残酷な彼
小説初めてです。
ゆっくり更新できたらと思います。
拙い文章ですがよろしくお願いします。
14/10/24 04:08 追記
感想スレたててみました!
感想等いただけたら嬉しいです
m(_ _)m
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私は少し考えてから答えた。
「やっぱり二股とかで裏切られる事じゃない?」
深く考えた答では無かった。
恋人の良介とはうまく行っていたし、仕事もお互い順調だったから。
「やっぱりそういう事になるよな、俺達には関係ないけど」
その雑談はそこで終わって、近所のラーメン屋に夕飯を食べに行った。
私はチャーハンを注文した。
良介はとんこつラーメンと餃子。
「隙あり!」
良介から餃子を1個奪う。
が、失敗した。
箸でブロックされていた。
「腕を磨け、努力賞だ」
努力賞(笑)の餃子が私のチャーハンに乗っけられた。
笑いをこらえた良介の顔が可愛くて憎たらしい。
「ごちそうさま、ありがとう良介」
寒くもなく暑くもない、私のマンションまでの帰り道。
お腹いっぱいで幸せだった。
私の手料理もいいけどたまには外食も嬉しいな。
何より買い物、調理、片付けがサボれる。
マンションに着いた。
「今日は泊まって行かないの?」
帰るという彼は珍しい。
いつも泊まって行くのに。
「戸締まりはしっかりしろよ、最近は物騒だから」
私の頭をぽむぽむ叩いてから、メールする!と言い良介は帰って行った。
お風呂からあがると良介からのメールが届いていた。
『無事帰宅!このまま寝るよ。オヤスミ』
シャワーくらい浴びろ、と笑いながら返信。
『了解、お休み~』
ちょっと素っ気ないかな?
でも眠いみたいだし、これ位でいいよね。
そして私も眠りについた。
目が覚め、少しぼーっとしてから顔を洗う。
化粧をして、朝ごはん…は今日はパス!
チャーハンがまだ胃を圧迫していた。
エレベーターで1階に降りるとお喋りな管理人のオバチャンに捕まった。
ついてないな、と内心思うのだが今朝は違った。
「夕べ、事件があったみたいよ?犯人まだ捕まってないみたいだし、女性を狙ったらしいから小田さんも気をつけてね」
「怖いですね、気をつけます。ありがとうございます」
当たり障りのない返事をして会社に向かう。
話に付き合ってたら遅刻しちゃう。
『物騒だから気をつけて』
良介の言葉を思い出した。
会社はいつもどうりだった。
始業前にシステムをチェックして、一息つく。
私がいるコンピューター室には、主に課長と私しか出入りしない。
リアルタイムでくる作業工程の進行具合をチェックする。
地味な仕事だけど、ミスしたら作業が止まる。
以前にミスを見逃した時は、全社のパソコンが動かなくなって血の気が引いた。
幸いクビは免れた。
「小田さん、眉間にシワ発見」
課長だ。
気難しい嫌み屋だけど、慣れると案外打ち解けてくれる。
「課長~、そりゃシワも寄りますよ。システム凍結の悪夢はもう勘弁です」
「あれは笑った。結果的に15分で直したんだから気にしない」
全社巻きこんだ騒ぎだったのに…。
ふと、課長に聞いてみたくなった。
年上だし既婚者だし、参考になるかもしれない。
「課長、男女間で残酷な仕打ちって何だと思います?」
カタカタとキーボードを叩きながら聞いてみる。
「浮気、暴力、借金辺りじゃないか?」
課長は画面に釘付けになりながらも答えてくれた。
「ですよねえ」
カタカタカタカタ…
「彼氏と破局か?」
「いやいや、うまくいってます」
「破局なら残念会開いてやったのに」
課長は憎まれ口を残して、部屋を出て行った。
たぶんこの部屋では吸えない煙草だろう。
「残酷な仕打ちか…」
いかん、単なる会話が気になってる。
集中しなくちゃ。
半田さんは1年先輩だ。
美味しいもの好きでたまに誘ってくれる。
下心は無いと思う。
困るのは大抵
「恋愛相談」
だからだ。
しかも移り気。
相手はしょっちゅう変わる。
今の相手はバーで知り合った漫画家らしい。
連れて行ってくれたのは焼鳥屋だった。
「つくねが最高なんだ!」
とのお墨付きどうり、つくね以外も最高だった。
「なかなか会えないけど、連絡はしょっちゅう来るししてる。脈アリだと思う?」
私はつくねに夢中になりつつ
「よくわからない業界だけど、締切がー!とか書いてる漫画家さん多いから、連絡くるんじゃ脈アリなんじゃないですか?少女漫画でしたっけ?」
つくね1本分くらいのアドバイスはできただろうか、と思っていたら
「そうそう、このマンガなんだよ!」
配布用なのか意中の漫画家さんの単行本をくれた…。
焼鳥をたらふく食べ、のろけと不安と不満を聞いて帰った。
「さて、目を通すか…」
もらった単行本10冊。
1巻から読んでみる。
3巻で休憩。
これは少女が読む漫画じゃない。
18禁指定でいいと思う。
最近の少女漫画ってこんなに過激なの?
明らかに中高生がエッチしてるじゃないか…。
半分無理やりなシーンもあるのに、売れてるのが怖い。
こういうのに憧れるのか~…。
昼休み。
やっぱり半田さんが近づいてきた。
「昨日はごちそうさまでした。美味しかったです」
「だろ!?それでマンガ読んだ?感想はどうだった?」
やっぱりきた。
感想求められるのはツラい。
「えっと、初めは内容にびっくりしましたけど、最近の若い子の恋愛が知れて面白かったです」
…ハズしたか?と思ったけど
「だろ?彼女の感性が若いんだよ!アラサー女子が描いてるんだぜ。すげえよな」
興奮したのか口調が素になってる。
とりあえず正解でホッとした。
全部読んでないとは言えないな~、近いうちに読まなきゃ。
でもアラサーに女子は無いだろう。
良介にも読ませてみたくなった。
どんな反応するだろう。
帰りに本屋に寄ってみた。
半田さんに聞いた作者名を探してみると、すぐに見つかった。
・彼女の戸惑い、俺の悪戯
・天使の誘惑
・学生ホストな私の彼
・誰にもナイショで
…結構売れてるみたい。
うーん、すごいな。
やっぱり良介との話題にしてみよう。
良介に電話してみた。
出ない。
メールもラインも無視。
忙しいのかなあ?
次に会える予定聞きたかったのに。
良介も結構マンガ読むハズだから、興味もつと思うんだけどな。
仕方ないから帰ってマンガの続き読もう。
ついでにレンタルビデオ屋をチェックして帰った。
夜中になってやっと連絡がきた。
良介は何故かいつもメールだ。
『ごめん仕事が今終わったよ。起きてる?』
『起きてたよ~!!ねえ、秋月みおって漫画家さん知ってる?』
『なんで?』
『長くなるから次に会った時に話す!いつ会える?』
『予定がわからないから、わかり次第連絡する。おやすみ』
…なんか素っ気ない?
眠いだけかな?
変な話題無かったよね?
なんとなく不安になりながら眠りについた。
会社について毎朝のチェック。
どうにも身が入らない。
良介の素っ気なさが気になる。
「どしたっ?」
突然背中を叩かれた。
碓氷さんだ。
酒好き、サバサバ、姉御肌の大好きな先輩だ。
「彼氏がなんか素っ気なくて…」
「んじゃ仕事終わったら飲み行こ♪しっかり聞いてあげるから」
飲みに行きたいだけの気もするが、この際有り難い。
良介が言ってた
「残酷な事」
の話とか漫画家…の話はダメだな。
半田さんの恋愛話をバラす事になっちゃうもんね。
「残酷かぁ~」
碓氷さんはチーズを食べながら考え込んだ。
「課長は浮気、暴力、借金って言ってたんですけど無理やり当てはめるなら浮気なんですよね」
「なーんか違う気がする。浮気ならわざわざ聞いてこないっしょ」
酔ったのかな?
碓氷さんの顔がほんのり赤い。
「それにしても、よくあのイヤミ課長とそんな話できるね~」
「慣れれば結構面白いんですよ」
「まあ、残酷さも種類があるからね。優しいつもりの残酷もあるし、単に残酷な事もある。一概に言えないよ」
「そっかぁ、ですよね」
その後はひとしきりガールズトークをして、解散した。
家に帰ると良介が玄関にいた。
「良介!」
「門限やぶり、はい罰ゲームな」
門限なんかない。
いきなりどうしたんだろう、嬉しいからいいけど。
「時間ができたから顔見にきた。ごめんな、最近忙しくて」
部屋に入り、そう言うとビールを一気に飲んだ。
「良介、ゆっくりできるの?」
「明日はちゃんと休めるから泊まれるよ」
「じゃあ何かオツマミ作る!」
じゃがいもとベーコンの炒めもの。
野菜スティック。
急だしこんなもんでいいだろう。
「そういえば、秋月みおって好きなの?いつの間にか単行本あるし、こないだも聞いてきたし」
部屋の隅にある単行本を見つけたようだ。
「それそれ!会社の人がたまたま知り合って、好きになっちゃってアタック中らしいんだ」
「ふーん、無理だな」
「え?なんで?結婚してるとか?」
良介は出版関係だ。
だからこの話をしようと思ったのもあるけど、断定的な言い方に驚いた。
「知り合いというか、男嫌いで有名なんだよ。漫画読んで感じなかった?」
「あ~…全部読んでないから。絵は綺麗だけど脈絡ない過激シーンについてけなくて」
私は未だに4巻までしか読んでない。
「中高生が読むようなもんだしな。内容過激だけどそのほうが売れるらしい」
「えー?問題にならないの」
「そのものズバリな部分を描かなければオッケーらしい、俺はそれだと物足りないけど」
良介はそう言うと押し倒してきて、私は久しぶりに抱かれた。
久しぶりに抱かれたのになんだか気分がモヤモヤする。
よく寝てる良介はそのままにして、読みかけの単行本を手にした。
「秘密の砂糖菓子」
タイトルだけで遠慮したい。
要は兄妹が恋愛関係になる話だ。
もれなく体の関係もある近親相姦もの。
主人公の名前が私と同じというのが更に嫌だ。
興味ない話は読むのがきつい。
ギブアップ!
本を戻した。
口直しに小説を読む事にした。
また変な夢見ちゃたまらない。
私の好きな小説。
地球に隕石がぶつかってあと数年で地球滅亡。
でも人はその日までそれなりに生活する。
救いがあるような無いような話だけど、何回も読み直してる。
自分がこんな立場になったらどうするかな?
やっぱり最後まで好きな人といたいな。
決まってる運命も残酷か。
良介が言った残酷はどんな事だろう?
心の残酷?
体の残酷?
運命の残酷?
改めてみると残酷にも種類あるなぁ。
でもどれも嬉しくない。
幸せならどんなのでもウェルカムなのに。
幸せで楽しい夢が見れるよう、どこかの神様にお願いしながら眠った。
雨の土曜日。
せっかくのお休みなのに。
「良介、起きて。朝ごはん!」
ダメだ起きやしない。
良介の分はラップして、先に食べちゃおう。
借りたDVD見たいな、ちょっと怖いやつ。
洗濯は明日でいいか。
クリーニングも明日にしよう。
今日の予定をあれこれ考えてたら着信音が鳴った。
良介のスマホだ。
テーブルから取って渡そうとしたら、飛び起きて引ったくられた。
爪が当たって手の甲に血が滲んでる。
そんな私にお構いなしで話す良介。
「はい、今から?またネーム詰まったか。今から行くわ」
驚いて動けないでいる私を見もしないで着替えだす。
「休みじゃなかったの?」
「新人が煮詰まってるから行かないと。ごめんな」
キスをして出ていく良介をただ見ていた。
土日はダラダラと過ぎた。
良介からの連絡もない。
暇を持て余して、近親相姦の漫画を読んでみる。
5巻、6巻、7巻…
主人公の子が白血病か、最近流行ってるよね。
死んじゃう系。
8巻で兄の骨髄提供で助かるのか。
骨髄提供もそんな簡単にうまくいかないけどマンガだしね。
9巻で元気になって近親相姦。
元気すぎでしょ。
10巻でやっぱり逃避行して完結か。
よし、暇だし半田さんに電話してみよう。
呼び出し音が鳴るとすぐに出た。
さすがお互い暇人。
「半田さん?いま大丈夫?」
「暇で折り紙作ってた」
「マンガ、もっかい最後までちゃんと読んだよ~、白血病と逃避行ってすごい設定だねえ」
「逃避行は置いといて骨髄提供の経験あるだろ?だから興味持つかと思ってさ」
「骨髄やっても弟と逃避行はナイナイ」
3年前、弟が白血病になった。
幸い、私の骨髄で寛解したけれど。
「また別の貸そうか?みおタンの」
「ノーサンキュー。んでそのみおタンはどんな子なの?可愛い系?キレイ系?」
「ふわふわロングの可愛い妹系!ものすごい可愛いんだ、これが!」
ふわふわロング…。
「半田さんの好きそうなタイプだねえ」
かわいい、妹系…。
「もうめっちゃ好み!ペンネームしか教えてくれないけど、それでも満足!」
みお、澪、美緒…。
「うまくいくといいね。強引にしないようにね~」
電話を切ってもまだ
ドキドキしてる。
嫌な予感がベットリと私に貼り付いた。
気の重い月曜日。
「おっはよ!」
碓氷さんが元気に声をかけてくれる。
「おはようございます、眠いです」
「まーだ彼氏の事で悩んでるの?」
ズバリだ。
「いえっ、なかなか寝付けなくて」
ごまかそうとしたら碓氷さんが何か薬をくれた。
「それ飲むとスカッと眠れる。3日分あげるよ。あ!でも内緒ね、ホントは人にあげちゃダメだから」
銀色に光る包みの薬をくれた。
その日の夜、自宅のパソコンで調べてみた。
【秋月みお】
漫画家。
作風は
・純愛
・過激な性描写
・サイコパス
なものを得意とする。
「何これ作風バラバラじゃん。ジャンルが広いって事?」
これで可愛い妹系かぁ。
…?
何か引っかかる。
何だっけ?
何か…何か一致しない気がする。
アラサー女子…。
可愛い妹とは言えない年齢。
半田さんは24歳。
見かけが可愛いのかもしれない。
少女漫画家なら服だって可愛いものを好むかもしれない。
考えててもしょうがない、良介に聞いてみよう。
その時だった。
また嫌いなサイレンの音が聞こえる。
疑問に対する正解音のような錯覚に陥った。
男嫌い!
そうだ、良介は確かにそう言った。
じゃあどうしてあんな性描写や恋愛が描けるんだろう?
描こうとするんだろう?
サイコパスな物語を描けばいいんじゃないのかな…
売れ線狙いも考えられるけど…
なんだか色々気になる事がありすぎる。
バラバラのパズルみたいだ。
もう寝て明日考えよう。
カタン‥
何か音がしたけど眠気には勝てなかった。
次の日、会社に行く時だった。
「ひっ……!」
ドアポストに入っていた紙を見て、体が動かない。
チラシの裏に書かれていたのは、不自然に笑っている女の子の絵。
髪も輪郭も顔も全部、赤エンピツで描かれている。
丁寧にシワまで。
マンションに住む子どもの仕業だろうか?
だとしても気味が悪い!
外に出たくなくなり、会社に連絡を入れ有給を取った。
『おはよう、今日も仕事忙しい?できたら夜来て欲しいの』
良介にメールした。
返事が来るかわからないけど。
子どものイタズラだったら警察に相談なんてできない。
鍵とチェーンをしっかりかけて布団にくるまっていた。
昼過ぎに電話がきた。
良介だ!
「あのね、変な落書きが部屋のポストに入ってて怖いの!変な絵なの!」
良介が喋る前に一気に不安をぶつけてしまった。
「…ごめん」
少し冷静になり謝った。
自分で思うよりもパニックになっていたみたいだ。
「夜7時頃に行くから、それまで部屋から出るな。あと誰か来ても居留守使えよ?」
察してくれたんだろうか、声が優しかった。
「うん、わかった。怖いから絶対来てね」
良介が来てくれる安心感からか、恐怖心が少し薄らいだ。
絵を見てみる。
やっぱり赤エンピツで描かれた不気味な絵だ。
赤い目の焦点が合ってない。
笑った口の中は真っ赤に塗られてた。
夜のうちに誰が?
なんの為に?
単なる嫌がらせなのかな?
写真を撮って、良介と碓氷さんに送ってみた。
『会社休んで不気味な絵送るな!』
碓氷さんらしい返事がきた。
この絵を不気味だと思うのは私だけじゃないんだ。
なんとなくホッとした。
良介からの返事は来なかった。
「遅くなってごめん」
良介が来たのは夜10時だった。
来てくれただけで嬉しかった。
食料もいっぱい買ってきてくれたので、ありがたくご馳走になる。
「あの絵さ、確かに不気味だけど子どもが描いた絵だと思うよ。このマンションに幼稚園の子いるだろ?その子のイタズラじゃないか?」
「え、そうかな…」
「血で描いた絵じゃないんだし、気にしすぎだって!」
「夜にわざわざそんなイタズラするかな?」
タバコに火をつけて良介が言う。
「多分どっか出かける時か、帰ってきた時じゃねえ?」
階が違うのに?
ファミリー向けは5階以上だ。
私の部屋は4階。
わざわざ降りてくるとは思えない。
「でさ、その絵なんだけど欲しがってる作家さんいるから持ってっていい?」
耳を疑った。
何かあった時に証拠になるかもしれないのに?
「コピーならいいよ。一応取っておきたいし」
軽く見る良介に少し腹が立って、つっけんどんな態度になる。
そんな私を見ても良介はお構いなしに言ってきた。
「取っといてどうすんの、こんなもん?ただのイタズラ書きじゃん。資料にしたいらしいから頼むよ」
「誰?」
「え?」
「誰がそんなもん欲しがってるの?送った写真は誰に見せたの?」
沈黙を破ったのは良介だった。
「言える訳ねぇだろ?守秘義務あんだよ、わかるだろ!?」
「わからない、とにかくコピーならいいよ。それか送った写真をプリントアウトすればいいじゃない」
良介は乱暴にドアを閉めて出ていった。
この絵、何かあるの?
なんであんなに欲しがるの?
なんであんなに怒るの?
泣きながら絵を見てもわからなかった。
ケンカしてから一週間たった。
連絡もなく、私からもしていない。
ちょっとカマをかけてみようと考えた。
それで謎だった部分が解決するかもしれない。
良介には妹がいる。
名前は美緒奈。
ブラコン。
24歳で同人誌を描いて暮らしてると聞いた。
・秋月みお
・白血病のエピソード
・『美樹』という主人公
・男嫌い
・少女漫画家
妹の美緒奈は『秋月みお』なんじゃないのかな?
わからないのはどうして隠すのか、だ。
それに気になった4巻のエピソードも気になった。
林で襲われかけてしまい、油断させて相手の耳を噛みちぎり逃げる。
あれは良介にしか言ってない、私の過去におきた体験だ。
もしこの考えが当たっていれば、良介は妹と肉体関係にある。
あれから『秋月みお』の漫画を読んで、確信に近いものがあった。
許せないのは私のプライバシーを妹の漫画のネタに使った事だ。
まずは2人を私の家に呼び出さないといけない。
「この間はごめんなさい、怖くて意地になってたみたい。私が悪かったよね。仲直りしたいです。あの絵も渡したいし、おでん作って待ってるから今日の夜どうかな?」
送信する。
すぐに良介からOKの返信がきた。
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