溶けていく雪
封鎖してしまった小説の、続きを書きたいと思います✨
新しいレスの受付は終了しました
まず、この作品は
キミとワタシ
http://mikle.jp//zatsudan1/dispthread.cgi?th=25999
キミに触れたら
http://mikle.jp//zatsudan1/dispthread.cgi?th=27601
の続編になってます。
それと封鎖したスレ
溶けていく雪
http://mikle.jp//story/dispthread.cgi?th=439
の続きから書いていきますので、まだ読まれてない方はまず、上記3作品を読まないと…ストーリーの意味が分からないかもしれません😣
なので時間がある時にでも、どうぞ読んでやって下さい🙇
誤字脱字も多く、文才ゼロ主の作品なので、かなり読みにくいです💦💦
分からない点があれば、いつでも聞いて下さいね🙆
この作品のご意見ご感想等あれば、
http://mikle.jp/story/dispthread.cgi?th=2201
このスレッドにレスして下さい🙇
こちらは
キミ、泣き虫だったね?
というスレになります。
作品の更新は終わったので、雑談用に使ってます✨
気軽に寄って行って下さい😁
~30~
「…由……離…れろっ…」
今はこんな事してる場合じゃない…もっと2人で話し合わなきゃいけないのに……。
由は、重ねた唇を…抱き付く腕を離そうとはしなくて…。
こんな強引に求めらたのは、初めてだ。
というか、こんなキス…由らしくないだろ?
《…どうして……??》
そうだ…唯の所にいた俺を迎えに来た時から、なんだか様子が…変だった……。
~31~
話は、約1時間前にさかのぼる。
俺は唯の(元)家のリビングで、陸太と唯が付き合ってる事を知った。
元はと言えば、俺から唯に別れを切り出したのに…何故だろう、2人が並ぶ姿を見て…少し"嫉妬"してしまった。
俺にとって唯は、男として…生まれて初めて愛した女性。
不器用な愛し方しか知らなかった俺たちは、この先2人を待ってる現実…それを乗り越える自信が持てなくて……。
傷付く前に、終わらせたんだ…。
再会した2人…でも全然、2人は変わってなくて。
お互いをただ、求めるだけで…感情を押し付け合って、相手の事…何ひとつ考えてなかった。
そんな2人が付き合っていても…良い事なんて、何もない。
~32~
そして別れた2人…。
俺は由に想いを寄せ、唯は陸太の気持ちに応えた。
そう…2人は今、別々の道を歩いてて。
それが俺たちの選んだ、俺が出した答えの結果…。
唯が今幸せなら……俺の選んだ"別れ"は間違ってなかった。
別れのせいで、唯をどれだけ泣かせて傷付けたかは分からないけど、今…陸太といて幸せなら……
これで良かったんだよな??
……唯…。
~33~
「もう、帰るよ。」
窓の外を見ると、相変わらず吹雪いてた…。
でも…この部屋にいたって、室内の温度は暖かいはずなのに、俺の体温は冷たいままだし。
外に出たって、この寒さは変わらない。
むしろ…今は1人で外を歩いてたい。
此処は……居心地が、悪すぎるから…。
「お世話になりました。」
そうお辞儀をし、唯に背を向け立ち上がる。
「何があったのかは分からないけど、玲は由さんが好きだから…そんなに辛そうな顔、してるんでしょ?」
俺の背に問いかける唯。俺は無視して…扉に向かった…。
「…私に、もう少し私に頼って良いんだよ?私なんかじゃ頼りにならないかもしれないけど、私たち……友達…でしょう??」
《…友達か。》
扉のほんの手前、俺は唯の言葉に足を止めた…。
「お前の口から、そんな言葉が聞けるとは思ってなかったよ。…気持ちは嬉しいけど、これは俺の問題だから…部外者は黙ってろ。」
何をこんなに苛々してるのか、それは俺にも分からない。
分かるのは、唯に八つ当たりしてる…それだけ。
~34~
「唯ちゃんに当たるのはやめて。不満があるのは、私にでしょう?言いたい事があるなら私に言ってよ。」
開けようとした扉、それが勝手に開いたと思ったら、由が立っていた。
泣いていたんだろう…少し腫れた瞼と、充血した瞳。
急に出てって、心配かけたのは悪かったさ…でも…。
「迎えに来て、ソレかよ?他に言うべき言葉…あるだろ?」
由は室内に入って来ない。開け放した扉から入ってくる冷気で、温度はどんどん下がっていく…。なのに俺の体温は、さっきより熱い位だ。
一歩、由に歩み寄る。2人の距離は…ほんの数センチ。
「俺の反応見て、楽しかった??ほんとは、娘と元旦那に会いたかっただけなんじゃない?だったら、俺を連れてく必要なかっただろ?!そこまでして俺と別れたいのかよっ?!!別れたいなら、そう言えば良い!!!」
こんなに大きな声出したのは、初めてな気がする…。
でも、怒ってるんじゃない……悔しくて、悲しくて…涙ばかりが、溢れてった。
~35~
娘を見つめる由の顔が、頭から離れなかった…。
彼女は、俺なんかよりずっと…娘の事を愛してる。
本当なら…今すぐにでも娘に会いたいはず……なのに、俺の所へ来てくれた…。
俺は由の人生の…邪魔をしてる、重荷になってるんだろ??
でも…離れたくないよ……
俺はお前が、好きだから…。
もし、俺が"男"だったら…結婚して、由の娘を引き取って…沢山の子供に囲まれて……。
由を幸せに、出来たかもしれない…。
俺が男だったら……。
女でごめん…俺……由の負担にしかならないね?
…ごめん……
それでも…愛してるんだ。
~36~
「玲……キミさ、どれだけ由さんが玲の事好きなのか、分からない??」
後ろからソッと伸びる手…その腕に俺は、強く抱き締められた…。
「キミは…キミだよ??今のままで…この体のままで、良いんだよ?」
"男で生まれてたら"
そう思った俺の心を、見透かしたみたいな唯の言葉。
俺は俺。
由と付き合ってて、思えた言葉。
だけどその言葉の意味を…また見失いかけてた。
そんな時、誰かに…唯に、同じ言葉を言ってもらえて……俺はもう一度
『俺は俺なんだ。』
って、胸を張って言える様になった気がする…。
『ありがとう』
その意味を込めて、俺は両手を、唯の腕に重ねた。
昔から変わらない唯の体温…その温もりに、俺の涙は止まっていった…。
~37~
唯の手を見つめてると、自然と口元が綻んでくる。だけど、これじゃ抱き合ってるみたいだ。
《ヤバい。》
そう思い顔を上げると、案の定由は複雑そうな顔で俺を見つめていて…。
後ろを振り返ると陸太は、不自然なくらい…視線を反らしてた。
「唯…もう大丈夫だよ。ありがとな。」
そう言い、重ねてた手を離す…。
唯の体も離れた瞬間、体が前へ引かれた。
俺の腕を引き、抱き寄せたのは…もちろん由。
『由?』
そう言おうとしたら、今度は急に…唇を塞がれた。
~38~
突然の由のキスに、横目で見た唯は、かなり驚いた顔で俺たちを見てる…。
でもそれ以上に、俺の方が驚いてるはず。だって由は…人前でキスするキャラじゃない。
キスを人に見られるのは慣れてない、というより経験した事なかったから…余計に俺は、顔にどんどん熱が込もっていくのを感じた。
きっと、今…顔真っ赤だよ……。
「由っ!!」
恥ずかしさと唯の視線に耐えられなくなり、俺は由の体を突き放し、口を手で覆う。
そんな俺の反応に、由は笑顔で
『帰ろう。』
と、一言だけ言い俺の手を引く。
唯と陸太に別れの挨拶をする暇もなく、俺は車に乗せられ…今の状況にいるわけだ。
~39~
「いい加減…やめろってば!」
身体中が痺れたみたいに火照って、なかなか力が入らない…。
体の方は、すっかり由のキスに反応してしまってる…そんな自分が情けなかった。
「話し、したいんだけど…。……聞いてる?」
片腕を俺の首に回したまま、頬をぴったりと合わせてくる由。もう片方の腕で俺の背を抱き締め、2人の体を離れないようにしている…。
「??由?」
俺の頬に伝う水滴…それは、由の流した涙で……。
「どうしたんだよ?俺に何か、言いたい事あるんだろ??もう怒鳴ったりしないで、ちゃんと聞くから…。」
この言葉にも…返事はない……。ただ、泣くばかりの由…。
…俺は抵抗してた腕を、彼女の背に回した。
~40~
「ッ??!」
その途端、凄い力で俺は後ろに飛ばされる。あの細い体の何処に、こんな力があったのか…そう思ってしまう位、彼女の力は強かった…。
そして俺が吹き飛ばされた先にあったのは…由のベッドで。
マットレスが衝撃を和らげ、体に痛みは無かったけど…なんか、むかつく。
「何がしたいんだよ?!意味分かんないんだけど。やっぱ今日の由、変だって。」
見下ろした視線のまま、軽く微笑む。
その顔に残る涙の跡とは対照的な、由の冷たい表情。
《何??》
そう思ってたら…ギシッというベッドの軋む音、それと共に由は、俺の体に覆い被さってきて…。
そして首筋に触れた、由の唇…。
確実に俺の弱い部分をなぞりながら、耳元で止まり…甘く囁く。
「変じゃないよ。私は…玲が欲しいの。」
~41~
ねぇ…玲は今でも、唯ちゃんが好き??
私は確かに、絵里香の事を愛してる。でもそれは母親としてで…"恋"じゃない。
…忠明さんに対する感情は、ただ申し訳ないって気持ちだけ。
私が好きなのは、貴方だけなんだよ?
ねぇ……今でも唯ちゃんの事、愛してるの??
お願いだから…私だけを見て。
『キミさ、どれだけ由さんが玲の事好きなのか分からない?』
唯ちゃん、貴女にだって…分からないでしょう??
私がどれだけ貴女の影に怯えているのか…貴女には絶対、分からない。
~42~
いつの間にか由は、着ていたコートとセーターを脱いでて、俺の上着も脱がそうとしてくる…。
《…やっぱり……こんな由、見たくないよ。》
好きな人に求められて嬉しい…よりも、悲しくなってきて…。
「…俺、嫌だよ。由には無理して欲しくない。由の気持ち、分かったから…ちゃんと…伝わったから…。」
冷えきった彼女の身体を、毛布と一緒に抱き締める。
俺の、唯に対する"未練"それを感じ取ったんだろ??
俺も…お前の忠明に対する気持ちの名残、それに気付いた時…こんな風に、無理にでも由を抱きたくなった…。
だから、お前の気持ちは…痛いほどよく分かるよ。
今だって、忠明と一緒にいる頃の、忠明に抱かれてる由の姿を想像すると…激しい嫉妬に襲われる。
でもさ…だからって、体だけ重ねたって……意味、ないんだよ。
~43~
俺に抱き締められたまま、由は静かな寝息をたてている。
そろそろ例の寝相が来そうだったし、いい加減ベタつく髪をどうにかしたかったから、俺は寝室を出てシャワーを浴びた。
この季節、湯船に浸かるのと浸からないのとでは、身体の温もり方が全然違う…。寒さに震えながら、俺はコタツに潜った。
これから、俺と由…どうなっていくんだろう……。
きっと…今まで通りの付き合いは、無理になってくる。
『もしさ、"永遠"って言葉があるなら…ずっと由の隣にいても…良いですか?』
頭の中をよぎった、昔由に言ったセリフ。
俺は由の側にいても良いのだろうか??
本音を言うなら、このまま由と…暮らしていきたいよ。
だけど…それは無理なんだって…心の何処かで、この頃から"別れ"を悟っていたのかもしれない。
由の幸せを…彼女にとって1番の幸せ、それが何か分かってしまったから……。
~44~
明け方になって、身体中のダルさで目が覚めた。小さなサイズのコタツ…それで眠ったせいだろう。
暖房のきいていない、人気のないリビングは冷えきっていて…隣の寝室に由がいるのに"この世界には自分しかいない"みたいな、変な気分になってくる…。
「冬眠…できたら良いのにな。」
考えたくない問題、知りたくない現実…それらを忘れ、せめて冬の間だけでも眠っていられたら…。
夢だけを見て、生きる事ができたのなら……。
~45~
首筋と顔に、冷えきった朝の空気が突き刺さる。
この間まではマフラーのおかげで、もう少し寒さをしのげていたけど…何故かあのマフラーを使おうという気にはなれなくて。
目的もなく、マンションを後にした俺…。考え事をする時、どうやら散歩をするクセがあるらしい。
あのままだと、起きてきた由に会う事になってた…でも、まだ話し合う気分じゃない。
彼女になんて言えば良いのか、どんな言葉を言われるのか…聞く勇気、それが無いのだ。
由なら…俺と一緒にいるのを選ぶ……それは分かっているけど…。
だけど……今その言葉を聞けば、俺は一生彼女を離したくない、そう思ってしまうだろう。
ただ意地になって、彼女を…独占したくなる。
それじゃ…駄目なんだよ……。
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