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届かない思い《sidestory》

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名無し
13/11/23 14:27(更新日時)





いつだって




キミの事、思ってる。





どこにいても。



どんな時でも。





No.1912841 13/02/09 16:20(スレ作成日時)

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No.1 13/02/09 16:39
名無し0 




☆届かない思いの続きを書いていこうと思います。



まぁ、自分自身、こんなに長くなるとは、思いもせず…




もし、本当に読んでる方がいらっしゃるのなら、


なんだか、申し訳ないと思ってて。



読んで下さってる方はご存知かもしれませんが、

元々仕事の息抜きに書き出したもので。


ただ最近は、仕事のハードさに息抜きする余裕?(^_^;)すら無い状態です。


なので。


時間はかかるかもしれませんが、この由子sideのお話、完結に向けて進めていきたいと思ってます。



自分のペースで書いていきますので、

お暇な方は、目を通していただけると嬉しいです(^_^)v




では、また。




主より。




No.2 13/02/09 16:56
名無し0 




私の信じる道…って……





お父さんもそうだったけど…






私の出した答えは、間違ってたの……?




お父さんを失って、


………今度は、真壁さんまで?









私は、真壁さんからの手紙を握りしめたまま、立ちすくんでいた。






No.3 13/02/09 17:14
名無し0 




「許して欲しいとは、思っていませんっ…。
ただ、お話を聞いていただきたいんです…!」








俺は今日も、ある人の家の前に来ていた。



玄関のチャイムを鳴らすと、インターホン越しに返事が返ってくる。



「…どちら様ですか?」




俺は、一呼吸おいて答えた。


「修二です…。」


「…………」




「お話を、聞いていただけませんかっ…」



「………何も、お話する事はございません…」




「……お願いします!」








もう何度、ここへ通ってきただろうか…




それ以上の返事が返ってくる事はなく。






インターホンも切られてしまう。





敷地内に入れてもらう事すらできない俺は、


深々と頭を下げて、その家を後にした。






【修二side】







No.4 13/02/10 10:24
名無し0 




俺は、守ってやれなかった…




「あなたの他に好きな人ができたから、別れて?」


唐突に、放たれた現実に。

俺は何も返す言葉がなかった。



「……ここを出ていくって事か?」





同棲していた。


「そう。」


一言返事をする彼女に、

「分かった…」





翌日、彼女は出ていった。



結婚も考えていた。





「じゃあね、修二。」






彼女は、いつものように。



軽く笑って、

俺の元から、去っていった。





「結子……」





No.5 13/02/10 10:32
名無し0 




その頃俺は、25。


結子も同い年で。



大学卒業して、まだ間もない俺は、仕事を覚える事に必死だった。




それも。

結子のためだって、考えてた。



いつか、結婚したい。

そして、結子を幸せにしたい。



そう、思ってたから。






結子も仕事をしていたし、確かに、ゆっくり話す時間はなかったかもしれない。




それでも、分かってくれてるって、……



思ってた…





No.6 13/02/10 11:03
名無し0 




俺のそんな思いは、結局、結子には通じなかったのか……



俺よりも、お前を幸せにできる男が…






いたって言うのか……








どんなに考えてみても。

どんなに時間が経っても、






答えなんか、でてこなかった。









そして、2年後。




結子は、





……逝った



俺を残して。








No.7 13/02/10 12:17
名無し0 




共通の友人から、連絡があった。



結子が、自殺したと……




自殺……



お前は、別の男と幸せになってるんじゃなかったのか…?





……なぜ?



いや…、



俺にはもう、関係のない事………




もう、結子とは終わってる。



もう2年も前の事だ………



俺には関係ない。……







そう、思ってはみても。





やっぱり、素知らぬ振りはできなかった。






通夜に行くと、結子の母親が憔悴した様子で、座っていた。




結子は、一人っ子だった。



父親は、一人、通夜に来た弔問客の対応している。





「………こんばんは。」


俺は、父親に声をかけた。




「……!修二くんっ…」




頭を下げようとして、



ちらっと結子の母親に目を向けた。







No.8 13/02/10 12:32
名無し0 




俺の視線に気づいたのか…

もしくは、父親の俺の名前を呼ぶ声に気づいたのか……

分からないが。




母親はゆっくり立ち上がって、俺の方へと近付いてきた。





「真壁さん?」



母親の声は、なぜだかその様子とは裏腹に、力強かった……




「こんばんは…。ご無沙汰……」
「哀れんでるの…?」



俺の言葉を遮るように、質問を投げかけてくる母親。



「?」
「自分が捨てた女が、自殺したから、笑いにきたの…?」


「え…?」


俺が…捨てた?



「止めなさいっ…!」

結子の父親が、母親を遮るように、間に入ってくる。




何がなんだか、分からない…。




「あの?」


「あなたのせいでっ!結子は死んだ!」





「え…?」



俺の……せい?







No.9 13/02/10 17:52
名無し0 




結子が、俺のせいで、死んだ?





「あの、すみません!結子さんが修二のせいで、っていうのは!?」



一緒に来ていた秀が、俺の代わりに疑問をぶつける。




「いや…、何でもないんです…。気にしないで下さい…。」



結子の父親が、力無く答える。





「何でもない事ないじゃない!」


母親が叫ぶ。



「落ち着け…!」




一瞬にして、その場が凍りついたような静けさになった。





俺は勿論。秀も、他の弔問客も黙ったままだ。







そのうち、結子の母親は泣き崩れてしまった。






No.10 13/02/10 18:19
名無し0 




茫然とする中、結子の母親は、誰かに抱えられるようにして、どこかへ消えていく。




その様子を見届けたように、結子の父親が、俺と秀を別室に連れて行った。




「すまない…」

謝る父親。



「…!……いえ、…」


俺は、まだまともに返す言葉が見つからず…






「少し、ここで待っててくれないだろうか…」



…………




「……わかりました」





「あなたも…」


秀に向かって、言葉をかける結子の父親。




「あっ…はい…」








秀が居るとはいえ。


俺はまるで、一人別世界に取り残されたように感じていた。





No.11 13/02/11 08:17
名無し0 




「なぁ、修二…。いったい、どういう事なんだ?」


秀が投げかける疑問に。


「俺が…聞きたいよ…」


「…だよな。」



秀は、俺と結子が付き合いだした頃から知ってて、当然別れた経緯も知っていた。





待たされてた時間なんて、10分やそこらだろう。

だが、俺にとっては、どれだけ長く感じられたか…




「待たせて、悪かったね…」




結子の父親が、襖を開けて入ってきた。








No.12 13/02/11 08:40
名無し0 




「あ…、いえ。…」



俺と秀が並んで座った前に。



結子の父親が、手に何かを持ったまま、ソファに腰掛ける。




「…?」

「これ…は、日記だ…。」


「日記?」

「あぁ、結子の…。」




「!……結子…さんの…」



秀も、一瞬驚いた様子だった。




「日記と言っても、普通のノートみたいな物だったから、最初は、日記だなんて気づかなかった…。」




言われた通り、よく見れば、どこにでもある大学ノートで。




「ここにな…、修二くんとの事が書いてある…。」



俺…との事……?


「それって、修二と結子さんが付き合ってた頃の事、ですか…?」



秀が、聞く。




「いや…」


「………?」


「別れた後の事もだよ…」




別れた後?



って……。


「いやっ、修二は、結子さんと別れてからは…、な?修二…!」





No.13 13/02/11 09:56
名無し0 




俺は、結子と別れてから。


しばらく、仕事も何もかも手に着かなくなり、





仕事でミスはするはで、社長にたしなめられた事もあった…





休みになると、朝から酒ばかり飲んでいた。


結婚まで考えてた相手だったから。




いきなりの別れに、踏ん切りを着けることができずに、

俺の方がおかしくなりそうだった。


もう、何もかもがどうでもいいとさえ思っていた。





そんな自堕落な生活を送る俺を、救ってくれたのが秀だった。





No.14 13/02/11 10:28
名無し0 




だから。



無二の親友のこいつが、俺の事わかってくれれば。


それでいいと思って、


「いや…、いい。」



俺は秀を諭すように、返事をすると、

秀も、納得したように、小さく頷いた。




……………



「その日記…に、何が書いてあるのか…、教えていただけるんでしょうか…」




俺は、結子の父親を見る。



「…読んで、くれないか…結子の、この日記…」



そう言って。


結子の父親が、俺の方にノートを差し出す。






…………


俺は、静かに受け取る。




見れば見るほど、何の変哲もないノートだった。


だが…


それが、余計に俺の気持ちをざわつかせた。






このノートに、


……………



いったい何が、書いてあるっていうんだ……






俺は、胸騒ぎを抑えながら、表紙を捲った。







No.15 13/02/11 10:42
名無し0 




結子が俺と別れた理由。



修二の負担になりたくなかった…




別れてからの結子の日記に、何度も目にした言葉だった。






それまでは、ただ、寂しいと…



一緒に住んでるのに、ひとりぼっち。





どうして、修二は私に何も話してくれないの?




私は、修二にとって、何?




恋人じゃないの?





私と一緒に暮らして、修二は、楽しい?






最近の修二は、何を考えているのか…

私にはわからない……





このままじゃ、一緒に居ても…




No.16 13/02/11 12:43
名無し0 




話したくなくて、話さなかった訳じゃない。




俺は、わかってくれてると思ってたから。






もう、…無理。


修二と居ても、先が見えない……





俺と居ても、先が見えない……




俺はいつだって、先の事しか考えてなかった。







………別れよう。

修二のために………







俺のため?


俺は、…俺のためだって言うんなら。




別れて欲しくなかった…





後悔してる…


修二のため。なんて言いながら、実は、私…、

自分のためだったんじゃないの…?





苦しいよ…


修二に会えないなんて、…




修二…


修二……?




また、私達

やり直せないのかな……?





No.17 13/02/11 12:54
名無し0 




結子が…?


やり直したい?



………そんな事を考えてたのか…?





やり直せるもんなら。




やり直したかったよ…











こんなに苦しんでる私の事なんか…



修二は、気づいてくれてる筈がない…




修二?





愛してる








自殺する前日の日記に、そう書いてあった。
















愛してたよ……。


俺も。




…………








No.18 13/02/11 13:30
名無し0 




「修二……」



隣で、見ていた秀がぽつりと俺の名前を呼ぶ。






「修二くん……」



結子の父親が呼ぶ声に、落としていた視線を上げた。





「結子は…、ずっと君の事、忘れられなかったようだ……」




………………



「………結子さん、だけじゃ、ありません…」


俺だって…



「わかってるよ…。」


「え…?」



「突然、別れを告げられたら、誰だって…戸惑うさ。……」




「………っ」




「結子は…、誰にも相談しなかった……。
私達にさえね…。
家内は、それが悔しいんだよ…。
だから君に…、修二くんに八つ当たりする事で、気持ちを紛らわそうとしてるんだと思うんだ……。」




「…………」



「でも君には、ちゃんと話を聞いてくれる友人が居てくれたんだね。」



結子の父親が秀の方を見て、少し笑った。




俺は、返す言葉がなかった。






No.19 13/02/11 19:20
名無し0 




それから3年後。



俺は、由子さんに出会う。



最初に名前を聞いた時は、軽く身体が震えた。




《ゆうこ》………



字こそ違っていたが、同じ《ゆうこ》。



…只の偶然。


そう。



同じ呼び名なんて、この世の中にはいくらでもある事。






直弥さんに言われて、エレベーターに乗る。





一階に着き、エレベーターの扉が開く。






声を掛けると、彼女が振り向いた。






「…………」




結子……!?



…………




そっくりだった……






No.20 13/02/11 19:50
名無し0 




いや…、

そんな訳がない。



そっくりだと思ったのは、俺の思い込みだ…。







一緒にエレベーターに乗り込むと、彼女の視線を感じる。





極力、冷静を装う俺。




彼女は、結子じゃない……





でも、由子さんが俺に話しかけてきた時。





この話し方、そして、少し勝ち気な言い方に…



正直、戸惑いを隠せそうにないと思った。







直弥さんにどんな用事で来たのか……。





No.21 13/02/16 18:00
名無し0 




そんな事を思ってみても、何も意味はない。




分かってる。


俺にはもう、誰も幸せにする事なんてできやしない。





結子が死んで3年経った今でも、結子の母親は俺を許してはくれていない。







そんな俺に、他の誰かを…なんて、


……………








由子さんを社長室に案内した後、俺は別室でモニターをぼんやりと見ていた。





すると、ユキトさんがエレベーターで上がってくるのがわかった。





どうしたんだ?




そう思っていると、



エレベーターの扉が開いた後、ただならぬ様子で社長室に向かっていくユキトさんの姿を確認する。



「ユキトさん…!」







俺は急いで、別室を出て社長室に向かった。









No.22 13/02/17 10:28
名無し0 




社長室の扉を、勢いに任せて入っていくユキトさんの後ろ姿を目にした俺は、



一瞬にして胸騒ぎを覚え、追いかけた。







案の定、ユキトさんは、直弥さんに向かっていこうとしている。




殴るつもりだと気づいた俺は、ユキトさんを後ろから羽交い締めにした。




ユキトさんは、そんな俺の存在に。



身体ではわかっていても、頭では理解していないみたいで、




咄嗟に俺を振り払おうとする。





何があったのかは、わからない。




ただ、ここで二人を喧嘩させる訳にはいかない。




それに、ここには…




由子さんも居る……。











それでも離さない俺に、ユキトさんが殴ってきた。






No.23 13/02/17 12:00
名無し0 




ユキトさんと直弥さんが喧嘩するぐらいなら、自分が殴られた方がいい。




この二人は、ほんとは憎しみあってなんかいないから。




そんな事を思っていると…






由子さんが駆け寄ってきた。




………


俺の事、気にかけてくれたのか……?




差し出されたハンカチに、戸惑いを感じながらも。





由子さんの気遣いに、安堵感を覚えたのも事実だった。






No.24 13/02/17 13:19
名無し0 




だから。なのか…


俺は直弥さんの真意が知りたくて、聞いてみる。



…………



その問いが、良かったのか悪かったのか。





由子さんから放たれた言葉に、はっとした。




『私は、物じゃない』







結子…


お前…、


お前ももしかして、自分の事、そんなふうに思ってたのか……?





だから、俺の前から姿を消した……?






No.25 13/02/17 17:37
名無し0 




由子さんの言葉が頭から離れない。




ユキトさんと出ていく彼女の姿を、


俺は不安な気持ちで見送っていた。









…………もし、



このまま、由子さんが消えてしまったら……







結子との別れを、ちゃんと拒んでいれば……



あいつが自殺する事も、なかったかもしれない。






俺はまた、何かを失ってしまうんじゃないか……





居てもたってもいられなかった……





翌朝。


仕事を終えた俺は、由子さんが泊まっているホテルの近くに車を停める。




……………



こうしていても、不安は広がるばかりで。






「由子さんっ……!」



嫌な予感は的中してしまう。







No.26 13/02/18 19:56
名無し0 




ほんとは俺が、呼び止めたかったのかもしれない……。





ただ、昨日のユキトさんの様子は、どうみても由子さん一筋だ…。





……迷ってる暇はない。




すぐに、ユキトさんに電話をかけた。






そのまま、車の中で待っていると、駅に向かって走っていくユキトさんの姿を確認できた。




きっと、大丈夫に違いない。



そう信じて。



俺はその場を後にした。





それからしばらくして、

ユキトさんからの連絡で、由子さんが戻ってくる事を知った。





でも……


由子さんを戻して良かったのか…





ほんとに、

彼女のためになったのか……




ユキトさんのためだって、口では言いながら…、

俺は、


自分のえごで、由子さんを引き止めてしまったんじゃないんだろうか…




失う怖さを、由子さんで取り繕うとしてるんじゃないのか?








No.27 13/02/22 19:21
名無し0 




だから。


由子さんから電話をもらった時は、ほんとに驚いた。




俺に、会いたいって…。

……




由子さんには、俺がユキトさんに連絡したって事は、言わないように話していたから。





その事じゃない筈なんだが……





ファミレスで、由子さんと向かい合わせに座ると、



昔の事を思い出した…



俺、結子と飯食いに行くなんて事、あったか……



結子は、何にも言わなかったが…



ほんとは、こうして、一緒に…





そんな事を、考えていると……





思いもかけない事を、

由子さんから振られ。






俺は内心、自分の本音とは裏腹な事を口走ってしまった。







No.28 13/02/23 12:10
名無し0 




結子との事。


終わったわけなんかじゃなかった……。




引きずってたら、いつまで経っても前には進めないなんて。




由子さんにも、訳ありな事は感づいていたから…



彼女に言おうと思った台詞は…


ほんとは、俺自身に言いたかったのかもしれない。





だから、名前で呼んで欲しいと言われた時…




俺は思わず、



由子さんを呼び捨てにしてしまった。





由子……



結子…





情けないな。




こんな事ぐらいで、動揺するなんて。






No.29 13/02/23 12:33
名無し0 


読んで下さってる方へ。


最近、前にも増して仕事がハードになり、なかなか更新する事ができなくなっています💧


そのためか?
体調を崩したりして、内服を処方してもらっているため、常に頭と身体がすっきりしない状態が続いていて💦

あ、ひとつは花粉症ですが…(-o-;)




なので。
もしまだ、読もうと思ってくれる方がいるのなら……
気長に待ってもらえると有り難いかなと。





ダラダラと長くなり。
いい加減、終わらせろって話ですが…(^_^;)

なるべく早く終わらせようと思ってはいますので、もうしばらく気長にお付き合い下さい。





主の独り言でした☆



No.30 13/02/23 16:19
名無し0 


クーさんへ


レス、ありがとう♪

たった今まで、少し寝てました(-.-)zzZ💧


毎年の事で、この時期はほぼ死んでます(^_^;)
前レスにも書いたように、仕事も今、休んでいる同僚が多く、ハードになっていて…💦



なので、書きたいという気持ちが、今は減っているのは確かかもしれません。


だから、このまま待ってもらえる事に、申し訳ない気持ちも芽生えてきているのも正直なところです。



が。


それでも、待ってもらえるのなら、ぼちぼちではありますが、進めていこうと思ってますよ(^_^)v


クーさん、いつもありがとう☆



主より。




No.31 13/02/23 18:11
名無し0 




そんな俺の気持ちを悟られる事が怖くて、



話題を変える。







住む所を探してくれないかと相談された時は、




ユキトさんの顔がちらついた。



なのに俺は……


事情がわかっているくせに、ユキトさんの事を聞いたり。




由子さんの気持ちを確かめるような事を聞いているのに…




俺の事を褒めてくれる由子さん……





俺は、…




ほんとはそんな、


立派な人間じゃない……







No.32 13/02/23 23:56
名無し0 


☆小説大好き3さん

いつも、ありがとうございます(^_^)



返レス遅くなって、すみません💦

花粉症のアドバイスまでいただき、ありがとうございます。
同僚に紹介されて、今年初めて、病院にかかっているおかげで?
今のところ、あまり酷い症状は出ていないようで。
ただ、薬のせいで眠気があったり、仕事の事もあって、ここを更新する事がなかなかできない状態で、申し訳なく思います💦


なので。

完結まで、もうしばらく気長にお付き合い下さると有り難いですm(_ _)m


こんな素人の書くお話を、楽しみにして下さる事、感謝してますo(^-^)o



本当に、いつもありがとうございます(^_^)v




主より。




No.33 13/02/24 11:42
名無し0 




全てではないけど。


結子との事を話した俺に、彼女は気遣いまでみせてくれた。


その優しさに、俺の気持ちもいつのまにか、癒やされていくような気がした。




もしかして。

彼女も、…


俺と同じなのか?




昔の恋を引きずってる?




同じような思いをした者同士ってやつなのか。



だから俺は。


安心したんだろうか?




彼女を前にすると、素直になれた。







こんな気持ちになれたのは、久しぶりだった。




だからと言って、彼女を独占しようと思っていた訳じゃない。




ユキトさんとも、直弥さんとも無理な状況なら、とりあえず、俺の所にって決めたのは、特に深い意味はなかったんだ。




ただその選択が、俺自身を苦しめる事になるなんて、


この時は思いもしなかった。






No.34 13/02/24 12:15
名無し0 




ひとまず、自宅マンションへと由子さんを案内する。





遠慮しながら、聞いてくる。


彼女の存在。



……居る訳がない。



結子が出て行った後、ここに引っ越してきた俺は、

女を連れてきた事なんてない。



そう…


由子さんが初めて。






簡単に部屋の説明をした後、俺は店に戻るためにマンションを出た。




途中、ユキトさんに電話を掛ける。



少しの間があって、

「分かりました…。ありがとうございます。」



ユキトさんは、俺に礼を言う。





正直、いい気持ちはしないだろう。


ユキトさんにとって、いや、男にとって、大切な人を他人に任せなきゃいけない現実。




俺は。

そんなユキトさんの気持ちを汲んで、極力冷静に話を終えた。





No.35 13/02/24 12:45
名無し0 




翌朝。


俺はいつものように、自宅マンションの鍵を開け、入る。




リビングの扉が開くのがわかって、一瞬。はっとする。




由子さんっ…



昨日の出来事を、今の今まで忘れていた俺に、今度は、由子さんが驚いている。




そうだった…


由子さんが、居たんだ。




慌てて、リビングへ向かう。



中に入った途端、いい匂いにテーブルに目を向けると。




そこには、美味しそうな料理が並んでいた。




由子さんを見ると。


不安げに俺を見つめる。





俺の分の朝食を作った事に対する罪悪感を口にする由子さん。



……………



俺は、……

無条件に、嬉しいと思った。





No.36 13/02/24 17:54
名無し0 




二人、向かい合わせに座ってする食事。





仕事から解放された安堵感も手伝ってか…、




俺はまた、結子の事を思い出していた。



もう、愛してる訳じゃない……。





そんな事は、わかってる…



なのに、俺は


未だに結子の事が忘れられない……






目の前に居る由子さんを見ながら、



俺は自分の気持ちを持て余していた。












食事の後、当たり前のように後片付けをしようとする由子さん。




長い一人暮らしのせいか、家の事はそれなりにできるようになっていた。

だから、無理しなくていいからと伝えると。



居候だからと半分、申し訳なさそうに答える。


居候……か、…




由子さんにとっては、ここはあくまで仮の住処。



いつかは、出ていく。





………いつかは。



俺は、自分の気持ちに蓋をして。






ハローワークに行くと言った彼女に、エールを贈りながら、残った書類を片付けるために自室へと入っていった。






No.37 13/02/24 18:40
名無し0 




書類を片付けた俺は、シャワーを浴びるために、自室を出て風呂場に向かう。


リビングは勿論、由子さんの部屋からも、人の気配はしない。





由子さん、出掛けたんだな……





風呂場のドアを開ける。


「……?」


俺は、浴槽を使った形跡がない事に気付いた。




遠慮して、シャワーだけにしたんだろう。




今日はもう、会えないかもしれないから、明日、ちゃんと言おう。






シャワーを浴びた俺は、すぐベッドに横になった。




「仕事…、決まるといいが。」




呟いて。


この日、とんでもない事が起きるなんて予想もしなかった俺は。





そのまま、目を閉じた。






No.38 13/02/26 15:05
名無し0 




いつもの時間にセットしたアラームが鳴る。



ベッドから起き上がった俺は、ひとまず携帯をチェックする。




仕事がらみのメールが数件と…




由子さんからのメールが入っていた。



「仕事、決まったんだ…。」




良かった。


今日はお祝い…



………、


ユキトさんと祝うか…






俺は静かに携帯を仕舞うと。


仕事に行く準備を済ませ、マンションを後にした。





No.39 13/02/26 15:30
名無し0 




少し遅れて店に入る。




社長に言われ、直弥さんの店に来て3年。



ホストクラブなんて、縁の無い世界だったが、



直弥さんも、口は悪いが、この仕事体を張って頑張ってる。



見た目以上に、厳しい世界だ。







少し経って、直弥さんが同伴出勤してきた。




「お疲れ。」


「お疲れ様です。」



「真壁、ちょっと話がある。」




プライベートとは違って、仕事中はいつも真剣な直弥さんが、更に真面目な顔付きで俺に話しかけてきた。




「由子ちゃんが、殴られた。」





No.40 13/02/26 15:48
名無し0 




「えっ」



直弥さんの言葉を理解しようとするが、頭が回らない。




「アイツのダチに、殴られた。」




「アイツ…?」


「ユキ…。」


「ユキトさん?」



「あぁ。」




ユキトさんのダチに、由子さんが殴られた……





「怪我はっ!」



「由子ちゃんは大丈夫だって言ってたけど…」


大丈夫って…?





ついさっき、仕事が決まったってメールしてくれたのに…



「今っ…、由子さんは!?」



「多分、ユキのとこ。…」



ユキトさんの……






俺は居てもたってもいられなかった。



直弥さんに断り、由子さんに電話をかける。






由子さんが、怪我…


しかも、殴られた?






No.41 13/02/26 19:35
名無し0 




携帯の呼び出し音が俺の不安を助長させる。




数回の呼び出し音が、


どれだけ長く感じたか……






やっと聞こえた由子さんの声。



既にその時には決めていた事を実行に移すために、由子さんに伝えた。





すぐ、由子さんを迎えに行く。





階段を下りてきた由子さんを、車の中から確認すると。





無性に苛立ってきた。




なぜなんだ…



なぜ、こんなに苛立ってるんだ、俺は……




この苛立ちを知られないように、最低限必要な会話をする。





No.42 13/03/02 09:54
名無し0 




由子さんに電話をかける前に、秀に連絡しておいた。




アイツは普段いい加減なところがあるが、医者としては、優秀だと思っている。


本人には、言わないが。





だから。
秀なら、安心して由子さんを任せる事ができる。





酷いケガじゃなければいいが……


運転しながらも、隣に座る由子さんが気になってしまう。





そんな思いが、俺の苛立ちを更に大きくしていたのか…



由子さんに言われた一言。



「怒ってます…?」



怒ってる?

俺は、………




…違う?






別に由子さんに怒ってるんじゃない。



「心配してるんです。」




そう…



俺のこの苛立ちは、




由子さんを守ってやれなかったっていう



現実に。




そんな自分に、苛立ってるんだっ……







No.43 13/03/02 12:53
名無し0 




治療費を俺が払った事に、納得のいかない由子さん。



それはそうだろう…。




ユキトさんの友達に殴られたのに、関係ない俺がなぜ?って。







事情、説明しなきゃいけないだろうな。





ユキトさんと、直弥さん。


そして、俺との関係を。








幸い、大した傷じゃない事に安心した俺は、由子さんをマンションまで送っていく。





そこで。


俺は、また自身の気持ちに気付かされる事になるなんて、






由子さんのケガばかりを気にとめていた俺は、気付いていなかった。






No.44 13/03/02 13:18
名無し0 




由子さんと一緒に部屋に入り、キッチンに行った俺はホットミルクを作る。






その時。
リビングに居た由子さんの小さい声に気付き、目をやると……




テーブルの上に置いた箱が目に入る。





あっ……


……




由子さんに、使ってもらおうと思って



今日、仕事に行く前に、ショップに寄って、買っておいたバッグ。





今日は会えないと思ってたから。



明日、渡そうと思ってた……




………忘れてた。





気恥ずかしい気もするが…




由子さんに開けてもらうように、話す。








戸惑う様子の由子さん。


気に入ってもらえなかったんだろうか…?






No.45 13/03/02 13:51
名無し0 




仕事が決まった事が嬉しくて、




ただ、そんな単純なきっかけで。






でも俺は、…


由子さんが口にした《誰かのため?》って言葉に、敏感に反応してしまう。





誰かのため?





由子さんは、ユキトさんや直弥さんのためだって言いたいのか?




そんなんじゃ……



……………





!!



俺は、

ほんとに、



ただ単純に…嬉しかっただけだ……








由子さんの仕事が決まった事が。………


嬉しくて。






ユキトさんや直弥さんの事は、関係ない。




俺が、やりたかったから。




…………




俺の気持ち。




………………





No.46 13/03/02 18:22
名無し0 




男って単純…か、





由子さんにツッコまれた俺……






正直、失敗したかと思ったが。



俺の気持ちを受け入れてくれた由子さん。









結子に…俺……



自分の気持ち、素直に伝えた事あったか…?






まだ。若かったからなのか…


お互い、素直になれなかったのか?





今なら。もっと素直に…


自分の気持ち、伝えられたかもな…



………

今さら、こんな事を考える事すら、

無意味なのか……






No.47 13/03/03 19:09
名無し0 




いや、


俺は今こうして、由子さんに自分の気持ちを伝えてるじゃないか。



結果を恐れて、何も言わないより、絶対、言った方がいい。







あの頃の俺は、自分の気持ちとは裏腹な答えが出る事を怖がっていて。


気持ちに、蓋をしていたのかもしれない。



なぜだろう。






由子さんに出会ってから、俺は…





自分に素直になれてるような気がして。











由子さんは、俺が買ったバッグを大切に使うと言ってくれた……





言葉もでなくなるほど、



嬉しかった……。





ただ、柄にもなく舞い上がったせいで、冷蔵庫に冷やしておいたシャンパンの存在を忘れてしまったが。






No.48 13/03/04 19:45
名無し0 




明日は休みだ。



直弥さんやユキトさんの事、由子さんに話そうと思う。






由子さんは



どう受け取るだろう。




重過ぎて、耐えられないと思うだろうか。




もし、そうなら…





言わない方が、……








俺は正直、まだ迷っていた。




傷つけるくらいなら…。














玄関扉を開ける。



今日は、昨日と違って、由子さんの存在を意識していた……



筈なのに。




由子さんの無防備な姿に、一瞬、俺は、我を忘れそうになる。




由子さんの思いがけない言葉と、その姿のギャップに。



つい、いじわるな言葉を言ってしまう。





…………


ったく。

何、考えてんだ……


俺は、自分の立場を考えるべきだろう。












No.49 13/03/09 19:56
名無し0 




気持ちを切りかえようと。
俺は、由子さんにミルクを、自分にはコーヒーを煎れる。



冗談を言いながらも、昨日の由子さんの傷が気になる。




薬が効いたのか、由子さんはもう痛みが無いと言う。




ほっとした……。



あとは、直弥さんやユキトさんの件か。




ここで、話すのも構わないが…




朝食もまだのようだったから、俺は行き着けのカフェに由子さんを連れて行く事を提案した。




由子さんは遠慮したけど、内心俺は、彼女を自分のお気に入りの店に連れていきたいと考えていて。



少し強引だったかもしれないが、





俺の希望を呑んででもらった。





No.50 13/03/09 20:15
名無し0 




由子さんの準備が済むまで、俺はリビングで新聞に目を通す。







しばらくして、由子さんがリビングに入ってきた。



俺の顔を見て、キョトンとしている。




聞くと、眼鏡を掛けている俺を初めて見たらしく、驚いている様子。




あまりにじっと見られた俺は。




ふと考えた。



そう言えば、眼鏡の俺を知ってる人間は、かなり限られてるよな。




秀、………



と、結子…ぐらいか。





あくまで、プライベートでしか、見せる事のない姿だ。




そんな姿を、由子さんに見せている。








靴を履いて、玄関に立つと。

由子さんが、隣にいる。




何気ないこの状況に、俺の心が満たされていくのが分かった。





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