さよなら、あなたへ
エキサイトラブを書いている主です
いつも女心で物語を書いてるので、気晴らしに男サイドからの短編小説を書きます
すぐに終わります
よろしければ読んでください
宜しくお願いします
14/11/23 00:20 追記
◆お知らせ◆
もしまだ読んで下さっている方がいらっしゃいましたら、訂正があります
すぐに終わりますなんで、書いてしまいましたがすぐには終わらなさそうです(-人-;)
いつも、訂正ばかりで申し訳ございません
そして読んで下さっている方がおられましたら、ありがとうございます(*´∀人)
15/01/16 19:52 追記
http://mikle.jp/thread/2177109/
感想スレです
よろしくお願いします
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俺は、貧乏育ちだ。
父親が趣味は転職と引っ越しで、母親と俺と弟を困らせた。
小学校の頃は、服が3パターンしかもってないと同級生にからかわれた。
給食のパンは家に持って帰り、小さな弟に食べさせた。
母親は体が弱く俺達、兄弟を残し他界した。
最低な父親の背中を見て育ち、俺は絶対こんな男にならないと強く思っていた。
それなのに。
大人になり仕事は、まともにしているが、俺は女癖が悪い。
女癖が悪いと言うか、勘違いしてる女が溢れていて嫌気がさす。
普通の容姿のくせに美人気取りの女もいて二股掛けられたこともあった。
その女のブログで、ユミの二股記録簿♡を見つけた時は殺意を抱いた。
でも、こんな女のために殺意なんてハイレベルなエネルギーなんて使ってられない。
俺の容姿は、そこそこですぐに女は釣れる。
もちろん釣れたら餌はやらないが、お金出すから私を抱いてよ♡
なんていうセックスマシーンもいた。
金は有難いが、理性のない動物のような性欲の塊が気持ち悪くてすぐに捨てた。
後に知ったが、そいつは人妻で人妻サイトのサクラで稼いだお金で俺とのセックスに溺れていたみたいだ。
だらしない女ばかりだ。
バカだな。
そんなにしたいなら、鉛筆でも差しとけよ!
そう思うのと同時に、女も裏切り者が多いし、そんな女ばかりに当たるのは俺も見る目がなく、質の悪い父親に育てられ自分も質が悪いからだと冷静に分析してた。
蛙の子は蛙ってヤツだな。
そんなある日のこと。
「なぁ。亮介、今度、コンパあるんだけどお前もこいよ」
「お前、好きだなコンパ。彼女が知ったら泣くぞ」
「それは、それ。これは、これだ。コンパつぅかヤリコンだな」
「はいはい。悪友に染まって参加させて頂きます」
「よく言うよ!(笑)お前こそ悪のくせに(笑)」
「一也には負けるさ」
俺、河内亮介と上田一也は30にもなり、バカげた会話をしていた。
一也から誘われたコンパで知り合ったのが愛だった。
細いけど胸があって小顔にくっきり二重。
ちょうど良い大きさの鼻。
ぽってりした唇。
決め細やかな白い肌。
柔らかそうな長い栗色の髪の毛。
綺麗だ。
話した感じは、自分の美貌に甘んじて性格は悪そうだ。
それでもいい。
この女を抱いてみたい。
俺は、そのコンパで運良く愛の隣だったので、個人プレーで愛を誉め殺しにした。
誉められるのなんて当然だけど?
そんな傲慢な表情も魅力的だった。
俺と愛は連絡先を交換し、ラインをするようになった。
愛は26歳。ファッションビルのギャル服売り場の店員だ。
ちなみにラインの最後には♡愛♡と必ず記して来る。
自分にかなり酔ってるな。
これがブスなら俺をイラつかせるが、綺麗な愛だからスルーすることができた。
やがて俺達は飲みに行くことになった。
女が好きそうなイタリアンのお店を予約する。
待ち合わせは、駅の近くで。
一度目と二回目は食事だけにして、三回目はドライブにしようかな?
そのあとは男と女の関係になる予定。
このプランは俺の中では、かなり誠実なプランである。
食事当日。
待ち合わせに10分前に到着。
今日行く店は、何度か違う女と行った
ことがあるが、愛には行ったことはないが、ネットの口コミが良かったんでと嘘をついた。
で、今日は早目に待ち合わせ場所へ来て、お店の場所を調べてきたと更に嘘を重ねる予定。
男って基本、嘘つきなんだよ。
でも、それは一種の優しさなんだけどね。
浮気したってすぐに認める男は少ないんじゃないかな?
認められるのが一番辛いからね。
考え事をしていると、愛が俺に向かって歩いてきた。
「まったぁ?」
「ううん?大丈夫だよ。行こうか」
「お店の場所わかるのぉ?」
「ああ。30分前に来て、店の場所確認してきた。初めて行くし、迷ったら愛ちゃんに悪いしね」
「気が効くねー!ありがとう!」
愛は俺にお礼を言う時、上目遣いをしていた。
やっぱり私って♪さすがだよね♪やっぱり極上の女は私だよね♪
そんな顔をしていた。
お店に着いた。
「19時に予約した河内です」
店員に告げ席に案内される。
愛と向かい合い座り、彼女の顔を見ると本当に綺麗だ。
軽そうなところが、またいい。
固い美人は嫌いだ。
セックスまでの道のりがめんどくさい。
俺も軽いから、女も適度に軽い方がいい。
「好きなもの、じゃんじゃん頼みなよ!お酒も好きなの頼んで!」
スパークリングワインか?
カールアミルクか?
カシスオレンジか?
女の中で実はビール一辺倒か、どぶろくや焼酎ロックガンガン飲むくせに、最初が肝心だから♪って可愛く思われたい飲みもの頼むヤツいるよな!
「抹茶ミルクにしよぉかなぁ?」
おっと、惜しい。
「何か、可愛らしいね!飲むものまで可愛いんだね!」
「ミルク系が好きなのぉ」
まぁ…こないだのコンパでウイスキーロック飲んでたの見てたけどね。
「そっか。料理は何にする?」
「たくさーん、いろーんなものが食べたいなっ」
愛はバカだ。
あまり頭の良い子じゃないな。良かった。
食事をしながら。
「ホント綺麗だよね。モテるでしょ?」
パスタを食べて口元が気になったのか手鏡で、顔をチェックする愛に言った。
愛は、はぁ!?と言うような不服そうな顔をした。
なんでだ?
あっ...そうか。
「ごめん。ごめん!モテるなんて当然だよね!」
俺がそう言うと、まぁね~♪と言いたげな顔をした。
しっかし、愛はちんたら食べるな。
早く食べろ!
これがブスなら声に出して言っただろう。
だけど可愛いから許すってヤツだ。
内心は、かなりイラついているが。
やがて愛がトイレに行ったので、その間に会計を済ませた。
男は女を、食事に誘うなら大方は下心がある。
俺もそうだ。
できることなら今日にでも愛の体を頂きたいが、失敗したら、今日のこの我慢が泡になる。
その時、愛が戻ってきた。
香水の匂いがキツイ。
アリュ―ルか!?俺の好き匂いだよ。
しかし、愛は瞬きをあまりしないんだよな。
目がデカイのに平気なのか?
まぁいい。
「会計、済ませたから出ようか!」
「え~♡そうなの?…甘えちゃっていいですかぁ?」
甘えちゃってって金にか?
日本語変だぞ?
どうせ、何かの雑誌に男心をくすぐる方法特集みたいなヤツがあって書いてあったんだろ。
「いいよ。ご馳走さまって言ってくれれば」
「ご馳走さまでぇす!」
愛は、やっぱり♪私って♪奢られて当然だよね♪と言うような顔をしていた。
お店の外へ出て。
「じゃあ、今日はこの辺にしようか。…また会ってくれる?」
「えっ!あっうん。ねぇ…」
「何!?」
「もう帰るの?」
「あっ…もう一件行く?」
めんどくせぇな!
「えー…ん~」
おっ?上目遣いで、くねくねしてる。
もしかすると想像以上に軽い女なのか!?
顔に、しよっ?って書いてるぞ!
ありがとう!
「ホテル行く?」
単刀直入に聞く素敵な俺。
愛は、ゆっくりと首を縦に振り俺の横に来て腕を組んできた。
ツイてるな。嬉しくてたまらなかった。
ラブホに到着し、フロントで部屋を選び、その部屋に入る。
部屋に入るなり、愛は言った。
「ブルーライトに設定して?」
甘い、甘い声だった。
「ああ」
ブルーライトに設定した後、交互にシャワーを浴びた。
下半身にタオルを巻いている俺。
鎖骨の下からタオルを巻いている愛。
二人は自然と寄り添い、キスをしてベッドに入った。
床には、難雑に放り投げたバスタオルがある。
ベッドの上では快楽に溺れる俺達がいる。
ごめんね、愛。
愛のことは可愛いと思うけど気持ちは無いから、すぐに尽きるよ俺は。
愛のないセックスは、これで何度目だろうか。
きっと、これからも限りなく続くだろう。
俺は、最後にスピードをあげて腰を振ったあと、尽きた。
「終わっちゃったの?」
「ああ…」
「もう一回してぇ」
「…」
愛は結構な、擦れっ枯らしかもしれない。
セフレがまた一人増えることになりそうだ。
一也に感謝だな!
カチッ。
俺は3回のセックスを終えたあと、タバコに火をつけた。
「…タバコ吸うの?」
「うん、たまに」
「私にも一本、ちょうだい?」
「吸うのか?」
「ううん。吸ったことはないけど、見ていると吸ってみたくなっちゃった」
嘘をつくな!本当はタバコ大好きなんだろう!
「はい」
俺は、思いとは裏腹に愛にタバコを一本渡した。
愛は手慣れた手つきでライターの火をつけ、臆することなくタバコの灰を肺に入れた。
「ねぇ」
「何?」
「愛ってこれから呼んで?…亮介って呼んで良い?」
ダメだ。図々しいな!
「ああ…」
やっぱり思いとは裏腹だ。めんどくさい。
セックスをして丸裸にして、お前のことなど、もう何も興味はないんだ。
「亮介ってカッコいい。カッコいい彼氏ができて嬉しいなー♡」
「はっ?」
「だってぇ、したでしょ?私、彼氏にできない人とするような軽い女じゃないよ!!」
軽いよ!
それに、なんだよ。その一方的な考え。
相思相愛って言葉を知らないのか?
俺の胃が、キリキリしてきた。
調子に乗んな、公衆便所!
そんなことを思いつつも、何も言えなかった。
「いいよ。これからは彼氏彼女だね」
本来ならば、やり捨てして連絡も無視を貫く。
或いは、割切っている女はセックスだけの関係。
ただ、愛は可愛いから彼女にしても良いと思ったし、こんなに軽い女だから男のストックは溢れているのだろう。お互い様だ。
もちろん好きではないさ。
好きになれそうにもないさ。
だけど好きってなんだよ?
恋愛ってなんだよ。
結局、自分に酔ってるだけなんだ。
はっきり言って錯覚だ。
気持ちの良い勘違いだ。
相思相愛なんて奇跡に等しい。
だから簡単に付き合って、たくさんセックスして簡単に別れよう。
そう考えている俺に愛が、また苛つくことを言い出した。
「いいよって何?女はね、愛されてなんぼなの!
受け身なの!守られる立場なの!
だから、やり直し!亮介から告白してよねっ!」
どこまでバカなんだよ。
まぁ、作られたキャラだとは思うが、キレるヤツならキレてるぜ。
「僕と付き合ったください」
また胃がキリキリしてきた。
「やんだ!めっちゃ棒読み♡かわゆい!」
やんだ?あまちゃんか!?
あまちゃんなんて、とっくに終わってるぞ!
愛とは、付き合いだしたが周りには非公開だ。
毎朝、アヒル口を作り虫歯ポーズをした自分撮りの写メが送られてくる。
非常に不愉快な朝の始まりだ。
しかし、これ幸い!
俺は総合病院の医療事務で、隔週土曜と毎週日曜日が休日。
昔、ラグビー部で腰を痛めたので事務職を選んだ。
しかし、セックスはできちゃうんだよな。
そして愛は平日が休みだから、夜しか会わずに済む。
けど、夜のみのデートでも愛は俺を苛つかせた。
まず、食事をすると相変わらず食べるのが遅い。
腐ってないから、さっさと食え!
そして会計時に払うつもりもないくせに財布を持つポーズをとる。
挙げ句「あるよ♡」と端数の3円くらいを「私が払うから!」と得意気に出す。
その後はゲーセンでお決まりのプリクラ。
400円ごときで、「あれ?あれ?あれ?あれ?」
財布を見て血迷うふり。
コイツ完璧に金で愛の深さを計るか、男=お支払係って思ってんな!
見え見えなんだよ!
「ほらぁ♡亮介も頬に手を当てて、ウィンクしてみて♡」
虫歯ポーズのことか?
やるわけねぇだろ!いい加減にしろ!
プリクラのポーズなど、やるわけもない俺を諦めて愛は俺の腕を組んだ。
やがてプリクラが画面に完成されスタンプしたり、文字つけよ♡と言う。
「NO!」
俺は完全拒否。
すると、愛がほっぺたを膨らせた。
「ぶぅ~~~!そんな態度はNO!…おしおきに、こんなこと書いてやる!」
ぶぅ?笑わせんなよ、お嬢ちゃん。おしおきってお前はサドだったのか?
心の中で、愛、バッシングの嵐を続ける俺に、愛が印刷されたプリクラを渡してきた。
ふたり、腕を組み、愛だけ笑顔のプリクラにはこう書かれていた。
さよなら、あなたへ。
「亮介、悲しくなったでしょ!私にサヨナラ言われたら寂しいでしょぉ!ねっ?はい!」
愛は、さよなら、あなたへのプリクラを俺から奪い返しぐちゃぐちゃにした。
そして、ふたりは永遠♡と書かれたプリクラを再度渡してきた。
「う・れ・し?」
上目遣いで俺を見る、愛。
この女、重症。
俺がお前に、ぞっこんラブだとでも思ってんのか!?
怒り狂いそうな心境だったが、プライドが邪魔をして黙っていた。
常に愛は俺をイラつかせる。
こんな女は初めてだ。
愛を送る帰り道。
「亮介!車を止めて!」
愛がコンビニを指さし、そう言った。
「少し、待ってて!」
愛は急いでコンビニへ入り込み、少しして出てきて車に乗ってきた。
「はい!これ!私の奢りよ♡」
愛は、甘酒を渡してきた。
普段、高いところで金を出させ、こう言う場面で点数稼ぎをしようとするムカつく女だ。
甘酒なのも勘に触った。
「ねぇ、亮介、家に寄ってかない?」
ああ、何やってんだ俺。
愛にイラつきすぎて、ヤツの体を楽しむことを忘れていた。
愛の一人暮らしのアパートには何度か行ったことがある。
キティちゃんとピンクと白で埋め尽くされた部屋は落ち着かないが清潔にされてるのが救いだった。
「ああ、寄らせてもらうよ」
「おいでやす~♡」
「…(無視)」
愛のアパートに着くと雨が振りだした。
「亮介!ジャケットを脱いで!姫様の頭にかけて!」
俺は拳を握りしめ、スルーして階段へ行った。
愛も「いやだぁ~雨!困るんですけどーーー」
そう叫びながら内股で爪先走りで階段まできた。
そして愛の部屋に到着。
あれ?
「愛ってパーマだったの?いつもコテで伸ばしてたのか?」
「う、うん」
まぁ、真っ直ぐでも波をうっていても、どうでも良い。
俺は愛に、強引にキスをした。
会話など、もういらない。
ベッドに愛を押し倒した。
顔を見ず、下半身だけ脱がせる。
ごめんね、愛。
愛のことは可愛いと思うけど気持ちがないから、段々雑になり、すぐに尽きるよ。
愛の下半身を刺激し、ひとつになった。
ふと愛の顔を見ると普段髪の毛で顔を隠しがちでセックスの時も何故か顔を隠すが、濡れた前髪を気にかけ、いじっている愛。
サイドの髪が全開になっている。
毛はふわふわ。
小顔だと思っていた顔は、横長だった。
一玉のキャベツに見えた。
横長の一玉のキャベツから一転、目元も雨で濡れたせいで、マスカラが頬に流れ落ちている。
パッチリ二重だと思ってた瞼は、ノリのようなものがぐちゃりと付き、パンパンの一重ではないか。
白くて丸い顔に、黒く汚れた頬。
まるで勢い良く床に落とされた汚れたマショマロだ。
騙されたんだな俺。一気に萎えてくる。
待て、亮介!ヤツの顔を見るな!
そして無心になれ!
俺は何度か、カルピスに似たアレを出すことが出来た。
事が終わると、愛は慌てて洗面所へ。
「うわぁ!!!」
愛の激しい動揺の声が聞こえた。
愛、ごくろうさん。
ゲームオーバーだよ。
さすがに、あそこまでブスだと性欲処理係としても考えてしまうよ。
やがて愛が髪の毛と顔を整え戻ってきた。
「えへ♡乱れた私を見られちった!付き合いが深まったね。亮介」
何!?コイツ図太いな!
「愛には騙されたよ」
「…私に手錠をかける?」
「…」
わけわかんねぇ!ブスだとわかると苛つきが倍増するもんだな。
「手錠をかけられないなら、私に罪はないもんっ」
よく、あんな顔を見られてまでブリッコできるもんだ!
IQが低いんだな。
でも。
頭の悪いヤツって、ある意味幸せだよな。
まぁ、俺もだけど。
「帰るよ」
「亮介、冷たい…」
「よく言われる」
「不安になっちゃう。レディを不安にさせるなんてカッコ悪いよ!」
レディ!?いちいちムカツクな!
「黙れ!ブスッ」
「化粧して可愛いから、良いじゃない!…もしも私から離れたら大変よ。女はね、ヤルたびに好き度が上がるの。
今、私を振ったなら私…病気が悪化しちゃうわ」
「病気って何だよ?」
「興味ある?」
「興味ないけど、聞いてやる」
「あはっ♡聞きたいなら私に興味あるじゃない!
今日は……」
愛は、そこまで言うと俺に抱きついてきた。
石鹸の香りがした。
フルールド・オウか?
アリュールは辞めたのか?使い分けだな。
使い分けする女は気が多い。
俺は、今までの女に誕生日プレゼントは全員香水にしてきた。
だってさ、激安店行ったら安いし香水って無難だから。
だから香水には詳しい。
「…何だよ?」
「今日は泊まってってね。明日の朝ごはんはフレンチトーストです♡」
めんどくさいから、泊まることにした。
愛に病気があるって、きっと嘘だな。
ただ、気を引きたいだけだ。
俺は疲れてきて、仕方なく愛のシングルベッドでふたり窮屈に体を並べた。
「しりとりしよう♡」
「やだ」
「じゃあ、こうしちゃう!」
愛は俺の鼻をつまんできた。
「やめろよ!!」
「あはっ♡しりとり、開始!あい。い。だよ!」
「…いしきふめい」
「いるか」
「かい」
「いもり」
「りかい」
「いちゃいちゃ」
「やっかい」
「いないいないばぁ」
「あらそい」
「…いなか」
「かない」
「…い……もぉ!亮介の意地悪!!私、い。ばっかりじゃない!!意地悪!!」
「あっはっはっはっは(笑)」
えっ!?
やべぇ~…笑ってしまった!
しかも、何か楽しくて。
やべぇ~…!
「…寝るぞ!ブスッ!」
「ぶさかわの愛ちゃんでーす♡」
「お前は犬か!」
「ワンッU^ェ^U」
「…おやすみ」
「おやすみなさい!好き好きダーリン♡」
カチャ。
やっと電気が消えた。
「ごぉ~!ごぉ~~~~!ごぉ~~~!」
すげぇイビキ…
あーあ!
あれ以来、俺は愛の部屋によく泊まるようになっていた。
素顔は、この世の果てと言っても過言じゃないが化粧をしたら180度化けやがる。
セックスだって拒んだことはない。
ある日、愛に言った。
「愛は、自分のこと都合の良い女だって思わない?」
「思うぅ♡」
「わかってたんだ」
「亮介知らないの?」
「何が?」
「恋愛は、ある程度、都合が良くないと成立しないわ。都合が悪かったらいつ会うの?」
「日程のことかよ?」
「ううん。全てにおいての都合よ。亮介、子供ね…………」
そう言い、俺に抱きついてきた。
濃厚な香りがする。
プアゾンか?水商売の女が好む香りだ。
プアゾン=毒
毒が、愛を背伸びさせているように感じた。
ま、あとの殆どは愛らしい。
「レディは壁がわに座るの!ありえない!どけてよ!」
食事へ行けば、女は~なのと、愛のルールがある。
「ちょっと亮介!メニューはレディから見るの!学んでよね!」
続けてうるさい。
オマエのくせによ!イライライライラするぜ!
「ごめんね!亮介、待ったぁ?」
ある日の夜、愛と映画を観に行くため待ち合わせをしていた。
「いや、大丈夫」
適当に利用して付き合って行くつもりが愛のペースに持ってかれてるような気がする。
しっかりしろ!亮介!
愛は俺の腕を組み、もたれ掛かる。
「会いたかった♡」
また、愛から香りがした。
ランコム...ミラクか!?
女っぽい香りだよな。
使い分けと言っても、ずいぶん種類があるんだな?
香水が趣味なのかな?
聞いてみたいけど、イチイチ勘違いした反応するだろうし、いいや!
愛を車に乗せ、映画館につく。
「亮介!お腹すいたね!私ね、デパ地下の食品売場に友達がいてお寿司貰ったよ!お寿司食べながら観ようよ!」
「おっいいねぇ」
つーか、映画観ながら寿司食べるヤツって初めてだ。
やがて観る予定のアクション映画の上映時間になった。
愛と上段の席に座る。
「はい♡亮介。一緒にお寿司食べよ」
「ありがとう!いただきまーす」
「あっ!!」
「何だよ?」
「お手つき!私も縁側食べたかったの!次は罰に亮介はガリね」
愛は、頬っぺたを膨らませた。
うぜぇし。
俺は、愛がうざいので映画に集中する。
ピストルのシーンがある度。
「ばっきゅーん!ばっきゅーん!!どうだ参ったか~」
愛がひとり言を呟いている。
どうせ、可愛いって思われたいんだろ。
全然、可愛くないから。
スッゲー、頭の悪い、痛い子って感じだから。
「私を襲う悪魔も…殺してよ…ばっきゅー…ん」
えっ?
私を襲う悪魔?なんだそれ?
なんのこと?って聞けば良い話だが聞いたら、やっぱ私にゾッコンね♡とか腹正しいことを言いそうだから止めとく。
私を襲う悪魔ねぇ。
...
そういえば、私の病気が悪化しちゃうなんて言ってたことあったよな。
嘘だとは思うが。
映画を観ながら、考え事をしていた。
すると、椅子が合わないのか腰が痛んできた。
いてぇし。
筋肉強化しなきゃダメだな。
よーし、明日からスポーツクラブ再開しよう!
翌日の仕事後、スポーツクラブに二ヶ月振りに行く。
月払いにしてるのに、勿体無いことしたな。
これからはマメに行くか!
俺はTシャツと半ジャージに着替え、腹筋、わき腹、太もも、二の腕などのマシーン、そしてランニングマシーンで汗を流していた。
ランニングマシーンで走りながら考えていた。
俺も、もう30か…
適当にうろうろしてる場合じゃないな。
図々しくも結婚はしたいんだよな。
やっぱ一生、一人じゃ寂しいだろうし。
結婚して、したくなったら、チョロチョロ浮気すれば良い話だし。
こんな風に、今の現状はヤバイと考えていた。
そして、少し疲れたのでスポーツクラブ内にある横長のベンチに座り命の水ポカリスゥエットを体内に流し込む。
「ふぅ」
一息ついた時。
「…あの、スミマセン……」
左隣から蚊の泣きそうな声が聞こえた。
「はい?」
声の主の顔を見た。
俺より少し若いかな?
地味で冴えない女がいた。
ブスではないが可愛くもない。
けど、おそらく素っぴん。
その割りにはマシかな?と言うようなレベル。
瞬時に判断する俺って、やっぱりプレイボーイ!
「…ここにいる人の熱気で暑いですね…!これ!私も飲んでます」
女はアクエリアスを見せてきた。
「あー、暑いね。夏は特にね。アクエリアス?俺はポカリ派」
俺はクールに会話を繋げた。
「あっ、私のポカリかと思ってた………。夏、暑いですよね。今の方がまだ涼しいですよね!
…週に何回位来てます?」
もしかして逆ナンかな。
「まったくこない週もあれば、集中してくる週もあるよ」
「そうですか………」
おっ、戸惑ってるな。俺が声かけたわけじゃないし疑問系は、あまりしてあげないよ?
「…名前、聞いても良いですか?………あっあっ私は伊藤彩と言います」
「どうして名前聞くの?」
優しくスルーしないのにスルーしようとするフリをする俺。
「…え……。ずっと前から、素敵な人だなって…近づきたいなって……」
おっ!勇気に拍手。
俺は心の中で拍手したが、この程度の女に好かれてもねぇ……でも……
「そうなんだ!ありがとう!俺は河内です。たまに、来てるから見かけたら声かけて!じゃあ…」
俺は立ち上がった。
「あっ…………あのぅ………!」
引き留めてきたな。
「どうしたの?」
「ば、晩ごはん食べました?」
「いや…」
「じゃあ、ジムが終わったらラーメン食べに行きませんか?」
誘われた。
誘われるのを何となく待っていた。
新鮮に感じたんだ。
理由はすぐにわかった。
愛に限界を感じていたから。
これが彩との出逢いだった。
彩と初対面でラーメンを食べに行った。
「食べてMITEYOって言うラーメン屋さん知ってます…?」
「いや、俺、0141でごやす。しか行かないから」
「あ、あ、あ、… 0141でごやす。に行きますか?意見聞かなくてごめんなさい!!」
彩は頭を下げてきた。
必死だな。
「いいよ。彩ちゃんの、お勧めのお店行ってみたいな。美味しいの?」
「は、はい!薄味だけど、コクがしっかりあるんですよ!」
「へー。楽しみ」
彩お勧めの店に入った。
店に入って座ると彩はオシボリで何度も自分の手を拭いている。
緊張の証だな。
「ここ、よく来るの?」
話かけてあげた。
「あ、はい!3回くらい。弟に教えてもらって」
「弟、いるんだ」
「えぇ…ちょっと、チャラいんですよ。すぐ女の子ナンパしちゃうみたい…」
俺もだよ。
「あらら。俺、ナンパとか、したことないな。気が弱いんだろうね。断られたら傷つくし」
嘘だよ。
「そ、そうなんですか!ぜっんぜん、私のチャラい弟より、良いです!…やっぱり……か、河内さんは素敵です」
見る目がないね、彩。
君みたいな純朴そうな子は誠実な男を選ばないと失敗するよ。
やがて、ラーメンが運ばれてきた。
「はい!河内さん、お箸!あと一味と、胡椒、爪楊枝、ニンニク目の前に置きますね!」
「あ、いいのに。ありがとう」
ホント必死だな。
愛とは大違いだ。
その時、パーカーのポケットに入ってるスマホが鳴った。
デカイ音で。
「あっ…携帯、鳴ってますよ!気にせずどうぞ」
「うん…ラインだと思うんだけど」
俺はスマホを取り出し、ラインを開いた。
愛からだった。
〈だありん♡今、携帯小説読んでまぁす♡エキサイトラブってやつ!主人公がめっちゃ調子子いててむかつく!!たらしなの!!
愛わ、だありんだけぇ♡ちゅっ〉
この内容と、今日のコーデの全身写メが添付されていた。
愛、なんでこんなに低能なんだよ!
イラつかせるな!
さらばだよ、愛。
「何か急用ですか?」
「いや!大丈夫。食べようか!」
「そうですね!」
「いただきまーす!」
.......
.......
「どうですか?美味しいですか?」
「うん!うまい!」
「良かったー…」
俺の良い返事に、彩はホッとした表情を見せた。
彩は、まだラーメンを食べてない。
「食べなよ。伸びちゃうよ」
「あ、ですね!あ、ペーパーナプキンどうぞ」
彩はペーパーナプキンを三枚取り俺の前に置いた。
よく気がつく、女子力の高い子ってヤツを目指してるのか?
それとも素なのか。
いずれにせよ。彩、あんまり気を使われると、こっちまで気を使ってしまうんだよ。
彩、緩急つけることが大切さ。
「ありがとう」
俺は、心の中でアレコレ思いながらお礼を言った。
その日、彩に連絡先を尋ねられた。
「あ…………、彼女さんとかっていますか?」
彩が怖がるように言う。
「いないよ。いたら、二人で会わないよ (笑)」
嘘だよ。
「そ、そうですか!もしいたら、連絡先交換なんて悪いかなと思って」
彩は恐縮しながらも、トキメキを隠せない表情をしている。
ごめんね、愛。前に、しりとりで『い』ばかり愛に押し付けたけど、もう『い』じゃないよ。
特に『あ』の次はね。
彩とは、連絡を取り合ううちに映画に誘われた。
大人しそうな外見とは裏腹に、肉食系女子かもしれない。
年齢も28だし、そんなに魅力もない。
結婚相手候補か?
結婚相手に魅力なんていらない。
俺の言うことを、素直に聞いてれば良い。
亭主関白ね!なんてボヤかれた日には、さだまさしの関白宣言熱唱してあげるよ。
魅力は外で求める。
それが男。
そうじゃない男もいるが、俺はそう言う男。
~映画当日~
待ち合わせ場所に、細身の黒いパンツに紫色と黄色のダイヤ柄のチュニックを着た彩がいた。
パンプスのヒールが高いせいか、大人っぽく見える。
まぁ、大人なんだけどさ。
「彩ちゃん!」
「あっ!」
俺に気付き、彩の目が潤んでいた。
このトキメキ、止められない。好き……です。
そんな顔をしている。
俺も心の中では勘違い男だから、痛いことを思ってるもんだ。
「待った?」
「いえ?」
おっと!カッパ口。
緊張してるけど最高な瞬間です。なんて顔だな。
俺はカッパ口の彩と映画館に向かう。
アヒル口を作る愛の連絡は、完全無視をしながら。
上映時間になり、映画館に入り座る。
真ん中くらいの席に彩と座った。
「あ、右が良いですか?左が良いですか?」
「どっちでもいいよ」
「…左の方が、観やすいかな…どうぞ!」
座ると、彩は鞄の中から何かを出した。
「河内さん………これ!ベーグルサンドです。良ければ食べて下さい!あ、無理はしないでくださいね!」
「えー!映画館でピクニックみたいだね (笑) 有り難く頂くよ、ありがとう」
俺が受けとると、彩はまたカッパ口になった。
好きな人にお礼を言って貰えてる…………う・れ・し・い。
心の中はそんなところかな?
俺はアレコレ思いつつ、予告編が流れてる時にベーグルを食べ始めた。
「あ、美味し………いですか?」
「うん!…ハムが厚めでうまいわ!」
本気で旨かった。
「実は………パンも私が焼いて、ハムは鶏ハムなんですが3日間かけて味を染み込ませつくったんです…」
「へぇー!スゲーじゃん!それは感激だ」
大袈裟にコメントする俺。
河内さんの………私に対する好感度バロメーター…………ビビビビーン!とかなり、上がったかも?
よし!!!
心の中はそんなとこだろ。
目が潤んでる。生まれたての赤ちゃんみたいに純粋そうだな。
愛なんて、朝ごはんはフレンチトーストでぇす!
なんて告知しといて朝起きたら、食パンの上にマヨネーズでフレンチトーストって書いてるだけだったからな。
ホントに大違いだ。
おっ映画が始まった。
俺が最も苦手とする恋愛の感動系だ。
前世で生き別れた恋人同士が来世でまた再会するストーリー。
しかも主人公の名前は彩。
絶対、当て付けだよな~。
なんて可愛らしい。
でもね、彩。前世と来世がある根拠はなんだい?
男は、そこら辺が気になるんだよ。
まぁ、いいさ。
適当にポイントだけ押さえといて、あとは寝てるから。
多分、彩は映画にうっとりして、この胸の高鳴り…………止められない。心臓の音聞こえちゃわないかな?
って自分のトキメキに酔うところだろう。
さっさと3回くらいデートして、キミをもらいたい。
もう少しの我慢だ。亮介。
映画のあとは、どうしようかな?
大サービスで彩のリクエストに応えてあげようか。
亮介!紳士だぜ!
☆映画のワンシーン『彩...何かさ俺、彩と初めて会った気がしないんだよな』
『学...私も!何かね、綺麗な川の前で会った気がする』
『えっ?本気で言ってる?俺も、そんな感覚なんだよ。…これってなんだろう』
『もしかして...前世でも、恋人だった?』
『前世?………そうかも…………彩………』
ほー!キスが、始まった。
次にエッチだな。
つーかさ、生まれ変わってまで同じ女とヤりたいなんて思わないよな!
変わったヤツだ!
俺は、映画を観てる間、彩じゃない隣に頭を傾け寝ていた。
たまに目が醒めて、くだらない内容に得意の心の中で毒を叫ぶをやっていた。
あー、まだ終わんねぇのか、くそったれ‼
この際、彩に、俺たちも前世からの繋がりじゃないか?
そうだよ、きっと!だから、決まりだね。
ホテル行っちゃうか!と強引に手を引っ張り、中抜けしたいぜ。
...でも、そんなことしたら、お断りします‼
って号泣しそう。
あーあ、優しいよな、俺って。
おっ!終わった?
エンドロールが終わり、席を立つと彩がハンカチで涙を拭っていた。
流石だな。
けど、こんな糞くだらない映画で泣けるなんて幸せだよなー…
俺は何年泣いていないのだろう。
ラグビーの試合で逆転負けした時の、悔し涙が最後だろうか。
そう思いながら、彩と地下街へ出た。
映画の余韻が抜けてない彩。
「河内さん…」
あっ!きっと素晴らしい映画でしたね。そう思いませんか?…みたいなことを聞いてくるか?
「どしたの?」
「好きな言葉は何ですか?」
へっ?流石、図書館勤務だぜ…
「うーん。彩ちゃんは?」
「あっ!ごめんなさい!ごめんなさい!聞く前に自分のことも伝えないとですよね!」
そうだ!
「私は……………………………………………………………偕老洞穴………です」
「はっ?かいろうどうけつ?………あ、ああ!夫婦が白髪になるまで一緒に歳を重ねましょう。みたいな意味だっけ?」
「はぃ………」
おー!顔が、唐辛子みたく赤くなってるな。
ハバネロ食いたくなってきた。
つーか、スゲー重いアピール。
好きな言葉っつうか、やっぱ当て付けじゃん。
「おー!良いねぇ」
この返事が俺の精一杯。
「そうですか?そうですか?良かったです!…河内さんは?」
「俺?」
どーすっかな。真面目な言葉…えーと。はぁ。
「公明正大かな」
嘘だよ。ホントは酒池肉林かな。
「公明正大!良いですねぇ!…河内さんにピッタリ!真っ直ぐで素直で…」
「いいや。彩ちゃんのことだよ」
「えっ…」
おっ!また真っ赤だな。
ホントは、酒池肉林なのに。楽しくどんちゃん騒ぎが一番なんだよ。
「彩ちゃんって、素直で真っ直ぐな印象だから」
「えっ…」
そうですか?そうですか?わかりますか?もしかして……私に気がありますか?
幸せな期待で、頭からアドレナリンが爆発してるってとこだな。
「俺、嘘はつけないから。あのさ、これから彩ちゃんの好きな場所行こうよ」
「えぇ!とんでもない!河内さんの好きな場所行きましょ‼」
ホテル!
「いいよ。彩ちゃんの行きたいところに俺も行きたい」
「そんなぁ…観たい映画も付き合ってもらったのに…」
「良いんだよ。凄く良い映画だったし。星5つだよ!」
スッゲーつまんなかった。最初で最後だぞ!あんな映画。
「ですよね!!すっごく良い映画でしたね!良かった…えと、じゃあ買い物付き合ってもらえますか?」
はぁ~!?
買い物だぁ?
だっりーな!何買うんだよ?
あ、文具か。
「いいよ。何買いたいの?」
「…キャミソールですっ」
服かよ?
...彩は〇協か、L〇CKY、100均あたりだろ?
ここ街なのに、スーパーまで移動すれってか?
ちょっと調子こいてきてないか?
「ラブラブ愛を叫ぼうビルに行きたいんです。ここから近いし、あっ!すぐ終わりますから!すぐですから!」
ラブラブ愛…、あれ?愛の働いてるファッションビルか?
ファッションビルの中にも、今はスーパーが入ってるのか?
「うん、いいよ。ゆっくり見なよ。行こう」
あずさ2号くらいのスピードで終えろよな!
「…河内さん、ありがとうございます!嬉しいです!」
愛の働いてるビルだけど、ヤツはギャル服売り場だから会うことはないだろう。
と、思ってた。
ビルに入りエスカレーターに乗る。
彩が先に乗り、全身を舐めるように見てあとをつく。
貧相な体っぽいな。痩せてる。
「どこのお店行くの?」
スーパーはどこ?
「キャンギャルーです」
はぁ?
愛の店じゃん。
何でギャル服なんだよ?
つぅか、行きたくねぇし!
行きたくねぇと、心が拒否るも...
「二階だから、この階です!」
二階らしく、着いてしまった。
逃げればいい。
しかし…良い獲物を見つけたんだ。
彩と結婚すれば、極悪非道のまま自由人でいられそうだし。
そう思うと逃げることは出来ず、ついに愛の店へ。
つぅかよ!
なんで、彩みたいな地味っ子が、ギャル服の店行くんだよ!
似合わねぇんだよ!買うだけ無駄だ!
ハゲが床屋に行くのと同じだからな!
「私……、痩せてるから、このお店のキャミソールが合うんです。
ギャルさんの服って細身に作られてるから」
あっそうなんだ。
俺は、店内に進む彩を追わず入り口あたりのモテ♡カワ ゆるふわシフォンワンピ今なら1980円!
買うしかないよね?の前にいた。
今なら1980円って、本当は1980円なんだろ!
通常の値段が、ぼったくりだろ!
ったく世の中は嘘ばっかだな。
「河内さーん!あ、いた!……あの、キャミソール、ボーダーとドットどっちが良いか見てもらいたいんです……」
はぁ?なんだよ?線でも玉でも何でもいんだよ!
俺は裸にしか興味ねぇから。
「いらっしゃいませぇ!何かお探しですか?」
やべっ!愛だ!愛が彩に接客にきた!
愛は、彩の顔を見た次の瞬間に俺の顔を見て、一気に表情が曇った。
別に愛は失っても良い。
ただ、彩に俺の本当の事情がバレるのが嫌だった。
愛のことだから、何こそ言い出すか...
「あ、キャミソールを買いに来たんです。もう決まってるので大丈夫です。ありがとうございます」
彩が律儀に愛の接客に答えた。
「そうなんですね!ごゆっくりご覧ください」
愛は笑顔で、そう言いクルりと後ろ姿になり向こうへ歩いていった。
ほのかにフェラガモの香りがした。
品のある香りをサラッとつけて、サラッとした女を頑張ったのか?
わからない。
内心は怒っているのだろう。
けど、彩が無事で良かったよ。
俺はほっとして安堵の溜め息が出た。
「キャミソール……どこだい?」
「あ、こっちです」
仕方なく俺は彩のキャミソールを見てあげた。
「うーん。彩ちゃんなら、どっちも似合いそうだから難しいなぁ」
嘘。興味ねぇし。
彩は、また顔を赤らめた。
結局、彩はキャミソールを二枚買った。
【愛のキモチ】
亮介...最近、連絡がとれないと思っていたら、やっぱりか...
新しい女なのか、遊び相手なのか、わかんないけど、あの子にするの?
仕方ないのかな。
今の私の顔なんて男たちは、みんな嫌だよね…
悪魔さえいなければ、こんな顔にならなかったのに。
でも悪魔が、いたから亮介に出逢えて恋に落ちたんだもんね。
あなたは天使?悪魔?
どっちにしても、亮介が遠くなる...
悲しいよ。切ないよ。苦しいよ...
諦め切れないよ。
亮介...
ずっと前から好きだったよ。
私に戻ってきてよ...
【彩のキモチ】
嬉しい…
スポーツジムで素敵だなって一目惚れした河内さんと、こんなに近づけるなんて!
それも、話をすると真面目だし、しっかりしてるし優しいし...
完璧すぎるよ...
もう、この気持ちは止められない。
好きです。河内さん...
憶測だけど、河内さんも私を気に入ってくれている気がする。
気立ても良くしたつもりだし!
頑張ってベーグルを作ったし!
好きな言葉でも知的にアピールしたし!
好感持ってくれたよね?
あー…河内さん、また会いたい。
また、誘ってみよっと。
受け身でいても始まらない!
行動あるのみ!
はぁ…河内さんのことばかり考えてる。
恋は盲目?
ヤバイ!
頭の中が桃色すぎて、おかしくなりそう。
あ、エキサイトラブ更新されてたな。
読んでみよう。
.........
げっ!
この、紘菜っていう女も最悪だけど、清人って男も彼女と、セ、セフレ?
両方いるの?
最低!
誠実な河内さんとは大違いだわ!
あれ以来、愛から質問攻めのメールが来る。
〈亮介?あの子は妹?姉?従姉?教えて!〉
〈どぉして返事くれないの?もしかして死んだ?〉
〈亮介!いい加減にしなさい!私の質問に答えなさい!〉
〈亮介……………お願い。連絡して〉
ああ、うぜぇ…
拒否設定すりゃいい話だが、あの日のコンパのメンバーと全員でも連絡先交換したしな。
ハッキリ、他に好きな人ができたって言えば良いのか。
好きじゃないけど。
ま、彩からの告白を待つか。
つぅか、週末また食事誘われたんだよな。
良かった!メシで!
水族館とか遊園地だったらキツいもんな。
とりあえず、彩が手に入ったら愛を捨てることにした。
天秤にかけないなんて、うーん♪やっぱり俺は優しいな。
~♪♪♪~
メール?
ん?彩からだ。
〈河内さん、こんばんは!部屋の窓から星を眺めてます。
北斗七星が綺麗なので写メとりました。綺麗じゃないですか?〉
きっと、目も星になってるんだろうな。
スターダストメモリーな夜だね、彩。
でもね、俺の心は綺麗な星では、ちっとも動かない。
汚い男なんだよ。
後日、彩と食事に行く日、駅の近くで待ち合わせると彩がもう到着していた。
「ごめんね、彩ちゃん待った?」
「いいえ♪大丈夫です」
河内さんを待つ時間さえ、幸せです……………なんて思ってたりしてな~!
ハハハ俺、痛いぜ。
ん?彩、手首にストーンがあるな。
ピンクオンリーじゃん。
恋愛運に掛けてるんだな。
まさか、そのストーン月に照らしてマメに浄化とかしてないよな?
昔、そう言う女が居たんだよ。
「それなら良かった。どこのお店行こうか?」
「き、今日は河内さんの行きたいお店へ行きましょ!」
え?行きたいお店つぅか、コンビニ弁当買ってラブホに持ち込みが良いけど!
「そっか。どうしようかな……」
めんどくせぇな。店、考えるなんてよ。
「あ、任せるのも悪いですね!何が食べたいですか?そこからお店考えましょうか!」
だから、ホテルでコンビニ弁当食べてから彩も食べたい。
「そうだね。じゃあ韓国料理は?俺、美味しいとこ知ってるよ。そこで良いかな?」
大・大・大サービスだからな!
俺と彩は韓国料理店、エキサイトソウル~キムチもビビンバも~へ向かった。
「面白い店名ですね。よく来るんですか?」
店内に入り席につき、彩が俺に聞く。
面白い店名?面白くねーよ!
何かムカつくし、変なだけだ!
「うん、友達に教えてもらって。石焼きビビンバ旨いよ」
コンパで使った店だよ。
「そうなんですね!頼みましょうか。はい、河内さんメニュー表」
「ありがとう」
今日も、気が利く素敵女子アピールだな。
勝手に気ぃ使ってろ。
俺は今日は食う。腹使う。
俺達は、メニューを選び店員に頼んだ。
つぅか、ピンクのニットにピンクのチークにピンクのハートのイヤリングじゃん。
好きだな。風水。
…今日、勝負に出るのかもな。
おっ、食事が運ばれてきた。
海鮮チゲ鍋、チャプチェ、石焼きビビンバ。
韓国風サラダ。
飲み物は、モッコリ(マッコリ)
「じゃ、彩ちゃん乾杯しよう!」
「はいっ!」
俺にとってはめでたい乾杯。
彩にとっては苦い罠にハマった完敗。
「マッコリうまい!」
「そうですね!美味しいです」
「彩ちゃんみたいな素敵な女性と呑むから旨いんだなきっと…」
「え、そんな、そんな…」
やっぱり私と河内さん両思いですか?
恋愛の神様は、ほ、微笑んでる?
って思ってるかもね。
100%そうかもね!
彩は頬をほんのり赤く染めながら、海鮮チゲを小皿にもってくれている。
ほー!ピンキーリングしてるんだな。
ピンキーリングにもピンクっぽい石がついてる。
ラピスラズリか?
しかも、手が震えてるぜ!
((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
とても緊張するわ!あ、お野菜も豊富に入れて、健康管理も気遣える女をアピールしなくちゃ!
って思ってても無駄だ!
俺は肉と白米が好きなんだよ。
長ネギ入れんなよ!
ネギ食べたら死んじゃうかもしれないぜ?
俺の守護神は、きっと犬(U´・ェ・)
だから守るが弱い。
すなわち幸せを掴みたいのにぱっとした幸せをがないんだ。
「はい!どうぞ」
「ありがとう」
「長ネギは体を温めますし、喉にも良いです。ニラはエネルギーになりますし、お豆腐は肝臓に良いです」
やっぱりな!
「へぇ…彩ちゃん、詳しいね。家庭的っぽいなぁ」
「え、え?そ、そんなぁ!そんなことないです」
そうですか?そうですか!?
河内さん………………私にヤッパリ………
ってな風に彩の淡い期待は七色に輝くってか?
そして、それは突然に彩の告白が俺の耳に入ってきた。
「か、か、河内さん。あの…私と…………つ、つ、付き合ってもらえませんか?」
「えっ?俺なんかで良いの?」
「俺なんかじゃありません!!河内さんだからです!!」
わかってるってぇ!
「俺は、彩ちゃんみたいな素敵な子なら、お願いしてでも付き合いたいよ」
「ほ、本当ですか?」
「うん……ちなみに俺の下の名前は亮介。早く聞いて。これからは亮介でいいよ。
彼女だから。彩って呼んでも良いかい?」
「はい、はい、はい!!よろしくお願いします!」
こっちこそ、色んな意味でお世話よろしくな。
こうして俺達は付き合うことになった。
~ある日の勤務時間~
うおー!
今日は混雑してるぜ。
風邪流行ってるもんな。
ん?
あれ?
......
愛だ。
確か俺が此処で働いてるって知ってたよな?
わざと姿を見せに来たのかよ!
ストーカー気質ありかよ…
俺は愛と目を合わさずにパソコン画面だけを見つめた。
そして、チラッと愛の行き先を見ると自動会計機で清算している。
なんだ?風邪かよ?
それに心なしか顔がほっそりしているように見えた。
俺の脳裏に、愛の言葉がリピートされる。
『私の中の悪魔も殺してよ…』
私の中の悪魔…一体…
な、な、何、愛にとらわれてるんだ!
あんなの、もうどうだって良い。
今度、連絡が来たらハッキリと他に相手が出来たって伝えてあげるよ。
ラブストーリーは突然に相手が変わるもんなんだよ。
特に打算的な俺の場合はな。
やがて勤務が終わり、車で帰宅中。
「うわ!!」
左折したら女が、転んだのか荷物落として横断歩道をウロウロしてる。
危うく引くところだった。
俺は無意識に車からおりた。
「大丈夫ですか?」
「はい…すみません」
その瞬間、俺の視線は女の顔に釘付けになった。
美人だったから。
俺は落としたものを拾ってあげた。
車の教習所のテキストがあった。
ふーん。〇〇自動車学校に通ってんのか。
「これから教習所?送ってあげるよ」
ダメ元で密かにナンパする俺。
「えぇぇ?」
美人が、目を丸くして驚いている。
美人なのに素敵にスルーしないんだな。
「あ、嫌ならいいよ……」
「い、いえ…あなた…花柄のネクタイしてますね?」
「ん?ああ…」
昔のセフレにバレンタインにもらったネクタイだ。
男の小花の花柄はおしゃれだって。
「し、身長は176くらいかしら!?」
「おっぴったり正解!」
「乗るわ!車に乗って連絡先も交換しましょ!」
はっ?なんか…意味不明な女だな。
ま、いいか…10人いたら、2~3番目に入る美人だしよ。
親しくなって裸にして、この美人の桃色吐息を聞いてみたい。
「うん、じゃあ乗って!」
「はい!」
俺は美人を車に乗せた。
「さっきの花柄のネクタイへの反応って何?」
「えっ………」
しばらく黙る美人。
信号が赤になり、彼女の横顔を見る。
自然な長い睫毛。
すっと鼻筋が通った程よく高い鼻。
無造作に巻かれた柔らかそうな長い髪。
その髪の毛をいじる細くて白い指先。
華奢な肩。
綺麗だ。
「…霊感タロット占いで、近々身長176cmで花柄のネクタイをした30歳の男性と恋に落ちると…」
美人は静寂を破った。
つぅか、占い?
女って占い好きだよな。
「えー!まじでぇ?ちなみに俺、30だよ!」
俺はオーバーにリアクションをした。
「ホントですか?じゃあ私たち………」
うん。たくさん、たくさん、する運命さ。
「運命的な出逢いだね…びっくりだよ」
「連絡先、交換しましょ!お付きあい開始しましょ!
私の名前は水野杏(あん)29歳、タロット占い師の卵です」
占い師の卵?…まじかよ…
何か宗教なみに占いを過信してる雰囲気。
美人だけど彼女にするにはなぁ。
セフレってことで、良いか!
「俺は、河内亮介、病院勤務」
俺たちは連絡先を交換した。
「自動車学校着いたよ」
「ありがとう。あなた。今日のラッキーカラーは赤だから真っ赤なカーディガン着てきた!
じゃあ行ってきます!」
あなた?
もう家内気取りかよ?
ホント体以外は無理だな。
結婚相手は彩で良い。
それにしても。
最近、出逢う女は『あ』がつくぜ。
愛、彩、杏。
『あ』の次を並べると、いやん♡
杏の容姿は久々のヒットだった。
しかし占いに洗脳されている所が病んでるぽいと言うか、浮世離れと言うか...
俺は、杏に関わるのを迷っていた。
でも迷ってたのは、ほんの束の間。
電話で『会おうね♡』って甘い声で囁かれた。
思わず、無類の女好きの俺はオッケーした。
声って半分不思議だ。
自分のツボにハマる声を出されると許してしまう。
ある日の夜、俺は杏にbarに行こうと誘われた。
「あなた!おまたせ!さぁ行きましょう♪チャーミーグリーンみたく手を繋いでスキップしながら行きましょう!」
「…」
やっぱり変だ。
奇人変人だ。
俺はスルーした。
「あなたってシャイな人~!」
杏はスルーされても一人でスキップしながら、たまに俺の腕をタッチしてきた…
やがて杏の行き着けのbarに着く。
うわ!
何だよ?お香くせぇ!
でっかい水晶や、占い本もたくさんある。
カウンターに中年で黒い、きしんだロン毛の怪しい男がいた。
「お兄ちゃん!私の伴侶になるかもしれない人を連れて来たわよ!」
お兄ちゃん?
「ああ…ミオン先生の占いの内容にぴったりの男か?」
「うん!お兄ちゃんの義理の弟にかるかもよ…ううん、なるわ…」
ミオン先生とか何だよ?
「あ、あのね。私、ミオン先生の弟子なの。ミオン先生の占いは完璧よ!
的中率100%!」
「へぇ!やり手なんだね!」
バーロ~!占いで人生決めれたら誰も苦労しないだろうがよ。
「うん!超、や・り・て☆ あ、お兄ちゃんはね、前世占いができるのぉ!お兄ちゃん、私のフィアンセを占って!」
フィアンセ…orz
「いいよ。君……好きな時代っていつ?」
好きな時代?
今でしょ!気軽に女と知り合えるしよ。
「……大化の改新」
「はっ?た、た、たい…」
知らねぇのか?動揺で杏の兄貴、髪の毛かきあげやがってフケがとんできたぜ!
占いばっかしてねぇで髪くらい洗え!
「すいません……他は?」
他は!だと?情けない男だな!温水洋一もびっくりするぞ!
「うーん、じゃあ新選組の時代かな」
「あー、はいはい。なるほど!ちょっと集中しますね……」
さすがに新選組はわかったみたいだな!
「はい」
「……………両手で二刀流を振り回してる姿が見えますね……そこで敵に殺られてますm(_ _)m杏とは夫婦で、杏と生き別れして現世で巡りあってますね」
何がよ!!この、おたんこなすがよぉ!!
二刀流なんて、両手で振り回さないだろ!!
「え…お兄ちゃん、私の前世はシスターって言ったじゃない…?」
杏が不思議そうに言った。いいぞ。
「……夢でも見てたんじゃないか?(笑) 杏の前世は農民だよ!」
「ふぅん!そっかぁ!でも…………前世でも、あなたと…………」
前世でも、あなたと繋がってたって言うんだろ?
俺は下半身の繋がりしか求めちゃいないのに。
「前世でも、あなたと繋がってたのね。……お兄ちゃん占いありがとう」
やっぱりな!
「なんもだよ!杏、幸せになるんだよ。……あっキミに、幸運の青いしずくって言うカクテル特別に作ってあげるよ。
本来は2000円するんだけど杏の伴侶になるってことで…サービス!」
「はぁ…」
幸運の青いしずくってなんだよ。
怪しいな。
コイツら怪しいな…
「お兄ちゃんの幸運の青いしずくは、世界一美味しいカクテルよ♪」
「そうなんだ…」
..........
「はい、お待たせ!幸運の青いしずくですm(_ _)m」
この…
糞バカヤロウ!!!
見えたぞ?
ガリガリくんソーダ味を解かしてウォッカ足してるとこをな!
「ありがとうございます……あ、ガリガリくんみたいで美味しいっすね!」
「ガリガリくん?……知らないなぁ?なにそれ?お寿司のガリのこと?」
しらばっくれんじゃねぇ!!
やっぱり怪しい。
「あ、いえ。アイスのことです。あ、俺、この辺で帰るよ」
「え…あなた……じゃあ私も。あなたって節度のある人~♪」
違うつぅの!関わりたくねぇだけだよ。
残念だけど、下半身の繋がりもいらねぇわ!
杏の兄貴のbarを出て、俺はそそくさと帰る気でいた。
A級の美人なのに勿体無いが関わってろくなことがない気がする。
「じゃあ、俺、市電だから」
そう言い、杏に背を向けた。
「まってぇ………」
杏は後ろから俺に抱きついてきた。
おいおい、人込みだろ!!
俺は、杏を振り払い振り返った。
杏の顔を見るとチワワみたいに愛くるしい目にツヤツヤの唇を人差し指でツンツンいじっている。
なんだよ...可愛いし!
「もう、帰るよ…」
「いやっ!まだ一緒にいたいっ」
たまに、引っくり返る甘く高い声。
騙されないぜ...でも...
「また今度ゆっくりとね」
「いやぁ!今晩は離さないで………」
杏は俺に抱きついてきた。
GUCCI エンビィの甘い香りがする。
甘い顔付きに、甘い声、甘い香り...
くっそー!だめだ!甘さに俺も杏に甘くなってきている。
しかも…下半身が…
つぅかよ、今夜は離さないでって、良いのか?
「どこに行くんだよ?」
「あなたと二人になれる場所ならどこでも…」
俺の理性は何処かに飛んでいた。
杏の手をしっかり握り、ホテルに向かっていた。
ホテルに着き選んだ部屋に入ると杏が甘えるように抱きついてきた。
随分と軽い女だな...
頭の芯が冷静でありながらも、下半身は暴走寸前。
「シャワー浴びてくるね…あなたも一緒に入らない?」
「……こんなこと言っちゃなんだけど、会って間もないのに…良いのかい?」
「……うん。だって生涯の伴侶になる人だもの……」
そう言うと杏は俺の後ろに周り、俺のパーカーのチャックをゆっくりと下げていく。
そして横に来て背伸びをし、俺の耳の中をぺろりと舐めてきた。
もうダメだった。
俺は杏を抱き締め、そのあと杏の顎を持ち上げ激しいキスをした。
俺のキスの激しさに困惑することもなく、エロく舌を絡ませ激しさを返してくる。
一緒にシャワーを浴びた時も、体をタオルで隠すことなく全裸だった。
華奢な体にしては意外な豊乳。
きゅっと絞られたウエスト。
プルんとたお尻。
二人、シャワーのしぶきに当たりながら長いキスをする。
「幸せ………好きよ………」
唇が離れると杏は、とろけそうな顔付きで、そう言った。
俺は自然と杏を強く抱き締めた。
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ロシア敗戦濃厚劇場です✨🙋。 ロシアは軍服、防弾チョッキは支給す…(檄❗王道劇場です)
57レス 1398HIT 檄❗王道劇場です -
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今を生きる意味
迫田さんと中村さんは川中運送へ向かった。 野原祐也に会うことができた…(旅人さん0)
78レス 515HIT 旅人さん
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今必要なあなたへのメッセージ✨
ひたすら、あなたへのメッセージを引きます。 フィードバックお願いします。
110レス 4030HIT 匿名さん ( 女性 ) -
美人や可愛い子は恋愛で苦労しない
男性が彼女候補を選ぶ時って顔やスタイルなどの容姿がクリアしたら内面を見ていくって感じじゃないですか?…
103レス 4221HIT 恋愛したいさん (30代 女性 ) -
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アドバイスお願いします。 同僚である元彼と別れて2週間になります。比較的若い人が多い職場です。…
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あなたの息子の嫁が精神障害者手帳もってたらどう思います? 恥ずかしげもなく堂々と見せて割引してます…
10レス 380HIT おしゃべり好きさん -
タンパク質を食べる頻度を週7から2にしたらワキガが治りました
やはりタンパク質って体臭キツくなるんですか。 ワキガがコンプレックスだったのでこの食生活続けていこ…
6レス 234HIT 教えてほしいさん (30代 女性 ) -
生活費はいつからもらう?
先週結婚しました 主人は自営業ですので全部管理はせず 月に決まった額を頂いてやりくりしたいと …
7レス 247HIT 結婚の話題好きさん (30代 女性 ) - もっと見る