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続・ブルームーンストーン

No.144 19/09/09 12:54
自由人
あ+あ-

「えっ?!」

まさかメモを渡されるとは思ってなかったであろう大ちゃんは一瞬あからさまに驚いた表情を見せたが、

「なに?何で俺に渡すの?意味わかんね。」

とつまらなそうにメモを私に返そうとした。

「いいからちょっと見てよ。」

「何で男の携帯番号を見なきゃなんだよ。興味ねえわ。」

うおっ、ちょっとお前…
まだメモ見てないだろ?!
なのに何で携帯番号って事までわかる?
(当時はまだまだ携帯は完全普及しておらず家電を教えてくれる人も多かった)
もうドラッグストア勤務なんか辞めて
すぐにビックリ人間大会にでもエントリーしてこい。
世界大会優勝も目じゃないぞ!
あれば…の話だけど…

心の中で色々ツッコミながらも

「見て欲しいんだよ。見て?お願い!」

と半ば押し付けるように大ちゃんの手にメモを握らせた。

「お?おお…」

大ちゃんは何故か急に大人しくなりいそいそとメモを開きかけたが、フッと私の方に目をやると急に思い直したように手を止めて、
あんた主演男優賞でも狙ってんの?ばりの巧みな演技でまるで何も興味が無い風にゆっくりとメモを開いた。

「んっ?ん?山田?勇人?」

あんぐりと口を開けるとは正にこういうことなのだろう。

大ちゃんは数秒間口をぽかんと開けていたが、

「ええええっ?!山田さん??!!」

と素っ頓狂な声をあげた。

「うん。ユータンだよ。
郵便局の前で偶然会って…」

「そうなんだ!山田さん!何やってんだよ一体!」

私の話を遮るようにして大ちゃんは半ば叫ぶ様にそう言うと顔中をクシャクシャにして笑った。

大ちゃん…

大ちゃんも嬉しいんだな。
無邪気に喜ぶ大ちゃんを見ているとまた私の中にも嬉しい気持ちが沸き起こってきた。

「ね?ビックリでしょ?
それで…ちょっと相談なんだけどユッキーにはどうしようかと?…」

ガタン

途端に後ろのドアが開く音が聞こえそれと同時に、

「ごめんなさい、ちょっと売り場の件なんだけど…」
と言いながら当のユッキーが入って来た。

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