注目の話題
赤ちゃんの名前について
彼氏が他人の子供を面倒みています
昨日の続き。全員和食にしてほしいと言う義母。

続・彷徨う罪

No.127 13/04/02 16:58
ゆい ( vYuRnb )
あ+あ-

「あーあー、みんな物騒だなぁ。
とりあえず全員、銃を下ろして話し合いで解決しません?」

岩屋が両手を上げて、高瀬を取り囲む男達に言った。

「何言ってんの?おっさん。」

高瀬を挑発した男が、失笑しながら今度はその銃口を岩屋に向ける。

「おっさん…?」

「あれ?気に触った?
俺、あんたらみたいなイケメン気取ったおっさんが大嫌いなんだよ。
いかにも、“仕事出来ます。”みたいな顔してさ。」

男は、銃の先端を岩屋の頬にペタペタと軽く叩いて笑う。

「なるほどね…でもさ、それは君の偏見だよ。
俺は面倒な事が嫌いだし、仕事だって好きで頑張ってる訳じゃないんだ。
それに…俺は、仕事が出来る方じゃない。」

「へぇ〜、その割には仲間を助けようと飛び込んで来たじゃん。
刑事の正義感かな?」

「正義感?違うよ。
大体、そこのイケメン風なおっさんは俺の仲間じゃないし。」

顎でクイっと高瀬を指す。

高瀬は、岩屋の落ち着いた物腰に眉を潜めている。

「じゃぁ、何で助けに来た?」

男が尋ねると、岩屋は手を上げた状態で多香子を指さした。

「あの女…良い女だよね〜。
勇気を出して助けたら、ヤらせてくれないかと思って。」

「…最低。」

縛られた状態で、多香子は岩屋を睨んだ。

ほんと、最低野郎だ。

男は、そんな岩屋に爆笑していた。

「岩屋…てめぇ、ふざけんのも大概にしろよ?」

今度は高瀬が岩屋に銃口を向けた。

「なに…してんの?」

二つの銃口がそれぞれに高瀬と岩屋を差している。

メチャクチャな光景だ。

「オイオイ…仲間割れかよ。
ったく、日本の警官も地に堕ちたもんだな。」

男が皮肉な笑みを浮かべた瞬間、岩屋は身を翻して男の腕を掴んだ。

その男から暴発した弾が、高瀬をすり抜けて別の男の足に当たった。

その隙に、もう一人の男に高瀬が飛び掛かる。

そいつが発砲した弾が、高瀬の頬を掠めた。

全てが一瞬の出来事だった。

岩屋と高瀬の攻防撃は、溜め息が出るほどに俊敏で華麗だった。

二人であっという間に、テロリスト達を鎮圧すると、高瀬が私に手招きをした。

「零、こいつら縛り上げるのを手伝ってくれ。」

手渡されたガムテープを受け取ると、高瀬は拘束されてる仲間の刑事達の縄を解き回った。

私は、岩屋が取り押さえた男の手首足をガムテープでグルグル巻に縛る。

「日本の警察は優秀だって聞いた事あんだろ?」

うな垂れるテロリスト達に、岩屋が言う。

「そうやって、カッコつけられんのも今のうちだ…!」

睨みつける男の頬をペチペチと叩いて、岩屋はそいつの口をガムテープで塞いだ。

「カッコつけてんじゃなくてカッコ良いの!
イケメン気取りじゃなくて、イケメンなの!
分かる?
それから、『おっさん』じゃなくて『お兄さん』ね?」

…根に持つタイプなんだな。





127レス目(159レス中)
このスレに返信する

小説・エッセイ掲示板のスレ一覧

ウェブ小説家デビューをしてみませんか? 私小説やエッセイから、本格派の小説など、自分の作品をミクルで公開してみよう。※時に未完で終わってしまうことはありますが、読者のためにも、できる限り完結させるようにしましょう。

  • レス新
  • 人気
  • スレ新
  • レス少
新しくスレを作成する

サブ掲示板

注目の話題

カテゴリ一覧