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続・ブルームーンストーン

No.30 18/11/08 21:36
自由人
あ+あ-

「おお!どう?
本社は慣れた?」

「ボチボチだよ~。
でもまだ慣れるとかの前にいきなりそっちの地区に行くことになったよ。」

ユッキーがふふふと笑う。

「えっ?!そうなの?!じゃあまた一緒に仕事できるの?」

思わず声が弾んだ。

ユッキーは私が〇〇店に赴任するのと入れ代わりで本社に呼ばれた。

ユッキーが入ったのはこれまた新しい試みで作られた部署で、
本社が郊外型店舗にどんどんと取り組んでいった様に新しい時代の流れに乗るべく今までとは違うやり方を一気に増やしたため、現場に本社からの人間を派遣し、
本社と現場の意思の疎通を良くしようという、
簡単に言うと、本社と現場の連絡係&アドバイザー係的なものにユッキーが任命されたのだ。

各地区毎に1~2人が配属される予定らしく、今週は〇〇店、翌週は✕✕店、合間に本社。
という様な、なかなかに忙しそうな役割ではあったが、

「ウロウロする方が性に合ってるし、また神谷&田村ペアと仕事ができることが嬉しいしね。」

ユッキーも嬉しそうにそう言うと、

「あ、だから神谷店長に代わって頂けます?」

とわざとバカ丁寧な言葉で返してきた。

「ああ!ごめんなさい。
直ぐに代わるね。」

私は慌てて受話器を置くと、
店内放送のスイッチを入れ、大ちゃんに電話の外線を取るように伝えた。

電話を切った後の大ちゃんは案の定ご機嫌だったが、

「本社からの人間に入り込まれるのは面倒だけど、
ユッキーなら賢いから余計な事は言わないだろうし、逆に本社へも言わないだろうし、店側としてもやりやすいよね。」

え?

少し打算的にも捉えられた大ちゃんの言葉に寒々しい物を感じた私は大ちゃんから視線を逸らすべく少し下を向いた。

純粋にユッキーと仕事ができるから喜んでるんじゃないんだ。

大ちゃんのその言葉に 昔の様な友達関係の感情を持ち込んで甘えた気持ちで喜んでいた自分とのギャップを感じた。

正しいのは勿論大ちゃんの方なのだろう。

でも…

妙な寂しさがこみ上げる。

もう大ちゃんは私よりもずっと先を歩いているのかな。

いつまでも昔のままの気持ちで立ち止まって職場で友達ごっこしてる方がおかしいんだよね…

ふわっ。

頭に軽く何かの重みを感じ慌てて視線を戻すと、大ちゃんがそっと私の頭に手を置き、その眼差しは愛しむように優しい光を帯びていた。

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