選択
園田 萌 29才
結婚2年目。
子どもはいない。
…結婚すれば幸せになれると思っていた。
マイホームに住んで、大好きな旦那さんと可愛い子どもと明るい家庭を築く。
避妊しなければ、すぐ妊娠すると思ってた。
嫁・姑問題も、ドラマの中だけの話だと思ってたし、たいして貯金もないくせにマイホームも買えると思っていた。
なにより、旦那さんとはずっとラブラブなままでいられると思ってた。
冷めきった夫婦。
子どもはなかなか授からないし。
姑には子どもが出来ないことをグチグチ言われるし。
マイホームなんてとても無理な話…
毎日、仕事と姑の愚痴でストレスがたまり、旦那ともうまくいってない。
結婚する相手…
間違っちゃったのかな?
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残業でいつもより帰りが遅くなった。
真っ暗な中、自転車をこいでアパートに帰る。
晩ごはん、何にしようかな~
すぐに作れるもの…
パスタとサラダでいっか。
19時半…
旦那はもう帰ってるだろうな。
アパートに着くと、やはり旦那は帰宅していた。
「ただいま…」
玄関のドアを開ける。
「おかえり。」
旦那は寝転んでテレビを見ながら携帯ゲームをしている。
その姿にため息が出る。
洗濯機の前には脱いだ作業服が投げてある。
その汚れた残業着を拾って洗濯機に放り込みスイッチを押す。
「萌~、おなかすいたし、風呂も入りたい。お湯ためて~、」
寝転んだまま旦那が叫ぶ。
「…」
まずパスタをゆでるお湯を沸かし、それから風呂場に行って、風呂掃除をしてから蛇口をひねってお湯をためる。
それからご飯を作る。
その間、旦那は横になったまま。
…共働きなんだからさ~、ちょっとは動いてもいいんじゃないかな…(-.-)
イラッとする。
今日の晩ごはんは、レトルトのミートスパゲティと豆腐サラダ。
「ご飯出来たよ。」
「…うん。」
「お風呂も入ったよ。」
「…うん。」
「先に食べるよ?」
「…うん。」
携帯ゲームから目を離さない旦那…
おなかすいてたんじゃないの?
お風呂に入りたかったんじゃなかったっけ?(怒)
ひとり黙々とご飯を食べて、お風呂に入る。
その間に旦那は携帯ゲームをしながらご飯を食べる。
夫婦の会話はない。
私がお風呂から出ると
「俺も風呂入ってこよ♪」
と、お風呂へ向かう旦那。
テーブルの上には食べ終えた食器が置かれたまま。
いつものことだけど…
食べたら食べっぱなし。
出したら出しっぱなし。
何度言っても直らない。
そして台所で食器を洗っていると、
「萌~、パンツとパジャマ持ってきて!」
脱衣場から旦那が叫ぶ。
そのぐらい自分でしてよ(>_<)
「萌!?パンツとパジャマ!!!!」
はー…
私はあなたのお母さんじゃないんだよ(-_-;)
日曜日。
近所のスーパーで食材を買う。
今日は私も旦那も仕事が休み。
旦那はバイクが趣味で、休みの日は友達とツーリングに出掛けることが多い。
家にいるときはゲームをしている。
お互い休みでも私と一緒に出掛けることは少ない。
私はもっと一緒に出掛けたりしたいんだけど、旦那は自分が行きたい所以外は、あまり出掛けたくないらしく、無理に付き合わせても楽しくないかなって思って今は諦めている。
スーパーへの買い物も二人で来たのは数回しかない。
食材を手に取りながら献立を考える。
何作ろうかな?
まあ、手の込んだものを作っても、買ってきたお総菜を出しても旦那は何も言わない
からなあ…
楽と言えば楽。好き嫌いもないし。
ただ、張り合いがないというか…
むなしい…
女性が家事をするって、誰が決めたんだろう…
私だって働いてるのに、旦那は家事を全くしない。
…
なんだか悲しくなってきた。
私ってなんなの?
お手伝いさん?
そういえば最近…家に帰っても全然楽しくない。
旦那といてもイライラするだけだ。
好きで結婚したはずなのにおかしい。
♪~♪♪~
携帯がなる。
「…もしもし。」
「あ、もしもし?萌さん?
今あなた達のアパートの前にいるんだけど、誰もいないみたいだから…
タケルに電話してもつながらないのよね。
」
お義母さん…また突然の訪問(T-T)
「すみません、今友達と県外に出掛けてまして…」
「え?そうなの?
まあ、突然だものね。せっかく亜子ちゃんと来たんだけど。」
\(゜o゜;)/っ
義理の姉も一緒かい。
「すみません。」
はー…
ほんとは近所のスーパーにいるけど嘘ついちゃったよ。
いつも突然やってくる義母。
部屋が物であふれかえってるわね。
と毎回言われて、
早く孫の顔が見たいとグチグチ言われる…
それにもうんざり。
もうやだ。
買い物をやめて車に乗り、高速道路のインターに向かった。
ほんとに県外にドライブに行っちゃおう!
車内のBGMのボリュームを上げて、ひとり車を走らせた。
30分ほど走って休憩がてらサービスエリアに寄った。
日曜日なので人も多く賑わっている。
お土産物が売ってあるコーナーを見て回っていると、
…
あれ?
少し離れた場所にある自動販売機のところにいる一組のカップル。
間違いない。
旦那だ!
今日は友達とツーリングに行くって言ってたけど…
友達って女だったの?
…もしかして……浮気?
ハッ
証拠おさえとかなきゃ
携帯のカメラで慌てて1枚撮った。
改めて二人を見る。
旦那の浮気現場かもしれないのに、妙に冷静な私。
楽しそうに笑う旦那。
その笑顔がなんだか悲しかった。
私には見せない笑顔だったから…
その笑顔がショックだった。
旦那…
私といるより楽しそうだな…
旦那の笑顔に落ち込んで、旦那に声をかけることもできなかった。
泣きたいような気分で車を運転して家に帰った。
『何時頃帰ってくるの?』
いつもは旦那にメールなんてしないけど、なんとなく送ってしまった。
返信はこない。
やっぱり浮気中だったのかな?
私…離婚されちゃうんだろうか…
旦那と離婚したらどうなるの?
名字が旧姓に戻って、また一人暮らしか…
それで、また彼氏を探すのかな…
もう年齢的に彼氏難しいよね。
でもずっとひとりは淋しいし…
お見合い?
お見合いもいいかもしれないな…
10才ぐらい年上でしっかりした人がいいな~。
「…ただいま。萌?どうしたボーッとして…」
気が付くと旦那が帰宅していた。
時計を見るともう21時過ぎ。
ずいぶん妄想しちゃたな(汗)
あ、メールは?
「メールしたんだけど見てくれた?」
「メール?見てなかった。ごめん。何?」
「もういいよ。」
「あっそう。」
「ごはんは?」
「いらない。もう寝るわ。」
早っ(*゜Q゜*)
ごはんの用意はしてなかったので、カップラーメンを食べた。
ん?
旦那お風呂は入らないの?
…どこかで入ってきたのかな?
浮気確定だな。
今のところ旦那を責めたりするつもりはなかった。
でも旦那に対する気持ちは確実に冷めていった。
旦那と離婚した時のことばかり考えるようになった。
ある程度の貯金はあるし、仕事もしてる。子どももいない。
もし私が専業主婦で子育て真っ最中だったら、離婚は考えられないかもしれない。
今の私には何もない。
離婚したって何も困らない。
旦那のお母さん役はもうごめんだ。
離婚したらどこに住もうかな?
今のアパートは旦那と私の職場の中間地点。
もう少し私の職場の近くにしようかな?
休みの日に良さそうな物件を見に行った。
いつでも出ていけるように、少しずつ荷物の整理も始めた。
旦那の物と私の物は分けておくようにした。
歯ブラシもひとつのコップに入れていたけど、もうひとつコップを買って、旦那用と私用に分けた。
歯みがき粉も別々。
ドライヤーも二つ買った。
タオルもカゴに名前を書いておいて、自分の物を使うようにした。
食器も自分用のものを買った。
フライパンも鍋も買った。
冷蔵庫や洗濯機などの大きな家電は無理だけど、これでとりあえずいつでも別居できる。
だけど、旦那は何も言わない。
毎日ちゃんと家に帰ってくるし、おかしな行動もしない。
浮気は私の勘違いだったのかな?
そんなある日
旦那がお風呂に入っている時だった…
テーブルの上に無造作に置かれた旦那の携帯電話が目にとまった。
浮気って携帯を見て発覚することが多いよな…
旦那の携帯。
もちろん今まで一度だって見たことない。
メールの受信や送信を見れば浮気してるのが分かるのだろうか?
ドキドキしながら携帯を手に取り、メール受信のボタンを押す…
誰とメールしてるんだろう…
♪~♪♪~
??
あれ?携帯がなってる…
気が付くとベットで寝ていた。
暗闇の中、手探りで携帯をとる。
あったあった。
携帯を開くと時間は22時過ぎ。メールだった。
『明日のコンパは18時からになったよ。』
?
コンパ?
元同僚の綾子からのメール。
綾子…懐かしいな。
でもコンパって何?
私、確か旦那のメールを見てたような…
あれ?
なんだか部屋の雰囲気がおかしい。
携帯電話も今使ってるのと違う。
どういうこと?
不思議に思いながら、電気をつけてみた。
いつもの部屋じゃない!
でも…
見覚えのある布団や家具…
ガラステーブルの上に郵便物が置いてある。
「小村萌様」
小村は私の旧姓…
恐る恐る鏡を見る。
若い私がうつっていた…
ここは結婚する前に私が一人暮らししていたアパートだ。
壁にかけていたカレンダーを見る。
今から5年前。
24才の私だ…
そろそろ結婚願望が出てきて、必死に相手を探していた時期だな。
綾子がよくコンパをセッティングしてくれたっけ…
でもどうにもコンパの雰囲気が苦手で半分は断ってた。
…そっか。
苦手でもとにかく男子と出逢える場所に行けば、もっと気の合う人と付き合って結婚できたかも!?
旦那とはお見合いだった。
だから今うまくいかないのかも…
でも過去に戻るなんて夢かな?
夢でもいい。
今の現実なんていらない。
やり直せるなら…
色んな男性と出会って、たくさん恋をして、そして幸せな結婚をする…
決めた!
テーブルにあったメモ帳にその思いを書いて、壁に貼り付けた。
絶対に幸せな結婚をする!
すると急に頭の中がふわふわしてきた。
あれ?
結婚…
幸せな結婚。
妙に現実的だな。
まだ結婚したこともないのに~。
いつのまにか29才の記憶は消えて、24才の私に戻っていた。
記憶は消えたものの、
色んな男性と出会って、たくさん恋をして、幸せな結婚をする…という思いだけは強く残っていた。
とりあえず、綾子がセッティングしてくれたコンパに参加しなくちゃね。
私は人見知りするので、なかなか男性としゃべれない。
緊張するせいか、愛想もよくない。
見た目は普通だと自分では思ってる。
体型も普通。服装も無難な感じ。ヘアースタイルはセミロング。
あまり喋れないからおとなしい印象だと思う。
実際はそんなにおとなしくないけど…。
彼氏いない歴5年…
19才の時に彼氏はいたけど、半年ぐらいで自然消滅。
まわりの友達は彼氏いない子もいるけど、結婚した子もいて、結婚式に出席すると、結婚願望がたかなる…
いい人と出会えないかな?
そして綾子主催のコンパ当日。
金曜日、仕事を終えて、待ち合わせのカラオケ店の駐車場に集合した。
コンパの相手はまだ来てないようなので、綾子の車の中で待機することに…
「今日は3対3だよ。
私が前にコンパで知り合った子達が来るから。
年は全員22才だよ。」
今日のコンパには綾子と私と同僚の美紀が参加。
相手は年下かぁ…
今日はカラオケ→居酒屋の予定。
カラオケ…苦手なんだけどな。
「あ、来たよ!」
駐車場に1台の車が入ってきた。
…なんか緊張するな。
私達は車を降りて、カラオケ店の入り口に向かった。
男性3人組もカラオケ店の入り口に向かって歩いてくる。
「こーちゃん!」
綾子がその中のひとりに声をかける。
「綾子さん、久しぶり~♪」
おぉ、さん付け!!
年下だからね…
「紹介するね。同じ職場の美紀と萌。」
「あ…、どうも。」
私も美紀も表情が硬い(汗)
「どうも♪
俺はこーいちです。
こっちの二人はキヨとフミです。」
「初めまして(^^)」
男性陣はにこやかに挨拶してくれる。
印象は悪くないな。
こーいち君は人懐っこい感じ。
キヨ君はちょっとヤンキー風味だけど、可愛らしい感じ。
フミ君はなかなかのイケメン君だった。
こっちも、私は普通だけど綾子と美紀は普通以上でモテる。
うん、楽しい会になりそうだな♪
部屋に入り、2時間カラオケした。
私はカラオケが苦手だけど、案外みんなで盛り上がって楽しかった。
でもカラオケなので、一人一人とは十分に話せなかった。
カラオケの後は近くの居酒屋に行った。
金曜日なので、お客さんも多くワイワイしていた。
でも、個室ではないもののテーブルごとに仕切りがある店だったので、割りと落ち着いた雰囲気だった。
まず、飲み物を注文して乾杯した。
そして改めて自己紹介をして、適当に食べ物の注文をした。
席は、綾子、美紀、私。
向かい合わせに、こーいち君、フミ君、キヨ君の順に座っていた。
「萌さん、食べ物何が好き?」
キヨ君に話しかけられた。
ちゃんと名前覚えてくれててちょっと感激。
「好きな食べ物?
えーと…、そうだな、甘いものかな?」
「甘いものは別バラってやつ?」
「うん、まあそうだね。」
「萌さん、彼氏いないの?」
え?いきなり?
「いないよ。」
「ほんとに?」
「うん。」
「ふーん。」と言いながらニヤニヤ笑うキヨ君。
?何…バカにされてるのかな?
「可愛いから彼氏いると思ったのに。ラッキー♪」
はあ?
可愛い?私が?
「キヨ君何言ってんの?私、可愛いくないよ(汗)」
「そんなことないよ。可愛いと思うけどな。」真顔で言うキヨ君。
「キ、キヨ君(汗)」
急に恥ずかしくなって顔が熱くなってきた。
可愛いなんて、言われたことないよ(汗)
「赤くなって~、萌さん超可愛いじゃん。」
キヨ君が冷やかす。
もー、やめて(>_<)
「おい、キヨ~、何萌さんいじめてんだよ。」
綾子や美紀と話していた、こーいち君が声をかけてくれた。
「いやいや、いじめてないし。
萌さん可愛いなーって言ってただけ。」
「セクハラで訴えられるぞ(笑)」
ギャハハ~と笑う綾子と美紀。
こーいち君の提案で席替えしようということになり、
今度は私、こーいち君、美紀。
向かい合わせに、フミ君、綾子、キヨ君の順に座った。
綾子と美紀がキヨ君をからかい始めた。
私はこーいち君とフミ君と話すことに…
こーいち君はお喋りみたいで、色んな話をしてくれた。
うんうんと、私とフミ君は聞き役。
フミ君はイケメンなので、私は話しかけづらく、私はこーいち君にばかり話しかけていた。
男子3人は高校時代の同級生らしい。
こーいち君の話から、3人は仲がいいんだな~って感じた。
やがていい時間になり、御開きすることになった。
全員と連絡先を交換した。
ま、交換しても連絡くることないし、私も連絡しないけどね。
でも今日は楽しかったな♪
その後私達3人は綾子のアパートに泊まる予定にしていたので、綾子の家に向かった。
途中のコンビニで飲み物やお菓子を買った。
アパートで順番にシャワーをさせてもらって、部屋着に着替え、リラックスモードで再び乾杯♪
「お疲れ様~(^^)/」
「どうだった?今日のメンバーは?」
「なかなかよかったよね、みんなそれぞれ可愛いかったし(笑)」
「うん。楽しかったよ。」
「キヨ君は萌狙いじゃなかった?」
「えー(汗)
そんなことないよ。からかわれてただけでしょ。」
「萌のこと可愛い可愛い言ってたよ。」
「連絡くるかもよ。」
「えー…私、そういうの苦手なんだけどな。
どうしよう。」
「そんなに重く考えなくても大丈夫だよ。
ほんとに嫌だったら私に言ってくれたらいいし。私からこーちゃんに言っとくからさ。」
「ありがと綾子。」
「でもさ~、フミ君はイケメンだし、モテそうだったけど、女遊び激しそうだよね。
ああいう子好きになったらつらそうだね。」
「うんうん。」私もうなずく。
イケメンは好きになりたくないなー…。
自分と比べて惨めになりそうだし。
私の好きな人ってどんなタイプだろう。
こーいち君みたいによく喋って楽しい人?
キヨ君みたいに可愛い感じの人?
そもそも年下?
それとも年上?同級生?
…わからん(-o-;)
そして翌日。
10時頃、綾子の家から自分のアパートに戻り、ひとりくつろいでいたら、携帯に一通のメールが届いた。
キヨ君からかな?と思ったら、こーいち君からだった。
『昨日はお疲れ~(^^)/
また遊んでね♪』
普通の内容でホッとした。また遊んでね、は社交辞令だろうし。
『お疲れでした(*^^*)
また遊ぼうね。』送信。
なんだかこーいち君と同じ文章のメールになっちゃったな…^_^;
まあいっか。
するとまたメールが…
『来週あいてる日ある?また飲もうよ。』
\(゜o゜;)/ ゲッ誘われた!
こーいち君に悪いイメージはないんだけど、よく知らない男子と二人で会うなんて私には無理だ。
…どうしよう。
来週は都合が悪いって送信しちゃおうかな…
うーん。
ま、正直にメールしようか。
『まだこーいち君のことをよく知らないので、二人で会うのは緊張します。
昨日のメンバーみんなでまた遊ばない?』
送信、と。
よし。これで嫌だったらもうメールしてこないだろう。
するとすぐ返信が…
『うん。みんなで飲もう!』
あ…
もしかして最初からみんなで飲むつもりだったのかな?
勘違いしちゃって恥ずかしいな私(*/□\*)
『じゃあ、みんなに予定聞いてまた連絡するね。』
送信と。
そして翌日…
綾子と美紀に予定を聞いてみた。
「こーちゃんからメールきたんだ~。」
「私、誰からも連絡なかったけど(T-T)」
「え?そーなの?
みんなに送ってるんだと思ってたよ。
でもたいしたメールじゃなかったし(汗)」
「まあ、いいじゃん。
またみんなで飲もうよ。」
「うん。ヒマだしね(笑)」
そして終末。
一人暮らししているキヨ君のアパートにみんなで集まった。
ビールやチューハイ、おつまみとお菓子を持ち寄った。
私達女子3人は誰狙いとかはなくて、ただ飲み会を楽しんでいた。
こーいち君達男子も特にそんな様子もなくて、仕事の話や過去の恋愛の話なんかで盛り上がった。
私には男友達がいなかったので、こーいち君やキヨ君とは、友達になれそうだな~って嬉しく思った。
ただ、イケメンのフミ君だけはやっぱり苦手。
なんだろう。
普通の私とはレベルが違うというか…
とにかく無理(汗)
かっこいいから見てるのはいいけど。
途中、飲み物が足りなくなったので、じゃんけんで負けた二人が買い出しに行くことになった。
ああ、なんか負けそう。
「じゃ、買い出しはじゃんけんで負けたフミ君と萌ね!
よろしく~♪仲良く行ってきて(^^)/」
最悪…
「ちょっと歩いたところにスーパーがあるから。そこで買お。」
「うん。」
いざ、フミ君とスーパーへ出発。
二人でテクテク歩く。
フミ君、私の歩幅に合わせてくれてるな…さすが♪
「ごめんね。歩くの遅いから…」
「いいよ。俺も飲んでるから足元ふらふら(笑)」
女の子に合わせてくれるなんて優しい~。
…でも
沈黙が続く。
なんか…なんか喋んなきゃ。
よし、素朴な疑問ぶつけてみよう。
「フミ君彼女いないの?」
彼女の一人や二人いてもおかしくない!
「今はいないよ。」
「ほんとに?」
「いたら飲み会に参加しないでしょ?
俺、彼女できたら結構一途だし(笑)」
「そーなんだ。
でもフミ君モテるでしょ?」
「まあね~(笑)
でも今は彼女はいいや。こーいち達と遊ぶの楽しいから。」
「そっか。」
「萌さんは?彼氏つくらないの?」
「私の場合は作らないんじゃなくて、作れないの…」
「?なんで??」
フミ君天然か?
「なんでもだよ。モテないしね(^^;」
「そうなの?
こーいちもキヨも、『萌さん可愛い♪タイプ♪』って言ってたけど?」
「ほんとに?
まあ、でも私ホントにモテないから。
変わりたいんだよね。」
変わりたい…
地味でこれといったとりえもない私。
フミ君と並んで歩いてるとなんだかみじめになる。
フミ君に似合うような女の子になれば、私にも彼氏が出来るのかな?
「フミ君はさ、どんな女の子がタイプ?」
参考までに聞いてみた。
「タイプ?
そ~だな~。見た目は派手過ぎないお姉さん系かな?
ギャルっぽいのも好きよ(笑)」
おぉ(;o;)
ハードル高いな(汗)
「中身は?」
「う~ん。一途な子かな?
あとできれば料理が得意な子がいいな~♪
デートの時とかにお弁当作ってくれるような子。」
り、料理(ToT)
苦手科目だわ…
フミ君の彼女を目指してるわけじゃないんだけど…
なんかショック。
彼氏をつくるためにはもっと頑張らないと。
幸せな結婚したいし…
とりあえず…
今日は飲もう!
き、気持ち悪い…
フミ君とスーパーから戻ってきて、調子にのって飲んでたら…
飲みすぎた(ToT)
「ごめん、ちょっと飲みすぎちゃった…
横になってもいい?」
「大丈夫?」
「萌さん、ベット使ってよ。」
「ありがとう。」
キヨ君のベットを借りて横になって布団をかぶった。
はぁ~
こういうのも大人げないよな…
情けない…
それにしても、みんなお酒強いな。
まったりした雰囲気でお喋りは続いてる。
みんなに背を向けて寝転んだ。
みんなの話し声がなんだか心地よい。
ん…
なんか眠くなってきたな…
ハッ!
ヤバイ
目が覚めたら周りは真っ暗だった。
うそ…
私、本格的に寝ちゃってた?
電気が消えている。
ガバッと起きあがると、
わあー(*゜Q゜*)
横にこーいち君が寝てた!
なんで?
しかも、
他のみんながいない。
なんで??
「ん…、萌さん?」
こーいち君が起きた。
「こーいち君、ごめん、私超寝てた?」
「はは、よく寝てたよ(笑)」
「ほんとに?
ごめんね。
みんなは?どこ行ったの?」
「酔いざましに夜の散歩行った。」
「そーなんだ。
こーいち君は行かなかったの?」
「うん、
萌さん一人残してたらかわいそうでしょ。」
「あ、ごめんね!
私が寝てたから(汗)」
「いいのよ~(笑)
じゃ、これから二人で散歩行く?」
「あ、うん。いいけど…」
こーいち君と、アパート近くにある公園まで散歩に出掛けた。
真っ暗なので、私は道がわからず、こーいち君の後ろを歩いた。
こーいち君は何度も来たことのある公園らしい。
「みんなも公園にいるのかな?」
「うん、多分いると思う。」
「真っ暗だね…」
外灯はあるけど、深夜の公園は真っ暗でちょっと恐い。
さすがに人もいないし…
でもこーいち君も私の歩幅に合わせて、ゆっくり歩いてくれてる。
優しいな。
…と思ってたら、
「萌さん、歩くの遅い~」と言われて手をつながれた。
ドキッ
男の人と手をつなぐなんていつ以来かな(汗)
急につながれたら、緊張するじゃん!
…でもふりほどくこともできず、こーいち君と手をつないでしばらく公園内を歩いた。
少し歩き疲れたのでベンチに座った。
「みんないないね。もうキヨ君家に帰ったのかな?」
「そうかも。」
…
しーん。
やっぱりこーいち君でも二人きりだと気まずい。
何を喋ったらいいのか分からない。
ダメだな。
これじゃあ、彼氏できないよ。
「俺さ~、萌さんのこといいな~と思ってるんだけど。」
「え?」
落ち込んでるところに突然言われてビックリ\(◎o◎)/
「今度は二人で遊んでくれない?」
「え…あ、」
「嫌だ?」
「嫌じゃないけど…」
「けど?」
「嫌じゃないよ。」
「ほんと?だったらいい?」
「あ、…うん。」
「やった!」
「あれ?こーちゃんと萌?」
綾子の声だ!
少し先にある外灯の下に人影が…
あ、みんないる!
「こーいち君、みんないたよ。」
「ほんとだ。」
「綾子~(^^)/」
みんなのところにかけよった。
ホッ
とりあえず二人きり脱出。
でも…
二人で遊ぶ約束しちゃったよ。
どーしよう。
それから…
こーいち君から頻繁にメールがくるようになった。
メールの内容は『おはよ~』とか『お疲れ様』とか、些細なことだった。
綾子達は、こーいち君が私狙いだと知っていたらしく、飲み会の時もわざと私とこーいち君を二人にさせたらしい。
「こーちゃん、いいヤツだよ♪」と、綾子はこーいち君をすすめてくる。
確かにこーいち君と話してると楽しいし、頻繁に送られてくるメールも嫌じゃない。
…だけど。
私って最低かな…
こーいち君の顔がタイプじゃない…
かっこ悪いわけじゃないんだけど、
ちょっと苦手なタイプの顔というか…
服装とかもオシャレなんだけど、私の好みではない。
こんな風に思うなんて…
外見で決めるなんて最低だよね。
ごめん、こーいち君…
こーいち君とは恋愛に発展することもなく、友達としての付き合いが続いていた。
そんな時、今度は美紀からコンパの誘いがあった。
また3対3だったので、綾子と私と美紀の3人での参加。
今度はみんな同級生。
幹事は以前に美紀が友達の紹介で知り合ったという男子…てっちゃん。
あと2人は斎藤くんと安本くん。
まず、ファミレスに集まった。
そして自己紹介。
3人とも普通よりちょっとかっこいいかな?って感じの顔。
ファッションもオシャレ過ぎず地味過ぎず。
私的にはなかなかいい感じの3人。
喋った感じも悪くない。
3人の中で私が1番いいなって思ったのは斎藤くん。
リーダーシップがありそうで、しっかり者って感じがしたから…
今回も全員と連絡先を交換した。
また今日のメンバーで遊ぼうということになり、再来週末に再び集まることになった。
楽しみだな~♪
「今日どうだった?いい感じの人いた?」
美紀が今日の感想を聞いてきた。
「ん~、すっごくタイプって人はいないけど、楽しかったよ~。次回も楽しみだよ。」と、綾子。
「ほんと?よかったー。
萌は?どうだった?」
「私は…斎藤くんがいい感じだった。」
正直に話した。
「そーなの?ビックリ~!
斎藤くんかあ~、うんうん。確かにいい感じの人だったね。ね、美紀。」
「うんうん。しっかり者って感じだったから、おっとり系の萌にピッタリ!
応援するよー(^^)/」
「ありがとう。」
「あ、でもこーいち君は?連絡あるんだよね?」
「うん。」
「でも友達としての付き合いなんでしょ?
だったら大丈夫だよ。
斎藤くん、気に入ったんならさ、積極的にいこうよ!
そうだ!早速メールでもしてみたら?」
「えー(汗)
メール苦手なんだよ~。
綾子、変わりにうって。」
「やだよ(笑)」
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了解致しました!(小説好きさん1)
1レス 144HIT 小説家さん -
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おっさんエッセイ劇場です✨🙋🎶❤。
ロシア敗戦濃厚劇場です✨🙋。 ロシアは軍服、防弾チョッキは支給す…(檄❗王道劇場です)
57レス 1398HIT 檄❗王道劇場です -
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今を生きる意味
迫田さんと中村さんは川中運送へ向かった。 野原祐也に会うことができた…(旅人さん0)
78レス 513HIT 旅人さん
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40代女性は誕生日に何を貰えたら嬉しいですか? もうすぐ妻の誕生日なので、バーキンのカバンをプレゼ…
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