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No.30 17/09/21 10:04
パンダっ子 ( FWvYnb )
あ+あ-

「あれはきっと恋だと、今でも言い切れる。私の生涯において、たった一度の真実の恋。」

純さんは淡々と語った。史織さんと離れたくなくて、四年間寮に住み続けた事、就職後も結婚後も、親友として交友関係を続けた事、史織さんがアメリカに行ってしまってからは、一度も会えないままだった事・・・

「亡くなった主人には、感謝しているわ。私に娘を・・・家族を与えてくれたし、なに不自由ない生活をさせてくれた。だから、私の生き方が不幸だったとは決して思わない。」

「世の中には愛し合って伴侶になった夫婦も、もちろんいると思うけれど、それはほんの一握りの人達なの。大抵は打算なり諦めなり、妥協なりが働いて結婚に到るものよ。愛さえあれば、なんてのは通用しない。こと結婚に関しては。」

純さんは5歳年上のご主人が、どうして自分を結婚相手に選んだのか、結局分からなかったと言った。聞いたことさえなかったという。自分が史織さんとの恋を諦めて結婚は条件のみで決めたのだから、ご主人がどんな理由で結婚しようが構わなかった、と純さんは言い切った。

ご主人との結婚生活は、純さんが史織さんを忘れることができなかったせいでどこか一線を引いたままだったという。いつまでも自分に心を開かない純さんに、ご主人は業を煮やしたらしい。浮気をするようになってしまった。

それでも純さんはご主人に嫉妬したりしなかった。娘も産まれ子育ても忙しかったし、なんなら夜の生活から開放されると不謹慎にも少しほっとしたらしい。

浮気をしていても、ご主人の態度は紳士だった。子供も可愛がっていた。常に家族と仕事を第一に考えていたから、浮気相手には割り切って付き合える女しか選ばなかった。

それだけでもありがたいと純さんは静かに笑った。自分のせいで浮気をさせてしまったのだから、家庭を壊さないだけでも立派だと妙な褒め方をした。

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