フーリーヘイド 本編
フーリーヘイド 説明書編 の、続編となります。
前回の通り、この本編を読むにあたり、
いかなる影響が及んでも、俺は責任が取れません。
勝手に素人が自己治療と書いてみようという、
単純な理由から始めます。
肯定ならば読んでください。
否定ならば読まないでください。
どちらかです。
「おいヒゲ!
お前も少し手伝えよ!!」
孤児の中で一番年上の男の子が、
うなだれ疲れ切った男の耳を引っ張りながら言った。
「!!何をする!!
ワ、ワシは!.......」
「お前もママに助けてもらったんだろっ!!?
ちがうのか!?」
”助けてもらったんだろ”
人間は、
なぜ本当にごく簡単な事程、
忘れてしまうのだろうか。
たしかにこの子の言う通りなのだ。
何があったにせよ、
男はママと呼ばれる女性に助けられたのだ。
幾度となく。
様々な世界を彷徨い歩き渡る中で。
お礼の言葉すら忘れていたのだ。
自分勝手な疲れに埋もれ、甘え、隠れて。
この一言に気付かされるためにわたしは存在したのだろうかと思わんばかりに、
髭の男は立ち上がりながら驚いていた。
「......そうだ。
そうだった....。
ワシは一体何を探していたんだろう....。
....もう無いものを探して一体何を...。」
今後、この男は孤児達にヒゲと呼ばれることになる為、
ヒゲと表記する。
ヒゲはママの方を向き、
ゆっくりと奥深くお辞儀をしながら帽子を暖炉へと投げ捨て言った。
「感謝する。」
「(^ω^)」
変な絵の帽子は暖炉で燃えて、
建物の暖かさを少し手助けしたようだった。
外は冷たい雪というべきか、
それに似たものが降り積もっている。
皆食事を終えて就寝した様子。
ヒゲは当然のごとく、眠れるはずもなく。
ママに当然の質問をする。
「君達は救うと誓った者たちだと言っておったが...」
「その質問も私の答えも、もう何度目でしょう。
答えは知らなくて良いです(;^ω^)。
真実を知ったところであなたは変わりません。
私が変わらないように。
ですが、あなたは変わっています。
私も変わっている。
...。
これが答えです。(;^ω^)」
きっと。
ママと呼ばれているこの存在は知っているのだろう。
浸食という事実を。
言いたいのだ、本当は。
だがその言いたいという欲もまた、
浸食による影響が及ぼした行動かもしれないのだ。
ただ意地悪で内緒にしているのではない。
教えたこともあったのだろう。
その結果、
未だにこのヒゲは彷徨っているのだ。
なぜ教えたと怒りに燃えたこともあったのかもしれない。
数多の裏切りや誘惑を「総督」という頂点の座に君臨していたヒゲ。
馬鹿ではないのだ。
だが今までに体感したことのないこの不安感、そして直感。
決して無視できるものではないのだからこうして何度も、
同じことを繰り返しているのだろう。
このヒゲについてはおそらく必ずと言って良い程、
似た存在がこれを読んでいる者の世界にも居るだろう。
だからあえて記しはしないが、
簡単に述べるなら、
自論の表明を行い、
それに従わせた。
いかなる方法でも。
これに尽きるのだと思う。
「...納得がいかないが、
私も馬鹿ではないとは思っている。
噓、本当の問題ではない。
それはもう過ぎ去っている。
後は私がどうするかという事だろう...。
...。
私の行いが成功し、
歓喜する民達を見た。
その逆もあった。
違う考えに飲み込まれたのも見た。
体感した。
どれもこれも体感した、見たのだ。
結局...私はここにいる...いつも。
それすら忘れるほど。
思い出す事も叶わないほど。
それでも私に知らなくて良いと言い放つのだ。
...素直に知らずにいることとしよう...。」
おそらくこの発言は読んでいる者にとって理解しがたいものだろう。
何故そうなるのか、知れば良いじゃないか。
では逆に聞いてみよう。
あなたは今までに食べた果実の味を覚えているだろうか。
覚えているだろう。
覚えのある果実を他の人が食べた事がないので教えてくれと言う。
あなたは教えるだろう。
では、その教えるべき果実の味。
その果実が食べると一日だけ欲がむき出しになる、という果実だったらどうだろうか。
ためらうのではないか。
当然教えれば疑われるのだ。
むき出しになったのかと。
何の欲が沸いたのかと。
それすら二つに分かれる。
教えるか教えないか。
ママなる存在はそれを教えないの選択に身をゆだねている。
私も教えたくない、共感する。
いくら不老不死、
いくら使命があるとはいえ。
教えたくないだろう。
そしてまた同じことを言うが、
教えてしまったこともあったはずなのだ。
「あなたの存在理由も当然知らないほうが良いのだろう...。
...実に困った...。
不思議なものだ。
そう言われると知りたくなるのだから。
...これは私の憶測、独り言だから答えず聞いてほしいのだ。
おそらく私は知ったのだろう。
今までに。
それでも尚、私はこうしているのだ。
...そう思っている。
もしそれが正解なら、
まずはあなたに感謝する。」
「(^ω^)...」
ママは静かに笑顔で返答した。
このママという存在の説明をするならば、
私はまた記さなくてはいけない。
カメムシやジャンクたちに何が起きたのかを。
だがまだその時ではないのだと、
私は勝手に思っている。
いずれ解る事なのだ。
嫌でも。
それもまた、
教えないという選択に私は甘えているのかもしれない。
だがわかってもらいたいのだ。
知ってしまった毒が、
知った者をどうしてしまったのかを知っている者が、
いてもおかしくはない世界に、
「時間」に私たちは存在しているということを。
広い日当たりの良い平原に、
好きな植物を一つ植える。
増えるだろう。
枯れるだろう。
むしり取られて嫌われるだろう。
平原いっぱいに増えて好かれるだろう。
それだけで「良い」のだ。
何もその植物の正体を知らなくても。
カメムシやジャンク、私も含めたこの{喜怒哀楽}の集団は、
理由はどうあれ、
植物の正体、真実へと繋がってしまった馬鹿なのだと、
記しておくと同時に、
私達の為に尽力を注いでくれている存在に、
心から感謝を記す。
皆が起きて、
眠い目をこすり終えて顔や頭を洗い終え、
朝の食事はすでに通り過ぎ、
肌を突き刺す猛烈な吹雪が外で吹き荒れる中、
ヒゲも含め、
子供たちは窓から外を見ていた。
ママが吹雪の中、外で立っているのを見ているのだ。
「...寒いのに一体何をしているのだ...。」
「ヒゲ、見てて。
ママがたまにする事なの。
そして約束して。
何が起きても聞いたり知ろうとしないで。
ママの独り言なの。」
「.....。」
ヒゲは黙ってうなずき、だれか来るのだろうかと思いながら驚いた。
どうやら独り言は始まっていたようなのだ。
ンジマオォォン!という表現しがたい音だと思われる。
それとともに+になったりーや|があたり一面を埋め尽くし始める。
ヒゲや子供たちの体や床、壁、暖炉、吹雪の中の雪と呼べるもの、全てである。
やがてそれらはなくなり静かになると、
今度は土、といえば伝わるのか。
雪の下に眠る土、芽をいつかは出すであろう植物、埋もれた岩や石。
見えないのに伝わるこの音と線は必ず伝わるようだ。
そしてそれもやがて静まり、
次に始まったのはわからない。
ママの視界というべきか、
その範囲内で至る所の音と線。
ヒゲは自分に近い一番近い反応の場所に目を凝らした。
動物である。
動物が音と線をまとっている。
そして一番不思議なのは、
逃げないのだ。
むしろ、
待ってましたというあり得ない態度、姿勢。
「...!.....。」
何だこれはの「な」の音すら発せないヒゲ。
既に何も経験していないだろうと思われる地位におり、
記憶に無いながらも永い迷走も加わり、
その確信はかなり強まっていたはずなのにこの様である。
目が、脳が、耳が、感触、匂い。
まだ不老不死という呪いの中で生きている五感が、
悲痛に叫ぶ。
何だこれはと。
たとえ話にはうんざりであろうがせざる負えないので許してほしい。
あなたが本を読む、
もしくは何かを視聴し楽しんでいる時に、
あり得ない姿勢で突然性別も分からない得体のしれない者が、
「オテクリオ」と音を発して近づく度に、
辺りから、いや近所からというべきか。
断末魔の叫びが聞こえたら、
抵抗できるだろうか。
もしくは、
読んでいた本の文章が、改め、文字が。
目の前で突然「クリン、クリン」と心地よい音を出しながら、
踊り始めたらあなたは、
病院へ駆け込むであろうか。
自分が狂ったのかと心配し。
友人に話すだろうか。
文字に触れるだろうか。
本を閉じるだろうか。
なんにせよ、起きてしまった現象は止められない。
修正がきかない。
あとはあなたがどうするのかという話なのだ。
ヒゲはふと変な事を思った。
これよりヒゲの心の声である
「理解不能なことなど数多と見た。
飽く程。
驚愕など夜空に見える一番星にまで遠退いた。
感動や希望、涙も枯れ果てた。
痛みも既に支えとなった。
それでもなお、
我が眼前に起きている「これ」は。
間違いなく{知らなくて良い}なのではと、
性懲りもなく期待している!
これが我が軍の一兵だとしたら、
絞首!銃殺!......。
その一兵の長、頂点である総督であった私が....。
おとぎ話に目を輝かせ、
このザマであるっ!!!
...。
負けたのだ...。
だから負けたのだ。
常識を逸し我が闘争を貫いた挙句、
通せなんだ...。
私にはこんな事は出来ぬのだ...。
我が誉れ高き民族がこれを見たなら私など彼方へと飛ぶであろう。
「総督」にこれは出来ないのだから。
認めよう、惨めである...。」
一つ一つの存在には、
出来る事と出来ない事がある。
かたやますますの進化を遂げて空を飛んだり信じられない場所へ到達するが、
石のように身をすり減らし、
粒になるまで、
果ては風になびく粒子にまでなっても無言。
一体どちらがすごいのだろう。
どちらもすごいのだ。
それだけなのに、
隣の畑がこんなにも眩しく見えてしまう。
出来ない事を出来てしまうのを見ているだけなのに。
嫉妬。
というべきなのだろうか。
焦がれて焦がれて仕方ない。
ヒゲの血が出そうな握り拳が語っていた。
そして。
その焦がれた現象は終わりではないのだ。
ヒゲが見ていた小動物に、
大型の動物が音と線を発生させながら、
向き合って座り。
見つめあっている。
「普通は食べられてしまうだろうがっ!!!!!」
心の中で大型動物がその小動物を食す確信もないのに、
ヒゲが心中で叫ぶ。
これ以上勘弁してくれと言わんばかりに。
終わらない。
起きてしまう。
次々と。
小動物と大型動物の姿が様々な姿に変わっているのだ。
そして気が付く。
自分や子供たちも、
他の存在もまるで早送り、
というべきか一つ息を吐くいとまにおそらくだが、
100の多種多様な姿に変化。
そしてさらに驚くべき事。
ヒゲも変わっていると思いきや変わらず。
ママも同様である。
二人だけが変わらない。
「居た....!」
突然ママが叫ぶ。
「連れて行ってください...!」
その声とともに変化し続けるあたりの存在がうなずくように、
無音で無感触、無臭で突然協力?したのだろう。
ママの目の前に一つの小さな黒い火が燃えている。
「ボッ!ボッ!」
「ああ...!いた...!よかった!!....。」
火をママが抱きしめる。
泣きながら。
「ボンッ!ジュッ!」
「うふふ(^ω^)あなたを呼んでいますよ?」
ヒゲは驚いた。
が、気が付けば家の中にいて窓があったのに姿は変わり続けており、
どういうわけか、「歩ける」この不思議さ。
ママとヒゲで黒い火を抱きしめるという異常さ。
「........。」
ヒゲは思った。
....もう考えるのは止そう...。
無駄だ...。、と。
沢山ある、山ほどある、ちりあくた有る。
疑問。
でも今は、そうすべきではなく。
何故かこのまま黒い火を抱きしめたほうが良いのではないか。
そう思う彼の姿は、
自分では気が付かなかったのか、
一匹の犬を綺麗な女性と抱きしめる姿へと変わっていた。
変な絵の帽子や、訳の分からないいろんな飾りを胸に付けた服など着ておらず、
普通の姿で。
笑っていたと記したいが、
これは、
あえて私の胸にのみ記す。
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