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2013/05/21 14:05(更新日時)

貴方ならどうしますか?
我が子が何か得体のしれないウイルスに感染し
我が子が感染源となり
我が子の意志とは裏腹に我が子に触れた人が感染し
死に至るとしたら

我が子を監禁しますか?

まわりに殺せと非難されたら殺せますか?

我が子と共に逃げますか?

貴方なら


どうしますか?

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No.1567596 (スレ作成日時)

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No.102

>> 101 海外ドラマですか?

なんてタイトルのドラマですか?

みた事ないですが・・

一様思いつきで書いているオリジナルなんですが

かぶってるドラマあるんですか?!

タイトルとストーリー教えてくれますか?

見てみます

No.103

私と巧はまた同じ毎日の繰り返しで日々を過ごした

毎日の時間毎の採血
自由に動く事すらできない生活

巧は段々と元気をなくし生気を感じない

当たり前だ

大人でもおかしくなる

私も最近体調が悪い

死が迫っているのだろうか
感染してから発症するまでの時間は個人差があると言われたけど

私は後どれぐらい生きられるのだろうか

後どのくらい巧のそばにいてあげられるのだろうか

No.104

鈴木正史(35才)

俺は仁美に別れを告げセンターを後にした

車の中で巧と仁美との生活を思い出す

俺はいい父親ではなかった・・

なかったと過去系ではなく今もいい父親とは言えないだろう

俺は自分の保身の為に我が子を捨てたのだ

責められても仕方がない

No.105

だが毎日の嫌がらせに疲れた

もう終わりにしたい

そう思ってしまうのはいけないだろうか?

俺の人生だ

俺の好きな様に生きる

当たり前じゃないか!!

俺はそう自分を奮い立たせ家路を急いだ

No.106

もう新しいアパートは借りてある
荷物を持てるだけ持って今日中に新しい部屋に引っ越そう

そう思いながら仁美と巧と過ごした家の前に車を止める

車のドアを開けた瞬間だった・・

「人殺し!」

女の罵声が響いた

No.107

声の方に目をやると女が立っている

「またあんたか・・」

毎日俺の家の前に立ってる女だ

巧と同じクラスの死んだ子の母親だ

たしか 畠山 とか言ってたな・・

「人殺し!」

女は叫びながら俺に走り寄ってきて俺の襟をつかんだ
「やめてくれ!」

俺は女を突き放す

女が倒れたすきに俺は家に入ろうとした

No.108

鍵を開けようとしたが手が震えて旨く鍵が鍵穴に入らない

毎日毎日恨み言を言いにきやがって!

俺が何をしたっていうんだ!

俺の子がたまたま感染源になってしまっただけだろ?!

俺だって被害者だ!

俺は何もしていないのに!
なんで俺が責められてんだ?!

いい加減にしてくれ!!

No.109

苛立ちながら鍵をガチャガチャと回してやっと鍵が開いた音がした

と同時に背中に鈍い痛みを感じた

「?」

俺は後ろを振り向いた

女が俺の背中にピッタリと張り付いていた

女は泣きながら笑っていた
ヨロヨロと女が俺から離れた

俺は痛みを感じた背中に手で触れてみた


血・・・ だ・・・


「わかってる・・」

女がブツブツ話し出した

No.110

「ホントはわかってる・・」
「おい・・お前・・」

「誰も悪くない・・そんな事わかってる・・」

「だけど・・だけど・・!」
女は包丁を両手で持ち前に突き出した

包丁は紅く染まっている

「あなた達が!あなたの子供が!いなかったら!由美は死ななかったかもしれない!」

「何言って・・」

俺は激痛に堪えられず床に膝をつく

No.111

「だって知っちゃったんだもん!あなたの子が原因だって知っちゃったんだもん!悪意がないとか不可抗力だとか・・そんなの関係ないもの!あなたの子が原因で由美が死んだ事にはかわりないもの!」

女がまくし立てる

No.112

「それなのに!なんで生きてんの?!死んでよ!あんたもあんたの子も母親も!由美は死んだのに!苦しみながら死んだのに!何も悪い事してないのに!なんで由美が死ななきゃならなかったのよ!!」

女は髪を振りみだしながら俺にまたもや近づいてくる
「く・・来るなよ・・」

俺は四つん這いになりながら女から逃げようとする

この女は頭がおかしい
娘が死んだのは同情するが憎しみをぶつける対象がなんで俺なんだ?!

ただの逆恨みじゃないか!
俺は何もしていない!

ただ感染源の親っていうだけだろ!

巧の父親ってだけで俺はこんな目にあわなきゃいけないのか!

No.113

「お・・俺は!悪くない!」
咄嗟に口から言葉が出た

「だって・・そうだろ・・俺は・・悪くないだろ?!」

俺の言葉に女がぴくりと反応する

「悪く・・ない・・?」

No.114

「誰も悪いなんて言ってないよ・・運が悪かっただけ・・あなたの子供がたまたま運悪く感染源になって・・たまたま運悪く由美が感染して死んだの・・だから・・感染源の親のあなたも死ぬべきよね・・たまたま感染源の親なんだから・・だって本人いないもの・・あなたから死ぬべきよ・・」

なんだこいつ!
頭おかしいのか?!

「だっだれか!だれか助けてくれ!」

「・・・」

女は無言で近づいてくる

そして俺の頭上に包丁を振りかざした

「た・・たす・・」

目の前を刃物が通り過ぎた瞬間胸に鈍い痛みを感じ俺の意識がぷっつりと途切れた

No.115

鈴木仁美

身体がだるい・・・

目眩もする・・・

疲れた・・・

「ママ・・具合悪いの?どこか痛いの?」

巧は最近私の顔を見る度に聞いてくる

その度に大丈夫だと笑顔を見せるがそろそろ限界が近いのかもしれない・・

No.116

私が目の前で倒れたら・・考えただけでゾッとする

何度もみた光景・・

人がもがき苦しみながら死んでいく・・

巧には見せられない・・

どうしたら・・

その時だった

「鈴木さん・・特例なんですが・・あなたに面会したいという方がいらしています」

いつもの声が聞こえた

面会? 誰・・?

もしかして・・旦那?!

考え直してくれたのかもしれない!

そうだよね!

だって私は捨てられても自分の子供は捨てられないよね!

「会われ・・ますか?」

声の問い掛けに私は大きく頷いた

No.117

面会室のドアを開けると見知らぬ男性が座っていた

誰?・・

男は私に目を向けると立ち上がり深々と頭を下げた

「どちら様ですか?」

私の問いに男は顔を上げた

No.118

「畠山です
初めてお会いします」

畠山・・

私の怪訝な顔に男は言葉を続ける

「娘がお宅と同じ幼稚園にいました」

巧と同じ幼稚園・・

その時旦那の言っていた言葉が頭を過ぎった

『巧と同じクラスの半分が死んで・・』

まさか・・

私の表情が固くなったのを男は見逃さなかった

「・そうです・・由美は亡くなりました・・感染の被害者です・・」

No.119

「あ・・」

男の言葉に私はなんて言ったらいいのかわからない

と同時に旦那の言葉が頭を過ぎる

『お前らの子供のせいで俺達の子供が死んだ・・子供を殺してお前らも死ねって言われたよ・・』

私は服の袖をぎゅっと握り締めた

No.120

「構えなくても大丈夫ですよ・・」

力無く男が笑った

「あ・・あの!」

「・・申し訳ありません・・・」

男はいきなり立ち上がり深々と頭を下げた

いきなりの事に私は面食らう

なんで?

なんでこの人は謝っているの?

「こんな結果になってしまって・・」

男の固く握り締めた拳が震えていた

「あ・・なんの事・・でしょう?」

私の言葉に男は顔を上げた
「ご存知ない・・んですか?」

No.121

>> 120 「私の家内が・・ご主人を・・」

そこで男は一度口をつぐんだ

旦那を何?

なんなの?

「死なせてしまいました・・」

・・・ 死なせた・・?

は・・なに・・どういう・・・事?

「娘が死んでから・・家内は貴女達親子を恨むようになり・・毎日他の今回の被害者の親御さんたちとご主人のところに言っていました・・」

男が私を無視するかの様に話し出した

No.122

「家内は段々精神的に病んでいったんでしょうね・・私は気づいてやれなかった・・というかみて見ぬふりをしていた・・私自身家内を気遣える状態ではなかった・・そしたらある日・・包丁を持った血まみれの家内が家にいたんです・・娘の位牌を抱いて・・娘の仏壇の前でたっていたんです・・!」

「あ・・あ・・」

私は言葉がうまく出てこない

「家内が言ったんです・・後二人だよって言ったんです・・僕は家内が何をしでかしたかその時気づいてご主人の元に行ったんですが・・既に・・」

No.123

男の言葉がいまいちよく理解できない

なに?

旦那は・・殺されたの?

今目の前にいる人の奥さんに?

巧の同級生のお母さんに?

嘘・・でしょう?

意味がわからない・・よ!
旦那が殺されなきゃいけない・・意味がわからない!

No.124

私達を・・怨んでた?

なんで?

巧が感染源になってしまって巧から感染して娘が死んだから?

その巧の父親だから?

だから?

殺されたっていうの?

おかしいよね?

娘が突然死んで・・おかしくなるのはわかる・・よ?

だけどなんで・・?

怒りの矛先がこっちにむくの?

私達も被害者なのに・・!
同じ・・被害者なのに!

No.125

私の表情を読み取ったのか男が少し乱暴な口調になった

「家内がしたことは許される事ではないことはわかっています・・逆恨みであることも! ですが!私達は突然娘を失った!悪意がないとはいえ!貴女の息子が原因なのは事実なんです!そして・・貴女の息子は生きている! 」

「だから・・だからって!巧だって!なりたくてなったわけじゃない!たまたま巧が感染源になっただけじゃない!」

No.126

「そんなことはわかっていますよ?!そもそもウイルス感染なんだからだれが悪いとか・・!そんな事はわかっています!わかっていても!割り切れますか?!貴女なら・・割り切れるんですか?!」

私・・だったら・・?

「自分の子供が!ダレカに触れて死んでいったら!貴女は仕方ない・・ダレカも被害者なんだから・・なりたくてなったわけじゃないんだから・・なんて!考える事出来ますか?!」

No.127

私・・が・・反対の立場だったなら?

巧が・・

今まで巧に触れて死んでいった人達のように・・

血を吐き・・
もがき苦しみながら・・

死んでいったら・・?

そんな・・・

そんなこと・・

考えたくもない!!

No.128

「由美は・・私達の娘は・・!死んだんですよ?!母親の目の前で!血を吐き・・苦しみながら・・母親に助けを求めながら・・いや・・助けを呼ぶ声さえ・・最後はでないまま・・!死んだんですよ・・?!」

男の言葉にまた私の脳裏に苦しみながら私に救いの手を求めながら死んでいった人達が蘇る

No.129

「貴女の・・息子が!
殺したんだ!!」

え・・?

な・・

なに・・言ってるの・・?

「こんな!こんな事は!言いたくないが!貴女の息子が!私達の由美を・・!」

男は唇を噛み締め顔を背ける

男の横顔は泣いているように見えた

私はその横顔をボンヤリ眺めながら今言われた言葉を自分の中で消化出来ずにいた

No.130

巧が・・
殺した・・・?

なんで・・
なんで・・・
そうなるの・・?

確かに・・
感染源は巧だけど!
巧は悪くない・・じゃん・・?
なりたくて・・殺したくて・・そうなったわけじゃないじゃない・・?

そうだよ・・ね・・?
巧は・・悪くない・・よね?!

巧も・・被害者・・だよね・・間違ってないよ・・ね?

No.131

苦しみながら死んでいった人達・・

もし・・巧に触れなかったら・・?

ふと私の頭に疑問が過ぎった

それは今まで考えて来ないようにしてきた疑問

頭の片隅にずっとあってだけど考えないようにしてきた疑問

答えをだすのを恐れていた疑問

巧が感染源になっていても・・誰にも触れなかったら?

No.132

誰も・・死ななかった・・・・?
その言葉が頭を過ぎった瞬間全身の血の気が引いてゆく

ちがう・・!

ちがう・・・!!

確かに!

確かに!

巧が!

触れた事による感染だけど!!

必死に否定しようと言葉を探す

No.133

巧のせいで!

あんなに・・!

たくさんの人達が・・


ちがう!

ちがう!

No.134

巧のせいじゃない・・!

原因は・・巧だけど・・!
巧が悪いわけじゃない!

だって!
だって!

じゃあどうすればよかったの・・?

どうすれば感染源にならずにすんだの?!

教えてよ!

巧を攻めるなら・・!
巧が殺したっていうなら!
教えてよ!

No.135

「どう・・すれば!よかったんですか・・」

私は俯きながら呟いた

「殺したっていうなら・・攻めるなら・・あの子だって!なにも好き好んでこんな事になったわけじゃない!!」

私の瞳から涙がこぼれ落ちる

ダメだ・・
とまらない・・

No.136

「やはり・・会うべきではなかった・・」

男は独り言を呟き席を立とうとした

「待って!待ってよ!どうすればよかったか教えてよ!攻めるなら!教えてよ!」

私はガラスごしの男に詰め寄った

「どうすればよかったか・・?そんな事・・!」

男は鼻で笑う様に言葉を吐き捨てた

「あんたの息子が!感染源になった時に!死ねばよかったんだよ!!」

No.137

「あんたの息子が死んでたら!由美は死ななかった!真砂だってあんたの亭主を殺すなんて事にはならなかった!」

男はガラスにしがみつくようにしてガラスを何度も殴りつける

「わかるか!?どんな思いで俺がここにきたか!?」

No.138

「俺は!俺は!受け止めようとしたよ!誰も悪くないんだと!こうなる運命だったんだと!だからあんたに頭も下げたよ!だけど・・!あんたは・・自分も被害者だと思っているだろ?!自分達は・・何も悪くないんだと思っているだろ?!」
「だって・・だって・・!」
「わかるよ!あんた達も被害者だ!悪くないんだと思うのもわかる!だが・・原因はあんたの息子なんだよ!悪意があるとか関係なしにあんたの息子がいなかったらこうはならなかったんだよ!」

No.139

もう・・
やめて!やめて!

責めないで!

巧が死ねばよかったの?!

あの子がいなくなればよかったの?

生まなきゃよかったの?

そんな!

あの子の存在がそんなに・・?

何もしていないのに・・死ねばよかったのにって言われるの?

どうして!

どうしてよ!

No.140

「これ以上・・話をしても・・意味はない・・」

男はそういうとフラフラとドアに手をかけた

「あんたが自分の子供を庇うのはわかるが・・今回の感染被害者の親族達は・・俺と同じ考えだと思う・・あんたも・・それはわかるだろ?」

振り向きざま男はそう言い捨てるとドアを開け部屋を出て行った

No.141

一人部屋に取り残された私は泣きじゃくりながら部屋からでて巧の待つ部屋に戻った

涙でぐちゃぐちゃになった顔で必死に笑顔を作る

巧は眠っていた

巧の寝顔を見ながら男に言われた言葉を一つ一つ思い出す

No.142

もう・・
答えをだすべきかもしれない・・

わかっていた・・

必死に否定したけど・・

今まで触れないように考えないようにしてきたけど・・

逆の立場なら・・そう思う・・

第一・・

私はもうすぐ死ぬ・・

私が死んだ後・・巧はどうなる?

周りは巧の死を望んでいる・・

誰も・・巧の味方はいない・・!

父親というだけで殺された旦那・・

No.143

巧自身がこれから私が死んだ後どういう扱いを受けるか・・・

ここに一生幽閉だけで済むんだろうか・・

もしかしたら加害者扱いされて・・酷い最後になってしまうかもしれない・・

皆巧の死を望んでいるんだから・・

巧が死ねば・・感染はこれ以上広がらないんだから・・

No.144

震える手を巧の首筋に近づける

巧も・・嫌だよね?

パパも死んで・・

ママももうすぐ死んじゃうのに・・

これから・・・

一人ぼっちで皆に死んで欲しいって思われながら・・責められながら・・生きていくなんて・・・

嫌だよね・・?

No.145

今はわからないかもしれないけど・・

もう少し大きくなって自分が感染源で・・自分が原因で・・人が死んでいくなんて事を知ったら・・

辛いよね・・

苦しむよね・・

その時助けてあげたいけど・・ママはもう多分いないから・・誰も・・多分味方はいないから・・

ごめんね・・・

No.146

側にいてあげられなくて・・

ごめんね・・

守ってあげられなくて・・
ごめんね・・

ダメなママで・・!

ごめんなさい・・・!

No.147

もっと・・
いっぱい!

してあげられる事があったはずなのに・・・

ママの子供に生まれなきゃこんな事にならなかったかも知れないよね・・

ごめんなさい・・・

ごめんなさい・・・!

No.148

手が巧の首筋に触れた

巧・・・

ママも行くから・・

後からすぐ絶対行くから・・

No.150

手が震える

巧の首に触れている私の手に力をいれれば

全て終わる

感染も・・・

責められる事も・・

そして・・・

巧のたった五年の人生も・・・

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