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雨が降っていた2

No.26 17/09/18 07:45
パンダっ子 ( FWvYnb )
あ+あ-

「おばあちゃん、これは・・・?」
友香の声が震えていた。
「驚いたでしょう。私もそうだった。」
純さんは友香を労わるように言った。

「おばあちゃん、返事を書いたの?」
純さんは静かに首を振った。
「いいえ。」
「そんな・・・この人は死期を悟って勇気を出したのよ。もう二度と会えないなら、返事くらい・・・」
「待って、友香。」

私は純さんにくってかかる友香を止めた。
「今は純さんの話を最後まで聞きましょう。純さんは差し出し人が捨ててもいいと言った手紙を大切に取っていたのよ。何か理由があるのよ。」

純さんはありがとうというように私を見た。
「私はね、友香。この手紙を受け取ってすぐ、史織の所へ行ったの。・・・私も史織を、愛していたから。」

純さんは・・・この人を・・・?
「私も愛していると言いたくて、何より病気で苦しんでいる史織を何とかしてあげたくて、私は身重の娘も主人も放って史織のもとへ行った。主人は黙って行かせてくれた。英語の堪能な辻岡も付けてくれた。ありがたかったわ。」

「史織さんは喜んだでしょうね。」
黙ってしまった友香の代わりに私が聞いた。それはそうだろう。祖母に祖父より好きな人がいたのだ。複雑な気分になって当然だ。

「・・・間に合わなかった。史織は私が着くより早く、死んでしまったの。」
「「そんな・・・」」
私と友香は同時に声を発した。
「多分この手紙は時間をかけて書いたのでしょうね。それと人に託したのが遅かったのよ。私が着いたのは彼女の葬儀の翌日だった。
真っ先に病院に行って、そこで史織が亡くなったのを知った。でも史織に手紙を出すのを頼まれた看護士に会えたの。史織は容態が悪くなってからその看護士に手紙を渡したみたいだった。」

私には史織さんの気持ちが分かるような気がした。最後まで親友のままでいようかと、葛藤があったのだろう。この手紙は告白でありながら、純さんへの気遣いで溢れていた。純さんの気持ちを考えて、出すか出すまいか迷ったのだ。

「私は呆然と彼女の埋葬された墓地へ行った。辻岡がせめて墓参りをしてはどうかと言ってくれたから・・・私一人だったら頭が回らなかったでしょうね。」

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