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続・彷徨う罪

No.130 13/04/04 02:17
ゆい ( vYuRnb )
あ+あ-


「モテモテだね、零ちゃん。」

帽子から半分だけ覗いた顔でも、こいつが正端な顔立ちとだ言う事が分かる。

頭の回転も、あの正確な射撃術からも、身体能力が高いと分かった。

それに、岩屋の言う様に冷酷な人間だと言う事も…。

厄介な奴に捕まったもんだ。

「愛する人が、目の前で奪われたらどう思うんだろうね。」

男の口角があがると、こいつは私の頭を掴み上げて無理矢理自分の唇に私の唇を合わせた。

「んーーっ!!」

もがくと、額に当てられた銃から弾の回転音が聞こえた。

“大人しくしろ”

そういう事なのだろう…。

「この野郎…っ!」

高瀬が銃をこいつに向け直した時、こいつは引き金を弾いて私に向かって発砲した。

弾は、顔面スレスレの壁に埋め込まれた。

「言っただろ?
下手な真似をすると、零ちゃんを撃つって…今度はこの綺麗な顔に撃ち込んじゃうからね?」

「あの野郎…さっきから、気安く俺の零を呼びやがって…!」

『俺の…』って、いつから私は岩屋のものになったんだよ。

「聞いた?
あの色男さん、零ちゃんにベタ惚れみたいだね。」

「それなら…」

男は薄っすらと妖しげな笑みを浮かべると、銃のグリップ部分で私の顔を殴った。

その衝撃で、壁沿いに倒れる。

激痛と、血の味が口に広がった。

「「零っ!!」」

高瀬と岩屋の声が微かに聞こえた。

ヤバイ…頭が朦朧としている。

「あれ〜、まだ意識がある?
意外と、メンタル強い方なのかな?」

男の顔がぼやける。

「オレはさ…人の痛みが分からないんだよね。
よく、『人の痛みを知りなさい』って、学校の先生や親が言うだろ?
だけど、オレには分からないんだ。
どうしたら、それが分かるのか…。」

「なに…言ってんだよ…」

男が、私の上に跨る。

「だから、どうすれば人が傷付くのか見たいんだ。
ねぇ?手も足も出せないまま、愛おしい人が犯されていくのを見るのはどんな気分なんだろうね…?
愛する人の前で、犯されるのはどんな気分なのかな?」

「やめ…ろ!」

シャツに、奴の手が伸びた…。

やめて…二人の目の前で…
多香子の私を哀れむ瞳の前で…

惨めに、あんたなんかに弄ばれたくない。

男が掴んだシャツを片手で乱暴に引き裂く。

「やめてぇ…っ!!」

ブチブチと、ボタンが弾ける音と、自分でも驚く程に女っぽい悲鳴が響いた。














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