フーリーヘイド 本編
フーリーヘイド 説明書編 の、続編となります。
前回の通り、この本編を読むにあたり、
いかなる影響が及んでも、俺は責任が取れません。
勝手に素人が自己治療と書いてみようという、
単純な理由から始めます。
肯定ならば読んでください。
否定ならば読まないでください。
どちらかです。
フーリーヘイド 第一話 ~最後の一粒の姿~
まただ。
また訳の分からない事がこうして起きるのだ。
一体どうしたいのか。
今度は目から毛が生い茂る現象。
私も含めてである。
痛みは無いのだ。
痛そうに見える?であろうが、痛くはないのだが。
見えていた景色はもう見えなくなり、
様々と言うべきか、
宇宙すべてがわがままを言って地球に住むと駄々をこねて、
無理矢理、地球に入り込むように、
見えると言うか分かるのだ。
あまりの量の為、
こぼれる分かるもあったりするのだが、
ああ、もったいないと単純に思える程、
気持ちに余裕があるので、
浸食、兵器による攻撃、
私達に害を成すものではなさそうなのだ。
アトナがやっている事なのだろうか?
そう思ってしまったが、
とにかくこれは今こうして私達に起きている。
毛が目から生える。
大量に。
毛なのだろう、そもそも。
そう感じたのならそうなのだと思うしかない。
何が分かるのかと言う事なのだが、
理解とかではなく、
説明が難しい。
リンゴを見て、リンゴだと思う。
そんな感じなのだ。
ただそれが量のあまりの膨大さに、
正直、何が分かっているのかは分からない。
ただ、
一つだけはっきりとわかる事は、
カナと繋がったものが関わっていると言う事である。
>> 1
感覚的には灰色と眩しさの世界に似ているのかもしれない。
そして。
そしてとうとう分かってしまう。
やっとなのだ。
おそらくこれが真実であると毛穴が、
目が、指が、五感が、第六感でさえ感じたと思い、
信じて止まなかった。
きっと、
次から次へと起こる訳の分からない現象に、
私達はもう何処かでうんざりしているのだ。
床一面の髪の毛。
不思議とその髪の毛はもの凄く硬く、
さらに驚くのはその髪の毛が気が付けば、
私達の体のどこか一部と繋がっているのだ。
しなやかに。
驚く事さえもう疲れた私達は集まって立っていた。
周り、空ですら髪の毛で埋め尽くされており、
何故かその髪の毛はどこかに道を記すように、
集中している。
この髪の毛を生やしている者がいるのだろうか?
そんな思いで皆、髪の毛を辿り、
視線をある一点に向ける。
どこに繋がれているのだろう、
繋がった先が見えない漆黒の鎖。
手枷足枷、首にも枷を強いられた髪の毛の持ち主と思われる男が、
自らの髪の毛で玉座を型どり、
うつ向いて、体はこちらを向き、座っている。
緑色の肌が、所々に露出している。
目にもはや光はなく、
まるでカナのような状態。
>> 2
カナとその男が眩しい程に、
もの凄い輝きの分厚く、
決して切れないと思われるほどの強固なロープで、
繋がっており、
そのロープから四方八方にさらに枝分かれをして、
髪の毛に刺さっている。
さらに驚いたのだが、
...。
これは私的な事なのだが。
私の姿が卵になっているのだ。
今度は一体何なのだろうか。
私は卵だったのか。
もう好きにしてくれといったものである。
「......。」
皆、言葉を失うのは当たり前であり、
今までいなかった卵の私が増え、
更に髪の毛の世界。
カナと繋がる鎖の男。
そして髪の毛と繋がる自分達。
驚くというより、
呆れていると言った方が正解かもしれない。
だからどうしたのだという、感じなのだ。
もはや。
これ以上何が起きるというのだ。
...ふと思った。
地獄なるところに落ちたものは、
こうなるのではないだろうかと。
寝ようが起きようが、
欲を満たそうが悲しもうが、
結果こうなるのだ。
飽きるのだ。
全てに。
>> 3
そんな、ぞっとするようなこと思っていると、
また更に気が付く。
私とアトナが繋がっているのだ。
カナと男の繋がりに負けないくらいに、
輝いて。
?
どういうことなのかと思う暇もなく、
私の中からポロンと目からウロコが落ちるようにと言えば良いのか。
どちらかと言うと、ある日耳から大きな耳カスがポロンと出てくるように、
凄く心地よいと言った感じ。
すっきりしたという感じなのだとにかく。
女性?らしきものが出てきたのである。
何となくそれは見覚えのある姿。
そして私を抱きしめて泣いている状態で出現。
何だろう。
何か思い出しそうで思い出せないのだが、
悪い事ではなさそうだ。
「.......?」
女性が涙で濡れた眼を開けて、
私を見る。
「.....?......!?」
驚いている。
私も驚いている。
「....ド....ネ....?」
...。
私は話す事が出来ない...。
...だが、なぜだ......。
どうやら...私は泣いている様である。
「.....ミ゛ドナ゛ッッ!!!!!!」
女性と私に抱きつくアトナ。
そうだったのか...。
私はカナと繋がっているのではなく、
この女性とアトナに繋がった卵だったのか...。
...どこまでも驚かされる。
これを思い付いたものは頭がおかしい。
...だが...。
感謝する事をやはり...記そう...。
心に涙で。
>> 4
アトナの姿は、
光の靄のような姿ではなく、
硬いがしなやかである不思議な髪の毛の上を、
走って嬉しそうに女性に、
そして同時に私に抱きつく少年であった。
何処かでこれも浸食の影響であり、
またパッと状況が都合よく私達を苦しめたり、
...まるで見世物のように晒されるのではないだろうかとさえ思う中、
されどそれもまた幸せなのかもしれないとさえ、
今は思える程、
不思議と理屈など何処かへ行き、
良かったと単純に思うのだ。
アトナが抱きついたのは私であり、
女性はミトナなのだ。
どう言う事かは知らない。
幻覚かもしれない。
先程、
ジャンクとドネが亡き妻を目の当たりにしたばかりなのだから。
それでも、
これは違うような気がした。
きっとそれも...。
都合よく、理由がある様な気がしたからだ...。
...。
勝手なものだと思った。
地獄などとうに通り越し、
深淵の底やもしれないと感じざるを得ないこの場所は、
勝手にも私はたしかに思っている。
ここが終点であると。
...。
何処か、どうしようもない不安があるのも隠せない。
それが何かは今は知りたくなかった。
>> 5
「どうなってるんだ...。」
やっと口を開いたのはジャンクだった。
「...大丈夫なのか...?...ミイ...。」
今までにない程、ジャンクがミイを心配している。
それはミイが周りの髪の毛に驚愕しており、
そこから何か答えを出したからである。
尋常ではない様子。
腰が抜けてるのだがそれでも何とか立とうと、
必死なのだ、ガクガクと震えながら。
「ジャ、ジャンク...。
危険はないワン...。
無いんだけどあるのは......。
たしかに石像......。
たしかにここが終点...。
どうして私やミトナ、イモムシがここへ来たのかも、
どうしてジャンク、カメムシ、アトナ、カナが来たのかも、
私の知る、伝えるは使えるし、
イモムシの能力も使える。
おそらくミトナの能力も。」
ようやく落ち着いて来たのか、
ミイの震えをやがて止まった。
「ただ一つだけ分からないワン。
愛の世界も無く、兵器の世界も無い、
ジャンクとカメムシが神に約束した救う対象が分からないワン。」
「?...そりゃ、ミイ。
あそこに座ってる男とカナを救えば良いんじゃないのか...?」
「俺もそう思っていた...。
そして、俺とイモは元の名前に戻すべきだね、まずは。
もう本人がいるんだもの...信じられないよ...。」
「そうですね、何がどうなって今までの事は何だったのかは、
私の機能をもってして、今の状態ならご説明できます。
なぜ今までできなかったのかも、
今になって急にできるようになったのかも、
ご説明できますが...。」
>> 6
「それは......僕が説明するよ。」
カナを抱きかかえて、
座っている男の元へ歩いて行くアトナ。
ミトナと私は黙って立っていた。
「...カナを救うんじゃないんだよね...。
カナはもう既にこの男の人と共に、
準備していたんだ。
...救われていたのは僕らだったんだよ...。」
カナを座っている男の膝の上に乗せた。
「永い説明になるよ...。
危険はここには無いから、
とりあえず安心してほしい。
時間も無いし、
いつまでもここにいられる。
ほんとうに...いつまでも...。
ミトナとミイ、イモムシが分かっているのは、
おそらく一部。
カナはどうやら僕に託したみたい...。
{喜}だからね、僕は...。
カメムシが{怒}
ジャンクは{楽}
...。
{哀}はカナ...。」
{喜怒哀楽}。
「突然、はいそうですかとはいかないと思う。
まずはゆっくりした方が良いんじゃないかな(;^ω^)
危険は無い訳だし(;^ω^)」
とりあえずアトナの言葉は皆を安心させた。
とりあえずはである。
>> 7
「僕がこうして説明するのは、
その、
...みんなはもう分かっているんだと思う。
この世界?...。
というべきなのかな。
{この刻}が来た時点。
うん。
この方がしっくりくるよね、ミトナ。
...ドネは卵になっちゃったんだね。
この時点で空気を吸うように、
分かっちゃってるんだよね。
でも、それでも違いはあるみたい。
カナに近ければ近い程、良く知ってるみたい。
カメムシとジャンク達は分かってはいるんだけど、
モヤッとしてる感じだと思う。
ここからすごく話が長くなるから、
我慢して聞いてほしいんだ。
何があったのか、
何をするべきかは正直僕にもまだ分からないけど、
...何となくは分かってるような気がしているよ。
だから、僕が長く話したことが、
今後役に立つかどうかは僕自身わからないし怖い。」
ジャンクはなんだか後ろの緑の男が気になるし、
カナも心配だし、
かと言って漆黒の卵にまだ名前考えてなかったし、
だからといってミイ可愛いし、
ビックとクエスと卵も可愛いので、
あぐらをかき、座り、
ミイのお腹を撫でながら、
自分の頭のフケをイビキが食べ、
ビックとクエスはミイの両隣で寝て、
漆黒の卵は皆のソファーへと変貌し、
お話聞く準備万端であった。
(;^ω^)相変わらずだなぁ~ジャンクは...と思うカメムシ。
>> 8
「エヘヘヘヘヘヘヘヘッッッ!!!!!!!!(^ω^)
カメッ♪カメッ♪カメッ♪\(^ω^)/
ブモッ♪ボッ♪カメッ♪\(^ω^)/」(ブモッ、はポット。ボッ、はアグラ)
(ヽ'ω`)=3もう3人ともカメムシの目に入ってしまうのではないかと思う程、
べったりの3人。
ゲッソリのカメムシ。
(イモムシだけちょっと欲情しているのはここだけの話である)
こちらも聞く準備?万端の様である。
...。
アトナが自然とこちらを向く。
何が言いたいかは分かっている。
おそらく一番近いのはアトナでもない、
ミトナでもない、
私達、卵だ。
卵と表現してはいるが...いや、やめておこう。
アトナが説明してくれる。
「アトナ!!!!!\(;ω;)/」
凄い力でアトナを抱きしめるミトナ。
失った時間を取り戻さんとするほど、
欲情、愛おしさ、後悔、虚しさ、そして奇跡。
全てが混ざり合った抱擁。
キス、接吻、肉体関係を交わす、交尾。
そんな安っぽいものでは無い事だけは何とか、
言葉で表現できそうだ。
そんなものとっくのとうに過ぎ去っているのだから。
ルールや決まり事など有るだけ幸せである。
それに対して文句を言えるだけ幸せなのだ。
ここにいる者は皆、それすらできないのだから。
だから、不老不死であったりするのだろう。
私は勝手にそう思うし、
これを見れば皆そう思うだろう。
一時そうじゃないと反発したものも、
5千年程度で戻るに違いない。
>> 9
「ミ、ミトナ!
苦しいよ!!!」
「!!ごめんなさい!
...。
ミトナ!!!!!(;ω;)」
当たり前なのだと思う。
何故当たり前なのかはアトナから説明があるだろう。
あえて{私達}は語らないし、
記さない。
ただ、今はこうして訳も分からずミトナの突然の復活を、
アトナの元の姿への復活を無言で祝すべきだと思う。
「...ぶはっ!!!!
ミトナ!!!説明できないでしょっ!!!\(;^ω^)/」
「だめっ!!!!(;・ω・)
可愛すぎるの!!!!
もう我慢できません!!!!\(;^ω^)/ソレ~ッ」
...汗
仕方ないので私はミトナに思いきり頭突きをすることにした。
(;^ω^)うわぁ~...相変わらず痛そう、と思うアトナ。
(;^ω^)(;^ω^)この方達もこんな感じだったのね。
ジャンクとイモムシ達。
orz ←悶絶するミトナ
「...はい!(;^ω^)と言う訳で!
説明に入りたいと思いま~す(;^ω^)」
私の頭?も痛いが、
ミトナはもっと痛いはずである。
ゴツン!という音すら出ない程の鈍い頭突き。
これほど体にも心にも痛いものは無い。
これもこれからの説明で痛いほど分かるので、
聞いていただきたい。
「...今まであった事は間違いなく、
現実だと言います。
...川に流れる落ち葉が、
水面から突き出た石にあたったり、
水の流れが溜まる場所につかまったり、
そこで尽きる者もいたでしょう。
でも後から来た落ち葉はそれを見て、
嫌だと思い先へと進んだことさえあったかもしれない。
やがて行き着くは水の集まる場所。
どうしようもなくそれは此処なんだ。
僕らに何が起きて、
納得がいかなくても、
逃げたところで流れは止まらない。
此処へ戻る。
...。
まずは僕とミトナ、カナとディオラは知り合いだった。
そこから説明しなくてはいけないんだよね...。
ディオラはそこの緑色の男だよ。
...。
あの時と何も変わらないね(^ω^)
先に言ってしまうとね。
最初にここに辿り着いたのはカナとディオラなんだ。
それを追いかけたのが僕とミトナ。
その後、
もう分からない程の犠牲の上に、
君たちが現れた。
...本当に良かった...。
これは本当に...。
あの二人も喜んでいるよ...。
先の者は後になり、後の者は先になる......。
本当に...そうなってしまった...。
最初のものが最後の一粒になって待っていたんだから。」
フーリーヘイド 第二話 ~それでも止まらない、だから進めるのだ~
「もう、愛の世界、兵器の世界の確実さは正直分からない。
ここから先の話だからね。
でも、どうしてここへ来たかは説明できるから、
してみるよ。
何かが自らをバラバラに、
材料としてこの世界を創ったのは間違いないんだ。
その頃のお話。
君達からすればもう...。
数え切れない程の昔。
学者、知識、化学、音楽、素学、動作学、現象学、
証明学、水学、語学、楽学、肯定、否定。
全てが始まった頃のお話。
こうなってしまった原因のお話。
{何か}が身を犠牲にした理由はおそらくだけど、
単純に守るためだと思う。
悲しい事にバラバラになったのに、
救いたいのに、
犠牲になる理由となった対象の記憶も、
バラバラとなってこの世界に侵入。
それは本物とさほど変わりは無いと思う。
一つになるだけ。
{何か}がいた世界で守ってくれた{何か}。
犠牲となり、バラバラになった所で、
同じ事が起きるだけ。
一つになると言うものは永遠についてくる。
何をしようと。
一つになるものの吸収、
それを見た一粒が防御、
守られたものが犠牲に、
また一つになるものの記憶が吸収、
それを見た一粒が防御、
守られたものがまた犠牲に......。」
少し疲れたのか、
アトナがミトナに寄りかかって座る。
先程のように喜び、抱きしめるミトナはそこにいなかった。
「...永過ぎたよね...。」
「うん...。
君達が思っている以上に、
証拠なんて残らない程に、
僕らは戦っていた。
でも正体不明のあれは止められない。
もう逃げる事が戦いであるとさえなり始めた頃だったよ。
カナとディオラが出会ったのは。
第三者から全体を見ると、
一つになるものの空間が99.9%。
0.1%の小さな点が僕らが逃げ延びてる空間。
宇宙っていうのはその延長だと思ってくれても、
間違いはないと思う。
いつも見えていて、
いざ行って見ても満たされない。
どんどん引き寄せられていく。
本来すべき事すら忘れて。
奪われて、
一つに......。
犠牲者はもう数えれないよ...。
その頃の僕らは、
君達とそんなに変わらない姿だった。
生活もしていた。
環境は違うけど。
永いけど、
一瞬なんだ。
ああ、またなのかってバラバラになって、
その繰り返し。
毎日のように正体不明の{何か}を僕らは調べた。
守るものも毎回繰り返すたびに、
限界の日が分かるようになり、
その日に調査が間に合わなければ犠牲者が志願されて、
新たな世界へとダイブ。
残ったものは一つに。
その繰り返し。
一つになる空間と守られた空間を守るものによって隔てられて、
お互いににらめっこを繰り返す日々。
本当にあれは奇跡だった。
カナが向こう側にいる{何か}と話してたんだ。
まるで水族館で魚と話す少年のように。
その相手がディオラだったんだ。
まだ姿は無かったんだけどね。
フーリーヘイドという言葉についてなんだけど、
先に言っておくよ。
僕らも知らないんだ。
カナと、
おそらくディオラしかそれは分からないと思う。
....。
そしてとうとうあの時が来たんだ...。
守るものをすり抜けお互いに触れたんだ。
カナとディオラがね。
存在崩壊。
一つになるものも、守るものも、
僕らも、みんな、何もかもすべて。
バラバラになった。
終わったと思った。
でも違った。
始まりだった。
今考えるとね。
あの時は正直、ようやく終わるとさえ思った。
バラバラになった見えている世界は、
今までに見た事が無くて、
カナとディオラが....というよりも....何というか、
カナとディオラだった一部が繋がってて、
その繋がりが四方八方に広がって、
新たな世界が出来ていた。
という感じだったよ。
さらに驚いた事にディオラが一つになる{何か}の一部だったからなのか、
今となっては分からないんだけど、
{何か}がディオラ以外存在しない世界が出来たんだ。
奇跡だった。
僕らは徐々に元に戻り、
生活をし始めた。
脅威が去ったとは言い難いけど、
とりあえずはディオラを調査、
共にカナも調査する日々へと変わっていった。
.....。
...。」
「アトナ...だいじょうぶ...?」
ミトナが心配そうに背中をさする。
アトナ、ミトナにとって、私にとっても。
ジャンクやカメムシ達は驚愕してはいるが、
背中をさする程度の事なのだ。
カナとディオラが耐えてきた事にくらぶれば、
こんな事など些細な事なのだ。
本当の事はまだ語られていない。
勇者達よ、どうか聞いてほしいと切に願う。
「いろいろと....。
この時点で様々な反応があるよね。
信じられない、どうしてそうなったの、
ディオラは何、受け入れるしかない....。
もしも....。
もしもだよ。
君達の前に子供が現れて、
「どうして僕たち生きてるの?」って、
聞いてきたら、
様々だよね。
キリが無いんだけど。
でも、最後はさ。
肯定か、否定なんだよね。
別れちゃうんだ。
二つに。
どんなに考えても。
その簡単に今言った肯定も、否定も....。
悲しいくらい様々なんだけどさ。
僕は肯定するよ。
受け入れて進むだけ。
だから僕には奇跡だったり、
君達に会えるような幸せな事が、
星のように僕に見せてくれる。
雨のように恵んでくれて、
僕はまた歩けるんだと思う。
......これも神の御業なのかな?(^ω^)
もうね、
ここまで歩くと幸せなんだけど、
失うものもやっぱり出て来ちゃってさ、
僕は多分、悲しむ事かな。
泣けなくなっちゃった。(^ω^)
ディオラとカナが存在崩壊を起こすまで、
僕らは失い過ぎた。
でもなぜだろうね。
諦める事は自然となかった。
{何か}に少しずつ奪われて、
ようやくそれが終結した。
喜んだり、歓喜する余裕は無かった。
ただ茫然と立ち尽くしてたよね、ミトナ。
おぼろげだけど覚えてる。
カナとディオラが繋がって卵が産まれた。
そうなんだ。
ここは僕らがかつていた場所。
最後の避難所。
カナとディオラの卵の中。
髪の毛で見えないけどね。
最初はこんな世界じゃなかった。
そして、僕らにも異変が起きた。
存在崩壊は{何か}の攻撃を止めると同時に、
ディオラを通じて違う形で僕らに攻撃してきたんだ。
止まってなかったんだよ。
油断していたというより、
どうでも良くなっていたんだと思う。
止まったと思い込みたかったんだと思う。
単純に。
浸食の始まり。
浸食は喜怒哀楽によって広がって行ったんだ。
単純でシンプルな攻撃程、
ましてやそれが無限に等しいウィルス的なものなら、
これほど恐ろしく、どうでも良くして逃げてしまうのは当然。
自然と僕らは4つに分かれ、争う事になった。
カナとディオラを巡って。
...。
存在崩壊と攻撃を防いだ未知なる力。
僕らはカナとディオラを必死で守った。
時にはディオラを奪われ、取り返し、
時にはカナを奪われ、取り返し、
.....馬鹿だった。
本当に....。
必要なものが目の前にあるのに、
なぜあんなことをしていたのか....。
カメムシの世界では転生っていうのかな?
僕らにするとそれはもう既に息をするのと同じ事なんだ。
...神を恨んだことさえあるんだよ?
どうしてこんな事にしてくれたんですかって...。
一番つらかったのはカナとディオラ...。
カナは目の前で父親を殺された、
母親も殺された、
大事なものを何回も奪われた。
ディオラはカナに何もしてあげられなくて、
自分のせいだと責めた。
それでもカナはディオラを慰めた。
僕らの事も元気付けてくれた。
そんな僕らの中でさえも4つの対立は発生して、
浸食は鳴りやまないのに、
カナとディオラは僕らを一つにしてくれた。
そこで初めてわかったんだ。
一つになる攻撃がいつしか目的になっていた。
[愛]
もう理由とか理屈は通じない最終兵器。
やがて4つは二つに戻った。
肯定と否定。
...。
結果から言うね...。
酷い有様で戦争は終わった。
ジャンクとミイには卵とイビキ。
カメムシとイモムシは卵とアグラ。
カナとディオラは卵と存在崩壊。
僕とミトナは卵と....存在組成。
僕とミトナは自分たちの繋がりに気が付いてなかった。
存在組成は存在崩壊後に再び僕らに戻った時に、
無意識に発動。
ここからはカメムシとイモムシには過酷かもしれないけど、
説明を続けるよ...。
最初の崩壊、組成で知らぬ間に一つ産まれたものがある。
それも悲しい事なんだけど浸食の影響かもしれないんだ。
でもそれは産まれた。
僕は喜び。
カナは悲しみ。
[怒り]と[楽しみ]が産まれた。
それで4つに分かれてしまった。
今考えると喜びも悲しみも既に攻撃だったのかもしれないんだけど。
正確にはね、
喜哀が肯定、
楽が中立、
怒が否定、
こうして2つに分かれた。
中立と言ってもどっちかなんだよね、最後は。
喜哀楽と怒の対立。
怒が滅亡するだろうと思われていた。
...。
それ自体が間違いだったんだ。
何で気が付かなかったんだろうって思う...。
馬鹿は死んでも治らない...。
転生...?
何度した事か。
裏切り、後悔、挫折、侮辱、傀儡、奴隷、崇拝...。
やってない事などきっと無い...。
あの瞬間は今でも覚えてる。
そんな馬鹿な僕らを。
ディオラは救おうとした。
諦めなかった。
カナもディオラに{同調}
実際二人に何が交わされたのかは分からない。
でもそれは起きた。
ディオラは自らの肉体を魂から脱ぎ捨てるように、
断末魔の声をあげて{肉}を怒に与えた。
同時に存在崩壊発動。
カナは僕らを全員食べた。
怒は{肉}に包まれて卵の外、
{何か}の世界へと連れ去られた。
カナに食べられた僕らはカナの中で、
怒がどうなったか見せないようにして存在組成発動。
僕らの戦争は結局、二人の犠牲によって終結。
そして酷い事にカナの中では当時の記憶は抹消。
初めから浸食も攻撃も無い状態から始まり、
君達の世界へと繋がった。
残念だけどカナ自身は怒の事を覚えているし、
{何か}も知っている。
永い時を超えてこうして浸食と攻撃が始まり、
君達が奇跡としてここへ集結してくれた。
ディオラはずっと....。
自分の{肉}が卵の外にあるから、
あの鎖はきっと{肉}との鎖....。
待ってたんだ...ここでずっと...。
何かか起きてくれる。
あの時の行動に後悔はない。
カナも同じ。
ディオラとカナはただ、単純に待っていただけなんだ。
僕らがカナの中でどんなに酷い目に合ったとしても、
どんなにここまで来るのに大変だったとしても、
彼らの犠牲に返す反応は無いと思うし、
ここでまた僕らが争っても、
彼ら二人は喜ぶと思う...。
懐かしいなって...。
...。
久しぶりの友達、知人に会った時とか、
思い出の場所に言った時、
...懐かしいと言うか、安心するよね。
思い出すと言う訳でもなく、
それもまたそれぞれだと思うんだけど。
...ここへ来たと同時に、
思い出すんだ。
ここが本当の始まり...。
僕らやカナも含めた者達が、
君達を苦しめた原因。
...。
はいそうですか、とはならないと思うけど。
ここではなる。
嫌な事も良かった事も、
全部分かってしまう...。」
...何を言っているのだろうという話なのだ。
これはもうその場にいる者にしか分からない世界。
言葉を失ったカメムシ、ジャンク達の反応は、
間違いではない。
受け入れる入れないの話ではない。
常軌を逸している。
...当然という言葉で片付けざるを得ない...。
では、もしこれを見ている存在に私は問いたい。
「なぜ、あなたはあなたなのか。」
どうしようもない事実。
答えは決まっている。
自分の事は自分が良く分かっているし、
{嫌でも知っている}
...。
ただ単純に今彼らにそれが起きていると、
アトナは言っただけなのだ。
ここが始まりで思い出してしまうんだよと。
{嫌でも彼らは分かっている}
>> 21
無言になるのは当然である。
その間に私はアトナが何を言っているのか、
そして今まで分かった事を含め、整理し、
一応簡単に説明しておこうと思う。
以下に記す。
愛の世界なる存在がまずあったらしい。
↓
2つの存在が接触。
↓
突然の理屈すら一つにする{何か}の発生。
↓
2つののうちのどちらかが{何か}を遮断。
↓
残った方が遮断によって守られた残された世界で、
更に内側に新世界を創造、方法は不明。
↓
自己犠牲により創造した者は新世界へ。
バラバラになる、おそらくこれは空気よりも、
光よりも小さく、はたから見ると消えた様にしか見えない程かもしれない。
これは憶測である。
↓
目の前に何かがあるように、
自然と似たり寄ったりの存在が発生、
瓜二つではないが似たような世界が完成。
バラバラになった時点で私達、アトナやミトナ、
私を含めた存在は記憶がある。
ミイ達の世界に似ているのかもしれない。
↓
バラバラの自己犠牲の中に{何か}の記憶も当然残っているため、
それは当然一つにしようとする。
同じ事が発生。
誰かが遮蔽。
残った者で新たな世界を創造。
またバラバラになり、素材と化す。
↓
永遠に終わりのないドアが前後に2つある部屋を、
死なないゾンビの群れが後ろのドアを押し曲げ、
襲って来るので前方のドアを開けて鍵を閉める。
時間は稼げるがどうせドアは壊れるので、
考えながらも次の部屋へ。
試行錯誤を重ねてそれの繰り返し。
>> 22
簡単に言ってはいるが、
戦争を経験した老人が子供達に何があったか話すようなもので、
伝わるが、その時の匂いや感触。
それは伝わらないしその時間は伝わらない。
どれ程の永い、時間ですら例えられない逃げながらの抵抗。
こう記すしかない。
↓
そんなある時、
カナとディオラが接触。
ゾンビと逃げる者が意志を通わせたのだ。
ドアを隔てて。
やがてドアなど無意味となり、
二人は繋がる。
↓
結果、卵が発生。
壊れそうだったドアが絶対不滅の壁へと変貌。
100%{何か}を遮断。
向こうのゾンビたちがどうなっているかは不明。
ディオラというゾンビだけがこちら世界へとやって来た。
敵ではないがディオラがいると言うだけで、
今までにないその現象に、
逃げて来た者達は反応が4つに分かれる。
喜怒哀楽。
事後認識ではあるがこれもまた新たな攻撃であったのかもしれないが、
私はそうではないと願うし、それで争ったため、
もうこの話は出来るだけしたくないのが正直な気持ちである。
↓
喜哀楽と、怒に分かれる。
ディオラの味方と敵。
敵は怒になってしまった。
戦争の始まり。
騙し、犯し、奪い、強制...。
...これらも全て自己犠牲を用いても拭えない汚物である事を、
私は認めざるを得ない。
自分達で新たなあの恐ろしいゾンビを創ってしまった訳だ。
記憶が残ってしまった。
必要ではあるが必要ではないと願いたものを創ってしまった私達もまた、
罪人である。
↓
結果、戦争はもう終わらず。
終わらせたのはカナとディオラ。
喜哀楽、味方側にいた二人はある時、決意。
カナとディオラの繋がりには卵と、
イビキやアグラのような存在。
存在崩壊を能力とする存在があったが、
実際私も見ていないのだ。
姿形を全く知らない。
だが今まで逃げてきた中で、
新たなドアを開ける度にバラバラになって来た私達は、
ゾンビ達が追いかけてくるという状況で逃げてきたし、
バラバラになった方法や経験も十分すぎるほど分かっている。
だが今回は、ゾンビ達はいつまで経ってもあの卵を壊す事は無く、
平穏が訪れた中での分裂、争い。
ゾンビはもう来ないと知った上での強制的な自己犠牲現象。
カナとディオラの卵ともう一つの存在が私達をバラバラにしたのだ。
新たな未知の方法で。
今までと違ったのだ、と言うしかないのだが、
私はそう思った。
そしてカナがバラバラの私達全部を食べたと言うより、
包んだと言った方が正しいかもしれない。
↓
その当時、私達はカナの外側でもう何が起きているかなど、
分かる術はなかった。
こうしてカナとディオラの犠牲の上で、
私達は{知らない}おかげで新たな世界を創設。
今に至る。
↓
ディオラは{肉}を脱ぎ捨て、残された怒にくれてやり、
卵の外へ追放。
何故{肉}を与えたかは未だに不明。
カナは私達に外へ出ない様、
守るのみ。
カナとディオラの永い、
本当に永い戦いの始まりであった。
以上が簡単な説明である。
カメムシやジャンク達に起きた今までの現象全ては、
カナによる守護。
守るための現象だった訳である。
もの凄く簡単にカナの守護を例えるならば、
あなたの心臓を体外へ出そうと思いますかと言う事なのだ。
出さないでしょう。
だがあなたは体内に悪いものを嫌でも吸収しているし、
嫌でも良いものを得ている。
カナも同じで私達を守り切れなかったのだ。
いずれは本当の世界を知ってしまう。
カメムシやジャンクがここにいるのだから。
こうして現に。
目の前に。
新たな最終兵器である事を匂わせながら。
そうだ。
だからあんなにも眩しかったのだ。
今まで何回も。
眩しかった。
今ようやく気が付いた私は、
戦争当時にほんの微塵でもこの気持ちに、
なれたのならばあんな悲劇は決して起きなかっただろうと、
今更ながら思う。
~~~~~
決して繰り返してはいけない。
そう思うのは、それが起きた時だ。
起きた時でさえ思わないのだから。
思った時は遅いのではない。
ようやく思えたのだ。
~~~~~
きっと、
皆そうなのだと思う。
結果、肯定と否定。
私は間違いなく、
断固として{前進}を選ぶ事を、
ここに焼き記す。
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