近い将来の離婚
過去から未来へと続く私の人生と離婚への道のり。
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昼から私の実家に行くことになっていた。
車の中、私はずっと悶々としていた。
黙ってる私に「どうしたの?」 とイチが呑気な声で言う。
私は一気に涙が溢れた。
イチに全部話すと、「気にし過ぎ」としか言われなかった。
実家ではご馳走を用意して両親が待っていてくれた。
我慢できず、母親にイチの家でのことを話した。
母は、「そういう時はね、実家で美味しい物をたくさん食べればいいじゃない。」
私は何か親ってありがたいと思った。
イチはうちの実家で普通にお客様扱いをうけていて、少し腹も立った。
イチと二人で初詣でに行った。いつもは家族で行くか仕事で行けなかった。
正月に出勤すると手当が出るので就職してからは働いてた。
カップルで初詣で行けるなんて私的にはすごいことだった。
初めてりんご飴を買った。
おみくじを引くと、イチは中吉で私は吉だった気がする。
末吉しか引いたことないと言ってたイチはとても喜んでいた。
結婚式の前に披露宴での料理の試食をすることになった。
会場で待ち合わせ。
イチは両親と、私は母と弟を連れて。
父はその日出勤でこれなかった。
相変わらず、イチはスニーカーとチノパンで待っていた。
スタッフに案内されて、料理長が挨拶に来た。
私とイチは向かい合って座っていた。
料理長は名刺を私と、隣にいる弟の前に置いてさって行った。
みんな?と思った。
料理長は新郎を間違えたらしい。
弟はジャケットを着ていてイチよりも体格もよかったし、イチは、フリースを着ていた。
イチの母親はムッとしただろう。
帰った後、母が、「○○君はあーいう場所にスニーカーで来るなんておかしいわよね。間違えられても仕方ないよ。」 と言った。
イチは、そんなこと気にもしていなかった。
それどころか、これからも絶対スニーカーとカジュアルな服で行くと言った。
もうほっとくことにした。
このあとは、住むとこを探した。最初から同居なんて絶対無理。
私の実家は同居している。中も悪かったし、警察や救急車も来たことがあり、母は苦労した。
父の両親は常識がない人達でケチケチした生活していたためお金だけは持っていた。
家を新しくしたことがきっかけでお金を取られたと祖母が根に持ち、長い戦争が続いた。
だから同居に全くいいイメージを持っていなかった。
とりあえず最初は別に暮らし、そのうち同居すると話し合った。
イチの家は自営だったから同居は条件だった。
でも将来は、どう変わるかわからないし、先のことより今を楽しもうと思った。
住むとこも、私が探した。イチはどこでもよかったらしい。
何かいい加減。
新築アパートだったので引き渡しとかが現地であり、それも仕事してない私が一人で行った。
何だか一人暮らしみたい。
家具も家電も一緒に決めたかったが、イチは仕事があるからと、ベッド以外は、一人で買いに行った。
買い物は好きだったし、苦にはならなかったけど。
私は、同じ市内だったけど住所変更したのに、イチは、別の市なのに住所変更もしていなかった。
イチの母親に頼んでいたらしいが。
後で全部わかった。
イチは手続きを全くしない人だった。
婚姻届は二人で取りに行ったけど、イチが間違えてばかりで、予備までぐちゃぐちゃになった。
婚姻届って書くのめんどくさい。
私が一人で取りに行って自分で提出した。2回も書き直し受理された。
やっと終わった。
イチは引っ越したアパートに自分の衣類だけ実家から持って来た。
そして二人の生活が始まった。
結婚式は、あさってに迫っていた。
色々準備も済んで明日荷物を式場に運ぶことになった。
明日もイチは仕事で手伝ってはくれない。
次の日、私は大雨の中、一人で大きな荷物を持って、式場と駐車場を往復した。
そして結婚式当日。
その日は昨日とは違い晴天だった。
風は少し冷たかったけど。
いよいよ自分の結婚式か~。何だか信じられない。
友達の中で1番に結婚するなんて。みんな有り得ないと思ってた。きっと。
ウエディングドレスに着替えてみんなの前に登場した。
正直な話、ほとんどがイチ側の親戚と友人ばかりで知らない人が大半。
自分の友達がその中に二人先に来ててくれたのに、気づかないほど私は緊張していた。
リハーサルに連れて行かれ、スタッフのかわいい~の一言で緊張は少しほぐれたけど。
イチとキスをする場所なんて決めてなくて、どうするんだろうと思ったら、イチは口にした。
今思うと恥ずかし過ぎる。
私は結婚式に出たことがなく、みんながどこにするのかも知らなくて。
今思い返すと他にも場所はあったのに、芸能人みたいな熱いキスになってしまった。
前日、母に新婦は、料理は食べちゃいけない。きちんとしなさい。色々言われて真に受けた私。
披露宴会場では、お出迎えの時、和装からスタート。
ウエディングドレスから和装に着替えるのは時間かかったし、身動きとれないし、あまり自分の披露宴ていう実感もなかった。
ほんとにこれって私の結婚式?
心のどこかで思っていた。
立ったり座ったりもスタッフの指示にしたがい歩く場所も決まっていた。
和装なんてしたくなかった。ウエディングドレス着る時間短くなるじゃん。
母は、イチの会社関係が来るんだから和装はしてた方がいいと言った。
イチの母親もまた、「○○さん和装はするのよね?」と聞かれたから断れなかった。
ほとんど、私の意見は通らなかった。
唯一、ウエディングドレスだけは、気に入ったものが着れた。
あっという間に両親への手紙になった。
私は、長すぎても短か過ぎてもいけないと思って。便箋1枚にまとめた。
女優になった気分で、読み上げた。
泣くことはなかった。
私は、学生の頃から親に迷惑かけたことないし、心配かけたのは朝帰りしたときぐらい。でもそれってみんなしてることだし。
その過程がなければ結婚なんてできないでしょ。
特に両親に感謝なんてその時はしてなかった。
手紙の内容も普通の内容とは違ったかもしれない。
エンドロールに続くような内容にした。
次はお見送り。
新婦って忙しい。
知らないお客様に何回頭を下げただろう。もちろん、私の親戚や友人を見るとうれしかった。
最後にやっとみんなの顔が見れた感じ。
それにしても最後に渡すプレゼントが重い。
誰だよビンにしたの。
引き出物を決める時イチの家に呼ばれた。
私は前もって、イチに希望を伝えていた。イチの母親も気に入るような上品なもの。
家に着くと、リビングでカタログを広げた。基本的にイチの父親は、口出ししない人。
気にもならないのだろう。いなかった。
イチの母親は、「○○さんが選んでたのはお客様に良さがわからないと思うのよね」と言われた。私はムッとした。
イチは黙っている。
私はどうでもよくなかってきた。
イチの母親は、「イチがね、スプーンとフォークセットはどうかなって言うから、これにしようと思うの」
イチは「これならすぐ使う人も多いと思うし」
あ~そうですか。
私より母親が言うことを聞くんですね。
親戚には引き出物を二つにするとイチの母親が言うので、カタログを見てるふりをしていたら。
「○○さんはこれが気に入ってるの?じゃあこれにしましょう。」 とどうでもいいグラスセットになった。
結局、イチの母親は私が気に入ったものにはしたくなかったのだ。
次にお見送りに渡す物は何にするかになった。
イチは、安く浮かせるために、チュッパチャップスはどうかと以前言っていた。
イチの母親は、「まさか飴玉渡すわけじゃないわよね」 と言い出した。
イチは自分で言い出したくせに、黙って他の物を探し始めた。
小ビンに入った物に決まった。
そして、お見送りの時、バスケットいっぱいに小ビンがどっさり。
かなりの重さとなる。
やっとすべて終わった。あとは二次会だ~。
スタッフが私とイチに最後の説明をしているとき、私は、耳鳴りが始まった。
だんだん聞こえなくなってきて、イチに「何かおかしいんだけど」 と言ったけどイチは意味がわからなかったみたい。
私は何とかドレスを着たまま控室まで行けたが、控室を出る時、
倒れてしまった。
みんなが待ってるのに歩けなくて、悔しくて情けなかった。
自分の結婚式の二次会に行けないなんて私ぐらいかも。
その日は生理の真っ最中でもあった。
しょうがなくイチに一人で行ってもらい。
私はスイートルームで寝ていた。
次の日、朝食バイキングで親戚に会った。
二次会どうだった?と聞かれたが笑ってごまかすしかなかった。
イチも黙っていてくれた。
部屋に戻るとイチの県外から来てる親戚が押し寄せてきた。
スイートルームを見たかったらしい。
そのあと親戚は荷物をフロントに預けて観光へ出かけた。
駅から近い式場だったから結果的に私が選んだ式場で利便的によかったのに、最後までイチの母親は認めなかった。
実家に帰った時、母に話すと、
「やっぱり○○が式場決めて正解だったわね。他のとこだったら、あちらの親戚の方は、泊まるにも、観光するにも移動で疲れたと思うわ。○○は私達の子供だから気が利く~」 とほめてくれた。
新婚旅行に行く前、イチの実家にに行くとイチの母親が、「近所の人に料理が少なかったと言われたわお皿は大きいのに」
イチの近所は、お皿にどっさり料理がのってないと食べた気にならないらしい。
先が思いやられる。
新婚旅行は、イチと二人で海外なんて無理だから、国内にした。
私は初めて行くところでとてもウキウキした。前もって計画も立てていた。
飛行機でCAさんに新婚旅行ですか?と聞かれたりして。
結婚したんだ~って実感。
天気もよくお昼ぐらいについた。
昼食を食べたい場所があったのに、イチは適当な店に入りしかもサンドイッチ。
なんだかな~って思った。
色々見てまわったけどお土産買うわけじゃないし。お土産店に入ろうと言うと、イチは「俺、土産なんていらないし」 と言った。
私はブチ切れて、一人で行方不明になった。
何だあいつ。せっかく来たのに。一緒に土産買おうともしないなんて。
イライラして楽しくなくなった。
ここでケンカしてこのまま離婚とかってバカみたい。海外じゃあるまいし。
夕食は無言で食べた。
ホテルについて、新婚旅行プランだったためホールケーキが運ばれてきた。
私はお腹いっぱいだったし、甘い物は苦手。イチがもったいないからと食べてくれた。
次の日、途中から雨が降った。風が強くてせっかく買った傘は、バッチョ傘になった。笑える。
次の日は、ランチショーを見るためにイチが走ってくれた。
予約とれたからケンカせずに済んだ。
お土産は空港で買うことにした。
空港までのバスの中疲れてイチは寝ていた。どこででも寝る人。
バスから降りると、イチがトイレに行くと言ったのに走って戻って通り過ぎた。
ついにこいつ私の顔忘れたか?
と思ったらバスに飛び乗った。
そしてゆっくり降りてきた。
こいつ何やってるんだろう?
イチ「あ~よかった~指輪なくしたかと思った。」
どうやら寝てる間に指輪が外れたらしい。ありえね~。新婚旅行で結婚指輪なくすなんて。
ほんとにこの人大丈夫だろうか?
あとで自慢げに友達に話していた。
空港でお土産を見てその時はイチも買っていた。
そして新居に着いた。
これから二人だけの生活が始まると思うとうれしかった。
もう時間に縛られることなく自由に暮らせるなんてやっぱり結婚ていいな~と思った。
夜遅くに二人でコンビニ行っても誰からも怒られない。
やっと自由を手にしたんだ~私は。
私は、ふと結婚式の引き菓子のことを思い出した。
「イチそういえば、引き菓子どこに直したの?」
「冷蔵庫の中に入れたけど」
「入ってないよ~」
「ここだよ」
見たら、普通は使わないような隙間のような引き出しに入っていた。
冷蔵庫は、からっぽだったのに、わざわざそんなとこに入れるなんて。
もちろん賞味期限はきれていた。
感覚の違い。
次の日、職場にお土産を持って行った。
久しぶりに懐かしい。入り口の暗証番号はそのままだった。
まぁいいか。
みんなは喜んでくれた。持って来たかいがあった。
コインパーキングに車を停めた私。
財布の中に小銭がない。しかも一万円札しかない。
どうしよう~。
近くにコンビニなんてないし。
しょうがなく同僚に借りた。
あ~恥ずかしい。
しばらくして、元同僚達とメール男みんなで新居に来ることになった。
それは、来る1時間ぐらい前に連絡がありめちゃめちゃ急な話。
たまたまカレーを大量に作っていた日だったから助かった。
先にイチと食べてた後だったからご飯だけ炊いて待っていた。
元同僚の運転でみんなでやって来たのだが、駐車場でブロックにぶつかりそうになっててハラハラした。
みんなは、新居に興味津々らしく、あらゆるとこを見ていた。
みんなはカレーをおいしいとほめてくれてうれしかった。
かなり煮込んだからよかったのかも。
料理上手な先輩も認めてくれた。
嵐のように去って行った。
片付け物は増えたけど、みんなが家に来てくれたことがとてもうれしかった。
結婚してからの夫婦生活。
結婚する前は、会うたびにしていたから結婚したらいつでもできると思っていた。
ところが、イチは夜8時ぐらいに帰って来てご飯を食べたらそのまま床に寝てしまった。
そんな生活が毎日続いた。
新婚なのにナニコレ~
起こしても全く起きない。
確かに結婚してイチには通勤時間がてきた。その時期は仕事が忙しかったのか、帰る時間もかかるし、帰り着いたら力尽きる感じだった。
私はというと、仕事をやめて時間があった。
イチが7時に仕事に出かけた後、洗濯掃除を済ませると、足りない物を買いに行ったり、実家に行ったり、夕方から夕食作っても、慣れた手つきですぐ終わってしまう。
それからひたすらイチの帰りを待つ。
やっと帰って来たと思ったら食事の準備をして後片付けをしたらイチが寝ているといった感じだった。
時には、夜、洗濯しようとしたら途中で止まって、困ってしまった。
イチに見てもらいたくて起こしても全く起きない。
私はブチ切れて家をでた。
行くところはなく、ショッピングモールで時間を潰した。
寝てるイチは、私がいないことにも気づかないのだろう。
閉店前にはアパートの駐車場に着いた。
部屋の電気は着いたまま。
携帯にも何もなし。
一人で虚しかった。少しは心配して欲しかったのに、心配どころか気にもしない。あきらめて部屋に入った。
後日、車が帰って来たことがわかったからそのまま床からベッドに移動して寝たらしい。
夫婦生活が全くなかったわけではない。
それは夜ではなく朝だった。
イチは朝早く、目が覚めるといきなり始まる。
私は眠いし有り得ないだろそれ。
イチはスッキリした顔で出かけて行くが私は、朝がだるかった。
日曜日は、朝から半日ダラダラしていた。
もうこうなったら、夜がダメなら朝しかしょうがない。
明るくったってへっちゃらさーと思うことにした。
私は心のどこかで妊娠することを恐れていた。
イチは結婚したんだから、ゴムは着けないし、早く子供が欲しいと言った。
私は、自分の子供なんて想像もできなかった。
きっと私は子供ができにくい体質のはずだと思っていた。
元カレとゴムを着けなかった後、生理が遅れたことはあったけど結局、妊娠はしてなかったし。
子供なんて簡単にできるわけないと思っていた。
ある日曜日、生理が遅れていることに気づいた。
と言っても一週間ぐらい。
でも気になってしまって、検査薬を使ってしまった。
いつもなら真っ白なままで、やっぱり違ったで安心できるのに、うっすら線がある。
何度見ても、何回見てもあるよね~。
喜んでいいのかどうかトイレの中で考えた。
夕食の時、イチに話した。
まだハッキリしてないから誰にも言わないでねと念を押した。
イチはとても喜んでいた。
イチは子供は好きじゃないと言ってたけど自分の子供となるととてもうれしいらしい。
私はこれから自分がどうなるのか不安でいっぱいだった。
私は、悩んだ結果、両親に話すことにした。
結婚したんだから妊娠してもおかしくないが、早過ぎだよねと思いながらでも、どうしていいかわからなかったから母に話した。
母は「もうできたの?あんたは、私と同じでできにくいと思っていたからビックリだわ」 と、「でも検査薬なんてもっと後で使えばよかったのに」とも言われた。
その時の私には意味がわからなかった。
それから、何日かして父に私が生まれた病院に送ってもらった。
産婦人科なんて初めてで問診が終わったあと台に乗った。
小さな袋があるだけで他には何も見えなかったけど妊娠してますと言われた。
普通だったら喜ぶのかなと思った。
痛さと恐さで初診は終わった。
また一週間後と言われた。
一週間後、小さな豆粒、はたまた微粒子のような物が赤ちゃんらしい。
ほんとにお腹に赤ちゃんがいるんだって実感した。
ゆったりした服なんて持ってなかったから買いに行ったりした。
日曜日、朝からなんか気分がすぐれなかった。イチがお昼ご飯を作ってくれたので食べようとしたら、箸は進まないし、全部戻してしまった。
これが悪阻?
ドラマでよく見た悪阻か?
その日から地獄が始まる。
イチの前でも吐いた。
吐いた後は動けない。
私は寝たきりになった。
洗濯も掃除もできない。動けば吐くの繰り返し。
ご飯なんて全く作れなかった。
早く妊娠を知ったせいか悪阻も早かった。
見兼ねて、両親がアパートに来て洗濯掃除をしてくれた。
父が買ってきたお弁当を食べて5分後には全部吐いた。
何も受け付けなかった。
私はどんどん痩せた。
産婦人科に相談して入院することになった。
周りの妊婦さんは清々しい顔をしているのに、私は母に付き添われ、洗面器とティッシュの入った袋が手放せなかった。まるで病人。
点滴生活が始まった。
寝ていても気分が悪い。何もできない。頭が痛い。赤ちゃんなんていらないとまで思った。
なぜか私は特別室に入院していた。
でもベッドは古くて壊れそうだし、トイレは遠かった。とても不便だったし。お風呂も一人で入れなかった。
そんな時、イチの両親が見舞いに来ると言う。
正直、来てほしくなかった。
妊娠するまえは、毎日、イチに両親の分までおかずを届けさせて、時間があるときは、イチの実家で昼ご飯を作ってたのに、私が行かなくなったことで姑が気づいたらしい。
なぜか、姑達が来る日は、一度も吐かなかった。
いつもなら、寝ているのに、起きていられた。気のもちようだろうか。
案の定、姑は「元気そうね」 と言って無駄に大きいソファーに座った。
舅は、豪華な部屋にシャンデリアのことや、部屋の費用のことなど関係ない話ばかりした。
最後にモデルルームみたいでいいねと言って帰って行った。
一体何しに来たんだか。
帰った後、思いっきり吐いた。
私の悪阻が終わったのは、6ヶ月に入った頃だった。
半年の間ほんとに来るしんだ。
イチは、私の吐いた物を片付けてくれたり、私の介護をよくしてくれた。
ほんとに感謝している。
毎日、弁当を買って食べてくれたから作らなくてすんだけど、結婚したのにかわいそうなことをした。
ある日、朝起きたら、イチは仕事に行っていた。
私はお腹がおかしかった。
お腹を見ると、ポコポコ出たり戻ったり色んなとこがしている。
何だこれと思って母に電話した。
「赤ちゃんが動いてるんだよ」 と教えてもらった。
産婦人科でもらった写真を見ても大きさとかイマイチわかってなかったけど。
実際にお腹が赤ちゃんの手や足が動くとお腹の表面に現れることに感動した
まだ私の悪阻がひどかった頃、イチは久しぶりに友達と飲みに行きたいと言い出した。
私はいつもイチが仕事から帰ってくるのを心待ちにするほど一人が不安だったのに。
それでも、イチは絶対譲らなかった。
イチの友達が家に迎えに来たけど、私は挨拶さえしたくなかった。
それぐらい精神的にまいっていた。
出かけた後、早く帰ると言っても夜中の12時になっても連絡なし。
待ちきれず電話した。
まだ無理としか言わないイチにムカついていた。
やっと帰って来たのは2時過ぎ。
私はお酒を飲まないから、飲む人の気持ちなんてわからない。
次の日の日曜日は、間違いなくケンカ。
イチの友達は、私が電話するたび、大丈夫?と気をつかったらしい。
友達に気を遣わせたことに怒っていた。
友達から飲み屋の子持ちの女と結婚したいと相談されていたらしい。
私からしたらバカバカしい話だ。
そんな結婚うまくいくはずない。
奥さんが苦しんでる既婚者の友達誘って飲んでる自体、女性の気持ちをわかってないじゃないか。
その後は、知り合いのスナックに行ったらしい。
キャバクラとスナックってどう違うわけ?
私にはわからない。
そこで、おばちゃんや若い人と飲みながら私の話をしたらしい。
バカじゃないかと思った。
私の悪阻の話をみんなの前で話すなんて。アドバイス受ける前にさっさと帰ってこいと思った。
他人なんておもしろおかしく話すだけじゃん。
マジメに聞いてきて私に話すイチはアホだと思った。
悪阻が終わった頃、久しぶりに用心しながら夫婦生活をした。
さすがに結構、お腹が大きくなっていた。
実際、自分ではあまりわからないものである。
ふと思った。
この5ヶ月一度もしてなかったけどイチはどうしていたんだろうと。
イチに聞いたらしてないと答えた。
でも私が入院してる間は自由だったはず。
よく、奥さんが妊娠してる間に浮気すると世間でよく聞く。
イチはほんとに浮気とかしてないのか気になった。
イチは、一度寝ると起きない。
だから、寝てる時に携帯を見ることにした。
何もなければそれでいいんだし。
イチの携帯をひらく。
ダイアルロックはしてなかったから簡単だった。
まずは着信履歴。
異常なし。
次にメール一覧
出会い系からのメールはたくさんあったけど、登録した形跡はなかった。
異常なし。
次に、画像コーナー~~~。
パンパカパーン!
出て来た。
画像もだけど、動画がたくさん。
あらゆる分野の動画が150件
携帯は確かに便利だ。パソコンで見るとテレビで見る感じだけど、携帯ならコンパクトだし、たまに無料とかあれば、お金かからないから、悪気なんてないだろう。
私は、たまに思う。携帯電話の機能がよくなるにつれ離婚も増えるんじゃないかと。
私は、ショックだった。
イチは浮気したわけじゃない。
不倫したわけじゃない。
風俗に行ったわけじゃない。
だけど、まだ新婚じゃないか。もう私には愛情がないのか?
私が選んだ男も結局、よくいる男と一緒なんだ。
その頃の私は、若かった。
他の女の裸をイチが見てただけでムカついて噛み付いた。
また私は、家出した。
今度は妊婦なのに、車を走らせ、ショッピングモールへ。
また夜だった。
妊婦だったことでイチは心配したのか、「おーい。どこだー」 とメールが来た。
でも結局こんなもんだ。
イチがもうしないと言って合意した。
私は、誰かに聞いてもらいたかった。
恋愛経験の多い同僚にメールしてみた。
意外な答えだった。
「そんなの男だったら誰でもそうだよ~。昔からビデオみたりするのは、男の解消らしいから、そんなのにいちいち腹たてなくていいよ。
○○はイチ君のことが好きなんだね~」
と諭された。
そうなのかな~とみょうに納得した。
リアルよりバーチャルの方がマシか。
悪阻の終わったあと、私はなぜだか竹輪が食べたくてしょうがなく、スーパーで竹輪を買い漁った。
竹輪の後は、煎餅ばかり。
悪阻で5キロ痩せた体重はあっという間に戻った。
病院で逆子と言われ何だろうそれ?
逆子体操をするように奨められた。
これが結構きつい。
毎日寝る前に逆子体操。
やっと悪阻が終わったと思ったら今度は逆子体操か~。
やってもやっても逆子が直る気配はなし。どう考えても、頭の部分がくっきりわかっていた。
蹴られるのも下ばかりでトイレの回数も多かった。
時には、イチがお腹の赤ちゃんのオデコをポンポンとしたりしていた。
逆子が直らなかったら帝王切開と言われた。
私は普通に産みたいのに何でこうなるわけ。私ばっかりなんで。と自暴自棄になった。
担当の先生は一日何回も出産に立ち会ってるから淡々と帝王切開の話をするけど。
私は、納得がいかなかった。
ほんとに逆子なのか疑ったぐらい。
別の先生が8ヶ月の時にやっぱり逆子だね。と判断したのであきらめることにした。
帝王切開って手術じゃん。大丈夫なんだろうか。
先生の説明だと、陣痛が来る前に手術して赤ちゃんを取り出すと言われた。
陣痛って痛いし苦しいと聞いていたけど私はそれを経験できないんだと。
母親学級で習うラマーズ法なんて私には関係ないんだと思うとマジメにしなかった。
結局、みんなとは違うんだね。
それでも赤ちゃんの誕生日は自分で決めれると思うと、それはそれですごいと思うことにした。
大きくなって子供にママが誕生日決めたんだよって教えてあげようと思った。
喜んでくれるといいなと思った。
イチがエコーで赤ちゃんを見たいと言うので検診に立ち会うことになった。
実際の出産には立ち会えないから。
検診は予約しても待たされる病院だった。
待ちきれないイチはちょっと出てくると言って席を立った。
10分しても帰って来ない。名前を呼ばれて携帯に電話したけどでない。
助産師さんが待ってくれたけど、もういいですと言って検診を受けた。
診察室から出ると、イチがソファーに座っていた。
「戻って来たら、いなかったから診察かなって思ったから待ってた」 のんきな奴。
肝心な時にいない。
私はイラッとしたけど、イチはケロッとしていた。
何しに来たんだこいつ。
帝王切開の人は手術前日から入院して、次の日は朝から手術。それから一日絶食と聞いていた。
私は、大好きな、焼肉を食べ、最後の晩餐はウナギにした。
明日は、入院する。
あさってには赤ちゃんに会えるんだね~。
どんな顔して産まれてくるんだろう。
いろいろ考えると楽しみでもあった。
入院して夕食は、悪阻の時に入院していた食事と一緒でがっかりした。
入院する期間が少ないから献立のサイクルが早いみたい。
入院するのは三回目だから仕方ない。
とりあえず、食事が終わったら下剤を飲んで、手術の準備をした。
明日の今頃、私はどうなってるのか不安だった。
ちゃんと赤ちゃんのお世話できるのかな。
朝になり、時間が迫ってきた。
病気で手術するわけじゃないのに、ベッドごと手術室に運ばれた。もちろん点滴をつけたまま。
両親とイチが来てくれていてイチの両親の姿はなかった。
両親とイチから頑張ってと声をかけられたけど、何を頑張ればいいのかわからなかった。
手術室の天井の明かりが眩しかった。
手術帽みたいなのをかぶって寝て待った。
先生が麻酔しますと言った。
何ともなかった。
だけどアラームが鳴り出した。
私は?と思った。
助産師さんが先生に血圧下がってますと報告。
アラームは鳴りやまないので酸素マスクを着けられた。
先生は様子みますと言って手術室を出て行った。
私はこれからどうなるんだろうと不安になった。このまま死んじゃうんだろうかと思っていたら、目の前がオレンジ色になった。
大丈夫ですか~?と声をかけられた。
そのうち、アラーム音が止まった。
どうやら血圧は安定したらしい。
先生が戻ってきて、お腹にメスを入れはじめた。
全身麻酔ではないから先生達の会話はすべて聞こえている。
赤ちゃんが大きいみたいで胎盤から離す時、先生は手こずっているようだ。
「ちょっと赤ちゃん大きいね~。帝王切開だといつも小さい赤ちゃんが多いんだけどな~」 と言っていた。
オンギャーオギャーとすごい声量の赤ちゃんが出てきた。
そこに医院長先生も入ってきて、
「うわぁ~立派な赤ちゃんだね~」 と喜んでくれた。
お母さん赤ちゃんですよ~と助産師さんが記念に写真を撮ってくれた。
笑顔を作る余裕もなかったわたし。
そのまま赤ちゃんはイチ達が待つ待合室に連れて行かれたみたいだ。
ぶっちゃけ羊水でべとべとな赤ちゃんだったからまだ全然実感がなかった。
しばらく保育器に入るらしい。
自然に産んだわけじゃないから、大きい赤ちゃんでも保育器で様子をみるらしい。
私はベッドごとまた部屋へ戻った。
それからは、動けないから足のマッサージをして、みんなと会話した。
イチも両親も赤ちゃんを見た時、あまりの大きさと泣き声にビックリしたと言っていた。
私は元気過ぎる赤ちゃんを産んだのだ。
悪阻がひどかったことにみんな納得していた。
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迫田さんと中村さんは川中運送へ向かった。 野原祐也に会うことができた…(旅人さん0)
78レス 509HIT 旅人さん
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