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孤独なガゼル

レス27 HIT数 3412 あ+ あ-

けふこ( 20代 ♀ nK2knb )
09/10/26 00:18(更新日時)

小説(空中キッチン)も書いてみてますが、詩も載せてみようかなと。日々の中からぽろっと溢れた言葉をなんとなく。短い文章が好きです。お暇な方は見ていってください。

No.1162499 09/10/06 02:26(スレ作成日時)

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No.1 09/10/06 02:30
けふこ ( 20代 ♀ nK2knb )

『孤独なガゼル』


けんけんぱをしながら

あの日の顛末を見ていた


ほとばしる水しぶき

暮れかかるガーゴイル


けんけんぱをしながら

あたしはどこまでも無敵だった


孤独なガゼルみたいに

焼け落ちる夏の日に

No.2 09/10/06 02:33
けふこ ( 20代 ♀ nK2knb )

『ちりめんじゃことピーマンのいためもの』


ちりめんじゃことピーマンのいためものなんか

べつにすきじゃなかった

ただ

次が欲しかったから

幸せの形に

なんとなく

近づけるような気がしてたから

No.3 09/10/06 02:35
けふこ ( 20代 ♀ nK2knb )

『積雪33センチ』


積雪33センチ

暗くて深くて果てしなかった

日々の分量

自分の重さ

怖くて遠くてまぶしかった

No.4 09/10/06 02:37
けふこ ( 20代 ♀ nK2knb )

『くす玉の気持ちで』


くす玉の気持ちで


この角で ずっと 待っていたの


不発弾だったけれど


哀しくて 幸せだったよ

No.5 09/10/06 02:39
けふこ ( 20代 ♀ nK2knb )

『しろつめぐさの道に』


しろつめぐさの道に


後ろ指を並べたのは誰


報われなくたって 平気


凍えるのには


慣れているの

No.6 09/10/06 02:40
けふこ ( 20代 ♀ nK2knb )

『雨の日、すべり台で』


雨の日、すべり台で


世界のはんぶんを 洗い流した


もうはんぶんを


ランドセルに入れたままで

No.7 09/10/06 02:42
けふこ ( 20代 ♀ nK2knb )

『こんぺいとう』


手の中で


ころんと揺れた


わたし


出来るならこういうものになりたかった

No.8 09/10/06 02:46
けふこ ( 20代 ♀ nK2knb )

『キングダム』


三千年の日々に

のさばらせた腕を

そこらじゅうに伸ばして

あれもこれもとおかわりをした

過ちは井戸の中で

面立ちは人の顔で

言葉だけを失くして

明日より先に

欲しいものがあると

細い糸を揺らし続けた

生きている振りが上手な

あれは、

なんの獣

No.9 09/10/06 18:43
けふこ ( 20代 ♀ nK2knb )

『王様』


ごちそうさま を


言い忘れたこどもが


今もあの椅子で


貧乏ゆすりをしている


ないものねだりをしながら

No.10 09/10/07 00:07
けふこ ( 20代 ♀ nK2knb )

『春の夢』


しんしんと

凍っていく魚の目を見ていた

切り取られた時間に

付け焼き刃の答えをあてがって

彼らは満足したろうか

語るもののなく

そこに在るだけで

嘘にも宝石にもなれる力で

ただひとつの歴史に

誰かの旗が揚がるのを待っている

No.11 09/10/07 00:09
けふこ ( 20代 ♀ nK2knb )

『ひとりあるき。』


ごめんね。

そんなふうに

笑ってあげられない

せめてどこかに

やさしいことばが落ちていたらいいけれど

No.12 09/10/07 00:13
けふこ ( 20代 ♀ nK2knb )

『ひざし』


世界をはじめて見つめた日に

小さい私は天井を見ていた

空は青く

ひざしは美しく

途方もなく広い

窓の外

けれども私は膝を抱えて

壁を睨んで

闇の一部と話をしていた

どこにも出ていかれない足を恨んで

どこにも行きたくないとふるえながら

No.13 09/10/07 00:21
けふこ ( 20代 ♀ nK2knb )

『うんざり』


そのお話はとっても長いけれど

いつか終わるのかしら?

ここにある金魚鉢の水草よりも

有意義だと思うなら

話したらいいわ

ねえ

それにしてもあなたいったい

何年もいったいなにをしてきたの?

No.14 09/10/08 00:00
けふこ ( 20代 ♀ nK2knb )

『夜』


夜が降ってくる

爪先のうえに

くちびるのうえに

隣の屋根に

裏庭の花に

あなたの肩に

傷痕のうえに

音もたてずに

祈るように

しずかに

No.15 09/10/08 23:17
けふこ ( 20代 ♀ nK2knb )

『階段の途中で』


階段の途中で

あなたを見失ってしまった

あたしは途方に暮れて

上るか 下りるか

考えている

片足を上げたまま

鼻歌も忘れて

あなたのことも 忘れて

白い冬の終わりに

階段の途中で

No.16 09/10/09 00:26
けふこ ( 20代 ♀ nK2knb )

『最期の窓』


最期の窓に

しがみついたのは明け方でした

白々ともせず

空は夜に漂っていました

こぼれていった麦茶が目に痛く

はじまりの合図を聞いたのでした

冷たい枠を蹴って

溺れるように飛んで

山並みの向こうに光が見えて

子供のように泣いたのでした

自由すぎてこわい と

ひんやりと白い空気のなかで

No.17 09/10/09 00:31
けふこ ( 20代 ♀ nK2knb )

『空々の庭』


まぶしくてやっていられないから

裏口のへちまに水をあげよう

ずっと

望まれてはいなかったって

自分に教えるために

  • << 19 『ワイエスの風』 セザンヌの木漏れ日より ゴッホの闇夜より ゴーギャンの真夏より ワイエスの風が好き だってワイルドで 何より信じられるでしょう? 風には色があるってこと ただ それだけが ほんとうなんだっていうこと

No.18 09/10/11 01:23
けふこ ( 20代 ♀ nK2knb )

>> 17 『ノルウェイの森』


あなたが口にしたことばは

ほとんどが嘘だったけれど

あなたがあたしに見せた弱さだけが

どうやらほんとうみたいだった

仔犬みたいな目で

大きななりをして

あたしを見るなんて

ずるいよ

ずっとあの時から

深い森に

片足をつっこんだままでいるの

No.19 09/10/11 01:34
けふこ ( 20代 ♀ nK2knb )

>> 17 『空々の庭』 まぶしくてやっていられないから 裏口のへちまに水をあげよう ずっと 望まれてはいなかったって 自分に教えるために 『ワイエスの風』


セザンヌの木漏れ日より

ゴッホの闇夜より

ゴーギャンの真夏より

ワイエスの風が好き

だってワイルドで

何より信じられるでしょう?

風には色があるってこと

ただ それだけが

ほんとうなんだっていうこと

No.20 09/10/13 01:13
けふこ ( 20代 ♀ nK2knb )

『熱』

ふいに

置かれた

てのひら

いちどきりの

にどと消えない

あたしの額は息をはりつめて

その手を受け入れた

大きく

かさついた

孤独な手

あたしは泣きたかった

たぶん幸福で

いっしゅんだったから

あの夜

泣きつかれたあたしの熱に

かなしいてのひら

いちどきりの

さいごの。

No.21 09/10/14 01:53
けふこ ( 20代 ♀ nK2knb )

『やかん』


やかんから冬が

たちのぼっている

曲がり角の向こうで

水たまりが凍って

コーヒーを片手に

ユトリロの空を

あたしは見ていた

さびしいから

何か食べよう

どこかで聞いた

詩をつぶやいて

たちのぼるあなたの気配を

追い出そうとした

とたん

やかんが鳴った

もうあとのまつりだと

あたしはしばらく

途方に暮れた

コーヒーを持ったまま

でくのぼうみたいに

ひとりで

No.22 09/10/15 01:51
けふこ ( 20代 ♀ nK2knb )

『夜とドア』

今日

孤独が遊びにきたのよ

ちゃんと玄関から

ノックをして

せっかくだからふたりで

お茶を飲んだの

いただきものの

シフォンケーキも食べて

長年の友人みたいに

ひっそりと語り合ったの


じっさい

あたしたちはずっと仲良しなの

みんなそうだと思うけど

たぶん生まれた時から

それじゃあまた

孤独はそう言って帰っていったわ

ちゃんと玄関から

あたしは見送りながら

幸せについて考えていたの

幸せについて

不幸と孤独 の違いについて

孤独の孤独について

夜にふさわしく

透明な心で

No.23 09/10/16 00:11
けふこ ( 20代 ♀ nK2knb )

『さっき坂の途中で』



さっき坂の途中で


あなたが恋に落ちるのを目撃したよ


ああわたし


今すぐ雲になりたい

No.24 09/10/16 00:18
けふこ ( 20代 ♀ nK2knb )

『落日』


タバコの火が落ちて

不意に日が暮れた



あなたがひっそりと笑うから

あたしの胸はつぶれてしまった

はじまりの合図なのか

さよならの合図なのか

わからなくて苦しかったよ

No.25 09/10/18 04:14
けふこ ( 20代 ♀ nK2knb )

『魔法』


わらうと

目尻に皺ができる

わらうと

ちょっと困った顔になる

わらうと

たちまちいろっぽくて

わらうと

あたしはたちまち幸福になって

ほとんど泣きそうなになる

世界がすこしだけ

やさしくひかる

あなたが

あなたがわらうと

そのそばから

No.26 09/10/24 00:57
けふこ ( 20代 ♀ nK2knb )

『あたしがしまうまだったとき』


あたしがしまうまだったとき

あなたは何をしてた?

黄色い砂を

渇いた草を

押し寄せる空を

あたしが感じていたとき

あなたはどこの誰と

向かい合っていたのかしら

あるいは愛し

あるいは許し

あるいは殺していたかしら

ひろいひろいサバンナの

向こう側で

あたしがしまうまだったとき

No.27 09/10/26 00:18
けふこ ( 20代 ♀ nK2knb )

『行進』


ずんかずんか

すすめ

昨日は今日のやり忘れ

なんかじゃなく

ぶんかぶんか

すすめ

あしたあたしはここにはいない

るんだるんだ

おどれ

滑稽な馬みたいに

止まることなど知らないで

ずんかずんか

すすめ

すすめ

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