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本音の薬

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匿名さん
22/01/05 19:14(更新日時)

どうしようもなく苦しくて、何かとどんな歪な形でもいいから繋がっていたいと思ってしまう。それほど私の心は乾いてしまったのか、乾燥したココロが痛く震えている。
一時期は大丈夫だった。鬱状態から抜け出せたのは他でもない…本のおかげだ。何回も繋がれる。そんな本のおかげで…。
でも、最近は本を読むたびに、もっと苦しくなった。
本を読むのはいまだに好きだし自分の逃げ道はそこしか存在しないと思っている。
が、……辛いのだ。
読み終わった後の孤独感、自分はどうして主人公のようになれないのだろう。そんな当たり前のことを考えては自壊してしまう。
読み終えるのが怖くて…好きなシリーズが完結してしまったら自分は如何、何に縋り付けばいいのだろう。そんな自問が自分の頭に飛び越える。
見ている時は、幸せだ。違う世界に行ける。誰かに愛される。特別な自分ができる。
のに、読み終えた後はどうだろう？　現実の窮屈な世界と本の中の広い、自由な世界を比べる。誰からも愛される主人公を見ては、誰からも愛されない自分と比べる。地味で平凡、なのに劣等生な自分と本の中の特別な主人公を比べる。
惨めだ。　あの世界から出たくなかった。痛い…、それだけが交差する。
なら読まなければいい、というわけにもいかない。自分の生活において本は、必要不可欠な薬のような存在だから、安易に失えるものではないから、余計に辛いのだ。
自分はーーどこに行けばいいのだろうか？ーー
教えてくれる者は、居なかった。