妄想のお話☆
はじめに、、
これから書くお話は、私の好きな俳優さんの腐的な作り話なので、読みたくない方は、読まないでください。
タクミくんシリーズを知らない人は、よく分からないかもしれません。
唯の、私の妄想話です。
よろしくお願いします。
13/06/25 22:56 追記
追記:
読まれた方の感想などいただけると嬉しいです。
大マオファンの方がいましたら、アドバイスなどもいただけると嬉しいです。
13/11/13 12:20 追記
追記:
登場する人物も私の想像上の実在しない人物が登場しています。
なので、実際の生身の人とは一切関係ないのでご理解下さい。
僕は17歳の不安定なふわふわした足元もまだしっかりしていない、子供だった…
俳優という仕事をしたいと思ったのは、幼い頃父に連れられて見た劇団四季の舞台がきっかけだ。
幼い僕は、そのキラキラ輝く世界に惹かれて心が躍動する心地よさにひかれて、自分も舞台の上に立ちたいと夢を抱いた。
そして…
今、僕は舞台に上がる事ができた、、
とは、言ってもまだ駆け出しの若手俳優が初めて立てるような、出発地点の舞台。
でも、この舞台は、人気があるみたい。
僕の役は、可愛い元気キャラって感じ、
テニスを中心にしたお話だ、、
最初は、発声もままならなくて、カミカミ、、多分初期の舞台を見た人は、僕が何を言ってるのか聞き取れなかったかもしれない。
でも、だいぶ慣れたし、まわりのみんなにも成長したよなって言われるまでになっていた。
そんな頃にマネージャーから映画のオーディションの話をされた。
どうやら、BL…
うーん、、どうしよう…って思ったけど、仕事を選べる立場ではないのは、僕にも分かるよ、、
何事も勉強だ、と思い、主役じゃない脇役のオーディションを受けてみた。
後日、、
マネージャーから結果を聞かされた。
「結果でたよ。浜尾くんすごいよ、主役!主役に決まった!」
え?だって受けたの脇役…
主役?嘘だ〜
どうしよう…まだ心の準備が…
主役って事は、相手役…誰?
いきなりの知らせにグルグルと頭を回転させてしまう。
マネージャーが
「相手役は、今も一緒に舞台やってる渡辺くんだから、、年上だしやりやすいんじゃない?」って…
えぇ⁈ぶ、ぶちょお⁈
渡辺大輔、今やってる舞台の僕のテニスチームの部長役の人。
えー…
とりあえず、落ち着け…
っとりあえず、内容が全然分からない…
ので、マネージャーに聞いたら、原作が小説と漫画みたいなので、世界観を知るために見てみようと思い、本屋に立ち寄った。
本屋…来ては見たけど…女の子のコーナーにあるよねぇ…
あぁーどうしよ、、
女の子のコーナーに行くの、、
行ったり来たりを繰り返し、、悩みに悩んだ結果、自分で探すより早いって思い店員さんに、妹に買って来てって頼まれた風にして聞いてみようっ
「あの、頼まれた本、漫画を探しているんですけど…」ってなんか、若干焦りながら聞くと、店員さんは、手際良くお店のパソコンで検索して、レジ近くで待つ僕の所まで漫画をもってきてくれた。
「ありがとうございました。」目を合わせないようにしてしまった…
うん、いかにもな表紙の絵…
はぁ…ため息…
レジでお会計を済ませて、鞄に漫画をしまって足早に家に帰る。
「ただいまー、。今日新しい仕事決まったよー、この前受けたオーディション受かったんだ…」母さんに報告。
「良かったじゃない、あれ?決まった割に元気ないじゃない?」
「あー…そう?脇役うけたんだけどさぁ、何故か主役になった。」
「え⁈すごい☆」って母さんは言う。
「でもさぁ、映画の内容オーディションの前に話したけどBLだからねっまだ読んでないけど、コレだからっ」
今日買ってきた漫画の表紙の絵を母さんに見せる。
「そっかぁ、後で私にも読ませて☆」
って…
自分の息子なのに他人事だよなぁ
「父さんと兄ちゃんには言うなよっ」
「分かったけど、これもお仕事で、沢山のスタッフさん達も関わってくるんだし、責任もってね?頑張って、、」
「そんなの分かってるよ…」
部屋に入ってドアを閉めて、ベットに倒れこんだ。
とりあえず、読んでみよう。
恐る恐る表紙を開く、、
話は、意外にもシリアスで泣けるシーンもあるような内容だった。
けどっやっぱりあるよな、、キスシーン…
恥ずかしいので誰にも話してないけど、、女の子とだってまともに付き合った事もないのに…
ふざけて、楽屋で同性にキスされたりしたことあるけど、、
あぁ…コレを部長とするの?!
部長は、もう知ってるのかなぁ…
映画の内容と相手役…
まぁ当然ながら、僕が女の子的な役柄で、、部長が男的な役柄、、
経験ないし、こういうシーンは部長に任せようっと。
明日も舞台で会うし、帰りにご飯でも一緒に食べに行って話をしよう。
まだ、僕はこの先の苦悩が待ってるなんて思いもしなかった。
翌日、楽屋で部長に聞いてみた。
「部長お疲れ様でした。あの、映画の話し聞きました?」
「あぁ、聞いたよ」
苦笑い気味の部長…
「この後空いてたら、ご飯食べながら話しませんか?」
「おぅ、いいよ、俺も聞きたいことあったし。」
そんな流れでご飯を食べながら映画について話をしようって事になった。
適当なファミレスに入って、メニューを決めて注文する。
「マオは、もう内容とかきいてるのか?俺はまだ決まったくらいしかきいてないぞ。」
と部長。
「僕は、決まったときに原作が漫画であるって聞いたから、本屋さんで探して買ってきたんだよね。あっ一応もって来たから、、部長見てみる?」
「見るの怖えぇな…」って部長…
「僕、本屋さんで買うの恥ずかしかったよ。」
「マオは仕事が早いな、、真面目だしな、見かけによらず、、初めて見たときは、色黒いしギャル男だなって思ったけどっ」
ってニヤリと笑う部長。
「テニスやってたから、、全然ギャル男じゃないしっ」失礼だな、部長、、よっぽど部長のが、モテるだろうし遊んでそうに見えるぞ、って思ったけど口には出さなかった。
漫画をペラペラめくり出す、、部長の手が止まる…
「マジか⁈コレをマオとやるの?コレだよ?」ってラブシーンのページをズイッと僕に近づけて見せた。
「ちょっ、部長、恥ずかしいからっもう閉じよ、もう僕読んだし、持って帰っていいから家で読んでっっ」
恥ずかしくて顔が赤くなる…
「お前はいいよな、、若いから、だって現役高校生だよ、俺なんて…高校卒業して何年たってんだよ、、それがお前と同級生役って、しかも彼氏役…ブッ」って吹き出す部長。
「まぁ彼氏役は、僕もかわらないんですけどね、、何とかなるかなぁ、どうしよう…部長。」
「どうするもなにも、、やるしかないだろ、、腹をくくるしかないな…たしか、前作があるって言ってて、タッキー、滝口が今回も出るって言ってたから、あいつに現場の雰囲気を聞いとくわ」
そんな会話をして、部長に漫画を貸してその日は、家に帰った。
部長と話したら少しだけ安心できた自分がいた。
部長は、背が高くて、胸板も厚いかなりのイケメン、それでいて、気が利いて頼りになるし、、
相手役が部長で良かったかもって思った。
次の舞台の楽屋で部長が僕に話しかけて来た、
「タッキーに聞いたんだけど、現場は何か男子校みたいな雰囲気で明るくて案外普通らしいぞ。」
って、、
話を聞いた周りにいたメンバーが、
「BLやるんだって?何?チューしちゃうの?」なんて、からかってくる…
僕は焦って上手く言葉が出ないでいたら、部長が、、
「俺もマオも真面目な仕事の話をしてんだよっ」ってフォローしてくれた。
「そんなこと言って部長が、マオくんにときめいちゃったりして☆」
っていう返しには、
「まぁお前が相手役なら100%ときめかないけどなっ相手役がお前じゃなくて良かったわ」
ってサラリとかわす。
そんな部長がすごく大人に見えた。
僕も部長みたいになれたらいいのに…
ただ、この時は大人な部長みたいになりたくて、憧れていた存在だった。
16歳でこの世界に飛び込んだ、舞台はとても広く、大きくて、歌もダンスも、演技も初心者な僕は、只々ついて行くのがやっとな感じで、毎回舞台の前は1人で近くの公園で復習をして、不安な気持ちを涙で流して舞台に立っていた。
その日も同じく、1人で公園で復習、涙が流れていた時に、、視線を感じた…
公園の脇道からだ、、
初めは涙で滲んでよく見えなかったけど、アレは多分部長だったと思う。
泣いてる情けない自分を見られたくないって思って、すぐに拭う、、
近づいて話しかけられたらどうしよう、とか、泣いてたのバレた?とか色々考える。
僕は、結構泣き虫だ、学校でもよくからかわれたりした。
舞台のメンバーに言われてからかわれたりしたら…とか、不安になる。
でも、部長は近づいてこなくて、そのまま何も見なかったように通り過ぎて行った。
後から楽屋入ったらつっこまれたり、言われたりするかもしれないなぁ…
何て考えながら、向かった。
楽屋に入ると何事も無かったように、
「ようっ今日も頑張ろうな、油断せずに行こう☆」ってニッと笑って背中をバシってされた。
この人はこういう人なんだよね、、
何か、一緒にいると安心できる。
そんな部長を本当に尊敬していた。
もうすぐ映画の撮影がはじまる、、
部長となら何とかなるかもしれない…
頑張ろうって思った。
撮影当日、舞台のキャラと映画のキャラと使い分けが上手くできるか不安だった。
舞台のキャラは、明るい元気な可愛いキャラ、映画のキャラは正反対に、暗い過去を持つ、神経質なキャラ…
そして舞台と映画は、表現方法も違う。
予想どうりダメだしやNGばかり、、
かなり落ち込んでしまう…
部長は、堂々としてるし、NGも殆どない。
すごいなぁ
何とか一日目の撮影が終了した。
撮影中、泊まる部屋は台本の読み合わせもしやすいだろうって事で部長と同じ部屋になっていた。
その日の夜早速台本の読み合わせをしようと布団を隣どうしにひいた。
「部長、、僕かなり凹んでるんだけど…
NGばかりだし、監督に浜尾くん〜って言われるたびにまたやっちゃったよぉってなるんだよね〜、部長は、なんでいつもそんな堂々とできるの?」
「そりゃお前、歳が違うだろ、、人生経験値もマオよりも上に決まってるだろ。マオと幾つ違うんだっけ?マオ今16?17?俺は、、25だろ?9歳も違うよ…うわっ凹む、、俺17歳の時何してたっけかな、、何も将来の事なんて真剣に考えてなんかなかったな。って事で、俺には時間がないのっこの業界若さも売りだし、だから仕事にはかなりマジモードなんだよ。お前は、若いからいいな、、」
「そんな事、、僕だって真剣だよっそれに部長だって全然若いじゃんか」
「マオが真剣なのは、分かるよ。でも、一つ言いたいのは、お前はもっと自分に自信持った方がいいよ。だってさぁ、そんな整った小さい顔で、イケメン、あんまいねぇよ?でも自信もてとはいったけど、ドヤ顔とかするマオはみたくないけどな」
って笑う部長。
張り詰めてた緊張の糸がほどけた気がした。
「部長ってかっこいいね☆」
僕が言うと、部長は、
「え?何かおごってほしいわけ?」
って茶化した。
「それよりさ、マオ、もう“部長”はやめよう。今は舞台じゃないし、、」
「大ちゃん?でいい?みんな呼んでるし…」
「あぁ、いいよ。じゃあ読み合わせしよう。」
この日から部長から大ちゃんに変わった。
隣で台詞を言う大ちゃんに部長から大ちゃんに変わった事で少しだけ距離が縮まったみたいで、嬉しくてでも何かむず痒い、そんな感じがして、初日疲れで眠気もあって、読み合わせの台詞も何だか頭に入らなくて、僕は段々意識が遠のいて
気づけば夢の中にいた。
- << 114 こんにちは、私はタクミくんシリーズとダイマオが大好きなので拝見させて頂きました。マオのオドオド感や口調やセリフとリアルマオでした。しいていうならマオは結構ドヤ顔しますし大ちゃんもそんなマオのドヤ顔結構好きみたいなのと大ちゃんは結構マオに突っ込まれてるか二人でボケてるので、もう少しそこが入るとより本物に近づくと思います。すみません、知ったような口調で…でも私実は過去に嫌な思いをしていて異性に対して少しマオに似ているんです。彼氏より心の真から信頼できる友達の方が大事で、異性に触られると全身に鳥肌がたって気持ち悪くなってしまいやすいんで、このタクミくんシリーズのマオ見て克服しようと決めた程私に勇気をくれた作品なので思いいれが強く、発言させて頂きました。でも凄くダイマオを理解して好きでいて下さるのが読んでいて伝わってきました。周りに共感者がいなく嬉しかったです、
今、映画の撮影を撮っている、渡辺大輔25歳は高校生の役だったりする。
しかも、BL…ベーコンレタスではない…
ボーイズラブってやつだ。
急に決まって慌ただしくて、わけも分からないままもう現場にいる、そんな感じだ。
相手役のマオも今一緒に舞台をやってる、知っている奴でそれは、ありがたいと思うし、この作品が二作目という事で前の現場からいるタッキーもいてくれるので、現場の雰囲気もわるくない。
でも、正直、この現場で1番歳上の俺が頑張って引っ張っていかなくては、というプレッシャーはかなりあった。
BLなんて世界は、正直ぜんっぜん理解不能だったので、役に感情移入できるのか、かなり不安もあった。
なんとか、撮影初日を終えたけど、部屋は台本の読み合わせが出来るようにと相手役のマオと同じだった。
マオは、弟みたいで仕草や笑顔が可愛い奴で舞台でもみんなに可愛がられているような、中性的な、俺の友達にはいないタイプだ。
みんなに可愛いって言われるのわかる気もする、かなり天然キャラで突っ込みどころ満載でたまにこいつの発言で本当に身体の力が抜けてしまう。
でも、時折見せる男らしさもあり、不思議なオーラを漂わせていた。
一日撮影を終え、寝る前に台本を読み合わせする事になった。
マオは、NGや失敗にかなり落ち込んでる様子だった。
それに、少し不安そうにも見えた。
やっぱ俺がリードしていかないとな、、
台本を読み合わせしてると、途中でバサって音がしてマオの台詞が聞こえなくなった。
横を見ると顔の上に台本が被さっている。
「マオ?」
返事がない…台本を外すと、寝息をたてていた。
台本が顔に落ちても寝てるなんてよほど疲れてるんだろうなぁ、でもそんな無防備なマオを見ていたら少しだけ肩の力が抜けた気がした。
はだけた布団を直してやると、寝返りをうち俺の方を向いた。
長いまつげ…本当顔小さいな、若いし、恵まれてるなぁこいつっ
そんな事を思いながら、電気を消して眠りについた。
>> 8
目の前に部長がいた。舞台の衣装を着ている、テニスラケットを華麗に振りダンスする部長、、
(やっぱり部長は、かっこいいなぁ)
そんな事を考えていた、
部長がテニスラケットを振り下ろした瞬間、目の前が一瞬明るくなり、部長の衣装が水色のブレザーに変わり、髪の色が明るく変わった。
(あっそうか、今映画の撮影…)
フワッと風がふき、だんだん部長の顔が僕の顔に近づいてきた…
ナニコレ…?
「マオっ起きろよ、そろそろ準備しないと撮影始まるからっ 今日はお前先だろ?」
よかった…「夢か…」ボソっとつぶやく、、
「何だよ?ねぼけてるのか?」
「ううん、大丈夫だよっ」
変な夢のせいで、意識して目をそらしてしまった。
そいえば今日、キスシーンあるよね…
うわーどうしようっ
朝食の味があまり分からなかった。
朝からずっとキスシーンの事が頭を離れず、何だか失敗ばかりだ。
僕はこの話の主人公で葉山託生という、過去に影をもつ人と接することが苦手な神経質な役だ。
大ちゃんは、崎義一という全てにおいてパーフェクトなかっこいい男って役。
崎義一ことギイによってだんだん託生が心を開いて変化していくという、ざっと説明するとこんなかんじ。
役の設定もあって、役に入りやすいように僕は周りと多少距離をおいた接し方をしていた。
まぁ話しかけられれば普通にしていたけど自分からはあえて近づかないようにしていた。
でも大ちゃんは、そんな僕を心配してかみんなの輪の中に入れるように話しかけたり、冗談を言ったりして場を和ませてくれたりした。
朝から僕はフリスクばかり口にしていた、だってキスシーンだよ?
「マオー俺にもちょーだいっ、もうすぐキスシーンだからなっみんな見とけよっ俺とマオのラブ☆」
大ちゃんは、場を和ませようとしてくれてるんだと思った。
「もう、やめてよっハイ」フリスクのケースを渡す。
「軽っフリスクほとんどねぇじゃん、朝からそんな食べてたの?」
「だって、、」
そろそろスタンバイしてくださーい、って僕らを呼ぶ声がした。
このシーンは、ギイがタクミ以外に好きな人ができたと勘違いしたタクミが怒ってみんなで楽しくパーティしていた所を立ち去り、追いかけてきたギイにキスされるっていうシーン。
『もうっギイなんて勝手にっ』
ギイの大ちゃんの顔が近づいてきた、思わず恥ずかしくてはにかんでしまった。
「浜尾く〜ん、今のだめ、笑ったら」
監督にダメだし。
「笑うなよ〜、もう、そこで笑うか笑わないかなんだよ、俺は笑わないし、恥ずかしくない。」
大ちゃんにも言われてしまう…
「すいません。もう平気、ぜんっぜん、恥ずかしないよ?普通。」
自分に言い聞かせる。
『もうっギイなんて勝手にすっ』
よし、今度こそって思い気合いをいれた。
結果、気合い入れすぎた…
「外れた。」って大ちゃん。
監督も、「浜尾く〜ん、外れたのもあるし、力入りすぎ、もう来るのが(キスされるのが)わかっちゃってる感じで、口がンってかたくなっちゃってるよ、ここは不意打ちだから、力ぬいて」だって、、
大ちゃんには、
「俺そんな嫌がられることしたっけな〜?」って…
大ちゃんにそれを言われて、少しだけ力が抜けた。
やっと監督のOKがでた。
その後、メイキング映像のインタビューでキスシーンについて聞かれた。
「いや、意外に普通でしたね。全然すんなりできました。」みたいに話す大ちゃんに、全然すんなりいかなかった僕は、恥ずかしさから、強がって、大ちゃんの言葉に食い気味に、「全然普通でした、本当に、ギイとタクミだったんで、普通でした。」って繰り返してしまい、、後で後悔した。
かなり僕、動揺してるじゃんっ
コレ見た人には、バレちゃう、絶対不自然だよね…
やっぱり、大ちゃんは大人で余裕があってかっこいいよ。
それにひきかえ、僕は…
落ち込むなぁ
キスシーンの撮影、、マオは何だかぎこちない、緊張してるんだろう。
そうだよなぁ、まだ17歳だもんなぁ
こんだけ顔が良くてスポーツできれば、彼女いたことくらいありそうな気もするけど、どうなんだろうか?
このぎこちなさや、緊張の仕方…
もしかして、女いたことないんじゃないのか?
もしそうなら、かなり俺、罪悪感なんだけど…
だってファーストキス男でしたってありえねぇだろっっ
そんな事考えながら、歳上の俺がリードして現場の雰囲気作りや、マオのフォローをしてやらないといけないと気合いを入れて、キスシーンに入る。
案の定、マオのNG連発…
まぁしょうがないよな、とりあえずこいつの緊張をほぐしてやらないと前に進めないなぁって、笑いを交えた会話でリラックスさせた。
なんとか監督からOKがもらえた。
キスシーンを終え、メイキング映像のインタビューでキスシーンについて聞かれた。
まぁ仕事と割り切ってたから「全然普通でした。すんなりできました。」って答えた。
マオは、俺の答えに食い気味で、
「僕も普通でした。ギイとタクミなんでできました。」ってずっと繰り返していた。
多分強がってるんだろう、何か、こいつ可愛いわ、強がりたい年頃だよなぁって感じて、改めて歳の差を感じてしまった。
はぁ…何とか今日終わりだよ〜
大ちゃんは、まだ撮りがあるみたい。
撮影終えた僕が帰ろうとすると、まだ撮りがあるメンバーに引きとめられる。
大ちゃんにも、、
「おまえ帰るのかよーうわーっおまえはそういうやつだよな~」って…
なんか、僕はキスシーンからドキドキしてしまって大ちゃんの顔をまともに見られないので先に上がれるのがホッとしていた。
大ちゃんに茶化して、
「ギイ頑張ってね、バイバイ」って手を振って背中から視線を感じたけど宿舎に向かった。
部屋に入ると、なんだか肩に入ってた力が一気に抜けて体が重い…
疲れた、布団に転がる、昨日から布団は敷きっぱなしだった。
思わず、転がった布団、大ちゃんの寝てた布団だった。
ふわっと香るいい匂いに包まれた瞬間、今日のキスシーンを思い出してしまった。
布団から大ちゃんの匂いがする、、
キスしちゃった…大ちゃんと、
くちびるを触ると撮影のときは、パニックであまりわからなかったけど、あの時のキスの感触が蘇ってきた。
恥ずかしくて一人でのたうちまわる僕…
とりあえず、落ち着こう、まだただのキスシーンじゃないか…
明日は、ベッドで戯れるシーンが…
頭を抱えてしまう、、
はぁ…考えてても仕方が無いや、お風呂入って大ちゃん来ちゃう前に寝ちゃおう。
キスシーンの撮影を終えてから、マオはどこかよそよそしくて、あまり目を合わさなくなった。
うーん…撮影意識しすぎてるな、あいつ…
俺の役は、マオを女に脳内変換すればいつもの恋愛模様とさしてかわらないけど、マオの役は女の子扱いされちゃう役なわけで、複雑なのかもしれないな…
今日は、マオは先に撮影現場をでた。
もう、寝てるのだろうか?
少しだけ明日のシーンの話をしたかったけど。
まぁ何とかなるか、、ってかなんとかしなきゃな。
撮影が終わり、宿舎に帰ると相当疲れてたみたいでマオは首にタオルをかけたままでうつ伏せに布団の上に転がっていて、髪も湿ったままだ。
「おい、風邪ひくぞ」
反応がない…
しょうがないなぁ
マオの下敷きになってる布団を引っ張り出そうとするけど引っかかって上手く出せなかった。
仕方なく、少しだけ抱き上げた。
「軽っ、」思ったよりも軽くて驚いた。
女の子みたいに軽いけど、骨張っていてやっぱり男だ。
マオは、その辺にいるすっぴんの女の子よりも肌も綺麗で可愛い顔をしてて、仕草もちょっと女っぽいとこがあるから、舞台のメンバーにもからかわれて、マオとならキスできる〜なんてよくからかわれてキスされそうになっていた。
そんなメンバーを見て、いやいや…でも男だろっありえん…って内心俺は思っていた。
でも、キスシーンを終えてマオを可愛いと少しだけ思ってしまった俺は、舞台メンバーの気持ちが少しだけ分かってしまった。
男だけど、嫌悪感を全く感じなかった。
多分他のやつが腹出して寝てても放置しただろうなって思う。
放置できなかったのは役に多少入っていて抜け出せないからだと自分に言い聞かせた。
マオは布団を掛けてやると、寒かったのか小さく丸まった。
「だいじょうぶ、ふつうに…できた…」
寝言が聞こえて思わず笑ってしまった。
「おまえは頑張ってたよ」
つぶやいてから、シャワーを浴び、布団に入った。
>> 16
翌日、起きると大ちゃんが隣の布団でねむっていた。
あれ?昨日僕はいつ寝ちゃった?
シャワー浴びて、、布団に転がって、そのままだ…
髪も乾かさずに寝てしまった。
鏡をみると…
「うわっ寝癖すごい…」前髪がカブト虫のツノみたい、、ヤバイなこれっ
押さえても押さえてもピョン
突然後ろから影が、
「マオおはよう☆」
「びっくりしたぁおどかさないでよ大ちゃん」
「いやいや、驚くのはこっちだよ、なんだよその頭は」
慌てて髪を押さえる、
「昨日髪を乾かさずに寝ちゃって、こんなになっちゃったよ」
「おまえ俺が帰ってきて声かけたのに全然起きねぇんだもん。布団も掛けずに寝てたからかけといてやったんだからな。あっおまえ寝言言ってたぞ?ママーって」
大ちゃんがイタズラっぽく笑う。
僕は大ちゃんに軽くパンチをして
「布団はありがとうだけど、寝言は嘘でしょ?だって家は“母さん”って呼んでるもん」
って答えた。
「早く用意して、飯食おうぜ、」
「そうだね、寝癖なんとかしなきゃみんなに笑われちゃうよ。」
僕たちは、朝食を食べるために着替えた。
朝食を取り撮影に入る。
始めは大ちゃんとは別々のシーンだ。
正直、キスシーンなどがある大ちゃんとの撮影は恥ずかしさもあって緊張が半端ないし、大ちゃんをギィという映画の人物として自分がタクミという映画の人物として、恋愛として好きにならなきゃならないのでドキドキしてしまう。
だから別々のシーンの方が緊張も少なく、スムーズに撮影が進む気がした。
午後は、大ちゃんとのシーンの撮影に入る。
僕が大ちゃんにベッドで押し倒されて…
なシーン。
はぁ…どうしよう…
お昼ご飯があまり味が分からなかった。
「マオ、食欲ないの?緊張してんじゃねーよっ、お前歯磨きしっかりしとけよっ」
大ちゃんは、余裕な感じ。
僕は歯磨きをいつも以上に頑張ってしまう。
その後もフリスクをずーっと口に含んでいた。
(撮影入りまーす)
ついに来たっ。
覚悟を決めて、撮影に入る。
「浜尾クーン、固いね、固まってる、表情も身体も、もっとうっとりした感じとか、」
監督にやっぱりなダメだし。
「はい、はい、すいません、」
と僕。
「手も背中に回すだけじゃだめだよ、えーっと、弄る感じ?」と監督。
「あっそっかぁ」照れながら思わず言ってしまった一言にクスクス笑がおきた。
監督なんて脱力してしまっていた。
大ちゃんが「可愛いね〜、そうだよなぁまだ17だもんね、俺が17のときなんて…」
ってブツブツ言ってる声が聞こえてきて、うわぁ僕ってガキっぽい?
頑張らなきゃな、、周りの人に迷惑なんてかけられないよって羞恥心を捨てて役に入り込む。
ギィになった大ちゃんに抱きしめられて、甘い言葉を囁かれる、それに応えるタクミになった僕は、抱きしめられる心地よさを少しだけ知ってしまった。
大ちゃんは、僕と違って胸板も厚くて腕も力強い、そんな大ちゃんの腕の中はとても暖かくてドキドキするけど安心できる、そんな不思議な感じがした。
なんか、ヤバイ。
キスを重ねて抱きしめられる、タクミ。
うっとりしかかったところで、OKの合図。
現実に引き戻されると急に恥ずかしくなる。
〔うわー恥ずかしすぎるっもう、顔隠したいよっ〕
大ちゃんから顔を背ける。
はぁなんとか終わった…
って思ったのも束の間、監督が足を絡ませ合う所を撮りたいって…
大ちゃんは、笑いながらこんな感じで?って笑いながら自分の両手を激しく絡ませてる…
「いやいや、そんな激しくなくていいよ」
って監督が笑いながら言うから、場が和む。
大ちゃんありがとう。
「じゃあ撮るよ〜、浜尾くん足の指ピーンとしてね」
監督に言われた通りに足の指を伸ばす。
あれ??何か、変…
「はい、いいよ、OK」
って言われたけども、足が…指が…
「足、つっちゃった…」
って僕が言ったら、笑がおきた。
テヘって笑っといたけど、
はぁ…最後までかっこ悪い僕…凹む。
大ちゃん、いっぱい迷惑かけちゃってごめんなさい。
何とか、このシーンの撮影が終わった。
午後からマオとの絡みのシーンに入る。
案の定マオは固まっている、カメラ待ちもどこを見ていればいいのか視線が泳いだり、ソワソワ若干挙動不審ぎみになっている。
そんなマオが視界に入り、思わず笑いそうになってしまう。
「マオ、まぁ流れに任せれば何とかなるって」
「そうだね。大丈夫、普通にできそう。」
って強がるマオが見ていてなんだか、よくわからないけど、チクンと心を突き刺す。
絡みのシーンが始まる、やっぱマオに監督のダメだしが入る。
監督のダメだしや説明を恥ずかしそうにきいてるマオが監督の言葉に対して、
「そっかぁ」とつぶやく。
何それ⁈もう力抜ける、、思わず、俺は、
「可愛いね〜」なんて言ってしまった。
男に可愛いなんて今までいったことなんてない、初体験をしてしまった。
だって、今までこんなタイプの同性いなかったから、完全調子が狂う…。
そうだよなぁ、俺今まで付き合った彼女も全部年上だし、なんかこなれたサバサバしたタイプの彼女ばかりだったしな。
可愛い、感じの子はいなかったな。
そんなこと考えながら、ブツブツ自分の17歳の頃は〜なんて、つぶやいていた。
監督のマオへの指導も終わり、また撮影が再開される。
マオも今度は役に入りきってる様子で、背中に回された手が積極的だ。
近づく顔を見つめる、まつげ長いなぁ、触れた頬や唇は柔らかくて、髭もまだ幼くて生えてないんだな、とか不覚にも何だか少し変な気分になってしまった。
カットがかかる、最後に足を絡めた感じをとるという。
緊張するマオをなんとか和ませようとしてしまう。
マオは足の指がつってしまったみたいだ。
「足、つっちゃった…」ってはにかむ。
笑いがおきた。可愛いじゃねぇか。
うわー絶対俺今欲求不満だよ…
こんなのありえないわ、、
前の彼女と別れてからどれくらいたった?
なんか、焦る。
よし、撮影が終わったら遊びまくろう。
俺は、今、欲求不満だ。
自分にいい聞かせた。
濃い絡みのシーンは何とか終わって少しだけホッとした。
大ちゃん、何かやっぱ大人だ。
慣れてる感じ、彼女にもあんな感じなのかな?
モテるんだろうなぁ…
大ちゃん、きっと呆れてるかも…慣れてなさすぎな僕に、、
ボーッとそんなことを考えていたら、
「マオっボーッとしてどうしたんだよっ、
次のシーン終わったら今日は、お終いだろ?明日は最終だから頑張ろうな。」
タッキーさんが声をかけてきた。
「うん…、頑張らなきゃ、大ちゃんに迷惑ばっかかけてる気がするから…」
そういう僕に、
「大ちゃんは、迷惑なんて思ってるわけないって、、まだマオは17歳なんだしそこは人生経験値の違いだよ、あと大ちゃんのギイは、いわゆる攻めってやつで女の子役みたいなタクミのマオとは違うんだし、慣れてんだよ。大ちゃんモテるし。」
「そっか…」
そう答えつつも、大ちゃんやっぱモテるんだ、って少しモヤモヤした。
明日は、海辺のキスシーンの撮影だ…、大ちゃんに迷惑かけないように頑張ろう。
部屋に戻ると、大ちゃんが寝てた。
まだお風呂入ってないみたい、洋服のままだ。
とりあえず、起こさず先にお風呂行こう。
部屋にもシャワーはあるけど、大浴場で今日は、湯船に浸かりたいな…
大ちゃんを起こさなかったのは、一緒に大浴場に行く事になったりしたら困るからだ。
だって、今は恋人同士の役で…
何か、意識してしまうし、誰かいてからかわれたらうまくかわせる自信ない。
多分撮影が終われば普通に戻れるけど、今はタクミとギイだから、、
1人大浴場に行き、脱衣所に入ると、もう風呂から上がったタッキーさんが帰るとこだった。
「マオ大ちゃんは?俺大ちゃんとここで風呂一緒に入ろうぜって約束してたけどこなかったからさ。」
「大ちゃん何か疲れてるみたいで寝てた。
起こそうか迷ったけど、置いてきちゃった。」
「そっか。まぁいいや、んじゃ、マオおやすみ。今風呂誰もいないよっ泳げるぜ」
ニッと笑って言うタッキーさん。
「小学生じゃないんだし、泳がないよっ。おやすみなさい。」
大浴場、誰もいなくてホッとした。
湯気の立ち込めるお風呂に浸かって目を閉じる、今日も一日終了…
突然今日のタクミとギイの絡みのシーンが頭に浮かんだ…
絡み合う手、唇、触れる大ちゃんの手の暖かい感触、キスの時に触れた大ちゃんの髭の感触、思い出してしまったら、撮影が終わり少し落ち着いていた心がまたざわめき始めた。
髭…僕全然生えてないなぁ、大ちゃんって男らしいなぁ、かっこいいって言葉が似合う。
僕は、可愛いって言われる事の方がおおいんだよな…言われ慣れすぎて、もう言われても抵抗なくなってる自分が怖いな…
大ちゃんみたいにカッコ良くなりたいな。
1人で湯船で今日を振り返っていると、ガチャって音がした。
振り返ってみると、大ちゃんがいた。
重なる唇から体温が伝わる…
「ギイ…」
「?」
そうだ、今は大輔じゃなくて、ギイだった。
見つめる大きな瞳、長いまつげ、微笑むとできるエクボ、柔らかい頬、今は全てがギイである俺のもの…
すげぇいい気分…
このまま離したくない…そんな中、
パタンっとドアが閉まった音がした。
「ん…?」
夢か…
何なんだ?あの夢…
マオが、、
俺どうかしてるっ
「あっやべぇタッキー…」風呂に一緒に入ろうぜって俺から言ったのに、まだいるかなぁ。
何か、変な夢見ちゃったし、、
マオまだ部屋帰って来てないし、長風呂してきてマオが寝てるくらいに帰れば顔合わせなくていいだろ…
だぁっ!なんっなんだよっ俺…
マオって本当今までにあったことないタイプで調子狂うわ…
とりあえず、風呂いこ…
風呂にタッキーがいるみたいだな。
脱衣所でさっと服を脱ぎガラッとドアを開けた。
立ち込める湯気の中にいたのは、、
マオだった。
「大ちゃん…」
「おぉ、お疲れっ」
そっか…あの夢の中で聞いたドアが閉まる音、マオが部屋を出た音か…
身体を流してマオの隣に座る。
「マオ、帰ったんなら声かけろよ〜」
「ごめんね、何か疲れてるかと思って…」
あんな夢を見た後だし気まずい…
何か、そんな邪な目でマオを、汚してしまったような罪悪感。
マオって本当、純情そうだもんな…
「明日で撮影終るね、何か短かったけど濃い感じだったね、大ちゃんいっぱい迷惑かけてごめんね。次共演大ちゃんとできる時にはもっと成長するから…」
「迷惑なんて思ってねぇよ、でもまた共演できるといいな、ってかまだ舞台あるけどな」
会話をするけど、何か顔がまともに見れない。
まぁマオも同じく、あまりこっちを見ない。
まぁあんなシーン撮影後だしな…
「大ちゃん、僕先に出るねっのぼせてきちゃった」
そう言うと、ザバッと湯船から立ち上がり足を淵にかけようとした。
その瞬間バランスを崩してよろける、
ヤバイっ倒れるっ
思わず俺は、マオを抱きとめ何とか支えた。
「大丈夫か?」
マオの顔を覗きこむと、顔をパッと背けられた。
「大ちゃんごめっ、大丈夫だからっ腕、、」
パッと腕を離す。
「ありがとっじゃあ先に部屋かえるねっ」
マオが慌てたように出て行った…
あービックリした…
マオが倒れそうになったことに?支えた身体の華奢なことに?
なんだかもう訳わかんねぇ…
とりあえず、身体洗って、頭洗って、、頭冷やして、、って何でだよ、自分に突っ込みをしてしまう。
エッ⁈
「大ちゃん…」
嘘でしょ?
どうしよう、入ってくるなんて思わなかった。
裸だよっ
って当たり前だけどさぁ、目のやり場に困るっ
大ちゃんのガッシリした胸板や腹筋が目に飛び込んできて目が泳ぐ…うわぁ
「マオ、帰ってきたなら声かけろよ〜」
っていいながら、身体を流した大ちゃんが僕の隣に座る。
座った時に肩が軽く触れた
それだけの事でドキドキしてしまって、会話してても目が見れなかった。
もうこの空間に堪らなくなって、のぼせてしまいそうだし先に出ようとした。
その瞬間、グラっとバランスを崩して倒れそうになった。
腰に巻いたタオルから手が離せなくて手が前につけず、頭打つかもって時にザバッと水音がした瞬間に身体が支えられていた。
「大丈夫か?」大ちゃんが咄嗟に支えてくれたみたいだった。
二の腕をしっかり捕まえられ、大ちゃんの分厚い胸の前に僕の顔がある状況。
もう、若干パニック。
そこから、イマイチ覚えてない、ありがとうもいったかさえ…
もう、そそくさと着替えを済まして、部屋に早足で帰った。
部屋のドアの前で座り込む。
大ちゃん部屋に帰って来たらどうしようか、絶対変なやつだと思われたよ…
落ち着け、深呼吸だ。
帰って来たら普通に何もなかったように…
できるかなぁ
はぁ…
なんかヤバイな、この雰囲気…
BLプロデューサーが“受け”の役者を選ぶ時は、ノンケでも可愛い、抱きたいと思えるような役者を探すって言ってたっけ?
今は、プロデューサーが言ってる意味が少しだけわかる気がする。
でもこの時の俺は、ただこの仕事が終わればこの今の心のざわつきも消えるだろうって軽く考えていた。
なんだか、マオがいる部屋にすぐ戻れずタッキーに携帯で電話をかけた。
「タッキー?まだ起きてた?ごめんっ部屋で少し寝ててさっき風呂行ったんだけど入れ違いだったかも、今からさぁ部屋に遊びに行ってもいい?」
たまたまタッキーは一人部屋だ。タッキーの部屋で時間を潰してからマオがいる部屋に戻る事にした。
タッキーの部屋に飲み物と軽くつまめる食べ物を差し入れする。
「お疲れ〜、さっき風呂ごめんな、ねちゃってたわ」
「あぁ、俺が出る時にちょうどマオが入って来たからマオに聞いてた、マオと会った?ってか一緒だった?」
とタッキーが何故かニヤニヤ聞いて来た。
「なんだよその笑は?はぁ…マジでからかうのとかやめろよっ、俺はいいけどさぁ、マオがうまくかわせなくて気まずそうにしてるんだよ」
「ごめん、ごめん。でも大ちゃんもマオも大変だよな、結構キスシーンとか多めだし…やっぱ役に入り切ると気にならないもん?」とタッキー。
「んー…?もう女の子だと思ってしてるよ。だって男だと思ってたら感情入らないよな。」
「でもさぁ、大ちゃんはギィの役だから相手を女の子だと思って演じれるけどマオはタクミ役だからどんなんだろうね?」
「だな。」
タッキーが「でもマオって中性的な雰囲気だよな、どっちもいけそう、みたいな?可愛いし、女子が可愛いって騒ぐのわかる気がする」なんて言うから、俺は何故かそれを全力否定したくなった。
「まぁ天然なとこあるけど、あんだけ顔が良きゃ影で女と遊びまくってたりするんだよ、人は見かけによらないし、俺はチャラく見えるけど真面目だしなっ」
ってドヤ顔で言う。
マオと接してみて、遊んでるイメージなんて皆無だったけどなんだか、そんなマオを想像すればこの説明できないような胸のざわつきが鎮まる気がしたから。
もうマオも寝た頃だろうと部屋に戻ることにした。
「タッキーおやすみぃ〜」
タッキーの部屋を後にして、ペタペタと廊下を歩いて自分の部屋に帰る。
ドアの前に着くと何故かドアを開けるのをためらってしまう…
もう寝てるよな…
そっとドアを開けた。
シーンとしていて部屋の電気も常夜灯になっていた。
眠っているであろうマオの顔を覗き込んでみた、長いまつげも伏せていて寝息もある。
本当、整った綺麗な顔してんなぁ…
眺めてたら、なんだかキスしたい衝動にかられていた。
少しずつ顔を近づける… 唇が触れるか触れないか、
理性を取り戻して我に返る。
何した?何してる?俺…
ヤバイな、、もう、寝よ…
バサっと布団を頭までかぶって横になった。
大ちゃんが帰ってきたら普通にしよう、さっきのお礼を言わなきゃと意気込んでいたけど、大ちゃんはなかなか部屋には戻らなかった。
廊下から微かな足音がするたび大ちゃんかもって緊張してたりした。
でもどの足音も大ちゃんじゃなかった。
もうとりあえず布団に入ろう…
目をつむるけどなかなか眠気は来ない、さっきの風呂場での僕の様子を大ちゃんは、不審に思ってたりはしないだろうか、とか明日の撮影最終日の事を考えたりすると眠れなかった。
明日で終わりなんだ…そう思うとさみしいな、また大ちゃんと共演したいなとそんな事を考えていると、ペタペタと廊下から足音が近づいてきて部屋の前で足音が消え、ガチャリと鍵が開く音がした。
ぼーっと考え事したりしていたせいで、大ちゃんに言うお礼や、普通に接するっていう心の準備が出来てなかった僕は、思わず眠ってる振りをしてしまった。
パタンとドアが閉まる。
ペタペタと近づく足音が僕の横で止まった。
大ちゃんが「寝てるか…」そうつぶやいた。
思わず眠ってる振りをしてしまった僕は、当然ながら目を開けられずにいた。
大ちゃんがつぶやいてから目をつむる視界が微かに暗くなると同時にシャンプーの香りがふわっと鼻をくすぐる。
と、すぐに香りが遠のき視界が微かに明るくなった。
バサっと音がした。
大ちゃんが布団に入ったみたいだ。
何が起こっていたのか?
大ちゃんの顔が近づいた事は確かだった。
眠ってる振りをしながらも心臓は、脈打ち大ちゃんに起きてる事を気づかれてしまうんじゃないかと不安になってしまう。
大ちゃんは、何がしたかったんだろうか?
キスしようとしてた?まさかそんな事しないよね。
たぶん、眠ってるか確かめただけだよ。
何のために?その疑問文の答えは考えたくなかった。
ただ今は、大ちゃんに心臓の音が聞こえてしまわないだろうか?動いたら起きてたってバレちゃう?って不安で余計に眠れなかった。
撮影最終日、昨日はやっぱあんまり眠れなかった。
でも今日で終わりだからなんとかがんばれたんだ。
朝、起きたら大ちゃんはもう起きてて「おはよう、昨日さぁ風呂のあとタッキーの部屋で話ししてたから部屋に戻るの遅くなったんだよ、俺戻ったの気づいた?」
って聞かれた。
「おはよ、全然気づかなかったよ?昨日風呂場で助けてくれてありがとう、あのまま顔ぶつけてたら今日の撮影どうなってたのか…考えると怖いよね」
って、思ったより普通にできてた。
朝食をすまして撮影に入る、今日は外の撮影ばかりだ。
それにしても寒すぎる、末端冷え性の僕にはかなりキツイ…
寒いって言葉しか浮かばない。
ペタペタいたるところにホッカイロを貼ってもまだ寒かった。
ロングコートを羽織りながら撮影の始まりを待つんだけど、当然ながら始まれば水色のブレザーだ。
寒色の水色を見ただけでも寒さが増す気がしてしまう。
大ちゃんに、「僕、末端冷え症なんだよね。」無意識に自分の手を触ってみてよと言わんばかりに大ちゃんの前に出してしまうと、大ちゃんの手が僕の手に触れた。
それからたわいない会話もし、撮影がはじまり、無事この場所での撮影も終わった。
昼食を済ませて、午後は、夕方にキスシーンの撮影だ。
夕日を見ながらの撮影、キスシーンはやっぱり緊張してしまう、監督に演技指導してもらいながらの撮影だ。
ギイと見つめ合う、そして唇を重ねる。
あれ?なんか違うぞ?
「反対、違う、顔が反対なの。」大ちゃんに言われてしまう。
キスするときに顔を傾ける方向を間違えたのだ。
大ちゃんと同じ方向に傾けてしまった…
「それじゃあ鼻がぶつかるから、だから練習しとけっていったべよ」と言われてしまった。
あぁ、なんか情けないな僕。
監督にも何度か注意を受けつつも本番が始まる。
ギイと見つめ合う、少し身体を寄せてゆっくりと唇を重ねる。
心臓が飛び出そうなくらいドキドキしていた。
『カット』の声が聞こえてきた。
けれど大ちゃんは、動かなくてキスしたまんまだ。大ちゃん気づいてないのかな?
僕もなかなか動けずにいた。
『オッケー』の声が聞こえて、どうしようって思って思い切って自分から唇を引き離した。
息が苦しかった、、
息するの忘れてたっ
でもそんな事バレたらまた大ちゃんにからかわれちゃうかもしれないから、バレないようにさっと立ち上がると大ちゃんから離れた。
やっぱり練習しなきゃ演技にも響くんだなって実感。
大ちゃんは、慣れてる感じだったからきっと数をこなしてきてるんだろう。
僕も大ちゃんみたいになりたい、その時の僕はまだ自分の気持ちに気づいていなかったんだ。
撮影最終日の朝、昨日の俺の行動をマオに気づかれてはいないだろうかと気になっていた。
タッキーの部屋に行っていたと説明をし、「俺帰ってきたの気づいた?」
何気なく確認する。
マオは寝てたみたいだ。
「全然きづかなかったよ。」って言葉を聞きホッとした。
朝食を済まして、撮影に入る。
風が強く寒かった。
撮影の合間にもメイキング用ねカメラが入っているから気が抜けない。
マオと待ちの間に雑談していると、マオが「僕末端冷え性なんだよね、ほら?」って手を差し出す。
ちょっと待てよ⁈コレカメラが回ってんのわかってやってる?
合コンの時に女の子にされた事あったっけ?いかにもボディタッチしたいみたいな下心が見えるやつ…
でも見つめるマオのくもりのない瞳は、、
多分何も考えてないやつだな、うん。
天然だ、こいつは。
指先をそっと触ると、確かに冷んやり冷たい、俺が触った指先を口元と頬にもっていく仕草も可愛い。
可愛いぞ…ヤバイなんだ、本当調子狂うからやめてくれ。
夕方、最後はキスシーンの撮影にはいる。
夕日をバックにタクミとギイは、唇を重ね合わせる。
台本には、淡々と書かれているだけだけど実際は、どの角度でカメラがどう入るか、長さ、細かいところも監督と話し合いしながらの撮影だ。
とりあえず、まずやってみようということらしい。
オレンジ色の夕日が眩しくてキラキラしていた。
タクミとギイが見つめ合う、寄り添う、近づく唇…
ん⁈オイオイっ
思わず、「違う、顔反対」とマオに伝える。
マオは俺と同じ方向に顔を傾けていた。
これギャグ?もう…力抜ける…
マオに「だから練習しとけっていったべよ…」って言うと、マオは、やっちゃったっみたいな顔して「すいません、すいません。」って謝る。
もう…マジでっ勘弁しろよっ
今まで付き合った女でもそんな間違いがいをする子にあったこともないわっ。
17歳、最強だぜ。
気を取り直して本番。
キラキラ輝いてる夕日が2人を包み込む。
見つめ合う、身体を寄せ合い、ゆっくりと顔を近づけて、重なる唇、、
なんだか心地よくて、このまま時が止まればいいのに…そんな気分になっていて、監督のカットがかかっても唇を離せずにいた。
「オッケーオッケー」の言葉が聞こえ、マオがパッと唇を離してサッと立ち上がる。
撮影が終わってしまっても、胸のざわめきもモヤモヤした気分もおさまらない日々がしばらくつづいた。
多分、俺はこの時からマオの事が…
この映画の撮影が終了して、どうにもならないこの気分に蓋をするように、頻繁に飲み会などに参加するようになっていた。
適当に飲んで、騒いでとりあえず自分に近づく女と適当に付き合って、「彼女」を作った。
映画撮影が終わり、けど舞台は続いていて、大ちゃんとは顔を合わせる事も多かった。
けれど未成年な僕と大人な大ちゃんでは、遊ぶ内容だって違う、大ちゃんは成人組のグループと良く飲み会に行ってるみたいだった。
いわゆる合コンってやつだろう。
僕は僕で、違う舞台が決まっていたり、忙しいかった。大ちゃんとは、舞台裏や楽屋で絡むことはあっても一緒に遊びにいくということもなかった。
そんななか、噂で大ちゃんに彼女が出来たらしいという事を知った。
聞いた時には、何故だかチクリと胸が痛んでなんとも言い難い苦しさを感じる自分がいた。
その時僕は、舞台で共演している女の子に付き合って欲しいと言われていた。映画撮影の時に大ちゃんに言われた「練習しとけ」っていう言葉もずーっと引っかかっていて、“大ちゃんに彼女が出来た”って聞くまでは迷いがあったけれど、その噂を耳にした後、迷いが断ち切れて、とりあえず付き合ってみようと思った。
そして、僕にも「彼女」ができた。
彼女は可愛かったし、スタイルもよくて周りの友達にも羨ましがられていた。
何と無く付き合い始めたけど、それなりに楽しくて、付き合うってこんなものかって感じだった。
キスもして、その先も…
彼女は、初めてじゃないっぽかった。
でも何と無く付き合い始めてしまった僕には罪悪感が薄れるのでその方が都合がいいと思った。
何度もキスをして、、その度に練習になってるかな?って大ちゃんのキスを思い出している自分がいた。
大ちゃんも彼女とキスしたりしてるのかな?あの時に僕にしたみたいなキスを…
マオと一緒の舞台も千秋楽を迎えようとしていた頃、噂でマオに彼女ができた事を知った。
聞いた時は、信じたくないようなモヤモヤした気分にとらわれた。
でも、俺にも彼女はいてそれなりに彼女との時間を楽しんでいたりもした。
マオが幸せならそれでいいと思っていた。
でも仲間から俺が聞くマオの「彼女」の噂は、あまりいいものではなくて、俺の仲間とも繋がりのある奴が多くて、いわゆるイケメン好きな肉食系女子って感じだった。
その噂を耳にしてから、マオの事が気になっていて久しぶりにマオと飯でも食べにいく事にした。
「マオ、今日はこの後あいてる?」
……少し間があいた、、もしかしてデートとか?若干不安がよぎった。
「う、うん。予定あったけど、、何とかするよ。大ちゃんとご飯とか久しぶりだもんね。」
ってマオが答えた後、ちょっと電話してくるってその場を離れた。
「マオ、この後空いてる?飯でもいかねぇ?」
大ちゃんに言われた。
この後、実は彼女と約束していた。
でも、大ちゃんが誘ってくれたことが嬉しくて彼女との約束をキャンセルする方を選んだ。
彼女に電話をかける。
「ごめんね、今日急に大ちゃんたちとご飯食べに行く事になったから、今日は無理かも、会えない…」
彼女は不満そうだ。
本当は大ちゃんと2人だけなのに、何故か“たち”と言っていた。
「ごめん、また埋め合わせするからっちょっと急ぐから切るね。」
大ちゃんにまだ彼女できた事報告してない…
でも、大ちゃんからも彼女ができたこと聞いてないから、今日報告会みたいな?だから誘ってくれたのかな?
大ちゃん彼女の話をするのかな…
大ちゃんと久々にご飯食べに行く事は嬉しかったけど、大ちゃんの彼女の話あまり聞きたくないかも…何でだろう。
映画撮影が終わってからもずっとあるモヤモヤした気持ちがまた少し膨らんだ。
遡る数日前、俳優なかまの古川雄大との何気ない会話の中で衝撃を受けていた。
「しってる?大ちゃん、この前噂で聞いたんだけどさぁ、まお、彼女できたんだって。」
「え?まお?聞いてねぇ…」
「そうなの?まお、大ちゃんに懐いてるからきいてるのかと思ってた…話したらまずかったかなぁ…俺も本人からきいたわけじゃないよ?」
「ふ〜ん…、まぁいいんじゃね?あの容姿なら女から言い寄ってくるだろ。」
「でもさぁ、、相手がね…」
「は?何かあるのか?」
「いや、可愛くて、スタイルもすっごいらしいよ?」っと雄大はジェスチャーでくびれを再現しながらニヤニヤしていた。
「何ニヤついてんだよ…」
「いやさ、とうとう、まおくんも喰われちゃったかって思ってさ。」
「そういう言い方すんなよ、別にいいだろ、好き同士仲良くしてんだろ?」
「まぁね、、でもさぁ、俺色々聞いちゃったんだよね…知りたい?」
「なんだよ、言えよっ」
「俺のさぁ友達の友達みたいだよ?」
「別にいいじゃねぇか、そんなん。」
「だからぁ、友達っていうのは…あの、夜の友達的な?」
「オイオイ、それマジ?シャレになんねぇわ…だって、まお、、それ知ってるわけねぇよな…」
「だよね、」
「マジかよ…」
「ショック?」
「え?そりゃあ弟みたいなもんだし…はぁ…」
弟?だよな…
なんだろう、このチクチクした胸の痛みとざわつき、まおが心配だ。
「大ちゃん?ちょっとあんま広めないでね。」
「あぁ、わかってるよ。」
俺は、この話を聞いてから毎日落ち着かない日々を過ごしていた。
無意識にまおを目で追ってしまっていて、目が合うと軽く微笑むまおにハッとさせられた。
久しぶりにマオを食事に誘ってみる事を決意した。
自分でも何の為に?とか考えてもよくわからなくて、マオの口から「彼女」の話を聞くのが嫌だと思っている自分がいたのは確かだった。
マオと久々に夕飯を食べる事になった。
正確に言えばマオと2人で夕飯を食べにいくのは久しぶりだ。
舞台仲間何人かで夕飯を食べる時一緒だったことは何回かあった、でもやっぱ年齢が離れていることもあってか、同年代で座る事が多いし、席が隣同士になる事はなかった。
なので、会話らしい会話は正直映画撮影が終わってからはしていなかった。
というか、映画の人物ギイの役に入りすぎていたためタクミ役のマオに対しても感情が入りすぎてるんじゃないか?と思うところがあってなるべく距離をおいていた。
マオに彼女ができたときいた時もけっこう動揺していた自分にも戸惑った。
更に、彼女の人物像を知った時、マオがもしかしたら傷つけられてしまうんじゃないか?という思いであの時、蓋をした自分のざわめく想いが日に日に増していった。
マオを夕飯に誘った時も彼女との約束があったみたいだ。
でもマオは迷う事なく俺の誘いを優先した。
そのマオの行動に心地よい優越感みたいなものを感じていた。
今日は冷えるな…とか当たり障りない会話をしながら二人で歩いて道を進む。
「居酒屋でもいいか?ちょっと俺飲みたい気分なんだよ。」マオに言うと、
「うん、いいよ。まだ〈俺は〉飲めないけど、居酒屋メニュー好きだよ。」
っていうマオの言葉に違和感を感じた。
いつも〈僕〉だったのが〈俺〉に変わっていた。
違和感を感じたのにでもあえて触れる事は出来ない自分がいた。
居酒屋に着くと、半個室になっている右奥の席に通される。
居酒屋とあってか、席に着くまでの間に2グループぐらい合コンをしているようで少し騒がしかった。
「ちょっとうるさいな、合コンやってるわ」
「そうだね、俺合コンとか行ったことない。楽しいの?だって初めて会う人とそこまで打ち解けられる自信ないなぁ…人見知りだし。」
「あー…まぁ楽しいよ?ワイワイした感じで。めんどくさいときもあるけどな。タバコいい?」
一応マオは未成年だし、タバコの臭いが好きではなさそうだから聞いてみる。
「いいよ〜、別に確認しないでよ。」
近くの席からは、合コンで盛り上がってるだろう声が聞こえてくる。
「大ちゃん最近は合コン行ってないの?」
マオがどこで聞いたのかわからないけど、映画撮影後に俺が合コンに頻繁に行っていたことを知ってるみたいだった。
彼女ができた事をマオに話していなかった。マオは知ってるのか?
「あぁ、最近は行ってないよ。一応彼女できたしな。」
「彼女できたしな。」
意外とサラッと伝えられた。
そのタイミングで初めに頼んだ生ビールとマオの頼んだオレンジジュースがきた。
「お待たせしました〜」
とりあえず、ツマミなど料理を注文しよう。
「まお何食べたい?俺は酒飲むし、ツマミ頼むけど…お前は好きなもん頼んでいいぞ」
「うん。じゃあ俺は…お腹空いてるし唐揚げと…チャーハンにする。」
店員に料理を注文し終えると、まおがふいに…
「大ちゃん、俺もね、彼女できたんだ。」
と言った。
まおに彼女の話を聞こうと思って2人で来たのに、本人からその事実を告げられると動揺している自分に驚いた。
「あ…そっか、まぁ実は噂では聞いてたよ。雄大から聞いた。まぁ雄大も噂で聞いたって言ってたし、まおから聞いたわけじゃないって言ってたけどな。
とりあえず、おめでとさん。」
「へへっ、ありがと」
はにかんで笑うまおを眺めながら、彼女の前でもこんな顔をこいつはするんだろうか?など考えていた。
「大ちゃんの彼女はどんな人?」
と、まおが言った。
「うーん…まぁ綺麗だよ。めんどくさいとこもあるけどな、ヤキモチとか。普通だよ、普通…」
好きは好きで付き合ってはいるけどそこまで思い入れて付き合ってるわけでもなくて、だから答えも適当になってしまう。
最低だな俺。
「そういうまおはどうなんだよ?彼女スタイルいいって雄大が言ってたぞ。」
少し茶化して言ったもののまおの口から彼女に対しての愛情語りを聞きたくない俺がいた。
「え?そんな噂たってるの?嫌だなぁ…まぁ可愛いし、明るくて積極的な感じだよ。
俺が引っ張られてるような感じかも…」
ふふっとまおが笑う。
やっぱ、一人称は「僕」から「俺」に変わったようだ。
彼女の影響なんだろうか?
「お待たせしましたぁ」
頼んだ料理とつまみが並ぶ。
「いただきます。」とまおはお行儀よく口のまえではしを持った手を合わせた。
「唐揚げ大ちゃんも食べる?」
「あぁ、食う。」
何だか空気がぎこちない。
「でも、大ちゃんの彼女は幸せ者だよね、こんなかっこいい人が彼氏なんて…でも大ちゃんモテそうだから彼女心配なんだろうなぁ〜」とまおが唐揚げを口に運びながら俺に視線を送る。
「何言ってんだよっ俺お前が言うほどモテないし…お前のがモテるだろうがっ彼女も苦労するな(笑)」
俺は頼んだビールとつまみを口に含む。
正直味があまりわからない。
まおは、彼女とうまくいっている様子だ。
雄大から聞いた噂をまおに言うべきか、俺から知ったまおはどんな表情をうかべるのか、照れながら彼女の事を俺に話したまおの顔を思い出して、今言うべきではないなと思った。
そこからは、お互い彼女の話にこだわる事なく仕事の話に切り替わり、お互いの仕事の姿勢について語り合ったり、また、まおは俺の話す話に興味深い視線をおくりながら相槌をしたり、頷いたりしていた。
少し離れた合コングループが時間がたって打ち解けてきたのか、かなり盛り上がってる様子だった。
「すごいねぇ、合コンってテンション高いね(笑)大ちゃんもあんな感じで盛り上げ役?」
と聞こえてくる盛り上げ役であろう男の声にまおが反応する。
「まぁね、時と場合によるな。盛り上げ役に徹する時もあれば、そりゃタイプの子がいれば…ね?」
そんな会話をしていると、合コングループからコールが聞こえた。
『“マイちゃん”の、ちょっといいとこ見てみたい〜♪』
そのコールの声にまおが怪訝な表情を浮かべていたのに気付いた。
ボソっと「まさかね…」とつぶやく。
「ちょっとトイレ行ってくる。」
と席を立った。
トイレに行くまおを見ているとトイレに向かう道順にあるさっきコールが聞こえた合コングループの席を気にしてチラリと覗くまおが見えた。
チラリと覗いたまおの目は、驚いてた、口に手を当てながらトイレにまおが向かうのが見えた。
ピンときた俺は、まおにまだ聞いていなかった彼女の名前を雄大に聞く為に雄大にメールを送る。
“まおの彼女の名前教えて”
すぐにメールは返ってきた。
“マイ”
やっぱな…
“マイ”の名前をまおとやっていた舞台の名前と共に携帯で画像検索すると…
グラビア画像が画面に複数表示された。
まおが今度は合コングループの席から顔を背けるように戻るのが見えた。
俺も席を立った。まおと入れ違うように立つ俺にまおは、「?」な顔をしたので
「俺もトイレ」
という。
合コングループの席を何気にチラリと覗くと画像検索して見た“マイ”がいた。
ビンゴ。
サクサク歩いてトイレから戻る。
まおは、何事もないようにしているように見えた。
パクパクと口にチャーハンと唐揚げを口に運んでは飲み込み、食べるスピードが早くなっていたと思う。
「大ちゃん、もっと飲みたい?俺食べ終わったし、違う店にいかない?」
とまおが提案してきた。
「あぁ、いいよ、でよっか。」
2人で会計まで歩く道順にある合コングループは、まだ盛り上がってるようで俺たちが通るのも気にしない感じで盛り上がっていたので“マイ”は気づいてないだろう。
チラリと覗くと男女互い違いに席替えされ、“マイ”は隣の男にボディタッチしているのが見えた。
俺はそれを見たけど、まおは見てないだろう、まおは見ないように視線を外していた。
会計につくと、財布を出そうとしたまおに、「お前はいいよ、今日誘ったの俺だし奢るよ。」
と会計を済ませた。
「ありがとう。大ちゃん。」ふふっと笑うまおが少しさみしげな顔をしていた。
だよなぁ、彼女がアレだし…そりゃ凹むだろ…
店を出ると…
「次どこ行く?大ちゃん。」とまおが言った。
「俺の家にする?」その方がまおから彼女の話を切り出してくれるのではないだろうかという思いがあったからだ。
「え?いいの?大ちゃんの家始めて行くなぁ、じゃあコンビニでお菓子とか買ってっていい?」少しはしゃぐまおが可愛かった。
「またお菓子食うのか?俺が高校生の頃は隠れて友達の家で酒飲んでたりだな…」と言うと、
「大ちゃん不良だね〜」
とまおに言葉を遮られた。
多分まおは、この業界にこの歳で入った故に同年代の同性とちょっとした悪さをする暇さえなかったんだろうなと思う。
「もう結構遅めだし一応親に連絡入れとけよ。」と言うと。
少し離れた場所で家に電話をかける。
「うん、うん、大ちゃんの家。え?みんないるよ。まぁ終電では帰るよ。鍵もってるし、先に寝てていいよ。はい、大丈夫、」
電話を終えたまおが戻ってきた。
電車に乗り、俺の家の最寄り駅に移動する。
電車は混んでいた。細いまおがつぶされないようにさりげなく腕でガードしていた。
こいつ、女じゃないぞ?って自分でも守りたくなる衝動に疑問だ。
何か放っておけない危うさをまおから感じる、そう思うのは俺だけなのかな?
そんな事を考えている間に駅に到着。
俺の家に歩くまでにコンビニがあるのでそこで色々調達することにした。
「俺まだ飲みたいから酒とつまみ買うわ、まおも欲しいもんあったらカゴ入れろよ。」
「うん。コレと、コレと…これもっ」
「ってお前全部お菓子じゃねぇか…アイスまであるし…まぁいいけどっ、飲み物水しかないから飲み物も入れろよ。」
「じゃあ、コレ☆」とまおが入れたのは、パックのいちごミルクだった。
脱力…選ぶもんも女子並みだな…。
会見を済ませる。
「大ちゃんありがとう。」
「いいよー、その代わり家まで買ったやつ持ってけよ〜」
まぁ女の子なら荷物も俺が持つところだけど、まおは男だ。
「大ちゃんの家どんなだろうっ、何か片付いてそうだよね。大ちゃんよく台本とか置く時もきっちり揃えたりするし。」
「そんなでもないぞ、まぁ人呼べる程度にはなってるかな」
彼女ができる前は、忙しいのを理由に片付けも対して気にしてなかったから男の一人暮らしってかんじの汚さだったけど、家に彼女が来るようになるとそれなりに片付けはするようになっていた。
話をしながら歩いているといつも帰る時間よりも短く感じてしまうから不思議だ。
鍵を開けて、ドアを開けてまおを招き入れる。
「どうぞ。」「おじゃましまーす。わぁ、大ちゃんの部屋だ。」ふふっと笑いながら言うまおに、心の中で俺の部屋じゃなかったら誰の部屋なんだよっと思わずつっこんでしまう。
「まぁ座れよ。俺グラスとってくるわ」
「何か、一人暮らしって大人な感じだねぇ」
とまお。
グラスにビールを注ぎながらまおの前に座る。
「まおはさ、彼女と舞台で知り合ったんだっけ?積極的って言ってたから、向こうから付き合ってとかいわれたの?」
「うん…」なんだかあまり彼女の話題には触れて欲しくなさそうだな。
そう思ってた矢先、まおがポツリと話し始めた。
彼女と会う約束をしている日だった。
でも、大ちゃんが食事に誘ってくれた。
単純に嬉しくて、直ぐに彼女になんて断ろうか?って言葉が浮かぶ。
大ちゃんには、行く事を伝えて彼女に断る為に電話をかけた。
「ごめん、今日行けない。大ちゃん達とご飯に行く事になったし、何時になるかもわからないから、だから…」
「えぇ?なんなのそれっ前から約束してたのにっ」と彼女。
「今度埋め合わせするから、ごめん。」
「もう、いいっ」怒って電話を切られてしまった。
でも、不思議とまぁいっか、と思っていた。
大ちゃんが居酒屋に行きたいって事で居酒屋に行く事になった。
久しぶりに大ちゃんとゆっくり話ができるのが嬉しかった。
居酒屋に入ると、合コンしているグループがいて盛り上がっている。
合コングループの横を通り、席に通された。
大ちゃんも合コンしているって噂で聞いてたから、こんな感じで大ちゃんも参加してるんだって思った。
知っていたけど…大ちゃんが
「彼女できた」って。
サラリと言われて、どうしよなんて言おうと動揺していたら頼んだ品が届いて会話が遮られた。
「お待たせしましたぁ」
店員が去ると、何故か
「俺も彼女できたんだ。」って言葉が出ていた。
そこからは、お互いの彼女の話しを少しして、何故かお互い褒め合うという少し痛い会話をしていた。
話が仕事の話に変わり、大ちゃんの話に耳を傾けて聞いていた所で合コングループのコールが聞こえてきた。
「“マイ”ちゃんのちょっといいとこみてみたいっ♪」ん?“マイ”?
彼女と同じ名前だ。「まさかね」思わずつぶやき、気になったのでトイレに行くふりをしてチラリと覗く。
そこには楽しそうに合コンに参加する彼女の姿があった。びっくりした、こんな事ってあるんだ。
鉢合わせするとかいう間抜けな事はしたくないと思った。
食べるスピードをあげて、早く出られるように大ちゃんに、違う店に移動しないかと提案すると、大ちゃんはまだそんなに飲んでもいないのにあっさりといいよと答えてくれた事にホッとした。
会計に向かう途中、合コングループの前の道をとおるときに不自然に避けるように通ってしまった。
大ちゃんに変に思われたかも…
そう思いながら、会計を済ませた。
大ちゃんがおごってくれた。
店を出たところで大ちゃんに、
「次どうする?」
と聞くと大ちゃんは、俺の家に行こうと提案してくれた。
大ちゃんにまた少し近づけた気がして嬉しかった。
雄大は、大ちゃんと仲がいいので大ちゃんの家によくいったりしているみたいだった。
それが羨ましかったんだ。
電車に揺られて大ちゃんの家に向かう。
電車の中でも大ちゃんは俺が潰されないように腕で支えていた。大ちゃんらしい、無意識にしちゃうんだろうな。
そして彼女にもしてあげてるんだろうな…って思って、なぜか少し切なくなった。
駅につき、大ちゃんの家の近くのコンビニに寄ってから大ちゃんの家に向かう。
家までの道を歩きながら空を見上げると建物の隙間から見える空に綺麗な月が見えた。
月を見て横を見ると、大ちゃんの綺麗な横顔が見えた。
大ちゃんの家に着き部屋に通された。
荷物を片付けてグラスを用意する大ちゃんがなんだかすごく大人に見える。
俺の前に座った大ちゃんが俺と彼女との馴れ初めを聞いて来た。
俺は、大ちゃんに聞かれるまで彼女の事を忘れていた自分に驚いた。
彼女が合コンに参加していた事に驚いたもののそれほどショックは受けていなかった。
俺が彼女との事を聞くと、まおは大きな目をさらに少しだけ大きくして戸惑いながら話し出した。
「うん。ずっと付き合おうよって言われてて…言われた時も別に付き合ってる子もいなかったし、でも好きなわけじゃないから迷ってた。好きにさせるからって言われて、どうしよう…って思ってた時に大ちゃんに彼女ができたって聞いたから…」
ん?なんでそこで俺が関係してくるんだよ…
「俺に彼女できたからって…」
と話し始めたらまおに遮られた。
「大ちゃんに彼女できたって聞いたら、映画撮影の時に大ちゃんに言われた“練習しとけ”って言葉が頭に浮かんで…練習しなきゃって思って…」
マジか…そんなん練習しとけなんて深く考えて話してないぞ、俺のせいか…
はぁ…
なんだか脱力してうな垂れてため息が出た。
「大ちゃん??俺ね、でも少しだけ罪悪感感じてたんだよ、彼女に…好きで付き合ったわけじゃないし、でも彼女は俺に好きって感情をぶつけてくるし、だから…
罪悪感がね、、
でも今日ね、少しだけ罪悪感軽くなったかも。」
なんとなくその訳は分かったけどあえて聞いた。
「なんで?」
「……うん、大ちゃん絶対引くよ…あーどうしよう、言おうかな?どうしよ、まぁいいや、大ちゃんだから、、居酒屋でさ、合コングループいたでしょ?そこにさ、俺の彼女がいたんだよね。向こうは俺に気づいてないかもしれないけど…、本当びっくりしたし、こんなドラマみたいな展開あるっ?て…笑っちゃうでしょ?」
とまおが苦笑いを浮かべた。
「カッコ悪いから内緒にしてね。女子って怖っ」
とまおは付け加えた。
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