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闇の中の天使

No.48 13/02/19 19:45
中谷月子 ( ♀ ezeSnb )
あ+あ-

≫47


他の学生がたくさんいる。
「ちょっと、恥ずかしいからやめてよ」

「何が恥ずかしいのですか?」
そう言われて、周りを見るとあちこちで高級車から降りた女子高生に運転手達がそれぞれ頭を下げていた。
いわゆる、お嬢様高校なんだ…と、やっと気が付いた。



「転校生の曽根崎由香里さんです。曽根崎さん、ご挨拶を…」
教室の黒板の前に立たされた私は、「曽根崎由香里です」と言って、頭を深く下げた。「もうすぐ二年生になるので、二か月だけですが、よろしくお願いいたします」
佐伯さんに習ったように‘お願いいたします’と、はっきり言ってほっとした私は、次の瞬間、唖然とした。
なぜだか、クラスのみんなが揃って、クスクスと笑っている。
あ…、よだれがまだちゃんと取れて無かったか!
慌てて、手の甲で口元をごしごしとこすった。
その姿を見て、クスクスの笑いは更に大きさを増した。
担任の先生が、慌てて「曽根崎さんは、転校してこられたばかりですから、この高校のことを知らなくて当たり前ですよ」大きな声でそう言うと、教室は静かになった。
後ろの方の一人の生徒が立ち上がり、
「みなさん、謹んでください」
と言った。真っ直ぐな長い黒髪で、お人形のように目の大きな綺麗な女子だった。
「私は、園田佳奈美です。この高校は、一年から三年の卒業まで、ずっとクラス変えは無いんです。私はこのクラスの委員長ですから、分からないことがあれば何でも聞いてきてください。よろしくお願いいたします」
そう言って、伸ばした姿勢を崩さずに、綺麗な姿でお辞儀をした。

すると、次々に誰彼が立ち上がり、「私は黒木菜穂です」「私は円城寺由紀です。よろしくお願いいたします」「私は戸田茜と申します」と、皆が挨拶を返してくれた。


いきなり全員の名前を覚えることはできなかったが、クラス委員長の園田佳奈美の名だけは、はっきりと頭に残った。

最後に、担任の女の先生が「私はこのクラスの担任と、一年と二年の古文の教師、舛崎美由紀です」と、笑顔の挨拶を終えると、一斉に拍手が沸き起こった。
舛崎先生は、「後の空いている席を使ってください」と言った。


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