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続・ブルームーンストーン

No.31 18/11/09 12:16
自由人
あ+あ-

「そんな顔しないの。」

私の頭を撫でながら大ちゃんが優しく微笑む。

「えっ…」

あまりにも急な大ちゃんの優しい声と眼差しに戸惑った。

「あの…」

バーンッ!!!

言葉を発しかけた私の背後のスイングドアが突然勢いよく開いたかと思うと、

「店長~!!」

元気な声と共に
牧田君が私達のいるバックヤードに顔を覗かせた。



うわわわっ。

ガコーン!

焦って大ちゃんから離れようと後ろに下がった私は、後ろ向きのまま足元の鉄製のゴミ箱に躓き倒してしまった。

「大丈夫っすか?」

牧田君が倒れたゴミ箱を元に戻してくれる。

「あ~、田村さん頭に虫がとまってたから取ってやろうとしてたらビビった
みたいだな。」

大ちゃんの笑いながらしれっとついた嘘に牧田君も笑う。

「へえ、姉さん驚き過ぎ!ゴミが散乱してますって!」

「姉さん言うなと何度言ったら…」

ブツブツ言いながらほうきとちりとりを用具入れから出し散らばったゴミを掃き集める私の頭の上で、

「そういば牧田、俺に何か用があったんじゃ?」

「ああ、お客さんが取り寄せを頼んでいた商品の引き取りに来てるんですけど、どこにありますか?」

「早く言え!
お客さんのお名前は?」

「平田様です。」

あっ、私が注文を受けたお客様だ。

それは数日前に会社のイベントの景品で使うからとまとまった数の注文を頂いて私が発注した商品だった。

「それなら昨日入荷してるはずだから…」

私は牧田君を連れて倉庫に向かうと、

「あった!これこれ。」

商品は出入口のわかりやすい場所に置かれていたが、その積み上げられた商品のケースを見た途端私の背筋に冷たい物が走った。

数が…足りない?

「牧田君ゴメン、これと同じ物が他の場所にも置いてないか探してくれる?」

私の言葉が終わるか終わらないかのうちに察しの良い牧田君が素早く倉庫を捜索しだす。

「おい何やってんだ?
いつまでお客さんをお待たせするんだ。」

少し不機嫌気味になった大ちゃんが倉庫に入って来て、私はますます焦り半分パニック状態になっていた。

青ざめた私の顔色を見て瞬時に察した大ちゃんは、

「入荷伝票を調べて来い。」

そう言いながら牧田君と共に倉庫の商品をくまなくチェックしだしたのを合図に私は事務所に走り、昨日の伝票を引っ張り出し入荷状況のチェックをした。

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