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産んでくれてありがとう☆『愛より』(ノンフィクション)

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愛( 30代 ♀ Mmp1xe )
10/09/27 03:15(更新日時)

ある日の個人産院。


「臍の緒首に巻き付き、骨盤狭くて出られなく、赤ちゃんの頭が曲がってきてるので帝王切開します。」


陣痛が弱いまま局部麻酔。

「…あれっ。お母さん昨日お酒のんだ?麻酔の効きが悪い…。」


「いぃえ。私お酒なんかのんでません。アルコール私苦手で…。」


麻酔が効くまで待った。


「お母さん、ココ感覚ありますか?」

「あります。」


さらに麻酔。


「お母さん、これ以上麻酔できない!赤ちゃん弱って来てるから!私の手をおもいっきり握って!頑張ってよ!お母さんっ!!」


「ーっ!!!」
「痛ぁいぃーっっ!!!!」


あたしが産声をあげた。

No.1378746 10/07/25 02:09(スレ作成日時)

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No.1 10/07/25 02:19
愛 ( Mmp1xe )

2550g。


「名前は美由紀だな」

「そうね」


いとこが喜び走り回っている。
「看護婦さん!愛ちゃん産まれたしょ!どこ見せてー!」

「ん?赤ちゃんの名前、愛ちゃんっていうの?可愛いわね。」

「うんっっ!」


ベッドの枕元に「愛」と記載。

No.2 10/07/25 02:28
愛 ( Mmp1xe )

痛む身体をひきずりながら赤ちゃんを見に行った。


「ん!?」


そこには命名『愛』と記載してある。


「主人が変えたのかしら?愛ちゃんか。可愛いわね。」


父が面会に来た。

「あなた、『愛ちゃん』にしたのね。可愛いじゃなぃ。良い名前ね。」

「えっ。『美由紀』だろ?」

「…えっ。『愛』って書いてるけど…。」

「!?」


そして事の成り行きが判明した。

No.3 10/07/25 02:35
愛 ( Mmp1xe )

叔父が病室へ来た。


「うちの子とこの前遊びながら考えてた名前だったんだょー。ごめんごめんっ。」


そして父。


「いや…まてよ…。『愛』って可愛いぞ!『愛』にしよう!」

「そうね。『愛ちゃん。』可愛い!気に入ったわ!」


こうして出生届には
今のあたしの名前が書かれ、提出された。

No.4 10/07/25 02:42
愛 ( Mmp1xe )

父とお風呂に入るたびに泣くあたし。


「きっと赤ちゃんはママの方がいいのね。」


そう思っている母…。


進みゆく悲劇が幕を開けているのにも知らずに…。

No.5 10/07/25 02:56
愛 ( Mmp1xe )

あたし4歳。


お母さんとお父さんが喧嘩している。


「俺は子供が嫌いだ!何故おろさなかった!」

「なんでそんな事言うの!あなた最低すぎるわ!」


意味もわからず2人を怖がるあたし。
『喧嘩しないでょ』と泣きじゃくった。


あたしは ニコニコしてるお母さんが何より好き。


「お母さん、いっぱい笑って…お願い…」


でも、お父さんもお母さんもいつも怒鳴りあう。
いつもいつも…

No.6 10/07/25 03:05
愛 ( Mmp1xe )

お母さんがニコニコいてくれないのは、あたしが赤ちゃんじゃないからかなぁ。
お母さんに赤ちゃん出来たらニコニコいてくれるかなぁ。


そぅ考えたあたし。



「お母さん!あたし可愛いぃ妹が欲しい!ねー、お母さん!神様にお願いしたら赤ちゃん連れて来てくれるかなぁ。」


あたしは神棚に毎日手を合わせた。


「『パンパンッ(手を叩き)』どぅか可愛い女の子の赤ちゃんがうちに来てくれますように。」


そんなあたしを父は睨みつけている。


怖くなんかないっ。


だって、もぅ慣れているから…。

No.7 10/07/25 03:22
愛 ( Mmp1xe )

お祈りしても赤ちゃんが全然来てくれない。


あたしが悪い子だからかなぁ。




今日は父とお風呂の日。


「愛ね、お母さんとお風呂入りたい!ねー、お母さん!」


あたしは力いっぱい甘える。


「愛ちゃん良い子だから今日はお父さんと入ってね。」


そう笑いかけてくれるお母さんに、あたしは良い子になる。


「うん。わかった。愛、良い子だから。」



そうしてあたしは慣れているお風呂に入った。

でも…
自然と足がすくむ。

心臓が壊れちゃぅくらぃ音がする。

息が苦しい。

身体がふるえる…。



「愛、早くおいで!」


父は今日も不気味な笑みであたしの腕を引っ張った。

No.8 10/07/25 03:38
愛 ( Mmp1xe )

沸かすタイプのお風呂。

いつもは お母さんが、
たくさん掻き混ぜてあたしにお湯をかけてくれる。



今日はお父さん…。


「怖ぃ…」


あたしは
ふるえが止まらなくなってきた。



「愛!さっさと座れっ!」


髪の毛を引っ張られた。


座ったあたしに、
掻き混ぜていない上の方のお湯をおもいっきり頭からぶっかけた。


「ぎゃぁぁぁっ!!」


みるみる赤くなるあたしの身体。

休む暇なくあたしにお湯をかける父。



息が出来なくてむせ返る。


肩が痛い。

太ももが痛い。

頭皮が痛い…。



「うるせぃなイヒヒヒヒッ!愛!!黙ってろこの野郎!!」



シャンプーが目にも頭にもしみる。


父とのお風呂は 火傷がたえなかった。

No.9 10/07/25 03:46
愛 ( Mmp1xe )

お風呂からあがったあたしは 全身真っ赤。

小さく皮がめくれてる場所もいくつかある。

泣きじゃくるあたし。


「愛ぃ、気持ち良かった?ほーんとっ、愛は
お父さんよりお母さんがいぃのね。」


笑顔の母。


泣きじゃくるあたし。


どぅして火傷してるあたしに気づかずに、母はニコニコしているのかは、
あとで知る事になった…。

No.10 10/07/25 03:57
愛 ( Mmp1xe )

あたし5歳。


神様がうちに赤ちゃんを運んで来てくれた。



「あたし、お姉ちゃん??
ねー、あたしお姉ちゃんなの??」


「そうね。もうじきお姉ちゃんね。愛は毎日神様にお祈りしていたものね。良い子だからお願いきいてくれたのね。」


「ねー、お母さん、女の子ぉ?」


「わからないわね。でもきっと、可愛い赤ちゃんょ!良かったわね愛。」



嬉しかった。
お母さんが今よりもっとニコニコしてくれると思った。



「イヒヒヒヒッ!俺をコケにしたらぶん殴るぞ!」


「やれるもんならやってみなさいっ!」



毎日の喧嘩は 相変わらずだった。

No.11 10/07/25 04:05
愛 ( Mmp1xe )

あたし6歳。


お母さんと病院へ行った。お母さんはそのまま入院。
帝王切開で赤ちゃんが産まれる。


あたしは風邪をひいていた。
父と帰らなければ行けなかった。



泣き叫んだ。
「おかぁさーんっっ!!」


「あらっ?お姉ちゃんになるのに恥ずかしいね~。」

そぅ言う看護婦さん。


あたしは
お母さんと離れる寂しさと、父と2人になる恐怖におそわれていた…。

No.12 10/07/25 04:17
愛 ( Mmp1xe )

2週間の父との生活が始まった。



「お父さん、赤ちゃんいつうち来るの?」


「………。」


「ねぇお父さん、赤ちゃん可愛いよねー。早く抱っこしたぃなぁ。」


「……うるせぇ!この野郎、コレかぁ!!
コレくらいたぃか!?」


あたしの襟首を掴み、こぶしをあげながら鬼のような顔をして脅す父。

泣きじゃくるあたし。


「この野郎、うるせぇっつってるのがわからねぇのか!」


投げ飛ばされた。


腕も足も痛い。

血の味がしてきた。



恐怖で足腰がすくみ、動けなくなった。


父は立ち去り、しばらくしてあたしはティッシュで血を拭った。

No.13 10/07/25 04:27
愛 ( Mmp1xe )

翌日、
学校の友達にあたしは嬉しくて、赤ちゃん産まれた事を言い触らした。


「愛ちゃん良かったねー!女の子ぉ?」

「うんっ、女の子!愛ね、良い子にしてたからお願いかなったの。」

「ねぇ、愛ちゃん。口腫れてるよ。どぅしたの?」

「…なんでもない。口ぶつけて切っちゃったの。」

「愛ちゃんそそっかしぃからねー。アハハハハ」


あたしは
一気に気分が暗くなった。

No.14 10/07/25 04:39
愛 ( Mmp1xe )

学校から帰ったあたしはお腹が空いていた。



「お父さん、愛お腹空いた。」

「………。」

「お父さん?」

「…お前の飯なんかねぇ!」

「!?」

その瞬間、あたしはお父さんをまた怒らせた恐怖で頭からつま先まで血がサーッとひいた。


『…愛が悪い子だから、お父さん意地悪するんだ。』



「お父さん?愛、悪い子なら良い子にするからごめんなさぃ。お父さんごめんなさぃ。」


あたしは
小刻みにふるえる身体をおさえながら、必死にあやまった。


「お父さん、ごめんなさぃ。ごめんなさぃ。」

No.15 10/07/25 04:58
愛 ( Mmp1xe )

お父さんは ご飯を作りはじめた。

TVをつけると怒鳴られるので、あたしは黙っておとなしく体育座りをして待っていた。



お父さんは食器にご飯を盛りだした。

そして食べだした。



「…!?」



あたしの分は、どうやら無い。



「お腹すいたょぉ。お父さん……。」



あたしは涙が溢れ出した。

父は、そんなあたしを無視。
ご飯は、もらえなかった。


「お父さん…。」


あたしは父を呼ぶと殴られた。
目の前が光る。



父が寝たあと気づかれないように電気は付けず、
まだ洗っていない鍋から手でカスをすくい集め、舐めては またすくい集め、
母がいない寂しさをうめるべく
指しゃぶりをして布団に入った。

No.16 10/07/25 05:08
愛 ( Mmp1xe )

今日は 赤ちゃんに会いに行く。


お父さんも今日は怒っていない。


お父さんが運転する自転車の後ろにあたしは乗り、
病院へ向かった。



「お母さん、赤ちゃんは!?」
「赤ちゃん違う部屋よ。」


あたしは猛ダッシュ!
わずかな距離に息を切らしながら、


「赤ちゃーん!お姉ちゃんだょー赤ちゃぁん!
あっ、いたーっ!可ぁ愛いぃっ!」


あたしは、小さくて産毛のいっぱいある赤ちゃんを見て感動した。

力強く泣いている。


「赤ちゃん、お家帰ったらいーっぱぃ遊ぼうね!」


あたしは妹にバイバイをして、母の病室へ戻った。

No.17 10/07/25 05:19
愛 ( Mmp1xe )

お母さんはニコニコしながらあたしを撫でてくれた。
そして病院の夜ご飯が来た。

お母さんのご飯がとっても美味しそぅで、すぐ横で匂いをクンクン嗅いでいた。

お母さんは あたしに、
ほうれん草のお浸しを食べさせてくれた。


「あらっ?愛は、お浸しいつも食べないのにめずらしぃわねー。お父さんといると良い子になるのかな。」


母はニコニコしていた。


帰り支度、
あたしは母の袖を泣き掴み、離さなかった。


「愛ぃ、ほーんとっお母さんっ子なんだからぁ。」


…あの家へ戻る現実を、あたしは泣いて拒んでいた。

No.18 10/07/25 05:32
愛 ( Mmp1xe )

家に帰り、
お腹が空いていたあたしはすぐ冷蔵庫をあさった。



「何やってるんだ!野良犬かお前は!!この野郎、コレかっ!?」



襟首を掴み上げられ足の浮いたあたしに父は、
そばにあった分厚く硬い絵本をもう片方の手で束で持ち、
その本であたしを何度も何度も往復ビンタした…。



目が光り、息が出来ないまま鼻血まみれになった。



あたしは
その夜も水を飲んで指しゃぶりをして布団に入った。

No.19 10/07/25 05:38
愛 ( Mmp1xe )

母が帰ってきた。

痩せ細っていたあたしに母は全く気づかないようだ。


「愛、良い子にしてた?病院でお父さん嫌だ帰りたくない。だなんて、泣いたからお父さんを困らせてたんぢゃないかと思って。」



あたしはお母さんが帰ってきた事が嬉しすぎてどぅでもよかった。



「お母さん、お帰りなさい。」



赤ちゃんは 2の次になっていた。

No.20 10/07/25 05:53
愛 ( Mmp1xe )

お風呂の入っていないあたしに母は、


「なんで愛はお風呂に入らなかったの。女の子なんだからキレイにしないとダメでしょ!」


と怒った。


「ごめんなさぃ。きちんとお風呂入る。お母さんと一緒に入りたい!」



母と一緒にお風呂に入った。
母は湯舟には入らなかったが、とても嬉しくて母にたくさん抱き着いた。

母は あまりにくっつくあたしに、少しうっとうしそぅにしていた。



「愛、身体傷だらけ。どしたの。」



あたしは必死にお父さんにやられた事を告げた。



「またぁ~、そぅやってお母さんの気をひくつもりなのね。愛が赤ちゃんになっちゃったのかな?」



母は信じてくれなかった。
おびたたしい数のあざや火傷を、どうして母は信じなかったのかも、あたしは今なら理解できる。



お風呂の外では、
妹の泣き声が響き渡っていた。

No.21 10/07/25 06:18
愛 ( Mmp1xe )

あたし7歳。


あたしと妹は 代わる代わる父に叩かれる。

今日はあたし。明日は妹。
母が出かけた時だけいつもやられる。


妹に手をあげる父にあたしは立ちはだかり、ふるえる身体をおさえながら必死に父をにらんだ。

あたしは首を掴まれ足が浮いた。

その時、
子供心で初めて『殺される』と感じた。

床に降ろされたあたしは背中をめくられ、
父のタバコを始末するための灰皿として使われた。


日に日に数が増えてくタバコの火傷。

そんなあたしたちを、母はどぅ見てるのだろう。

No.22 10/07/25 06:33
愛 ( Mmp1xe )

あたし8歳。


あたしは知恵がつき、母が出かける時は
だだをこねて妹とついていく。

帰宅後、電気が消えている。

「あれ?お母さん、電気つかないよ。」

「うちは貧乏だから電気代いまは払えないの。」


父がろうそくをつけてお酒を飲んでいた。

父はよくお酒を飲むようになっいた。

あたしと妹は、懐中電灯で遊んだ。

父が母の目の前であたしを怒鳴りちらし、殴る蹴る。
母はあたしをかばい血まみれになった。

あたしと妹は泣きじゃくっていた。

No.23 10/07/25 06:37
愛 ( Mmp1xe )

母が、ようやく父の本性に気がついた日。


この日を境に
あたしたちは父がほえるたび、母にうずくまるようになった。

No.24 10/07/25 06:47
愛 ( Mmp1xe )

あたしたちは、
父が暴れるたび警察をよんだ。

今でこそDVは取り締まりになっているが、
当時は
『家庭の事はどうにも出来ない。』
と、父をなだめては
警察は何度も帰ってしまう。
『事件が起きない限り動きようがない』と…。


あたしたちは、唯一の他の部屋の、
鍵のない横開きの和室の扉につっかい棒をし、

暴れる父を来ないように
必死に棒を抑え、

静まると窓から逃げるのが日課になっていた。

No.25 10/07/25 07:02
愛 ( Mmp1xe )

母は
『離婚は子供の為にしない』
と、離婚は考えなかった。


あたしたちはお父さんから逃がしてほしかったのに…。



その頃うちでは
電話電気ガス、停まるのは当たり前になっていた。

連絡網は繋がる事が少ない。

当時、ケータイ電話なんてものは
ほとんどの人が持っていない。



「愛ちゃん家、いっつも電話停まってるょねー!」

「ってか、愛ちゃんってダサイよね。いつも同じ服ー。」

「愛ちゃんのお父さん、ボサボサ頭でお酒持って家の前歩いてたよ。」

「あたしも見た!愛ちゃんのお父さん、オシッコもぐってた。」

「気持ち悪いー。愛ちゃんのお母さんも、目がバラバラでお化けみたぃだしー。」


………。

あたしは、いじめられるようになっていた。

No.26 10/07/25 07:16
愛 ( Mmp1xe )

あたし10歳。


父は自分で槍を作って、家の中で
自分の手の届くところに置くようになった。



「イヒヒヒヒッ!おまえらコレで
ど突いてやる!」


毎日槍の歯を磨いでいた。


あたしは担任の先生に日記を書いて渡した。

「お父さんにガラスの灰皿を背中になげられた」など、その日あった事を書き記し、
先生が助けてくれる事をあたしは子供心で願った。



「愛ちゃん、嘘は泥棒の始まりだよ。」



あたしは 意味がわからなかった。

見せたくなかったけれと、先生にあざや傷を見せた。
先生は、

「愛ちゃん、くだらない遊びはやめて勉強しなさい。」



先生が嫌いになった日だった。

No.27 10/07/25 07:29
愛 ( Mmp1xe )

あたしは
グループ決めから外されたり、登下校1人、遠足などもつねに1人になっていた。

家でも学校でも嫌な事されるのが嫌だった。

せめて学校だけでも楽しくいたい!と、
とにかく明るく皆の中に入るようにして、

父母の事は陰口はたたかれていたけれど、
聞かないようにして
とにかく皆を笑わすようにしたり、
得意な体育をかっこよく決められるように努力して、
なんとかいじめは反れていった。



学校も耐えられるものになってきた頃、

あたしに事件が起こった。

No.28 10/07/25 07:57
愛 ( Mmp1xe )

「愛ちゃん、割り算不得意だね。先生がきちんと教えてあげるから今日残りなさい。」


あたしは居残りさせられるんだ。
と思い、暗い心で放課後
教室に座って先生を待った。

『ガラガラ』
扉が開き、先生が入ってきた。


「プリント作ったから、コレ解いてみなさい。」


あたしは仕方なく問題を解き始めた。


『…わ・わからなぃ…。こんなの習ったっけ?』


あたしはほとんどわからなかった。

No.29 10/07/25 08:05
愛 ( Mmp1xe )

先生が、座ってるあたしのうしろに来た。


「これはね~…。」


『!?!?!?』


あたしに抱きついた。
先生の手が肩から首、
そして首から胸…。

あたしは
予想もしない出来事に
頭が真っ白になり、固まったまま動けなくなった。


「ちゃ~んと解いてごらん。」


先生は平然とあたしに話している。


何分経っただろう。

あたしは
話している先生をそのままに席を立ち、
鞄を持ち、
走って走って学校を出た。

No.30 10/07/25 08:11
愛 ( Mmp1xe )

家についたあたし。


頭が呆然としたまま
とりあえず布団にもぐった。

涙が出てきた。

先生に裏切られた気分。

先生が大嫌いになった。


あたしは母に話した。

「今日先生がね、………」


母はあたしにこう言った。

「愛、どうしてそんな嘘つくの?嘘つきは泥棒の始まりよ。」

No.31 10/07/25 08:17
愛 ( Mmp1xe )

『あたしは嘘なんか言わないもん。』

涙が出てきた。



しばらく学校を休んだ。



父はあたしを怒鳴る。

そして包丁を持ちだした。

「嘘つきはコレかぁ!?!?」


そう言った父の手は、
あたしに振りかぶってきた。

No.33 10/07/25 08:26
愛 ( Mmp1xe )

「う゛っ……。」


痛々しい声。

目の前には母がいた。

母の額が赤く染まって行く。

顔まで血が流れた頃、
あたしは
「きゃぁぁぁぁぁ!!」

絶叫し、気が狂った。



幸い、母は致命傷ではなかった。


10歳のあたし。

心は暗くなっていった…。

No.34 10/07/25 08:33
愛 ( Mmp1xe )

妹は
特殊学校に通っていた。

あたしよりも内気な為か、皆から浮いてしまい、
普通学校には通えなくなっていた。


そんな妹に子供のあたしは、さらなる追い撃ちをかけてしまっていた。


気づけばあたしは
家庭内暴力の根源になっていた…。

No.35 10/07/25 08:47
愛 ( Mmp1xe )

あたし12歳。


父の暴力には暴力で返すようになった。



「イヒヒヒヒッ!コレかぁ!?」

…また来た!
あたしは包丁を手に持ち、
「いぃかげんにしろ!」

父に切り掛かった。


父は、
初めて娘がやり返してきたのが ビックリしたのか、
一瞬目が丸くなったように見えた。

ヒョイッとかわした父は
あたしの髪の毛をわしづかみ、
あたしの腹を蹴り倒した。

息ができない。

喉が痛い。

目が見えない。

お腹…気持ち悪い…。


あたしはうずくまった。



父は部屋に引っ込んでいった。



幸い、あたしの顔も手も足もお腹も長い間膨れたけれど、
数日足らずで痛みは消えた。

No.36 10/07/25 08:53
愛 ( Mmp1xe )

妹は父にあまりやられなくなった。

あたしは父にやられるたび、あんなに可愛いがって父から守りまくった妹を
いじめるようになった。


「あんた口ないの!?マジ気持ち悪い。なんでしゃべんないの!?」



妹は
さらに心の闇へ落ちていった…。

あたしは食欲が止まらず、どんどん肥えていった…。

No.37 10/07/25 09:12
愛 ( Mmp1xe )

ある日、
あたしは具合が悪くなった。

「お母さん、気持ち悪いょ…。吐き気とまんない。」

「友達の家で食べてばかりだからでしょ。」

「お母さん…すごく気持ち悪い…。吐いてばかりいるの…。今日お母さんのそばで一緒に寝たいょ…。」

具合悪さのあまり動けず
不安感に押し潰されたあたし。
夜一緒にいてくれた母。


「お母さん、あたしお腹気持ち悪いよぉ。」

「そう…。仕方ないでしょ。」

そしてすぐ布団吐いてしまったあたし。


「これ、飲みなさい。」


渡してくれたのは、使用期限が過ぎていた。

「お母さん…これ飲んだらもっと吐かなぃ?」

「うちにはこれしか無いの。」


のんだあたしは、また吐いた。

「嫌っ!!気持ち悪い!!近寄らないで。何なの!!」


『!?!?……お母さん…!?』

No.38 10/07/25 09:18
愛 ( Mmp1xe )

あたしはわけがわからなかった…。


『お母さん、あたしが気持ち悪いの?』


母は吐き続けるあたしから逃げまくった。


小さな事だったけれど、
子供心に傷ついた。

『なんで大丈夫?って言ってくれなかったの?
今までもそう。
なんであまり病院連れて行かないの?』


答えはずっと後に知る事になった。

No.39 10/07/25 09:25
愛 ( Mmp1xe )

あたし14歳。


「ねぇ、愛。あんたん家、皆キモいょねー。実際あんたもデブだし。キモデブだね。あだ名!」



…あたしは食べられない日もあったからか、
食べられる日が嬉しく、

近所どこでも食べ歩き、
イラダチを食べる事で解消するようになっていた…。


あだ名は、
口に出せないほど酷いものへと変化し、
本格的なイジメが始まった…。

No.40 10/07/25 09:35
愛 ( Mmp1xe )

最初は悲痛は言葉のみだった…。

こうなったら、
怒っても弱くなっても
余計に酷くなるのをあたしは知っていたので、
毅然としながらたえた。


「ちょっと!愛んちのお母さん?マジばけもんだから!!うっけるし!」
「妹も、かんなりキモいし愛も同類??」
「親父ホームレスだょねー!かなりの異臭!」

…たしかに。
あたしの父はお風呂が嫌いで、年1回しか入らない。

歯磨きは、年2回。



言われても仕方ないのが現実だった。

No.41 10/07/25 09:53
愛 ( Mmp1xe )

あたしはとにかく毅然にした。

朝、黒板には『死ね』とかかれ朝会。

朝会に来た担任の先生は、何食わぬ顔で
あたしに死ねと大量に書かれた文字を消した。

あたしの話題に触れる事もなく先生は、日に日にイジメ主犯格グループと仲良しになっていく。

体育では毎回ボールをぶつけられ、靴隠し服隠しごみ箱行きは当たり前。

あたしの机や椅子もよく無くなった。

月日とともに、
クラスから、学年全体へ意向しだした。
教室移動も運動会も修学旅行も…。
とにかく仲間移動は1人だった。

さすがに毎日
辛かったので、担任以外の先生に助けを求めた。

No.42 10/07/25 10:02
愛 ( Mmp1xe )

「先生、あたしがイジメられてるの見て知ってますよね?どうしたら抜けられるか答えを知っていたら教えて下さい。」


あたしは勇気を出して話した。
涙がでた。


「あっ、先生忙しいごめんね。」


…結局、どの先生にも
同じ感じでさけられた。


あたしは担任の先生に勇気を振り絞った。


…あたしが間違っていた。

「イジメられるお前が悪い!!私は知らない。」

そぅ言って
あたしを1人
教室に残して行ってしまった。

No.43 10/07/25 10:12
愛 ( Mmp1xe )

その時のあたしは
イジメられるのが悪いんだ。と何度も思い返した…。


その頃、
先生イジメがあたしの学校で流行っていて、何人もの先生が学校を後にしていた。
今思えば、先生も必死だったのかな…。



あたしは家に帰り、
その日は静かだった。

夜中1時、
父が同僚を連れて帰ってきた。

酔っ払った2人にあおられる母。

あたしも部屋を何度も蹴られ怒鳴り声に起こされた。

No.44 10/07/25 10:24
愛 ( Mmp1xe )

あたしは起きた。

母もいた。
母がふるえてる…。


「?」


あたしは知らないおじさんに怒鳴られながら父のもとへ。


「何なんですか?もぅ夜中ですょ。明日あたしは学校です。」

「愛ちゃ~ん。おじさんの言う事聞いてれば、お父さん大丈夫だからぁ~。」


『……??』
『お父さんが静か…。』


「愛ちゃ~ん、可愛いね~。ど~れ。ここはどぅかなぁ~。」


『!!!!!!!!』


お父さんもお母さんも触られるあたしを黙って見ている…。

『お父さんが会社でこの人からイジメにあっていて、
お母さんはこの人が怖くて何も出来ない…。』

あたしはそぅ感じた。

あたしはおじさんを突き飛ばし、家を飛び出した。

No.45 10/07/25 12:22
ラNド ( 20代 ♀ JFXA1 )

全て読ませてもらぃました‼

大丈夫ですか❓

みんなひどぃですね‼


腹が立ってきました‼

ゅっくりでぃぃのでまってます‼

頑張って下さぃ✨

  • << 47 💓ラNド💓さん 読んでいただきありがとうございますm(__)m✨ ラNドさんの優しいお言葉に、 感激しています✨ ほんの小さな私のあり姿ですが、 ありのまま書いていきたいと思います✨💓 文章があまり得意ではない方なので大変緊張しながらなのですが、 ゆっくり書いて行きたいと思います💓✨

No.46 10/07/25 13:46
ありす ( GgHn1 )

ほんまの話?

  • << 48 💓ありす💓さん レスありがとうござぃます✨ はい😄。 偽りのなぃあたしの生活を、 大変緊張しながら 書かせていただき始めました😄 これからも書いて生きたあと思いますので、 どうぞ 見守っていただけたら うれしいです✨💓

No.47 10/07/25 16:56
愛 ( Mmp1xe )

>> 45 全て読ませてもらぃました‼ 大丈夫ですか❓ みんなひどぃですね‼ 腹が立ってきました‼ ゅっくりでぃぃのでまってます‼ 頑張って… 💓ラNド💓さん

読んでいただきありがとうございますm(__)m✨


ラNドさんの優しいお言葉に、
感激しています✨


ほんの小さな私のあり姿ですが、
ありのまま書いていきたいと思います✨💓


文章があまり得意ではない方なので大変緊張しながらなのですが、
ゆっくり書いて行きたいと思います💓✨

No.48 10/07/25 17:02
愛 ( Mmp1xe )

>> 46 ほんまの話? 💓ありす💓さん

レスありがとうござぃます✨


はい😄。

偽りのなぃあたしの生活を、
大変緊張しながら 書かせていただき始めました😄

これからも書いて生きたあと思いますので、
どうぞ
見守っていただけたら
うれしいです✨💓

No.49 10/07/25 17:44
愛 ( Mmp1xe )

『なんでお父さんもお母さんも、あたしがあんな事されたのを黙って見ていたの!?!?』


あたしは心臓が破裂しそぅだった。

次々と涙がこみあげて、
あたしは道端にうずくまってしまった…。



…ふと我にかえったあたし。


『妹!!!』


大きな心臓の音が
さらに加速を増した。



あたしは苦しく潰されつづける胸元をおさえながら
家へと引き返した。

No.50 10/07/26 01:05
愛 ( Mmp1xe )

呼吸が辛いまま家に着いたあたし。


「……?」


アイツはいなかった。

いろんな感情が掻き混じり、あたしは父と母を見る事は出来なかった…。

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