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続・彷徨う罪

No.5 12/11/20 01:47
ゆい ( vYuRnb )
あ+あ-


俺はそこに過去2回ほど行った事がある。

一度めは、修也の裁判が終わった直後。
その時はまだ現場は封鎖されていた。

二度めは、零と出会って間も無くの時。

初めて踏み入ったそこは、湿っぽくて光が届かない陰気な血生臭い場所だった。

こんな所で、零は囚われていたのだと思うと胸が締め付けられて不意に泣けてきたのを覚えている。

高瀬の勘が当たっているなら、今も零はその忌まわし場所に囚われている事になる。

堪らなくイヤだ。

自分の力量で、あいつを救えるか分からないジレンマ。
生きているのか分からない不安。

そんな感情が渦巻いて、吐き気がする。

前を走る高瀬の背中からは、そんな不安をも感じていない強さを感じる。

なぜ、こいつはブレないんだろう。
高瀬は、零は生きていると信じて疑わない。

必ず、自分が救うんだという自信と信念があるんだ。

その広い背中を、不覚にも俺はカッコ良いとか思ってしまうんだよ。

「いそげ!岩屋!!」

振り向くな…バカ野郎。

高瀬は、俺の微かな顔色の変化を察する。

だから…

「心配すんなっ!零は大丈夫だ!」

そんな、真っ直ぐな瞳で俺を励ますんだよ。

それが、俺を惨めにさせるなんて考えもせずに…。

「うるせー、当たり前だろっ!」

俺には、せいぜいこうした強がりしか出来ない。

零…どうか、無事でいて…。

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