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続・ブルームーンストーン

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自由人( 匿名 )
19-03-25 19:06(更新日時)

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ブルームーンストーンの続編です。

内容は4人で遊んでいた頃の話のブルームーンストーンとは違い、
職場中心の話になってしまいますが、
これも懐かしい思い出日記の様に書いていけたらなと思います。

どうぞよろしくお願い致します。

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No.2726135 18/10/14 16:28(作成日時)
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No.1 18-10-14 16:34
自由人0 ( 匿名 )

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2018年初夏。

とあるダイニングカフェの個室スペース。

森崎有希(ユッキー)
山田勇人(ユータン)
神谷大輔(大ちゃん)

そして私、田村美優(ミューズ)
の4人は久しぶりの再会を喜び合っていた。




4人が初めて出会ったのは25年前、
1993年春。

私、24歳。
ユッキー、22歳。
ユータン、22歳。
そして、大ちゃん、18歳。
だった。

あの頃は楽しかった。
ただみんなと一緒にいられるだけで良かった。

他の3人もきっと同じ思いを持っていたくれたのだろうと思う。

でも私達は結局それぞれ違う道を歩むことになりバラバラになる。

1996年に放送された「白線流し」
というドラマがあった。

男女数人の友情ドラマだったのだが、
あのドラマをみると何となく4人で楽しく騒いでいた事を思い出し感情移入をしてしまっていた。

スピッツが歌う主題歌、
空も飛べるはず。

くじけそうになった時はいつもこの曲を聴き、他の3人もきっとこの空の下で頑張っているんだと思い頑張った。

今でもその思いは変わらない。





「久しぶりだね!乾杯しようか!」

私はグラスを手に持ち3人の顔を見回した。

「おうっ!」

ユータンの声に続き、ユッキーや大ちゃんもグラスを手に持っ。

「お久しぶりですっ!カンパ~イ!」

グラスが軽やかな音を立てる。

「ユータン、本当に久しぶりだね。
20年ぶり?」

「どうだったかな?
駅のホームで…以来?」

ユータンがその時の事を思い出したのかクスクスと思い出し笑いをした。

「あ~あれ以来か。」

恥ずかしい思いをした割には結局ご無沙汰しちゃってたか…

それでも、私の目の前にいるユータンは驚くほど当時のままのユータンで、
時の流れを全く感じさせない事が嬉しかった。

あれから色々あったよね…

あの当時の事を懐かしく思い出す。

そして、それに伴いこのお話も1990年代に戻っていく…

No.2 18-10-14 17:36
自由人 ( 匿名 )

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1997年春。

本社勤務になってから約2年半。

大ちゃんの予想通り、
「会社の都合」で私達のプロジェクトチームは解散した。

「田村さん、来月から〇〇店の副店長としてまた戻ってもらえますか?」

運営部の課長にそう打診される。

「〇〇店ですか?」

〇〇店とは私が新入社員時に配属され、あの3人と出会った店舗の事である。

「はい。今度は副店長としてまたそこで頑張って欲しいです。」

課長がニコニコとしながら頷く。

私に拒否権など無い。

だが、本社に残っても特にやりたい事がもう無かった私には、また現場で頑張る方が良い選択にも思えた。

一応、出世だしね。

無理矢理に自分を納得させる。

「わかりました。
近いうちにそこの店長に挨拶に行ってきます。」

そう答える私に、

「あ、その事なんだけど…」

課長が何かを言いかけた途端、

コンッコンッ!!

2人のいた会議室のドアが大きなノックの音で揺れた。

うおっ、ビックリした。

驚いてドアの方を見つめると、

「どうぞ~!」

と、課長は少し呆れた様な声を出し、その訪問者に入室を促した。

「課長、話があると聞いて来たんですけど、あの話ならいい加減に諦めて下さいよ!
僕も今の店舗をやっと軌道に乗せたところ…」

少しふてぶてしい物の言い方をしながら入って来たその男性を見た私は一瞬その場に凍りついた。

大…ちゃん…?

「え?」

大ちゃんも私の方を向いたまま、驚いたのか動かない。

「こら!神谷!全くお前はいつもガサツだな。」

課長の声に私達の呪縛が一瞬にして解ける。

「あれ?話し中でした?」

先に口を開いたのは大ちゃんの方だった。

No.3 18-10-15 12:52
自由人 ( 匿名 )

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「いや、もう話は終わったんだけどね。」

課長は大ちゃんにも着席を促すかの様に先に会議室の椅子に座りながらそう答える。

「そうっすか。」

そう言いながらも大ちゃんは私から視線を外さない。

くっきりとした切れ長のキレイな二重。
彫りの深い顔立ち。
意思の強そうな口元。

整った顔立ちだが、触れると傷だらけになりそうなトゲトゲとした雰囲気が全体に漂っている。

まるで、出会ったばかりの頃の大ちゃんみたいだ。

怖い…

でも怖いのに、
目を逸らしたいのに何故か逸らせない。
吸い込まれそうな瞳、

大ちゃん…

「ああ、田村さんね、来月から〇〇店の副店長として行ってもらう事にした。」

大ちゃんの視線に気づいた課長が取りなすようにそう言うと、

「〇〇店?」

大ちゃんの眉が神経質そうにピクリと動いた。

「そう、あの〇〇店だよ。」

課長が何故か「あの」という所をわざと強調する。

〇〇店に何か問題でもあるのだろうか…

大ちゃんは強ばった表情のまま何かを考え込んでいる。

当の課長はというと、何か探る様な目で大ちゃんを見ていた。

「別に…俺には関係の無い話ですから。」

大ちゃんの吐き捨てる様な返事を聞き、ハア~っと大きくため息をついた課長は、

「とにかくそこに座って!
あ、田村さん!また何かあったら僕に声をかけて下さい。」

と私に向かって頷いた。

部屋を出ていけという事なんだろうな…

瞬時に察した私は、

「では失礼します。」

と頭を下げて会議室を後にした。

会議室を出て歩き出した途端、バッグの中から微かな着信音が鳴っている事に気づいた。

人気のないホールの端で電話をとる。

「もしもし。」

電話の相手は半年程前から付き合っている恋人の翔平だった。


No.4 18-10-15 18:22
自由人 ( 匿名 )

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私と同い歳の翔平は共通の友人を通じて知り合い…
というごく一般的な出会いをし、
お互い争いを好まない事なかれ主義という性格も一致してのんびり気楽な付き合いを続けていた。

「今日そっちに泊まりに行くけどいい?」

「いいよ。先に着いたら部屋に入ってて。」

そう答えると電話を切った。

翔ちゃん来るって事はもう週末か、
早いな。

最近、曜日の感覚すらないよ。

私は歩き出しながら苦笑した。

翔平と付き合い出した頃に私は引越しをして今のマンションに移った。

前の女性専用マンションに比べ、
セキュリティの問題や家賃の高さが少々気になったが、築浅で日当たりも良いその部屋は予想以上に住み心地が良く、私は気に入っていた。

翔平とは付き合って3ヶ月程で週末は私の部屋で過ごす仲になり、
合鍵も渡し、私達は今や半同棲の様な生活をしている。

さて、今夜は何作ろうかな…
それとも食べに行こうかな…

夕飯の事を考えようとするが頭の中がまとまらない。

大ちゃん。
2年数ヶ月ぶり?
今頃また会うなんて…

さっき見た大ちゃんの顔を思い出す。

出会った頃と同じ怖い顔だったな。

きっと何も連絡しなかった私の事を怒ってるんだろうな…

でも連絡して来なかったのは向こうだって同じで…

やめよう。

今さら、そんな事を蒸し返して思い出しても仕方ない。

もう多分会うことも無いだろうし…

自分で言い聞かせたその言葉に、
気持ちがゆっくり落ちて行くのがわかる。

ダメだ!

私は落ちかけた気持ちを切り替えるべく、降りる予定だった自分のマンションの最寄り駅を2つ乗り越した。

2つ乗り越して降りた駅。
そこは引っ越す前の「最寄り駅」だった。

さてと、歩くか。

〇〇店へは以前は自転車で通ってたんだよね。

歩くと20分くらいかな。

そこそこいい運動にはなりそうだけど、

時間かかりそうだな。

私は携帯電話を取り出すと翔平に電話をかけた。

「ごめん。今度配属される店舗に寄ってから帰るから少し遅くなる。」

そこまでして行くほどの理由は何も無かったのだが、電話を切った私は〇〇店の方に向かってひたすら歩き出した

No.5 18-10-16 12:38
自由人 ( 匿名 )

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スタスタとやや早歩きめで徒歩約15分。

前方左手に懐かしい〇〇店が見えてきた。

懐かしいな。

せっかく来たのだから店内の様子も見ておこう。

店内に入る。

「いらっしゃいませ。」

若い男性社員に挨拶をされる。

お客さんだと思われちゃった。

それは向こうにしたら当たり前の事なのだが、コソコソ何かをしている様な気分になり私は焦った。

今日は様子見のつもりだったけど、
やっぱりちゃんと挨拶して帰ろう。

意を決して、

「あの…すみません。
店長さんはいらっしゃいますか?」

おそるおそる声をかける私に、

「はい、あの、ご用件は何でしょうか?」

彼は少し戸惑った表情で返してくる。

「あ、すみません。
失礼しました、本社の田村と申します。
今度こちらに配属される事になりましたのでちょっとご挨拶に。」

途端に相手の表情が緩んだ。

「あ!そうなんですか。
ちょっとお待ち下さいね!」

彼はバックヤードに繋がるスイングドアを開け中を覗き込み、

「店長、お客様です。」

と声をかけてくれた。

「はいはい。」

と気の良さそうな声がしたかと思うと、30代半ばくらいのいかにも人の良さそうな顔つきの男性がバックヤードから店内に入ってきた。

優しそうな人だ~。

心の中でホッとする。

「あ、お疲れ様です!
本社の田村と申します。
来月からこちらに配属予定なのですがもうご存知ですか?」

「あ~すみません。
まだこちらの方には何も通達は無いですね。
でもうちの副店長が移動予定なので、後釜の方が来てくれるのはわかっていました。」

「そうですか。
本社からの通達って遅いですもんね。」

「そうなんですよね。
僕自身がこの店舗に移動の辞令が来たのは1週間前でしたし。」

「ええっ?1週間じゃ引き継ぎとか大変だったんじゃないですか?」

「いやいや、僕の同期なんか3日前に言われた奴もいましたし。」

「…めちゃくちゃですね。」

「ですね。でも田村さんが来て下さるのが早めにわかって良かったです。
どうぞよろしくお願いしますね。」

「はい、こちらこそよろしくお願いします。」

私は頭を下げると、

「また改めてちゃんとご挨拶に来ます。」

と、店を後にした。

No.6 18-10-16 22:28
自由人 ( 匿名 )

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「おっと!危ない。」

いつもの様に本社のある方面の電車に乗ろうとした私は危うく踏みとどまった。

今日から引き継ぎのため〇〇店に行くんだった。

逆だよ。逆。

苦笑しながら慌てて反対側のホームへと向かう。

〇〇店はパートの沖さん以外はすっかりスタッフが入れ替わっており、
社員の構成も店長、副店長の私の他には今年入社した新入社員が2人来る予定とのこと。

う~ん。
私もある意味新人みたいなものなのに大丈夫かな…

一抹の不安が頭をよぎるが、あの優しそうな店長の顔が頭に浮かぶ。

うん。
何とか店長を助けられる様に頑張っていかねば!

店舗への挨拶用の
「ちょっと奮発した高級菓子折の」袋を握りしめ、
いざ!

裏口からバックヤードに入ると、
事務所の中からボソボソと店長の声がした。

コンコン!

「おはようございます!
今日からよろしくお願いします!」

元気良く事務所のドアを開けた私の目に、

「あ!田村さん、おはようございます。」

「おはようございます。」

店長と、

店長と、

店長と、

ええええええええっ!?

大ちゃんの姿が飛び込んできた。

「えっ?えっ?えっ?な、なんでここにいるんですか!?」

呆気に取られる私に、

「あれ?本社から何も聞いてないんですか?」

と大ちゃんが少し呆れた様に言う。

「あ、はい…」

「あ~、数日前に本社からの急な決定事項で神谷さんが急遽うちの店に来られる事になったんですよ。
てっきり田村さんは本社の方から聞かされてると思い込んでまして…
あまりにも急な事だったので引き継ぎでこちらもバタバタしてて連絡を怠ってました。
いや、本当に申し訳ない。」

店長が気の毒そうに頭を下げて謝ってくれている。

「えっ?…新入社員の…1人と?して?」

「なんでじゃあっ!!」

大ちゃんがいきなり吠えた。

ちょっ、やめて吠えないで。
余計に焦るぢゃないか。

「えっ?あっ、ふ、副店長…だっけ?」

もう頭が完全にパニック状態。

「それは田村さんでしょ?
僕の後任の神谷店長ですよ。」

優しい声の店長の説明に大ちゃんが黙って軽く頭を下げる。

ボトッ。

突っ立ったままの私の手から、
「ちょっと奮発した高級菓子折」の袋が落下した。

No.7 18-10-18 13:57
自由人 ( 匿名 )

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「で、この書類はここにまとめてありますので…」

初日の引き継ぎは主に書類の置き場所や事務的な内容etc.....

私に引き継ぎをしてくれたのは、先日私が声をかけたあの若い男性社員だった。

この人がここの副店長だったのか。

もう1人いた社員の女の子も移動するらしいし、
本当に総入れ替えなんだな…

副店長になる前にはそのための研修を受ける。

大抵は候補達が一斉に揃って本社で受け、
しかも現場で働きながら数ヶ月かけて何回かに渡って受けるものだが、
大ちゃんの時と同じく必要に迫られた時には急遽「個別指導」の様な形で詰め込みで研修を受ける。

現場で働きながら少しずつ慣れていく他の副店長と違い、知識だけ身につけた新米副店長、しかも頼るべき店長はあの大ちゃん…

う~ん。
不安の1文字しかない…

気まずさもあるし、
とにかくこれもこの引き継ぎ期間中に何とか慣れる様にしていかねば。

それまでは…

うん、とりあえず二人きりになる事はなるべく避けよう、そうしよう。

私がそう心の中で決めた途端、

「田村さん、これからの事も話したいしちょっと外に出ようか。」

と「神谷店長」が誘いに来た。

げげっ。

「あ、いや、まだ取り込み中で…」

もごもご言う私に、

「大体の説明は終わりましたよ?」

副店長君が不思議そうに私を見る。

おいこら兄ちゃん空気読め。

困ってるだろ?
あからさまに。

その気持ちをありったけ目力に込めて副店長君に念を送る。

「あ~!」

副店長君が頷いた。

やった!
念が通じたっ!

「田村さんは引き継ぎ初日ですし、店には僕らも居ますので、遠慮しないでゆっくりミーティングしてきて下さい!」

違~う!
そうじゃな~い!!

「ふ~ん、じゃあ行こうか。」

大ちゃんが有無を言わさず先に立って歩き出す。

「あ、じゃあ後はよろしく…お願いします…」

ボソボソと声をかける私に、

「頑張って下さいね。」

と、副店長君が意味深な笑顔を浮かべてそう言った。

No.8 18-10-21 17:17
自由人 ( 匿名 )

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大ちゃんを追いかけて店内に入ると、
大ちゃんはスイングドアの近くに立ち、店内を見回していた。

その表情は硬い。

「これは1からやり直した方が早いな…」

彼は渋い表情を浮かべながら独り言を漏らす。

やり直し?

この店舗の事には違いないんだろうけど…

もしかすると今からやるミーティングってこれに関する事かな?

とりあえず声をかけなきゃ。


「神谷さん!」

私が呼びかけたのと同時に私の後ろから店長が大ちゃんを呼び止めた。

「神谷さんすみません、さっきの件ですが…」

大ちゃんは私のほうを向き、

「ごめん、もうちょっと待ってて。」

と、店長の方に足早に向かって行ってしまった。

どうしよう…

仕方がないので、またバックヤードに戻る。

「あれ?どうしたんですか?」

副店長君に声をかけられた。

簡単に事情を話すと、

「あの神谷店長も大変ですよね。
あっ大変なのは田村さんか。」

副店長君がまた意味深な笑いを浮かべる。

「さっきから気になってたんだけど、もしかして神谷店長の事を知ってるんですか?」

私の問いに、

「いや僕は直接は知りませんよ。
でもお噂はかなり…ね。」

お噂って…
これまた穏やかならぬ事を…

「どんな噂ですか?
本社には表面的な話題しか入って来なくて、なかなか現場の生の声が聞けてないっていうか…」

「ん?いや悪い噂じゃないですよ。
かなりのやり手で本社からの期待も厚い有望株の店長って事です。」

「それだけですか?
他にもあるんじゃないですか?」

「ん~後は大した事じゃないんですけど、好き嫌いがハッキリしててかなり厳しく、気に入らなければ誰彼構わず噛み付く所からついたあだ名が狂犬。

ついでに言うと、神谷店長に睨まれた人物が何人か病院送りになったとか…」

おいっ!!
こっちの方が十分「大した事」あるわっ!!
むしろメインだわっ!!

「びょ、びょ、病院送りってなんなんですか!?」

「さあ?噂ですからね~
真偽の方は何とも。」

副店長君はしれっとした顔で嘯いた。

No.9 18-10-22 20:41
自由人 ( 匿名 )

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この副店長君、大人しそうな顔をして実はなかなか食えない奴。

引きつる私の顔をニコニコしながら面白そうに眺める副店長君。

「まっ僕は神谷店長みたいなタイプ好きですけどね。
彼の下で働いてみたかったなあ。」

なら変わってくれよ!
今すぐ!
遠慮するな。
気持ち良く差し上げよう。

喉元まで出かかった言葉を無理矢理飲み込み努めて冷静な声を出そうと努力した。

「でも、その機会はこれからあるかもしれませんよ?」

「いや、残念ながら僕はこの度店長になる事に決定しましたので。」

「あ、おめでとうございます。
なら…無理ですね。」

「神谷店長が地区長になれば可能ですけどね。
案外そんな日も近いかも。」

副店長君は私をからかう様な目をしてフフっと笑っていたが、

「そろそろ戻って来られるんじゃないですか?
行ってらっしゃい。」

と言い残し、スっと倉庫の方に出ていった。

「田村さん!」

それから程なくして大ちゃんが私を探しにバックヤードに入ってきた。

「お待たせ!行こうか。」

「あ、は、はい!」

2人で駐車場に出ると、

「乗って。」

と大ちゃんは車の助手席を指さし、自分も運転席に乗り込んだ。

「昼ご飯まだでしょ。
食べながらミーティングも兼ねようか。
休憩室でやると他のスタッフが気を使ってゆっくり休憩できないだろうし。」

なるほど。

「ここでいい?」

車が入った先は、
かつてよく利用していた職場近くのファミレスだった。

「わあ懐かしい!
何年ぶりだろう。」

思わず声を上げた私に、

「でしょ?」
と大ちゃんも懐かしそうに微笑む。

席に案内され座った途端に、

「住所変わったんだ。」

といきなり大ちゃんが切り出してきた。

「あ、はい。」

「ふ~ん。なんで?
女性専用マンションじゃ彼氏と住めないから?」

「えっ!?
い、いや週末にちょっと泊まりに来るくらいで、住むとかは…」

「なんだ。やっぱり彼氏いるんだ。」

「え、え、大ちゃんも彼女いるよね?
お、お揃いだね…」

「お揃い?」
大ちゃんはフッと鼻で笑うと、

「まあそういうことになるかな。」

と私から視線を外し、メニューに手を伸ばした。

No.10 18-10-23 13:00
自由人 ( 匿名 )

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「さて、早速だけどちょっと質問していいかな?」

注文を済ませるのもそこそこに大ちゃんが切り出してくる。

「今日久しぶりに〇〇店に来たと思うけど、久しぶりに見た店の雰囲気どうだった?」

「え?え~と、どうって…」

「わからない?
じゃあミューズが前にいた時と比べて店の雰囲気どうだった?」

「あ~、何かシーンとしてるっていうか活気が無いというか…」

「他には?」

「え~と前に挨拶に行った時に買い物して帰ろうと思ったら品出し中のスタッフさんが必死で作業をやってて邪魔で…
でも声をかけるのも何だからそのまま帰った。」

「他には?」

大ちゃんはその調子で私に幾つか気になった点を挙げさせると、

「これ見てくれる?」

〇〇店の売り上げ、客数、客単価等が記載された資料を取り出した。

「ここんとこ、〇〇店の売り上げ、客数共に急激に減っている。」

「あ、でもこれは近くに何店か出来た競合店の影響も…」

私の言葉に大ちゃんはフンと鼻で笑う。

「そんな事を言い訳にしている副店長の店は遅かれ早かれ潰れるな。」

きっつう…

「す、すみません。」

「いいか?
競合店対策で1ヶ月後には車で15分程の距離にうちの会社の店舗ができる。
うちよりも更に大きな大型店舗だ。
このままだとうちの店舗は確実にそこに食われる。」

「え?同じ会社の店舗で食い合い?
そんなえげつないこと…」

「えげつない?
それがうちの会社だよ。」

そうなんだ…

「あのタヌキ課長、俺にそれを承知であの店の売り上げを何とかしろとしつこく言ってきた。
そんなもん面倒臭いからと断り続けてたのに…」

大ちゃんはここで言葉を切って、じっと私の顔を見た。

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