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雨が降っていた2

No.27 17/09/18 10:45
パンダっ子 ( FWvYnb )
あ+あ-

「墓地へ行ってみると、そこには葛城さんが居たわ。連絡もしていない私が現れて、彼は驚いていたようだった。私が手紙を受け取った事を伝えると、彼はただ『そうですか』と言ったきり黙ってしまった。私、何だか妙な気持ちになってしまってね。史織について沢山聞きたい事があるのに、葛城さんにはどうしても聞けないの。打ちのめされた彼の姿が、史織をどんなに愛していたのかを明確に表していたからね。史織が伴侶として選んだ人と、どんな顔をして彼女の話をすればいいのかわからなくなって、花を手向けてお別れをして、すぐに立ち去った。だけど、その場を離れようとした時、葛城さんがぽつんと言った。『妻は、ずっと誰かを待っていたような気がしたけど、きっとあなたを待っていたんですね。』って。」

純さんは目尻を拭った。
「今でも涙が出るわ。ああ、この人はどこかで気づいていたのかと思った。だから、咄嗟に嘘をついてしまった。『私達、親友でしたから。』
そう言って、私はその場を離れた。
あれが優しさなのか、残酷なのか、あれからずいぶん経ったけれど、今でもわからない。」

純さんはまた涙を拭いて話を続けた。
「私はずっと、葛城さんが羨ましかった。史織を手に入れた彼に、ずっと嫉妬していた。だけど、彼の一言で彼を羨ましく思っていたのが間違いだったと気づいたの。彼は彼なりに苦しんだのかもしれないと。」

「私は帰る飛行機の中で、ずっと黙ってついていてくれた辻岡に全てを話した。話し終えると、辻岡は一言だけ言った。『皆さん、お優しいですね。本当に、お優しい。』私は辻岡だって相当優しいと思った。そして私は帰国して、史織の願い通りに家族を大切にしようと誓った。史織を失った悲しみを癒してくれたのが家族だった。特に友香、あなたの存在が、私には救いだったわ。」

純さんは友香を優しく見つめた。

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