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あなたと過ごした3年間

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自由人( ♀ )
14/08/15 21:21(更新日時)

音楽室の向かい側にある女子トイレの一角。
そこが学校内でナツキと私が唯一2人きりになれる場所だった。
放課後、私達は周りの目を盗んでは女子トイレで落ち合い、強く抱きあい、深く激しいキスをした。


ナツキの息づかい、指の感触、私を見下ろす優しい眼差し…十何年経った今でも忘れられずにいる。



これはナツキと過ごした13才から16才までの、同性愛のお話。



No.2086362 14/04/21 23:04(スレ作成日時)

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No.1 14/04/21 23:24
自由人0 ( ♀ )


北条ナツキは私の小学校からの親友で、中学ではクラスは違ったけど休み時間になると私のクラスまで会いに来てくれた。ずっと一緒だったから、離れている方がなんだか不自然に感じるくらいだった。
ショートカットでスラッと背が高く、男勝りな性格で人気者のナツキ。背が低くあまり自分の意見を言えない私にとっては憧れで、中学に上がってからも変わらず仲良くしてくれることがすごく嬉しかった。
その頃はまだお互いの気持ちに気づいていなかった為、親友として仲良くしていた。



No.2 14/04/21 23:35
自由人0 ( ♀ )

「さつき!」
ある休み時間、ナツキがいつものように会いに来てくれた。そうそう、私の名前は、宮部さつき。

「今日はちょっと部活遅くなりそうなんだ…ごめんね」

ナツキが申し訳なさそうに言った。
ナツキは入学してすぐ先輩の勧誘を受けて、陸上部に入っていた。一方の私は、母親にピアノと日本舞踊の習い事を強制させられていて、部活に入ることはできなかった。
その日はたまたま私の習い事も無く、ナツキの部活も早く上がれそうだったため一緒に近くのショッピングモールに寄り道しよう!と約束していたのだ。

「そうなの!?残念ー…」

私ががっくり肩を落としていると、ナツキの手が私の頭にのびてきた。

「来週は絶対行こう、アイスおごってあげる」

そう言って、頭をなでなでしてくれた。
私はナツキのなでなでが大好きだった。優しくて、あったかい。きゅんって、する。
今思えば、その頃からナツキのことが好きだったんだと思う。



No.3 14/04/21 23:52
自由人0 ( ♀ )

>> 2
休み時間終わりのチャイムが鳴り響き、ナツキは「やべっ」と慌てて戻って行った。その後ろ姿をボーッと見送っていると、

「本当仲いいよねー、北条さんと宮部ちゃん」
突然後ろから声をかけられた。
「金井さん!びっくりしたー…」
後ろの席の金井真理。席替えで最近話すようになった女の子。お洒落で派手なタイプの可愛い子で、もう彼氏もいるらしい。私はちょっと苦手なタイプだった。

「デキてんじゃないのー?」
「へ…?でき……?」

「付き合ってんじゃないの?ってこと!」

そうハッキリ聞かれて、なぜだか心臓が急にバクバクいいだした。

「そ、そんなわけないじゃん、ナツキ女の子だよ!?ただ小学校から仲良かったから…」

思わず真顔で真剣に答えてしまい…

「冗談だってー、そんなムキになんないでよー」

金井さんに笑われてしまった。



No.4 14/04/22 00:01
自由人0 ( ♀ )

―それから2ヵ月がすぎた時。
金井さんに指摘されたことが現実となる。


それは本当に急な出来事で。ナツキ本人も、その時のことはよく分からない、勝手に体が動いてたと後になって言っていた。
でもそれがなかったら私達、一生こうはなれなかったかもしれない。

ナツキが一歩、踏み出してくれたから…
私も自分の気持ちに気づくことができた。


No.5 14/04/22 00:28
自由人0 ( ♀ )


それはナツキの家に遊びに行ったときだった。

「あらさつきちゃん、いらっしゃい」
ナツキのお母さんが笑顔で迎えてくれた。背が高くショートカットで、ナツキによく似た若々しいお母さん。私の母親とも仲が良く、2人でよくランチにも行っているらしい。

お母さんに挨拶をして、いつものようにナツキの部屋で、ゲームをしたり2人で向かい合って恋愛漫画を読んでいた。この時から、ナツキの様子が少し変だった。ナツキは途中から漫画を読むのをやめて、私の顔をじっと見つめていた。

「?どうしたの、ナツキ…私なんか顔変??」

見つめられて戸惑う私を見てナツキはクスッと笑うと

「ううん、かわいいよ…」


そう呟くように言って、急に私の頭を引き寄せた。
ナツキの吐息を顔に感じたその瞬間、唇に柔らかいものが触れ、すぐ離れた。

ほんの少し唇が触れ合うだけのキス。



キス…したんだ、ナツキと…。



「さつき…ごめん…」

長い沈黙のあと、ナツキが俯く。

「でもさつきの初めてがほしくて……その…」

ナツキが顔を上げて私を見た。いつもはキュッとつり上がった目元が緩んで、瞳は潤んでいた。


『好きだから…』



No.6 14/04/23 05:39
名無し6 ( 40代 ♀ )

😲🙌🎆

No.7 14/04/23 20:06
自由人0 ( ♀ )


好きだから……


ナツキはもう一度呟くと、突然立ち上がり部屋を出ていってしまった。


「ナツキ………」
ナツキ、泣いてた。
どうしよう、心臓がドキドキしてる。好きだからと言ったナツキの顔が焼き付いて離れない。
私も、泣きそう…。


だけど…迷う心はなかった。どうするべきかはすぐ分かった。
ナツキといると安心する、ナツキと笑ってるときが一番楽しい、ナツキに頭を撫でられると嬉しくてドキドキして…いっつもそばにいたい、いてほしい。


私もナツキのことが好き……。

  • << 9 私も、続き読みたいです🎵

No.8 14/06/02 13:59
名無し8 ( 20代 ♀ )

主さん、もう更新されないのですか?続き読みたいです。

No.9 14/08/15 05:37
小説大好き9 ( ♀ )

>> 7 好きだから…… ナツキはもう一度呟くと、突然立ち上がり部屋を出ていってしまった。 「ナツキ………」 ナツキ、泣いて… 私も、続き読みたいです🎵

No.10 14/08/15 21:21
自由人10 

『3年間』の響きになんだかきゅんとしますね。

いい年ですけど…

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