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●カメレオンと恋模様●

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10/11/04 23:57(更新日時)

いっぱい泣いて、いっぱい傷ついて、
たまには雨宿りもいいかもね。
雨上がりに虹が見えるかもしれない。
止まない雨はないからーーー。

※この物語は前田千花子を主人公とした小説です。
初めてということで、誤字脱字や文法の間違い、
読みにくいといった事、不快に思われる表現等があると思いますが
その時はお許し下さい。

マイペースに書きたいと思います。
最後までお付き合い頂けたら嬉しいです。

No.1319966 10/05/12 19:28(スレ作成日時)

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No.101 10/08/26 18:20
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>> 100 ●101

「終わりにするって、俺たちの関係を?」

「そう・・・。突然こんな事言ってホントにごめん。」

クニくんは私から目をそらし正面を向いた。

「他に好きなヤツいるんだよね?」

「え?」

「何となく分かってたんだ。一緒にいても上の空ってこともあったし。
 実は、いつフラれるんだろうってビクビクしてた(笑)」

「そんな・・・ごめん・・・。」

「まー最初がかなり強引だったし。
 でも、いつか本気で振り向かせてやるって思ってたんだけど、ま、それも無理だったか。」

「ほんとに ごめんなさい。」

「俺の事は気にしなくていいから、そいつにちゃんと幸せにしてもらいなよ?」

私は黙って頷いた。



その人とは もう終わったんだけどーーー。

No.102 10/08/26 18:24
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>> 101 ●102

クニくんに駅までおくってもらう。

「改札まで一緒に行くよ。あと少しだけ一緒にいさせて?」

改札口まで手を繋いで歩いた。

「電車何時のがある?」

「えっとね~・・・あ!あと5分で電車くる!」

「すぐだね」

クニくんと私は顔を見合わせた。

すごく悲しそうで泣き出しそうな顔をして人目も気にせず抱き締められた。

No.103 10/08/26 18:27
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>> 102 ●103

「チカちゃん。大好きだよ。幸せにね。」

涙声だ。

「ごめんね、ごめん、ごめん、ありがとう・・・」

目から涙が溢れた。

クニくんを手で押し離し、泣きながら改札を抜けホームへと向かう。




また一つ、罪悪感が増えた。

トシに終わりを告げた時とは違う。

クニくんは私を一言も責めなかった。




クニくんがくれた気持ち、優しさ、愛情を私は踏みつぶしたんだ。

サイテーだ。

傷付けた重みが 鈍く背中にのしかかってくる。




ーーーどうか、クニくんに素敵な彼女ができますようにーーー



心の中で祈る。

その日の夜、クニくんを想ってたくさん泣いた。

No.104 10/08/26 18:29
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>> 103 ●104


クニくんと別れた翌日、携帯ショップへ行き、新規で契約し、今までの携帯は解約した。

そして、トシとクニくんの番号を削除した。




本当に、これで2人と終わったんだ。




もし次に、誰かと付き合うことができたなら、

ちゃんとお互いに好きになってから付き合いたいな。

絶対、中途半端な気持ちでは付き合わない。

背伸びしたり、無理はしない。

そう、心に誓った。




8月の終わり。

No.105 10/08/26 18:31
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>> 104 ●105

トシとクニくんとの関係で かなり疲れてしまっていた。

傷付いたり、傷付けられたり。

小さなプライドを守る為に、嘘を重ね 自分もヒトも傷付けた。

何の為のプライドだろう。

こんなの守る価値もないよ。




もう恋愛は しばらく いいや。 やめとこう。

トシのコトが 私の中で ちゃんと消化できるまで 次の恋はしない。

誰かを傷付けたり、誰かに傷付けられたり そんなコト もうしたくない。

いつか純粋な恋ができたらいいな。



そう思うようになっていた。

No.106 10/08/26 18:33
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>> 105 ●106

授業が終わり、学校から駅へと歩く途中、後ろから自転車に乗った友香が来た。

「チカコ。少し話さない?」

自転車を降り、手で押しながら歩く。

「2人の事、クニくんから少し聞いたよ」

「・・・そう。なんて言ってた?」

「詳しい事は教えてくれなかったんだけど、
 
 ”俺が悪いんだから、チカちゃんに余計なこと絶対言うな”ってクギ刺された。
 
 私どんなイメージなんだろーね(笑)」

「おせっかいねーさん?」

「アホ。 でね、クニくんからコレ預かってきた。」

そう言い、バッグから取り出したのは赤い石のピアスだった。

No.107 10/08/26 18:35
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>> 106 ●107

「”ピアスの穴をあける事はもうないから、チカちゃんに持っててほしい”って。

 ”いらなかったら捨ててもらって構わない”って。」

無言でピアスを受け取った。

「じゃあ、私、急ぎでバイト行かなきゃいけないから。じゃーね!」

自転車を勢いよくこぎ始め、友香はバイトへと向かった。





家に帰ると、その赤い石のピアスと、トシからもらったネックレスを

タンスの1番下の引き出しの奥にしまった。

No.108 10/08/26 18:36
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>> 107 ●108

しばらく恋愛禁止!

と決めてすぐ、ユミから合コンの誘いがあった。

正直、全く乗り気じゃなかったけど、

親友のユミのためだし、人数合わせのつもりで参加した。



合コン相手は、ユミがバイトしている飲み屋の先輩とその友達だった。

No.109 10/08/26 19:05
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>> 108 ●109

課題に追われていた。

提出日が重なり、かなりテンパっていた。

私だけじゃない。

クラスのみんな ほとんどが同じ。

時間がどれだけあっても足りない。

返ってこの忙しさが、トシの事を一時的にでも忘れさせてくれた。



時計を見ると 7時になる手前だった。

「ヤバイ!!」

今日は8時からユミと合コンの約束をしてるんだった。

地元の駅まで どう頑張っても1時間半はかかる。

「完全に遅刻だ!」

慌てて画材を片付け 急いで合コンへと向かった。

No.110 10/08/26 19:07
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>> 109 ●110

ユミは私が課題で忙しいのを知っていたので、

遅刻しても怒りはしなかった。

むしろ「忙しいのにごめんね」と言ってくれた。

4対4の合コンらしい。

女の子の2人はユミと仲の良い 私も知っている中学の同級生。

相手は、1人はユミのバイト先のセンパイで他の3人はその人の友達。




この合コンで 学(マナブ)と出逢うことになる。

No.111 10/08/26 19:18
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>> 110 ●111

合コンは楽しかった。

男子たちもノリが良く、話上手で盛り上がった。

料理も飲み物も美味しい。

気分転換できた。

参加してよかった。

ユミありがとー と思う。

No.112 10/08/26 19:20
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>> 111 ●112

いい時間を迎え、そろそろお開きにしようとなった。

会計を済まし、みんな店の外へ出る。

私はユミと一緒に帰ろうとした。

「チカコちゃん!待って!」

私をよんだのは学くんだった。

学くんとは、昨日の合コンで一番盛り上げてたやたら明るくておもしろい人。

No.113 10/08/26 19:21
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>> 112 ●113

「連絡先交換しない?」

恋愛禁止宣言した私としては教えたくなかったけど

みんなが見てる手前 断るワケにもいかず、

しぶしぶ連絡先を交換してしまった。




これが学との長い付き合いの始まりだった。

No.114 10/08/27 12:17
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>> 113 ●114

学のことは、適当にあしらって疎遠になろうと思っていた。

理由は2つ。

恋愛をしばらくしたくないということと、学が私のタイプではないから。



学は、髪の毛は短く金色に染めていた。

肌は少し焼けていて、ヒゲが無造作にはえている。

左耳には輪っかのピアス。

身長は170cmくらいで、体は少し筋肉質だった。

煙草をたくさん吸い、声はしゃがれていた。

男っぽいと言えばそうなのだが、私的にはむさ苦しくて軽そうで好みではなかった。




しかし、世の中思い通りにはいかないもんだ。

学はしぶとかった。

とゆーか しつこかった。



※112で誤字がありました。訂正します。
最後の行の一文にある「昨日の合コン」が正しくは「今日の合コン」ですm(_ _)m

No.115 10/08/27 12:41
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>> 114 ●115

メールも電話もマメ。(←私からの返信なくても電話に出なくても連絡してくる)

会うのを断ると駅やバイト先で待ち伏せする。(←一歩間違えばストーカー)

そんなこんなで 学のしつこさに根負けしてしまい2回会った。

そして、事態は私の回避したかった方向へと進んでしまう。

No.116 10/08/27 19:53
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>> 115 ●116

バイト終わりに二人で飲みに行った。

二人で会うのは3回めだった。

その帰り。

私は家の場所を知られたくなくて、家から歩いて5分くらいの道で車を停めてもらった。

車を降りようとすると





「俺と付き合って!」



告白されてしまった。

No.117 10/08/27 20:21
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>> 116 ●117

「ダメかな?」

「えーと・・・お断ります」

「何で!?」

学は意外という風に驚いた。

そんな学に飽きれてイライラしながら理由を伝えた。



「じゃー1つずつ説明したげる。

 私の都合や私の気持ちを全く考えずに、

 自分の感情優先で電話してきたりメールしてきたり会いにきたり

 勝手に何でも決めるところがイヤ!

 煙草臭いのも嫌い!

 強引なところがイヤ!

 たかが3回あっただけで付き合おうと思う軽さが嫌い!

 わかった!?」





 学は泣きそーな顔をしていた。

No.118 10/08/29 08:18
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>> 117 ●118

「これだけ言われてもまだ付き合いたいと思う?」

「・・・・・・うん。
 悪いところは直すから、だから付き合ってよ!
 好きになるのに会う回数は関係ない!」

確かにそれも一理ある。でも、私にはその一理もないの。

「無理だって。本当に直せると思ってるの?

もう20歳でしょ?性格なんて変わらないよ」

「絶対変えるから!」

「てゆーかさ、今の聞いて分かったでしょ?

 私学くんのこと全然好きじゃないんだよね。」

「好きにさせてみせるから!」

何なんだコイツはぁーーーー。

ドラマじゃないんだって、そんなクサい台詞痒いだけだってば。

結局、付き合う 付き合わないのやりとりを1時間もしていた。

No.119 10/08/29 08:21
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>> 118 ●119

本当にしぶとい、とゆーかしつこい。

いい加減にしてよ。

もう0時まわってる・・・。

眠たいよ。

「OKしてくれるまで、帰さねーから」

それじゃ監禁だよ。

飽きれて何も言えない。

とにかく帰りたい、お風呂に入りたい、寝たい、その本能の方が勝とうとしていた。

何とかして上手く誤摩化せないか・・・

考えた末の返事。

「わかった。友達からならいいよ」

No.120 10/08/30 17:21
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>> 119 ●120

友達からってのはとても曖昧で、その時の私にとっては都合の良い言葉だった。

それでも学は「本当!?やった!!ありがと!!」と喜んでいた。

あと5分の道のりを よーやく学から解放されて帰る事ができた。

あれだけ言われて私のどこがいいんだろう?

恋愛感情は本当にわからないなぁ。

  • << 122 ●122 恋愛感情を抜きなら、学と過ごすのは楽しかった。 楽しくておもしろい話をして笑わせてくれる。 色んなところへ連れてってくれる。 お金は全部 学が出してくれる。 学といるのは とても楽だった。 気付けば学と遊ぶことが増えていた。

No.121 10/08/30 17:22
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>> 120 ●121

それから、私と学は「お友達から」の付き合いを始めた。

それにあたり色々と条件をつけた。



私を束縛しない。

わがままを極力きくこと。

私のする事に文句を言わない。

「俺の事好き?」と聞かない。

私の前で煙草を吸わない。

私に他に好きな人ができたら諦めること。




こんなわがままな条件を学は快諾した。

No.122 10/08/30 17:23
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>> 120 ●120 友達からってのはとても曖昧で、その時の私にとっては都合の良い言葉だった。 それでも学は「本当!?やった!!ありがと!!」と喜ん… ●122

恋愛感情を抜きなら、学と過ごすのは楽しかった。

楽しくておもしろい話をして笑わせてくれる。

色んなところへ連れてってくれる。

お金は全部 学が出してくれる。

学といるのは とても楽だった。

気付けば学と遊ぶことが増えていた。

No.123 10/08/31 19:25
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>> 122 ●123

「お友達から」の付き合いを始めて3ヵ月。

学とは仲良くなったけど、それだけだった。

冗談で軽く頭を叩いたりとかはあったけど、

男女としての行為は一切なかった。




我慢してるのかなぁ・・・?




ふと疑問に思う。

No.124 10/08/31 19:29
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>> 123 ●124

聞いてしまった。

「学は私とエッチとかしたいと思わないの?」

「はぁ!?」

唐突な私の質問に 学はふいた。

「女の子がそーゆー事 聞くかなぁ?しかも、店(レストラン)で。しかも食事中に。」

「えーーーーだって、気になったから・・・」

「・・・・・・・あのね、俺だって好きな子とそーゆーことしたいよ。

 だけどさ、無理矢理するのは好きじゃないし。

 俺は、チカコが俺の事 ちゃんと好きになってからがいいの。」




そんな風に考えてたんだ・・・。

私の中で 新たな感情が芽生えた。

No.125 10/09/01 18:24
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>> 124 ●125

ずっと、条件を守ってくれた。

一緒にいて楽しいし、楽だった。

情なんてとっくにあった。

見た目のことなんて もうどうでもよくなっていた。

私は学を好きになっていた。



「もう、いいからね。」



そう言って、帰りの車中 学の手を握った。



学は驚き私の顔を見て、嬉しそうに笑った。

もうすぐ、季節はクリスマスを迎えようとしていた。

No.126 10/09/01 18:25
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>> 125 ●126

クリスマス、ホテルで学と初めて結ばれた。

学はシルバーリングをくれた。

私はピアスをあげた。

トシとの苦い記憶はどんどん薄れていく。

また人を好きになる事ができた。

学に感謝しなきゃ。




でも、この時はまだ 学の本性を知らなかった。

No.127 10/09/02 19:07
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>> 126 ●127

専門1年の冬休み。

遠い大学へ行った友達が帰省したり、

高卒で社会人になった友達とか、

なかなか会えなかった友達と久しぶりに会える。

私はそんな友達と遊ぶ約束をした。



学に携帯で冬休みの予定を聞かれたので、その事を伝えた。

すると、

「はぁ?何ソレ!?
俺はね、チカと冬休みに たくさん遊ぶのをすっげー楽しみにしてたんだよ!
何勝手に 予定入れてんだよ!」



予想もしない言葉が返ってきた。

No.128 10/09/02 19:10
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>> 127 ●128

初めて学が怒った。

その事に驚いた。



そして、

何でそんな事で怒るの!?

と、イラッとした。



でも、なるべくもめたくなかったし、

妬いてると思えば可愛く感じる事もできたから、

優しく下手に、友人と遊ぶ事の承諾を求めた。

No.129 10/09/03 17:16
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>> 128 ●129

学はしぶしぶ承諾した。

「わかったよ・・・。でも、送迎はさせて。」

「うん。お願いするね。」

そして、電話を切った。





学が束縛してきたのは初めてだった。

しかも、あんなに怒って。

少し 戸惑った。

No.130 10/09/03 17:17
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>> 129 ●130

久しぶりに会う友達との飲み会当日。

私は今 その飲み会に向かう学の車の中にいた。




気まずい雰囲気。

お互い 話そうとしない。

この前の電話を引きずっていた。

先に口を開いたのは学だった。

「今日の飲み会、久しぶりに会う友達なんだよね。楽しいといいね。」

何だかよそよそしい。

「・・・うん・・・」

私もテキトーに返した。

No.131 10/09/03 17:19
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>> 130 ●131

「今日の飲み会って、男もいるの?」

私は幹事でもないし、誰が参加するのか詳細は聞いていなかった。

「さぁ、わかんない」とだけ答えた。


しばらく沈黙して、学がポツリと言った。





「やっぱり、今日、行ってほしくない」





え!?




「だって、他に男がいるかもしれないんだろ?

 チカが他の男と楽しく話してるなんてイヤだ!!」

そう言い、右折車線から強引に左折車線へ進路変更した。

No.132 10/09/06 17:59
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>> 131 ●132

「何 勝手なこと言ってんの!?」

「ホントにイヤなんだよ!!チカコに他の男が寄ってくるのが!」

「そんなに私が信用できないの?」

「チカコにその気がなくても、男がどう思ってるかなんてわからないだろっ!?」

学はハンドルを両手で




バンッ!!!!!!




と力強く叩いた。




恐くなった。

No.133 10/09/06 18:01
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>> 132 ●133

交差点で信号が赤になり、車は停止した。

その瞬間を見計らって私は車から降りた。



「もういい、自分で行く。帰りも来なくていい。じゃあね。」



学の顔も見ずに、歩き始めた。



「チカコ!待って!!」

後ろで学の声が聞こえるが無視した。

No.134 10/09/07 19:14
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>> 133 ●134

友達に連絡して、迎えにきてもらい飲み会に参加できた。

久しぶりに会う友達との時間は楽しかった。




飲み会の最中、学からメールが来ていた。

”さっきはごめん”

”まだ怒ってる?”

”飲み会、楽しんでるかな?”

”今日は楽しんできてね!”

”帰り、迎えに行くからね!”

”俺も今 友達と飲んでるよ!”

”チカコがいなくてさびしーよー”

”チカコに会いたいよー”

”今 飲み会はどんな感じかな?”

”飲み会何時に終わる?”

”まだ終わらないの?”

”いつまでやってるの?”

”今から迎えに行くから”




どのメールにも返信しなかった。

No.135 10/09/08 19:10
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>> 134 ●135

飲み会に参加したのは私を入れて10人。

その中には男もいた。

学には言えないな。




「チカ 今日何時まで大丈夫なの~?」

ヒトミが聞いてきた。

ヒトミは学の車を降りた後 迎えに来てくれた友人。

「何時でも大丈夫だよー!」

親には久しぶりに会う友達なのでオールになるであろう事は伝えてあった。

「そっか、よかった!二次会はカラオケだからね!最後まで付き合えよ~!」

「うん!」

「帰りは私が送ってくから、心配すんな!だから飲め~~!!」




その間も、学からメールが送られていた。

No.136 10/09/18 13:20
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>> 135 ●136

学からの

”今から迎えに行くから”のメールが気になっていた。

本当に、こっちにむかってるのかな・・・。



”二次会にも参加します。帰りは友達が送ってくれるので、学は来なくていいです。”


とメールした。



二次会はカラオケに行くことになった。

飲み屋の駐車場で、当たりをキョロキョロするが、学の車はなかった。

来ていないんだ。

ほっとした。

No.137 10/09/18 13:23
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>> 136 ●137

二次会のカラオケもかなり盛り上がった。

私は学の事なんか忘れて携帯もカバンにしまったまま楽しんでいた。

カラオケも終わり、時間は明け方の5時。

みんなで、ファミレスへと場所を移動した。

  • << 139 ●139 こんなに束縛する人だったんだ・・・。 恐くなった。と同時に、苛ついた。 「チカぁ、そろそろ帰る?送っていきますか?」 「うん。お願いします!」 私は他の友人とともに、ヒトミに家まで送ってもらった。

No.138 10/09/18 17:35
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>> 137 ●138

眠たい目をこすり、あくびをしながら、みんなファミレスでまったりしていた。

カフェオレを飲みながらゆっくりボーッとしていると、

カバンの中の携帯がブルブル振動した事に気が付いた。

携帯を見る。

不在着信十数件。






学・・・・


メール十数件。

”もう、店の近くにいるよ。”

”一緒に帰ろう。”

”二次会って何。”

”どこ行くの?”

”もう、迎えに来てるんだけど。”

”電話に出て”

”何で 電話にでないの?”

”男?”

”何時まで遊んでるつもり?”

”今どこ?”

”電話出て”

”彼氏 ほっといて何遊んでんだよ”

”電話に出ろ”

”いい加減電話でろ”

”無視やめろ”

”俺も二次会行くわ”

”何様のつもりだ”

”シカトしてんじゃねえぞ”





かなり引いた。

No.139 10/09/24 18:28
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>> 137 ●137 二次会のカラオケもかなり盛り上がった。 私は学の事なんか忘れて携帯もカバンにしまったまま楽しんでいた。 カラオケも終わり、時… ●139

こんなに束縛する人だったんだ・・・。

恐くなった。と同時に、苛ついた。

「チカぁ、そろそろ帰る?送っていきますか?」

「うん。お願いします!」

私は他の友人とともに、ヒトミに家まで送ってもらった。

No.140 10/09/24 18:30
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>> 139 ●140

家に着き、シャワーを浴び、ベッドに寝転ぶ。

携帯を見返した。

学からの着信とメールは朝の4時過ぎまで続いていた。

すごく、複雑な気持ちになる。

迷惑な人と思うのか、それともこんなに私を愛してくれてる、ととるのか。

前者の気持ちの方が強かった。

No.141 10/09/25 17:20
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>> 140 ●141

7時前。

一応学にメールをする。

”今帰ってきたよ。オールで疲れたから今から寝るね。オヤスミ☆”

メールを送ると すぐに学から電話がかかってきた。

げっ!今まで起きてたの?

戸惑いながら 電話に出る。

No.142 10/09/25 17:22
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>> 141 ●142

「もしもし・・・」

「チカ、すげー遅かったね。」

学の声は明らかに不機嫌だった。

「何で連絡くれねーの?」

「みんな会うの久しぶりで盛り上がったから。
 みんなのいる前で携帯いじるのって、失礼じゃん。久しぶりに会うのに。」

「チカは俺より友達の方が大事なんだ」


学ってこんなにネチネチしてたっけ?

眠たい上に学のネチネチしたセリフでイライラしてくる。

No.143 10/09/25 17:26
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>> 142 ●143

「飲み屋の近くのコンビニで待ってたんだよ!」

あっそう。

「チカの事 待ってたんだよ!」

へぇ。

「何で、連絡くれないんだよ!?」

・・・・。

「彼氏放っといて平気なのかよ!?」



「いいかげんにして!!
 私、帰り迎えに来なくいいって言ったし、
 友達に送ってもらうってメールしたよね!?」



怒りが爆発した。

No.144 10/09/27 18:39
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>> 143 ●144

「全部 学が勝手にやった事でしょう!?
 私の都合考えずに、メールも電話もしてきて。
 久しぶりの友達に会ってんだから気ィ使ってよ!!」

「・・・・・」

「あと、私束縛されるの嫌いって言ったよね!?
 こんなに束縛されるの、無理なんだけど。
 約束守れないなら もう別れる。」

「チカ!?」

私が こんなに怒るとは思っていなかったようだった。

「疲れてんだよね。眠いから、電話切るわ。」

「待って!チカ!ごめん!!」

「しばらく連絡してこないで。」

そう言って、私は電話を切り、携帯の電源をオフにし眠りについた。

No.145 10/09/28 08:52
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>> 144 ●145

眠りについたといっても、昼からバイトだったので

10時には起きて早めのお昼ご飯を食べてバイト先へ向かった。

携帯は電源を切ったまま家に置いてきた。




私のバイト先はCDショップ。

10分前に着き、急いで着替えてレジへ向かう。

「おはよーございまーす」

社員さんと前のシフトのバイト仲間へ挨拶した。

No.146 10/09/28 09:27
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>> 145 ●146

私と同じシフトの村井くんはすでに出勤していた。

「おはよう、前田さん!」

「おはよう 村井くん」



村井くんは私と同い年で、背は165cmくらいで少しぽっちゃりめの男の子。

かっこいいタイプではないけど優しくて愛嬌があって

バイトの先輩たちからも弟みたいに可愛がられていた。

私と同じデザイナー志望だったけど、学校の先生とソリが合わず中退してしまい、

今では自分で描いたイラストを路上で売ったりしている。

二人ともデザイナー志望だったから、何かと話が合った。

No.147 10/09/28 11:17
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>> 146 ●147

今日はお客さんが少ない。

寝不足でフラフラするからちょっとホッとする。

私はレジでぼーっとしていた。



「前田さん、今日元気ないね」

村井くんが話しかけてきた。

「そう見える?」

「うん。体調 悪いんじゃない?大丈夫?」

「実は、オールで飲み会だったから寝不足なんだぁ」

「そうなんだ。なら安心したよ。」

No.148 10/09/28 13:26
いくら ( yZVonb )

>> 147 ●148

「実はさ、今日、前田さんに渡したいものがあるんだ」

「何何?ラブレター?」

「ちっっっちがうよ!!!」

その慌てっぷりにびっくりした。

冗談のつもりで言ったんだけど、ウブなのね、村井くん。

「そうじゃなくて・・・イラスト描いてきたから前田さんに見てほしいんだ」

と言った村井くんの顔は赤かった。

No.149 10/09/28 17:59
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>> 148 ●149

バイトが終わり、事務所で村井くんが自分のトートバッグから

茶封筒に入ったイラストを取り出して見せてくれた。




女の子と男の子が屋根の上で夜空を眺めているイラストだった。

「ステキだねー」

「ホント?ありがとー!それ、前田さんにあげるね!」

「え?もらっちゃっていいの?」

「うん!そのつもりで持ってきたから」

「じゃーありがたくいただくね。」



こんな感じで村井くんとは仲が良かった。

No.150 10/09/29 11:19
いくら ( yZVonb )

>> 149 ●150

バイトを終え、家に着いた。

携帯の事なんて珍しく忘れて、姉に久しぶりに会った友達の話をしたり

村井くんのイラストを見せていた。



夕食を済ませお風呂に入る。


自分の部屋に戻ると、ベッドの上に放置されたままの携帯が転がっていた。

ベッドに座り、携帯を手にとり、電源を入れた。

  • << 151 ●151 携帯の電源を入れると思いも寄らぬ事態が待っていた。 ブーッ・・・ ブーッ・・・ ブーッ・・・ ブーッ ブーッ ブーッ ブーッ ブーッ ブーッ ブーッ ブーッ ブーッ ブーッ ブーッ ブーッ ブーッ ブーッ ブーッ ブーッ ブーッ・・・ メールを受信し続けてバイブが止まらない。 学からのメールだった。
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