注目の話題
叱らない・怒らない育児の結果って
🔥理沙の夫婦生活奮闘記😤パート2️⃣😸ニャ~ン
価値観の違いについて

●カメレオンと恋模様●

レス226 HIT数 12611 あ+ あ-

いくら( yZVonb )
10/11/04 23:57(更新日時)

いっぱい泣いて、いっぱい傷ついて、
たまには雨宿りもいいかもね。
雨上がりに虹が見えるかもしれない。
止まない雨はないからーーー。

※この物語は前田千花子を主人公とした小説です。
初めてということで、誤字脱字や文法の間違い、
読みにくいといった事、不快に思われる表現等があると思いますが
その時はお許し下さい。

マイペースに書きたいと思います。
最後までお付き合い頂けたら嬉しいです。

No.1319966 10/05/12 19:28(スレ作成日時)

新しいレスの受付は終了しました

投稿順
新着順
主のみ
付箋

No.51 10/05/13 15:37
いくら ( yZVonb )

>> 50 ●51

「コレなんてどうかな?」

「どれ?」

クニくんが指したのは、赤い石のシンプルなピアスだった。

「これだったら、チカちゃんが今してるネックレスとお揃いみたいだし、よくない?」

このネックレスは、元カレからのプレゼントだなんて言えない。

どうしよう。

「でもでも、赤なんて クニくん恥ずかしくない?」

「さすがにハートだと恥ずかしいけどね。
 でも赤色自体は平気だし、このデザインなら大丈夫!」

クニくんはピアスを私の耳にあてた。

「可愛いね。コレにしよう!」

と、レジへピアスを持って行った。

No.52 10/05/13 15:39
いくら ( yZVonb )

>> 51 ●52

私とクニくんは 1セットのピアスを片耳ずつ2人で分けてお揃いにした。

と言ってもクニくんはピアスをあけていないので、まだつけてはいない。

私だけが片耳にピアスをつけていた。

嬉しそうなクニくんの顔を見る度に 私の心は雲っていく。

「早く俺もあけにいこ~♪」

クニくんは嬉しそうに言い 私の手を握った。

No.53 10/05/13 15:42
いくら ( yZVonb )

>> 52 ●53

遅くなるといけないから と、クニくんのバイクに2ケツして私の家へとむかった。

私の分のヘルメットも ちゃんと用意してくれていた。

クニくんのバイクはトシが持っていたのよりも大きくて、ちゃんと2人乗り用だった。



途中、大きな公園へ寄った。

「この公園から見える夕日がすごくきれいなんだ」

手を繋ぎ、夕日が見える場所へと歩く。

キレイな夕日だった。

「ホントだー。キレイだねぇー。」

No.54 10/05/13 15:43
いくら ( yZVonb )

>> 53 ●54

その公園は小高い丘の上にあって、夕日に染まる街を一望できた。

心が癒されるな・・・・。

「チカちゃん」

クニくんが呼ぶ。

「ん?」とクニくんの顔を見上げる。


すると、


クニくんと私の唇が触れた。




キスされた。

No.55 10/05/13 17:25
いくら ( yZVonb )

>> 54 ●55

クニくんは私の肩をギューッと抱き寄せた。

痛いくらい。

クニくんとの初めてのキス。

心は何も感じない。

トキメキはなかった。



やっぱりトシのことが好きだ。



そう思った。




帰り道、家に着くまで バイクを走らせるクニくんの体に ただ ぎゅうっとしがみついていた。

No.56 10/05/13 18:37
いくら ( yZVonb )

>> 55 ●56

無事に家に着いた。

長時間バイクに乗ったのは初めてで、

少し疲れたけど風が気持ちよくて気分は良かった。



「家までおくってありがとう。今日は楽しかった。」

「よかった!俺も楽しかった。」

「帰り道、気を付けてね?」

「うん。・・・あの・・・」

クニくんは何か言いたそうだったけど、

「何でもない。じゃ、また。」とバイクを走らせた。

とても名残惜しそうな顔をしてた。

No.57 10/05/13 18:40
いくら ( yZVonb )

>> 56 ●57

私は一体どうしたいんだろう?

クニくんは私の事がすごく好きみたい。

でも、私が好きなのはトシ。

こんな気持ちのまま付き合っててもいいのかな。

キスされても何も感じなかった。

私、酷い事してるよね。

サイテーだ。




頭の中がぐちゃぐちゃになりながら、その日は夜を過ごした。

No.58 10/05/13 18:42
いくら ( yZVonb )

>> 57 ●58

ゴールデンウィークも終わり、また専門の忙しい日々に戻る。



「チカコ~!クニくんから聞いたよ!」

1時間目の授業が終わると即、友香が声をかけてきた。

友香はクニくんと私をくっつけた張本人。

「詳しくは教えてくれなかったんだけど クニくんめっちゃ喜んでたよ。」

「へー そう。」

私は素っ気なく返事した。

「上手くいってるみたいで良かったぁ。クニくん 本当にいい奴だからさぁ。」

友香は満足そうにニコニコしている。

私の憂鬱な表情にも気付かずに。

「昼休憩のときに、話聞かせてね!」



話すことなんてないよ・・・。と、頭の中でつぶやく。

No.59 10/05/13 18:43
いくら ( yZVonb )

>> 58 ●59

昼休憩。

仲良くなった同じクラスの女の子6人で食堂へ行く。

1つのテーブルを6人で囲み、お昼ご飯を食べながら話しをする。

友香がクニくんの話しを聞きたそうだったが、

その話しをふられそうになると すぐ話題を変えた。




誰かが自分の携帯を見る。

するとみんなも同じように自分の携帯を見始めた。

私も。

No.60 10/05/13 18:45
いくら ( yZVonb )

>> 59 ●60

メールがきてる。

クニくんとトシからだった。



クニくんからは

『仕事忙しいよ。残業してけって課長に言われた~』とあった。


トシからは

『今日、夜 メシ一緒に食わない?』とあった。




クニくんへ返信する前にトシにメールしていた。

『いいよ』

No.61 10/05/13 19:38
いくら ( yZVonb )

>> 60 ●61

授業が全て終わると地元の駅へと急いだ。

駅前に路駐してある車へ駆け寄った。

車の中でタバコを吸いながら待っているトシがいた。

ドアの窓を コンコン と軽く叩く。

気付いたトシが中からドアをあけてくれた。

No.62 10/05/13 20:21
いくら ( yZVonb )

>> 61 ●62

トシの車の中はタバコ臭かった。

私はタハゴが苦手。

あの臭いと煙で頭が痛くなる。

付き合ってるときは、私の前ではタバコはやめてくれていた。

でも 今は構わず吸っている。



やっぱり 付き合ってるワケじゃないもんね。


少し頭が痛い。

No.63 10/05/14 13:04
いくら ( yZVonb )

>> 62 ●63

レストランで食事中

「俺、今実家の手伝い以外に夜コンビニでバイトしてるんだ」

「何で?」

「専門学校行こうと思ってさ」

思いがけない告白だった。続けて言った。

「実家はアニキがつぐし、アニキが結婚したら 家 出てかなきゃいけねーし。
 企業に就職するために資格がほしいんだよね。」

真面目に将来を話すトシを初めて見た。



ねぇ、トシ。

その未来に私はいるのかな?



「だからさ、受験の事でまた相談にのってほしーんだよね。」

「いいよ。相談にのれることなら。」

「マジ?ありがとな。」

トシが笑顔を見せてくれた。

美味しい食事がさらに美味しくなった。

No.64 10/05/14 15:14
いくら ( yZVonb )

>> 63 ● 64

食事を終え 車に乗る。

「まだ時間あるよな? 少しゆっくりできるところに行かない?」

トシはまたラブホに行く気なのかな。

「どっちでもいいよ。トシに任せる。」

「わかった」

行き先を言わず車を走らせる。

No.65 10/05/14 15:18
いくら ( yZVonb )

>> 64 ● 65

この前とは違うラブホに着いた。


「チカ。今日はおまえ先にシャワー浴びなよ」
「うん。」


今日こうなることは会う前からなんとなく想像できた。


トシは最初からそのつもりで誘っていたんだろう。



タハゴを吸う時点で 私の事を気遣う優しさはなくなっていた。

別れたんだもんね、私たち。



でも、好きなんだよ。

トシ。


声にならない 本音。

No.66 10/05/14 17:16
いくら ( yZVonb )

>> 65 ●66

私がバスルームから出ると入れ代わりにトシが入った。


「何かテキトーに飲んで待ってて」

「うん」


バスローブを身にまとい濡れた髪の毛をタオルで拭く。

冷蔵庫から烏龍茶を出しテーブルに置き、

バッグから携帯を取り出しソファに座った。

クニくんからの着信とメール。

No.67 10/05/14 17:18
いくら ( yZVonb )

>> 66 ●67

『仕事終わって帰ります!』

『チカちゃん今何してる?あとで電話してもいいかな?』

そして着信。




ごめんね。クニくん。

私 今、元カレとラブホにいるよ。

ホントにごめんね。



携帯をバッグにしまった。

No.68 10/05/14 17:27
いくら ( yZVonb )

>> 67 ●68

トシがバスルームから出てきた。

「お。烏龍茶うまそー!俺にもくれー。」

「どーぞ。」

飲んでいた烏龍茶をトシに差し出す。

私の右隣に座り烏龍茶を飲む。

「あーうまい!」

左手を私の肩へまわした。

そしてキス。

嬉しい。

No.69 10/05/14 17:29
いくら ( yZVonb )

>> 68 ● 69

「このピアスいいね」

クニくんからもらったピアスをつけたままにしていた。

「そ、そお?」内心慌てた。

「似合ってる」

「ありがと」

「彼氏から?」

ーーーえ?クニくんのコト 言ってないのに・・・

「そんなんじゃないよ」慌てて否定する。

「そうか」



トシはピアスも一緒に耳たぶごと口に含み 舐めた。

No.70 10/05/14 17:31
いくら ( yZVonb )

>> 69 ●70

何だかクニくんを汚された気がした。

汚しているのは自分なのに。



罪悪感が激しく胸を襲う。

けど、トシの指、口、体が触れてくると 心も体もトシでいっぱいになった。



そのままソファで体を重ねた。

No.71 10/05/14 18:05
いくら ( yZVonb )

>> 70 ●71

心のどこかで期待していた。

トシがまだ私のことを好きでいてくれるんじゃないか とか、

トシの口から「よりを戻そう」と言われるのを。

しかし トシの口からそれらしい言葉が出ることはなく不安が募る。



ただの都合のいい女じゃないか。

やりたいだけじゃないか。



でも 体が繋がっている時だけはそんな不安から解放された。

安心できた。

愛されているかもしれないとさえ思えた。

No.72 10/05/17 11:42
いくら ( yZVonb )

>> 71 ●72

家に帰り自分の部屋に戻りベッドに寝転びながら、クニくんへ電話をする。

「ごめんね、全然連絡しなくて。高校の友達と会ってて。」

「そっか。なら良かったよ。事故にあってないか心配だった~」

「ホントにごめんね!」

クニくんと何事もなかったかのように話をした。




次の土曜日にクニくんの家へ遊びに行くことになった。

No.73 10/05/17 11:47
いくら ( yZVonb )

>> 72 ●73

今日は金曜日。夜の10時。明日はクニくんの家へ行く日。

今私はラブホにいる。

トシと一緒に。



事が済み、トシはベッドに座り その膝の中で私はひざを抱えて座っていた。

トシの温もりと抱かれた喜びとで 心は満たされていた。



トシが背中からワキの下、胸へと両手を滑らせ最後に先をつまんだ。

そして口を開く。

「やっぱりチカはスタイルいいね。肌もスベスベだし、胸もツンと上をむいてる」

その言葉を聞いた瞬間、満たされていたものは一瞬でどこかへ消えてしまった。




ーーー誰とくらべてるの?ーーー

No.74 10/05/18 17:25
いくら ( yZVonb )

>> 73 ●74

その言葉から察するに他に女がいることは明らかだった。



彼女?

それとも 私みたいなバカな女が他にもいるの?



惨めさと虚しさで胸は傷む。

それでも トシを責めることはできない。



今のこういう関係になったのは自分の責任でもあるから。

例え体だけでもいいから大好きなトシに求められたかった。

  • << 76 ●76 「ピアノだー。クニくんが弾くの?」 ピアノへ駆け寄った。 「そうだよ。我流なんだけどね。就職してから自分で買って、時々弾いてるんだ。」 「へぇー、私もピアノ習ってたよ。全然うまくないけど。  ねぇ、クニくん。何か弾いて?」 「いいよ。でも、期待しないでね(笑)。何の曲がいい?」 ピアノの上に置いてあった楽譜の本を手にとりパラパラと捲る。 「あ。この曲がいい」 私はページを捲るのを止めた。 「どの曲?」 開いたページにあったのは ショパン 別れの曲

No.75 10/05/18 17:27
いくら ( yZVonb )

>> 74 ●75

約束の土曜日、私は駅からクニくんに連れられてクニくんの家へと遊びにいった。


「ただいまー。」と クニくんが言って玄関の扉をあけると中からお母さんがむかえてくれた。

「国昭おかえり。」そして私の顔を見て「こんにちは、いらっしゃい。」と微笑んでくれた。



家にあがり2階のクニくんの部屋へ案内された。


もともと8畳の部屋が2つL字状に隣同士だったのを壁をとって1つにしたのがクニくんの部屋だった。

フローリングの床に白い壁。

開いた出窓から気持ちの良い風が吹きこんでくる。

とても整理されていた。


部屋に入ると 電子ピアノが目に映った。

No.76 10/05/18 17:33
いくら ( yZVonb )

>> 74 ●74 その言葉から察するに他に女がいることは明らかだった。 彼女? それとも 私みたいなバカな女が他にもいるの? 惨めさと… ●76

「ピアノだー。クニくんが弾くの?」

ピアノへ駆け寄った。

「そうだよ。我流なんだけどね。就職してから自分で買って、時々弾いてるんだ。」

「へぇー、私もピアノ習ってたよ。全然うまくないけど。
 ねぇ、クニくん。何か弾いて?」

「いいよ。でも、期待しないでね(笑)。何の曲がいい?」

ピアノの上に置いてあった楽譜の本を手にとりパラパラと捲る。

「あ。この曲がいい」

私はページを捲るのを止めた。

「どの曲?」

開いたページにあったのは



ショパン 別れの曲

No.77 10/05/18 17:34
いくら ( yZVonb )

>> 76 ●77

「あ、深い意味はないよ。ただこの曲が好きなんだー。
 昔ちょっとだけ練習してた。クニくん弾ける?」

「楽譜見れば多分弾けると思う。」

クニくんの部屋がピアノの音で充満する。



我流だけあって指の使い方はおかしかったけど、

我流とは思えないくらい上手かった。



パチパチーーー。

演奏が終わり、私は拍手をする。

「クニくんすごい!私なんかより、ずっと上手だよ!」

「そうかなぁ・・・」

クニくんは照れて笑った。

No.78 10/05/18 17:35
いくら ( yZVonb )

>> 77 ●78

「こんなのもあるよ。」

とクニくんは別の楽譜を取り出した。

流行の歌謡曲を集めた楽譜だった。

「何か好きな曲ある?」

私は自分の好きなアーティストのスコアを見つけ譜面台に置いた。

「俺はコードで伴奏を弾くから、チカちゃん歌える?」

「え?歌うの?」

「うん。歌詞も譜面にのってるし。じゃ、いきまーす。」



クニくんのピアノの音色に私の声がのる。

恥ずかしいけど楽しい。

No.79 10/05/18 17:36
いくら ( yZVonb )

>> 78 ●79

1番を歌い終えたところで、ストップした。

「チカちゃん、歌うまいね!」

「そんなことないよ。でも、楽しいね。」

「今度は何の曲にするーーーー?」

とクニくんが楽譜を手に取ろうとすると


コンコン。


ドアをノックする音。

「国昭、入るわよー」

クニくんのお母さんだ。

No.80 10/05/18 17:38
いくら ( yZVonb )

>> 79 ●80

お母さんは紅茶とケーキを持ってきてくれた。

「国昭が女の子連れてくるなんて初めてだから、ケーキ焼いてみたの。
 口に合わないかもしれないけど、よければ食べてね」

優しそうなお母さんだなぁ・・・。

「ありがとうございます。すみません。」

「母さん ありがとー」

紅茶とケーキをテーブルの上に並べると

「それじゃ、私は今から出掛けるから。帰りは夜になると思う。ゆっくりしていってね。」

お母さんは1階へと戻り、家を出て行った。

No.81 10/05/19 17:33
いくら ( yZVonb )

>> 80 ● 81

「そうだ!チカちゃん。高校のアルバム見る?」

「うん。見たい!」

私たちはお母さんが用意してくれたパウンドケーキと紅茶を頂きながら、クニくんの卒アルを見ることにした。


「クニくんは野球部だったんだよね。」

「うん。」

真っ黒に日焼けして、ユニフォームを着たクニくんの写真があった。

「友香の写真もあるよ。これ」

クニくんは写真を指した。

そこには、チアリーダーの格好をした友香がいた。

「友香ってチアリーダーだったの!?」

「そうだよ。短いスカートはいてポンポン持って元気に応援してくれてたよ」

「今の友香からは想像できなーい!すごく今大人っぽいのに。」

「高校生だったしね(笑)」

No.82 10/05/19 17:34
いくら ( yZVonb )

>> 81 ●82

お母さんが焼いてくれたケーキを食べながら、クニくんと他愛ない話しをする。

のんびりとした時間。



窓から吹く風が少し冷たく感じた。

「ごめん。窓しめていいかな?私ちょっと寒くなっちゃった。」

「いいよー。」

立ち上がり出窓へといき、窓を閉める。

すると後ろからクニくんの手が伸びカーテンをシャッとしめた。

そしてそのまま私を背中から抱き締めた。

No.83 10/05/20 15:54
いくら ( yZVonb )

>> 82 ●83

「クニくん・・・」

「チカちゃん。好きだよ。」

次の瞬間、クニくんにお姫様だっこしされた。

「きゃっ!」

クニくんはくるっと向きを変え私を抱えたまま歩き、ベッドへと降ろした。

そして私の上にのり、軽くキス。

次は、舌を絡ませてきた。


私は自ら選択しないことと、抵抗しないことを心に決めた。

私が決めたんじゃない、全部相手が勝手にしてることだ、と思うと気が楽になるから。


流れに身を任せる。

されるがままに。




クニくんと初めて一つになった。

No.84 10/05/20 15:55
いくら ( yZVonb )

>> 83 ●84

キスも前戯も、クニくんとのエッチはどこか ぎこちなかった。

ーー多分慣れていないんだろうな。ーー

そんな風に思ってしまう。




幸せな気持ちになるどころか、虚しさで支配される。




愛しているけど、愛してくれない男に抱かれるのと

愛していないけど、愛してくれる男に抱かれるのと

どちらが辛いのかな。

No.85 10/05/21 17:44
いくら ( yZVonb )

>> 84 ●85

クニくんと幸せなカップルを装い、

その裏でトシと体を重ねる。



こーゆーのを世間では二股というのではないか?



でもトシは別に私の事を好きなワケじゃない。

私も体を重ねる以上の事は望まない。

望めばトシは去っていってしまうだろう。

ただ、彼のものを中にいれ、出したものを飲み込むだけ。



これって 単なるセックスフレンドかな。



こんなこと、ユミにも友香にもお姉ちゃんにも相談できない。

心と体のバランスが崩れていく。



結局、トシからもクニくんからも離れられないでいた。

No.86 10/05/21 17:45
いくら ( yZVonb )

>> 85 ●86

いつから こんな尻軽女になったのだろう。

彼氏でもない人と、好きでもない人と、何回も体の関係をもってしまった。



トシと寝れば寝るほどダメ男だと分かり、

そんな男にしがみつくほど惨めな気持ちで苦しくなる。


クニくんと寝れば寝るほど気持ちは冷め、

彼の優しさに触れるほど罪悪感と虚しさで苦しくなる。



もうどちらといても辛く苦しいだけだった。

No.87 10/05/21 17:46
いくら ( yZVonb )

>> 86 ●87

誰か助けて。

もう どうしたらいいか分からない。

私はどうしたらいいの?

私はどうしたいの?




トシともクニくんとも関係を絶てずに3ヵ月が過ぎようとしていたとき、

ユミから久しぶりの電話があった。

No.88 10/05/27 16:26
いくら ( yZVonb )

>> 87 ●88

「チカー元気ー?」

「うん、ぼちぼちかなー」

と、おしゃべりに花が咲く。



「ところでさ、チカ、もしかして最近トシと会ってたりする?」

突然の質問に驚いた。

トシとのことは誰にも言っていないはず。

「え~?何で?」

「この前、トシとチカに似た人が一緒にいるとこ見ちゃって。

 実はさ、最近トシの良い話 聞かないんだよねぇ。」

「そうなの?」

「うんー。チカと別れた後、すぐ年上の女と付き合ってさぁ。
 今は今でその女がいるのに他の女と遊びまくってるみたいー。」

「そうなんだ・・・」

  • << 90 ●90 小さく胸で膨らませていた淡い期待は はじけて溶けて消えた。 私と付き合った頃のトシはずいぶん前にいなくなっていたみたい。 ミナコもかわいそーに。 私からトシを奪ったけど、今ではその元カノと浮気をされている。 お互いバカな男を好きになっちゃったね。 頭の中がハッキリとした。 その夜、私は決意する。

No.89 10/05/27 16:28
いくら ( yZVonb )

>> 88 ●89

「チカに紹介しといてなんだけどさ、
 アイツ高校卒業してから人が変わったみたいに調子乗ってるらしくて。
 チカと付き合ってる時はイイ奴だったのにさー。」

「ふ~ん・・・」

「だから、チカもくれぐれもトシには気を付けてね!」

「うん。」

「何かあったらすぐ私んとこに連絡するよーに!
 チカを傷つけるようなことしたら私が許さないから!(笑)」

「ありがとー(笑)」



やっぱりな。想像通りだ。

No.90 10/05/27 16:29
いくら ( yZVonb )

>> 88 ●88 「チカー元気ー?」 「うん、ぼちぼちかなー」 と、おしゃべりに花が咲く。 「ところでさ、チカ、もしかして最近トシと会って… ●90

小さく胸で膨らませていた淡い期待は はじけて溶けて消えた。


私と付き合った頃のトシはずいぶん前にいなくなっていたみたい。


ミナコもかわいそーに。

私からトシを奪ったけど、今ではその元カノと浮気をされている。

お互いバカな男を好きになっちゃったね。


頭の中がハッキリとした。

その夜、私は決意する。

No.91 10/05/27 16:31
いくら ( yZVonb )

>> 90 ●91

カーセックスがしてみたいというトシからの要望で、車を川の堤防に停めていた。

鍵をロックしカーテンをしめ、後ろの座席を倒し平らにする。

窓ガラスは曇り、車体はギシギシと揺れる。

外からみればいかにも「最中の車」だった。

トシは今まさに私に腰を振っていた。

感じているフリはする。

でも頭はいたって冷静だった。


ーーどのタイミングで切り出そうーー


そんな事を考えトシの様子を伺っていた。

No.92 10/05/27 16:32
いくら ( yZVonb )

>> 91 ●92

気持ちよくなってきたのか、腰の動きがだんだん速くなってきた。

「ねぇ、トシ?」

「ん?」

「ミナコとも車でよくするの?」

「は?」

腰の動きがピタリと止まる。

「ミナコと今付き合ってるんだよね?」

「ぇえ?あ~・・・・」

うろたえながらも またゆっくり腰を動かし始めた。

「ホントの事言って大丈夫だよ。うちら付き合ってるワケじゃないし。
 言ってくれなきゃ、もうエッチやめる。」

No.93 10/05/27 16:34
いくら ( yZVonb )

>> 92 ●93

起き上がり、トシのモノを抜こうとすると

「分かった!言うから!」

と言い、私の体を押さえ付けた。

「ミナコとは車でしたことねーよ。今ビミョーな関係だし。」

「そうなの?」

「アイツさぁ、チカと違ってワガママだしヒステリーですぐキレんだよね。
 エッチもアッサリしててさぁ、”しゃぶって?”って言ったら”イヤダ”って言うし。」

トシはベラベラと喋り始めた。

「仕事でストレス溜まんのかしんねーけど、会ってる時もずっと愚痴ってんだよ。
 俺が来年専門行くって言えば、学生なんて金がなくなるからヤメロとか言うしさー。
 相性悪いんだよね。」

「そっか・・・」

No.94 10/05/27 16:35
いくら ( yZVonb )

>> 93 ●94

「別れ話してもすぐ泣いてキレて話になんねーし。」

「今、ミナコとは連絡とってるの?」

「一応な。
 でないと、泣いて家まで押し掛けて来るから。マジうぜー、めんどくせー。
 あ、思い出したら萎えてきたじゃん。」

腰の動きを速くする。

「俺さー、チカとまた会って思ったよ。
 俺が好きなのはチカだって。別れた時だって辛くてさ。かなり落ち込んだんだぜー」

「ホントに?」

「ああ。ヨリ戻してーなって思ったよ。でもなー、アイツが別れてくんねーからなぁ。」

「・・・・・」

「好きだよ。チカ。」

トシは腰を激しく動かし、果てた。

No.95 10/05/31 18:22
いくら ( yZVonb )

>> 94 ●95

洋服の乱れを直し、帰る準備ができた。

「今日は駅までおくってもらっていいかな」

「家じゃなくていいの?」

「うん。今日は駅でいいよ。」



駅へ向かう車中、あの時の決意が揺らがないようにトシの顔は見ないようにした。

外の景色を眺めながら、1回 軽く深呼吸して口を開いた。

「実はね、言ってなかった事があったんだけどね、私、今 彼氏がいるの。」

「はぁ?」

「だから、トシと会うの今日が最後。」

「マジで言ってんの?」

「うん。だからさっきのが最後。」

「うそだろー・・・」

「ホント。最後にトシの口から好きって聞けて嬉しかった。
 私もトシの事が好きだったから。」

No.96 10/05/31 18:24
いくら ( yZVonb )

>> 95 ●96

「そっか・・・。何となく彼氏がいるかもって思ってたけどな・・・。」

トシは淋しそうな顔をした。

「お互い、ちゃんと他に恋人がいるんだから、こーゆー風に会うのはやっぱり良くない。」

「・・・・うん。」

「あ、でも、受験の事で相談があるなら、いつでも言ってね。
 エッチもチュウもなしでよければだけど(笑)」

「ハハ。ありがと。」


駅に着き、車を路駐する。

「今までありがとう、トシ」

「チカ・・・。」

ぐいっと私の腕を寄せ、軽く唇と唇を重ねた。

No.97 10/05/31 18:26
いくら ( yZVonb )

>> 96 ●97

「じゃあな、チカ。」

「うん。バイバイ。」

車を降り駅の改札へと向かう。

後ろを振り返ると 遠目に運転席に顔をうずめるトシの姿が小さく見えた。

もしかして 泣いてくれてるの? バーカ。

大好きだったよトシ・・・。



涙が溢れるけど、気分はスッキリしていた。

もう、トシの事で泣かない。

もう、会う事もない。


私は涙を拭き、力強く一歩を踏み出した。


家に帰り、その日の夜にクニくんへ連絡し、明日の夜会う約束をした。

No.98 10/05/31 18:27
いくら ( yZVonb )

>> 97 ●98

クニくんが学校の近くまでむかえに来てくれた。


「チカちゃん、今日は何が食べたい?」

「何でもいーよ」

「何でもいい時は、何でもあるファミレスにしよう!」


私たちはファミレスで夕食を終え、近くの公園へ散歩することにした。

No.99 10/05/31 18:29
いくら ( yZVonb )

>> 98 ●99

公園に着き、ベンチに腰掛ける。

夜空を見上げた。

「全然星見えないねー」

「うん。ここは空気悪いからねー。もっと田舎に行けばたくさん見えるかな。」

「私ん家の近く、星空とってもキレーに見えるとこあるよ」

「へー、チカちゃんち街から外れてるもんね。
 うちのじーちゃんちも山の中にあるから、星キレイに見えるよ。
 今度チカちゃんに見せてあげたいなー。」



少しの間、二人でぼーっと星の見えない夜空を眺めていた。

No.100 10/05/31 18:31
いくら ( yZVonb )

>> 99 ●100

クニくんが私の肩に手をまわす。

もう片方の手で頭を撫で、軽くキスした。

ーーーこのままじゃいけないーーー

「あのね、クニくん。今日は大事な話があるの。」

「・・・うん。何?」

クニくんは手を自分のひざへ戻し、体を私の方へ向けた。



「今日で、終わりにしたいの。」

  • << 101 ●101 「終わりにするって、俺たちの関係を?」 「そう・・・。突然こんな事言ってホントにごめん。」 クニくんは私から目をそらし正面を向いた。 「他に好きなヤツいるんだよね?」 「え?」 「何となく分かってたんだ。一緒にいても上の空ってこともあったし。  実は、いつフラれるんだろうってビクビクしてた(笑)」 「そんな・・・ごめん・・・。」 「まー最初がかなり強引だったし。  でも、いつか本気で振り向かせてやるって思ってたんだけど、ま、それも無理だったか。」 「ほんとに ごめんなさい。」 「俺の事は気にしなくていいから、そいつにちゃんと幸せにしてもらいなよ?」 私は黙って頷いた。 その人とは もう終わったんだけどーーー。
投稿順
新着順
主のみ
付箋

新しいレスの受付は終了しました

お知らせ

5/28 サーバメンテナンス(終了)

小説・エッセイ掲示板のスレ一覧

ウェブ小説家デビューをしてみませんか? 私小説やエッセイから、本格派の小説など、自分の作品をミクルで公開してみよう。※時に未完で終わってしまうことはありますが、読者のためにも、できる限り完結させるようにしましょう。

  • レス新
  • 人気
  • スレ新
  • レス少
新しくスレを作成する

サブ掲示板

注目の話題

カテゴリ一覧