生きる意味

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2010/10/26 03:12(更新日時)

今から二十数年前…
あたしの人生は始まった。




とても長い、出口の見えない辛い人生の始まりだった。

No.1162807 (スレ作成日時)

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No.151

しばらく平穏な幸せな日々が続いた。



良太の家はあたしにとっては天国だった。


殴られる事も、罵られる事もない。

みんな優しい。



でも…


あたしはレイプされた事を良太に隠している罪悪感から逃れられなかった。


あたしは良太に愛される資格なんてないのに…


一人でいると自分を責め、無意識に腕を噛んだり、髪の毛をむしっていた。



良太に話そうか…




嫌だ!
絶対良太には知られたくない!




この2つの気持ちがあたしを苦しめた。

No.152

腕には噛んで出来た痣だらけ。


急激に体重も落ちた。


そんなあたしに良太は
『家にいるの辛い?やっぱり気を使って気疲れする?』


と、気遣ってくれた。


『全然!凄く楽しいし幸せだよ。本当に良太やお父さん、お母さん、瑛太くん、幸太くんには感謝してるよ』



良太は悲しそうに…
辛そうな顔をし、抱きしめてくれた。



『優の心の傷は、俺には分からないくらい深く傷ついてると思う。だから俺は優を守るよ!少しでも傷を癒す事が出来るように頑張るから…だから自分を傷つけないで。お願い。』



ここまで想ってくれてる良太を失いたくない。


あたしはレイプされた事を隠す事に決めた。

卑怯かも知れない…
罪悪感に押し潰されそうになるかも知れない…


それでも良太を失いたくない気持ちの方が大きかった。

No.153

その日…


あたしは良太と初めて結ばれた。



初め身体に触れられた瞬間…
乱暴された記憶が蘇り身体が強ばった。


正直怖かった。


そんなあたしに良太は
『無理しなくていいよ。俺はこうしてるだけでもいいよ。』と、抱きしめてくれた。



抱きしめられ、良太の温もりを感じ、優しいキスをされ良太に対する恐怖は無くなっていた。


むしろ、あたしは良太に抱かれたいと思った。


良太と愛のあるセックスをすればあの時の事が無かった事になるかも知れない…そんなバカな事も思った。


『大丈夫…良太としたい。』



あたしがそう言うと良太は赤ちゃんをあやすようにゆっくり、優しくしてくれた。


汚れているあたしが一瞬…


綺麗になった気がした。

No.154

良太に愛され、守られ、あたしはこのまま良太と幸せになれるような気がしていた。











でも…

そんなあたしにまた試練が訪れた。






あたしは幸せになったらダメみたい…

No.155

良太の家にあいつが怒鳴り込んできた。

『優!お前いつまで勝手な事してるんな!いい加減にしろ!』


良太のお父さんが
『まぁ落ち着いて下さいよ。』と、冷静に話しをしようとしているのに
『うるさい!だいたいお前らのせいでこうなってるんだろ!』


お世話になってる良太の家族に失礼な事を言われ頭に来て
『良太や良太の家族に酷い事言わないでよ!あんたが居るから家には帰らない!』と、あたしは怒鳴った。


あいつは『あの事怒ってるんか?』と笑った。


『でも男と一緒に住んで、お前はやっぱり淫乱な女。この前の男、良かったか?身体売るのがお前に一番似合う仕事だと思うから俺が世話してやったんだから感謝しろよ。』


あいつは良太達にわざと聞かす為にニヤニヤしながらあの夜の話をしだした。

そして『あんたらもこんな女かばってもいい事ないよ。こいつはこの程度の女だからさ。これから俺の為に稼いでもらうから返してよ。』


ヘラヘラ笑い、人をバカにしながら話すあいつ。

一番隠した通したかった事を言われ…うつむき涙を堪え立ちすくむあたし…

そんなあたしの横に立っていた良太が…あいつに殴りかかった。

No.156

横レスすみません💧なんだかすごいせつない。かわいそうに…。今が幸せでありますように。

No.157

>> 156 ✨匿名匿子さん✨

コメントありがとうございます🙇温かいお言葉とても嬉しいです✨
良かったらこれからも読んで下さい✨
感想スレがあるのでまたそちらにコメントお願いします😃

No.158

『良太ッ!!』


あたしは慌てて良太を止めた。


こんな奴を殴って…

優しく、正義感の強い清い良太を汚したくなかった。



『なんだこのガキ!生意気な!』


揉み合いになりそうになったのであたしは

『今日は帰って下さい。』と、あいつに頭を下げた。


『さっさと帰ってこいよ!!』


そう言いあいつはやっと帰ってくれた。



良太は身体を震わせ、顔を真っ赤に染めていた。



『気にすんなよ。』


良太パパがあたしの肩を叩き慰めてくれた。


『良太…嫌な思いさせてごめんね。』


『俺は大丈夫。優こそ大丈夫か…?』


優しく笑ってくれてるけど明らかに良太の顔はショックを受けているようにあたしは思えた。

No.159

あれからしばらくたっても、良太はあたしに何も聞きにこなかった。


信用してくれてるのか…


それとも真実を知るのが怖いのか…



良太の態度はいつも通りなのにあたしは悪い方にばかり考えていた。



あいつも度々来ては文句を言い、暴れて帰る…



あたしは良太や良太の家族に申し訳ない気持ちと、あいつにあの事を話され良太に軽蔑されてるんじゃないかと思い疑心暗鬼になり辛くなっていた。



そんなあたしの気持ちに一番に気付いてくれたのが良太ママだった。

No.160

『優ちゃん…辛かったね。もう大丈夫よ。何も心配する事も、私達に気を使う事もしなくていいのよ。良太の事も…あの子は本気で優ちゃんの事守りたいのよ。私達にちゃんと優の家族になりたいから結婚したいって…だから信じてあげてね。』


そう言い、良太ママはあたしをギュッと抱きしめてくれた。



あたしはそこまで考えてくれてる良太にキチンと話しをしようと決心した。

No.161

『良太…話し聞いてくれる?』



あたしは別れも覚悟して、レイプされた事、あいつに売られた事、全て話した。



そして隠していた事を謝った。



良太はしばらく黙っていたが


『嫌な事話してくれてありがとう。俺はあいつと優に乱暴した男を殺したい…なんで優ばかり辛い目に合わなきゃならないんだよ!俺は…自分が何も出来ないのが辛いよ。』



あたし達は抱き合い声が枯れるまで泣き続けた。

No.162

泣きながら良太は


『結婚しよう。本当の家族になろう。』


そう何度も繰り返した。




その言葉だけで幸せだったが、良太のその思いは強くその日から何度も、何度も、両親と話し合いをしていた。


結果、結婚を許す条件が出された。


1、優はキチンと高校を卒業する事。


2、良太はキチンと大学を卒業し、就職する事。


3、バイトをして少しでも生活費を入れる事。


この3つを条件に結婚の許しを貰った。

No.163

良太と付き合う事になった思い出のファミレスに2人で食事に行った時、



『条件付きだけど親も許してくれた。でも優はまだ若いし俺に決めてって言うのも可哀想かなって思うけど…


でも…俺は真剣に優と結婚して温かい家庭を持ちたい。優の家族になりたいから…

優…

俺と結婚して下さい。』



可愛いリングケースに入ったお揃いのリングをテーブルの上に置き良太は顔を真っ赤にしてうつむいていた。



あたしは


『本当にいいの?あたしと結婚したら良太も苦労するよ…こんなあたしと本当に結婚していいの?』


あたしは何度も確認したが、良太は


『優がいいの。優が一緒なら苦労なんて平気だよ。』


あたしは良太に甘え

『よろしくお願いします。』と頭を下げた。

まるでドラマでも見ているような…夢の出来事だった。

No.164

あたしと良太は良太の両親に証人になってもらい婚姻届けを書いた。あたしはまだ未成年だったので親の承諾が必要だったから母に書いて貰った。



あいつは反対だとか色々文句をつけてたけどあたしは気にしなかった。



絶対に良太と幸せになるんだ!!
その気持ちがあたしを強くさせてくれた。



良太の両親は学校に訳を話して在学中は旧姓のまま過ごせるようにしてくれた。



良太の両親、兄弟は本当によくしてくれ感謝しても感謝しきれないくらいでした。



そんな時、あいつが事件を起こした。

No.165

あいつが覚醒剤を使用した上、傷害罪で逮捕された。


前科もあり、実刑を受け服役した。



あたしはその話を母に聞いた時、これでしばらくはあいつから解放されると思った。



あいつが出てくるまでの2年間は本当に幸せだった。


良太は大学を卒業し、キチンとした会社に就職も決まり、あたしは高校を卒業してすぐ妊娠。


早く子供が欲しかったあたし達は良太の就職、あたしの高校卒業が決まると子供をつくる事にした。



幸いな事に妊娠を告げると良太も良太の両親もみんな喜んでくれました。


良太パパからは
『二人とも約束を守ってよく頑張った。良太も優も二人とも私の大事な子供だよ。こんなに早く孫が抱けるなんて…ありがとう。』と涙ながらに喜んでもらいあたも嬉しくて泣きました。



良太はすぐに親バカ振りを発揮。
良太パパ、ママもあたしの身体を気遣いいつも以上に優しくしてくれました。



あたしはこんな家庭に産まれたかった。


そう思える家族でした。

No.166

毎日が平和で幸せで…
幼い頃の自分には想像も出来ない事だった。


お腹には毎日
『ママが絶対に守るから安心して産まれてきてね。絶対に幸せにするからね。』

そう話しかけていた。



自分のような子供にはさせない。
あんな辛い思いはさせない。



その思いでいっぱいだった。


良太も毎日お腹に話しかけてくれ、あたしを気遣ってくれ本当に幸せだった。



こんなに幸せでいいの??
あたしが幸せになっていいの??



そんな不安もありました。

No.167

そんな不安が的中したのは妊娠も安定期になった5ヶ月だった。



いつものように散歩をしながら買い物をして帰っている時…



後ろから
『よう!元気そうだな。』



聞き覚えのある声にゾッとした。




振り返るとあいつが立っていた。



驚きのあまり声も出せなかったあたしにあいつは笑いながら


『ビックリしすぎて声も出ないってか!1週間前に出所してきんだよ!』


と、怒鳴った。
そして


『何で面会にも来ないんだよ!!誰も面会に来なかったら看守の印象も悪いし仮出所も遅くなるんだよ!あいつ(母)が来なかったのもお前の入れ知恵だろ!自分だけ幸せそうな顔すんなよ!!』


そう言い突き飛ばされた。


あたしはとっさにお腹を庇った。

No.168

『お前は幸せになんかなれねぇよ!』


そう言いあいつは執拗にあたしを突き飛ばしあたしはその場に倒れた。


『どうしてあたしは幸せになっちゃいけの!あたしが何をしたのよ!』



お腹を両手で庇いながら必死に立ち上がりあいつに言うと


『理由なんかない。ただお前が嫌いなだけ。子供の頃から可愛げがなかったからな。お前見てるとムカつくんだよ!!絶対幸せになんかさせないよ!俺がずっと付きまとうからな。』



あたしは言われてる意味が分からなかった。なんでこんなに恨まれなければいけないのか…
恨みたいのはこっちなのに…


言ってる事が支離滅裂で話にもならなかった。



話にならない相手に何を言っても無駄と思いあたしは立ち去ろうとしたが、あいつはしつこく訳の分からない事を言いながらついてくる。



とてつもない恐怖だった。

No.169

『お前だけじゃなく男も男の家族もみんな不幸にしてやるよ!!お前のせいでみんなが不幸になるんだ!!』


あたしだけじゃなく良太や良太パパやママまでこいつは何かするつもりだ…


そう思ったあたしは


『あんたの思い通りになんかならない!あたしと良太はあんたになんか負けないから!』



そしてあたしは走って家まで逃げた。

No.170

家に入り鍵をかけるとそのままその場に座り込んでしまった。



胸のドキドキが赤ちゃんに伝わるんじゃないかと思うくらい恐怖で心臓が脈打っていった。



あたしはお腹を撫でながら

『ごめんね。怖がったね。でも大丈夫だからね。大丈夫、大丈夫。パパも守ってくれるからね。』

と、何度も繰り返した。


それは自分にも言い聞かせているかと思うくらい何度も…


何度も…

No.171

その日の事を良太に話した。


あいつは良太や家族にも何かするかも知れない事…。


そしてあたしはどうしたらいいのか…。


良太に聞くと、
『身体大丈夫か!?あいつ最低だな!!』
と、心配してくれ

『みんなには話しとくから大丈夫。優は赤ちゃんの事だけ考えてたらいいよ。でも外出は控えた方がいいな。』


そう言い優しく抱きしめてくれた。


その日の夜、家族でご飯を食べてる時に良太が話を切り出した。


良太パパは
『あの男は本当になにするか分からないから一応警察に相談しに行こう。優は危ないから一人の時は家に居なさい。瑛太、幸太、お前達も優の事頼んだぞ。』


あたしが居る事でみんなに迷惑をかけてるのに…


優しくしてくれる良太達に本当に感謝していた。

No.172

それから嫌がらせが始まった。


ポストにあたしに対する誹謗中傷した紙を大量に入れたり


ズタズタに切り裂かれたベビー服を送ってきたり


あたしに対して弔電を送ってきたり…



それはあたしだけじゃなく良太の親戚にも同じような事をしていた。


良太の親戚達からは当然あたしは疎まれ、迷惑がられた。


良太パパ達はちゃんと話しとくし謝っておくから優は気にすんなよと言ってくれたけど…
本当は毎日、毎日、親戚から苦情の電話が掛かって来ている事も、あたしと別れるように説得されている事も知っていた。



あたしがここに居ちゃいけない…


罪悪感と恐怖心、このまま赤ちゃん産んでいいのかと思う不安から寝れなくなり、食べれなった。

No.173

家族もあいつの嫌がらせに心身共に疲れていた。


いつの間にか家からは笑顔が消えていた。



そんな日々が続きあたしはとうとう倒れてしまった。

No.174

元々、未熟児で産まれた為に身体はとても弱かった。


頭痛に高熱は頻繁に起こり、貧血や低血圧にもずっと悩まされていた。



だからもっともっと…妊娠してるんだから気をつけなきゃいけなかった。



あたしは倒れて救急車で病院に運ばれた。



【切迫流産】



とにかく絶対安静で、トイレも食事も寝たままで24時間点滴。


あたしはずっと赤ちゃんに謝り続けた。


『ごめんね。ママがこんなに弱くちゃダメだね。もう大丈夫だから頑張ってね。』


何度も…


何度も…

No.175

でも…


あたしのお腹の中の小さな、小さな赤ちゃんは懸命に頑張ってくれたけど…



神様の所に戻ってしまいました。



あたしのせいで。



あたしがこんなダメなママだから


人に迷惑かけながら生きてるダメな人間だから



小さな命を守ってあげれなかった。



本当にごめんなさい。

No.176

体調が悪くまだしばらく入院が続く事になった。


良太達は毎日お見舞いに来てくれた。


パパもママも瑛太くん、幸太くん…
みんなあいつからの嫌がらせで疲れているのに…


誰一人あたしを責めなかった。


それが余計辛かった。

何もかもあたしが悪いのに優しくしてくれ、気を遣わしてる事が辛かった。


こんなにいい人達をもう苦しめたくない。



苦しむのはあたしだけで充分。



良太を愛してるから…

良太やみんかが本当に大切だから…




あたしは決めた。

No.177

入院中に母も来て、泣きながら謝り続けた。

謝られても赤ちゃんは帰ってこない。



あたしと良太の親戚の間に出来た溝は戻らない。



謝るくらいなら何故あいつを止めてくれないの?


どうしてあいつからあたしを守ってくれないの?



言いたい事は山程あるけど母に腹が立ちすぎて言葉が出て来なかった。


いつまでも母を心配して庇っていてもあたしは幸せになれない。



そしてあたしと居たら良太も幸せになれない。



地元を離れ自分の新しい人生を歩いて行こう…

No.178

退院してすぐにあたしは役所に行き離婚届を貰ってきた。



そして自分の欄だけ記入し…

良太と話し合った。

No.179

『色々とごめんなさい。良太やみんなに迷惑かけてしまって…』



『気にすんなっ!優が元気になってくれたらそれでいいよ!』


優しく笑う良太。


この笑顔にどれだけ救われたか…




『良太…今まで本当にありがとう。良太と結婚出来てめちゃめちゃ幸せだった。
でもあたしと居たら良太は幸せになれない。良太だけじゃなく…パパもママも瑛太くん、幸太くんみんな不幸にしちゃう!だから…離婚して下さい…。』


あたしは土下座した。

No.180

呆気にとられ呆然とする良太。


『良太の親戚の人達にもあたしが居る事で迷惑をかけてるから…パパも立場上辛いと思う。あたしのせいで喧嘩になったり、いがみ合ったりするのは嫌なの!』


黙って聞いてる良太にあたしは続けた。


『勝手な事言ってるは充分分かってる。これだけ良くしてもらったのに恩を仇で返すような事してごめんなさい。でも…辛いの。みんなの疲れた顔を見たくない、ずっと笑ってて欲しいの。自分のせいで人を不幸にしたくない。人を不幸にして幸せになんかなれないよ。』


あたしは自分の思う事を良太に全て話した。

No.181

良太は少し悲しそうに困った顔をしていた。


『俺達はそんな事思ってもないよ。それに親戚との事も優のせいじゃなくあいつのせいだろ?優が気にする事じゃないよ。誰かに何か言われたの?』





『違うよ!みんな優しくしてくれるよ。だから余計辛いんよ。あたしは地元を離れようと思ってる…ここにあたしがいる限りお母さんの事も気になっちゃうからあいつとの繋がりも切れないから…今回の事で分かったんよ。もうお母さんの事もほっとこう…あたしは人に迷惑かけないように生きていこうって…分かってもらえる…?』



良太はしばらく黙って

『ちょっと考える時間頂戴。』


と、だけ答えた。

No.182

あたし達はそれから幾度となく話し合った。

良太はいつも怒ったり怒鳴ったりはしなかったが、とても悲しそうな困った顔をしていた。



『なんでいきなり離婚って考えになったの?俺は離婚なんて考えた事もないよ。』



あたしも自分から離婚をお願いするのはおかしいと思う。


良太から離婚を迫られるなら分かるが…


あいつのせいで迷惑をかけても…
あたしを守り、愛してくれてる良太とこのまま一緒に居れば良いのかも知れない。


そうすればあたしは幸せになれるかも知れない。



でも…その代わり、あたしのせいで周りが迷惑したり、困る事はこれからも続く。


それなのに…
あたしは良太と居て、自分が幸せならいいの…?


色々な気持ちがぐちゃぐちゃになりながらも入院中あたしなりに考えた結論が…


離婚だった。


自分より良太を守りたい。
あたしが良太から離れる事でアイツからの嫌がらせが無くなり、親戚との仲も戻る…


心底愛してるからこそ自分の事より…
良太の事を考えられた。

No.183

あたしはとにかくココ(地元)を離れたい事を良太に伝えた。


ココにあたしが居たら周りを巻き込む…

何故か分からないけどアイツはあたしを嫌い目の敵にしているからあたしが幸せになる事を許さない…


だからこそアイツの知らない所に行き周りにも迷惑かけないように暮らす事を考えた。


良太は

『じゃあ、俺も一緒に行く!』


と、何度も言ってくれたが良太が就職した会社は地元ではとても大きな会社でそこに入社希望していた良太は就職が内定した時物凄く大喜びした事と、


良太と一緒にココを離れても残された良太の家族や親戚にアイツはあたしの居場所を聞く為に執拗に嫌がらせをするかも知れない事を考えると素直に一緒に行ってとは言えなかった…

No.184

離婚を切り出してから2ヶ月…


良太は渋々、離婚届を書いてくれた。



納得した訳ではない。あたしの決意の固さに良太が負けた形だった。


それから良太の両親、瑛太くん、幸太くんに報告した。


離婚の話し合いの最中でも普段と変わらず仲が良かったあたし達のいきなりの離婚報告にみんなが呆然としていた。


初めは反対していた両親も二人が決めたなら…と許してくれた。

No.185

荷物は最低限の着替えだけで後は処分した。

出ていく前の夜…


良太とゆっくり話をした。


結婚して2年半とても幸せだった事。


今までの人生で一番幸せだった事を伝えた。

そしてアイツのせいで迷惑かけた事を謝った。



良太はいつもより無口でずっとあたしの手を離さなかった。


その手は…
痛いくらい力いっぱいに握りしめていた。


あたしも握り返し、しばらく沈黙が続いた。


『おいで。』



良太はあたしの手を引っ張り…膝の上に向き合って座わらした。


良太の目は真っ赤になっていた。



『優…』


あたし達はキスをした。


長く、熱い、優しいキスに良太の想いが伝わりあたしは泣きじゃくってしまった。

No.186

自分で離婚を決め、無理矢理に良太を納得させ時ながら泣いてしまった自分が情けなかった…


でも…一度流した涙は止められなかった。



良太はあたしのほっぺを両手で挟み、オデコとオデコをくっつけて

『優…俺も泣きそう。』


と、目に涙を浮かべながら笑っていた。



『良太もう涙落ちそうだよ。』
と、あたしも笑った。


抱き合い、キスをする…


その繰り返し。



良太はずっと優しく…強く抱きしめてくれた。

No.187

『優…俺は好きでお前の手を離すんじゃないからな。本音を言えばまだ別れたくないよ。誰に迷惑かけられても、周りに何も言われても優と一緒に居たい。
でも…優しく人一倍、周りに気を使う優には辛い事だったよな。』

良太があたしの気持ちを凄く理解してくれていた事に胸がいっぱいになった…


そして…


『別れても、優が俺の事を必要になって手を伸ばして来たなら俺はその手を受け入れるよ。』



あたしは良太の優しさに言葉が出なかった。

No.188

その夜、あたし達はなかなか寝付けなかった。



あたしは急に別れるのが嫌になった…



そして、良太との別れが怖くなった…



今ならまだ戻れるかも…?




そんな事ばかり考えていた。




あたしはいつまでも弱い人間だと実感した。

No.189

次の日の朝、あたしはみんなに最後の挨拶をした。



『長い間本当にお世話になりました。パパ、ママ、瑛太くん、幸太くん…。
みんながとても優しくしてくれ、幸せでした。今までの辛い人生の中でココで過ごした日々はあたしの宝物になりました。
あたしは…みんなに凄い迷惑をかけたのに、何一つ恩返しも出来ないまま出ていく事を許して下さい。』



自分勝手なワガママで良太をバツイチにしてしまったのに…

そんなあたしに最後の最後までみんなは優しかった。


パパは黙ってうつむいていた。


ママは泣きながら抱きしめてくれた。


瑛太くん、幸太くんは本当のお兄ちゃんのように心配そうにしていた。


黙っていたパパが言った。


『優…自分を責めるな。そしてもっと自分を大事にしなさい。優は人一倍、人の気持ちを思いやる子だ。それは優にとって凄くいい面でもあり、悪い面でもある。もっと周りに甘えたらいいんだよ。ワガママになって守って貰ったらいいんだよ。自分の幸せを一番に考えて絶対幸せになりなさい。』

No.190

良太パパの言葉に胸が熱くなり、思わず泣きそうになるのを堪えた。



あたしはこれ以上喋ると泣いてしまう…


弱音を吐いてしまう…

そう思い


『はい…。』


だけしか答えられなかった。

No.191

良太に駅まで送ってもらう事になり一緒に玄関を出た。


見送りにみんなも出て来てくれた。


玄関を出たあたしはもう一度


『ありがとうございました。』



そう言って頭を下げた。



車に乗ったあたしにママが駆け寄り



『優ちゃん!何か困った事があったらいつでも連絡してね!良太とあなたが別れても私は今でも娘だと思ってるからね…』



そう言い頭を撫でてくれた。



本当にいくら感謝してもしきれないくらいに優しく素敵な家族だった。

No.192

駅に着き、電車が来るまで二人でベンチに座った。



言いたい事はたくさんあるのに言葉が出なかった…



しばらく黙っていると良太から話しだした。



『何処に行くか決まってるん?危ない所じゃないよね?』


心配そうにしている良太にあたしは


『うん!大丈夫!A市に居る仲良しの友達の所にしばらくはお世話になるから!』



と、明るく答えた。



『本当に困ったら連絡してこいよ。』



そう言い、手を握った。



それからは電車が来るまで沈黙だった。

No.193

電車がホームに入ってきた。



『じゃあ、あたし行くね。これ後で読んで。』



そう言ってあたしは良太に手紙を渡した。




良太は笑いながら


『実は俺も…』



そう言い手紙を渡された。




良太から手紙を貰うのは初めてだったのでちょっと驚いたけど嬉しかった。



『生まれて初めて書いたラブレターだから…』



恥ずかしそうに笑う良太がたまらなく愛しく思えた。



『良太ありがとう。本当に…』



良太はあたしを抱き寄せキスをしてくれた。



『身体に気をつけて仕事頑張って。みんなにありがとうって伝えといてね。』



『優も…無理すんなよ!』




あたしは電車に乗り良太と別れた。

No.194

電車の中で良太からの手紙を開いた。



手紙にはあたしに対する思いやりや愛情がいっぱい書かれていた。


そして手紙の最後に

【カバンの内ポケットを見て】

と、書いてあった。



あたしは自分が持ってるカバンの内ポケットを見てみると、封筒が入っていた。



開けるとお金とメモが入っていた。


【少しだけど使ってよ。】



あとから数えると三十万も入っていた…








このお金はあたしにとってこれから先、お守りのような存在になっていた。

No.195

電車を乗り継ぎ、あたしはお世話になる友達の所に着き、その日の夜から仕事を始めた。



仕事はホステス。




苦手だった夜の仕事にあたしはまた足を踏み入れた。



理由は美月が居たから…



美月はお世話になる友達。
高校の同級生で一番の仲良しだった。



美月も複雑な家庭環境の子だった。


家を出たい為に卒業後すぐに県外のA市に行き夜の仕事を始めた。


卒業後も美月と連絡を取っていたあたしは今回の事を美月に相談した。



美月は良太と別れる事に反対した。

【あんな奴の為に不幸になる必要はない。】

美月はずっとそう言い続けたが結局あたしの意思の固さに負け手を差し伸べてくれた。



『じゃあ、地元を離れたいならうちにおいでよ。一緒に住もうよ。』



行くあての無かったあたしにはとてもありがたい言葉だった。

No.196

仕事も美月が働いている店で働かしてもらえるように話をしてくれていた。



夜の仕事は苦手だったけど生活の為に選んでる場合では無かった。


店に行くと店長が簡単な面接をし、正式に雇ってもらえるようになった。



源氏名を付ける事になりあたしは

【美優】

と、つけた。



女の子なら内面も外見も美しく、優しい人であって欲しいと言う思いから、死んでしまった赤ちゃんに付けたかった名前だった。



【ママに名前貸してね】


心の中でそう呟きあたしは
【美優】になった。

No.197

高校生の頃にバイトしていた田舎のスナックとは何もかもが違っていた。



店から服の貸出しがありドレスやスーツ、着物などがあった。


水割りの作り方、灰皿の交換、タバコの火の付け方…何もかもが一から学ぶ事ばかりだった。



お客様も一流企業、社長、芸能関係など…凄い方も多かった。



場違いな所に来てしまった…
と、働き出した頃は胃腸炎になるほど悩み仕事が嫌だった。



美月はいつも優しくフォローしてくれたり、励ましてくれたりしたが、先輩ホステスからは色々な意地悪をされた。



でも…

今思えば、ヘルプに付いても使い物にならない、難しい会話に付いていけないあたしは確かに足手まといだったと思う。

No.198

それでも…


あたしを助けてくれ、仕事も紹介してくれた美月の為にも、
生活していく為にもあたしは辞める訳には行かなかった。



美月や先輩ホステスから色々学び、あたしも必死で勉強をした。


接客の基本や


どんなお客様にも対応出来る様に
スポーツ、芸能、経済、社会と色んな分野を新聞やニュースを見て知り、
またお客様からも教わりながらとにかく必死だった。




そんなあたしに周りの反応も徐々に変わってきた。



先輩ホステスからの意地悪もなくなり、
お客様からも可愛がって貰えるようになっていった。

No.199

やばい…泣きそう😭

  • << 201 感想スレありますよ😅 感想は、 生きる意味感想スレにレスしませんか?😣 優さん、読者の皆様 横レスすみませんでした😣
  • << 202 ✨早紀さん✨ コメントありがとうございます🙇 泣かせてしまってごめんなさい💦 良かったらまた読んでコメント下さい✨ サクラさんが言ってくれた通りコメントは感想スレがあるのでそっちにいっぱい書いて下さいね✨
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