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山川弘美の日常

レス316 HIT数 86026 あ+ あ-

モモンガ( PZ9M )
12/05/26 20:38(更新日時)

あたしは今人生最大の崖っぷちだ



外見はめちゃくちゃダサいわけでもないがナイスバディでもない



彼氏は(当然)いないしお洒落でもない





家の中でコタツとマッタリするのが好きで黒色の長い髪は常にでこだし2つ分け




極度の近眼なのでカワイクない細い黒色のフレームの眼鏡をかけて生活をしている




家にいるときは常にピンクのプレイボーイのジャージ


ベランダにキティちゃんのサンダルだってある(しかしヤンキーではない)






ちなみに彼氏いない歴は22年
ときめいた事もない


自他ともに認める『ダサ川ダサ美』である




だってしょーがないよ
キレイになる方法もわかんないしセンスのいい友達もいないんだもん




あたしの回りにはいつも『平凡』『並』『普通』しかいない




このまま平々凡々なOL生活が続いていくかと思われたあたしの毎日を激変させたのは





一本の『眼鏡』だった



しかしこの眼鏡
そんじょそこらにあるヨン様眼鏡とはちょっと違う




『欲しいものが見える』



魔法の眼鏡だったのだ!
(^_^)v




一人で吉牛が食べれちゃう22才のちょいダサOLが魔法の眼鏡を手にしたら…?

No.1158277 08/12/03 15:07(スレ作成日時)

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No.201 09/08/24 03:25
モモンガ ( PZ9M )

>> 199 『ありがとうね~ 今度は彼女の誕生日に来てね~ 』 おばさんはニコニコしながら小さなピンクのリボンをかけた白い包みをまみ兄に差… 『あのっ



あの…あの…お兄さん



ちょっと待って…



あたしそんなに早く歩けないよ…』


あたしは息切れをしながらもまみ兄についていくのがやっとだった




まみ兄は四階から一気に一階まで階段をかけ降りると我に帰ったようにあたしの存在に気づいた



『あ…山ちゃん



ごめん…




ごめんけど…俺帰るわ…



また連絡すっから



今日は…



あかんわ…』




そういうと深くあたしに頭を下げて肩が寂しそうに



背中は絵に書いたようにしょんぼりしていた



さっきのお店のお姉さんと個人的に知り合いだったのかなぁ…




ひょっとしたら



今度は前々の彼女だったりして?



なんて違うか…


なら一体あの人は?



あたしがグルグルいらぬことを考えているとさっきの女の人がいまきた階段をかけ降りてきた



『あ…



あの…さっきの…



白河さんは…?』



『あ…あの、用事があるからって



今さっき別れたんですが…』



『そう…ですか…


わかりました



どうもすいませんでした…』



お姉さんはがっくり肩をおとしてしまった

No.202 09/08/24 04:55
モモンガ ( PZ9M )

階段を上がりかけたお姉さんが不意にあたしを呼び止めた


『あの…あなた




良かったらお茶でも召し上がりませんか?



さっき…入るつもりだったんでしょ?



お詫びにご馳走しますから



もしよかったらだけど…』




茶色のストレートボブにチェックの三角巾をして我を忘れたように階段でまみ兄を追いかけてくるなんてよほど込み入った事情に違いない



ましてや関係者じゃないあたしが関わるなんてやめた方がいい




…いいに決まってるんだけど…




あたしは心の奥底にあった好奇心に勝てずその誘いを受けてしまった




(お茶だけお茶だけ)



まみ兄


ごめんね



お茶したら帰るからね




あたしたちはもう一度四階まで戻ると改めてグリーンカフェに入った



『改めましていらっしゃいませ



お飲み物は何になさいますか?



何でもおっしゃってください



あたしのご馳走ですから』




お姉さんは初め見たときのまま可愛らしい笑顔そのままに喋りだした

No.203 09/08/24 10:41
モモンガ ( PZ9M )

店の中はさながら雑貨屋さんのように可愛らしく店内にはメロディーだけのノンビリとした曲が流れていた





客席は全部で15席くらいかな




向い合わせのテ―ブルの上には小さなガラスのコップに可愛らしい白い花が飾られていてナチュラル




店全体も木製の家具に観葉植物があちこち飾られていてとっても落ち着く



店内にはお姉さんを含めて四人



キッチンに二人と接客に二人




みんなお揃いの茶色と白のギンガムチェックの三角巾にエプロンをしている




そして可愛い




こういうカフェ?はあんまり入らないんだけど基本的にみんなめっちゃ可愛いいし細いんだよね



世の中には可愛い人があふれてんなぁ


いい時代だよ



頑張れ草食男子達~


仕事も恋愛もひくてあまたじゃん~



草食男子と言えばさこないだテレビでみたよ



今や恋人も妻帯者も全体の約七割はセックスレスなんだってね




みんな言うのが

『疲れるんです…』
『めんどくさいんだよね…』


って



平均的に月に一度あればいいくらいだって



あたしには多いのかすくないのかわかんないけどこんな可愛い彼女前にしてもやる気にならないなんて不思議だよね

No.204 09/08/24 11:03
モモンガ ( PZ9M )

『あの…ご注文は?』


お姉さんが不思議そうに聞いてきた


『あっすいません…ん~


じゃあお勧めなんかあればそれを』



『お勧めですか?そうだな~


今日そういえば凄く美味しいケ―キが入ってるんで


オレンジティーは?


さっぱりしていて飲みやすいですよ』



『オレンジ!好きですじゃあそれとお勧めケ―キを一つ』



お姉さんはニコッと笑うとキッチンにオ―ダ―を通していた



店内の壁には時折お客さんの仲のよさそうな写真が木製のフレームにかけられ飾られていた



小さい子供にお母さん


仲のよさそうなカップルや年配の老夫婦…

みんなとっても幸せそう



あたしは壁つたいに写真を眺めていたが一枚の写真の前で目が止まった


おそらくさっきのお姉さん…









まみ兄の元彼女だ…




写真はセピアカラ―でとられていて


お姉さんも今より少し若く髪も束ねて上の方でまとまってる



写真の中の二人はお互いに頬をくっつけて仲良さげに笑っていた



『これは…』



『それ…あたしと親友の写真なんですよ


もう三年前になるかな…いい写真でしょ』




そういうとお姉さんは壁から写真を取り外し懐かしそうに優しく手でなでた

No.205 09/08/26 02:48
モモンガ ( PZ9M )

『この子ね美容師でね…



可愛いでしょ?



あたしもこう見えて昔は美容師だったんですよ』




そこまで言うとお姉さんは写真をもとの位置に戻してあたしを店の奥へと案内した




『さぁ、座って』 


『ありがとうございます…



あ…あの




さっきの友達って



ひょっとしたら『リカさん』ですか…?』




質問したあたしにお姉さんは黙って頷いた



『知ってたんだ



白河さんから…聞いたんだよね




彼…リカとあたしの事なんてあなたに話したのかな…』



『昔…付き合っていた人だって…



すごくすきだったけど…



亡くなったって…


聞きました』

No.206 09/08/26 14:52
モモンガ ( PZ9M )

『おまたせしました』


もう一人の可愛らしいお姉さんがあたしたちのテ―ブルにフルーツのたくさん乗ったタルトとオレンジティーを運んできてくれた



『店長、あとはあたしがやりますからごゆっくり』



『悪いわね


忙しくなったら出るから少し頼むわね』



お姉さんはあたしにも軽く頭を下げると持ち場へと帰っていった




『私も一緒に休憩しちゃっていいかな?

まだ夕方の休憩してなくって』




お姉さんがオレンジティーに口をつけた



『どうぞ、勿論』



そうは言うもののあたし的にはかなり複雑だ




あたしの直接の知り合いでもないし




ましてやまみ兄のあの顔は…




やっぱりはやまったのかなぁ…



あたしは段々この店に来たことを後悔しはじめてきた



『あなたって白河さんの今の彼女?』



『へ…?


あ、違います違います


お兄さんの妹さんと同じ会社で働いていて



今日は妹さんの誕生日プレゼントを買うのに付き合わされて…


じゃない



付き合ってました



付き合うとか彼女とかそんなんじゃないですよ』



あたしはグラスの中の氷をストローでカラカラ回した

No.207 09/08/26 15:02
モモンガ ( PZ9M )

『そうなんだ…


でもリカの話は聞いたんだよね?



白川さんがきっと他の女の子にリカの話をするって



きっとちょっと特別なんだと思うな



あたしは白河さんに嫌われてる



…っていうか誤解されててね



未だに連絡しても電話にも出てもらえなくて…




本当に今日久しぶりに会ったんだ…』



少しの間お姉さんはまぶたを閉じた



静かで


穏やかで



少し…苦しそうな



そんな顔に見えた



『昔…お姉さんと



店長さんと、リカさんとお兄さんに何かあったんですか…?』




あたしはついに核心に触れた



開けてはならないパンドラの箱だったのかも知れないが



お姉さんも



まみ兄も




今をせっかく生きているのに何か…



目に見えない過去の大きなうねりの中に取り残されているように見えたからだ



お姉さんはグラスから口を話すと静かに



一言一言



想いを絞り出すように話始めた





あたしはこの事がやがて




まみ兄を



あたし自身を深く傷つける事になるとはまだこのとき



知るよしもなかった

No.208 09/08/26 16:09
モモンガ ( PZ9M )

『あれは…三年前だったかな



リカがね




ずっと夢に見ていた美容院を開く事が決まってね




あたしが当時付き合っていた彼氏の知人がやっていた店を手放すことになってね



そこをリカに紹介することになったの




リカも…


白河さんも物凄く喜んでね…



あの二人



あの頃結婚の約束もしていてね



多分リカにとっても人生で一番幸せな時間だったんじゃないかと思う






あたしも…




勿論その事をリカの側で喜んだ一人だったのよ』




お姉さんは少し目を伏せると口をキュッと結んだ




『あの日…




リカと店のオ―ナ―との契約の日



あたしも本当は保証人として立ち会うはずだったの



でも…



付き合っていた彼氏から



『俺がちゃんと見てるから大丈夫だ』って連絡がきて…



その日ちょうどリカの契約を祝ってみんなである店を貸しきりにして飾り付けをしていたから




あたしも安易に彼を信じてリカの事を頼んでしまったの




それが一番の…



一番の間違いだった…』

No.209 09/08/26 16:19
モモンガ ( PZ9M )

『契約はその新しい店になる予定の場所で行われたの




前金で1500万という大金をリカは言われたた通り通帳に入れて用意した




それは前日にあたしが銀行についていって確認したし



間違いなくあったものなの




だけど…




リカの夢は叶わなかったの…





リカは…





リカは…』





お姉さんの体か小さく震えていた



きっとこの先はこの間まみ兄に聞いた通りなのだろう





リカさんはその人達にお金を騙されてもっていかれ



女性としてあるまじき仕打ちをうけてしまったんだろう…





それに加担したのはこの人の彼氏で




きっと彼女はまみ兄にもその事を責められて…





彼氏にも裏切られて…




親友を傷つけて



失ってしまったのかも…




あたしは目の前で顔を覆っている彼女を



ただ黙って見つめるしかしようがなかった

No.210 09/08/26 16:28
モモンガ ( PZ9M )

『ごめんなさいね…


ちょっとはっきりとは説明できないんだけど




リカは…



夢も希望も何もかも失ってしまったの




その日のうちにリカは…




海に身を投げたのよ



その事がわかったのは次の日の昼間だった



結局送別会にもリカは現れず




白河さんにも連絡もせず




職場にも来なかったから…




勿論あたしは彼に何回も電話したけど全然つながらなくて…



白河さんや友達とマンションや行きそうな場所全て探したの




そして…



あの店を見に行った時に




リカのカバンや…


財布や…



色んなものが散乱していて





あたしたちは始めてそこで何が起こったか知ったのよ





白河さんは何度も何度も携帯から電話をしてね…




ついに




その着信音が聞こえた先は



海岸の砂浜だった





リカの携帯と




靴と




指輪が揃えて置いてあってね…





真冬の海の中に白河さんはス―ツのまま飛び込んでいった』

No.211 09/08/26 16:37
モモンガ ( PZ9M )

『曇って波の荒い海に胸の辺りまで浸かりながら




リカの名前を絶叫してたわ…




あたしたちみんな




泣きながら白河さんを止めに海に入って




海岸のレスキュー隊があたしたちをみつけて救護してくれて




誰も怪我もせずに浜まで上がる事ができたけど




結局リカの遺体は見つからなかった…





あたしも含めて警察に事情を聞かれてね




半年もしないうちに彼とその仲間たちは別件で捕まったの




リカのお金はもう使い果たされていて



残高のない通帳とリカの判子が証拠として家に帰ってきたの




もともと彼はオ―ナ―に借金があったみたいで



最初から詐欺を働くのをしっていてリカを誘ったんだ…って



あとから刑務所で聞いたわ




全部はあたしのせいなの




リカの夢も


リカの未来も



白河さんの将来も



全部はあたしが壊してしまった…』

No.212 09/08/26 16:47
モモンガ ( PZ9M )

『でもね



白河さんには信じてほしいの




あたしは最初から何も知らなかった



まさか彼がリカを騙そうとしていた事とか




お金を持ち逃げしようとしたとか




リカを…傷つけようとしていたのも…




本当に…



知らなかったの…』




いつの間にか彼女の目からは涙が止めどなく溢れてこぼれ落ちていた




物凄い自責の念にさいなまれた日々が続いていたんだろうな…




もしその日自分がついて行っていたら…



もし…もっと早くその事に気づいていたなら…




あたしはもう一度さっき見た壁にある二人の笑顔を見た



写真の中の頬を合わせる二人の優しい笑顔




この笑顔が崩れる日がくるなんて



誰が予想できるだろうか…




きっと彼女も




まみ兄も




リカさんも




深く傷ついてしまった




あたしの知らない三年間があったんだ…



あたしは言葉を探しながらも何も言えないままじっと下を見つめていた

No.213 09/08/26 17:06
モモンガ ( PZ9M )

深く大きなため息をつきながら息を整えると彼女はニコッと力なく笑った



『でもね…リカの夢は半分は叶ったかな…




そのあとね




結局リカの件で1500万を主犯の親が弁償してね



勿論慰謝料もリカのご両親に支払って…



その物件も白川さんがその親御さんから買い取ったの



謝罪の意味も込めてリカの為に譲渡するって弁護士を通じて言ってきたんだけど




白河さんはリカと同じ1500万で買わせてくれって



断固として支払ったって聞いた…




リカの夢を少しでも現実に形にしたかったのね…




今でもあの店は白河さんがオ―ナ―のはずよ




本当ならリカがいるあの場所を…




白河さんは守っているのかも知れないわね…』





彼女はゆっくりとストローに口をつけてオレンジティーを飲み干した



『何だかごめんなさいね



こんな話しながらケ―キなんか食べられないわよね



この話は二人の秘密ね




また…白河さんから聞く機会もあるかも知れないけど




その時は彼を…



支えてあげてね』




そう言うとおもむろに立ち上がり空になったグラスを手に取った

No.214 09/08/26 17:18
モモンガ ( PZ9M )

残されたあたしは今までにないヘビーな話の内容にため息をつきながら



『来るんじゃなかったよ…』



と、フォークの先で美味しそうなイチゴをこれでもかとつついていた




人の恋路にはやっぱり頭もおしりも突っ込んじゃダメだね…




あたしは無理やりタルトを口に押しやると味もわからないままオレンジティーを飲み干した




帰りにレジの脇にあったハ―ト柄のかわいいラインスト―ン付きの手鏡があったのでそれをまみちゃんの誕生日プレゼントとして購入した




『またよかったら寄って下さいね』



という叶わぬ申し出に


(これるわけないじゃんか…)



と呟きながら笑顔で店を後にした




時計に目をやるともう時刻は夜の8時になっていた




あたしは破れたパンツと秘密の過去と



なんの因果かまみちゃんのプレゼントを抱えて



過去最も思い足取りでアパートへと戻った



1日一善…




今日はお休みだ




神様



私がわるうございました



この事は山川弘美


一生忘れません



ごめんなさい…



そう言うと早々と布団に潜り込んだ

No.215 09/08/26 18:24
モモンガ ( PZ9M )

次の日



あんなに早く布団に 入ったのに眠れなかったあたしにまみちゃんが近寄ってきた



『山ちゃんおっはよ~♪



ってか…何?そのクマ…




お肌のお手入れとかちゃんとしてる?



髪もなんかパサパサだしさ…




女捨てちゃまだまだダメだよ~




その点まみは昨日エステ行ってピッカピカ♪




来るべき金曜日に備えなくちゃなぁ♪



金曜日は悪いけど彼氏達と時間差デートだから有給使わせてもらうね~♪




はい♪有給届け♪』



もとはと言えばあんたがわけのわからんメールよこすからこんな目にあうんじゃい



パンツは破れるわ
(あ…これはあたしのせいか…)



兄の過去の話聞くわ
(…これも違うか…)



眠れなくてクマ作るわ
(あかん…どれもこれもあたしのせいや…)



『はい…確かにお預かりしますね



あ、ここ今日の日付と曜日書いてくださいね…』




『はいはい♪



10月28日の水曜日…



これでいい?』


『はい、バッチリです



いいですよ』



いったん席を離れたまみちゃんがまたあたしの机の横にしゃがみこんだ

No.216 09/08/26 18:37
モモンガ ( PZ9M )

『あの、さ



山ちゃん昨日兄貴となんかあったりした?




なんかさ…昨日帰ってきてから様子が変…っていうかね



ちょっと違うかなって思ってね



山ちゃんに手ぇでも出してぶっ飛ばされたのかなって』



まみちゃんは若干期待を込めたような顔をしながらあたしを見上げた



いやいや



ぶっ飛んだのはあたしの方だよ…



『いやいや


全然何にも…



あ!ちょっと待ってね』



あたしはカバンの中をまさぐると昨日のカフェで買ったプレゼントをまみちゃんに手渡した




『うそっ♪まじで~


っていうかメチャクチャ可愛いんですけど~




山ちゃんって何気にまみの趣味よくわかってらっしゃる♪




ありがとうね♪



まだ兄貴には誕プレもらってないけど



これなら期待できちゃうねっ♪』



まみちゃんはウキウキしながら秘書課のデスクへと戻っていった




『山ちゃんやるね~



朝から白河さんにプレゼント?




仲良しだったんだね~意外な組み合わせ』



福島さんが驚いた顔をして見せた

No.217 09/08/26 18:53
モモンガ ( PZ9M )

『福島さんの真似ですよ



プレゼント大作戦です』




『あれもポイントカ―ドかい?』



福島さんが肩をゆらして笑った



楽しそうな福島さんをよそにあたしは相変わらずブルーな気持ちだった





仕事にまでプライベートを持ち込むのはあたしらしくないけど




海の中でいなくなった彼女の名前を呼ぶまみ兄を想像すると胸が痛くなった





ああもう仕事にならん…




『おはようございます、山川さん』



いつもより明るい声で早川さんが着席した



『おはよう


昨日はみっともないとこ見せちゃってごめんね』



『いえいえ



あれから彼氏と仲直りしました?』




だから彼氏じゃないっちゅうに…



あたしは無言で首をふった



もう否定すら面倒くさい



『ちゃんと仲直りしなくちゃだめですよ




あんなカッコいい人なかなかいませんよ』



『…そうだね』



さっきまみちゃんから受けた有給の申請書に力一杯判子打ち付けた

No.218 09/08/26 20:32
モモンガ ( PZ9M )

気分転換もかねて今日こそは『ルーム』に行こう



予約は確か今週中…



色んな事がおこり過ぎてあたしのちっさい脳みそには入りきらない…



あたしはいつもの二倍速で仕事をこなしていった




プライベートのもやもやイライラは仕事で吹き飛ばすに限る



あたしもし失恋とかしても絶対に仕事で 立ち直るタイプだ



今日は絶対自分のために時間を裂こう




自分がダメなのに人に優しく1日一善なんて絶対無理だ




自分がある程度メンテナンスされていないと並みの力もでやしない



今日は髪まとめて



帰りに駅前のス―パーで久しぶりに服部くんのレジで買い物して




プレイボーイのジャージ着て



ゴロゴロして畳でみかん食いまくってやる



魔法の眼鏡なんてくそくらえだ



あたしはあたしのままが一番なんだ



好きとか嫌いとか恋とか愛とか



あたしには荷が重すぎる




あたしは何かを追い払うように頭を振ると今週分の伝票を全てクリップからはずした



『やったるど今日中に』


一人呟くとパソコンの画面を開いた

  • << 221 『本当の魔法…? 左側のダイヤルにはどんな秘密があるんですか? 魔法っていったい…』 『それはね… あっ、はいゴメンナサイ ごめん山川さん 本番始まるからあたし行くね ちなみにこっちの携帯は仕事用よ あとさっきのCM撮りの件マネージャーに交渉してみるわ ちょっとまっててね じゃ』 電話のあとに感じたのはいつもの日常の中にある『魔法』を体験したような不思議な気持ちだった 実際の『魔法』は謎のままだけど とりあえずは何とかなるかもしれないという淡い期待はもてた 心の中で小さなガッツポーズをしてあたしはマッキ―の待つ屋上へと足を運んだ

No.219 09/08/27 10:19
モモンガ ( PZ9M )

お昼になりみんなが外へとちりだしてもあたしはまだパソコンに向かい続けていた



入力は7割方終わっていたがあたしはまだ席についていた



『ん~


久しぶりに仕事した!って感じだね



さて、マッキ―とのランチにでかけっかな』



持ち上げたカバンの中から微かに携帯の着信音が響いた



携帯には見たことのない番号が通知されていたが意外に長くメロディーが流れていたのであたしはためらいつつもとることにした



『もしもし…?


山川ですけど…』




相手はしばらく静かだった



あたしはイタズラかなと思い電源を切ろうとした


『もしもし…?


飯田ですけど



どちらの山川さんかしら…?ってあたしがかけたんだけど



スイマセン覚えていなくて』




あたしは目を丸くした



というか驚いた



飯田





飯田みゆうだ





電話越しにもあの日の記憶がはっきり蘇る



あたしは慌てて携帯を持ち窓側へと移動した



『あの



あの、あたし山川といいます



以前に駅前で飯田さんに眼鏡を頂いた…』




そこまで言うと携帯の飯田さんの声が突然明るくはじけた

No.220 09/08/27 10:33
モモンガ ( PZ9M )

『山川さんって言うんだ



覚えてるわよ



黒髪眼鏡のダッサイOLさん!



どうしたの~正直驚いたわ』



『…あはは



言いますね飯田さん


実際その通りですけど…




あの、スイマセンこちらこそ…



あ、あの…実は…』



あたしは営業のデスクを見ながら頭を抱えてうつ伏せる河村さんの方を見た



そして会社のCM撮りの話を簡潔にした



飯田さんは突然の事だからと即答はしなかったけれど



力になりたいと申し出てくれた



あたしは図々しいお願いをしたかなと思いつつ何かが変わればいいなと期待していた



『ところでどう?あの眼鏡を使ってみて


心境の変化はあったかな?』




『はい、そりゃあもうビックリしましたよ!



眼鏡触ったらあんな数字がみえちゃうし


色んな見えなくてもいいものまでみえちゃうなんて本当に凄いですね』




『ハハ―ン…


さてはまだ右側の機能しか使ってないわね


そうかそうか



まだ本当の『魔法』は見てないのね』



携帯の向こうで飯田さんが笑った

No.221 09/08/27 10:50
モモンガ ( PZ9M )

>> 218 気分転換もかねて今日こそは『ルーム』に行こう 予約は確か今週中… 色んな事がおこり過ぎてあたしのちっさい脳みそには入りきらない…… 『本当の魔法…?



左側のダイヤルにはどんな秘密があるんですか?



魔法っていったい…』




『それはね…




あっ、はいゴメンナサイ




ごめん山川さん



本番始まるからあたし行くね


ちなみにこっちの携帯は仕事用よ



あとさっきのCM撮りの件マネージャーに交渉してみるわ



ちょっとまっててね



じゃ』





電話のあとに感じたのはいつもの日常の中にある『魔法』を体験したような不思議な気持ちだった



実際の『魔法』は謎のままだけど




とりあえずは何とかなるかもしれないという淡い期待はもてた




心の中で小さなガッツポーズをしてあたしはマッキ―の待つ屋上へと足を運んだ

No.222 09/08/31 22:31
モモンガ ( PZ9M )

マッキ―の部屋(小屋?)に近づくと何やら焦げ臭い匂いがした


ドアの隙間からうっすら煙まで立ち上っている



まさか?!




あたしは小走りに近寄ると勢いよくドアに手をかけた



『マッキ…』




声を出そうとした瞬間勢いよく開けたドアから白い煙がもくもくと立ち上った



あたしは目をつぶり体勢をかがめた



『ゴホッ…ゴホッ…


マッキ―


これは一体…』



室内の煙が薄くなった頃部屋の奥から真っ黒な顔のマッキ―がゆっくりと現れた



『…ゴフッ…ウフッ…



山ちゃん…助かったわぁ



…ゴフッゴフッ



わし、山ちゃんと食べようと思ってサンマ焼いとったんやけど焦がしてしまったわぁ…』




マッキ―の両手には真っ黒の魚らしきものが握られていた



部屋の中は明らかに魚臭くなっていた



真っ黒になった魚を両手にもって


いい歳したじいさんが立ち尽くしてる…




あたしは思わず吹き出して声をあげて笑ってしまった




『なんや山ちゃん


そんなん笑わんといてや



魚…もったいなかったなぁ




どないしよ昼飯…』

No.223 09/08/31 23:09
モモンガ ( PZ9M )

『その前に顔吹きなよマッキ―



服も着替えた方がいいよ




ほらほら急いで急いで



ご飯はあるんでしょ?



おにぎりにしよ



あたし作るからさ』




マッキ―はむせながらもロッカーの中からクリーニングの袋がかかったままのワイシャツを取り出した




あたしは小さな炊飯器からご飯を手にとると塩をつけて形をつけ始めた




『ごめんなぁ山ちゃん



悪い悪い』




マッキ―は新しいシャツを羽織ると机の上にあったタオルで顔をふきはじめた



『山ちゃんは好きな男にいつもそうやっておむすび握ってやってんのか?




えらいなぁ』




『ないない



あたし彼氏も好きな男もいないもん




誰か紹介してよマッキ―』



『またまたそんな事言って




聞いたぞ



昨日会社のエントランスで彼氏と抱き合ってたんだって?




すみにおけないなぁ山ちゃん



わしくらいには彼氏いること言ってくれたらいいのに』



椅子に座り直し机をふくといつものようにお茶を入れ始めた


会社の外で彼氏と抱き合うバカなOLになってる




魔法どころかどんどん魔界方面に進んでるよ



えらいこっちゃ

No.224 09/09/01 21:38
モモンガ ( PZ9M )

おにぎりを二、三個作って紙のお皿の上に味のりをのせた



それにマッキ―の入れてくれたお茶



あたしの持ってきたサンドイッチ



以上があたしたちの昼食になった



今日は曇り空が続いて天気も不安定だ



『雨降らんといいけどなぁ…』



マッキ―は味のりをしおむすびに巻き付けるとパクっと一口食べた



『そうだねぇ先週は降ってないし今週はあぶないかもねせっかく今日は髪の毛綺麗にしようと思ったのに』




『なんや山ちゃん今日は彼氏とデートじゃないんか?



いいなぁわしもデートしたいなぁ老人会の女の子達呼んでカラオケでも行こうかな




パフュ―ムの『ワンル―ム・ディスク』歌うんや知っとる?』





『へぇ―マッキ―ちゃっかり老人会にガールフレンドなんかいるんだ



天国の奥さんに焼きもちやかれちゃうね』




あたしがそう言うとマッキ―は首をゆっくりふった



『あの人は焼きもちなんかやかんやかん



死ぬ前にわしに言ったんや




《あなた、どなたかと幸せにならないと人生もったいないですよ》って




勿論ぼけとんでわしの嫁さんは自分って忘れとるんけどな』

No.225 09/09/02 02:27
モモンガ ( PZ9M )

『今の記憶は忘れとるけど昔の記憶はわりにしっかりあってな




たまに小学生になるんや




そんときにないうんや


《あなたとても親切ね、きっといいお嫁さんができますよ


私もけんちゃんのお嫁さんになって未来そいとげるんです



ずっとずっと一緒にいて



戦争のない時代になってもずっと



一緒にいるんです


好きな人とずっと一緒なんて



なんて幸せなんでしょう》


ってね



あの人の一番いいころは『けんちゃん』が支えてくれたからいいんや



わしがちょっとくらい他の女の子と遊んだかて怒らんと思うよ



山ちゃんなら怒るか?』



『ん~…



あたしが死んだあとに旦那が誰かとデートしたり付き合ったり?




想像だけでけっこういやかな…



マッキ―だって逆ならそう思わない?』



『わし?



わしなら…



そうやね…




ばあさんが元気でも一人でぽつんとおったら心配やなぁ



ちょっと焼きもちやいても




他の誰かとデートしたり楽しゅうしとってほしいわ』

No.226 09/09/02 10:31
モモンガ ( PZ9M )

マッキ―はそういいながら優しい笑顔でにっこり笑った




やっぱりだてに歳はとってないなぁ…



それに引き換えあたしはまだまだ青っぱなだ




側にいてもいなくても



相手の事をおもいあえるなんて…




なんか素敵だよ




あたしなら好きな人にはずっと自分だけ見ていてほしい



死んだあとだって…




もしも大好きな人に大切な人ができるのを目の当たりにするのは辛いよ



でも




本当に大切な相手なら




本当に愛しているなら





その人の幸せを両手で押してあげるのも


笑って見送るのも



愛情の形なんだね




あたしはまだまだ人間ができてないから無理だけど




あたしにもいつか



そんな風に思える日がくるといいな…




ロマンチックな魚臭い部屋であたしはマッキ―の奥さんをうらやましいなと感じていた




それと同時に…




リカさんはこの空の下のまみ兄の事をどう思っているかな…

って


そんな事を頭がよぎった… 

No.227 09/09/02 13:13
モモンガ ( PZ9M )

しばらくして昼食を終えた頃にかばんの中から携帯音が聞こえた



飯田さんだ




一度マッキ―の顔を見るとごめんねのポーズをして部屋のドアを開けた



『もしもし?山川ですけど』



『もしもし?さっきはごめんね飯田です



さっき聞いたCM録りだけど…


ポスターとか広告だけだよね


1日位で終わるなら協力できるかもよ?


そんでこれまた急なんだけど今日



これからは無理かなぁ?



実はこのあと1日入っていた収録がなくなってね




今からオフなんだ



どうかな?



一応聞いてみてくれる?』




『えっ?!今からですか?




本当に?




わかりました!!早速友人に言ってみますね



ありがとうございました!!』




あたしは電話を切るとその場で大きくバンザイをした




これで河村さんもむくわれるよね



早く知らせてあげなくちゃ





側であたしを見ていたマッキ―が何事かと訪ねてきたので眼鏡の話はあえて飛ばして飯田みゆうさんが会社の新商品のイメージモデルに協力してくれる事を説明した




でもマッキ―から出たのは意外なものだった

No.228 09/09/03 16:22
ふぁーむー ( 20代 ♀ OB6Mh )

ももんがさん❤お久しぶりです☺きらきらぼしの時レスさせていただいたふぁーむーです✨
ももんがさんがこのお話を書いているのを今日知って一気に読んじゃいました😃
きらきらぼしやラブレターとは雰囲気が違いますが、やっぱりももんがさんのお話は人をひきつけるものがあると思います✨続き楽しみにしています🙌

No.229 09/09/03 20:17
モモンガ ( PZ9M )

ふぁ―む―さん🌱


お久しぶりです🙇💕


きらきらぼしやラブレタ―とはちょっと違う


テンポのよいコミカルなお話が書けたらなぁと思い始めました




自分にも誰にもあるような弱いところも

コンプレックスに感じていたことも



本当は一番自分らしかったりするし



変えたいと思う気持ちを動かすきっかけをどう実行するか




行動か


それとも理想で終わらせるのか


どちらも自分が選択した現実が『今の自分』




今の自分からこれからの自分へ



幸せになる努力



ももんがもしなくちゃです😿



ちなみにリレー小説『しあわせいろ』にも参加していますので



良かったら感想などは『しあわせいろ🌱感想スレッド』に寄せて頂ければ幸せです💕




🙇💦

No.230 09/09/05 21:53
モモンガ ( PZ9M )

『山ちゃんの気持ちはわかるけどそれはあかんわ



腐っても営業やで




営業には営業なりのプライドがある



企画からプレゼンから…OKもらって集めた資料かかえてまた会社行って…



言い換えれば意地と根性と頭で取った仕事や




それを入社三年目の

しかも事務の山ちゃんがそんなビックネ―ムもってきたら企画は大成功やけど


山ちゃんの友達からしたらトンビにあぶらげやで~』




『そっか…


そうだよね、確かにマッキ―の言う通りだよね…




う―ん…かと言って他にいい方法なんて…』

No.231 09/09/06 06:23
モモンガ ( PZ9M )

『ほんならわしにまかしときな




山ちゃんはその姉さんに今から出てきてもらうんや


いいかい?』



そういうとマッキ―はどこかに電話をしはじめた



電話口でのマッキ―は宝物を見つけた子供みたいにはしゃいでいた




おっさん仕事だよ

仕事…



まぁ言われた通りにするけどさぁ…



あたしも飯田さんにもう一度電話をして一時間後に会社のロビーに集合する約束をとりつけた




『こりゃあおもしろくなりそうだな』



マッキ―がいたずら顔をしてにやりと笑った




一体どうなるんだろう~



(河村さん今からもう謝っとくね)




イチマツの不安を覚えながらも策士のマッキーに全てを任せてとりあえず部署へと戻った

No.232 09/09/06 20:25
モモンガ ( PZ9M )

とりあえず昼が終わり職場へと戻ると机の上では営業のみんながなんとか遅れを取り戻そうと必死にあちこち電話をしていた



話を聞くと何件かはいいタレントさんやモデルさんもいたらしいが相手の社長さんからはOKがでないらしい



『う~ん…てごわいね』



湯気のでたコーヒーを河村さんの席まで運ぶとこともあろうに半分まゆげのない河村さんが目を擦りながら顔を上げた


『…ああ…もう…



どうにもならん感じ…



あのクソ社長いつかうちのチームに刺されるわよ…』



まわりにいたスタッフが全員うなずいていた




怖い…




ここんとこ相当プレッシャーがかかっているのか



何回も何回も企画から練り直したり


話し合いの場をもったり



営業も大変な仕事だなぁ




(いっそ飯田さんの話を今すぐしたら…)



そうは思うけれどマッキーに促されてるし




ここは一旦流そう…



あたしは自分の持ち場につくともくもくと仕事をしはじめた



約束の時間まであと一時間



山川弘美&マッキーのゲリラ作戦実行までみんな待っててね!




(って誰にいってんだあたしは…)

No.233 09/09/08 19:19
モモンガ ( PZ9M )

実際のところ自分のした事が今でも信じられないでいる



芸能人と電話して待ち合わせてるなんて…



口元が緩んで誰かに大声で叫んじゃいたい




『飯田みゆうがくるぞ~!!!





しかもうちの会社に!!!』





言ったらみんなひっくり返るだろうなぁ…





そんな事を考えながら身のはいらない仕事をしているとパソコンの受信トレイが点滅した



『誰からだろう…』



画面に合わせてクリックするとマッキ‐からのものだった




『山ちゃんへ



ハロー30分ぶりの牧野です(^o^)/



あんなぁさっきの話やけど今からいう場所に友達のタレントさん連れてきな



ほんでもって



営業の友達もあとからよんでや




ちょっとおもろい事になりそうやで



楽しみにしとってや( ^_^)人(^_^ )




牧野』





やたら顔文字が多いけどこのさいこれは無視だね




あたしはパソコンに書かれていた場所に思わず二度見してしまった




なんで…



ス‐パー銭湯なん…?

No.234 09/09/08 19:29
モモンガ ( PZ9M )

あたしはマッキーの策がわからないままにとにかく飯田さんにあったらどうやってスーパー銭湯なんぞに連れ出せるか




そればかりに頭をひねっていた



『飯田みゆう銭湯にあらわる』




そんな三面記事が現れたら責任がとれないよ…




でもまぁしかし



おもしろいにはおもしろいけどさ



あ~


でも上手くいかなかったらあたし達どうなるんやろうか…




それより会社抜け出して銭湯なんて…



それもいいのか?




『なんだかわかんないけど



何か楽しそう』



にやつくあたしに福島さんが



『どうしたの?楽しそうだね?


なんならもう1社書類増やそうか?』



と伝票の束を最高に爽やかな顔で机の上に置いてきた



(ちがう~)

No.235 09/09/08 20:21
モモンガ ( PZ9M )

約束の時間が間近に迫り



あたしは『マッキーに頼まれた備品の配布』を手伝うべく席を一旦離れた



河村さんには『30分後に連絡したメールの場所にきてほしい』と連絡した



『今は無理だよ』と不思議そうな顔をしたが『おりいって相談が…』の申し出にそれならと快諾してくれた




高速エレベーターを降りてエントランスをぐるりと見回すと


いた!




黒いキャスケットにベージュのトレンチコートの襟をたてた美人発見!




あたしは小走りに歩み寄ると声をかけた



『…飯田さんですか?』



様変わりしたあたしを見て一瞬『誰?』的な顔をしたが



胸元から魔法の眼鏡をちらりとみせると大きく頷き明るい笑顔をみせてくれた



『山川さん~


うわ~顔ちっちゃかったんだね~


ショート似合う



あたしじゃなくて山川さんがビフォア、アフターした方がうれるんじゃない?美顔器』



『何をわけのわからない事を…




ってか飯田さん


一生のお願いがあるんですけど


あたしとちょっと出かけてもらえませんか?』

No.236 09/09/09 11:42
モモンガ ( PZ9M )

タクシーの中しばし静まり返った車内



飯田さんは笑いすぎて黒くなったマスカラ涙を目でこすりながらうつむいてまだ笑っていた



『…笑いすぎですよ


そんなん可笑しいですか?』



必死に声を殺している飯田さんはあたしの膝をバシバシ叩きながら頷いている




そりゃそうだわな



制服きたダッサイOLが今をときめくタレントに



『ス―パー銭湯いきましょう!



今すぐに!』



なんてね



飯田さん鳩が豆でっぽうくらったみたいな顔してたよ




『え?撮影は?』




困惑する飯田さんを半ば無理やり止めておいたタクシーに押し込んだが飯田さんは耐えきれずに車内で爆笑し始めた




しかもタクシーのうんちゃんも怪訝な顔をしている



美人とブサイクがタクシーに相乗りして


しかもこんなお昼に銭湯までタクシーで



ああ…



またバックミラーでガン見してる



あやしくないから別に


(いや…あやしいか?)




窓を流れる景色を見ながら飯田さんがやっと息を落ち着けて話だした

No.237 09/09/09 17:21
モモンガ ( PZ9M )

『あ~笑った!


これで一年は笑わなくてもいいや


は~苦しかった』



そういいながら花の刺繍がしてある綺麗なブランドのハンカチで目頭を押さえた



『…本当にすいません



急なお願いで



しかも銭湯なんかに連れていくなんて…』




『ううん


びっくりしたけどね


それなりになんか訳があるんでしょ?



いいわよ


とことん付き合っちゃう



なんなら湯船でもぐろうか?』



飯田さんは鼻をつまみながら水に潜る真似をしてみせた




美人なのに本当に気さくな人だなぁ…



それにしてもマッキ―どうするつもりなのかな…?




あたしは言われた通り銭湯が間近に見えときたあたりでマッキ―の携帯にメールを打った

No.238 09/09/10 11:54
モモンガ ( PZ9M )

『ありがとうございました』


あたしはタクシーの運ちゃんの手からお釣りをもらうと急いで飯田さんの元に駆け寄った



『しっかし本当にきたわね…銭湯』


飯田さんは帽子を目深にかぶりサングラスをはめた



『…はぁ



とりあえず受付をしてロビーで待てと指示がでました』



あたしは力なく笑うと飯田さんを銭湯の入り口まで誘導した


駐車スペース約80台
駐輪スペースもでっかいひさしがついたのが3つ


身障者用のスペースが三台


いわゆる普通の二階建ての銭湯だった



『いらっしゃいませ~

ようこそ梅の湯へ~』



赤いハッピを着たちょびひげのおっさんが近づいてきた



『いらっしゃいませ~


あの~ひょっとしたら三橋電機の山川さん?』



『…はい


そうですけど…』


めっちゃ怪しいチャーリ浜やな



にせもんだけどさ




『おまたせしました


それでは早速ご案内しますね


ゆっくり入って下さい



あ、靴なんかそのままで



直しておきますから


どうぞどうぞ』


チャーリ―はあたしと飯田さんの手をとると受付を通り抜けて二階へと連れ出した

No.239 09/09/10 12:09
モモンガ ( PZ9M )

二階の階段を右に大きく曲がると左側に女湯


右側に男湯


の、のれんがかかっていた


『それじゃあまたあとでうかがいますから


ごゆっくり』



『あ、あの

ちょっと…お金とかは?


ね!おじさん!!』



あたしの声にもただただにっこりして手を左右に降るだけだ



なんだ?




『…まぁ

意図はよくわかんないけどとりあえず入ろうか?』



あたしのすぐ近くで飯田さんが楽しそうに笑ってみせた


『うわぁテンション超あがるんだけど



銭湯なんて一年くらいきてないや


めっちゃ楽しい~



山ちゃんも脱いで脱いで!』



『…あははははは』



銭湯といえど平日の女湯はおばちゃん達の熱気でひしめきあっていた



マイ塩
マイパック
マイドリンク
マイ美容液


すげ~


ちょっとしたエステサロンじゃんか



おばちゃん達の美と 休養と娯楽の総合エンターテイメントやな



あたしが人間ウオッチングしているといいださんは素早く着替えてバスタオルに身を包んでいた



『あれ?そういえばタオルは?』



『そこのカゴ


ご自由にお使いくださいだって』

  • << 241 あたしは潔く制服を脱ぐと三枚1000円の安物パンツを脱ぎ始めた 『何が悲しゅうて風呂はいるん?』 今さら愚痴など誰に届くわけもない わかっちゃいるけど呟かずにはいられない 平日の銭湯といえどあながちすいてはいない パンツを下ろしながら人間ウォッチングた 『ぬし』ってからには昔からきてんだよね はばが聞いて 昼間に自由に毎日これて おそらく年配者 健康に気を使い おそらくおせっかい 毎日銭湯にくるんだから高血圧でもない 目にみえないぬしをプロファイリングで追い詰めていく 『…わかんないよ誰か船越さん連れてきて崖までぬしを追い詰めてもらってよ…』 小さく呟くと近くにいたおばあちゃんがあたしのおしりをパチンと叩いた 『あんたお尻小さいねぇそんなんで赤ちゃん産めるの? あたしのおっぱいみてごらんよこれでも八人の子供を育てたんだよ』 豪語するおばあちゃんのおっぱいは重力に逆らいながら不思議かな上向きだった 『…凄いあたしの胸より断然でかいし綺麗え~ お母さん凄いね八人も産んだおっぱいじゃないね』 そういうとおばあちゃんはガハハと笑って椅子に座り直した

No.240 09/09/13 09:18
モモンガ ( PZ9M )

あたしは飯田さんに化粧をおとして浴場に先に行ってもらうことにした



その隙にしゃがみこんでマッキ―に電話をした



『…もしもし?マッキ―?あたし、山川です



言われた通り梅の湯来たよ



飯田さんにはお風呂に来てもらった



そんでこれからどうしたらいいの?




…は?主?



『銭湯のぬしを探すの?




って主って何?


…もしもし?



もしもし?!




…切りやがった


あたしはドラクエの戦士じゃないぞ



『銭湯の主を探せ』


ってなんのこっちゃ


もうわけわかんないよ~』




あたしは頭をかきむしるとため息をついた



会社抜け出して
芸能人と風呂入って銭湯の主を探すOLなんてあたしはなったつもりはないよ




『変わりたい』って確かに思ってたけど


何かおかしな方向に傾いてないかな


(いや、確実に傾いてるよね)

No.241 09/09/13 09:39
モモンガ ( PZ9M )

>> 239 二階の階段を右に大きく曲がると左側に女湯 右側に男湯 の、のれんがかかっていた 『それじゃあまたあとでうかがいますから ごゆ… あたしは潔く制服を脱ぐと三枚1000円の安物パンツを脱ぎ始めた


『何が悲しゅうて風呂はいるん?』


今さら愚痴など誰に届くわけもない


わかっちゃいるけど呟かずにはいられない



平日の銭湯といえどあながちすいてはいない



パンツを下ろしながら人間ウォッチングた



『ぬし』ってからには昔からきてんだよね


はばが聞いて
昼間に自由に毎日これて
おそらく年配者
健康に気を使い
おそらくおせっかい
毎日銭湯にくるんだから高血圧でもない


目にみえないぬしをプロファイリングで追い詰めていく


『…わかんないよ誰か船越さん連れてきて崖までぬしを追い詰めてもらってよ…』


小さく呟くと近くにいたおばあちゃんがあたしのおしりをパチンと叩いた


『あんたお尻小さいねぇそんなんで赤ちゃん産めるの?

あたしのおっぱいみてごらんよこれでも八人の子供を育てたんだよ』


豪語するおばあちゃんのおっぱいは重力に逆らいながら不思議かな上向きだった


『…凄いあたしの胸より断然でかいし綺麗え~

お母さん凄いね八人も産んだおっぱいじゃないね』


そういうとおばあちゃんはガハハと笑って椅子に座り直した

No.242 09/09/13 09:54
モモンガ ( PZ9M )

『だてに銭湯に通ってないよ



今の年よりはねアクティブなのよ



美味しいものちょびっと食べて

水泳や銭湯行って

カラオケに絵手紙教室


毎日病院とかに行って早くから並んでるじいさんばあさんいるだろ?



あたしはあんまり好きじゃなくてね



どうせ余生短いんだ


財産なんか残さずに葬式代だけ残してパッと使っちゃえばいいのよ



溜め込んだところで誰が得するって子供だけでしょ?



あほらしいわ』



おばあちゃんはすらりと伸びた足を組み替えるとあたしにウィンクしてみせた



その風貌や雰囲気はヨウコさんを彷彿とさせる




やっぱりこういう自信や個性が光ってる人ってカッコイイ



あたしも年をとったらこんな風に言えるように笑って年をとりたいなぁ



『あ、いけない飯田さんほかりっぱなしだった』


『どれ、あんたが行くならあたしももう一回入ろうかね』



おばあちゃんとあたしが浴場に入ると中はどえらい事になっていた

No.243 09/09/16 10:10
匿名 ( ApyXh )

※横レスごめんなさい※

モモンガさん、初めまして。

昨日はきらきら星も一気に読ませてもらい、この小説もモモンガさんの物だと知り今日又最初から読ませてもらってます。
誤字脱字が気にならない位に『読みたい気持ち』が沸いて来ます。モモンガさん、文書能力が高い方ですね。これからも楽しみにしてます。

最後にお願いが有ります。
小説の世界に浸ってるのに横レスは現実に戻るのでモモンガさんの感想スレをお願いします。

私のこの横レスも申し訳ないのでお返事は要りません。

宜しくお願いします。

No.244 09/09/16 11:39
モモンガ ( PZ9M )

匿名さん🌱


はじめまして😺
ももんがと申します


お礼レスは結構です


とのお申し出でしたがやはりお礼が言いたくてレスさせて頂きました




誤字脱字が本当に多くて本当にすいません😿💦




これから減らせるように心がけますね💦



あとよろしければ



『ももんが感想スレ』なるものがありますので




よかったらご意見バシバシお願いします😺





みなさんに楽しんでいただけるように




頑張りたいと思います🌱




ももんがより😺

No.245 09/09/21 12:10
モモンガ ( PZ9M )

扉を開けると湯船の中ではタオルを頭に巻いたノリノリの飯田さんがこれまた放漫なボディーのおばさまたちに取り囲まれて持ち歌を披露していた




『ありゃ…ばれちゃってるし…』


あたしが肩から吐くようにうなだれると後ろからおばあちゃんが飯田さんを指差した



『あれ!…ほら何だっけあの子…



動物奇想大天外に出てる…



飯田ナントカって子


違うかね?なんでまた銭湯で歌なんて歌ってるんだい?』



おばあちゃんの言葉がおわるやいなや


湯船の中では眉毛の消えた飯田さんが


バスタオルいっちょうにヘアブラシをマイクにしておばちゃんのリクエストに次々と答えている




失笑気味に近づいていくと割れんばかりの拍手に大喝采だ



『ありがとうね~

おばちゃん方サンキュー!!!』



飯田さんもナンチャッて歌謡ショ―にまんざらでもないみたいだ



飯田さんはあたしを見つけるとテンションが上がった声であたしを風呂の中から手招きした

No.246 09/09/21 14:07
モモンガ ( PZ9M )

『え?あたし?

なになに?』



周りの大爆笑のおばちゃんたちに背中を押されて飯田さんの横に並ぶと一斉に拍手が起こった



『みなさ―ん!こちらが先程お話しした三橋電気の山川さんです



元々は通りすぎても気がつかないほどのジミィ~な女の子だったんだけど




やっぱりきれいになる努力を怠らないとこのように変身をとげることになるわけです



やっぱね~あたしも思うけどやっぱり努力の上の努力よね




簡単に綺麗になるならエステも警察もいらないよね~




って違うか!』




さすがバラエティーもこなすだけあって回りは笑いの渦に包まれていた



あたしは楽しそうに笑うみんなの顔を見ながら改めて大切な事を思い返していた




自分達の会社の現状や商品の心配ばかりをしていて



新商品の向こうにあるこういう使う側のおばちゃんやお姉さんの顔なんて浮かんでいなかった





営業って売ってなんぼ


成功してなんぼだと思っていたけど


一番嬉しいのは
『使ってみてよかったよ』っていうリアルなお客様の声なのかもしれないね

No.247 09/09/21 14:44
モモンガ ( PZ9M )

しばらくみんなのようすを見ているとさっきのおばあちゃんがニコニコしながらあたしの横へと座ってきた



『あんた芸能関係の人だったの?


今日は何かキャンペーンでもあったのかい?



何だか楽しい銭湯になったよ



ありがとうね』




『いえいえ



本当はキャンペーン…しようかなって思ってたんですよ



方法はイマイチわかんないんですけどね(笑)




でも…なんか



みんなの楽しそうな顔見てたらもうそんなのどうでもよくなっちゃった』



あたしが笑って言うとおばあちゃんが聞いてきた



『何のキャンペーンだったの?試しにいってごらんよ



力になれるかわかんないけど少なくともいいか悪いか位はあたしが見てあげるよ



これでも先見性にはたけてんのよ



流行りのものから新商品まで



こういうとこでは『口コミ』が最大にいかされるからね』



なるほど…
昼間の主婦の休養を兼ねた情報交換の場所でもあり



子育ての一段落した団塊の世代はお金もこれからは自分のためだけに使うことができるし



こういう浴場でセルフケアをするお客様を美顔器の客層にするってのはあながち間違いでもないかもね

No.248 09/09/21 14:59
モモンガ ( PZ9M )

『なにしてんの山川さん…ここで相談ってある意味凄いんだけど…』




同じくバスタオルにお見事な美脚と豊乳をお持ちになる河村さんが立ち尽くしていた




『あ…河村さんだ

あはは



凄いとこでお会いしますね』




『って自分が呼んだんでしょ?



…っうかどうなってんの?



掃除のおじさんから『山川さんに渡してくれ』って紙袋渡されたし


来てみれば受付のおじさんから風呂に行けって案内されるしさ



それに…』




河村さんは小さな声で耳打ちをしてきた


『なんでまたここに飯田みゆうさんがいるのよ?



わけわかんないんだけど』




あたしは全てに小さくうなずきながら説明のしょうがない事態をどうすればよいかを必死にひねり出すべく考えていた



『まぁ…とりあえず一端でましょうか?


せっかくだから河村さんもお風呂入ってきてね』




あたしは河村さんからマッキ―から預かったという紙袋が入ったロッカーの鍵を受けとるとご機嫌な飯田さんの腕をとり浴場をあとにした

  • << 250 取り出した美顔器のスイッチを入れると暖かいミストが出てきた なんやこれ 使えっていうの? わかんないよマッキ― 一台はあたしに? まさかんなわけないわな あたしは手早く服に着替えるとおずおずと飯田さんの側に寄っていった 『あ、着替えたよ とりあえずどうしたらいいかな あ、何?これ例の美顔器? 試していいの? やらせてやらせて』 飯田さんはすっぴんにヘアバンドをすると化粧なおしのスペースに座り顔を軽くふいて器械のスイッチを入れた 霧のようなミストが顔にかかると目をつむったままで歓喜の声をあげた 『うわ― めっちゃ気持ちいいよコレ! 何かいい香りもするし思ったより軽いね ハンディタイプだから片手でももてるし 凄くいいよね 携帯もできるじゃん』 まわりのギャラリーも着替えながら芸能人ねメイクアップをかたずと見つめている こんな機会なかなかっちゅうか絶対ないもんね 普段こんな綺麗な芸能人がどんなセルフケアしてるかなんて 興味ありありやわな

No.249 09/09/24 11:15
モモンガ ( PZ9M )

河村さんはポカンとした顔をしていたが今は説明している暇はないのだ




『あ~楽しかった!バレバレだったけどね。


よかったの?さっきの人、同じ会社の人じゃないの?』




『とりあえず先に用意しましょうか?


まずは着替えてもらって…ってメイク道具とかもってますか?まさかそのままじゃマズイですもんね』




『あ、とりあえずトラベルセットは持ってるよ。メイク道具も万全だし、じゃあとりあえず着替えるから』




バスタオルを巻き直して飯田さんが自分のロッカ―へと向かう




勿論多くのギャラリーがとりまいていてちょっとした騒動だ



あたしはその隙にもらった鍵でロッカーの紙袋を取り出した



社名の書いてある白い紙袋の中には




ハッピ三枚
タンバリン一個
ラッパ一個
(いずれもおもちゃ)



それに新製品の美顔器が二台




それにマッキ―からの手紙が入っていた





『山ちゃんへ



いいお湯やった?




後で援軍送るから仕込みよろしく



とりあえず広間に集合な




頑張って―な(^o^)/



牧野』




なんなんや…
一体…

No.250 09/09/24 11:25
モモンガ ( PZ9M )

>> 248 『なにしてんの山川さん…ここで相談ってある意味凄いんだけど…』 同じくバスタオルにお見事な美脚と豊乳をお持ちになる河村さんが立ち尽く… 取り出した美顔器のスイッチを入れると暖かいミストが出てきた



なんやこれ



使えっていうの?




わかんないよマッキ―



一台はあたしに?



まさかんなわけないわな




あたしは手早く服に着替えるとおずおずと飯田さんの側に寄っていった



『あ、着替えたよ


とりあえずどうしたらいいかな



あ、何?これ例の美顔器?



試していいの?



やらせてやらせて』




飯田さんはすっぴんにヘアバンドをすると化粧なおしのスペースに座り顔を軽くふいて器械のスイッチを入れた




霧のようなミストが顔にかかると目をつむったままで歓喜の声をあげた




『うわ―



めっちゃ気持ちいいよコレ!




何かいい香りもするし思ったより軽いね



ハンディタイプだから片手でももてるし



凄くいいよね


携帯もできるじゃん』




まわりのギャラリーも着替えながら芸能人ねメイクアップをかたずと見つめている



こんな機会なかなかっちゅうか絶対ないもんね



普段こんな綺麗な芸能人がどんなセルフケアしてるかなんて



興味ありありやわな

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