選択
園田 萌 29才
結婚2年目。
子どもはいない。
…結婚すれば幸せになれると思っていた。
マイホームに住んで、大好きな旦那さんと可愛い子どもと明るい家庭を築く。
避妊しなければ、すぐ妊娠すると思ってた。
嫁・姑問題も、ドラマの中だけの話だと思ってたし、たいして貯金もないくせにマイホームも買えると思っていた。
なにより、旦那さんとはずっとラブラブなままでいられると思ってた。
冷めきった夫婦。
子どもはなかなか授からないし。
姑には子どもが出来ないことをグチグチ言われるし。
マイホームなんてとても無理な話…
毎日、仕事と姑の愚痴でストレスがたまり、旦那ともうまくいってない。
結婚する相手…
間違っちゃったのかな?
新しいレスの受付は終了しました
今回も全員と連絡先を交換した。
また今日のメンバーで遊ぼうということになり、再来週末に再び集まることになった。
楽しみだな~♪
「今日どうだった?いい感じの人いた?」
美紀が今日の感想を聞いてきた。
「ん~、すっごくタイプって人はいないけど、楽しかったよ~。次回も楽しみだよ。」と、綾子。
「ほんと?よかったー。
萌は?どうだった?」
「私は…斎藤くんがいい感じだった。」
正直に話した。
「そーなの?ビックリ~!
斎藤くんかあ~、うんうん。確かにいい感じの人だったね。ね、美紀。」
「うんうん。しっかり者って感じだったから、おっとり系の萌にピッタリ!
応援するよー(^^)/」
「ありがとう。」
「あ、でもこーいち君は?連絡あるんだよね?」
「うん。」
「でも友達としての付き合いなんでしょ?
だったら大丈夫だよ。
斎藤くん、気に入ったんならさ、積極的にいこうよ!
そうだ!早速メールでもしてみたら?」
「えー(汗)
メール苦手なんだよ~。
綾子、変わりにうって。」
「やだよ(笑)」
こーいち君とは恋愛に発展することもなく、友達としての付き合いが続いていた。
そんな時、今度は美紀からコンパの誘いがあった。
また3対3だったので、綾子と私と美紀の3人での参加。
今度はみんな同級生。
幹事は以前に美紀が友達の紹介で知り合ったという男子…てっちゃん。
あと2人は斎藤くんと安本くん。
まず、ファミレスに集まった。
そして自己紹介。
3人とも普通よりちょっとかっこいいかな?って感じの顔。
ファッションもオシャレ過ぎず地味過ぎず。
私的にはなかなかいい感じの3人。
喋った感じも悪くない。
3人の中で私が1番いいなって思ったのは斎藤くん。
リーダーシップがありそうで、しっかり者って感じがしたから…
それから…
こーいち君から頻繁にメールがくるようになった。
メールの内容は『おはよ~』とか『お疲れ様』とか、些細なことだった。
綾子達は、こーいち君が私狙いだと知っていたらしく、飲み会の時もわざと私とこーいち君を二人にさせたらしい。
「こーちゃん、いいヤツだよ♪」と、綾子はこーいち君をすすめてくる。
確かにこーいち君と話してると楽しいし、頻繁に送られてくるメールも嫌じゃない。
…だけど。
私って最低かな…
こーいち君の顔がタイプじゃない…
かっこ悪いわけじゃないんだけど、
ちょっと苦手なタイプの顔というか…
服装とかもオシャレなんだけど、私の好みではない。
こんな風に思うなんて…
外見で決めるなんて最低だよね。
ごめん、こーいち君…
少し歩き疲れたのでベンチに座った。
「みんないないね。もうキヨ君家に帰ったのかな?」
「そうかも。」
…
しーん。
やっぱりこーいち君でも二人きりだと気まずい。
何を喋ったらいいのか分からない。
ダメだな。
これじゃあ、彼氏できないよ。
「俺さ~、萌さんのこといいな~と思ってるんだけど。」
「え?」
落ち込んでるところに突然言われてビックリ\(◎o◎)/
「今度は二人で遊んでくれない?」
「え…あ、」
「嫌だ?」
「嫌じゃないけど…」
「けど?」
「嫌じゃないよ。」
「ほんと?だったらいい?」
「あ、…うん。」
「やった!」
「あれ?こーちゃんと萌?」
綾子の声だ!
少し先にある外灯の下に人影が…
あ、みんないる!
「こーいち君、みんないたよ。」
「ほんとだ。」
「綾子~(^^)/」
みんなのところにかけよった。
ホッ
とりあえず二人きり脱出。
でも…
二人で遊ぶ約束しちゃったよ。
どーしよう。
こーいち君と、アパート近くにある公園まで散歩に出掛けた。
真っ暗なので、私は道がわからず、こーいち君の後ろを歩いた。
こーいち君は何度も来たことのある公園らしい。
「みんなも公園にいるのかな?」
「うん、多分いると思う。」
「真っ暗だね…」
外灯はあるけど、深夜の公園は真っ暗でちょっと恐い。
さすがに人もいないし…
でもこーいち君も私の歩幅に合わせて、ゆっくり歩いてくれてる。
優しいな。
…と思ってたら、
「萌さん、歩くの遅い~」と言われて手をつながれた。
ドキッ
男の人と手をつなぐなんていつ以来かな(汗)
急につながれたら、緊張するじゃん!
…でもふりほどくこともできず、こーいち君と手をつないでしばらく公園内を歩いた。
「ん…、萌さん?」
こーいち君が起きた。
「こーいち君、ごめん、私超寝てた?」
「はは、よく寝てたよ(笑)」
「ほんとに?
ごめんね。
みんなは?どこ行ったの?」
「酔いざましに夜の散歩行った。」
「そーなんだ。
こーいち君は行かなかったの?」
「うん、
萌さん一人残してたらかわいそうでしょ。」
「あ、ごめんね!
私が寝てたから(汗)」
「いいのよ~(笑)
じゃ、これから二人で散歩行く?」
「あ、うん。いいけど…」
ハッ!
ヤバイ
目が覚めたら周りは真っ暗だった。
うそ…
私、本格的に寝ちゃってた?
電気が消えている。
ガバッと起きあがると、
わあー(*゜Q゜*)
横にこーいち君が寝てた!
なんで?
しかも、
他のみんながいない。
なんで??
き、気持ち悪い…
フミ君とスーパーから戻ってきて、調子にのって飲んでたら…
飲みすぎた(ToT)
「ごめん、ちょっと飲みすぎちゃった…
横になってもいい?」
「大丈夫?」
「萌さん、ベット使ってよ。」
「ありがとう。」
キヨ君のベットを借りて横になって布団をかぶった。
はぁ~
こういうのも大人げないよな…
情けない…
それにしても、みんなお酒強いな。
まったりした雰囲気でお喋りは続いてる。
みんなに背を向けて寝転んだ。
みんなの話し声がなんだか心地よい。
ん…
なんか眠くなってきたな…
変わりたい…
地味でこれといったとりえもない私。
フミ君と並んで歩いてるとなんだかみじめになる。
フミ君に似合うような女の子になれば、私にも彼氏が出来るのかな?
「フミ君はさ、どんな女の子がタイプ?」
参考までに聞いてみた。
「タイプ?
そ~だな~。見た目は派手過ぎないお姉さん系かな?
ギャルっぽいのも好きよ(笑)」
おぉ(;o;)
ハードル高いな(汗)
「中身は?」
「う~ん。一途な子かな?
あとできれば料理が得意な子がいいな~♪
デートの時とかにお弁当作ってくれるような子。」
り、料理(ToT)
苦手科目だわ…
フミ君の彼女を目指してるわけじゃないんだけど…
なんかショック。
彼氏をつくるためにはもっと頑張らないと。
幸せな結婚したいし…
とりあえず…
今日は飲もう!
「ちょっと歩いたところにスーパーがあるから。そこで買お。」
「うん。」
いざ、フミ君とスーパーへ出発。
二人でテクテク歩く。
フミ君、私の歩幅に合わせてくれてるな…さすが♪
「ごめんね。歩くの遅いから…」
「いいよ。俺も飲んでるから足元ふらふら(笑)」
女の子に合わせてくれるなんて優しい~。
…でも
沈黙が続く。
なんか…なんか喋んなきゃ。
よし、素朴な疑問ぶつけてみよう。
「フミ君彼女いないの?」
彼女の一人や二人いてもおかしくない!
「今はいないよ。」
「ほんとに?」
「いたら飲み会に参加しないでしょ?
俺、彼女できたら結構一途だし(笑)」
「そーなんだ。
でもフミ君モテるでしょ?」
「まあね~(笑)
でも今は彼女はいいや。こーいち達と遊ぶの楽しいから。」
「そっか。」
「萌さんは?彼氏つくらないの?」
「私の場合は作らないんじゃなくて、作れないの…」
「?なんで??」
フミ君天然か?
「なんでもだよ。モテないしね(^^;」
「そうなの?
こーいちもキヨも、『萌さん可愛い♪タイプ♪』って言ってたけど?」
「ほんとに?
まあ、でも私ホントにモテないから。
変わりたいんだよね。」
そして終末。
一人暮らししているキヨ君のアパートにみんなで集まった。
ビールやチューハイ、おつまみとお菓子を持ち寄った。
私達女子3人は誰狙いとかはなくて、ただ飲み会を楽しんでいた。
こーいち君達男子も特にそんな様子もなくて、仕事の話や過去の恋愛の話なんかで盛り上がった。
私には男友達がいなかったので、こーいち君やキヨ君とは、友達になれそうだな~って嬉しく思った。
ただ、イケメンのフミ君だけはやっぱり苦手。
なんだろう。
普通の私とはレベルが違うというか…
とにかく無理(汗)
かっこいいから見てるのはいいけど。
途中、飲み物が足りなくなったので、じゃんけんで負けた二人が買い出しに行くことになった。
ああ、なんか負けそう。
「じゃ、買い出しはじゃんけんで負けたフミ君と萌ね!
よろしく~♪仲良く行ってきて(^^)/」
最悪…
するとすぐ返信が…
『うん。みんなで飲もう!』
あ…
もしかして最初からみんなで飲むつもりだったのかな?
勘違いしちゃって恥ずかしいな私(*/□\*)
『じゃあ、みんなに予定聞いてまた連絡するね。』
送信と。
そして翌日…
綾子と美紀に予定を聞いてみた。
「こーちゃんからメールきたんだ~。」
「私、誰からも連絡なかったけど(T-T)」
「え?そーなの?
みんなに送ってるんだと思ってたよ。
でもたいしたメールじゃなかったし(汗)」
「まあ、いいじゃん。
またみんなで飲もうよ。」
「うん。ヒマだしね(笑)」
そして翌日。
10時頃、綾子の家から自分のアパートに戻り、ひとりくつろいでいたら、携帯に一通のメールが届いた。
キヨ君からかな?と思ったら、こーいち君からだった。
『昨日はお疲れ~(^^)/
また遊んでね♪』
普通の内容でホッとした。また遊んでね、は社交辞令だろうし。
『お疲れでした(*^^*)
また遊ぼうね。』送信。
なんだかこーいち君と同じ文章のメールになっちゃったな…^_^;
まあいっか。
するとまたメールが…
『来週あいてる日ある?また飲もうよ。』
\(゜o゜;)/ ゲッ誘われた!
こーいち君に悪いイメージはないんだけど、よく知らない男子と二人で会うなんて私には無理だ。
…どうしよう。
来週は都合が悪いって送信しちゃおうかな…
うーん。
ま、正直にメールしようか。
『まだこーいち君のことをよく知らないので、二人で会うのは緊張します。
昨日のメンバーみんなでまた遊ばない?』
送信、と。
よし。これで嫌だったらもうメールしてこないだろう。
やがていい時間になり、御開きすることになった。
全員と連絡先を交換した。
ま、交換しても連絡くることないし、私も連絡しないけどね。
でも今日は楽しかったな♪
その後私達3人は綾子のアパートに泊まる予定にしていたので、綾子の家に向かった。
途中のコンビニで飲み物やお菓子を買った。
アパートで順番にシャワーをさせてもらって、部屋着に着替え、リラックスモードで再び乾杯♪
「お疲れ様~(^^)/」
「どうだった?今日のメンバーは?」
「なかなかよかったよね、みんなそれぞれ可愛いかったし(笑)」
「うん。楽しかったよ。」
「キヨ君は萌狙いじゃなかった?」
「えー(汗)
そんなことないよ。からかわれてただけでしょ。」
「萌のこと可愛い可愛い言ってたよ。」
「連絡くるかもよ。」
「えー…私、そういうの苦手なんだけどな。
どうしよう。」
「そんなに重く考えなくても大丈夫だよ。
ほんとに嫌だったら私に言ってくれたらいいし。私からこーちゃんに言っとくからさ。」
「ありがと綾子。」
「でもさ~、フミ君はイケメンだし、モテそうだったけど、女遊び激しそうだよね。
ああいう子好きになったらつらそうだね。」
「うんうん。」私もうなずく。
イケメンは好きになりたくないなー…。
自分と比べて惨めになりそうだし。
私の好きな人ってどんなタイプだろう。
こーいち君みたいによく喋って楽しい人?
キヨ君みたいに可愛い感じの人?
そもそも年下?
それとも年上?同級生?
…わからん(-o-;)
「おい、キヨ~、何萌さんいじめてんだよ。」
綾子や美紀と話していた、こーいち君が声をかけてくれた。
「いやいや、いじめてないし。
萌さん可愛いなーって言ってただけ。」
「セクハラで訴えられるぞ(笑)」
ギャハハ~と笑う綾子と美紀。
こーいち君の提案で席替えしようということになり、
今度は私、こーいち君、美紀。
向かい合わせに、フミ君、綾子、キヨ君の順に座った。
綾子と美紀がキヨ君をからかい始めた。
私はこーいち君とフミ君と話すことに…
こーいち君はお喋りみたいで、色んな話をしてくれた。
うんうんと、私とフミ君は聞き役。
フミ君はイケメンなので、私は話しかけづらく、私はこーいち君にばかり話しかけていた。
男子3人は高校時代の同級生らしい。
こーいち君の話から、3人は仲がいいんだな~って感じた。
席は、綾子、美紀、私。
向かい合わせに、こーいち君、フミ君、キヨ君の順に座っていた。
「萌さん、食べ物何が好き?」
キヨ君に話しかけられた。
ちゃんと名前覚えてくれててちょっと感激。
「好きな食べ物?
えーと…、そうだな、甘いものかな?」
「甘いものは別バラってやつ?」
「うん、まあそうだね。」
「萌さん、彼氏いないの?」
え?いきなり?
「いないよ。」
「ほんとに?」
「うん。」
「ふーん。」と言いながらニヤニヤ笑うキヨ君。
?何…バカにされてるのかな?
「可愛いから彼氏いると思ったのに。ラッキー♪」
はあ?
可愛い?私が?
「キヨ君何言ってんの?私、可愛いくないよ(汗)」
「そんなことないよ。可愛いと思うけどな。」真顔で言うキヨ君。
「キ、キヨ君(汗)」
急に恥ずかしくなって顔が熱くなってきた。
可愛いなんて、言われたことないよ(汗)
「赤くなって~、萌さん超可愛いじゃん。」
キヨ君が冷やかす。
もー、やめて(>_<)
部屋に入り、2時間カラオケした。
私はカラオケが苦手だけど、案外みんなで盛り上がって楽しかった。
でもカラオケなので、一人一人とは十分に話せなかった。
カラオケの後は近くの居酒屋に行った。
金曜日なので、お客さんも多くワイワイしていた。
でも、個室ではないもののテーブルごとに仕切りがある店だったので、割りと落ち着いた雰囲気だった。
まず、飲み物を注文して乾杯した。
そして改めて自己紹介をして、適当に食べ物の注文をした。
男性3人組もカラオケ店の入り口に向かって歩いてくる。
「こーちゃん!」
綾子がその中のひとりに声をかける。
「綾子さん、久しぶり~♪」
おぉ、さん付け!!
年下だからね…
「紹介するね。同じ職場の美紀と萌。」
「あ…、どうも。」
私も美紀も表情が硬い(汗)
「どうも♪
俺はこーいちです。
こっちの二人はキヨとフミです。」
「初めまして(^^)」
男性陣はにこやかに挨拶してくれる。
印象は悪くないな。
こーいち君は人懐っこい感じ。
キヨ君はちょっとヤンキー風味だけど、可愛らしい感じ。
フミ君はなかなかのイケメン君だった。
こっちも、私は普通だけど綾子と美紀は普通以上でモテる。
うん、楽しい会になりそうだな♪
そして綾子主催のコンパ当日。
金曜日、仕事を終えて、待ち合わせのカラオケ店の駐車場に集合した。
コンパの相手はまだ来てないようなので、綾子の車の中で待機することに…
「今日は3対3だよ。
私が前にコンパで知り合った子達が来るから。
年は全員22才だよ。」
今日のコンパには綾子と私と同僚の美紀が参加。
相手は年下かぁ…
今日はカラオケ→居酒屋の予定。
カラオケ…苦手なんだけどな。
「あ、来たよ!」
駐車場に1台の車が入ってきた。
…なんか緊張するな。
私達は車を降りて、カラオケ店の入り口に向かった。
記憶は消えたものの、
色んな男性と出会って、たくさん恋をして、幸せな結婚をする…という思いだけは強く残っていた。
とりあえず、綾子がセッティングしてくれたコンパに参加しなくちゃね。
私は人見知りするので、なかなか男性としゃべれない。
緊張するせいか、愛想もよくない。
見た目は普通だと自分では思ってる。
体型も普通。服装も無難な感じ。ヘアースタイルはセミロング。
あまり喋れないからおとなしい印象だと思う。
実際はそんなにおとなしくないけど…。
彼氏いない歴5年…
19才の時に彼氏はいたけど、半年ぐらいで自然消滅。
まわりの友達は彼氏いない子もいるけど、結婚した子もいて、結婚式に出席すると、結婚願望がたかなる…
いい人と出会えないかな?
色んな男性と出会って、たくさん恋をして、そして幸せな結婚をする…
決めた!
テーブルにあったメモ帳にその思いを書いて、壁に貼り付けた。
絶対に幸せな結婚をする!
すると急に頭の中がふわふわしてきた。
あれ?
結婚…
幸せな結婚。
妙に現実的だな。
まだ結婚したこともないのに~。
いつのまにか29才の記憶は消えて、24才の私に戻っていた。
ここは結婚する前に私が一人暮らししていたアパートだ。
壁にかけていたカレンダーを見る。
今から5年前。
24才の私だ…
そろそろ結婚願望が出てきて、必死に相手を探していた時期だな。
綾子がよくコンパをセッティングしてくれたっけ…
でもどうにもコンパの雰囲気が苦手で半分は断ってた。
…そっか。
苦手でもとにかく男子と出逢える場所に行けば、もっと気の合う人と付き合って結婚できたかも!?
旦那とはお見合いだった。
だから今うまくいかないのかも…
でも過去に戻るなんて夢かな?
夢でもいい。
今の現実なんていらない。
やり直せるなら…
♪~♪♪~
??
あれ?携帯がなってる…
気が付くとベットで寝ていた。
暗闇の中、手探りで携帯をとる。
あったあった。
携帯を開くと時間は22時過ぎ。メールだった。
『明日のコンパは18時からになったよ。』
?
コンパ?
元同僚の綾子からのメール。
綾子…懐かしいな。
でもコンパって何?
私、確か旦那のメールを見てたような…
あれ?
なんだか部屋の雰囲気がおかしい。
携帯電話も今使ってるのと違う。
どういうこと?
不思議に思いながら、電気をつけてみた。
いつもの部屋じゃない!
でも…
見覚えのある布団や家具…
ガラステーブルの上に郵便物が置いてある。
「小村萌様」
小村は私の旧姓…
恐る恐る鏡を見る。
若い私がうつっていた…
だけど、旦那は何も言わない。
毎日ちゃんと家に帰ってくるし、おかしな行動もしない。
浮気は私の勘違いだったのかな?
そんなある日
旦那がお風呂に入っている時だった…
テーブルの上に無造作に置かれた旦那の携帯電話が目にとまった。
浮気って携帯を見て発覚することが多いよな…
旦那の携帯。
もちろん今まで一度だって見たことない。
メールの受信や送信を見れば浮気してるのが分かるのだろうか?
ドキドキしながら携帯を手に取り、メール受信のボタンを押す…
誰とメールしてるんだろう…
離婚したらどこに住もうかな?
今のアパートは旦那と私の職場の中間地点。
もう少し私の職場の近くにしようかな?
休みの日に良さそうな物件を見に行った。
いつでも出ていけるように、少しずつ荷物の整理も始めた。
旦那の物と私の物は分けておくようにした。
歯ブラシもひとつのコップに入れていたけど、もうひとつコップを買って、旦那用と私用に分けた。
歯みがき粉も別々。
ドライヤーも二つ買った。
タオルもカゴに名前を書いておいて、自分の物を使うようにした。
食器も自分用のものを買った。
フライパンも鍋も買った。
冷蔵庫や洗濯機などの大きな家電は無理だけど、これでとりあえずいつでも別居できる。
今のところ旦那を責めたりするつもりはなかった。
でも旦那に対する気持ちは確実に冷めていった。
旦那と離婚した時のことばかり考えるようになった。
ある程度の貯金はあるし、仕事もしてる。子どももいない。
もし私が専業主婦で子育て真っ最中だったら、離婚は考えられないかもしれない。
今の私には何もない。
離婚したって何も困らない。
旦那のお母さん役はもうごめんだ。
旦那の笑顔に落ち込んで、旦那に声をかけることもできなかった。
泣きたいような気分で車を運転して家に帰った。
『何時頃帰ってくるの?』
いつもは旦那にメールなんてしないけど、なんとなく送ってしまった。
返信はこない。
やっぱり浮気中だったのかな?
私…離婚されちゃうんだろうか…
旦那と離婚したらどうなるの?
名字が旧姓に戻って、また一人暮らしか…
それで、また彼氏を探すのかな…
もう年齢的に彼氏難しいよね。
でもずっとひとりは淋しいし…
お見合い?
お見合いもいいかもしれないな…
10才ぐらい年上でしっかりした人がいいな~。
「…ただいま。萌?どうしたボーッとして…」
気が付くと旦那が帰宅していた。
時計を見るともう21時過ぎ。
ずいぶん妄想しちゃたな(汗)
あ、メールは?
「メールしたんだけど見てくれた?」
「メール?見てなかった。ごめん。何?」
「もういいよ。」
「あっそう。」
「ごはんは?」
「いらない。もう寝るわ。」
早っ(*゜Q゜*)
ごはんの用意はしてなかったので、カップラーメンを食べた。
ん?
旦那お風呂は入らないの?
…どこかで入ってきたのかな?
浮気確定だな。
買い物をやめて車に乗り、高速道路のインターに向かった。
ほんとに県外にドライブに行っちゃおう!
車内のBGMのボリュームを上げて、ひとり車を走らせた。
30分ほど走って休憩がてらサービスエリアに寄った。
日曜日なので人も多く賑わっている。
お土産物が売ってあるコーナーを見て回っていると、
…
あれ?
少し離れた場所にある自動販売機のところにいる一組のカップル。
間違いない。
旦那だ!
今日は友達とツーリングに行くって言ってたけど…
友達って女だったの?
…もしかして……浮気?
ハッ
証拠おさえとかなきゃ
携帯のカメラで慌てて1枚撮った。
改めて二人を見る。
旦那の浮気現場かもしれないのに、妙に冷静な私。
楽しそうに笑う旦那。
その笑顔がなんだか悲しかった。
私には見せない笑顔だったから…
その笑顔がショックだった。
旦那…
私といるより楽しそうだな…
…
なんだか悲しくなってきた。
私ってなんなの?
お手伝いさん?
そういえば最近…家に帰っても全然楽しくない。
旦那といてもイライラするだけだ。
好きで結婚したはずなのにおかしい。
♪~♪♪~
携帯がなる。
「…もしもし。」
「あ、もしもし?萌さん?
今あなた達のアパートの前にいるんだけど、誰もいないみたいだから…
タケルに電話してもつながらないのよね。
」
お義母さん…また突然の訪問(T-T)
「すみません、今友達と県外に出掛けてまして…」
「え?そうなの?
まあ、突然だものね。せっかく亜子ちゃんと来たんだけど。」
\(゜o゜;)/っ
義理の姉も一緒かい。
「すみません。」
はー…
ほんとは近所のスーパーにいるけど嘘ついちゃったよ。
いつも突然やってくる義母。
部屋が物であふれかえってるわね。
と毎回言われて、
早く孫の顔が見たいとグチグチ言われる…
それにもうんざり。
もうやだ。
日曜日。
近所のスーパーで食材を買う。
今日は私も旦那も仕事が休み。
旦那はバイクが趣味で、休みの日は友達とツーリングに出掛けることが多い。
家にいるときはゲームをしている。
お互い休みでも私と一緒に出掛けることは少ない。
私はもっと一緒に出掛けたりしたいんだけど、旦那は自分が行きたい所以外は、あまり出掛けたくないらしく、無理に付き合わせても楽しくないかなって思って今は諦めている。
スーパーへの買い物も二人で来たのは数回しかない。
食材を手に取りながら献立を考える。
何作ろうかな?
まあ、手の込んだものを作っても、買ってきたお総菜を出しても旦那は何も言わない
からなあ…
楽と言えば楽。好き嫌いもないし。
ただ、張り合いがないというか…
むなしい…
女性が家事をするって、誰が決めたんだろう…
私だって働いてるのに、旦那は家事を全くしない。
今日の晩ごはんは、レトルトのミートスパゲティと豆腐サラダ。
「ご飯出来たよ。」
「…うん。」
「お風呂も入ったよ。」
「…うん。」
「先に食べるよ?」
「…うん。」
携帯ゲームから目を離さない旦那…
おなかすいてたんじゃないの?
お風呂に入りたかったんじゃなかったっけ?(怒)
ひとり黙々とご飯を食べて、お風呂に入る。
その間に旦那は携帯ゲームをしながらご飯を食べる。
夫婦の会話はない。
私がお風呂から出ると
「俺も風呂入ってこよ♪」
と、お風呂へ向かう旦那。
テーブルの上には食べ終えた食器が置かれたまま。
いつものことだけど…
食べたら食べっぱなし。
出したら出しっぱなし。
何度言っても直らない。
そして台所で食器を洗っていると、
「萌~、パンツとパジャマ持ってきて!」
脱衣場から旦那が叫ぶ。
そのぐらい自分でしてよ(>_<)
「萌!?パンツとパジャマ!!!!」
はー…
私はあなたのお母さんじゃないんだよ(-_-;)
残業でいつもより帰りが遅くなった。
真っ暗な中、自転車をこいでアパートに帰る。
晩ごはん、何にしようかな~
すぐに作れるもの…
パスタとサラダでいっか。
19時半…
旦那はもう帰ってるだろうな。
アパートに着くと、やはり旦那は帰宅していた。
「ただいま…」
玄関のドアを開ける。
「おかえり。」
旦那は寝転んでテレビを見ながら携帯ゲームをしている。
その姿にため息が出る。
洗濯機の前には脱いだ作業服が投げてある。
その汚れた残業着を拾って洗濯機に放り込みスイッチを押す。
「萌~、おなかすいたし、風呂も入りたい。お湯ためて~、」
寝転んだまま旦那が叫ぶ。
「…」
まずパスタをゆでるお湯を沸かし、それから風呂場に行って、風呂掃除をしてから蛇口をひねってお湯をためる。
それからご飯を作る。
その間、旦那は横になったまま。
…共働きなんだからさ~、ちょっとは動いてもいいんじゃないかな…(-.-)
イラッとする。
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皆キョトンとしていたが、自我を取り戻すと、わあっと歓声が上がった。 …(永遠の3歳)
11レス 168HIT 永遠の3歳 -
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酉肉威張ってマスク禁止令
了解致しました!(小説好きさん1)
1レス 204HIT 小説家さん -
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おっさんエッセイ劇場です✨🙋🎶❤。
ロシア敗戦濃厚劇場です✨🙋。 ロシアは軍服、防弾チョッキは支給す…(檄❗王道劇場です)
57レス 1430HIT 檄❗王道劇場です
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36レス 1627HIT 結婚の話題好きさん (30代 女性 ) -
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51レス 1022HIT 匿名 ( 女性 ) -
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40レス 2396HIT 育児の話題好きさん (20代 女性 ) -
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15レス 338HIT 匿名さん (20代 女性 ) - もっと見る