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続・彷徨う罪

No.128 13/04/03 02:17
ゆい ( vYuRnb )
あ+あ-


そこまで自身過剰にいうなら、『仕事出来ますみたいな顔』じゃなくて正真正銘『仕事出来る』って言えば良いのに。

まぁ…それは、身を持って立証した訳だから別に良いのか。

3人を巻き上げて立ち上がると、高瀬が多香子のロープを解いているのが目に入った。

手首を痛めた多香子の手を取って、傷の具合を見る高瀬の瞳は優しかった。

見たくないのに視線を反らせない私は、いやらしい…。

岩屋は、他の刑事達の具合を見ている。

あの輪の中には入れない自分。

また、高瀬と岩屋に距離を感じていた。

あの人達は仲間だが、私は違う。

そんな捻くれた疎外感を抱く私は腑抜けだ。

そんなだから、糸も容易く隙を突かれるんだ。

「零ちゃん、つーかーまーえた。」

忍び込んだ新たな敵に、後ろを取られた。

「「零っ!!」」

高瀬達が私の異変に気付いた時には、武装した男に身柄を取られた後だった。

片手で羽交い締めされ、後頭部には硬いあの感触。

何度、こうして銃口を突き付けられたか分からない。

ある意味、慣れたよ。

それより…

「…何で私の名前を知ってんの?」

嫌な予感がした。

修也の一件は終わったんじゃなかったの?
まさか…まだ、事件は終わってないの?

「あんたが“零ちゃん”なんだろ?
オレらのリーダーが、あんたの事を言ってたからさ。」

リーダー?

「リーダーって、修也の事?」

「修也さんは神様だよ。
リーダーは、修也さんの従順な片腕さ。」

「どういう意味?
修也は死んだの。
それに一連した計画もなくなった…あんた達の目的は何?」

その男は、今までのクソガキめいたテロリスト達とは違う雰囲気を発していた。

表情なんて見えないが、何だろう…全身から漂う空気が冷たくて怖い。

修也が、時折り見せた冷酷なあの雰囲気に似ている。

「目的ねぇ…。
なんだろ?それはリーダーにしか分からないんじゃない?
オレ達は、単にその祭りに乗っかてるだけだからさ。」

つまり…こいつらは、単にゲーム感覚で爆破したり武装して人を拘束しているだけなのか?

「その娘を放せっ!」

高瀬が銃を構える。

パンッー…!!

銃声の後で、さっき拘束した男の一人が悲鳴を上げた。

「貴様っ!!」

「オレを挑発しないでよ…刑事さん。
じゃないと、今度は零ちゃんを撃つよ?」

撃たれた男の肩から、血が流れる。

こいつは、なんの迷いもなく人を撃つ。




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