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小説大好き
14/11/14 23:41(更新日時)


小説初めてです。

ゆっくり更新できたらと思います。

拙い文章ですがよろしくお願いします。


14/10/24 04:08 追記
感想スレたててみました!

感想等いただけたら嬉しいです
m(_ _)m


No.2150498 14/10/22 13:01(スレ作成日時)

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No.51 14/10/25 05:58
小説大好き0 


『俺も悪かった、ごめんな。仕事切り上げて行けそうだから待ってて』


さすがおでん好きなだけあるなぁ。
あ、絵が目的かな?
まあいいや玉子いっぱい入れてあげよっと。


おでん煮込みながら錠剤を粉にしなきゃ。
良介には2錠分くらいかな?

すごい便利グッズだよねコレ、錠剤がすぐ粉になる。

手元の器具をコリコリ回して、碓氷さんにもらった
『眠れるお薬』
を3錠、粉にする。

2錠は良介に。
1錠は美緒奈ちゃんに。

よし、完璧に粉になった!

No.52 14/10/25 06:30
小説大好き0 


夜7時。
インターホンが鳴った。


「良かった、来てくれて。この間はごめんね、私イライラしちゃってたよね」

そう言って、良介に抱きつく。

「俺も頼まれ事だったから、ムキになっちゃってごめんな」

頭をぽむぽむしてくれる。
良かった…。


「食べよう!おでん出来てるよ。ビールもワインも缶チューハイも冷えてるから」

「いいねえ!まずはビール飲もうぜ」

「あ、飲む前に渡しておくね。絵はこの筒に入ってるから」

2人でニコニコしながら仲直りの乾杯!






終わりの始まりの乾杯かな?

No.53 14/10/25 08:45
小説大好き0 


「良介いない一週間、後悔してばっかりだったよ。会社も休暇もらって休んじゃった」

「うーわ、一週間も?お前それはヤバいだろ」

「仲直りできたし月曜からはちゃんと行くよ。あ、カラシ和えも作ったんだ」

冷蔵庫から水菜のカラシ和えを出す。

「やった!俺、美樹のこれ好き。酒すすむわー」


「そういえばさ、管理人のおばさんに聞いたんだけど
この辺て通り魔すごかったんだって。いきなり目を潰すらしいよ、怖いよね」


「へえ…美樹気をつけろよ?」

「襲われた人はいきなり目を潰されちゃったから、犯人の特徴もうまく説明できなくてまだ捕まってないらしいの」

「…最近は無いんだろ?」

「それがさ!この本に似たような話出てくるんだよ、びっくりしちゃった」


秋月みお
『誰にもナイショで』


「愛し合ってる兄妹のお兄ちゃんが、狂った妹の犯罪を助けたり隠したりする話。ラスト感動しちゃった」

「よせよ、そんな話」

「やっぱり男嫌いだから悲恋の兄妹愛に執着するのかなーって思った」

「よせって!!」


立ち上がろうとした良介は立てずに横になった。

「どしたの?眠い?」

返事は無い。

「もう薬効いてきたのかー。カラシに混ざってたからわからなかったよね。
あ、医者処方の薬みたいだから心配しないでね?」


すっかり眠っちゃったみたい。
さて、美緒奈ちゃんに迎えにきてもらわないとダメだね。

良介のスマホを勝手に借りて、美緒奈ちゃんに電話をかけた。


No.54 14/10/25 09:05
小説大好き0 


3コールで出た。

「良くん?なぁに?」

甘えた声。
やっぱり確定だ。

「あ、すみません。良介さんの代わりに電話しました。
うちで酔いすぎちゃって、美緒奈さんに迎えに来て欲しいって言ってて…」


住所と名前を告げた。
すぐに来るらしい。



眠ってる良介に話しかける。




「みおタンが迎えにきてくれるからね。
愛されてるねえ、良くん」


No.55 14/10/25 12:55
小説大好き0 


ここに到着するまで40分はかかるだろうな。

お気に入りのシャツとホットパンツは脱ぎ、上下ジャージに着替えた。

下手に女を強調して張り合うよりも、油断させて懐柔したほうがやりやすい。

髪も後ろで雑にまとめた。


後は良介のスマホを調べるだけ。


No.56 14/10/25 13:14
小説大好き0 



「やっぱりあったか…」


スマホにはキャミソール姿で寝ている私の写真。

下着や部屋の小物。

冷蔵庫の中の写真まであった。


絵を描くなら資料があったほうがいい。

それなら必ず何らかの写真はあると思った。

写真が無ければここで引き返していた。

私の発言は失言。

良介もただの悪酔いで済ませる事ができた。


きっと妹の私物は描かせたくないか、頼まれたんだろう。

どっちに転んでも私はただのネタ元だっただけって事がわかった。


「浮気よりひどいね」

起こしてしまわないように、声を出さずに笑った。


No.57 14/10/26 02:21
小説大好き0 


インターホンがまた鳴る。

ドアを開けると天使がいた。

ふわふわロング、可愛い顔にとがった唇。

「良くんは大丈夫ですか?」


No.58 14/10/26 02:39
小説大好き0 


「美緒奈さんですか?部屋番号わかって良かった。
良介さん寝ちゃって困ってたの。部屋あがってもらっていいですか?」


美緒奈ちゃんは返事もしないで、可愛いキャミソールを脱いで奥の部屋に行く。

お行儀悪いなあ。


「良介さん、何か新しいネタが見つかったみたいで飲みすぎちゃったみたいです」

「おでんとかいっぱい残ってるから起きるの待ちません?
起きなかったら泊まっちゃえばいいですよ」

笑顔で天使に提案した。


No.59 14/10/26 02:52
小説大好き0 



「おでん、食べたいです」

兄妹は好物も似てるんだね。

「こっち座ってて、器出しますから。お酒は?ビール、ワイン、チューハイ。
あとは~カンパリグレープフルーツならできますよ?」

「カンパリで!」

半田さん、情報ありがとう。


「全く起きませんね、もう飲んじゃいますか?」


美緒奈ちゃんは別の方向を見てる。

「…あのコミック」

No.60 14/10/26 03:04
小説大好き0 


「あ、私マンガ好きで。特に秋月みおって作家さん好きなんですよ。切ないラストが良くて!良かったら読みます?」

美緒奈ちゃんはモジモシしだした。
あと一押しだ。

「カンパリ、美味しくなかったですか?作り直しますか?」


No.61 14/10/26 03:18
小説大好き0 



「カンパリは美味しい。そのマンガのどこがいいの?」


「絵がすごく綺麗なんですよ。ストーリーも良くて泣けちゃうし」

泣けたよ、色んな意味でね。


「…描いたの私なの」

天使が照れながら言う。

「え?似顔絵とかですか?」


「だから!私が秋月みおなの!」

No.62 14/10/26 03:33
小説大好き0 



「またまた~!冗談キツいですよ!」

笑いながらカンパリのおかわりを出す。



「紙とペン貸して」

言われた通りにすると、美緒奈ちゃんは漫画家の顔になった。

スラスラとキャラクターの顔を描いて、サインまで書いてくれた。


「…すごい…本当に?
良介さん何も言わなかったのに!」

ジャージ姿の引っ詰め髪の私に得意そうだ。
可愛い天使は完全に私を見下してる。


なんて御しやすいんだろう。

No.63 14/10/26 03:43
小説大好き0 


「お兄ちゃん…良くんて呼んでるんだけど、いっぱい協力してくれるんだ。美緒奈が一番大事だって」

うんうん、兄妹愛だしね。

「だからかぁ、私がモーションかけてもダメだった。これだけ可愛い妹さんだったらわかるなあ」




「……本当に?」

「美緒奈と良くんの事、応援してくれる?」

No.64 14/10/26 04:01
小説大好き0 


あららら、カンパリ程度で酔っちゃったのかな?
薬入れたから?


「応援するよ、私はこんなんだし。お兄ちゃんを男性として好きなんでしょう?」

泣き出しちゃった美緒奈ちゃん。

「ごめんなさい…あなたの事をネタ扱いしてた。片思いの恋愛を描く参考にしたいからって」

それはもう知ってるよ。
背中なでてあげるからもう少し吐き出して?

「ごめんなさい、ごめんなさい…」


いいところで寝ちゃった。
もう少し聞きたかったのになあ。

謝ってもスッキリするのは謝ったほうだけだよ?


No.65 14/10/26 04:11
小説大好き0 



兄妹で寝ちゃった。
薬効きすぎてつまんないや。

美緒奈ちゃんのスマホも調べないとね。

バッグを見たらスマホとガラケー。
さすが漫画家、2台持ちだ。

ガラケーの送受信を見てみた。


No.66 14/10/26 04:23
小説大好き0 


【送信】

・ネタまだ?メールでもして動かしてよ


・昨日は幸せだった。良くんに抱かれてる時が一番幸せ。


・ネタに本気にならないでね。美緒奈は心配になっちゃいます。


・それ帰ったら詳しく教えて。写真もちゃんと撮ってね!


・そのネタ、漫画読まないんでしょ?大丈夫だよ!


・大好き。良くんと本当にどこか行きたいな。


・ナンパは大丈夫!アラサーでごまかしてるから良くんだけだよ!

No.67 14/10/26 04:32
小説大好き0 


【受信】

・美緒奈がいいけどネタの為に頑張るよ。でも目潰しはもうやめろ。


・俺も美緒奈だけ。また夜に部屋行く。親に気をつけような!


・美緒奈の漫画があった。ヤバくないか?


・そういえば、あの絵って美緒奈だろ?ヤキモチ焼くなよ、可愛いな。


No.68 14/10/26 04:46
小説大好き0 



もっと慎重にすればいいのに。

半田さんはアラサーって誤魔化された訳か。

メールでもネタ呼ばわりは無いよねー
あんまりだよねー




寝てる2人の横で絵を取り出す。

最初はね、真っ赤な口は絵の具だと思ったの。

でも違ったんだね。
今は黒く赤茶けた色。

良介がヒントくれたね。

『血で描いたんじゃないし』




これは血だ。

No.69 14/10/27 01:06
小説大好き0 


気持ちよさそうに眠る兄妹。
この兄妹は危険だ。




残ってるお酒を全て台所に流す。

もったいないけど仕方ない。



バスタオルを取ってきて良介の腕の下に敷く。

カーテンの近くで寝込んでくれたのはラッキーだった。


唾液がつかないように気をつけて、タバコに火をつける。

バスタオルに火を移し、カーテンも少し燃えだしたのを確認して良介の指にタバコを挟む。

あ、よく燃える様に窓も少し開けて空気が入るようにしなきゃ。


バッグを持ちドアの鍵をかけて部屋を後にした。


No.70 14/10/27 01:20
小説大好き0 



駅前の本屋に向かう。
うん、まだ閉店に間に合う。


それにしても綺麗な夜空だな。

美緒奈ちゃんは誰かに言いたかったんだろうな。
秘密の関係ってヤツを。

言えないから漫画にして。
あの作品達は彼女の想いだ。

でも他人の目を傷つけちゃダメだよね。


考えながらゆっくり歩く。

煙がまわって部屋が燃えるまで1時間…1時間半かな。

往復するには、ちょうどいい時間。
他の部屋に被害がでない位の頃合だ。


No.71 14/10/27 01:31
小説大好き0 



本屋についた。
お目当ての漫画は…無い。

リサーチしておいて良かった。

暇そうにしてる店員を捕まえる。


「天使の誘惑って漫画、取り寄せてもらえますか?秋月みおって作者です」



注文票に名前と連絡先を書いて渡す。


「入荷したら連絡します、ありがとうございます」


「よろしくお願いします」




あとはお酒を買って帰らなきゃ。


No.72 14/10/27 09:08
小説大好き0 



朝までやってるスーパーでお酒をカゴに入れる、ナッツ類も一応買うか。

どうせ食べないから安いやつでいい。

あまりに簡単に事が運んで気が抜けるよ。
薬使って手抜きしたのがダメだったな。

これなら襲われた時のほうが相手の怯える様子が見れて楽しかった。

良介に言わなかった部分。
襲われた時、私はわざと相手を誘った。
下手に抵抗すると余計興奮するからね。



「無理やりじゃなくて楽しみたいよ」

キスをして腕をまわしたら毒気抜かれてたな。

そのまま耳を舐めて一気に食いちぎった時の叫び声と怯えた様子。

最高だった。

口の中の肉片は顔にぶつけてやったっけ。
反応が面白くて笑っちゃってた。



残酷なのは私も同じ。

あの2人との違いは自分に害を与える相手にしか攻撃しないとこかな。

そんなコト言い訳にならないし、残酷性の免罪符にもならないんだけどね。

残酷に種類なんか、無い。
残酷は残酷だ。


No.73 14/10/27 11:47
小説大好き0 



作家や漫画家なんて、ある種の狂気が無いとやっていけない。

その点、秋月みおは狂気の中にも純粋な部分があった。

作品に自分を出しちゃってたんだから。
それじゃ飲み込まれちゃっても仕方ないよね。



カッコいい主人公を描く作者がカッコいい訳じゃない。

ホラーを描く人がホラーを信じてる訳じゃない。


作品と自分、切り離して描かないと自分を破滅させてしまう。

だから私程度に気づかれちゃったんだよ。


支払いを済ませて自宅に向かう。


私も狂気を現実に出して終わらせよう。


No.74 14/10/27 22:04
小説大好き0 



中は燃えているであろう部屋に着いた。

鉄製の扉に手を当てる。

「…あったかい」

これなら煙も炎も充分なはずだ。

火事で本当に怖いのは煙。
視界も呼吸も奪われる。


カギを回し、扉を開ける。

部屋の中の視界ゼロ、煙は部屋中に充満してる。
1メートル先も見えやしない。


ゆっくりと扉を閉めて
119番に電話をした。

No.75 14/10/27 22:17
小説大好き0 



『火事ですか?救急ですか?』

ここからは会話を記録されるだろう。
私の狂気の始まりだ。


「部屋が熱くて何も見えないんです!中に友達がいる、早く来て!」


『落ち着いて、火事ですか?』


「わからない!帰ったら煙が凄くて部屋に入れない!早く!」


『落ち着いて下さい。住所とお名前は?』


「あ…あ…住所…○○区の△△の…」


『今、消防が出ました。落ち着いて住所の続きを』


No.76 14/10/27 22:25
小説大好き0 



なんとか住所と名前は伝えた。
この程度のパニックさで大丈夫だろう。


消防の人、本当にごめんなさい。


さて、到着するまで
悲恋の2人に祈りを捧げよう。

現実では祝福されない恋人達の最高のフィナーレ。

2人の美しい終わりに私だけでも祝福を。

No.77 14/10/28 00:26
小説大好き0 



私の嫌いなサイレンが近づいてくる。

涙が出てきて止まらない。
体も震えはじめて自分で自分を抱きしめる。





他の部屋に被害が出なくて本当に良かった。


そんな私の肩を消防隊の人が支えてくれた。


「小田さんですね?危ないので1階に避難して下さい」


泣きながら嫌がる私は完全にパニック状態に見えているだろう。

買ってきたお酒も振り回した。

抱きかかえられながら1階に連れて行かれる。

野次馬がいっぱいだ。

まるで結婚式の招待客みたいだね。


No.78 14/10/28 00:52
小説大好き0 



火事はそれから1時間程で鎮火した。

心肺停止2名が病院に搬送された。

部屋の隅で抱き合っていたらしい。

カーテン部分の天井の焼け跡がひどかった為、ベランダに避難できなかったようだ。

病院で2名の死亡を確認。

鍵をかけたとの私の証言で放火の可能性はゼロ。

酔って寝タバコによる火災と判断された。

私も事情聴取は受けた。



彼と飲んでいた事。

妹が私の好きな漫画家だという事で呼んでもらった事。

サインを貰う為に本屋に行ったが無かった為、注文した事。

お酒が無くなりそうだったのでスーパーで買い足した事。


あっけない幕切れだった。

No.79 14/10/28 00:58
小説大好き0 



賃貸マンションだったので火災保険には入っていた。

今時、火災報知器をつけなかった大家さんが注意を受けたようだ。

たかがバルサンを焚いただけで凄い人数に迷惑をかけてしまった。


会社は辞め、ウィークリーマンションに引っ越した。

考えてみれば良介は誠実だった。


『恋人にする仕打ちで一番残酷な事って何だと思う?』

良介の恋人は妹だったのだから。




そして私の妊娠が今日わかった。


No.80 14/10/28 01:14
小説大好き0 



可愛い娘が産まれた。

娘も4歳になり、なんとか母子2人で幸せに暮らしている。



よく晴れた日曜日に娘を連れてお墓参りに行った。




「ねえママ、誰のお墓なの?」

無邪気に聞く可愛い娘。

「幸せで可哀想だった2人のお墓だよ。でも悪い事したから魔女に焼かれちゃったの」

「こわーい」

「うん、だからね人を傷つけたり騙したりしたら美緒も魔女に焼かれちゃうかもよ~?」

「きゃー!」





~fin~


No.81 14/10/28 01:41
小説大好き0 


最後までお付き合いして下さった方、ありがとうございます。


まず謝らなければいけない事がいくつかあります。

睡眠薬とお酒は危険です。
絶対やらないで下さい。

部屋が燃える時間も適当です。
絶対やらないで下さい。


それでは読んで下さった方
感想を下さった方

ありがとうございました!


あ、冒頭で小説初めてって書きましたが
「鬱エンドの」小説初めてでした。

えへっ、ごめんなさい!
(//艸//)


No.82 14/11/14 23:41
名無し82 

こういうのって騙しみたいな感じですよね
読んでみて、最後に避けたい作者だとわかるとガッカリします

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