあげようかな~」と言うと久本さんは





「じゃあ駅前の喫茶店で待ってるから」





そう言って機械の所に戻って行った





事務所の席に戻ると石川さんが側にきた




「唯香、少しは元気になった?」





先輩の石川さんだけには外川の事を話していた




「はい、大丈夫です。」




外川と別れて1ヶ月が経とうとしていた






仕事が終わると車を運転して駅前の喫茶店に向かった



No.45 16/09/13 06:54
会社員 ( ♀ yGMTnb )

外川との別れを忘れるかのように私は仕事に打ち込んだ




こんな時、夢中になれるものがあって良かったとおもった




働いていなかったらどうなっていたのだろうか




あれから久本さんは何も言って来なかった





仕事で久本さんの所にデータを取りに行った





「あれ、おかしいわ」データがなかった




「データ昨日渡したよ!」久本さんにそう言われて気がついた





「ごめんなさい、そうだったわ」





「何かあった?元気ないね」と久本さんが心配そうに聞く





「ううん、別に、、」





「今日、お茶しようか?」






なぜかあの綺麗な高台の夜景が目に浮かんだ




No.44 16/09/12 22:46
会社員 ( ♀ yGMTnb )

それから10日過ぎた日の夜11時過ぎに家の電話が鳴った





「唯香、いい人出来たんだろう、、唯香な、今度は上手くやれよ、、」






外川からだった






だいぶ酔っているようだった、、






「違うの!和也!聞いてっ!」





ガチャリ!!





電話は切れた





外川の携帯に電話をしたが出る事はなかった





外川も苦しんでいるんだ





私も苦しいよ、、和也、、







No.43 16/09/12 21:41
会社員 ( ♀ yGMTnb )

私はもう自分の気持ちが解らなくなっていた




外川からの電話にも出なくなっていた





どうして私をもっと捕まえていてくれなかったの





いつか言ったよね





外川唯香になってくれるかって





もう私達無理だよね?





外川からの電話もかかってこなくなった




外川と付き合った8年間楽しかったよ!





いろいろお世話になりました。ありがとうございました。感謝してます。さよなら。






外川に送った最後のメールだった






No.42 16/09/12 19:01
会社員 ( ♀ yGMTnb )

ある日、ホテルで愛し合った時に外川の胸の横に1㎝ぐらいの傷あとがあるに気がついた




「この傷、どうしたの?」




「ああ、これ?、、若い時に付き合っていた彼女と別れ話になった時に



『別れたくない、別れるぐらいならこれで刺すから!』




と言われたから




「刺せるものなら刺してみい!」




と言ったら持っていたナイフで本当に刺した」との事だった




そんな話がいかにも外川らしいと思った




「その時どうしたの?病院に行ったの?」と聞いたら




「知り合いのやぶ医者に縫って貰った。病院に行くと警察沙汰になるからね」





そんな外川が好きだったのにいつからすれ違ってしまったのだろう







No.41 16/09/12 18:37
会社員 ( ♀ yGMTnb )

突然何を言い出すのだろうと思った



私は外川ともっと深い話しがしたかった



外川が何をしたいのか解らなかった



要するに私に男が出来たと思ったのだろう


じゃあ、自分は何?



奥さんとは別れられないくせに私を責めるの?



(確かにテレビを買ってくれたしクーラー、そして電子レンジを買いに大阪の電気街まで行ったよね)



だから、だからそれで私をつなぎ止めていたつもりだったの?



いつのまにか外川と私の気持ちがすれ違っていた



私は外川の何が欲しかったのだろう




外川はいっぱい愛してくれた女の喜びも教えてくれた



あれから何人かと付き合ったけど貴方以上の人はいなかったわ



後悔してももう遅いけど、、、



No.40 16/09/12 08:03
会社員 ( ♀ yGMTnb )

携帯が出始めのころ今みたいに課金の使い方が知られていない時期



息子があるサイトにはまってしまい携帯の使用料金が5万円を越えてしまった



高校生の息子にはもちろんわが家にとっても大金だった、当然携帯は止められた



連絡の為に小さなボードを置いていた




息子がバイトをしていたためスレ違いが多くそこにお互いに必要な連絡事項を書いていた




私はそこに遅くなるからとある番号を書いておいた事があった




それを見て外川は勘違いをしてしまったらしい




No.39 16/09/12 07:11
会社員 ( ♀ yGMTnb )

ある日、仕事帰りに同僚の石川さんと喫茶店で1時間ばかりお茶をしてそのあと買い物をして家に帰った



すると、夜外川から電話があった




「何処か出かけてたのか?」




「え、どうしたの?」




「家に行ったけどいなかっただろう?」




外川には合鍵を渡していたからいつ来てもおかしくなかった




でも、仕事帰りに家に来るのは初めてだった





「買い物してたから帰りが遅くなったんだよ」





「そうかじゃあ、また電話するわ」





訳が解らぬまま電話が切れた



No.38 16/09/12 06:52
会社員 ( ♀ yGMTnb )

ある夜外川から電話がかかってきた



いつものように外川の家の近くに車を止めて外川を待つ




外川が歩いて来るのを確認して車を動かして近くまでいく



外川を助手席に乗せていつものお店に向かう




たまに外川が運転して私を迎えに来ることもある




こんな生活を8年続けていた




いつしか会話も少なくなっていた




これがマンネリと言うのか夫婦生活を送った事がない私にはよく解らなかった




外川はこのままでいいと思っているのだろうか




安定というのかもしれなかったが先が見えない感じがした





そんな時に久本さんと出会ってしまった




No.37 16/09/11 22:10
会社員 ( ♀ yGMTnb )

次の日仕事が終わってから喫茶店アユミに行った



中で待っていると久本さんが「待った?」と言って店の中に入ってきた



同僚の話しで盛り上がった後、「今から少しドライブイしない?」と聞いてきた


「それもいいわ」



久本さんの車に乗ってしばらく走らせているといつのまにかうとうとしてしまった



目が覚めると少し小高い山を登っているのがわかった



「綺麗!」



思わず叫んだ



眼下には宝石箱を散りばめたような光の屑が拡がっていた




「時間があると時々ここに来るんだ」




久本さんは前を見ながらそう言った




ここの高台はデートスポットになっているらしく他にもカップルがいた



ずっとこのままここにいたい、、



生活の苦しさそしていろんなしがらみからのがれていたい、、




「そろそろ戻ろうか」




久本さんがそう呟いた




「お腹空いたね」




「うん、少し空いてきた」



(綺麗な景色に見とれていたらお腹が空いたのは気がつかなかった)




帰り道の途中にあるファミレスに入った






No.36 16/09/11 21:00
会社員 ( ♀ yGMTnb )

「これからも会ってくれない?携帯番号教えてよ」



私は携帯番号を交換した




「明日も仕事が終わったらここに来てくれる?ここなら会社の連中も来ないだろうし」




「うん、わかった」




「今日はもう送って行くよ。晩ごはんの支度もあるんじゃない?」




「うん、そうね」




私は久本さんの車で団地まで送って貰った




「じゃあまた明日」




久本さんは私が家に入って窓越しに手を降るのを見てから車を走らせて帰って行った




私は久本さんの車が見えなくなるまで手を振っていた




私は久し振りに胸のときめきを感じた


No.35 16/09/11 20:42
会社員 ( ♀ yGMTnb )

「44歳です」



「そっか~でも、若く見えるよね車の免許書か何か持ってる?」



私は鞄から車の免許書を取り出して見せた



「じゃ、おれも見せるわ」



と久本さんはズボンのポケットから免許書を出して見せた



それを見て私は思わず笑ってしまった



「なんか犯罪者みたいな顔に写ってるわね」




「あっはは、は、!!」



そう言われるのがわかっていたのか久本さんも声をあげて笑った




「久本さんは子供さんはいるの?」



「いるよ!3人!」




「3人もいるの?凄いね」




「別にそうでもないけどさ、旦那さんは何してるの?」




「うん、私旦那いないの、バツイチだから会社で旦那と言っているのは付き合っている人の事だから」





「ふ~ん、そうなんだまさか桐沢さんがバツイチだなんて思わなかったな」




わたしは話してしまった、そんな感じだった

No.34 16/09/11 19:20
会社員 ( ♀ yGMTnb )

カラン、カランとドアを明けると久本さんは私の顔を見てニコッと笑った



「来て貰えるとは思わなかったよ」と嬉しそうな顔をしたので私も思わず笑った



「なんか桐沢さんの事が気になってて話しがしたいとずっと思っていたんだ」と言った




「なにか飲む?」




「じゃあ、コーヒーを」




そう言うと久本さんは店員さんにテキパキと注文した




「ところで桐沢さんていくつなの?」





「いくつに見えます?」




「いや、女の人はお化粧したりするでしょ?よくわからないよ。おれより歳上かな?」




「じゃあ、久本さんはいくつなの?」




「おれは40歳だよ」




「じゃあ、私の方が少し歳上だわ」



No.33 16/09/11 18:54
会社員 ( ♀ yGMTnb )

その頃私は職場の同僚から仕事が終わったら会って欲しいと言われていた




それまでは特別に気になるような相手ではなかった




仕事ぶりを見ているとテキパキと回りに指示を出して回りからも頼られていた




それから近くを通るたびにその久本さんを見るようになっていた




ある日「今日仕事が終わったらお茶でもしない?




駅前のアユミと言う喫茶店で待ってるからきてよ、まってるから!」と言われた




私は「行けたら行きますけど」と答えた





(どうせ家に帰ってもヒマだし)と思った。お茶ぐらい良いよね、、




約束を10分過ぎて喫茶店アユミに行くと久本は待っていた





No.32 16/09/11 15:58
会社員 ( ♀ yGMTnb )

私は外川に結婚の話しはした事がなかった




仕事の愚直や悩みを聞いてくれて美味しいお酒を飲んでたまに優しく抱かれればそれでよかった





時期がくれば一緒になれると思っていたのかもしれないし






拓也の父親にはなれないなと昔に、言われた事があったからかもしれない





でも結果的にはそれを破ったのは私の方だった







No.31 16/09/11 14:04
会社員 ( ♀ yGMTnb )

拓也の高校受験が終わり結果的を待つだけになった



外川との付き合いも8年になっていた




最近では全く家に泊まる事もなくなり会社が休みの朝に家に来て




新聞を読んではコーヒーをのんで2時間ぐらい過ごしては帰ると言う茶飲み友達みたいになっていた





拓也が高校に受かり、そのお祝いに拓也の好きな焼肉屋に3人で食べに行った





外川はビールを飲み拓也は焼肉を好きなだけ食べて楽しい時間が過ぎて行った


No.30 16/09/11 11:11
会社員 ( ♀ yGMTnb )

それからしばらくして県人会の集まりが終わってY ちゃんを送って行った時




いきなり玄関からY ちゃんの旦那が飛び出して来て「お前か!外川と言うのは!」





と言って外川の顔を殴ったと言う事だ




Y ちゃんは「やめて!」「やめて!」と泣き叫んでいたらしい




Y ちゃんの旦那さんはトラックの運転手をしていて家を空けることが多く




Y ちゃんの話しを勘違いして外川をいきなり殴りつけてきたと言う事らしい




それから県人会の雰囲気が気まずくなりY ちゃんは出て来なくなったと聞かされた


No.29 16/09/11 10:44
会社員 ( ♀ yGMTnb )

外川は同郷のN 県出身の仲間たちでN 県会というグループを作っていた



男女合わせて多いときは20人ぐらい集まるらしい



月に1度集まってはキャンプをやったり魚を釣りに行ったりして気の置けない仲間だと言っていた



その中にY ちゃんと言う看護師をしている女性がいて



この前の集まりの時に家に送って行った時に「外川ちゃんの事が好き!」と言ったと聞かされた



外川は「止めてくれよ!グループの和が乱れるような事をするのは!」



と言ったら「ごめんなさい」と謝ったと言う事だった


No.28 16/09/11 10:20
会社員 ( ♀ yGMTnb )

拓也が中学生になり夜遅くまで勉強をするようになると



外川との付き合いかたも変わっていった



行きつけのお店のしーちゃんが独立して「ランブル」という店を持った




しーちゃんの話しでは独立する時に外川が少しお金を出したという事だった





それからは「ランブル」で飲む事が多くなった




「ランブル」で飲んだ後、ホテルに泊まるようになった


No.27 16/09/11 10:00
会社員 ( ♀ yGMTnb )

そして外川と付き合って5年ぐらい過ぎたある日




外川の奥さんの親戚であるヒゲさんという人と付き合っているという女性と4人で飲む事になった




ヒゲさんとその彼女はお互いに結婚していて不倫関係である




彼女は落ち着いた大人の女性で割り切ってヒゲさんとは付き合っているらしい



外川の奥さんとヒゲさんが親戚だと言うのも驚いたが世の中にはこんな事もあるのだろう




ヒゲさんの紹介で外川と奥さんは大阪から今住んでいるA 県に引っ越ししてきたとの事だった





ヒゲさんと彼女に会ったのはこの時だけだった


No.26 16/09/11 00:35
会社員 ( ♀ yGMTnb )

拓也は新しい小学校に転校して4年生になった



私は新しい会社でワイヤーカットという銅線に電気を通して水中で鉄鋼を切る機械の扱い方を教えて貰ったり充実していた




その頃外川は毎週末は家に泊まるようになっていた




泊まった次の日の朝珍しく拓也を誘って3人で喫茶店のモーニングを食べに行った




その時拓也が店にあったスポーツ新聞を読み出した





すると外川は





「拓也はスポーツ新聞なんか読んで生意気だな~」と言った





「何で?野球が好きだから自分の好きなチームが勝ったかどうか見たいだけだよ」




「でも小学生がスポーツ新聞を読む所なんか見た事ないよいやらしい記事も載っているし」





子供がいない外川には子供が何をしても気に入らないのかもしれなかった



No.25 16/09/10 15:27
会社員 ( ♀ yGMTnb )

息子が引っ越しで新しい小学校に転校する事になり



今までお世話になった小学校の担任に挨拶をしに小学校に出かけた



担任は「もう体調は大丈夫ですか?」ときかれた



「はい、ご心配おかけしてすみませんでした」と頭を下げた



担任は「ふー」とため息をついた



「こんな事言うのもあれですが拓也君のお父さんにも困ったものですね」



「、、、、」



「平日はちゃんと授業が始まる前に登校するのに、土曜日はいつも遅刻するのです」



「そうですか、、」



「何回も注意したんですがね、土曜日は仕事が休みだからゆっくりしたいからどうしても起きる時間が遅くなるからと言われましてね。1時間目が始まってから教室に入って来るのです」



私が手術で入院している間は同じ市内に住んでいる元旦那の所に拓也を預けていた



同じ市内でも越境通学になるから毎日の送り迎えは元旦那がやっていたのである



担任は続ける「たった1ヶ月の事なのにそれも父親なのに、、あなたが離婚したくなるのもわかります」



担任にそう言われて、(わかる人は解ってくれるんだ)嬉しような悲しいような複雑な気持ちになった



No.24 16/09/10 14:54
会社員 ( ♀ yGMTnb )

引っ越しは無事に終わったようだった



妹からは「部屋に適当にぶちこんで置いたからね。後はよろしく!」



といかにも妹らしい電話がかかってきた



しばらく体調が落ち着くまで部屋のかたずけをしながら仕事を休んだ



引っ越し以来外川が初めて団地にやって来た



引っ越し祝いを兼ねて軽くお酒を飲んでいるうちに外川に抱かれた



「引っ越し祝いに明日テレビを見に行こうか?」



「テレビ?」



「うん、唯香ん家のテレビが小さいから大きいテレビを買ってあげたいと思っていたんだ」



確かに人様には見せられる大きさではないけど、、



「ありがとう、嬉しいわ」










No.23 16/09/10 13:07
会社員 ( ♀ yGMTnb )

外川は病院から近いからか毎日のように仕事帰りに見舞いに来てくれた




「おっ!メロンがある。ここに置いて置いても腐るだけだからもったいないから家に持って帰るわ。」




「ダメッ!私のお見舞いなんだから~、取り返しに行くからね~」





そんなたわいもない会話が楽しかった





毎日見舞いに来てくれるなんて優しい旦那さんだね~、と病室の人にはからかわれた





そんなある日引っ越しの日が近づいてきていた



「すみません、明日の引っ越し宜しくお願いします」と妹夫婦に電話をいれた





引っ越し当日は本人は入院中という予想も付かない事態になってしまっていた





No.22 16/09/10 12:03
会社員 ( ♀ yGMTnb )

手にはスーパーのビニール袋を持っていた




中にはバスタオルが3枚、普通のタオルが3枚とコップとスプーン





こんな何でも無いものが有りがたかった




これでパジャマでも買ったら、と5千円をくれた




ありがとう、、




外川の優しさが身に染みた




(最高のお見舞いだよ!)





同じ病室の人達には「やっと旦那さんが見舞いに来てくれたね。」といわれ私もニコニコ笑っていた



No.21 16/09/10 10:51
会社員 ( ♀ yGMTnb )

手術して4日が過ぎたある日思いきって外川の家に電話をした




ルルル、ルルル、、





緊張して受話器を固く握りしめていた





幸いにも外川が出た





「今A 病院に入院しているの、手術をしたの、、」





「そうか、、、わかった」





あまり長く話せないのがもどかしかった





次の日仕事帰りに外川が見舞いに来てくれた





No.20 16/09/10 08:30
会社員 ( ♀ yGMTnb )

目が覚めたのは病室だった



痛い、、、



喉の奥に何かを挿しこめられている、脇腹にも



どうやら6人部屋のようだった



また眠りにおちてしまった、、



次に目が覚めた時は母と妹がいた



「大変だったね、気を使いすぎたんだよ、、」



「ゆっくり休めばいいよ」



「拓也は?」



「旦那さんのところにいるよ!学校があるし」



母はメロンを置いて帰って行った


No.19 16/09/09 18:56
会社員 ( ♀ yGMTnb )

病院で受け付けを済ませるとしばらくして名前を呼ばれた



そしてレントゲンを録ったり血液検査の後にまた呼ばれた



その結果は予想もしていない事だった



「十二指腸に孔が空いているので緊急手術をします。連絡をしたい所があれば直ぐに連絡をとって下さい」




と言われた



時計を見ると朝の5時30分過ぎだった




実家の母に電話をしたが出ない、、



妹に電話をしたら「こんな時間にどうしたの?」と言われ事情を説明すると流石に目が覚めたようだった



後、心配なのはひとり残してきた拓也の事だった




「拓也はまだ何も知らないから、、お願いします」




そうこうしているうちに看護師さんが今から手術を始めますからと呼びにきた


No.18 16/09/09 12:33
会社員 ( ♀ yGMTnb )

もしもし、こちらA 病院夜間緊急外来です。どうされましたか?」



「あ、あの胃の当たりがとても痛くて我慢が出来ないんです、、」



「こちらにかかられた事はありますか?直ぐにこちらに来れますか?」


「はい、かかった事はあります。はい今から行きます!宜しくお願いします」



私は寝ている息子の拓也をゆっくりと起こした




「あのねお母さん今お腹が痛くて我慢が出来ないから病院に行って来るからね。



朝、いないかもしれないけど机の上にパンがあるから冷凍庫に牛乳があるからちゃんと食べて学校に行くんだよ。」



息子は「うん!」と頷いた



また拓也が寝たのを見届けてから車を運転して慌てて病院に向かった


No.17 16/09/09 08:11
会社員 ( ♀ yGMTnb )

息子の小学校の転校手続きもすみお金がないので



妹夫婦と外川に引っ越しの手伝いをお願いしておいた



仕事が終わると家に帰り慌てて食事の仕度をする



息子が寝たあと夜遅くまで引っ越しの荷物をまとめる、そんな日々が続いた



ある日、いつもと違う胃の射し込むような痛みを感じた



脂汗が出て止まらない、、



どうしよう、、今は夜中の2時過ぎだった



思い余った私は近くの総合病院に電話をした


No.16 16/09/09 07:10
会社員 ( ♀ yGMTnb )

旦那と別れて今住んでいる所の家賃が負担になりはじめていた



市内に公団の団地が前からあるのは知っていた



調べると今より1万円は安くなるし母子だから優先に入れる事がわかりさっそく申し込んだ



それから1ヶ月後新聞に申し込んだ番号が載っていた



「やったあ!」




引っ越しに向けて書類の手続きや荷物をまとめたりして忙しい日が続いた



No.15 16/09/09 06:56
会社員 ( ♀ yGMTnb )

私はパートの給料だけではやっていけないので正社員の仕事を探した



何ヵ所か面接に行き正社員で働ける所に代わった



外川も会社でいろいろあるらしくその後も転職を重ねていたがようやく落ち着いたみたいだった



あんなに仕事を変わっていたら保険の手続きも大変だったろうと余計な心配もした



いきつけの店ではいつしか私も馴染みの客になっていた




「あなた達いい感じね!」




お店のママにそう言われた





それからしばらくして外川とは結ばれた



外川はいつも優しかった


No.14 16/09/09 00:30
会社員 ( ♀ yGMTnb )

それから私達は別居になり2年後離婚した




外川とはたまに会ってお酒を飲んだり仕事の愚痴を聞いて貰ったりしていた




外川は結婚していたが子供がいなかった




そのせいか息子の事はあまり聞かなかったし私も話さなかった




旦那との夜の生活があまりなかったせいか外川とは直ぐに付き合いたいとは思わなかった




このままたまに会って飲みに行く楽しい時間が過ごせればそれで良かった





私が離婚が決まったと聞いた時、外川は私にキスをしてきた




私は外川に気持ちが傾いて行くのを感じた






No.13 16/09/08 23:59
会社員 ( ♀ yGMTnb )

息子が怯えた目で義母を見ている




(お義母さんやめてよ!息子の前で)言いたかったが黙っていた




2週間後旦那は「しばらく実家に世話になるわ!」とさっさと病院を退院して実家に帰って行った




入院費用はどうしたんだろうか、、





旦那の実家に電話をすると私からの電話だとわかる「ガチャリ!」と切られた




その頃にはもう旦那から気持ちは離れていた、、





いや、本当は自分でも気がつかないうちにもっと前から離れていた












No.12 16/09/08 23:08
会社員 ( ♀ yGMTnb )

旦那が入院して3日目に仕事帰りに病院に行くと姑が来ていた



旦那が連絡したらしい




「あんたね!自分の旦那が入院しとるのに何で毎日こんの!」



「、、、、」




(仕事が終わってから息子の保育園の送り迎えとか買い物それに家の事もやらないといかんし



だいいちもっと早く病院に行っていれば入院しなくても済んだかもしれないんですけどと言いたかったけど言葉を飲み込んだ)



旦那は知らん顔をしていた



「仕事は行くのに旦那の見舞いは来れんのか!!」


No.11 16/09/08 22:11
会社員 ( ♀ yGMTnb )

その頃、旦那は病院に入院していた



その1ヶ月前から旦那はこん、こん、と乾いた咳をして咳き込んでいた




「何か咳がおかしいんじゃない?病院に行った方がいいんじゃない?」




「わかった、わかったそのうちに行くわー」





医者嫌いの旦那はいつもこうだった




こん、こん、ごほっ!



「やっぱりおかしいよ!子供に移ったらどうするの?」



「うるさい!!」



ドアをバタン!と閉めて布団をかぶった






そのうちに熱が出てやっと病院に行った




即入院になってしまった



No.10 16/09/08 21:12
会社員 ( ♀ yGMTnb )

次の週から外川は会社には来なかった


それは外川から聞かされていたから特に驚かなかった


実は何度も私の連絡先を聞き出したかったけど回りに人がいるしパートの私は早く帰るしで



思いついたのが知り合いの女性に会社に電話をして私に電話に出て貰うと言う事だったらしい



電話をした日が会社の最後の日だったから相当焦っていたと後になって話してくれたのだった



次の勤め先はもう決まっていて会社の社長には引き留められたが断ったという



うーん、あの自己中の社長だと回りは確かに苦労しているのはわかる




まあ、女性には優しいから何とか勤まっているのかもしれないとは思った


No.9 16/09/08 20:03
会社員 ( ♀ yGMTnb )

外川はしばらく車を走らせると



「行きつけのお店があるからそこで飲もう」と言った



そのお店はとてもいい雰囲気のお店で外川のボトルが置いてあった




ママはとても綺麗で着物がよく似合っていた



お酒を薄めに作って貰いママと3人で乾杯した



久し振りにアルコールを飲んで楽しい時間が過ぎて行った



気がつけば夜の11時を過ぎていた




アパートの近くまで送って貰い、車を降りる時に「また電話してもいいですか?」



と外川が聞いてきた




楽しい時間がまた過ごせるならと「はい、今日はごちそうさまでした」と私は言った



No.8 16/09/08 18:47
会社員 ( ♀ yGMTnb )

約束の6時過ぎに喫煙店の前で入ろうか迷っていると1台の車が止まった



見ると運転席に外川が乗っていた



車から降りて来て「来てくれてありがとう、良かったら乗って下さい」



と言って助手席のドアを開けた




私は言われるままに車に乗り込んだ




同じ会社の人だし知らない人ではないしまさか変な事するはずがないわ、、そんな気持ちだった


No.7 16/09/08 18:34
会社員 ( ♀ yGMTnb )

社長の奥さんが不思議そうな顔をしていた



「会う約束してた友達からだったからビックリしたわ」と誤魔化した



仕事が終わって家に帰ると不思議なもので会う気になっていた


当時、私はまだちゃんと旦那とは別れていなかった


確か家裁で調停をする前だったかもしれない



旦那から気持ちが離れていたからそんな事は頭の中になかった



No.6 16/09/08 18:22
会社員 ( ♀ yGMTnb )

外川からだった



私はみんなに解らないように平静を装い



「は、はい、、」と返事をした



『良かったら6時過ぎにT 駅前の「蘭」と言う喫茶店に来てくれる?』



「わかりました、、」と言うのがせいいっぱいだった




当時は今みたいに携帯電話もなく会った時に断ればいいわ、、と思っていた


No.5 16/09/08 18:00
会社員 ( ♀ yGMTnb )

ある日、会社で仕事が終わってからみんなでお茶を飲んで話しをしていた



すると会社の電話が鳴った



社長の奥さんが電話に出た



「唯香さんあなたに沢井さんという女の人からよ!」



「すみません、、」



訳がわからないままに電話に出ると




「もしもし、外川ですけどお茶でもしませんか?」



No.4 16/09/08 17:46
会社員 ( ♀ yGMTnb )

外川とは昔同じ会社で働いていた、と言っても外川がその会社にいたのは僅か1ヶ月足らずだった


私はそこの会社で事務とか現場の手伝いとか何でもやっていた


ある日外川が10時過ぎに出勤してきた



思わず「重役出勤ですね」と言うと照れたように笑った



後に外川は「その時はあまり仕事をやる気がなくて家に居たら社長から出てくれと言われたから仕方なく会社に行ったんだ」と聞かされた


No.3 16/09/08 12:32
会社員 ( ♀ yGMTnb )

それまで私はパチンコをやった事がなかったむしろ毛嫌いしていた



当時、私には外川と言う7歳上の愛しい人がいた



外川と会っていれば何もいらなかった



平日は会えなくても週末には必ず会っていた



パチンコに行く時間などもったいなかった



外川の愛しかたは愛に溢れていて身も心もとろけそうなくらいだった


No.2 16/09/08 09:34
会社員 ( ♀ yGMTnb )

ある時台が隣どうしになった



その人は台が大当りになり台を立って缶コーヒを買ってきた



そしてポン!と私の手にもう1つの缶コーヒをくれた



「あ、どうもありがとうございます」



私は思わず笑顔でお礼をした



この時初めてその男N と口を聞いたのだった



No.1 16/09/08 08:27
会社員 ( ♀ yGMTnb )

当事私は20歳年下の金のない男と息子と3人で住んでいた


お金を貸してくれた男とはパチンコ店で知り合った


最初見たときは永島敏行に似て格好いいと思った


パチンコ店で顔を会わせるうちに話しをするようになっていった


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