過ぎた日の後悔…非行、裏切り、離婚、不倫、波瀾万丈の日々
偽りのない事実と私が生きてきた波瀾万丈の30年間を書いていきたいと思います。来月で30。人生やり直せる分岐点。これから改めた人生を送りたい!と心底思って過去を振り返りますので途中、中傷、非難の声はご遠慮願います。
また文章が読みづらいとは思いますがご了承下さい。
長くなりますが見て戴ける方がいらっしゃれば幸いです。
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>> 156
あなたも155さんと同じですよ(笑)
そして私もね
主さんに提案ですがこのスレの雑談スレを立てたら如何ですか?
書き込みはそこにしてもらって、ここは主さんだけが書くルールにすればスムーズではありませんか
主さん初めまして! 全て読ませて頂いてますが、辛い人生歩んできたはるみたいですね。病気も患ってるし心身共に辛いでしょうが頑張って下さいね。寒い日々が続いてますので、どうぞご自愛して下さいませ。
彼のおかげで私も子供達にも久しぶりに笑顔が戻った。
いつの間にか私達は本気で愛し、いつも私のそばで支えてくれていた。
しかし彼には奥さんと子供がいる。
それが現実だったが受け入れたくなかった。
不倫してる自分を認めたくなかった。
一日おきに家にくる彼。
ご飯を食べて帰る。
「たまに帰らないで!」と泣き言を言って困らせた日もあった。
次第に不満だけが溜まっていたある日、
彼が急に仕事中に電話をしてきた。
仕事中に電話を突然してくる事はなかった。
何かあったんだ!
と直感した。
不倫が奥さんにバレたのか……
車で15分くらい走らせ向かった先はお洒落なイタリアンレストラン。
駐車場には既に彼が待っていた。
「ごめん!待った?」
「めちゃくちゃ待った!日が暮れるかと思ったよ。(笑)」
といつものおちゃらけた会話。
お店の中に入り食事をし、それまでたわいもない会話で盛り上がっていたが、食事が終わり会話が途切れた時彼は重い口調で話し始めた。
「旦那と別れた方がいい。お金は俺が何とかするから…
みか…俺はみかの為なら何でもするから!メールしない間ずっと考えてたんだ。こんな事だろうと思ったよ。」
涙が出てきた。
すごく嬉しかった。
彼が神様に見えた。
「うん…ありがとう。」
やっと旦那から解放される。
トントン拍子にどうにか離婚が成立し、新居も見つかり引っ越した。
真夏の快晴の日だった。
死産してから半月。
悲しみと後悔の日々だった。
旦那は何を考えているのか何もなかったかの様に呑気な態度。
殺してやりたい程憎らしく顔も合わせたくなかった。
そんなある日
以前から出会い系サイトで知り合った彼とは携帯だけで繋がっていたが1ヶ月くらい振りにメールがきた。
「久しぶり!元気かぁ? 」
「あっ~う、うん…」
「やっぱり何かあったな…みかがメールしなくなる時はなんかあってる時だもんな!」
誰かにずっと話したかった。旦那のこと、死産のこと…
「会って話しがしたい……」
翌日会うことにした。
主です。
長い間更新できずに申し訳ありませんでした。
実は検診で子宮ガンが見つかり緊急入院でした。
精神状態も不安定だったのでなかなか来れませんでした。
またゆっくり書いていきたいと思ってます。
色いろ非難の声はあるでしょうが、これが私が送ってきた人生です。不愉快に思われる方もおられると思いますがご了承下さい。
横レスすいません。何故避妊をしないのでしょうか?!! 私は妊娠できないためとても腹ただしく感じました。
赤ちゃんはそういう方のとこにいくものなんでしょうかね?…
これからも最後までしっかり読ませていただきます!
5ヶ月入る手前だったので手術は三日間入院することになった。
手術前日に子宮を広げる薬を飲んだ。
その夜、お腹の赤ちゃんが動いた。
はっ、……。
生きてる。
私は今この子を殺そうとしてるんだ…
急に涙があふれ、とっさに看護婦さんを呼んだ。
『すみません、やっぱり産みます!
帰ります! 』
『何言ってるんですか!ちょっと待って!今先生呼んでくるから… 』
その時、母親が病室に入ってきた。
お腹は大きくなる一方。
つわりも治まり四ヶ月に入った。
産みたい気持ちはあったが、現実ムリ…
でも……
旦那と離婚して子供を五人引き取り一人で育てるか…
中絶するか…
答えは二つに一つの決断に迫っていた。
時間がない…
お金もない…
悩みに悩んだ結果中絶することにした。
すいません💦
主です✋
インフルエンザで寝込んでいました。
話しがズレていました。すみません。
128の妊娠と直近の妊娠がわからなくなっていましたが、読み返して確認しました。
直近の方が正しいです。
申し訳ありません🙇
精神状態は悪くなる一方。
すぐにでも親に縋りたかったが、心配かけたくない思いが強く言い出す事はできなかった。
ある日、校区の児童監察員と言われる女性が家に来た。
鬱で安定剤を飲んでいたので頭がもうろうとしていた。
『お母さん大丈夫ですか?病院行きましょうね。 』
『あの~全然大丈夫です。子供達いるし入院なんてできませんし…第一はあなたは? 』
始めは言われてる事が理解できなかったが、その女性は優しく丁寧に現状を話してくれた。
実は近所の地域委員の人が役所に通報したらしく、緊急に駆け付けてくれたとのこと。
全く知らない人なのに話しをする事でだいぶん落ち着いていた。
まずは体調を治す事が最優先だからと入院を進められたが、
頑なに拒否した。
産婦人科にも行けないくらいお金がないのに入院なんてできるわけがない。
とにかく旦那と必ず冷静に話し合うこと!と言い残し帰って行った。
旦那に妊娠の話しをした。
『妊娠したんだけど…… 』
『ふ~ん!
だから何?』
はぁっ?
近くにあった包丁を 振りかざした。
『お前ふざけるな!!どんだけ無責任なんや!死んで詫びろ!』
怒り狂っていた。
体全体が震え、自分の手から血が流れていた…
旦那は必死に包丁を取り上げようとしていた。その時…
寝ていた長女が起きてきて泣きながら叫んだ。
『もうお願い、やめて!やめて!ごめんなさい!
いい子になるから…
死なないで!!』
一気に我に返った。
思わず子供を強く抱きしめた
ごめん、ごめんね…
ママが悪いの。
どうしたらいいのか…
親子心中でもすれば楽になれるのかも…
この現実から逃げたい。
夢であって欲しい…
何度も妊娠を経験すると、少しの体調の変化でもわかるものだった。
普段便秘症なのに便秘がなくなったり、
食欲旺盛になったり……
案の定、検査薬で陽性が出た。
正直産む事なんて一欠けらも考えてない
むしろどうやって下ろすかを考えていた。
私って最低…
本っ当、何やってんだろ…
絶対、天罰が下る!!
しかし現実、産む事も中絶するお金すらなかった。
今回の妊娠は明らかに旦那に無理矢理やられた結果の妊娠だけあって、旦那に対して怒りと憎しみだけを感じていた。
旦那とは同居人みたいになり、気持ちも冷めていて、生活費もいれてくれないなら、ご飯も準備しないから…と突き放し徹底していた。
しかし旦那は私の財布からお金を抜いたり、カードを勝手に使ったり…
とにかくこの人から離れなきゃ!と思った。
離婚するための準備にとりかかり、とにかく私は昼も夜も懸命に働いた。
そんな中でメル友とは誰にも言えない愚痴を吐き出していた。
離婚の準備を着々と進めてた矢先、再び生理が来てない事に気付いた。
出会い系の某サイトで年上でお金ありそうな人を詮索していた。
掲示板に載せるとひっきりなくメールがくる。
『愛人になってくれたら高報酬渡せるよ!』
『割り切りで!
弐でどうかな?
条件書いて返事待ってるよ!』
『エッチなしで車でいいかな? 』
どんだけの男が飢えてるんだか……
それを求めている私も落ちた人間だ…
と悲しかった。
結局私は三人と関係をもち、二人とは一回きりで縁をきった。
しかしその残る一人の人とは何故か縁を切ることができなかった。
その人は37才のごく普通のサラリーマン。妻子があり話しを聞く限りでは家族円満で端から見ても真面目な印象で浮気してるタイプではない。
一回関係を持った後は会う事なく、ただメル友みたいな付き合いだけだった。
私は感情を抑える事ができず、帰ってきた旦那にガラスのコップを投げつけ、ダイニングにある椅子をひっくり返し、狂乱していた。
精神的にも肉体的にも疲れていてそれが爆発してしまった。
過呼吸になりしばらく起き上がる事が出来ずにいた。
そんな私を見て旦那は…
『自分だけが被害者だと思うなよ!
こっちだって大変なんだよ! 』
そう言い部屋のドアを力一杯閉めた。
旦那は建築関係の自営業。
仕事がなく収入も減り、そのことでも苛立っていた。
前妻との婚姻中に借金があり首が回らなくなり自己破産。
何かある度に、私のクレジットカードを勝手に借りていた。
次第に生活費すらいれてくれず、再び私は援助交際を始めた…。
悠生の事も、
私の事もほったらかしの旦那。
いい加減激怒した。
留守録に入れていたのでしばらくして旦那から電話が入った。
『どうしたん?
退院したんか? 』
『はっ?
あんた何してるの?
いい加減にしてよ!!だいたい帰ってこないでどこおるん? 』
『子供のとこ…
こっちも色々あってるんや!もうすぐ帰る! 』
やっぱり子供のところだった。
私との子供より前妻の子供が大事なの?
不信感は募る一方だった。
上三人は感心するくらいよく現状を理解してくれていた。
一番上のお姉ちゃん二年生は常に私の事を気にかけてくれて
『ママー!大丈夫?
お風呂掃除と洗い物私がするから大丈夫よ!』と率先してやってくれた。
しばらくして旦那が帰ってきた。
連夜続く悠生の夜泣き…
ついに私は倒れてしまった。
私は母親に変わり自宅に帰ることにした。
帰ってからも体調は戻らず、嘔吐と頭痛、めまいが続いていた。
ふと考えた…
生理が来てない…
まさか…!
そのまさかだった。
妊娠していたのだ。
旦那に電話で伝えようとしたが電源が切られている。
私が具合い悪かった事も知らずに、入院中一度も家に帰ってきてなかった。
手術二日前から入院になった。我が子が手術というのに旦那は仕事と言って、病院に来たのは手術が終わってからだった。
無事に6時間も及ぶ手術も終わり、とりあえずホッとした。
しかし、ホッとしのはつかの間…術後しばらく眠っていたが、目を覚ましてからは火がついたかの様に泣きわめく悠生。
時間は夜中の2時をまわっててあたりはシーンと静まり返ってた中、悠生の泣き声だけが響いていた。
点滴をしていて、なおかつ両足に更に大きくなった包帯。
抱っこも思う様にできず、苛立ちを感じていた。
結局その晩は一睡もできず点滴を抱え、ベビーカーに乗せてローカをウロウロしていた。
『おうっ!元気かぁ?子供無事に産まれたか?』
相変わらず脳天気な奴だった。
何も事情を知るわけがない。
『うん…!
実はさ……』
しばらく沈黙が続き………
『どうした?みか?
子供に何かあったのか? 』
急に肩の力が抜けてしまい、涙が込み上げてきた。
ゆっくり悠生の事を話し始めた。
『そうだったんか…
ごめんな…
そうとは知らずに…
お前に頑張れとは言わない。でも足があるだけでもいいと思えないか?
ものは考え様だよ!
前向きに!卑屈になる必要はない。』
坂井さんもじっくり何かを乗せられてるかの様に語り出した。
不思議と何かが明るくなった気がした。
前向きに治療に専念すると決めた。
そして手術の日。
悠生の病院は週に一回の通院、車で片道40分のところにある。
旦那は初めて行った時に連いてきたっきり一緒に行く事はなかった。
一人で不安だった…
寂しかった…
しかし母親の私が強くならなくてはいけない!!
泣いてる暇はないんだ…
と自分に言い聞かせていた。
そんなある日…
思いがけない人から一本の電話。
元カレ…坂井さんだった。
悠生はいろんな検査をして、その結果
半年間ギブスをしてその後に手術をする事になった。
そのギブスとはセメントの様なもので、足を外に向かせ固定していくものだった。相当痛かったのか、悠生はすごい大声で泣いていた…
ごめんね…悠ちゃん。ママが悪いよね…
ごめん…
ごめん…
悠生の足が私のふくらはぎくらいの大きさまで巻かれてて、
固くて重い。
オムツ替えも沐浴も大掛かりだった。
そんな中旦那は、仕事が忙しく、家庭が心配で構ってくれるなんて事はなかった。
実はこの頃、(旦那には前妻と子供二人がいて二年前に離婚)
旦那の子供、中学1年の長女が学校でイジメに合ってて、恐喝、自殺未遂、警察沙汰の騒ぎだった。
その度に前妻から連絡が入り、家を出ていく事があった。
『行ってあげて! 』
同じ子供を持つ親として当然と思いたかった。離婚しても父親には変わりない。
自分に言い聞かせてたが…やがてその事が原因で喧嘩が絶えなくなった。
そこの病院には重病患者が沢山いた。
ダウン症の子や心臓、脳に障害があったり両足がないなど…私は唖然とした。
産婦人科から向かう車の中で泣きじゃくり絶望感に浸っていたが、他の子供達を見ると引き締まる思いだった。
言い方は悪いけど、
『うちの子供がいる場所ではない…』と。
そして一番驚いた事は、子供達の親が明るく、子供に接していた事…
私は産後五日間まともに食事もできず、子供にも母乳を飲ませる事ができなくなる程、脱力感で一杯だった。
子供(悠生)は整形外科に案内された。
悠生と同じ病状の子供がたくさんいて、その中のあるお母さんから声かけられた。
『まだ産まれたばっかりですよね~かわいいっ!両反(先天性両内反足)ですか?
うちもなんですよ!
もう三歳ですけど最近ようやく一人で歩ける様になったんです! 』
三歳でやっと歩ける……。
それまでは装具=義足だったらしい。
励まされたつもりだったが実際には不安で仕方なかった。
赤ちゃんが病室にきた。
すやすや眠っている息子。
恐る恐る足を見た…
やはり明らかに曲がっていた。
小児科の先生が来られ旦那も同席で話しを始めた。
『先天性両内反足。
これは手術を数回してもらう事になります。まず退院後に病院に行かれて下さい。』
あまりにも端的過ぎて意味がわからない。
とりあえず紹介状をもらって退院の日、そのまま某有名なK病院に向かった。
産声も聞いたし、
顔も手足も五体満足に見えた。
貧血が酷く、体力も落ちてた為
私は即、点滴をし始め赤ちゃんを抱っこすることは出来なかった。
翌朝目が覚めたらナースコールがなった。
『先生からお話がありますので、今から病室に伺います。』
何だろう…
やっぱり赤ちゃんに何かあったのかも…
先生が入ってこられた。
『大丈夫ですか?
長かったね~でもよく頑張ったね!
えっと…赤ちゃんなんだけど、
足の病気があるみたいなんだよね。』
えっ?足?
足はちゃんとあったけど…
『おそらく、内反足と言って足が内側に曲がってる状態です。今日小児科の先生に来てもらいますので、そこでお話されると思います。 』
具合いが悪かったのは足が胃をふさいで圧迫してたんだろう…という事だった。
何故妊娠中にわからなかったのだろう。
ショックと同時に病院側の対応に不信感を抱いていた。
翌朝には陣痛は止まってたものの再び陣痛。
そして夕方に病院に駆け込んだ。
しかしまだまだ…
上三人は陣痛からわずか6時間以内で生んだのに…今回はなんでこんなに苦しいんだろう…
結局その夜も産まれなかった。
まだ産まれてもないのに会社からは花が届けられていた。
ますます不安は募るばかり…
先生から『赤ちゃんが少し苦しいみたいだから今日産まれなかったら帝王切開に
しましょう。』
と言われた。
私も陣痛で眠れてなく疲れ果てていた。
その日は陣痛促進剤を使うことになった。
そして…
ようやくその日の夜に産まれた。
しかし………
再婚して間もなく再び妊娠。
親は猛反対だったが、今度こそ!という思いで産むことにした。
妊娠中も営業の仕事を続けてたが、どこか体調がすぐれなく、安定期に入っても悪阻が続いていた。
四人目ってこともあり余裕だったにも関わらず、何かおかしい…と感づいていた。しかし定期検診ではやや羊水が少ないかも…くらいで深刻な事は言われていなかった。
そして臨月が近づくにつれて吐き気と頭痛がひどく体重も妊娠前と変わらないくらい痩せてしまっていた。
予定日から三週間早くに陣痛が始まった。
微弱陣痛でなかなか病院に行くまでもない。
病院からは早めに来て下さいとは言われたものの…まだ大丈夫!と一日様子をみることにした。
しかし、
のぶは悲しみに明け暮れる日々。
私の気持ちはのぶは 知らない。
まさかまだ元カレに気持ちがあることなど…
のぶは流産させてしまった事に強く責任を感じていた。
そして…
プロポーズ。
私が24歳。
のぶは38歳。
気持ちが整理できてないまま私達は再婚した。
再婚した理由…
生活の為…
自分自身家庭に収まらないといけない…
そして最大の理由は、元カレが同棲の彼女と再婚したから…
そんなくだらない理由だった。
そんな理由で再婚なんて考えが甘かった。
子供達よりまず自分が可愛いかったのだろう…
自分の都合のいいように子供達を振り回していた。
近藤さん(以後=のぶ)と住み始めて半年過ぎてすぐ妊娠した。
子供はもういらない。子供達の為にも再婚も考えてなかったし、父違いの子は作らない様にしていた。
それがまさかの妊娠…
正直、元カレの事を断ち切れないでいるのに、のぶの子供を産むなんて最低だし、母親になる資格なんてない…と思っていた。
しかし……
必死に悩んだ挙げ句、その子は流産してしまった。
子供には申し訳ないがこうなる運命だったんだ…
生まれてきても不幸になってたかも…
前向きに考えていた。
彼の事はもう忘れなければいけないんだ…
好きなのに…
伝わらない思い…
辛かった。
今まで一番好きになった相手でした。
そんな哀しみを察してか、近藤さんは頻繁に連絡をくれて逢っていた。
次第に体の関係にまでなってしまい、
お金の援助もしてもらっていた。
とにかく子供達にもよくしてくれて、同棲することになった。
その事を知った元カレ(坂井さん)から電話がかかってきた。
『久しぶりやな!
元気しとるか?
お前近藤と一緒に住んでるらしいやん?』
せっかく忘れてたのに…
でも懐かしい…
半年振りに聞く彼の声でした。
『めずらしいじゃな~い!人の物になったから奪いたいんでしょ(笑)
まったく~都合のいいやつ!笑) 』
とりあえず明るく振る舞った。
『あーそうかもな!
でもお前とはどういうかたちであれ腐れ縁で一生繋がってそう(笑)』
そうなのかな…
私はますます彼への気持ちがわからなくなっていた。
彼を好きな気持ちは変わらなかったが、
近藤さんが心配してよく電話がかかってくる。
『明日暇?
たまにはパッ~と飲み行こうよ!』
『そうですね!
子供達、親に預けれるか聞いときますね!』
誰でもよかった。
この寂しさを消したい為に…
近藤さんと二人で飲み行く事になった。
彼の不満を一気に近藤さんに打ち明けた。
『そっかぁー
でも、もう無理なんじゃない?
みかちゃんには悪いけど、ただ単に利用されてるだけだよ!』
とにかく近藤さんは優しかった。
帰り際、車の中でいきなり手を握られた。
『えッ…!』
思わず手を払いのけてしまった。
『あっ、ごめん…
みかちゃん見てるとこっちまで辛くなるんだ。笑ってるみかちゃんはすごく可愛いよ。俺だったら哀しい思いはさせないよ。ちょっと考えてみて… 』
今のは告られたの私…?
正直嬉しかったのは確か…
それでも彼を忘れる事はできなかった。
嫌いって言ったものの、彼の事ばかり考えていた。
彼の会社には、彼が居ないのを見計らって顔を出していた。
その時に必ず声をかけてくれる男性がいた。
彼より二歳上の先輩の近藤さん。
近藤さんとは以前から彼と一緒に食事に行っていたので結構親しげに話ししていた。
『最近坂井がいない時に来るよな?!
喧嘩でもしてんの?』
『いやぁ~そういうわけではないんですけどね…
もうダメかも(笑)
あの人彼女いるし…』
『それは俺も思ってたよ!よくみかちゃん我慢してるな~って。
もう辞めとけ!辞めとけ!
俺の方がよっぽどいいと思うけどな(笑)』
冗談っぽく笑顔で交わしていた。
でもやっぱり、彼が愛おしくて…逢いたい、声が聴きたい。
私から電話してみようと思うが携帯を持つとかけれなくて、
自分の気持ちと葛藤していた。
しかし…
彼には長年同棲している彼女がいる。
私と一緒にいると必ず彼女から電話がある。
『また彼女?
何て? 』
『うちの犬が具合い悪いから病院に連れて行ってって… 』
そんな理由で急いで帰って行く事が多くなり、喧嘩が絶えなかった。
人一倍嫉妬深い私には我慢する事ができず、究極の選択をさせた。
『私と彼女、どっちが大事なの?
彼女が大事なら私は身を引くわ。
私が大事って言ってくれるのなら彼女とは別れて欲しい 』
彼の返事は…
『彼女とは別れきれない。ただ彼女に愛はないんだよ。
彼女には精神面でも金銭面でも随分助けてもらったからな…
情だろうな~
みかの事は本当に好きだし、大切に思ってるよ! 』
『何それ~!!
私ってただあなたにとって都合のいい女じゃない!
もう嫌!出て行って!』
私は狂うくらい荒れていた。
付き合ってた彼、坂井さんとはたまに電話で話す程度でしたが、ある日仕事の取引で偶然彼の会社に訪問する事になりました。
『大伊会社(仮名)の青木です!よろしくお願いします!』
彼がいたので何だかすごく恥ずかしかった。
その後も頻繁に彼の会社を訪問する様になった。
離婚以来、二人で逢う事はなかったが
仕事をさぼって彼と食事に行ったり、時にはホテルにも…
深入りしていってる自分に嫌悪感と腹立ちさえ感じていた。
それなのに……
仕事は彼のお陰で優秀な成績をとっていた。
給料も安定し、早朝の仕事は辞める事にした。
次第に彼は家に頻繁に来るようになりました。
子供達もすっかり馴染んで休日には遊びに連れて行ってくれたり、月に一度はうちに泊まったり…
母子家庭という事で不安と恐怖の毎日だったが彼が近くにいてくれる事で安心と喜び、そして何より寂しさを埋めてくれていた。
彼には長年同棲している彼女がいる。
両親には離婚する旨を話しましたが、
本人がいないことには離婚もできず、交友関係を端々あたり行方を捜していました。
そんなある日…
自宅に旦那から電話がありました。
『最後に聞くけど、
俺とはもうやっていけないんだよね?』
『うん。ごめんけど無理…』
『わかった。
実家に呼んで一緒にやり直そうと言いたかったが、お前がそんな気持ちじゃな…
』
その数日後、離婚届にサインしたものが送られてきた。
私達の結婚生活は
あっさりと三年で幕を閉じた。
両親は同居を勧めたが、私は意地でも拒んだ。
早朝から牛乳配達、
日中は営業の仕事、
副業でネットビジネス…
毎日帰宅するのは7時を過ぎていた。
保育園に迎えに行くといつも三人だけが残っていた。
毎日ヘトヘトで休む暇もなく、離婚を後悔したが、子供達のたくさんの笑顔と笑い声で勇気づけられていました。
一括の返レスですみません💦
皆様、レスありがとうございます🙇
最後まで書いて行きますのでお付き合い下されば嬉しいです➰
仕事と家事の合間に書いてますのでゆっくりの更新になります。ご了承下さい🙇💦
私は正直に明かしました。
『好きな人がいるの。私達はもう以前から終わってたよね?
あなたも自分自身私に隠してる事あるでしょ?』
しばらく黙り込んでうつむいたままでした。
そこには初めてみる大粒の涙…
旦那があの時何を言いたかったのか…
今でも真実はわからないまま。
翌日の早朝、旦那は何も言わず身一つで家を出て行きました。
当たり前の様にお店の開店準備をしてる父と母。
旦那がお店に入る時間になっても来ないので私に電話がありました。
『まさ(旦那)は?
具合いでも悪いんか? 』
『あっ…うん……。私も。今日は休むから』
父から電話があるまで私は旦那が家を出た事は気付かなかった。
そのまま旦那は二度と私と子供達には逢う子供はなく二ヶ月が経ちました。
待望の男の子で旦那も両親も喜んでくれました。
しかし旦那との仲は溝が深まるばかりで夫婦としてはもう終わっていました。
私に内緒で借金をして飲み屋の女の子に貢いでたりしており、それでも私も同等な事をしてきたんだから…と開き直っていました。
でもやはり我慢も限界にたっしたある日旦那に話しがしたいと改めて言いました。
『離婚したい…
親権は三人とも私がとるから… 』
『何言ってんだよ!
男だろ? 』
実はそう…
彼とは電話でマメに連絡を取り合っていました。
付き合って半年、
あまり深入りしない方がいいと思い、ある程度は一線を置いていました。本気になれない相手。月に1、2回しか逢えなかったがそれくらいが丁度いいと思っていました。
そんな中まさかの妊娠…
三人目を妊娠していました。
彼とは避妊をしていたので旦那の子供には間違いなかったのですが、旦那とは離婚を考えていたので
産む事を悩みました。
母親も必死で中絶をすすめていましたが、私には中絶はできませんでした。これは旦那と修復を意味してるのか…
前向きに考えなおしました。
仕事は辞めて
実家の店を手伝う様になりました。
そして三人目を無事に出産しました。
部屋に入ってから
しばらくコーヒーを飲みながら他愛もない話しをしていました。
離婚の経緯。
子供の事。今、ひと回り以上も年上の彼女と同棲してること。
そして…ベッドに入り…
あまりにも感じてしまい、足がつり今まで経験がないくらい燃え上がっていました。
すっかり彼にはまりこんでしまったのです。
別れ際、
『もうお金いらないから…またエッチしたい。 』
私はそれから不倫の道に入りこんでしまいました。
携帯電話を交換し、私は会う事にしました。
お小遣あげるからホテルに行こうと言われており、お金の為…そう割り切っていました。
初めて逢ったのは賑わう繁華街の中心。
人通りも多く、車も渋滞していた。
彼は建築業で現場監督をしている。
いきなり作業着に軽トラで現れた。
うわっ~…色黒のおっさん。
第一印象でした。
電話で話した声、雰囲気はそのままで少し安心しました。
そして颯爽とホテルに入りました。
それから数日経ったある日…
女の子同士が休憩室で何やら木下さんの事を話ししていました。
『あの人、ついにクビになったんだって~ざまあみろって感じだよね! 』
えっ!そうなの?
そう…
木下さんは私だけじゃなく多数の女の子を同じ手口でやってらしくて…
クビになってから二度と出会うことはありませんでした。
何もなかったかの様に仕事を続けていました。
あれから一ヶ月くらい経ち仕事にも要領を覚え収入も安定した頃…
35才、×2がつく男性と会話をしていました。初めてなのに何故か親しみやすく、会ってみたい…
と初めて思う程素敵な人でした。
会社からは原則会ってはいけないという制約があり、もちろん私は厳守していました。
今までは……
『君、上手だよね!続きはまた今度ね!』
そう言って部屋を出て行きました。
仕事が終わりエレベーターに乗ろうとしたら、さっきの職員(以降、木下さん)が乗ってきました。
『さっきはごめんね!怒ってる? 』
『いや… 』
とにかく恥ずかしくて顔を赤くしてるのを突かれた。
『も~可愛いな~
前から覗いてたのに全然気付かないんだもん。』
『えっ!マジですか?いつから?本当に恥ずかしいんで止めて下さい!仕事でやってる事なんですから 』
それから木下さんは私と会社で顔を合わせる度に部屋に入ってきて触ってくるようになりました。
そして終いにはトイレに呼び出され…立ったまま最後までしてしまいました…。
旦那とのエッチもご無沙汰になっていて、そんな仕事をしているうちに本当に電話でエッチをしていました。
ある日そんな行為の最中にカーテンから営業の職員が見ていたのです。
心臓が弾けそうなくらいビックリしたと同時に恥ずかしくて…股を広げてた足をサッと下ろそうとしたらその職員は
『しっー…続けて!』
と言われ……
首を横に振るとその人の手が私の股を触ってきました。
こっちの様子に電話の相手は感ずき電話は切られてしまい…
『も~何するんですか!やめて下さい…』
両隣りにも女の子が会話してるので大きな声も出せず必死に抵抗してました。
二人目が無事に生まれた。またもや女の子…
しかし旦那とは歯車が合わない状態が続き、旦那は仕事が終えるとスナックに通っていました。
次女が3ヶ月になった頃から私は職場復帰しました。
育児と仕事と旦那の事で頭一杯でストレスが溜まる一方でした。
そんなある日、職場の学生バイトの子が、テレクラのサクラのバイトをしている事を耳にしました。
すごく楽しそうに会話してるのを聞き興味津々になってしまい…
テレクラのバイトを始めました。
五階建てのビルの最上階の事務所の中に個室が30くらいありました。
アダルト専門でやると稼げると聞いてたので始めから濃いめで刺激のある生々しくやっていました。
お店に入り出して1年が経った旦那はお客さんから評判がよく、ゴルフの誘いや、お店が閉店してから飲みに行ったりと家庭よりお客さんを優先するようになっていました。
私も仕事に慣れ、人間関係にも恵まれて楽しい職場でした。
そして優芽が一歳の誕生日を迎えた頃に二人目を妊娠しました。
前回の流産があったのでかなり神経質になっていて、仕事も半減させてもらい順調に安定期に入りました。
そんなある日…
旦那が仕事から帰ってきて突然、
『子供産んだらブラジルで暮らしたいんだけど… 』
『はっ?何言ってるの?いきなり何? 』
突然の発言に開いた口が塞がらない…
『お義父さんと一日一緒にいると疲れるんだよね。それにお店継ぎたいとは思わないし…
ブラジルだと家もあるし空き地の土地もある…農業しながらゆったり生活すればみかも働く必要もなくなるよ!』
『でも結婚する時にお父さんから後を継いでくれって頼まれて、あなたはそれに了解したんじゃないの?』
戸惑いと違和感で旦那が言ってる事が理解できなかった。
幸せな順風な日々を過ごしていました。
優芽を出産して半年後に二人目を妊娠…
しかし妊娠が判明してわずか二週間で流産してしまいました。
母乳を飲ませていた為に子宮が収縮して流産してしまったのかも…
その頃から母と育児に対しての意見の食い違いが出てきて家を出る事にしました。
と言っても目と鼻の先…
それくらいが丁度いいかもね!って回りからも言われてました。
そして私は働きに出る事にしました。
大型ショッピングセンターの食品レジ。
旦那は保育園に預けるのは可愛そうと反対でしたが、私が行ってた保育園に優芽を預ける事にしました。
名前は優芽(ゆめ)。
当時、実家に同居していた為、育児に追われる事なく育児と子供の成長を楽しんでいました。
ある日、旦那の両親と初めて対面する事になりました。
実は旦那は日系ブラジル人で両親はブラジルに住んでいました。
両親はあまり日本語が喋れず、旦那が通訳をしてのご対面。
会話は通じなくても
腰が低く、感じの良い方だと感じました。
この日が両親と初めて会った日でもあり最後になるとは思いもしませんでした。
『お父さん…
ごめんね、本当に今までごめんなさい。
ありがとう。 』
父の背中が暗く小さく見えました。
白髪が増え、痩せていて老けこんでいました。
父は結婚の条件に一つだけ頼みこまれた。
それは父の店を継いで欲しいとのこと。
まさくんは二つ返事で引き受けました。
私とまさくんは入籍。間もなく無事に女の子が生まれました。
玄関のドアの音がした。
帰ってきた…
高鳴る鼓動を抑えつけて顔を上げました。
『おかえりなさい!』
『おう…
よう帰ってきたな…
………』
まさくんは真っ先に土下座をして誤りました。
『まっまぁ…頭上げなさい。 』
意外だった。
怒鳴る事もなく、冷静に話し始めた。
『妻からだいたいの話しは聞いてが…
相撲はもう辞めたのかね? 』
『あっ、はい… 』
まさくんは私以上に緊張で固まっていた。
『娘を今まで何不自由なく育てていたつまりだったがいつからか親子としての歯車が合わなくなって娘は俺たち家族を捨てたんだ。
もう諦めてた… 』
時々涙目になりながらも必死に父の本音を語っていた。
『お前が今日帰って来ると聞いて夢じゃないかと疑ったよ…
もう居ないものだと思ってたから…
妊娠どうのこうのより、お前が今こうやって元気に生きてる事が嬉しい。 』
そして最後には
『娘の事、よろしく頼みます。 』
とまさくんに頭を下げたのです。
まさかの展開に唖然としました。
母は始めは感情が高ぶって泣いて会話にならなかったが…
少し落ち着いた頃
『帰っておいで!
帰ってきて産みなさい。 』
それが母の精一杯の言葉でした。
まさくんと話しをし、どっちにしても親にはきちんと頭下げるつもりでいました。
つわりも落ち着き安定した夏、
久しぶりに実家に帰った。
懐かしい…
ホコリかぶったピアノがそのまま置いてあった。私の部屋も…まるで昨日まで居たかの様に全く変わってなかった。
いつでも帰って来ていいようにしてたと…
母とまさくんが初めて対面した。
お互いが挨拶を交わしていた。
父が帰って来るのを待った。
心臓がドキドキして
手には汗…
とにかく待ってる間母と何を会話したのか忘れるくらい緊張していた。
きっと殴られる、
それはまだいいとしても産む事を認めてくれるわけがない…
そんな悪い事ばかりが頭を駆け巡っていた。
『違うよ…
双津国(以後、愛称まさくん)相撲辞めるって。んでちゃんこ屋したいって。
でも…私なんかが一人で産んで育てる事ができるのかなーって不安で… 』
『まぁ…確かに不安になるよね?
お母さんに話してみたら?親なんだから…お姉ちゃんを悪くはしないと思うよ!
親だよ!泣き言言えるのも、迷惑かけれるのも親なんだからさ!私も応援するから…ねっ! 』
なんて情けないんだろう…
妹に慰められてる…
翌日、
母から電話があった。愛がそれとなく母に話してたようだった。
『元気しとうと?
あんた今どこおるんね? 』
久しぶりに聞く母の声だった。
『東京におる…
ごめんね…お母さん。 』
初めて母に謝った気がする。
『妊娠したの。
産みたい… 』
長々と話し始めた。
不安と恐怖…
急に心細くなり
母親が恋しくなった。
でも1年以上も音信不通にしていたのに今更助け船を出すわけにもいかない。
迷った挙げ句妹の愛に電話をする事にしました。
『どうしてる❓
みんな元気❓ 』
『珍しい~
連絡ないから元気なんだろうねってお母さんと話してたのよ!こうちゃんと別れたらしいじゃない。
そろそろ落ちつきなよ~帰っておいでよ!突き放してるけど内心はすごく心配してるんだよ! 』
すごい勢いで次から次に話してきた。
愛の話しを聞いてると涙が止まらなくなっていた。
私は何て馬鹿な事をしてきたんだろう…
妊娠して初めて親の気持ちが身に滲みて心が痛んだ。
『んで元気ないけどどうかしたの❓ 』
『う…ん…。
妊娠したの。
産もうと思って…
双津国の赤ちゃん 』
『うっそー!
お姉ちゃん、相撲部屋のおかみさんになるの?! 』
妹は興奮して聞いてきた。
遠距離で付き合ってた私達の絆は急速に深まり、18才になった春、東京で同棲を始めました。
同棲から間もなく妊娠…
迷いもなく産む決心をしました。
しかし、まだ未成年で親とは疎遠になっていて正直嬉しさより不安の方が大きかった様な気がします。
双津国はまず親方に結婚の意向を話ししました。
『どうだった?
親方許してくれた?』
私は思いもしない言葉が返ってきた。
『相撲辞める事にした。相撲と家庭を両立させる自身がない。今月限りで辞めてちゃんこ店でもするよ!さっきお店している先輩に相談してきたから… 』
『本気で言ってるの?相撲辞めるなんて嫌だよ!今まで一生懸命頑張ってきたのに私のせいで辞めるなんて…
結婚しなくていい。
だから辞めないで!!』
しかしもう
気持ちは変わらないと……
また私のせいで彼の人生を狂わせてしまった。
嬉しい気持ちはなく
嫌悪感で一杯でした。
昼間はパチンコ屋で働き、夜はスナックで。年齢を偽りがむしゃらに働きました。
土日はブライダルのコンパニオンの仕事。
この仕事をやり始めて〃結婚〃に憧れを持つようになりました。
お金を貯めて双津国と結婚したい…
相撲部屋のおかみさんになりたい…
そんな夢を抱いていました。
月に1、2回双津国に会いに東京に行く様になりました。
それが楽しみに日々を過ごしていました。
それから二年が経ちました。
こうちゃんと一緒に居る事が苦しくなり
表情が顔に出ていたのだろう…
こうちゃんから突然 離れて暮らそうか…
と言ってきました。
私は複雑な気持ちに言葉にする事ができずただ頷きました。
そうして私とこうちゃんは別々に暮らす事になりました。
双津国は驚く事なく
真剣に聞いてくれました。
『そうか…みかちゃんはどうしたい❓』
『今の私には子供を産む資格も育てる事もできない。
おろす方向で考えてる。』
私は既に中絶の同意書をもらって決心はついていた。
『俺はみかちゃんの事本気で好きなんだ。でもみかちゃんにはこうじがいるし…
こうじと今後も一緒にやっていくつもりなんだよね❓ 』
『ううん、こうちゃんとはもう終わりの様な気がする。
お互い情で一緒にいるから… 』
それもそう。
一緒になる前からこうちゃんへの愛情はなく、こうちゃんも私の気持ちに気付いてたと思う。
中絶費用は全て双津国が出してくれた。
『申し訳ない…
いつか幸せにしたい』
私も同じ気持ちだった。
こうちゃんの実家から車で30分離れた2DKのアパートに住む事になりました。
緊張がほぐれたのか
ドッと疲れが出てしまい頭痛、吐き気がしていた。
しかしよく考えると生理がきてなかったのです。
そう…妊娠していました。16才でした。
こうちゃんには言えず双津国に相談しました。
実は二ヶ月前、九州場所で双津国と再開し、一夜だけ共にしたのです。
何もなかった…
何もしてない…
私は双津国を愛していましたが、こうちゃんを裏切った事を白紙にしようとしてました。
その日の夜、お母さんが私とこうちゃんに話しがある…と重い口調で言ってきました。
のんちゃんの事だよね…きっと。
思ってた通り
のんちゃんの事でした。
『思春期ののりこにはあなた達二人が刺激過ぎてたまんないみたい。お母さんから言いにくいけど…夜中エッチしてるの、のりこが見てるのよ。
あまりにも無神経過ぎないかな…
こうじものりこばっかり怒って…どんな気持ちかわかるね!?』
だんだん口調が荒くなり涙混じりで話し出した。
黙って聞いてましたが話しの途中で私は話しを横切り…
『あの…
私出て行きます。
すみません。
何もかも私が悪いんですよね!』
するとこうちゃんが
『みかは悪くない!
のりことお袋が理解がないだけだ!
もういい!一緒に出て部屋探そう!』
しばらくみんな無言だった。
『わかった。
じゃあ…そうしなさい。 』
お母さんは何かホッとした表情でした。
自分の歩いて来た人生を大切に思って下さい
まだまだこれから生きて行く人生は半端じゃ無いですよ
又それだから他人の悩みが心に響く大人になります
もっと欲張りになりなさい
今のあなたならばどんな苦労も乗り越えるたびに新しい発見が待っています
そう言う人には… 神様から悩み多い人達を励ます
そんな老人にいつかなれますから
夕飯の準備が出来た頃、のんちゃんとこうちゃんが帰って来ました。
『のんちゃん、こうちゃんおかえり~』
のんちゃんは無言で部屋に入っていった。
布団を足で蹴り、
のんちゃんのマグカップを勝手に使ってた私に
『このコップ私のなんで勝手に使わないでくれませんか?!』
いきなりのブーイング…
『あっ、ごめんね…』
するとこうちゃんが
『お前、そんな言い方ないだろうが…
物の言い方考えろ!』
『お兄ちゃんはうるさいの!いつもみかさんの肩ばっかりもって… 』
二人の言い合いを黙って聞く事しかできなかった。
お母さんも黙って聞いていた。
『さっ、ご飯食べますよ! 』
『私いらない…』
そう言い残し部屋に閉じこもってしまった。
面接も終わり無事に採用が決まりました。
援助交際、風俗しか経験がなく、働く事が初体験。
勤務初日からパートのおばさん達からのダメ出しに疲れていました。
『はぁ~疲れた…』
布団の上で横になっていた。
するとお母さんが帰ってきた。
物静かに
『みかちゃん、帰ってたの~ 』
エプロンを羽織いながら何か言い足そうに台所に行った。
あっ、いけない…
私何か夕飯の準備手伝わなきゃ…
こうちゃんは仕事でまだ帰って来てなく
心細く…
恐る恐る台所に向かった。
『夕飯の準備手伝います!何かやりますけど… 』
『あらそう?
じゃあ、そこのジャガ芋と人参剥いてくれる? 』
居候して二週間。
この頃からお母さんと会話ができる様になりました。
陰では文句言われているのはわかっていましたが…
私は居候なんだから耐えるしかないのよ…
そう、こうちゃんとも話していました。
そう言えば…から始まったこうちゃんは話しを始めました。
私のお父さんから昨晩電話あって怒鳴られた事…
私とは縁を切ると言うこと…
その話しを聞いて
逆に安心した面持ちでした。
まず私も仕事を見つけ働かないと!
その日から就活を始めました。
田舎なので町の駅付近で捜しているとちょうど駅前にあるサテ●の中の衣料品売り場のレジの募集広告が貼ってあるのを見つけました。
これよくない?
しかし年齢が18才から…まだ16才の私。
ごまかすしかないな…
早速電話してみた。
面接の日時を指定され幸先よくスムーズに終わりました。
そんな家族の中に突然居候の身になった私。
新しい生活がスタートしました。
早朝5時。
バタバタ物音と話し声で目が覚めました。
私が寝ている布団の上をまたがり行ったり来たりする妹ののんちゃん。
もともとそこの部屋はのんちゃんの部屋でした。
しかしこうちゃんは私に気遣ってか
『のりこ!
もう少し静かにできんのか!こっちは寝てるんやぞ!』
『はぁ~? 』
と、ふて腐れてドアを思い切り閉めて出て行きました。
『くそ~あいつ!!
みか…うるさいよな… ごめんな』
そう言ってまた寝てしまいました。
こうちゃんは相撲を辞めてから地元の知り合いの紹介で土木建築業に就職しました。
その日は雨で仕事は休みになり私達は昼近くまで布団の上でゴロゴロしてました。
こうちゃんには9才離れた妹と2才下の弟がいました。
妹は中学3年の思春期。弟は仕事で大阪へ行って一緒に住む事はありませんでした。
こうちゃんのお父さんは仕事もせず、朝からお酒を飲み、借金、ギャンブル、ガリガリの体で今にも倒れそうなくらい蒼白い顔…
そんなお父さんでも私には優しく
『こうじの彼女か~
こうじの事たのんだよ~
こうじはこんなべっぴんなおなご、どこで見つけてきたんか(笑) 』
とよく声かけてきたものでした。
そして、おばあちゃんも同居しており、
タバコ屋で朝から夕方までお店の端で小さなテレビを見ながら店番をしていました。
このおばあちゃんは大正生まれだからなのか気が強く、嫁姑問題でお母さんはかなり苦労してきた様でした。
お母さんが1番に心配してた事は妊娠の事でした。
今妊娠とかしても産んで育てるとか絶対無理なんだからね!
口説いくらい繰り返して話していました。
それくらいは私もわかってる…
というか…
〃結婚〃というものに私は全く興味がなかった。
自分の親(夫婦)を見てきてとくにそう思うのかもしれない。
『まぁ~こうじからは聞いてたけどね、
おばさんもどうしたらいいかと思っててね…
あなたがまだ未成年だし、それをこうじにもずっと話しはしちょったんよ。
ご両親にはきちんと言って出てきたの?』
『一応は言っては来てます。 』
『一応って……
ほら~だからこうじ! 』
こうちゃんに目で何かを訴えて深くため息をついていました。
『今そんな事言っても、もう出てきてるんだから…
かあさんには迷惑かけないから…
ただ家が見つかるまで居させてくれよ』
そう言って話しは長々と続いていました。
『まぁ、中に入りなさい… 』
玄関という玄関ではなく小さな商店(タバコ屋)をしていて、
そのお店から自宅に繋がっていた。
築50年も経つ家らしい…
台所なのに何故か土足?
トイレもお風呂も靴で移動して離れにポツンとある…
何もかも始めて見る光景に唖然とした
戦後のテレビで見た事あるような昔の家。
『みか…
びっくりしたよな…
ちょっとここで待っててな! 』
靴を脱いで上がって通されたこうちゃんの部屋…
薄い窓ガラス越しにお母さんと妹さんの部屋…
6畳の部屋にタンスがいくつも並べてあって妹の学習机もある。
ありえないわ~
ここで寝るわけじゃないよね…
するとお母さんとこうちゃんが部屋に入って来ました。
『お母さんに何て言ったらいいのかな?
お父さんは? 』
お父さんはいるかいないかわからない存在。お母さんは昔かたぎの人で曲がった事がキライ…
とりあえず挨拶をきちんとすれば問題ないよ!
そんな話しをしながら実家に辿り着きました。
『こんにちは!
初めまして… 』
とりあえず大きな声で笑顔で挨拶してみた。
しかし…
『こうじ!!
ちょっとあんたどういうつもりなん?』
『もう~かあさん!先週からちゃんと話してたやんけ~ 』
山口弁で早口で何言ってるのかわからない…
とにかく気まずい状況…何か言わなきゃ…
『あっ…あの~
すいません。この度は私のせいでこうじさん、相撲辞めさせたみたいで… 』
舌がうまくまわらなくてカミカミで話していました。
こうちゃんが住む山口県は私が住んでた場所から電車で2時間のとこにあります。
家を出た日も電車を乗り継ぎ小郡駅に着きました。
知らない土地
知らない人
こうちゃんだけしか頼れない
これからが更なる冒険の旅になったのです。
駅にはこうちゃんが迎えに来てくれていました。
『みか~!』
車の中から手を振っていました。
いつの間に免許とったんだろ…
白のレビン
車だけでかっこいい~って感激してしまいました。
『こうちゃん!!
本当に来ちゃった(笑)』
『おぅ、よく来てくれたな~嬉しいよ!
来月くらいに引っ越しするからそれまでは実家で我慢してくれな! 』
そう…
実家っていう話しは聞いていました。
だから尚更
こうちゃんのご両親に何て挨拶したらいいのか…
電車の中ではその事ばかり考えていました。
母親だけにはきちんと言って家を出ようと思ってたので、
家を出る三日前に
二人でご飯食べに行きその際に話しました。
『私こうちゃんと一緒に住もうと思ってるんやけど…』
『こっちで住めばいいじゃないの!
わざわざ山口なんて全然知らないとこに行かなくてもいいじゃない!』
始めは反対していましたが、私が言うことは決して曲げない事を思い知ったのか、許してはもらえませんでしたが最後は
黙って見送ってくれました。
電話のベルが2回なって若い女の声が聞こえました。
ん?誰だろ…
『すいません。
青木と申しますが
こうじさんはいらっしゃいますか?』
『いますよ!
今かわります!』
そう言ってこうちゃんにかわりました。
『もしもし…
みか?!
どうして家の番号分かったんだ? 』
双津国と会ってこうちゃんの話し全部聞いた事を話しました。
『あいつ…!
また余計な事話し やがって…!!
久しぶりに聞くこうちゃんの声…
でも私にはこうちゃんに対する愛は冷めていました。
高校を中退した事を話すと思ってもみなかった言葉が返ってきました。
『俺さ、ずっとみかの事が忘れられなくて…今でも好きなんだ。一緒に暮らさないか? 』
私のせいで相撲を引退し、うつ病になってしばらく入院してたらしくて…
次は私が責任を負う立場なのか…と考えました。
『ごめん、こうちゃん…今返事をする事はできない。
また週末電話するから』
そう言って電話を切りました。
私の話しを真剣に聞いてくれ、優しい眼差しで私をじっと見つめていた…
何かドキドキするものがあった。
初対面の時なんて5分も話してなかったのに…
『よ~し!今場所は頑張るぞ!みかちゃん見に来てよ。 』
そう言ってチケットをもらいました。
家路についてからというもの、さっきまでの癒された空間を思い出していました。それと同時に全く知らなかったこうちゃんの事…
複雑でした。
今更電話もできないし…
でも一言謝りたい。
意を決して次の日電話してみる事にしました。
私は烏龍茶で双津国はビールを注文し、とりあえずまさかの再開に乾杯をしました。
話しを聞いてると知らない事ばかりが
話題になり、突然の事で耳を疑いました。
実はこうちゃん、相撲を引退してたのです。
私の人生を狂わせたのは自分のせいだと…自分の中で責任をとった結果が引退でした。
そう。
受験が終わったあの日に自宅にかかってきた電話がある意味
さよならのメッセージだったのかもしれない…
こうちゃん…
ポカンとしてた私に
『しかし、みかちゃんあの店は辞めた方がいい。どうしてあんなとこで働くの? こうじが知ったら泣くぞ! 』
『うん…
私腐れてしまったのよ。親からも見離されて… 』
そう言って高校を中退した事を話していました。
私は知らない顔をしていかにも初対面の挨拶をしました。
すると
『ヤバいと思ったでしょ?まさか忘れたとは言わないよね!』
そこまで感づかれてるとは…
『あっ…っ、はい。
すみません。
お久しぶりです』
思わず二人して苦笑いしました。
1時間も何もせず会話だけが弾み…
『もったいないから 私もう上がります ので外で話しませ んか? 』
『おっ、そうだな!』
そう言って居酒屋に入りました。
高校1年の9月私は中退した。
短かすぎる高校生活でした。
今思えば高校行かなかった事をすごく後悔しています。
こうちゃんが言ってたあの言葉…
行くだけで意味がある。
確かにそうだったと思います。
高校中退で仕事はなく、風俗で働くようになっていた。
年齢を偽り、背伸びして大人の女性を演じていた。
仕事で仲良くなった友達とも本当の年が言えなくてずっと嘘に嘘を塗り重ねていました。
10月も半ば…
お店に入っていると懐かしい匂いがしました。
振り向くと力士がいました。
そっかぁ~また地方場所の季節か…
と思いながらふと、こうちゃんを思い出していました。
入ってきた力士は私を指名してくれて…
実はその力士は以前こうちゃんと一緒にいた時に会った事のある力士でした。
こうちゃんには悪いが長身で男前でブラジル育ちで…
名前は双津国。
当然ファンも多く人柄が良いので先輩力士からも慕われていました。
『いつか言ってやろうと思ってたけど、
あんた目障りなんだよね!練習に集中できないんだよ。 』
『だから何ですか? 悪いところは以後気をつけますが顔の事を言われても困ります。
お先に失礼します 』
悔しくて泣きたかった。精一杯我慢して強いふりをしていました。
しかし我慢も限界を超え又もや学校を休む様になりました。
またか…
きっと親はそう思ったはず!
次第に自分の弱さに情けなくなり親に対しても申し訳ないという気持ちになっていました。
『学校辞めたい…
辞めて働きたい。』
思いきって母親に話しをした。
『辞めたらダメって言っても行く行かないはみかだからね。
みかが辞めたいならお母さんは何も言えないよ。 』
また家出すると思ったのかもしれない。
だから怒らなくなったし、干渉しなくなった。
陸上部には男子が8人、女子が3人。そして女子のマネージャーが1人。
入部した時には1年は6人いたのですが徐々に退部していき私一人になっていました。
その頃から先輩女子からの嫌がらせが始まり、1学期終わり頃には更にエスカレートしたのです。
先輩からは顔が気に入らない、生意気なんだよ、男の前では態度が変わるとか…とにかくそういう事が気に障った様で…
それでもツンとした顔で追い打ちをかけるかのような態度をして改める事はしませんでした。
練習が終わったある放課後…
部室に置いてたはずのバックが荒らされており財布がなくなっていました。
その後から先輩が部室に入ってきて
尋ねてみました。
『あの…あたしの財布がなくなってるんですが知らないですよね? 』
『何?そんな事知らないし…あたし達を疑ってるわけ? 』
『いや…そういうわけではないんですが…すみません。 』
そう言って部屋を出ようとしたら
いきなり腕をつかまれ押し倒された。
高校に入り私は陸上部に入部しました。
もともと体育会系で走るのは得意でした。ピアノもしたい気持ちはありましたが、父親の期待に添いたく反発であえて陸上部を選びました。
朝の早朝練習から始まり夕方も遅くまで懸命に走り続けていました。今までの私とは周囲が驚く程全く変わり、意欲に燃えていました。
学校生活にも慣れ彼氏もできて友達関係も順調にうまくやれていました。
受験した高校は中学校に合否の通知がいっていました。
朝礼が始まる前に1番に担任から呼ばれた。
『青木さん!!
おめでとう! 』
うそっ?!
合格してるなんて思ってなかったので正直びっくりした。
不合格だった時の事を親は一生懸命悩んでたのでまさかの
展開でした。
そうして長かった中学校生活が終わりました。
また春がきて、
桜が咲いた
去年を思い出す
長かったなぁ…
そして高校生になった私は少しずつですが真面目に勉強に部活に励むようになっていました。
しかし…
また…
月日は経ち年が明け、
父親の態度もすっかり変わり逆にあまり干渉しなくなりました。
焦ってるのは学校の先生と母親。
受験を控えてるのに全く勉強しないで不良仲間と遊んでばっかりいました。
父親が何も言わないのである意味挑発していたのかもしれません。
それでも進学を望んでいた母親。
とりあえず受験する事にしました。
受験が終わったある日自宅にこうちゃんから電話がありました。
こうちゃんを裏切って何人もの人とセックスをして、また付き合いたいなんて思っていませんでした。
呆気ない会話で端的に電話を切った。
こうちゃんからの本当の愛情をその時は理解する事ができなかった。
そして合格発表の日を迎えた。
目の前に立っていたのはこうちゃんではなく…
父親でした。
一瞬殴られるかと思って顔を下げました。
すると父親はその場で泣き崩れてしまい…
『お父さんが悪いんだよな…
ごめんな…みか…
許してくれ…
頼む…帰ってきてくれ… 』
信じられない。
何か演技でもしてるかの様な態度…
でも父親の涙に逆らう気はなかった。
結局父親と翌朝帰る事になりました。
また夜来るから…
そう行って部屋を出ました。
わたしは反省するどころか、この場からどうやって凌げるかしか考えていませんでした。
誰の言う事も
聞きたくなかったし、自分自身も嫌いになっていました。
日も暮れてシーンとした部屋でベッドに横になり天井を眺めていた。
その時部屋のチャイムがなった。
あれ?早い!
こうちゃん?
そう思ってドアを開けた。
マネージャーはこうちゃんに代わる様に話し始めました。
迷惑をかけてるのはこうちゃんだけではない。親方を始め、相撲協会まで…
私が未成年という事が大きな要因であるって事。
私とこうちゃんの将来の為に傷付けない様に最低限に配慮してくれてる父親の事…
聞けば聞く程涙で溢れていた。
そして頭を抱えて下を向いてたこうちゃんが頭を上げた。
『それでもまだ迷惑かけれる?
俺は鎖繋いで帰らせるつもりはない。
ただ俺は成人で保護しなければいけない立場なんだよ。
とにかく今日はこの近くのホテルに泊まりなさい。』
そう言って宿泊先まで連れて行ってくれました。
マネージャーは先に帰って部屋に二人きりになった。
息ができなくくらい強く抱きしめられ…
『もう少しの辛抱じゃないか…』
そのまま抱きしめてるだけだった。
ベルで今から行くから…と連絡をし駅前のファーストフード店で待ち合わせる事になりました。
着いた時にはこうちゃんと隣りにもう一人座っていました。
『みか…
約束破ったな!どうして色んな人に迷惑かけるんだよ!!
そんな奴とは思わなかったよ。もう付き合ってられないな!』
思わず私は反発してしまい…
『別に付き合って欲しいなんて言った覚えはないけどね。
私はどうなってもいいのよ。こうちゃんにはもう関係ないし… 』
するといきなり殴られそうになった。
隣りにいた人、こうちゃんのマネージャーが必死にとめてくれましたが、こうちゃんがあんなにも怒った姿は初めて見ました。
『ごめん…
迷惑かけて…
でも、あたし家が嫌なのよ。くそおやじの顔二度と見たくないの。 』
私は周りを恥じらう事なく声あげて泣いていました。
殆ど眠れないまま朝になった。
おじさんは約束通り3万を手渡して
ホテルをあとにしました。
電源をオフにしてたポケベルを入れてみた。
するとすぐにベルがなった。着信を見てみるとこうちゃんからでした。
『すぐに連絡して!』
だいたい予想はついていました。
また父がこうちゃんに連絡したんだな!とピンときた。
絶対こうちゃんには会わないと思っていたのに…
私の足は両国に向かっていました。
『先にシャワー浴びてくるから… 』
おじさんはさっさと浴室に行った。
私は色んな事を考えた…おじさんについて来たものの…おじさんが持っていたバックがソファーの上にある…
財布を持ち逃げしようかな…
どうやって逃げよう…
妄想してる間に浴室から上がってきた…
『どうした?君も入っておいで』
仕方ない…
もう、いい…
おじさんとセックスするしかないんだ…
おじさんのセックスは優しく、大人びてて、濃厚で…
一つ一つが初めて体験することばかりでした。
愛のないセックスが こんなにも気持ちいいとは……
私はそれがきっかけでセックスに溺れてしまいました。
その空箱には…
『一人?
もしかして家出してきたの? 』
え~!!何でわかるの?
私は正直に答えました。
『そうよ。』
『おじさん怖くないからちょっと付き合ってくれない?』
目を合わせた…
と同時に立ち上がった。
私は必死におじさんに付いて行っていました。どこに連れて行かれるのかも知らずに…
着いたとこは静かなこじんまりした喫茶店。
そこで初めて口を開きました。
家どこなの?
これからどうするの?お金はあるの?
………次々に質問され、
『そうか、お金あげるから今晩だけおじさんと一緒に寝てくれないかな?』
何故か優しそうな人に見え恐怖はありませんでした。
そしてホテルに入った。
高層ビルが辺り一面建ち並び、人が次々と行き交う…
ぶつかってきても知らん顔。
いきなり怖くなった。
右左もわからずとりあえず駅のベンチに座りました。
しばらく行き交う人を眺めていると40代くらいのおじさんが隣りの椅子に座ってきました。
肘が私の腕に当たった…
ビクッ!何!?
恐る恐るそのおじさんの顔を見ました。
するとタバコの空箱に何やら書いていた。
すると次はそのタバコの空箱を私に渡しました。
書き置きした手紙には…
『もう家にいたくない。あたしは好きに生きます。探さないで下さい。』
あたしは東京なら何か楽しい経験ができるかもしれない…
短絡的な考えだけで東京に向かっていた。
新幹線でわざと遅いこだま号で時間を調整させた。
冒険に行くみたいで不安は全くなかったが、こうちゃんの事がやっぱり頭の隅に
ありました。
私が突然会いに行っても喜んでくれないだろうし、すぐに家に連れ戻される。
そんな事を考えているうちに東京に着いた。
しばらく考えた…
ピアノも
勉強も
こうちゃんも
家族も私には必要ない…
私はどうにでもなっていい、どうにでもしろ!と開き直っていました。
とにかくこの家が嫌!
あたしは家出する事にしました。
家の和室に置いてる鍵の付いてない金庫。
あたしはそこから数十万を取り、書き置きをして家を出ました。
ならないポケベルを肌身離さず持ち歩いてたが、鳴ることはありませんでした。
半月が経った頃…
こうちゃんから手紙が来ていました。
嬉しさ半分、別れの手紙?と不安と…
恐る恐る封を開けました。
すると思ってもみなかった内容が…
みか、ごめんな。
電話で話そうと思ったけど声聴くと辛くなるから手紙にした。
実はみかのお父さんが俺のところに来たんだよ。
みかは今大事な時期だから付き合わないで欲しい。
深々と頭を下げてお願いされたんだ 。
俺もみかの為だと思って決めた
みかが高校受験が終わるまで連絡しない
終わるまで待ってるから…
その後は読んでない…ただ呆然としてしまった。
こうちゃんだけが私の支えだったのに…
その時は不思議と涙が出なかった。
父への恨み、憎しみだけが沸き上がっていました。
毎日、励ましのメールに勇気づけられる日々でこうちゃんのお陰で信じられないくらい頑張れました。
夏休みも終わり9月のある日…
朝からこうちゃんからのメールがこない…
”おはよう”から一日が始まるメールが来てない。
ベルが壊れたのかな…どうしてだろ…
結局その日一日こうちゃんからの連絡はなかった。
きっと何かあったに違いない
次の日私はこうちゃんがいる相撲部屋に電話をしてみた。
『あの~飛龍勝さんいますか?青木と申しますが…』
『…………』
『もしもし❓…』
近くで何やらコソコソ話し声がした。
『今出ておりますが…』
『あっ、そうですか⤵。 』
何かおかしい。居留守だ!居留守使われたんだ。
でもどうして❓
嫌いになったの❓
学校では既に進路について個人面談があっており、正直私が行ける高校は私立の低レベルの学校くらいの学力しかありませんでした。
毎日ポケベルで連絡を取り合ってたこうちゃんに早速相談しました。
『私高校行きたくないんだけど、こうちゃんはどう思う❓』
すると…
『行かないで何するの❓高校は行くだけで意味があると思うよ!勉強だけが高校じゃないよ!』
………返信に困った。行かないでこっちにおいで!って言ってくれる事を密かに期待してた自分がいました。
夏休みに入り家庭教師を付け、毎日勉強、勉強…。
とにかく高校に行こう!と決めピアノはしばらくお休みする事にしました。
帰り着いたのは8時半を過ぎていた。
家の明かりが消えている…
なんか嫌な予感…
その時、家の電話がなった。
『もしもし…
』
『みか❗❗お前何やってんだ❗今までどこ行ってたんだ❗』
予感的中…
いきなり父からの怒鳴り声。
『友達と遊んでた…
』
『お前ピアノがある事わかってて遊んでたんか❓❗』
『忘れてた… 』
父の声は更に荒くなり怒り狂ってた。
『貴様ー❗帰ってから覚えとけよ❗』
そう言って受話器を切られた。
その時母は学校に行ってた様で警察に捜索願いを出そうとしてたみたいで…
母は私を怒る事はなかった。
私が反発しても黙って泣くだけでした。
その日も『お父さんにはちゃんと話しておくから今日は早く寝てなさい』と言われ父は知らない間に
帰ってきてました。
朝も顔を合わせる事はなく、何もなかったかの様に学校に行きました。
その時、こうちゃんの足がストップした。
私の顔をじっ―と見て…何か言おうとしてる。
わかってた。
私は一言…
『大丈夫だよ!行こう!』
そうして私は初めてセックスをした…
中学3年、14歳の春でした。
ホテルを出たのは7時を過ぎていた。
家に帰ったら絶対怒られる。
『帰りたくない…』
『どうしよ…』
こうちゃんはただ謝り続け一緒に俺も行くから…と言いました。
でも……
『ううん、うちのお父さん何するかわからないよ。大丈夫、私一人で帰れるから…後で連絡する』
さっき一緒に買ったポケベルを見せつけて平気な顔して家路に急ぎました。
トントンと私の頭を軽く叩く。先ずは空港内のレストランに入る事にしました。
『学校休んで迎えに来てくれとは頼んでないけどな!』
会って早々の説教…
『だって早く逢いたかったんだもん!
夕方からはピアノがあるし、夕方お母さん帰ってくるから休めないし…』
私は半泣き状態で話していた。
すると…
こうちゃんの大きな手が私の手を引っ張り、ギュッと握ってくれ……
『ごめんな~
俺、何もみかの力になってあげれてないよな~』
それからタクシーで街に出る事にしました。
繁華街を手を繋いで歩き、無言にならない様に、私はひたすらたわいのない話しをしていました。
ピアノの時間も忘れて…
1度もさぼった事なかった私が…
そして歩いていると目の前にホテル街に入ってしまいました
こうちゃんと会うのは月曜日。
逢いたい、早くこうちゃんに逢いたい。前夜から頭の中はこうちゃんの事ばかり考えていました。そして当日になった。仮病を使い学校を休み、母が店に入るのを見計らって家を出ました。
こうちゃんに会える…今まで何十通の手紙のやりとりをしただろう。
電話も長電話で父に殴られた時もあった。
夜中に家を抜け出して公衆電話まで走った事も…
お昼には空港着くと言っていたが私は1時間も早く着いていました。
電光掲示板をみて
あっ、この飛行機だ!
座って待つ事もできず到着ロビーを行ったりきたりしていました。
こうちゃんが乗ってた飛行機が到着。
一番先頭におりてきたのが見えました。
力士なので目立つ目立つ!
『こうちゃ~ん!』
思わず叫んでしまいました。
『おっ、びっくりしたぁ!!久しぶりだな。
それよりお前学校は!?』
この日、こうちゃんから電話がありました。
『どうだった?学校は?馴染めそう?』
『う……っ…ん。』
『どうした?元気ないじゃん?』
それから1時間くらい長々と不安で仕方ない事を漏らしていました。
こうちゃんとはすでに電話では何回も話してはいたけど、会ったのは相撲観戦したあの日だけ…
『こうちゃんに逢いたい。』
今まで溜めてた思いを言ってしまいました。
『それを今日話そうと思ったんだよ~
来週休みがとれたからそっち行こうと思ってさ』
『えっ?ホントに?
めちゃくちゃ嬉しい!!!』
私は嬉しさのあまり学校への不安は忘れていました。
始業のチャイムがなった。
校長室から教室に入り…
『白金中から転校してきた、青木みかさんだ!みんなよろしくな!』
早速の自己紹介。
『青木です…
よろしくお願いします。』
なぜかざめく教室。
恐くて顔を上げる事がてきませんでした。
そして中休み…
何人かの女の子が寄ってきた。
『白金中の〇〇君知ってる❓私いとこなんだよ!』
うそっ…
何で、、、
何か嫌な予感はしたものの噂は早いもので不登校だった私の事をすでに聞いてたのです。
初めての転校。
期待と不安…
久しぶりに着た制服にガヤガヤ賑わう学校。
母と共に正門を通った。
正門から長い坂道を上る真っすぐな道
桜が私を出迎えてる様な何とも言えない光景だった。
『心機一転頑張るのよ!悔いのない中学生活をね!』
と母は玄関に入る前につぶやいた…
お店が定休日の夜
父に学校に行きたい!と話しました。
『おっ、そうか。
お父さんも色いろ考えてたんだ。
お前がいつ言ってくるか待ってたんだ。
お店に住所を移して転校するかたちでどうか?』
願ったり叶ったりの返答でした。
中学3年の新学期に転校する事になりました。
「みかちゃん、
お手紙ありがとう。
ちゃんと覚えてるよ。この前マネージャーとみかちゃんの事を話してた矢先に手紙が届いてたからびっくりしたよ❗」
そう…飛龍勝さんも私の事を気にしてたようで。
それからというのも私達は文通をしあうようになりました。
私より6歳年上…
一度しか会った事ないのに…
何だろう…この思いは…
こうちゃんと呼ぶようになり、こうちゃんには私の全てを話し手紙にたくしました。初めて自分の思いを吐き出しました。
今まで溜めてたモヤモヤがすっ~と消えていく感じがしました。
こうちゃんは
時には厳しい事も言ってくれました。
『まず学校に行く事。
行くだけで意味がある…
友達なんていなくてもいいじゃない。
』
たったそんな手紙に私は勇気づけられ学校に行く事を決めました。
「飛龍勝さんへ…
先日千秋楽でお会いしましたみかです。
覚えてないですよね❓
あれからすごくファンになりました。
頑張って下さい。
応援してます」
一枚の便箋にたったそれだけを綴った手紙を送りました。
そして10日が経った頃…
思いがけない事に返事の手紙が来てたのです。
ドキドキしながら封を開けました。
次第にピアノは疎かになってしまい、父の嫌煙な態度があからさまにぶつられていました。
顔を合わせる度に
『お前いい加減にしとけよ💢』
『わかってるってば~』
そんなやりとりだけでした。
相撲名鑑を買ってきてあの日会った若手の力士を見つけた。
『あっ、いた❗』
その力士の四股名は「飛龍勝」
私は手紙を書く事にしました。
興奮が冷めないまま相撲は結びの一番を迎えた。
結局優勝は千代の富士でした。
帰りのタクシーの中で社長が相撲のうんちくを語り出しました。行きは一言も喋らなかった私だったのに、真剣に話しを聞いてる私がいました
すっかり相撲にはまり込んでしまったのです。
変わらずピアノも懸命に練習をしていましたが、相撲に対してもっと知りたいと思う様になり、あらゆる情報を集めました。
『あそこにいても見えないでしょ❓ここに居ていいよ❗』
そのおじさんは元力士で当時は部屋のマネージャーをしていました。
暇だったのか色いろ話しをしてきました。
『家近く❓
歳は❓
どの力士が好きな の❓』
急な質問にあたふたし
『18歳です❗千代の富士の大ファンなんですぅ❗』
と嘘ばっかり…
4歳もサバ読んでるし…隣に若手の力士がいた。
『そうか…若いな~ うちのでし、こい つ応援してよ。将来有望な奴だよ。』
『あ…そうなんですか~』
上位力士の取り組みになるとさすがに慌ただしくなり私はその場から離れざるおえなくて席に戻った。
千秋楽の一番盛り上がってる日。
満員御礼の垂れ幕がさがっており熱気で溢れていた。
会場に入ったとたん次々に力士が目の前を通って行く
びんづけ(髷につける油)のあの独特なにおい、あのたくましい肉体に不思議と引き込まれたのです。
社長家族は早々と席に着き観戦してましたが私は支度部屋から出てくる力士達を見たくて花道と呼ばれる力士が土俵まで行く通り道に立っていました。
すると、
関係者立入禁止の場所に座っていたおじさんが私に向かっておいでと手を振っていました。
『えっ❓私❓』
『あっ
ここにいたらダメなんだよね。』
と思い『すみません』と頭を下げながらおじさんのところに寄って行った。
そんなある日、父がやってるお店のお客さんから相撲のチケットをもらいました。
そのお客さんは後援会会長で会社の社長。
でも相撲…
全く興味ないし、行きたくないな~
千代の富士くらいしか知らなかった私は渋々、社長家族と祖母と行きました。
それが私の人生を大きく左右したのです。
給食が終わると1時間半フリータイム。
園庭があり、そこでサッカーしてる男の子やドッヂボールしたり、女の子4人は専ら部屋で遊んでいました。
漫画が好きだったともみさんは、いつも漫画を書いていました。
同級生のめぐちゃんとはよく恋愛の相談を受けていました。
私はいつも聞き役。
ホントは誰かに話しを聞いて欲しかった。でも話せる人、信じれる人が居なかったって言うのが正確かもしれない。
フリータイムが終わると掃除が始まる。
それからまた課題学習。
毎週金曜日には学園長と言われる人がやってきて集会がありました。座禅をくんだり、癒しの音楽を聴いて黙祷…
私にはつまらない、
何をしたいの❓
何を求めてるの❓
と思いながら時間が過ぎていきました。
年齢は中学一年の私が最年少で同級生が三人いました。
明るく可愛いごく普通の16歳のめぐちゃん。ちょっとぽっちゃりで活発なお姉さん18歳ともみさん。
不良あがり❓の見た目が怖い18歳和哉さん。
鬱❓と思うくらい暗くて何も喋らずゲームばかりしている浩一さん21歳。
私入れて5人が同じグループで12畳の部屋に机を並べ、それぞれ与えられた課題を各自やっていました。
人それぞれで大学受験を目指してる人は黙々と勉強してるし、小学校から不登校の人は割り算を勉強してる人もいました。
私は心理テスト、読書感想文…
今思うと正直何しに行ってたんだろうと思います。
お昼にはみんな集まって給食です。
それなりにみんなワイワイ楽しんでいる様に感じていました。
別に不満はなかったけど何か私が居る場所ではない。
なんか…
何か違う…
私は一体何をしたかったのか…
その施設は「輝きの里」という中学生~社会人の為の更正施設でした。
私の意向も確認しないまま入学する事になりました。
家から電車で40分、さらに駅から徒歩で15分の超~田舎のところにその施設はありました。
男の子が15人、女の子が4人。そして指導員が5人。男の子は全員寮生活。
2階建てになっておりぱっと見た目公民館❓と思うくらい広いとは言えない施設でした。
いつのまにか不登校になって半年が経っていた。
学校の先生が家に訪問に来た。
あらかじめ母とは電話でアポをとってたみたいで何だか話しが勝手にすすんでいて何の話しかわからなかった。
『みかさんは今後どうしたい❓』
『わかりません…』
『他の学校だったら行けるかな❓』
『他の学校って…❓
転校ってことですか❓』
『いや、フリースクールだよ❗近縄市にあるんだよ❗遠いけど電車で通学すればいいし』
と言ってフリースクールについて1時間くらい話していました。
『まっ、行く行かないはみかさん次第だから。いつでも先生は応援してるからな❗』
そう言い残して帰って行きました。
家に帰ってからはピアノに明け暮れ、唯一ピアノが友達でした。
悲しい曲ばかり弾きたくなる…
泣きながら弾いた日もありました。
父が帰ってくると怒鳴られ、叩かれ…
『死にたい…私なんて誰も必要ないのよ。』日々そんな事ばかり考えていました。
中学に入って他の校区の学校と合併し、新しい友達もでき、これで心機一転楽しい学校生活を送れると思っていました。
しかし…また友達関係に水が差し…
原因は男関係。
友達の好きな人と
私が付き合ったから。
悪気があったわけじゃない。気付かなかっただけなのに…
学校に行きたくない。私は学校までは行くものの教室まで行けなくなっていた。
校外をフラフラしてると3年の男3人ヤンキーがたむろっていた。
『おい❗何してんだよ~こっちこいよ❗』
『お前上田の彼女じゃね❓処女やったんか❓』
『いきなり何ですか❓別に上田君とは何もありませんよ❗
第一付き合ってたって言わないし…』
それもそれは小学校の話し。何故か妊娠説まで噂されていた。
まだ処女なのに…
どこからそんな噂が…
悪先輩からタバコを勧められ中学1年で不登校になりタバコを持ち歩いてはフラフラしていました。
『まーちゃん学校では全く話してくれないよね❓
学校終わって一緒に帰ろうって言ってたのに何も言ってくれないし…どうして❓』
日記に疑問を投げつけてみた。
何回も書いては消して…
次の日から交換日記は二度と戻ってくる事はなかった。
答えも出ないまま卒業式を迎えた。
まーちゃんとの事だけが頭から離れない。
卒業式が終わってみんな写真を取り合ったりしていた中、
まーちゃんに声をかけた。高鳴る鼓動を抑えて… すると
『ごめん、他に好きな子いるから…』
えっ……どうして❓
私とは今まで何だったの❓
ますます人間不信に陥ってしまった。
『どうしたん❓』
『いや…学校じゃなかなか話せないから…』
言葉を濁しながら、少し照れた様子でノートを渡した。
『ん❓』
『交換日記しよ❗俺昨日書いたから次お前の番❗』
ウルトラマンの可愛いらしいノート。
すごく嬉しかった。
私はこれで小学校生活の最後の一年救われました。
しかし、その付き合いは交換日記だけ。
しかもデートは2回だけ。アイススケートとボーリング。
学校では話しもしない…卒業式を目前とした日、私は思いきって日記に書いてみた。
そんな辛い友達関係の中、一応好きな人がいた。
同じクラスの上田 昌樹君=あだ名はまーちゃん。
私の気持ちに気付いてたまーちゃんはある日、
『話しがあるんだけど昼休み体育館裏に来て❗』
恥ずかしいやら、嬉しいやら、何の話しだろう…昼休みが待ちどうしい。
そして昼休み駆け足で体育館裏に急いだ。同時くらいにまーちゃんがノート片手に持って走ってきた。
ある日よしちゃんが
『私お母さんからお小遣いもらってないの。みかちゃん今いくらある❓』
下校後に家に遊びに来た時にそんな事を言われ、
『300円しかないよ。』
『100円かしてよ~お菓子買いに行こうよ❗』
私は何も不信をもたず100円を渡しました。
小学校6年になると次第に悪化し、よしちゃんは万引きを一緒にやろうと誘ってきた。
『ヤバいよ。やめた方がよくない❓』
『絶対ばれないから大丈夫よ❗』
近所の文房具店。
お店はうちの店の常連客でもある…
ドキドキしながら手が伸びてお菓子を隠した…その夜母の顔を見ることができなかった。
次の日学校に行くとクラスの様子がおかしい。『よしちゃんおはよう❗』
『……………。』
無視。よしちゃんをいじめてたまりちゃんが寄ってきた。
『昨日万引きしたらしいじゃん。先生言っといたからね。』
よしちゃんがまりちゃんに言ったらしい。
裏切られた…
わたしッて…
友達ッて一体何だろう。ホントにわからなくなってきた。
誰を信じていいの❓
その後は親友と呼べる友達はできなくて女の子特有の仲間外れが多くなってきた。
『わたし〇〇ちゃん嫌いなんだよね~あの子と遊んだらもう遊んであげないから…』そんな言葉を言われ続け、それでもいいと思いそのいじめらてる子(以降、よしちゃん)と遊んでいました。
育児は全く母任せで父と一緒にお風呂入った事もなければ、一緒に遊んでもらった記憶もない。
しかし母は誰にも言わず耐え続けました。
友達の影響で幼稚園の年長からピアノを習い始めた。父はお店をするまえ音楽=指揮者をしていたのか音楽に興味を持った私に厳しく教育するようになりました。
小学校入学と同時にマンションを購入。
いつでもピアノを弾ける環境を与えたかったのか防音部屋を別途発注してくれ、尚且つグランドピアノを目の前にあった日には目をまるくして喜びました。
ピアノの講師も変わり週に三回自宅出張レッスン。スパルタ指導でいつも泣いていました。それでも幼いながら辞めたい❗と思う事は一度もありませんでした。
小学校一年から大親友だった真由ちゃんが3年生の夏、突然東京に引っ越しすることになりました。
私の住んでるところから飛行機で2時間近くかかる遠い遠いとこに行ってしまう…初めての親友と呼べる友達はたった2年で無縁になってしまいました。
保育園が大嫌いだったわたしは毎朝玄関先で大泣き。
妹の愛は私のかばんを持ち外で待ってる。
近所の友達は幼稚園に行っており結局1年も経たないで退園しました。
その頃お店には学生のバイトの子が4人入ってきたので母はお昼の2時間程度しかお店に入らなくてよくなりました。
そして間もなく幼稚園に入園…近所のお友達、たかひろ君と一緒に毎日通園していた。そんな平凡に見える家族には裏のギャップがあったのだ。
あまり以前と変わってなかった父の酒乱、暴力…。
今でも記憶に残ってる…あの鬼の様な剣幕と鋭い目つき。
次第に父は恐い、父の顔色を常にうかがっていました。
『ごめんね~泰子さん。息子には強く俺から話しをしておくから離婚だけは…頼むから…』
と涙混じりに話しをしました。息子が迎えに来るまでここに居なさい。と言われ二日間泊めてもらい、父は『すまなかった。』と一言謝り迎えに来た。
少し落ち着き、わたしが2歳の誕生日を迎える前に妹が生まれました。
当時祖母が自宅に来てくれてわたしと妹の子守りをしてくれていました。
祖母は朝から掃除、洗濯をして、近所のスーパーにお買い物。それが日課になっていました。
お昼を過ぎると母は一段落して一端帰ってきて、わたしと一緒にお昼寝。そして夕飯の準備。
夕方になるとまたお店に戻るという慌ただしい日常でした。
そんな中、祖母が倒れ入院する事になり保育園に預けられる様になりました。
わたし3歳、妹の愛は1歳。
『ガッチャ~ン!このやろう!!』
生後間もない頃から始まった
酒乱。大声をあげて、包丁を振り回して暴れていた父。
それに泣き叫ぶ母とみか…
いっそうの事心中しようかと懸命に耐えた。しかし父の酒乱は酷くなる一方で裸足のまま、みかを抱え、一階のベランダから外に出てタクシーに逃げるように乗り込んだ。
向かった先は父方の実家。
義父が以前母にこんな事を言っていた。
『息子と喧嘩した時、辛い事があったらうちに帰ってきなさい。泰子さん(母)の帰る場所はここだからね。』
この言葉を母は忘れてなかったのだろう。また両親を心配させたくない思いが人一倍強かった母は誰にも相談せずまず先に義父さんに話しをすることにした。
自営業(飲食店)を営む頑固で気難しい父と、サバサバした男っぽい性格の母。
不妊治療の末結婚5年目にして私が生まれました。
私の名前は青木 みか。名前の由来は父が好きな芸能人から付けられた。
自分で言うのも何だが、色白で病院の看護婦もあまりの可愛さに絶賛していたらしい。
私が生まれた日は丁度クリスマスイブ前で街は普段より賑わい、雪がコンコンと降り続いていました。
退院してそのまま母方の実家に帰り2週間で自宅に戻ってきました。そう…自営業とはいえ母がいなくては商売にならないのです。
産後の肥立ちもよくない中、母はお店に出る様になりました。
私は座敷の部屋で揺り篭に寝かせられ、時にはお客さんから子守りをしてもらっていました。
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