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続・彷徨う罪

No.131 13/04/10 00:58
ゆい ( vYuRnb )
あ+あ-


「やめて…っ」

引き裂かれたシャツの胸元に男の顔が埋まる。

「いいね、その顔…ゾクゾクするよ。」

肌を吸われる唇の生温かい感触。

こんな奴に、身体を蝕われるのはゴメンだ。

顔を横に背けると、目の前には銃口の丸い穴が飛び込んだ。

黒い鉛のトンネルみたいな入り口。

何とかしないと…。

壁に手を伸ばす。

『壁を蹴り上げて、その反動を利用すれば高く遠くにも飛べるんだ。』

ふいに、マウスの言葉が脳裏に浮かんだ。

パルクール。

マウスが得意としていた移動手段のパフォーマンス。

『マウス、あんた凄いよ!
何でそんな事が出来るの!?』

彼の見惚れる程の技術に、興奮して見ていた。

『岩屋君に教えてもらったんだけど、いつの間にか僕の方が上手くなってた。
身体が小さいし軽いから上達したんだと思う。』

一瞬でも壁を横走りしたり、縦に蹴り上げて人の後ろに回り込むなんてお手のもの。

『ゼロも一緒にやろうよ!』

パーカーから覗いた白い歯…表情や感情を表に出さない彼が、心から笑った日だった。

それから、色々な手解きを受けながら二人で夢中になって練習した。

人との距離を置いていた私に、友達と呼べる相手が出来た。

この、白くて硬いコンクリートに自身を託せるかも知れない。

『ゼロなら必ず飛べるよ。』

そこに、マウスの満面の笑みが浮かぶ。

私は身体をよじりながら、男の気を引く方法を考えた。









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