1秒でも永く、君と。
*人物紹介*
・松本 翔太
Syouta Matumoto
専門学校生。1人暮らし。両親の仕送りだけでは
足りず、最近できた喫茶店でバイトしている。
・山原 都葡羅
Tubura Yamahara
教育学校生。翔太のバイトする喫茶店に
よく勉強をやりにくる。美人。
はじめの人物はこんなもんです。
思いつき次第紹介いれます(笑
ちなみに都葡羅のイメージ画を、お粗末ながら書かせてもらいました。
もしよろしければ見てやってください(笑
http://oekaki2.basso.to/user35/yumina517/
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俺は。
1秒でも長く、長く、永く。君の隣にいたかっただけなのに。
ただ、ただ普通の恋をしたかっただけなのに。
普通に電話で長話したり、メールしたり、デートしたり、手をつないだり・・・。
だけど神様はそれを許してくれなかった。
運命に抗っても、逆らえなかった。
・・・今、俺は都葡羅の前にいる。
都葡羅がここに住むようになって、もう何年になるだろうか。
俺は今度結婚する。それを都葡羅に伝えにきた。
結婚する人を、都葡羅以上に愛せていないことも言おうと思う。
都葡羅の前で、俺は都葡羅が居たころを思い出していた・・・・・
翔太「いらっしゃいませー」
俺は明らかな愛想笑いと口調で言った。
“その人”は、いつもの席に座って
いつもの通り、ノートと参考書を広げていた。
翔太「・・・ご注文お伺いします」
その人「じゃあ・・・レモンティーお願いします」
そのメニューも、いつも通りだった。
・・・・でも、今日は少し、違った。
俺はふと、その人のノートに目が走った。
翔太「・・・そこの答え、xに代入しますから答えはx=5ですよ」
その人「えっ・・・あ、ホントだ・・・」
その人がノートを直している間に、俺は厨房にむかい、
レモンティーを淹れた。
翔太「お待たせしました、・・・レモンティーです」
その人「あ、あの、さっきはありがとうございました・・・」
翔太「いえ・・・」
その人と初めて顔をあわせて喋った。
その人「松本・・・さんですか?」
その人は俺の名札をみて言った。
翔太「あ、はい・・・」
その人「松本さん、数学お得意なんですね・・・。私数学苦手で・・・。
学校ってどこなんですか?」
翔太「・・・南情報専門です」
その人「専門学校なんですか・・・。てっきり理系の大学かと思っちゃいました」
その人は優雅な微笑みをうかべてレモンティーを口に含んだ。
レモンティーを飲んだ後、一拍置き、
都葡羅「私、山原都葡羅っていいます。ここの喫茶店、すごく落ち着けて
大好きなんです。もし数学でわからないところあったら
松本君にきいちゃいますね」
翔太「・・・・・・僕でよければ」
断れるような雰囲気ではなかった。正直、断る気もなかった。
・・・都葡羅という人をよく見てみると。かなりの美人だった。
清楚で飾らないワンピースがとてもよく似合っている。
この機会にお近づきになっておくのも・・・悪くないだろうと思った。
それからというもの、よく都葡羅に話しかけられるようになった。
ここはどう代入するのか・・・・
これは何の公式をあてはめるのか・・・など。
ある日、それは突然だった。
都葡羅「あの・・・翔太君、今週の日曜日ってあいてます?」
翔太「え?」
いつかくるだろうなぁ、とは思ったりしてたものの、
まさか本当にくるとは。てか、この展開ベタすぎではないか?
お誘いの内容は大体予想がついていた。
都葡羅「もしよろしかったら、勉強会でもやろうかと思って・・・。」
やっぱりな。
翔太「まぁ・・・・大丈夫です。」
都葡羅は目を輝かせた。
都葡羅「本当ですか!?じゃあ、これ・・・住所です。
お友達とかも・・・誘ってきてもらって大丈夫ですから」
翔太「あぁ・・・ども」
にしても、とんとん拍子に話が進みすぎてるような・・・
表面上はそう思っていたが、浮かれている自分がいたのもまた、本当だった。
俺は次の日、友人を手当たり次第に
誘ってみた。
偶然なのか、・・・・必然なのか。
友人はみんな「用事がある」とか「デートだから」
みたいな理由で5人全員に断られた。
・・・・・・・俺なんか嫌われるようなことしたっけ?
友人にそういったら 「そうでもねぇよ」笑われた。
どういう意味だ、そりゃ。
そんなこんなで日曜日。
都葡羅宅前到着。
なんだこの大豪邸。
でかい。とにかくでかい。
チャイムをおす前に都葡羅がでっかい門からでてきた。
チャイムは「ゴーン」とか「ブー」みたいな音なんだろうか。
都葡羅「いらっしゃい、・・・・1人?」
翔太「5人全員に断られましたとさっ。あんにゃろー・・・」
都葡羅はふっと笑ってみせると、部屋に案内してくれた。
え・・・・ちょ、まてや。
これ、1人部屋?
都葡羅「えぇ・・・。ごめんなさい、狭くて汚いし・・・」
どこがだよ。これ、実家のリビングより
ひとまわり大きめぐらいのでかさじゃん。
金持ちなんだと確信した。
都葡羅「じゃあ、お茶淹れてきますね」
そういって都葡羅は部屋をあとにした。
俺はソファに腰を下ろし、近くにあった本を手に取った。
翔太「子供との接し方・・・?」
なんで都葡羅の部屋にこんなものが。
見た目からして結婚なんてしてなさそうなのに・・・。
本棚をみると、似たようなジャンルの本が
いっぱいある。将来できる子供に
英才教育でもするつもりなんだろうか・・・?
都葡羅「あ、それ・・・私の勉強資料ですよ」
後ろには洋風のティーセットをもった都葡羅がたっていた。
都葡羅「私・・・将来、学校の先生になりたくて。
それで北教育大学に通ってるんです」
翔太「へぇ・・・。初耳だな」
なんの目的もなく、ただ通ってるだけの俺とは大違いだ。
都葡羅「だから・・・苦手な数学も克服して、立派な先生になりたいんですよね」
翔太「確かに勉強できることも大切だけど・・・。
立派な先生になるにはそれだけじゃ、たりないんじゃないか?」
都葡羅「・・・どういうこと?」
翔太「先生は生徒の手本だろ?だから、心の勉強もしなきゃな。」
都葡羅「・・・松本君にそんなこと教えられるなんて
思ってもみなかったよ・・・・。ありがとう!」
都葡羅は満面の笑みでこちらにぺこりと頭を下げた。
なんでこの人は、ひとつひとつのしぐさがこんなに
魅力的なんだろうか・・・。かわいげのない妹に少しわけてやってほしいぐらいだ。
翔太「じゃあ・・・勉強やるか」
都葡羅「あ、よろしくお願いしますっ」
都葡羅はもくもくと勉強しはじめる。
俺というと、勉強してるフリして
教科書にラクガキしたり、ペン回ししてみたりと、
なんともまあガキンチョなことをしていた。
帰り際、都葡羅はお礼にと
手作りのクッキーをくれた。
翔太「ありがとな、帰ったら食うよ」
都葡羅「う、うんっ、お粗末様ですが・・」
翔太「・・・・・いつでも・・・いいから」
都葡羅「え?」
翔太「・・・いつでも教えに来るから」
都葡羅「・・・・・・・・・」
都葡羅はなぜか返事をしなかった。
遅い時間で暗かったので、俺はそれ以上
問いたださなかった。
都葡羅「・・・・・・・・・・また・・・・・なの・・・・?」
俺の耳には届いていなかった。
それからというもの、都葡羅は
喫茶店に顔を出さなくなった。
付き合ってるわけでもないのに家までいくのもあれだし、
電話番号とか連絡先もしらなかったから、
都葡羅い会えることを待つしかなかった。
――――――――学校帰り。
俺は都葡羅とバッタリあった。
友人はニヤニヤしながら、
「俺さき帰ってるわ~。翔太、グッドラック!!」
といってそそくさと帰って行った。
翔太「・・・・・わりぃ、アイツああいうやつで・・・」
都葡羅「いっ・・・いえ・・」
都葡羅は恥ずかしそうにしている。
まさか意識してる・・・・なんてあるわきゃねーか。
翔太「そういえば最近喫茶店こないけど・・・
どうかしたのか?」
都葡羅「あ・・・うん、まぁ・・・。学校が忙しくて・・・」
翔太「そっか・・・」
沈黙。
俺は気づいていた。自分の気持ちに。
都葡羅のことを、少しながら意識しはじめていることに。
だから俺は言った―――――――――――
翔太「もし少しでも余裕があるんならさ、またこいよ。」
都葡羅「えっ・・・」
翔太「レモンティーの一杯くらい、おごれるからさ」
俺は笑いながら冗談めかしていった。
レモンティーをおごりたいんじゃない。
勉強を教えたいんじゃない。
都葡羅に、会いたい・・・。
俺はそう思っていた。
都葡羅「・・・・・・・・・・・後悔・・・しないで・・・ね・・・?」
翔太「え・・・?ごめん、聞こえなかった・・・」
都葡羅「な、なんでもない・・・よっ」
都葡羅に対する思いは、日に日に大きくなるばかりだった。
そして後日。
久しぶりに喫茶店に都葡羅がきた。
翔太「お、久し振りじゃんか」
都葡羅「あ、翔太君。こんにちは」
今日の都葡羅は勉強道具は持っておらず、
昼食を食べに来たようだった。
翔太「注文は?」
都葡羅「うーん。もう・・・には・・・れないし・・・。
和風が食べたいからなぁ・・・。
じゃあ、あんみつとかつ丼セットお願いします」
翔太「かしこまり~・・・」
都葡羅「ここの喫茶店、変ってるねえ。ランチ限定とはいえ、
かつ丼セットがあるなんて。」
翔太「店長が変わり者なんだよなー」
都葡羅「へぇー」
翔太「お待たせしました、かつ丼セットとあんみつですぅ。」
都葡羅「わー、おいしそうだね!いただきますー。」
翔太「ごゆっくり。」
都葡羅「あれ、会計表にあんみつはいってないよ。」
翔太「俺様のオゴリ!味わってくれよっ」
都葡羅「わっ・・・ありがとう・・・。・・・のご飯が
翔太君のおごり・・・なんて・・・」
翔太「都葡羅、最近独り言多いぞ?」
都葡羅「あ、ゴメンね・・・あのさ、翔太君、今日ちょっと
お話があるの・・・。バイト終わったら、家きてくれないかな・・・。」
翔太「え・・・・・・いいけど・・・。」
都葡羅「・・・・・・お願いね」
俺はいい予感でいっぱいだった。
あわよくば告白されちゃうかも、なーんて・・・・。
そして都葡羅の家にきた。
チャイムをおした。
「ピンポーン」
わりと普通のチャイムだった。
すると都葡羅がでてきて、
都葡羅「翔太君、いらっしゃい・・・。どうぞ。」
俺は都葡羅に通されて大邸宅の中に入った。
ソファに向き合って座り、沈黙。
俺はなんの気なしに用意されていた紅茶をすする。
都葡羅は深刻そうな顔をしていた。
ふと都葡羅の頭上をみると、壁にかけられていた
とても大きくて綺麗な絵がとれそうになっていた。
ガタッ。
翔太「都ッ・・・・都葡羅ぁ!!!!!!!」
都葡羅「えっ・・・・・・・」
ガタガタガタッ、ガシャン。
飛び出した俺がテーブルぶつかり、せっかくの紅茶が台無しになる。
背中に絵がぶつかる。
俺は都葡羅を守ろうと、都葡羅を抱きしめていた。
都葡羅「あっ・・・・あのっ・・・・しょっ翔太く・・・」
もう俺は頭が真っ白になって、一瞬理性というものがなくなってしまった。
「都葡羅のこと・・・・・好きだ。」
都葡羅は、最初はやっといってくれた、というような
表情をうかべたが、その表情はすぐに
悲しそうなものへとかわった。
都葡羅「私・・・・・・実は・・・・・・・・・・・
病気なの。」
俺は予想外の返答に驚きを隠せなかった。
都葡羅は俺の胸に顔をうずめたまま言う。
都葡羅「私・・・昔から体がよわくて。風邪とか熱とか・・・
よくだしてた。そのせいか、合併症がよく出た・・・。
インフルエンザなんか毎年かかっちゃうから、
3週間ぐらい学校いけなかった・・。喫茶店しばらく
いけなかったのも風邪だったからなの・・・。
でね・・・・・この前病院行ったら・・・。
かなり重症の肺炎っていわれた・・・・。
私体力ないから・・・肺炎の手術はむずかしいって・・・。
このままだと・・・・・・・・・・・死ぬって。」
俺は何が何だかわからなかった。
都葡羅が?
肺炎?
それも重度の?
このままだと 死ぬ って?
都葡羅「・・・・・・・・・アメリカにいってレーザー治療すれば、
治る見込みがあるんだって・・・・・・・。」
翔太「それって・・・・・・・・しばらく会えない・・・・ってことか・・・・?」
都葡羅は無言でうなずく。
都葡羅「だから・・・・ごめんなさ」
翔太「俺待つから」
俺は強く、都葡羅の声を押し切っていった。
翔太「都葡羅が元気になるまで・・・・・・待つから。」
都葡羅は泣き出した。
都葡羅「でも・・・・!」
翔太「頼むから・・・・待たせてくれよ。」
都葡羅「・・・・・・・
私、来月の2日にいくことになってるの・・・・。
翔太君・・・・・・送り出してくれないかな・・・」
翔太「おう」
都葡羅「ありがとう・・・・・・・・。」
俺の気持ちに迷いはなかった。
今の日本の医術完全無視してますwwwwwwwwwwww
そういうとこはドライブスルーの方向でおねがいします(’’;
今日は眠いし明日部活のコンクールなんでもう寝ますorz
よかったらコメントしてやってくださると嬉しいです~
ではノシですっ
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