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名太( ♂ Rm4Unb )
16/02/24 18:38(更新日時)

※このスレはあくまで小説の話です。実際に募集してるわけではありません。決して本気にしないでください。

このスレは十年以上前、2chのアスキーアートストーリーで作られた話を強襲しています。

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No.2304694 16/02/20 10:49(スレ作成日時)

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No.1 16/02/20 10:55
名太 ( ♂ Rm4Unb )

「ふひひ…」
この奇妙な笑い声を漏らした男、只野 名太(ただの めいた)が本編の主人公である。
名太は日本の東京の家賃5万のボロアパートに住んでいた。
この度、無事に親元を離れ、独り暮らしに踏み切ったのだが、いくつになっても釣りスレを作る趣味が止められなかった。
釣りスレとは架空の話を投稿して、他の反応を楽しむことだ。
勿論真に受けて回答する立場からしたらキツい言葉もあるが、名太が今回投稿したサイトの2チョンネルだ。
2チョンネルといったらサラリーマンから主婦、ニートまで幅広く愛用している掲示板群で、彼等は釣りスレの耐性が非常に高い。
カタカタと世話しなくキーボードを打ち続ける名太のパソコンのモニターにはこう書かれていた。

『名前:名太 皆!この世は間違ってると思わないか!?犯罪者がのさばり、弱い人が苦しむ政治。俺はこれが許せない!集え、同志よ!この世界を正すのだ!この意見に賛同した英雄は、○月△日に渋川駅の公園で待ってるぜ!』

特に考えた内容ではなかったが、何人釣れるかなとワクワクしながら投稿した名太。
○月△日の日付は今日だ。
勿論名太にこの世界を正す野望なんてこれっぽっちもない。
ティッシュ配りのバイトで生計を立てており、その日のメシを食べるのがやっとだ。
そんなストレスから、小さい頃からやってきた釣りスレ作成はガス抜きの一環だ。
それにこんなのを真に受ける奴はいないだろう。だから大丈夫。
そう、名太は思っていた。

No.2 16/02/20 10:55
名太 ( ♂ Rm4Unb )

「さて、何人釣れてるかなー?」
胸を躍らせながら、自分の作ったスレを確認する名太。
この瞬間がたまらなく好きなのだ。
ワクワクしながらページを更新して、モニターを覗き込むと驚愕のレスがついていた。
『01番 名前:名無しさん
終了。』
『02番 名前:神蔵
名太どのの意見に深く感銘を受けました!この神蔵、大統領様にお仕え致しまする!』
『03番 名前:名無しさん
上の奴、頭大丈夫?WWW』
『04番 名前:名無しさん
はいはいワロスワロス。』
『05番 名前:トーマス
これです!私、が思ってたこと!私も神蔵さんと同じ意見!』
『06番 名前:太郎
僕もやります!やるったらやります!』
『07番 名前:七星
ほう…、まさかこの俺と同じ考えを持ってる奴がいたとは…。』

「…………………。」
「…………………。」
暫く画面を見ながら、目が点になっていた名太。
しかし、やや遅れて、
「あ、あぁ…なんだ、釣りレスか…。」
と自分に納得させた。
当然のことだ。
まさかこんなスレを真に受けて誰かが来るわけがない。
最近はレス者もバラエティに富んでいる。
ふと視線を、パソコンの右下の時計に目をやると13:20となっていた。今の時間だ。
「あれ!?もうこんな時間!?」
今日は名太が片想い中の名美(めいみ)ちゃんとの初デートの日だった。
待ち合わせ時間は14時。名太の最寄り渋川駅の公園だ。
名美ちゃんとは合コンで知り合って仲良くなったが、今時珍しい黒髪のロングで、瞳はぱっちりと大きく、可愛らしい顔をしていた。
散々口説いて、ようやくデートに漕ぎ着けた
絶対に遅れるわけにはいかないと、急いで支度をして家を飛び出した。
その一室で、パソコンのモニターが、これからの災難を物語ってるようにぼんやりと光を放っていた。

No.3 16/02/21 11:27
名太 ( ♂ Rm4Unb )

街中は喧騒に包まれていた。
今、只野名太がいるこの場所は渋川駅という、国内でもトップクラスに人通りの多い場所だ。
町には見上げるほど高いビルが並び、大企業の本社もちらほらある。
にも関わらず、道行く人には若いカップルが多かった。
その要因の一つが、最近建設された巨大なテーマパークのコームパークに挙げられる。
入場料はかなり高いが、恋人達の鉄板デートスポットらしい。
一度だけ、一人で入ってみたが、見渡す限りカップルだらけなのですぐに出てきた名太。視線が痛いというやつだ。
今日は○月△日、名太はそのコームパークの近辺にある公園のベンチに腰を降ろしていた。
渋川駅は発展してる場所だが、その一方で不要な木々は次々と切断され、公園などの子供が遊べる場所まで潰してしまっていた。
そんな中で、今名太のいる公園は残ってる貴重な公園だ。
お世辞にも広い空間では無いが、緑があり、静かな時間が流れていた。
渋川駅の公園、といえばこの公園になる。
「でゅへへ、ちょっと早く来ちゃったかな〜。」
腕時計の針は一時五十分を指している。
今日は待ちに待った、名太が頑張って口説いた名美ちゃんとのデートの日だ。
待ち合わせ時間は二時。十分前に着いた計算になる。
この歳になるまで、彼女が出来たことがない名太は気合いを入れて、青のTシャツに黒のだふっとしたズボンでオシャレに決めていた。
この最先端のファッションスキルなら名美ちゃんも喜んでくれるだろう。
明るいデートはすぐそこだ。

しかし、何やら男がこちらを見ていた。
少し離れてるが、嫌な予感がする。
シャープな顔立ちだが、眉間から頬にかけて大きな傷痕があり、目もつり上がっていて正直ヤクザにいそうだ。
喧嘩はからっきしの名太は目を合わせないようにしていたが、その男は名太を凝視しつつ、こちらに歩を進めてきた。
言い様のない恐怖に襲われたが、デートの約束の場所はこのベンチ付近なので、なるべく移動したくなかった。
どうしようとあたふたと奇行をしていると、その男が口を開いた。
「もしや…、貴方が大統領様ですか…!?」
「は?」
運命の鎖が、名太を捕縛した瞬間だった。

No.4 16/02/21 14:01
名太 ( ♂ Rm4Unb )

この男は突然何を言い出すんだ?と名太は思った。
大統領?しがないティッシュ配りのバイトで日々の生計を立ててる自分を?
自分に似た別人と間違えたか?それとも…。
(あ、あぁ、新手の詐欺か…。)
という結論に至った。言葉には出していない。
自分を見て嬉々とはしゃぐ強面の男に言ったら、何をされるかわからないからだ。
「あ、あのぅ、誰かと勘違いしてません?」
やっと辿り着いた言葉がこれだった。
詐欺師よりは優しい言葉だろう。
「あ、名太くーん!」
と、この時少し高い声が自分の名を呼んだ。
視線を向けた先には、今日のデート相手の名美ちゃんがいた。
手を振りながら小走りで駆け寄ってくる。
いつもより若干化粧を丁寧にしており、白のワンピースと明るい色のカーディガン・ボレロの組み合わせでとても可愛かった。
最高のシチュエーションだ。いや、そうなるはずだった。この男がいなければ。
「えっ、この人誰?友達?」
名美は顔を見上げながら、男に対して呟いた。
小柄な名美と、長身の男ではまるで大人と子供だ。
しかしそんな名美に対して、男は
「黙れ小娘。貴様に用は無い。」
と、一蹴した。
名美は暫く口をぽかんと開けていたが、今度は名太を見る目が厳しくなってきた。
その顔は少し怒り気味だ。名太が取りつく間もなく、話はどんどんややこしくなっていく。
「ねぇ、この人…、あ、そういうことね。」
何かを悟ったように呟く名美。
その答えが何であるかは名太は全くわからず、踵を返して歩き始めた。
「えっえぇぇ?ちょっと待ってぇ!」
名太が情けない声を出しても、聞き入れず徐々に遠ざかっていく名美。
そして全く空気を読まずに、男が言葉を続けた。
「さて、邪魔者も消えましたし、早速行きましょう。」
「は?」
先程と同じ疑問符。
何が何だかわからない。
しかし、疑問より先に名太の口から怒声が飛び出した。
「おい!てめぇのせいで名美ちゃんが行っちまったじゃねえか!どうしてくれんだよ!」
当然といえば当然だ。
勘違いだろうと、詐欺師だろうと、原因はこの男にあるだろう。
しかし、弁明が飛び出すかと思いきや、
「は、はぁ…。しかし我々を集めたのは大統領様では?」
という男。
また疑問が増えた。
見たこともない男が、集めたなどと言い出したからだ。

No.5 16/02/24 18:38
名太 ( ♂ Rm4Unb )

「はぁ?お前なんざ知らねぇよ!?」
怒りが収まらず、怒声を吐き続ける名太。
交遊関係が狭いので、会ったことのある人間は大体把握していた。
間違いなくこんなヤクザのような男は知らない。
「しかし、2チョンネル掲示板の書き込みは、貴方では…。」
今度は思いがけない名前が飛び出してきた。
巨大掲示板サイト、2チョンネル。
そう、自分は少し前に、
『名前:名太 皆!この世は間違ってると思わないか!?犯罪者がのさばり、弱い人が苦しむ政治。俺はこれが許せない!集え、同志よ!この世界を正すのだ!この意見に賛同した英雄は、○月△日に渋川駅の公園で待ってるぜ!』
という釣りスレを作っていた。(1参照)
でも、あんなのジョークじゃないか?この男はそれを真に受けて来たというのだろうか?
たまたま自分がスレを作って、たまたま奇跡的に近くにこの男がいて、それを真に受けて、この公園にやってきた。
そう言いたいのだろうか?
だとしたら天文学的な確率の低さになりそうだ。
「あ、あぁ…、なんだあのスレを本気にしたのか…。嫌だなぁ、あれはジョークだよ。軽いジョーク。ごめんごめん。」
騙されてるんじゃないかと思いながらも、一応謝る名太。
まさかあんなスレを信じて行動に移す奴がいるわけない、そう思っていた。
しかし、この男は更にとち狂った言葉を続けた。
「じょ、ジョーク!?それこそ軽いジョークですよね?某は、大統領様に会う為に、仕事まで辞めてきたんですよ!?」
「し、仕事まで!?正気か!?」
一人称が某なのは置いといて、名太に仕える為に仕事まで辞めたと激白する男。
本気にし過ぎにも限度があるだろうと言いたかったが、段々と険しい顔になっていく男を見て、それも言えなかった。
下手をしたら殺されるかもしれない。と、さすがの名太も身の危険を感じて、話を合わせてみることにした。
「そ、そうなんだ。ジョークだよ!そう、俺が大統領である。出迎えご苦労。」
本当の大統領がどんな話し方をするかは知らないが、偉そうに言ってみた。
その台詞に満足したのか、険しかった顔が少しずつ穏和なものになっていき、
「はは。やはりジョークでしたか。もし嘘なら首を切り落とすところでした。」
恐ろしいことをさらっという男。
名太は自分の答えが正しかったことに安堵の息をついた。

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