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産んでくれてありがとう☆『愛より』(ノンフィクション)

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愛( 30代 ♀ Mmp1xe )
10/09/27 03:15(更新日時)

ある日の個人産院。


「臍の緒首に巻き付き、骨盤狭くて出られなく、赤ちゃんの頭が曲がってきてるので帝王切開します。」


陣痛が弱いまま局部麻酔。

「…あれっ。お母さん昨日お酒のんだ?麻酔の効きが悪い…。」


「いぃえ。私お酒なんかのんでません。アルコール私苦手で…。」


麻酔が効くまで待った。


「お母さん、ココ感覚ありますか?」

「あります。」


さらに麻酔。


「お母さん、これ以上麻酔できない!赤ちゃん弱って来てるから!私の手をおもいっきり握って!頑張ってよ!お母さんっ!!」


「ーっ!!!」
「痛ぁいぃーっっ!!!!」


あたしが産声をあげた。

No.1378746 10/07/25 02:09(スレ作成日時)

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No.101 10/07/28 03:17
愛 ( Mmp1xe )

もちろんあたしの実家は そんなお金など無い。

ヒロヤもあれから、
仕事を頻繁に変えるようになり、辞める事が多くなった。

あたしはヒロヤにはもちろん頼らず、
働きながら自力で学校に通った。




夜間高校は様々な年齢が
ポツポツいる。

だからあたしも 年下の子と同じクラスでも平気だった。

そんなあたしのクラスに、あたしと同じ17歳の子が2人いた。

あたしはスゴク仲良しになった。



そんなある日、
あたしにまた
辛い事が起こった…。

No.102 10/07/28 03:37
愛 ( Mmp1xe )

夜9時過ぎに終わる学校。

ヒロヤは毎日迎えに来てくれた。



あたしと仲良しになった
チハルとユミ。

頻繁にヒロヤの車に同乗させて家まで送ってあげた。



今日はチハルを送る。

チハルは家に着くと、
「明日、うちで遊ぼ♪」
とささやいた。

あたしは 笑顔でうなずき家に帰った。


翌日、
チハルの家で遊び、そのまま一緒に学校に行った。


帰り、今日もまたチハルを送る。


チハルの家に着く前、
あたしはトイレに行きたくて途中コンビニに寄った。

そしてチハルを家まで送った。


ヒロヤが怖い顔をしている。

「チハルちゃんっていぃ子だね。内緒って言われたけどさ。」

「ん?なぁに?」

「愛が男と遊んでるって教えてくれたよ。」


『…はぁ゛!?何ぃ゛!?』

No.103 10/07/28 03:46
愛 ( Mmp1xe )

「やっぱり本当なんじゃん!愛?もぅ嘘つかなくていぃょ。」


あんたはキッパリと否定した。

あたしはわけわかんなかった。


『…チハル?あんた何がしたぃの!?』



次の日、
あたしはチハルを呼び出した。


「チハル、あんた昨日なんなのさ!!」

「!!」
驚くチハル。

「さっさと言いな!あんた何たくらんでるのさ!!」

チハルは口を開いた。

「あたし…。愛の彼の事
好きなの!!」


『!!!!』

No.104 10/07/28 04:04
愛 ( Mmp1xe )

あたしはチハルに絶句した。


それからあたしは ヒロヤに話した。


「俺、愛がわかんなぃよ。
実際、愛の父さんだって言ってたし、
チハルちゃんも良い子だから嘘つくとは思えないし…」



あたしはヒロヤに怒りが込み上げてきた。

同時に、
『何故ゆえチハルもまた、よりによって浮気ネタ…。
ヒロヤの身なれば、
ヒロヤの気持ちもわかるなぁ。』

あたしは怒りと残念な気持ちが絡み合っていた。


そして…。


チハルとは絶交。

ヒロヤとは話し合い、
【ヒロヤがあたしを信じられるような行動を、あたしがとっていく。】
と言う事で収まった。



何故あたしがそんな事をしなければならなぃのか。

あたしを信用できないヒロヤなんかと
もしかしたら別れるのが
一般的なのかもしれないけれど、
あたしはヒロヤが大好きでたまらなかった。


恋は判断力を奪い、
人をバカにもするのかなぁ…。

No.105 10/07/28 04:22
愛 ( Mmp1xe )

とにかくあたしはヒロヤが大好きでたまらなかった。




そんなある日。
ヒロヤがまた仕事を辞め、
そして全く働こうとしなくなった。


『ヒロヤのお父さんと毎日喧嘩するようになってから、どんどん様子がおかしぃ…』


あたしは自分の実家に帰った。

やっぱりだった!

ヒロヤはあたしを尾行し、見張るようになっていた…。


あたしは気づかないふりを続けた。

No.106 10/07/28 04:25
愛 ( Mmp1xe )

数ヶ月経ったけれど、
ヒロヤは 全く働こうとしない。


毎日喧嘩するあたしたち。

お金が続かなくなり、
あたしたちは
お互い実家に帰らなければならなくなった…。


あの家に…。

No.107 10/07/28 04:29
愛 ( Mmp1xe )

あたしたちは 同棲を解散し、実家にお互い帰った。

あたしは辛かった。

ヒロヤが大好きで ヒロヤと1秒も離れたくなかったのに…。
数週間、あたしは泣き続けた。

No.108 10/07/28 04:44
愛 ( Mmp1xe )

ケータイを皆まだ あまり持っていない時期。


ヒロヤと連絡を取りたくても
ヒロヤの親は

「よくまぁ電話をかけてきたね…。あなたには取りつがなぃよ!!」

そう電話を切られたっきりあたしからは かけられなぃ。

ヒロヤも家からあたしにはかけられなぃ。

ヒロヤからの公衆電話を待つ日々…。

ヒロヤは車も維持出来なくなり手放したので、
会うのはバス。


2週間1度、外で会えるだけになった。


声が聞きたくて、
逢いたくて…。
17歳のあたしは、何も食べられなくなっていった。



そんなある日、
チカから電話がきた。

No.109 10/07/28 04:58
愛 ( Mmp1xe )

「元気?
今ね、お兄ちゃんと一緒にいるの。」


『わかってるょ!』


「あたしさ~、
最近たくさん友達できて、今5人で遊んでんだけど、皆お兄ちゃんカッコイイってうるさくてさぁ~、
お兄ちゃん争奪戦ーっ!



『は?……何?嫌味?』


「キャハハハハ♪ちょっとぉ、
お兄ちゃんとこ何回も行くのやめなってー!!
あんたTシャツの下、何も履いてなぃじゃんーっ!!
うっけるぅ!
あっ、またかけるわ!」


電話が切れた。


…………。

……………。


………………。


あたしは
何1つ食べものを口にすることは出来なくなり、
何日も何日も部屋から出る事ができ無くなった……。

No.110 10/07/28 10:40
愛 ( Mmp1xe )

あたしは起きてるのが苦痛になり、
現実逃避していたくて

朝も夜も関係なく、
とにかく1分でも長く毎日毎日強引に寝続けた。


やせ細ってくあたしの体。
すでに10kg落ちていた。




ヒロヤからの電話で
あたしは想いをぶちまけた。

「チカの友達来た日、
下着でヒロヤの部屋行き来してたんでしょ!友達たち!何でヒロヤ、自分の部屋に入れたの!!」

「ノックしないで勝手に入ってきたんだょ…」


ヒロヤは優しすぎる性格で、
かわいそうな人や、悩んでる人をほって置く事をしなぃ人。

ヒロヤの元カノが
あれからヒロヤに連絡してきて、泣きながら

【あたし死にたい】

と言った日も、
ヒロヤは「俺、とめてくる!」と、あたしを置いて
家を飛び出していった…。

そんなヒロヤは きっと
女が勘違いしてしまうほどの優しさを
ヒロヤ自身、知らずに出しているのだろう…。


そんなヒロヤを好きな半面、
彼女じたいに苦しい想いをさせて気づかないヒロヤに
あたしは疲れていった。

No.111 10/07/28 10:54
愛 ( Mmp1xe )

「なんで部屋から出ないんだ!不良娘!!」


怒鳴ってる父にも
息をして生きてるのがやっとのやせ細ったあたしは
気にならなくなった。

もぅ、なにもかもどうでもよかった…。



夜間高校は単位を落とした。

あたしはまた留年。

バイトも行けなくなり、
もちろんクビ…。





あの時のあたしは
あたしの親がいるありがたさに気づかず、

酷い親でも、
親がいるから仕事もしないで暖かい場所で引きこもる事ができた事を
自覚していなかった。

No.112 10/07/28 11:06
愛 ( Mmp1xe )

あたし18歳。


会える回数が少ないなか、ヒロヤはチカの車で、
あたしを夜中見張りに来ている。

チカが電話で
「私、愛の家の前によく行って2時間くらい話しながら停車してんだー。
私の友達とお兄ちゃんとさぁ~。」


笑いながらそぅあたしに話してきたのだ。


『あたしの家の前に来てるなら、1秒でも顔を見せてほしぃ…。』


衰弱したあたしの
唯一の願い…。


ヒロヤ…、
あたしもぅ限界だょ…。

No.113 10/07/28 11:44
愛 ( Mmp1xe )

『…お父さんごめんなさぃ。痛いの止めてよ…。
ごめんなさぃ。
ごめんなさぃ。』


バクバクした心臓。

また夢を見てあたしは起きた。

辺りを見回す。

今、父の住んでいる家にいるあたし…。


「この野郎!まだ部屋にこもりやがって!!
出てこい!俺がヤキ入れてやる!!」

扉を凄い勢いで蹴飛ばす父。

前までのあたしは
きっとまた怯えていただろう。

今のあたしは怯える気力もない。


『好きにあたしを殴ればいい。あたしを殴り殺していまえばいい!』


自暴自棄になっていた。

No.114 10/07/28 11:56
愛 ( Mmp1xe )

扉を蹴破り、酒臭い父が
木刀を持って入ってきた。

布団に包まったままのあたし。


布団を剥ぎ取ろうとする父に必死で抵抗する。

父は布団の上から木刀を振りかざす。

あたしは布団を必死に掴み、木刀にさらされた手は
痛みで感覚すらない。


「きゃぁぁぁぁぁ!!」


あたしは
あの時のヒロヤの元カノような奇声をあげながら
殴れ続けた…。

No.115 10/07/28 12:05
愛 ( Mmp1xe )

飛び散った綿…。

血だらけのあたしの手…。

もちろん折れていた。

全身が痛い…。

あたしは死ななかった。



『いったいこんな事が
いつまで続くんだろう…』



この時は母も父に怒り、
そして…
母も殴れた…。

No.116 10/07/28 12:12
愛 ( Mmp1xe )

あたし19歳。


高校を留年したけれど、
もぅあたしは退学せず
きちんと通った。


学年が変わったけれど
いまだ友達のユミ。


ユミは きさくで、
とても楽しい子。


あたしはユミといっぱい遊んだ。



ユミがあたしの知らない友達を連れて来て一緒に遊んだりもした。

楽しかった。


そんななか、
またユミが友達を連れてきた。


『!!』

チカだった………。

No.117 10/07/28 12:18
愛 ( Mmp1xe )

チカもびっくりしている。


ユミとチカも友達だったのだ。


ひきつる あたしとチカ。


ユミが一番びっくりしていた。




ユミには深い事は話していなかったあたし。

チカもそうだったらしぃ。



そしてその後ユミは、
あたしたちに試練をもたらした…。

No.118 10/07/28 12:38
愛 ( Mmp1xe )

ユミといつも通り遊んでいたあたし。


裏で何が起こっているか、全くあたしは気づかなかった。



チカの攻撃がエスカレートしてきた。

チカは親とグルになり、
ヒロヤとあたしを裂こうとしてくるようになった。


ヒロヤの親に呼ばれたあたし。

『初めてヒロヤのお父さんに会う…。』

あたしは怖さと緊張で倒れそう。



「はじめまして…。私…」

「あんた、どういうつもりだ!!!!
チカから全部聞いてる!!
チカにまで、どうして嫌がらせをするんだ!!」


『!?!?!?』


わけがわかんなぃ。
一体なんのこと!?


あたしは、凄い剣幕で興奮するヒロヤの父の話を
パニックになりながら黙って聞いた。


「チカが気持ち悪い。
ってたくさんのチカの友達に言い触らしてるそうじゃなぃか!!
チカ傷ついてご飯食べられなくなってるんだぞ!!
あんたは何がしたいんだ!!もう、うちの子供たちに関わるな!!」




…そぅ。
ユミが出来心で
チカに嘘を吹き込んでいた。

あたしたちは
ユミに振り回わされていた事を
かなり後に知った。

No.119 10/07/28 16:32
愛 ( Mmp1xe )

その時のあたしは ユミが犯人だなんて考えもしなかった。

チカとあたしが事実を知るまでの間、
あたしたちは どんどん歯車が狂っていった。

チカは、
あたしがヒロヤに会えない事を逆手に
ヒロヤの事を前から好きな友達と
たびたび接近させた。

ヒロヤとあたしを
「皆でワイワイしよ!」と
その子の家へ呼び、
全く気にしてないヒロヤは
「大丈夫だ。心配すんな。」とあたしをもちろん連れて行った。

ヒロヤを好きな友達の親は
チカとヒロヤにジュースを出してわざとあたしに出さなかったり、
ヒロヤを囲んでチヤホヤし、その友達の親は あたしを事あるごとに無視したり睨みつけたり…。

とにかく酷かった。


結局、
ヒロヤの事を好きな友達の家族全員とチカとで
[あたしをやっつける会] だった。

ヒロヤは「気にするな」 の一言で片付けた。

No.120 10/07/28 16:44
愛 ( Mmp1xe )

『なんで、あたし
こんな事をされなければならないの…。』


辛くて辛くて
あたしは頭がおかしくなっていった…。



その時のあたしは
次々降り懸かる災難を
振り払う術を知らなかった…。




結局、
あたしの父からの嫌がらせ【愛は浮気しまくる】

ユミの出来心
【陰で陰険な事を言う】

と言うレッテルで、

ヒロヤの家族全員との
本格的な人間関係は、
始まる前から
[あたし]=[最低な人間]

と スタートした…。

No.121 10/07/28 16:56
愛 ( Mmp1xe )

ヒロヤは
『あたしの事を全面的には信用出来ない』
と言う。

それでもあたしとは
別れたくないらしぃ。

『信用できる行動をとってくれ』
とヒロヤは言い、

あたしはヒロヤを大好きなので、言う通りにした。



今考えると、
『何故あたしは 本当に何もしていないのに
あたしが折れていたのか。』

そして、
『ヒロヤは働く気がなく無職なのに、どうしてあたしはそこまでヒロヤに依存したのか』

…そう思う。




この先、
ヒロヤの行動はどんどん不可解なものになっていった…。

No.122 10/07/28 17:15
愛 ( Mmp1xe )

あたしはいつものように、仕事が終わり学校に行った。


ユミの行動を知らないあたしは、ユミと仲良し。

あたしはユミから最近、
「チカが愛の家族の事、
悪く皆に言ってるから、
私チカに怒ってやってるからね!!」

と、頼もしい話をよく聞いていた…。


学校帰り、
いきなりヒロヤがお父さんの車を使い迎えにきた。

チカも助手席に乗っている。
あたしは後部席に乗った。

『チカ許せない!文句言ってやる!』


「チカ…、話したぃ事ある。」

「ん?」

「あんた、あたしの家族の悪口まで吹きまくってるらしぃね!頭、正気?」


チカが黙った。
そして、

「何それ!?誰そんな事言ってんの!?」

あきらかにチカは嘘を言っていない返しだった。

黙ったあたしたち。


話をしていくうちに
あたしたちは、
ようやくユミが犯人とたどりついた。

No.123 10/07/28 17:20
愛 ( Mmp1xe )

【チカの悪口をあたしが吹いた】
という件は 和解出来た。


少しづつチカとあたしは距離が縮まった。


でももぅ、
あたしたちは 歯車が狂って時間が経ちすぎた。

お互いを腹立つ気持ちが
消える事は無かった。

No.124 10/07/28 17:51
愛 ( Mmp1xe )

あたし21歳。

あたしは成人した。

あれからヒロヤとまた一緒に住み、
あたしは きちんと高校を卒業した。


ヒロヤの家族とは
チカが ユミの事を親に話したので 少し、わだかまりが取れた程度の関係。

相変わらずヒロヤの父から
「ろくでなしと付き合うな!別れろ!」と
あたしは嫌われ続けている。


ヒロヤは実家に戻る度、
あたしの事で父親と喧嘩した。
ヒロヤはどんどんあたしを信用してくれて、あたしの味方になってくれだした。

…でも………。
ヒロヤ、働かない。
いくら言っても働かない。
「俺働くから!でもなかなか仕事なくて…」

あたしはズットズット
ヒロヤの言葉を信じた。

『いつか働いてくれる。 もし今、別れたら…。 ヒロヤが働いた時に、 違う女の人と幸せに暮らされたら、あたし立ち直れない…。 だからあたし、今のヒロヤを支える!』


あたしはヒロヤに依存していただけなのかもしれない…。

あたしは学校を卒業したいあまりに
授業料を確保するため、 仕事をクビにならないように頑張ったおかげで、
男の人と同じ給料をもらえるようになっていた。

だからあたしの給料で
妹の学校と あたしたちの生活費をまかなっていた。

No.125 10/07/29 00:03
愛 ( Mmp1xe )

あたしは実家にしょっちゅう顔を出していた。

妹は養護学校の寮なので
もういないが、
母が心配…。


母はもう父から暴力は受けなくなっていた。




「ただいまぁ」

父が居間にいる。

あたしは無視して母を探した。


父の横を通った時
ふと、父が小さく見えた。

父が自分の足を気にしている。


『??』


『!』


父の両足は 水風船のようになっている。

足首は無く、
あきらかにおかしい。

あたしは病院へ行くように言った。

No.126 10/07/29 00:15
愛 ( Mmp1xe )

数日後、
父は病院へ行き、
【心臓肥大】と診断された。

命に別状はないらしいので、父は薬をのみつづけた。

あたしは思った。

『そういえば…
10年前から心臓コワイってズット言ってたな…。

いきなりのめまいに座りこんだり、
咳もズット治らなかったし、
風邪って言われて病院転々として、
最後には 病院から
来ないでくれ!
とか言われてたっけ…。
仮病扱いだったよな…。

会社も
体コワイとかしょっちゅう言って休んでたっけ…。

ずる休みとばかり思って、皆でズット冷たくしてた…。

心臓。悪かったんだ…。』

No.127 10/07/29 00:28
愛 ( Mmp1xe )

しばらく月日が流れた。



どんどん全身がパンパンに腫れ上がる父。

いっこうに良くならない。

虐待された年月は、
夢だったんじゃなぃかと
錯覚までおこすくらぃに、
父は180度 性格が変わった…。



あたしは違う病院にかかるように言った。




そして……。


父は大変な事になっていた……。

No.128 10/07/29 00:44
愛 ( Mmp1xe )

セカンドオピニオンした
病院に、
あたしたち家族は呼ばれた…。


「もって2年でしょう。」


父の余命宣告を受けた…。


父は【心臓弁膜症】だった…。



「もう進行がひどく、
手術した場合
運が良ければ5~10年延び、運が悪ければ手術で死ぬかもしれません。
手術しなければ2年です。
どうしますか?」




泣き崩れる母。
放心状態のあたし。


あたしたちは
突然 1人の人間の
命の選択肢を
決めなければいけなくなった…。

No.129 10/07/29 00:51
愛 ( Mmp1xe )

母はどんどん様子がおかしくなっていった。


父に言うか言わないか。
究極の判断。

母とあたしは
父の様子をみていき、

【最後まで言わない方がいい。】

と決断した。


父の生命。
あたしたちに委ねられた。

母はどんどん気がおかしくなっていき、
異常行動や異常判断が目立つようになった。


21歳のあたしには
重すぎる決断だった。

No.130 10/07/29 01:07
愛 ( Mmp1xe )

親戚付き合いはしているけれど、

どうも今まで見ていると、母と父は昔から個々の親戚に
つまはじき のような態度をとられている。


あたしは親戚に相談する事は出来なかった。



『手術成功すればまだ長く生きていられる…。

父の体力が無くて失敗すれば、そこで父は終わってしまう…。

手術しないと2年…。』


母と妹とあたしとお医者さんでたくさん話し合い、

手術する事を決めた。




あんなに虐待された日々…。

今もまだ夢でうなされる。

嫌がらせの日々…。

あたしは父がいると結婚すら邪魔される…。

心から死んで欲しいと毎日願った…。

許せるわけがない…。

なのにあたし…。




性格の変わった今の父といると
なんで『生きて欲しい』と願うんだろう…。

No.131 10/07/29 01:22
愛 ( Mmp1xe )

ヒロヤは働く気配がない。

あたしは毎日怒った。

『もしかしてあたし、
いぃよぅに使われてるだけ…?』

何度も頭をよぎる。



でもヒロヤの行動は
どんどんエスカレートしていく。

あたしを尾行したり、
ケータイを確認したり、

あたしの服も
わずかな肌の露出で怒ってハイネック着せられたり、

会計レジの男性とあたしが目が合うだけで怒鳴り、

女友達との電話も怒鳴る。
そして、あたしが実家や父の病院に行くのも怒るようになっている。



『ヒロヤは あたしを好きなあまりに、束縛男になったのかな?』


この時のあたしは、
進行していくヒロヤの病に
気づく事が出来なかった…。

No.132 10/07/29 23:45
愛 ( Mmp1xe )

手術する事になった父。


あたしたち家族は
本当にこれが正しい選択なのか、
先生と話し合いながら
最後の最後まで考えた。


病室のベッドから移動用ベッドに移された父…。


手術室に入る直前
父が両腕をあげ、ガッツポーズをとり

「頑張るぞーっっ!!」

と大声を張り上げ笑った…。



『これが最後になるかもしれない……。』



手術室に送ったあたしたちは、声を殺して泣いた…。

No.133 10/07/29 23:50
愛 ( Mmp1xe )

【手術中】
ランプが光ってる…。


あたしたちは8時間、
祈りつづけた…。

生きた心地がしないまま…。




先生が手術室から出てきた。


「…先生」

「手術は成功しましたよ」


あたしたちは
泣きくずれた。

No.134 10/07/30 00:09
愛 ( Mmp1xe )

先生に呼ばれたあたしたち。


「今回手術は成功しましたが、胸を開いたところ、正直あまりおもわしくない状態でした。
スグにと言う事は無いと思いますが、
あとは本人の生命力次第という事になるでしょう。

術後の合併症が無ければ。という事が前提ですが。」


「先生、父あとどのくらいなんですか!
お願いしますハッキリ言って下さい!!
先生は今、どう思っていますか!!」


「……。
最初に申し上げた余命か、少し足したくらいかもしれません…。」



胸がモワ~ン となって
胸がツキ~ン となって
胸が苦しくなって
めまいがして意識が遠のき

あたしは椅子からくずれ落ちた。




初めてあじわう感情…。




父を憎み恨んでいる感情はこの時は頭から消えていた…。

No.135 10/07/30 00:26
愛 ( Mmp1xe )

【親の死】
というものを頭ではわかっていたけれど、
実際ふりかかると
頭で理解していたものよりも壮絶なものだった。




『人は死ぬ前、
【なかなおり】というものがある。
と聞いたことあるけれど、
父の性格が一変したのは
もしかしてこの
【なかなおり】なのかな…。』




残された時間であたしは何ができるだろう。

あたしは父が憎くて憎くて、【父という1人の人間】を考えた事がなかった。

父はどんな生い立ちで、
どう生きてきたのだろう。
あたしが生まれる前から
酷い人だったんだろうか?



あたしは父を初めて知りたくなった。

No.136 10/07/30 00:39
愛 ( Mmp1xe )

「ねぇ、お母さん。
あたし覚えてるんだぁ…。お母さんとお父さん、あたしが小さい頃からあたしの事で喧嘩してたょね。

あたし、もう大人だから
何聞いても平気。
いろいろ教えて欲しいな。」


「そう?………。
うんわかった…。

愛を身ごもった時、
お父さんは 下ろせ の一点張りだったの。

お父さんね、もぅ愛もわかってると思うけど、
全ての【子供】というものが大嫌いな人だったの。

お母さん愛を絶対に産みたかったから…。

産んだあとで きっと
『我が子は可愛い』って言うと思ってた。
子供が嫌いな人ってだいたいそうなる人多いし…。

でも愛がいくつになってもあの人は 嫌いなままだったわね…。

ごめんね愛…。」

No.137 10/07/30 00:47
愛 ( Mmp1xe )

あたしはそんな事わかってた。

そりゃ小さい頃は
【あたし】だけを嫌いなんだ。
と思ってたけど。


なんで子供全部が嫌いか聞いた。

【うるさいから】らしい。



でも、あんなに気が狂ってる原因。

なんかそれだけじゃ無い気がする。




父が子供を嫌いになった過程をあたしは知りたくなっていた。

No.138 10/07/30 01:09
愛 ( Mmp1xe )

性格が以前と真逆になった父。



された事は 許せるはずが無い。

でも 目の前にいる父は
以前の面影なんかなくて、なんでも笑って話してる。
父の笑顔…
あたしは知らなかった。

そんな日々を追う中で、
あたしは父という存在を
受け入れているようになった。




入退院を繰り返す父。
どんどん痩せ細っていっている。


「ねぇお父さん。
お父さんって付き合った人何人いるの?」

「お母さん入れて4人だな。」

「どんな人達?」

「皆、相撲取りみたく太ってたわ!アハハハハハ
太いの大好きなんだよ。」

「お母さん太ってなぃよ~」

「お母さんの胸に惚れた!」

「やだキモいー!!」



笑い合うあたしたち…。

こんな時間が流れる日が来るだなんて
考えもしなかった。


【お父さんと娘】
という存在を初めて実感した。

No.139 10/07/30 01:25
愛 ( Mmp1xe )

あたしはいっぱいいっぱい聞いた。


「お父さんが今まで生きてきた中で楽しかった事、
いろいろ聞きたいー!
教えてー。」

「お父さんは子供の時、
家の近くの川でよく1人で釣りをしたんだ。
それが楽しかった。」


『……1人で釣りをしたことだけ??』


「他にはぁ?」

「それだけだなぁ。」


『ありえない。
こんだけ生きて1人釣りだけなんて。
普通まだあるでしょ。
〈友達と〉とか〈彼女と〉とか〈親と〉とかさ。
くだらない事で笑えた事くらいまだあるでしょ。』


「他にあるでしょー?
小さい事でもさー。
友達と遊んでて楽しかった事とか、こんな事して面白かった嬉しかった。とか」

「いや、それだけだったな……」


『お父さん…。
今まできっと辛い事たくさんあったんだ…。』


笑ってる父だったけれど、あたしはそう感じた。

No.140 10/07/30 01:47
愛 ( Mmp1xe )

父がまた入院した。


母に父の事をあたしは聞いた。


「ねぇお母さん、
お父さんって最初からあんな人じゃなかったんじゃなぃ?」

「だんだん酷くなっていったわね。」

「じゃぁ最初からお父さんの考え方とかは、あんな感じからスタートしたの?」

「そうだよ。」




『やっぱ母と出会う前なんだきっと』




「お父さんの生い立ち知ってる?」

「うん。お父さんは
愛のおばあちゃんと、おばあちゃんのお兄ちゃんから出来た子供で、
いらない子供だったっておばあちゃん言ってたよ。」


『ん……。
なんか今すごぃ事言ったけど…。
………!?
近親相姦の子供!?
いらない子!?
しかもおばあちゃんが言ってた!?
しかもお母さん今、
サラッと言った!?』

No.141 10/07/30 02:12
愛 ( Mmp1xe )

「ちょっ、ちょっとお母さん…。それって…」

「お父さんね、
いらない子供なのに当時
下ろせなくて、産んでから愛のひぃおばあちゃんの子供として育てたの。

だからおばあちゃんとは
戸籍上兄弟。

お前はいらなかったのにって言われてたんだってー。
小さな町だから
友達からもイジメられて
居場所なかったみたい。」


『お、お母さん…。
あんなふうになってたのって、それでしょ原因…。
あきらかにお父さん
かわいそうな生い立ちでしょ…。
ってかサラッと言うなよ…。』


あたしは思った。


『お父さん、
もの心ついた時から
【いらない】とか、たぶんもっとひどい事を家族に言われてきて、
周りもそれ知ってて、
皆、お父さん家を引いた目でみたり、お父さんは下に見られたりされてきた幼少期だったんだ…。

そして性格が、ふさぎ込んだものになってしまったんだ…きっと…。

さらに大人になって、それで会社の人達からもイジメにあって、
家で徐々に爆発していったんだ…。』

No.142 10/07/30 02:29
愛 ( Mmp1xe )

まだ父は入院している。

父の担当医から呼ばれた。

「お父さん、精神疾患にかかってますよ。
今まで気づかれなかったんですか?
申し訳ありませんが、他の患者さんと病室離しますので…。」



「えっ?そぅなんですか?」
この時 母はそぅ言った…。





あたしと妹は、
父の子供だから
〈父があたしたちを嫌いだから意地悪する。〉
と思って今まで育った。


でも……。
何故…
大人の母は 気づいて対処しなかったんだろう…。

何故 気づかなかったんだろう…。


今まで母は正しくて優しい人だと
頭から思ってきたあたし。
でもこの時、
あたしは【母】という人に初めて疑問を抱き始めた…。

No.143 10/07/30 02:55
愛 ( Mmp1xe )

父はこの時
わめいたり怒鳴ったり
以前の不気味な笑みを浮かべたり、
そして静かになっていたりしながら 病床してる。



母に抱いた疑問が頭から離れない…。


母を思い返してみた。



具合が悪くて吐きまくった日、
病院へ連れていかずに あたしを気持ち悪いと言って逃げ回ってた…。


あたしに触ったアイツ…。
あの時 あたしをかばってくれなかった…。


借金取り…。
怖がってあたしを突き出してた…。


あっ!!ご飯!
お母さんいつもレトルトとか惣菜とか買って来てたっけ…。
おかげであたし、
高校入ってから料理できないとか散々陰口叩かれたょ…。
ヒロヤにもいっぱい言われたし…。


っていうか
タクシー使って惣菜とか買ったりするお金あるのに、借金とかしてたのに、
光熱費を数えきれないくらい何度も滞納してるの??


上げだしたらキリがなくなっていった。

No.144 10/07/30 23:54
愛 ( Mmp1xe )

あたしは【母】という人に今までとは 違う感情を抱き始めた…。


そして、【父】という人にあらたな感情を抱き始めた…。



21歳になったあたしは
【両親】を【個人の人間】として
とらえるようになっていた。

No.145 10/07/31 00:19
愛 ( Mmp1xe )

ヒロヤと付き合いだして5年。

相変わらずヒロヤは仕事をしない。


友達ができてすごく嬉しかったあたし…。
今はヒロヤの激しい束縛から友達が1人もいなくなった。



父はあたしに優しい笑みを浮かべ、
どんどん どんどん痩せ細っていく。


妹は、
優しい学校の先生たちに恵まれ、友達もたくさん出来てどんどん明るくなっていってる。

銭湯でシャワーや泡を周り気にせず飛びちらしたりして、周りに迷惑をかけていても気づかない妹。

優しくしてくれる友達や作業仲間に、いきなりキレたり物を投げたりして自我を出し甘えすぎ、散々迷惑をかけていてもそれ自体に気づかない妹。

妹が周りに避けられ原因も自分で理解出来ず、心に傷がついてしまう前に、
周りとの温度差をあたしは必死で妹に教える日々。


気づけば母にも
あたしは
妹と同じように教えてあげている場面が増えていた…。

No.146 10/07/31 00:40
愛 ( Mmp1xe )

あたし22歳。


ヒロヤのお母さんがすごく良い人で、
ヒロヤのお父さんに嫌われながらヒロヤの家族とは少しづつ付き合いしだしている。

ヒロヤのお父さんは、事あるごとにあたしをいびる。
そしてヒロヤのお母さんがあたしをフォローしてくれる。


『一般的な相手の親関係とは逆みたい…。』


ヒロヤの父親はあたしと価値観が違う。


実娘のチカに
「夜はいい仕事だ。働きにいけ。」
と言い、
チカは夜商売に入りお金をせびられている。

チカは夜商売で知り合う周りの暴力団関係。
チカが友達になった子の親が暴力団だと、
頻繁にその子を家へ招待し、ヒロヤとくっつけようとしている。

あたしに態度が冷たい理由の中には、
[あたしが一般の娘だから]という理由が入っている。
あたしは そんなヒロヤのお父さんをどうしても好きにはなれない。

ヒロヤも今まで散々父親に振り回された事から、
「父親をこの世で一番嫌いな人だ。」と言っている。

No.147 10/07/31 08:06
笑笑 ( 8gnLc )

今まで読ませてもらいましたが… これって全部実話❓ だとしたら現実にはありえない親御さんですね…🌀🌀 主さん、よく生きてこれましたね💦💦

No.148 10/07/31 16:27
愛 ( Mmp1xe )

>> 147 💓笑笑さん💓

読んでくださって
ありがとうございます✨


あたしが今まで歩んできた道を
偽りなく 少しづつですが、書いています😄

笑笑さんのおっしゃる通りです😄✨

今 生きている事にあたしはラッキーだったと感じ、
今 生きている事に感謝しています✨


これからも、
あたしごとの小さな生い立ちですが、
書いていきたいと思います💓

見守っていただけたら
嬉しぃです✨✨

No.149 10/07/31 21:20
愛 ( Mmp1xe )

それでもヒロヤの本心は、

『父親にまともな考え方をもってもらえたら…。
愛と結婚して、親と同居して、皆で仲良く助け合いながら暮らしたい…。』

そんな本音を持ち続けて、そんな暮らしを夢見ている。




ある日、
ヒロヤの父親から電話が来た。

「愛、今の家を引き払って俺ら一緒に住まないか?」


『…!!』


あたしは びっくりした!

今まであたしを散々いびりぬいたヒロヤの父親。


『何故いま、
いきなり一緒に住もう
なんて言ってきたの??
あたしを嫌いなんぢゃなかったの??』


ヒロヤのおじいちゃんが亡くなってからスグ、
遺産で家を建てたばかりのヒロヤ家。

「ヒロヤは 愛と一緒にいるんだから 建てる家に口出しするな!!
お前は関係無い!!」

と吐き捨てられたヒロヤ。
もちろん建てたヒロヤの家にはチカの部屋はあるけれど、ヒロヤの部屋というものは作られていない。


そんな流れだったのに
何故いきなり優しくあたしたちを迎え入れる事にしたのか。


これからあたしに
さらにひどい仕打ちが襲い掛かる 始まりだった…。

No.150 10/07/31 22:05
愛 ( Mmp1xe )

いきなり一緒に住みたい
だなんて、
意味がわからないあたしだったけれど、

そんな事が吹き飛ぶくらいあたしはスゴク嬉しかった!スゴクスゴク嬉しかった!



今まであたしを勘違いされたまま
嫌われ続けた日々。


『ようやくあたしを受け入れてくれたんだ!』


優しくなったヒロヤのお父さん。

あたしだって本音は
ヒロヤのお父さんに認めてもらえて優しくしてほしかった。


あたしは嬉しくて舞い上がっていた。

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