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連れ子が嫌いと言われた
同僚から紹介された相手とどうするのがよいでしょうか…
子ありと子なしはどちらが老後安泰?

1秒でも永く、君と。

レス18 HIT数 2223 あ+ あ-

悩める子羊( 10代 ♀ 27DEh )
08/07/30 20:22(更新日時)

*人物紹介*

・松本 翔太 
Syouta Matumoto

   専門学校生。1人暮らし。両親の仕送りだけでは
   足りず、最近できた喫茶店でバイトしている。

・山原 都葡羅
         Tubura Yamahara

 教育学校生。翔太のバイトする喫茶店に
   よく勉強をやりにくる。美人。


                  はじめの人物はこんなもんです。
                  思いつき次第紹介いれます(笑

ちなみに都葡羅のイメージ画を、お粗末ながら書かせてもらいました。
もしよろしければ見てやってください(笑

http://oekaki2.basso.to/user35/yumina517/

No.1158384 08/07/29 18:37(スレ作成日時)

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No.1 08/07/29 18:39
悩める子羊 ( 10代 ♀ 27DEh )

俺は。

1秒でも長く、長く、永く。君の隣にいたかっただけなのに。

ただ、ただ普通の恋をしたかっただけなのに。

普通に電話で長話したり、メールしたり、デートしたり、手をつないだり・・・。

だけど神様はそれを許してくれなかった。

運命に抗っても、逆らえなかった。

・・・今、俺は都葡羅の前にいる。

都葡羅がここに住むようになって、もう何年になるだろうか。

俺は今度結婚する。それを都葡羅に伝えにきた。

結婚する人を、都葡羅以上に愛せていないことも言おうと思う。

都葡羅の前で、俺は都葡羅が居たころを思い出していた・・・・・

No.2 08/07/29 18:55
悩める子羊 ( 10代 ♀ 27DEh )

翔太「いらっしゃいませー」

俺は明らかな愛想笑いと口調で言った。

“その人”は、いつもの席に座って
いつもの通り、ノートと参考書を広げていた。

翔太「・・・ご注文お伺いします」

その人「じゃあ・・・レモンティーお願いします」

そのメニューも、いつも通りだった。
・・・・でも、今日は少し、違った。
俺はふと、その人のノートに目が走った。

翔太「・・・そこの答え、xに代入しますから答えはx=5ですよ」

その人「えっ・・・あ、ホントだ・・・」

その人がノートを直している間に、俺は厨房にむかい、
レモンティーを淹れた。

翔太「お待たせしました、・・・レモンティーです」

その人「あ、あの、さっきはありがとうございました・・・」

翔太「いえ・・・」

その人と初めて顔をあわせて喋った。

No.3 08/07/29 19:05
悩める子羊 ( 10代 ♀ 27DEh )

その人「松本・・・さんですか?」

その人は俺の名札をみて言った。

翔太「あ、はい・・・」

その人「松本さん、数学お得意なんですね・・・。私数学苦手で・・・。
    学校ってどこなんですか?」

翔太「・・・南情報専門です」

その人「専門学校なんですか・・・。てっきり理系の大学かと思っちゃいました」

その人は優雅な微笑みをうかべてレモンティーを口に含んだ。
レモンティーを飲んだ後、一拍置き、

都葡羅「私、山原都葡羅っていいます。ここの喫茶店、すごく落ち着けて
    大好きなんです。もし数学でわからないところあったら
    松本君にきいちゃいますね」

翔太「・・・・・・僕でよければ」

断れるような雰囲気ではなかった。正直、断る気もなかった。
・・・都葡羅という人をよく見てみると。かなりの美人だった。
清楚で飾らないワンピースがとてもよく似合っている。
この機会にお近づきになっておくのも・・・悪くないだろうと思った。
    

No.4 08/07/29 19:56
悩める子羊 ( 10代 ♀ 27DEh )

それからというもの、よく都葡羅に話しかけられるようになった。

ここはどう代入するのか・・・・
これは何の公式をあてはめるのか・・・など。
ある日、それは突然だった。

都葡羅「あの・・・翔太君、今週の日曜日ってあいてます?」

翔太「え?」

いつかくるだろうなぁ、とは思ったりしてたものの、
まさか本当にくるとは。てか、この展開ベタすぎではないか?
お誘いの内容は大体予想がついていた。

都葡羅「もしよろしかったら、勉強会でもやろうかと思って・・・。」

やっぱりな。

翔太「まぁ・・・・大丈夫です。」

都葡羅は目を輝かせた。

都葡羅「本当ですか!?じゃあ、これ・・・住所です。
    お友達とかも・・・誘ってきてもらって大丈夫ですから」

翔太「あぁ・・・ども」

にしても、とんとん拍子に話が進みすぎてるような・・・
表面上はそう思っていたが、浮かれている自分がいたのもまた、本当だった。

No.5 08/07/29 20:26
悩める子羊 ( 10代 ♀ 27DEh )

俺は次の日、友人を手当たり次第に
誘ってみた。

偶然なのか、・・・・必然なのか。

友人はみんな「用事がある」とか「デートだから」
みたいな理由で5人全員に断られた。
・・・・・・・俺なんか嫌われるようなことしたっけ?
友人にそういったら 「そうでもねぇよ」笑われた。
どういう意味だ、そりゃ。

そんなこんなで日曜日。

都葡羅宅前到着。

なんだこの大豪邸。
でかい。とにかくでかい。
チャイムをおす前に都葡羅がでっかい門からでてきた。
チャイムは「ゴーン」とか「ブー」みたいな音なんだろうか。

都葡羅「いらっしゃい、・・・・1人?」

翔太「5人全員に断られましたとさっ。あんにゃろー・・・」

都葡羅はふっと笑ってみせると、部屋に案内してくれた。
え・・・・ちょ、まてや。
これ、1人部屋?

都葡羅「えぇ・・・。ごめんなさい、狭くて汚いし・・・」

どこがだよ。これ、実家のリビングより
ひとまわり大きめぐらいのでかさじゃん。
金持ちなんだと確信した。

都葡羅「じゃあ、お茶淹れてきますね」

そういって都葡羅は部屋をあとにした。
俺はソファに腰を下ろし、近くにあった本を手に取った。

No.6 08/07/29 22:12
悩める子羊 ( 10代 ♀ 27DEh )

翔太「子供との接し方・・・?」

なんで都葡羅の部屋にこんなものが。
見た目からして結婚なんてしてなさそうなのに・・・。
本棚をみると、似たようなジャンルの本が
いっぱいある。将来できる子供に
英才教育でもするつもりなんだろうか・・・?

都葡羅「あ、それ・・・私の勉強資料ですよ」

後ろには洋風のティーセットをもった都葡羅がたっていた。

都葡羅「私・・・将来、学校の先生になりたくて。
    それで北教育大学に通ってるんです」

翔太「へぇ・・・。初耳だな」


なんの目的もなく、ただ通ってるだけの俺とは大違いだ。

都葡羅「だから・・・苦手な数学も克服して、立派な先生になりたいんですよね」

翔太「確かに勉強できることも大切だけど・・・。
   立派な先生になるにはそれだけじゃ、たりないんじゃないか?」

都葡羅「・・・どういうこと?」

No.7 08/07/29 22:14
悩める子羊 ( 10代 ♀ 27DEh )

翔太「先生は生徒の手本だろ?だから、心の勉強もしなきゃな。」

都葡羅「・・・松本君にそんなこと教えられるなんて
    思ってもみなかったよ・・・・。ありがとう!」

都葡羅は満面の笑みでこちらにぺこりと頭を下げた。
なんでこの人は、ひとつひとつのしぐさがこんなに
魅力的なんだろうか・・・。かわいげのない妹に少しわけてやってほしいぐらいだ。

翔太「じゃあ・・・勉強やるか」

都葡羅「あ、よろしくお願いしますっ」


都葡羅はもくもくと勉強しはじめる。
俺というと、勉強してるフリして
教科書にラクガキしたり、ペン回ししてみたりと、
なんともまあガキンチョなことをしていた。

No.8 08/07/29 22:24
悩める子羊 ( 10代 ♀ 27DEh )

帰り際、都葡羅はお礼にと
手作りのクッキーをくれた。

翔太「ありがとな、帰ったら食うよ」

都葡羅「う、うんっ、お粗末様ですが・・」

翔太「・・・・・いつでも・・・いいから」

都葡羅「え?」

翔太「・・・いつでも教えに来るから」

都葡羅「・・・・・・・・・」

都葡羅はなぜか返事をしなかった。
遅い時間で暗かったので、俺はそれ以上
問いたださなかった。

都葡羅「・・・・・・・・・・また・・・・・なの・・・・?」

俺の耳には届いていなかった。

No.9 08/07/29 22:40
悩める子羊 ( 10代 ♀ 27DEh )

それからというもの、都葡羅は
喫茶店に顔を出さなくなった。
付き合ってるわけでもないのに家までいくのもあれだし、
電話番号とか連絡先もしらなかったから、
都葡羅い会えることを待つしかなかった。


――――――――学校帰り。
俺は都葡羅とバッタリあった。
友人はニヤニヤしながら、
「俺さき帰ってるわ~。翔太、グッドラック!!」
といってそそくさと帰って行った。

翔太「・・・・・わりぃ、アイツああいうやつで・・・」

都葡羅「いっ・・・いえ・・」

都葡羅は恥ずかしそうにしている。
まさか意識してる・・・・なんてあるわきゃねーか。

翔太「そういえば最近喫茶店こないけど・・・
   どうかしたのか?」

都葡羅「あ・・・うん、まぁ・・・。学校が忙しくて・・・」

翔太「そっか・・・」

沈黙。

俺は気づいていた。自分の気持ちに。
都葡羅のことを、少しながら意識しはじめていることに。
だから俺は言った―――――――――――

No.10 08/07/29 22:46
悩める子羊 ( 10代 ♀ 27DEh )

翔太「もし少しでも余裕があるんならさ、またこいよ。」

都葡羅「えっ・・・」

翔太「レモンティーの一杯くらい、おごれるからさ」

俺は笑いながら冗談めかしていった。

レモンティーをおごりたいんじゃない。

勉強を教えたいんじゃない。


            都葡羅に、会いたい・・・。

俺はそう思っていた。

都葡羅「・・・・・・・・・・・後悔・・・しないで・・・ね・・・?」

翔太「え・・・?ごめん、聞こえなかった・・・」

都葡羅「な、なんでもない・・・よっ」

都葡羅に対する思いは、日に日に大きくなるばかりだった。

No.11 08/07/29 22:53
悩める子羊 ( 10代 ♀ 27DEh )

そして後日。
久しぶりに喫茶店に都葡羅がきた。

翔太「お、久し振りじゃんか」

都葡羅「あ、翔太君。こんにちは」

今日の都葡羅は勉強道具は持っておらず、
昼食を食べに来たようだった。

翔太「注文は?」

都葡羅「うーん。もう・・・には・・・れないし・・・。
    和風が食べたいからなぁ・・・。
    じゃあ、あんみつとかつ丼セットお願いします」

翔太「かしこまり~・・・」

都葡羅「ここの喫茶店、変ってるねえ。ランチ限定とはいえ、
    かつ丼セットがあるなんて。」

翔太「店長が変わり者なんだよなー」

都葡羅「へぇー」    

No.12 08/07/29 23:00
悩める子羊 ( 10代 ♀ 27DEh )

翔太「お待たせしました、かつ丼セットとあんみつですぅ。」

都葡羅「わー、おいしそうだね!いただきますー。」

翔太「ごゆっくり。」

都葡羅「あれ、会計表にあんみつはいってないよ。」

翔太「俺様のオゴリ!味わってくれよっ」

都葡羅「わっ・・・ありがとう・・・。・・・のご飯が
    翔太君のおごり・・・なんて・・・」

翔太「都葡羅、最近独り言多いぞ?」

都葡羅「あ、ゴメンね・・・あのさ、翔太君、今日ちょっと
    お話があるの・・・。バイト終わったら、家きてくれないかな・・・。」

翔太「え・・・・・・いいけど・・・。」

都葡羅「・・・・・・お願いね」

俺はいい予感でいっぱいだった。
あわよくば告白されちゃうかも、なーんて・・・・。

No.13 08/07/29 23:07
悩める子羊 ( 10代 ♀ 27DEh )

そして都葡羅の家にきた。
チャイムをおした。
「ピンポーン」
わりと普通のチャイムだった。

すると都葡羅がでてきて、

都葡羅「翔太君、いらっしゃい・・・。どうぞ。」

俺は都葡羅に通されて大邸宅の中に入った。


ソファに向き合って座り、沈黙。
俺はなんの気なしに用意されていた紅茶をすする。
都葡羅は深刻そうな顔をしていた。
ふと都葡羅の頭上をみると、壁にかけられていた
とても大きくて綺麗な絵がとれそうになっていた。

 
           ガタッ。


翔太「都ッ・・・・都葡羅ぁ!!!!!!!」

No.14 08/07/29 23:18
悩める子羊 ( 10代 ♀ 27DEh )

都葡羅「えっ・・・・・・・」


ガタガタガタッ、ガシャン。

飛び出した俺がテーブルぶつかり、せっかくの紅茶が台無しになる。


背中に絵がぶつかる。

俺は都葡羅を守ろうと、都葡羅を抱きしめていた。


都葡羅「あっ・・・・あのっ・・・・しょっ翔太く・・・」

もう俺は頭が真っ白になって、一瞬理性というものがなくなってしまった。











                 「都葡羅のこと・・・・・好きだ。」

No.15 08/07/29 23:28
悩める子羊 ( 10代 ♀ 27DEh )

都葡羅は、最初はやっといってくれた、というような
表情をうかべたが、その表情はすぐに
悲しそうなものへとかわった。


都葡羅「私・・・・・・実は・・・・・・・・・・・




                            病気なの。」

俺は予想外の返答に驚きを隠せなかった。
都葡羅は俺の胸に顔をうずめたまま言う。


都葡羅「私・・・昔から体がよわくて。風邪とか熱とか・・・
    よくだしてた。そのせいか、合併症がよく出た・・・。
    インフルエンザなんか毎年かかっちゃうから、
    3週間ぐらい学校いけなかった・・。喫茶店しばらく
    いけなかったのも風邪だったからなの・・・。
    でね・・・・・この前病院行ったら・・・。


    かなり重症の肺炎っていわれた・・・・。
    私体力ないから・・・肺炎の手術はむずかしいって・・・。


    このままだと・・・・・・・・・・・死ぬって。」

俺は何が何だかわからなかった。

都葡羅が?

肺炎?

それも重度の?

このままだと  死ぬ  って?

No.16 08/07/29 23:35
悩める子羊 ( 10代 ♀ 27DEh )

都葡羅「・・・・・・・・・アメリカにいってレーザー治療すれば、
    治る見込みがあるんだって・・・・・・・。」

翔太「それって・・・・・・・・しばらく会えない・・・・ってことか・・・・?」

都葡羅は無言でうなずく。

都葡羅「だから・・・・ごめんなさ」

翔太「俺待つから」

俺は強く、都葡羅の声を押し切っていった。

翔太「都葡羅が元気になるまで・・・・・・待つから。」

都葡羅は泣き出した。

都葡羅「でも・・・・!」

翔太「頼むから・・・・待たせてくれよ。」

都葡羅「・・・・・・・

     私、来月の2日にいくことになってるの・・・・。

     翔太君・・・・・・送り出してくれないかな・・・」

翔太「おう」

都葡羅「ありがとう・・・・・・・・。」

俺の気持ちに迷いはなかった。

No.17 08/07/29 23:45
悩める子羊 ( 10代 ♀ 27DEh )

今の日本の医術完全無視してますwwwwwwwwwwww
そういうとこはドライブスルーの方向でおねがいします(’’;
今日は眠いし明日部活のコンクールなんでもう寝ますorz
よかったらコメントしてやってくださると嬉しいです~
ではノシですっ

No.18 08/07/30 20:22
悩める子羊 ( 10代 ♀ 27DEh )

そして、空港・・・。


翔太「待ってるよ」

都葡羅「がんばるから・・・。」

俺たちはその日、それしか言葉を交わさなかった。


これ以上は、お互い我慢の限界だったからだ・・・・・・・。

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