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婚活ゲーム

No.17 18/05/06 03:15
賀州夏 ( ♂ MpbYnb )
あ+あ-

大河野か………。
「ケンちゃん、どうしたの?そんな顔して」
「いや、何でもないよ」
大河野の名前を見ると俺は嫌でもミキの事故を思い出す。
反対車線に飛び出したミキ達の車に正面衝突したのが大河野グループが経営する運送会社のトラックだった。
「そろそろ行こうか」
「うん」
アーケードをコトミと歩いて駐車場まで戻っていく、沢山の家族連れとすれ違うが今日はいつものような寂しさは襲ってこない、隣にコトミがいるからだろうか。
コトミを見るとコトミは家族連れを目で追っていた。
その寂しそうな目を見た瞬間、俺は黙ってコトミの手を握る、コトミは何も言わずにただギュッと力強く俺の手を握りしめていた。

「何言ってんだよ!」
「だから、女には手を握るだけでもSEXなの!」
「さっきのはそういうものとは違うだろ!」
「違わないわよ、責任とって貰うから」
人の気も知らないですぐにそっちに話を持っていくコトミと言い合いをしているうちに公園へ着いた。
「着いたぞ、終わったら連絡するから。池の鯉に餌でもやってろ」
「はいはい、せいぜい恥かかないようにね、恥かかせるのが目的だったりして」
そう言うとコトミは池のある方に消えていった。
茶室の駐車場は空いていた、黒塗りの車達はもう帰った後だった。
門へ行くと桜色の着物を着たユウコさんが立っていた。
「遠かったですよね、急にごめんないね」
「そんな事ないですよ、ユウコさんの着物姿を見れましたし」
ユウコさんの耳が赤くなる、なんだかこっちまで恥ずかしくなる。
茶室へ通される、小さな草履に履き替えて、これまた小さな入り口から入る、誰も居ない茶室はとても心の落ち着く空間だった。
正座して待っているとユウコさんが入ってきて耳打ちする。
「先生が特別に私達二人にお茶をたててくれますから私の真似してれば大丈夫です」
特別ってそんなに凄い先生なのか?俺の疑問はすぐに答えが出た。
現れた先生はテレビでよく見た顔だった、千裕玄、我が郷土の誇りとまで言われる茶道家だった。
ユウコさんはこんな人からお茶を習っているのか、もしかして相当なお嬢様なのか?
いや、金を積んだからって教えてもらえる様な人じゃない。
俺とユウコさんは住む世界が違うのだけは認識出来ていた。

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