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産んでくれてありがとう☆『愛より』(ノンフィクション)

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愛( 30代 ♀ Mmp1xe )
10/09/27 03:15(更新日時)

ある日の個人産院。


「臍の緒首に巻き付き、骨盤狭くて出られなく、赤ちゃんの頭が曲がってきてるので帝王切開します。」


陣痛が弱いまま局部麻酔。

「…あれっ。お母さん昨日お酒のんだ?麻酔の効きが悪い…。」


「いぃえ。私お酒なんかのんでません。アルコール私苦手で…。」


麻酔が効くまで待った。


「お母さん、ココ感覚ありますか?」

「あります。」


さらに麻酔。


「お母さん、これ以上麻酔できない!赤ちゃん弱って来てるから!私の手をおもいっきり握って!頑張ってよ!お母さんっ!!」


「ーっ!!!」
「痛ぁいぃーっっ!!!!」


あたしが産声をあげた。

No.1378746 10/07/25 02:09(スレ作成日時)

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No.51 10/07/26 01:33
愛 ( Mmp1xe )

あたしはどんどん太りつづけ、
妹にも辛くあたる日々も増えた。


あたしは生々しい夢にうなされる事が多くなった。

{《「愛、今日は会社の座談会だから一緒にお菓子たべに行こうか。」》

『お父さん以外の人達いるからきっと大丈夫だょね…。お菓子食べたぃ…。ケド着くまでに、またお父さん怒ってあたし叩かれなぃかな…。』}


幼い頃の出来事の夢。

そぅいえば、
あたしは月に1度だけ
怒っていない父と
会社の休憩室にお菓子をもらいに行っていたっけ…。

No.52 10/07/26 02:20
愛 ( Mmp1xe )

{『あたちチョコ食べるぅ♪モグモグ…』

《「お金払ってないのに店のものを食べて、悪い子だ!!」》

『お父さん、一緒に何処行くのかなぁ♪』…
『おじさんだぁれ?』

《「悪い子は こうだっ!!」》

『痛いよぉーー!!』
『なんでげんこつするのぉー!!エーンエーン』 }


……あたし
たしか2、3歳の時、
意味が理解出来ないまま
お店のチョコ食べて

何故かお父さんじゃなくて、お父さんの会社の同僚に大声で突然怒られて、

おもいっきりげんこつされて、泣きじゃくったあたしに父は
薄ら笑みをしていたのを
ハッキリ覚えてる…。



こんな嫌ぁな思いだしたくない感情を、
夢で
この時からたくさん見ている。

No.53 10/07/26 02:39
愛 ( Mmp1xe )

どんどん太ったあたしは、学校の指定ジャージが
はち切れそう。


「あいつ、やば~ぃ。ジャージきも~ぃ!うっける~!!」


…あたしに聞こえてるょ。
そぅだょね。
聞こえるように言ってるんだもんね。


「椅子、壊れっからアレ!」


…はぃはぃ。
壊れるかもね。


『…んっ?あの子あたしをずっと見てる…。』


あたしの似顔絵を書いてクラス中に見せ、
大笑い。


………。

あたしは 泣きたい気持ちを押し殺しながら
1人ぼっちで学校に通い続けた。


そして卒業アルバム作成。
もちろんあたしは、
皆と担任の先生で勝手に
あたしの変な激写写真を選ばれ、載せられた…。


言うまでもなく、
卒業式は誰も口を聞いてくれず
1人ぼっちで家路をたどった。

No.54 10/07/26 02:58
愛 ( Mmp1xe )

あたし15歳。


高校のお金は
母が借金して作ってくれた。

母はこの時すでに
借金まみれになっていた。

いつからだったろう…。

あたしは、
借金取りがチャイムを押すたび
母や父に背中を押され、

「母はいません。」
と言わされた毎日…。

あの時
借金取りは取り立てが厳しくて
電話の嵐、チャイムも豪快、ドアも蹴るのは当たり前。

あたしは背中を押されるたび、毎日ふるえていたっけ…。


『お母さん、なんであたしにいつも怖い思いをさせて平気でいるの…?』

No.55 10/07/26 03:09
愛 ( Mmp1xe )

あたしをイジメてたやつが
高校でも一緒になった…。

同じクラスになった。

胃がもわ~んとした。


あたしは意を決した!

『絶対にイジメられないようにする!』


語るも涙の苦労の末、
体重をもとに戻しダイエット成功!

化粧も覚えた。

髪も少し明るくした。

あたしの外見は変わった。
同時にあたしの心にも明かりが差しはじめた。

家を除けば…。

No.56 10/07/26 03:20
愛 ( Mmp1xe )

「ただいまぁ。」


自転車で帰ってきたあたし。

『あれっ?自転車増えてる…。』


気づけば家の周りに古びた自転車がたくさん。


父が拾う自転車。
みるみるたまっていた。


『んっ!?なんか黒いものが。』


「きゃぁぁぁぁぁ!!」


鳩、猫が八つ裂き姿。

辺り一面血だらけの自転車残骸場。


「ウヒヒヒヒヒ!生意気だとこうだ!」

………!!

No.57 10/07/26 03:29
愛 ( Mmp1xe )

父がいた…。

あたしは凍り付く。


『!!!!』


昔、友達がうちにくれた猫のランちゃん。
あたしは可愛がっていた。

急いで家に入ったあたしはランを探した。

ランがいない!


「ニャーニャー」


『ラン!?』

あたしは声のする方へ歩み寄る。


『!!!!!!』


ランは、全身ガムテープでグルグル巻きになっていた。

No.58 10/07/26 03:41
愛 ( Mmp1xe )

あたしは急いでガムテープを剥がしてあげた。

痛がるランが可愛そうで
心が痛い。

ガムテープを剥がし終えたけれど、ランは腰から下が動かない。

あたしはたまらず父に詰め寄った。


「一体何をしたの!?」


「ウヒヒヒヒヒ!そんなに可愛いか。俺なんもしてないぞ」


あきらかに父がやったという事は間違いない。

父は それ以上何も話さず、ただあたしに笑みを浮かべるだけだった…。

No.59 10/07/26 03:54
愛 ( Mmp1xe )

大きくなったあたしに殴る事を控え、
今度は精神的に追い詰めようとしているのか…。


次の日、
ランを病院に連れていき、何かの薬を飲ませた事が発覚した。

ランは足がもとに戻った。

『よかったぁ』


何故ここまであたしたちを苦しめるのか。

あたしは父が許せなくなってきた。

八つ裂きは、
父がにやけながら白状した。

うちに生まれた子猫が1匹づつ家から逃げて行ったのも、
父があとから


「橋から川に落としてやった。にゃぁーって言って落ちてったぞ!ウヒヒヒヒヒ」


白状した。

もぅ言葉が出ない。
あたしは泣きじゃくった。

No.60 10/07/26 18:08
愛 ( Mmp1xe )

周りの家はFAXも普通になってきた時期、

あたしんちはダイヤル式
黒電話続行中。



翌日、
1本の電話がかかってきた。

「愛さん、警察まで来て下さい。」


『…?
お父さん、のんだくれてまた警察にお世話になったのかな。』


「なんなんですか?」


問うあたしに警察は答えた。


「昨日の放火は知っていますか?あなたにお話をお聞かせ願いたい。」


『………!?!?』

あたしは混乱した!!

放火って何!?!?
意味わかんないっ!!
っていうか、
なんであたしに電話来てるの!?


パニックになったあたしは、興奮しながら母に話した。

「何かの間違いぢゃなぃの?警察、愛に話聞きたいって言うんだから
とにかく行ってきなさい。」



あたしはドキドキしながら警察へ向かった。

No.61 10/07/26 18:55
愛 ( Mmp1xe )

警察に着いた。

あたしは呼吸をととのえた。

「あのぉ、先程 放火の件で電話来たものなんですけどぉ…。」


『いったいどんな話してくるんだろぅ…。』



「こっちに来て!」

「はぃ…」


トコトコついていくあたしに、もぅ1人の警察の人が椅子を出した。


「座って。」

「はぃ…。ぁ…あのぅ…。」

あたしは何もしていないのに ビクビクする。

なんか恐い。


警察の人が口を開いた。

「昨日の○時頃、何処にいましたか?」


『!?!?!?
やっぱりあたし………。』

No.62 10/07/26 19:06
愛 ( Mmp1xe )

あたしは疑いをかけられていた。


『でも、なんであたし??』

全く根拠がわからなかった。


「昨日○時は確か…。
家にいました。
でもなんで私なんですか?私疑われてるんですか?」


意味がわかんなぃから知りたい!
その一心だった。


「実はあなたが犯人だと言う密告電話があったんです。」


『!?!?!?!?!?』


ますます意味がわからない。
一体誰!?

何の根拠であたしを犯人に仕立てたの!?


『もしかして、あたしをイジメてた奴………。』

あたしはそう思った瞬間、

「電話の相手は、あなたのお父さんからです。」


『!!!!!!』


あたしは凍り付いた…。

No.63 10/07/26 22:27
愛 ( Mmp1xe )

『…お父さん!?
あの人はあたしをどうしたいの…?』


さすがに実父から

[申し訳ありません。娘が犯人なんです。捕まえてください。]

なんて 電話きたら、
警察だって 結構信じてしまうだろう…。



あたしは警察の誤解を解くまでかなりの時間がかかった。

父がお酒で何度も警察に保護されてた事、
家庭内で暴れた時も警察を何度もよんでいた事が
誤解を解く鍵となってくれた…。

No.64 10/07/26 22:33
愛 ( Mmp1xe )

「なんでこんな事までするの!!」

あたしは耐たえられなくなり父に怒鳴った!


「この野郎!父親に はむかう気だな!!!!」


………あたしは血だらけになった。

No.65 10/07/26 23:24
愛 ( Mmp1xe )

妹9歳。


父からの虐待、数年間のあたしからの攻撃。

父世代の男性を見るだけで恐怖にかられ、ふるえ泣く。

指しゃぶりに爪噛み。

手は安心したいあまりに
ボロボロになっている。



あたしは1度も[お姉ちゃん]と呼ばれた記憶が無い。

[「愛」、「ねぇねぇ…」]
あの子は自分からあたしを呼んだ事も無い。

無口な妹に、いつもあたしから話しかけてる。



『八つ当たりしたりてごめんね。お姉ちゃんはあんたを守ってあげるからね。』

きっと 明るく話せるようにしてみせるから!!

No.66 10/07/26 23:31
愛 ( Mmp1xe )

最近 父はあたしたちを殴らなくなった。

何があったのかは知らない。

静かな日々が重なった。



そしてある夜、

一瞬にしてあたしの心に 言葉にあらわしようの無い感情が植え付けられた…。

No.67 10/07/26 23:38
愛 ( Mmp1xe )

「ピポピポッ
ピンポンピンポーンッ!!」


激しく押し鳴らされたチャイム音。


「はぁい。どちらさまですか?」


ドアを開けた瞬間、血の気がひいた。

あの夜、父と母の目の前であたしを撫で回したアイツだった…。

No.68 10/07/26 23:49
愛 ( Mmp1xe )

あたしは凍り付いたまま立ちすくんだ。


「お父さんいるかぁぃ。」


酒臭い息。

何事もなかったかのようにあたしにそぅ言った。


「……。は…ぃ。」


あたしは急いで居間に走り父を呼んだ。

父の顔がどんどん真っ青になっていく…。

父は玄関の外でアイツと何か話している。


「おねっちゃーんっ、お姉ちゃーんっっ!」


アイツが叫んであたしを呼んでいる。

あたしの心臓は
すでに息が出来なくなっていた。

No.69 10/07/27 00:19
愛 ( Mmp1xe )

母と妹は部屋の隅で青い顔をしている。


靴を履き、
すくむ足を我慢しながら
あたしは外に出た。

父とアイツが並んでる…。

あたしは今にも倒れそう。

「お姉ちゃん、お父さんお姉ちゃんをイジメてるしょー。おじさんお父さんにヤキ入れてやるから!!」


あたしは喉や胸が潰されてるくらい苦くて息ができないまま
複雑な気持ちになった。

次の瞬間、
あたしの目の前で
父はおもいっきりアイツに殴られた。


『はっ!!!!』


何故かあたしは
さらに『ツキーン』と胸が苦しくなり
ショックと、恐怖とで
身体全部が心臓になった。

「どぅだ?
こんなんじゃ許されないなぁ~。お姉ちゃんっっ、ちゃんと見れよ!!」

倒れた父を起こし、
父は きょうつけ させられまた殴られた。

すごい勢いに父が倒れる。
また起こされ、
また殴る…。



涙が出てきた。
『目の前がクラクラする…
息ができなぃ…
心臓が痛ぃ…』

あたしの心臓は破裂しそう。
目の前の出来事が夢なのか現実なのか区別がつかない。
涙が止まらない……。


「やめてーっっ!!!!!!!!」


あたしは奇声をあげた…。

No.70 10/07/27 00:27
愛 ( Mmp1xe )

倒れ込んでる父の顔は原型がわからない。

あたしはアイツを睨みつけた。

アイツは去った。


………。
何故だろぅ。

あたし… 辛い……。

苦しぃょ…。

あんなに酷い事されてきたのに 何故…。



あの日、

あたしは泣きながら父を抱えた…。

No.71 10/07/27 00:44
愛 ( Mmp1xe )

あたし16歳。


友達ができ、たくさん遊ぶようになった。

毎日が楽しぃ。

友達と遊ぶのがこんなに楽しいものなんて
あたしそんな感情忘れてた…。



そんなある日の事。

友達とお店に入ってご飯♪
あたしは もよおしてトイレにダッシュ。

『もれるぅーっ!!』

小さなトイレ。
扉を開けた瞬間、オシッコ中の男と目が合った!!

『はっ!!』

あたしは男子トイレを開けてしまった…。

慌てたあたしは謝り、
女子トイレで用をたして出た瞬間、
目が合った男が立っている。

No.72 10/07/27 00:54
愛 ( Mmp1xe )

あたしは顔が真っ赤になった。

だって角度が悪くて見ちゃったから……


「さっきはごめんなさぃ!」
「いぃですょ。」


あたしは席に戻った。

『目線を感じる…。』

ふと見たら、さっきの男。
『なんか気まずいなぁ…』

あたしと一緒にいた面食い友達。

よりによってこの男に声をかけた。


これが最初の彼との出会いだった。

No.73 10/07/27 07:13
愛 ( Mmp1xe )

何度かあそんでいるうちに、彼はあたしを気に入ってくれた。

でもあたしは
男性として好き。という感情は生まれなかった。

それでも彼は
あたしとの交際を望み、
あたしは特別彼氏がいなかったので
いつか好きになっていくかもしれなぃ。
と思い、OKした。

そして
彼氏が出来た。

No.74 10/07/27 07:23
愛 ( Mmp1xe )

ご飯食べに行ったり、
ドライブしたり、

それなりにデートを楽しんだ。



ある日
あたしは部屋でボーッとしていた。


「愛ーっ!遊びに来たぁ!」

友達が、あたしの知らない友達を連れて来た。

友達の幼なじみで、
名前はチカちゃん。

チカちゃんとあたしは
始めましての挨拶をした。

チカちゃんと話していくと
めちゃくちゃ波長が合った。
チカちゃんもあたしを好いてくれた。

あたしに 新しい友達が増えた。

No.75 10/07/27 07:32
愛 ( Mmp1xe )

チカちゃんとたくさん遊ぶようになり、
いろんな話をした。


チカのお父さんは
精神的な虐待を繰り返す人で、
チカは泣きながら家を出たいと話した。


妹に手をあげなくなったし、あたしだって父から離れたい。


年頃のあたしたちは
お互いの母親にきちんと話をし、
バイトをして2人で共同生活をする事になった。

あきらかに
若気のいたり だった。

No.76 10/07/27 07:48
愛 ( Mmp1xe )

彼氏とチカと
いっぱい遊んだ。


『家にたくさんの友達が毎日遊びに来てくれて嬉しい!』


あたしは
経験したことの無い友達関係に有頂天。


高校をサボるようになった。

単位がなくなり、
あたしは留年が決定した。


あたしの彼氏は21歳。

留年を告げたら、
「高校やめて、俺と結婚しよう!!」

『あたしまだ若いし、
彼の事まだ好きになってなぃから嫌!』

あたしは結婚など考えられなかったけれど、

彼氏が何とかしてくれる
と思い、
母に言わず勝手に高校を中退した…。

No.77 10/07/27 07:59
愛 ( Mmp1xe )

高校をやめたら
もっといっぱい遊べるようになった。

『楽しくて仕方ないっ♪』


あたしはあの頃若すぎた。


そんなある日、

チャイムが鳴った。
「ピンポーン」

彼くらいの年のヤンキー男が来た。

ヤンキーはあたしを睨みつけた。

あたしはハンパじゃなく
ムカついた!!


『何こいつ!!頭来る!!』


チカはヤンキーに走り寄る。

「お兄ちゃぁん♪」


『……!?お兄ちゃん??』

No.78 10/07/27 08:07
愛 ( Mmp1xe )

『このヤンキー、チカのお兄ちゃん??』


あたしは目を丸くした。

ヤンキーと玄関で話すチカは嬉しそう。

そしてヤンキーが家に入ってきた。


あたしはヤンキーをにらむ。


「妹が世話になってるみたいで…。」


ヤンキーは、ヤンキー口調であたしに言った。


「いぃぇ…べつに」


腹立つあたしはヤンキーの様子を探った。

No.79 10/07/27 08:21
愛 ( Mmp1xe )

そしてヤンキーが帰った。


「愛、ごめんね。
あたしのお兄ちゃん、
中学んときから暴走族入ってそれからグレちゃって。」

聞けばヤンキーも、
チカと同じようにお父さんにやられてたようだ。



数日後、
またヤンキーが来た。

あたしはチカのお兄ちゃんだろうが、
第一印象が悪すぎるので
好意を抱けなかった。


同じく、
ヤンキーもあたしが嫌いなようだ。



運命の赤い糸を信じ、
王子様を夢見ていたあたし。

そんなあたしだったのに
これが運命の赤い糸だったなんて…。

No.80 10/07/27 08:50
愛 ( Mmp1xe )

そして
この出会いも

あたしのこの先の人生に
苦しい試練を足す事になるなんて…。

No.81 10/07/27 20:55
愛 ( Mmp1xe )

彼氏といつものようにデート。


「チカのお兄ちゃんすごくイカツクテ、
初対面でいきなり
ものすんごい顔で あたしを睨みつけたんだょー!!」


彼は、笑ってる。


家に帰ったあたし達は
チカと3人でヤンキーの話で盛り上がった。


「ブォーン、ブォーンッ」
車のマフラーの音。

ヤンキーがまたうちに来た。


うちに入ったヤンキーは

「少し時間つぶすから…。」

うちに居座った。

あたしの彼は
ヤンキーとたくさん話をして、奴らは仲良くなった。

No.82 10/07/27 21:09
愛 ( Mmp1xe )

頻繁にうちに来るようになったヤンキーは、

あたしには やっぱり態度が悪い。



チカは出かけて、
あたし1人で家にいた夜、

いつものようにヤンキーがまた来た。


「チカいなぃけどっ!」

言い放つあたしにヤンキーは

「………。」


『んっ!?ヤンキーなんかあったのかな??』


「家入っていぃか…?」


『ちょっ、ちょっと!!』


勝手に家にあがった。

No.83 10/07/27 21:19
愛 ( Mmp1xe )

あたしは しどろもどろ。
勝手にお酒をのみだした。
無言の時間が続く…。


そしてたえきれず
あたしは口をひらいた。


「チカ遅いし、帰ってもらえませんか?」

「愛。俺の頭見てもらえない?」


『はぁ?
あたしの名前呼び捨て?
[ちゃん]くらぃつけろっつーの!



「頭どぅしたの?」

「怪我してないか見てくれ」

『怪我??』


あたしは
親指と人差し指で
髪の毛をつまみながら見た。

No.84 10/07/27 21:30
愛 ( Mmp1xe )

『…!? ガラス…!?』


ガラスがキラキラと
頭で光ってる。


「さっき、先輩に瓶でヤラれてよぉ…」

その瞬間、
あたしとヤンキーの手が頭で触れた。


即座に逃げた
あたしとヤンキーの手。

あたしたちは
ハッとした。

近距離で目が合い、
あたしもヤンキーも
視線が離れなかった。


この瞬間、
あたしたちは恋に落ちた。

No.85 10/07/27 21:36
愛 ( Mmp1xe )

あたしとチカのお兄ちゃんは、
みるみるお互いにハマっていった。


チカのお兄ちゃんの名前は
[ヒロヤ]。


ヒロヤには2年越しの彼女がいる。

あたしも彼氏がいる。


恋って凄い。
何も見えなくさせてしまうんだもん。

No.86 10/07/27 21:53
愛 ( Mmp1xe )

あたしとヒロヤは

「話さないといけない事がある。」

と、お互いの相手に言った。



ヒロヤの家に集まった4人。

いきさつを話したヒロヤに
ヒロヤの彼女は方針状態。

あたしの彼は泣いた。



お互いがくっつく為に、
人を傷つけなければならないなんて辛かった…。


次の瞬間、
ヒロヤの彼女が凄い勢いで
走り、トイレにこもった!!

「きゃぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「嫌ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


初めて聞く 女性の声帯から出る限界の奇声。


あたしは
辛くて
胸が押し潰された…。


『ごめんなさぃ…。
ごめんなさぃ…。
ごめんなさぃ…。』

No.87 10/07/27 23:52
愛 ( Mmp1xe )

その夜、
4人でヒロヤの家で泊まる事になった。


あたしとヒロヤは ヒロヤの部屋。

あたしの彼とヒロヤの彼女は
居間。



翌朝、
あたしはヒロヤの部屋を出て目撃したものは……。


あたしの彼とヒロヤの彼女が
……。

『寄り添ってる!!!!』

No.88 10/07/28 00:04
愛 ( Mmp1xe )

あたしたちは パートナーを入れ替えた状態になった!!



こうして
あたしとヒロヤ、彼と彼女の
交際がスタートした。



数ヶ月後、
彼女の妊娠が発覚した。

あたしは混乱した!

だって、
もしかしたらヒロヤが父親かもしれなぃから…。


あたしは彼女にしつこいくらい 妊娠した月日を聞き、逆算しまくった!


ヒロヤと彼女が別れ前後の微妙な日だった!

胸が苦しくなり、
あたしはヒロヤの胸で泣いた。


何度も何度も
あたしとヒロヤは 彼女の妊娠週数を確認していき、
結果、
ヒロヤではなく、
あたしの元彼の子だった。

No.89 10/07/28 00:08
愛 ( Mmp1xe )

ヒロヤの彼女と あたしの彼氏は 結婚した。


あたしたちは交際続行中。



チカは
「べつにいぃんじゃなぃ?」
と、あたしたちを受け入れてくれた。



……が、

これからチカとあたしの長いすれ違いが始まった。

No.90 10/07/28 00:27
愛 ( Mmp1xe )

カマドが2つだとお金も倍かかるので、
ヒロヤの家を引き払い、
あたしたちは3人で住むことにした。



チカの友達が頻繁にうちに遊びにくるようになった。


その友達は、
必要以上にヒロヤに接近しまくっている。

たまに、あたしとヒロヤを見て悲しそうな表情をしていた。

チカは
あたしでは無く、
その友達の味方のような行動をとっている。

あたしは、うすうす気づいていた。


そして
あたしはチカと話した。

「あの子、愛とお兄ちゃんが出会うずっとずーっと前から、お兄ちゃんが好きなんだよ!!」

チカの言い方は
やっぱりあたしの味方ではない。


チカの行動がエスカレートしていく。


あたしがいない時、
その友達をうちにあげては友達とヒロヤとの時間を作る。


その友達は
あたしに対してどんどん攻撃的になってきた。

No.91 10/07/28 00:37
愛 ( Mmp1xe )

あたしはヒロヤに話した。

「何言ってんの?俺、
その子全く興味無いし、女としてなんか見れないし。あいつら勝手にそんな事してるだけだべ。
チカもその子も気にすんな!」


『そっか。そぅだねわかった。』


あたしはヒロヤを信じ、
気にしないようにした。



そして
あたしたちは燃え上がり、周りが見えなくなっていった。


ヒロヤはチカに言った。

「俺ら2人で生活したい。」


チカは家を出て行った…。

No.92 10/07/28 00:53
愛 ( Mmp1xe )

あたしは回転寿司のバイトを頑張っていたある日。


「愛!愛ーっ!!
うちの娘ここにいるんだ!!寿司ただで出せバカヤロー!!」


『!!』


父がバイト先に乗り込んできた!

他の客がびっくりしている。

あたしは店長に謝り、
叫び散らす父を店から引きずり出し追い返した。


店へ戻ったあたしは
店長のところに行き、謝りたおした。


「実はね…。
愛ちゃんが休みの日、
お父さん何回か店に来てるんだよ…。
そのたびお客さんに迷惑かけるし、
お酒持って飲みながら何時間も居座って怒鳴り散らすし、追い返すの大変なんだよ…。
悪いけど うちを辞めてもらえるかな。」


『!!!!!!』


………。
あたしはクビになった…。

No.93 10/07/28 01:01
愛 ( Mmp1xe )

実家に乗り込んでいったあたし。


「クソジジィ!!ふざけんじゃねーよ!!」


家を出ていた歳月で
あたしの言葉遣いも変わっていた。

父は泥酔している。

母はあたしにびっくりして、あたしをなだめた。

妹をびっくりさせてしまったあたしは我にかえり、
妹を抱きしめ、泣いた。

No.94 10/07/28 01:14
愛 ( Mmp1xe )

あたしは 生活費を稼ぐ為、すぐ次のバイトを見つけた。


もちろん父には知られないようにした。




スーパーのレジのバイトも軌道にのってきたある日。

「愛ちゃん見てー!
店の玄関!
出入りする客に突っ掛かってるおやじぃ!
あの人最近、玄関に座って何時間もグダまいて
店長いっつも警察呼ぶ呼ばないで言い合ってんだよー!!
オシッコ漏らしてくし、
体臭も臭くてやばぃから!」

「本当ですかー!
いますよねー、やっかいな客ってー!!」

あたしはそぅ言いながら玄関を見た。


『!!!!!!!!!』


父だった…。

No.95 10/07/28 01:26
愛 ( Mmp1xe )

『口から心臓が出そう…』

バクバクしながら あたしは
すぐさま 背中を向け、

レジにいると父に見つかるのは時間の問題なので


「お腹痛い…。お昼何食べたっけ…。ちょっとトイレ行ってきます。」


即座に逃げた!



『いぃかげんにしてよ!!
もぅ嫌…。』


トイレで泣いた。


15分くらい経った頃、
あたしはレジに戻った。


「愛ちゃん、ちょっと…」


店長に呼ばれた。


すぐさま後ろを向いたあたしだったが、
父はあたしを見つけていた。


あたしは またクビになった…。

No.96 10/07/28 01:45
愛 ( Mmp1xe )

なんでまだあたしを苦しめるの?
もう16年だょ…。


母に話した。


「お父さん、あんなんだから愛に苦労かけるわね。許してね。」


『…えっ それだけ?』


母が父を止めてくれると
期待したのに…。




あれから父は
妹にいっさい手はあげていない。




あたしが物を取りに
ヒロヤの車に乗せてもらって
実家に行った時の事。


ヒロヤが車ん中であたしを待っていた。

父が仕事から帰ってきた。
あたしは無視してすぐヒロヤの車に戻った。


走り出して間もなく、
ヒロヤの様子がおかしい事に気づいた。


「どうしたの?」

「なんでもない…。」


あきらかに様子がおかしい。


家に帰ったあたしは
ヒロヤに質問し続けた。

ヒロヤは
「べつに…。」

ただそれだけだった。

No.97 10/07/28 02:06
愛 ( Mmp1xe )

ヒロヤは日々
あたしに素っ気なくなって行く…。

あたしは理由を探しまくっていた。


『あたし、何かいけない事したのかな…。』


数週間経ち我慢できなくなったあたしは、
強引にヒロヤに問いただした。


ヒロヤから出た言葉は
あたしの頭上に衝撃をもらたした。

「愛のお父さん、全然親切な人じゃん。
俺に教えてくれたょ…。
この前、愛の実家前で愛を待ってた時さ。
『愛が実家に行ってる時、愛は他の男の車に乗ってどっか行った。
いろんな車が家に来てるから。』って…。
チカに相談したよ俺…。」



『!!!!!!!!!!』


あたしは絶句した。



もぅ嫌だっ!

お父さん酷すぎる…。

ヒロヤ、あたしを信じてくれなかった…。

あたしはこのまま父に邪魔され続けて、
結婚すら出来ないんだ…。

あたしは外に飛び出し
走りながら大声で泣きつづけた。

No.98 10/07/28 02:44
愛 ( Mmp1xe )

あたしは外で一夜を明かした。



家に戻った。
ヒロヤはいない。
かわりにチカがいた。


「お兄ちゃん、買い物ぉ。」

チカはあたしに どこかしら冷たい。

そりゃそぅだ…。
あたしが浮気しまくってるとお兄ちゃんから聞いたんだから…。


あたしはチカに言った。
「お父さん、またあたしを……。」

「あっ!!お兄ちゃん帰ってきたぁ。おかえりぃ!」


チカはあたしの話など
聞くそぶりも無かった。




しきりに実家に帰るようになったヒロヤ。
チカも今は実家に帰っている。


チカが言った。

「私のお父さん、愛の事、大嫌いだって~ぇ。
うちの仕切は またがせないってさぁ~。」


あたしは頭が真っ白になり、内蔵がキュ~っとした。



あたしはヒロヤへ誤解を説明したけど、

ヒロヤは「実の父親がわざわざ教えてくれたんだから」
と、半信半疑。

「ヒロヤの家族にまで誤解がいったから、あたし親に話したい!」

そう言ったあたしだったが、

仕切またがせない!
との事で、
ヒロヤの家族も一切あたしを受け入れてくれなかった。

毎日あたしと別れろ!と、ヒロヤは親に頻繁に言われる日々が続いた。

No.99 10/07/28 02:52
愛 ( Mmp1xe )

ヒロヤは 半信半疑のままだけど、
あたしの事を嫌いにはならず、好きだと言った。


ヒロヤは「愛とは別れない!」と、
父親と毎日のように喧嘩するようになった。


どんどんヒロヤが疲れているのがわかる。



『恋は盲目』とは
よく言ったものだ。



あたしもヒロヤを嫌いにはならず、
どうにか誤解を解こうと必死になっていた。





…そしてヒロヤは
不可解な行動をするようになっていった…。

No.100 10/07/28 03:05
愛 ( Mmp1xe )

あたし17歳。


表には出ない 裏方の仕事をし続けた。


あたしは
思う事があった。


『高校資格すら、このまま無くていいの??』


友達が出来た喜びのあまり遊びに集中し、
やめてしまった高校。


あたしは後悔していた。


そして 決めたっ!


「夜間高校へ行く!!!!」


あたしは すぐさま願書を出し、夜間高校へ入学した。

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