うめつくされた記憶

あれは高校二年の時、突然知らない番号からの電話がなった。

「もしもし…。」

「あっ、出た‼もしもし。あの～山田から番号聞いたんだけど、山田と同級の江夏だけど、分かる❓」
確か、さっきスクールバスで山田の隣に居た人だよね⁉

「うん。さっき山田の隣に居たよね⁉」

「そうそう。良かったら友達になってくれん⁉いつも山田と話してるの見ていいなって思っててさぁ。ねっ⁉いいじゃん、先輩。」

まぁ～友達多い方がいっか。深く考えず返事をした。
「いいよ。でも番号人に言いふらさないでね。」少し嫌味に言う。
「やった。」電話の向こうでは何やら人の声がしている様だった。
「じゃ。今から遊ぼうや、近くの公園まで行くから、30分後集合な」一方的に切られてしまった。

一人で行くの嫌だったから仲良しのアコを誘って行く事にした。

自転車で公園まで行くとバイク音がして、振り返るとブンブン手を振っている江夏くん、それと先輩の海くん、剛くんがいた。

仲良くなり二時間くらい話して 帰る事にした。

これが江夏 悠との出会いだった。

• 共感0

当時私はガソリンスタンドでアルバイトをしていた。仲間は店長含め中年のおじさん達数名と20代半ばの人達。とても可愛がってもらった。休みの日には色んな所に連れて行ってもらっていた。
その時私は健太先輩が大好きで毎日バイトに行くのが楽しみだった。シフトを見ながら同じ休みを取り出勤日が同じになる様にしていたくらいだった。健太には彼女が居た為気持ちを伝えられずにいた。唯一の同じバイトは 独占 と言う言葉で一人納得していた様に思う。
ある日 友達カップルとダブルデートしようと誘われた。
舞い上がり 即OK‼休みは以前から一緒にしていたので直ぐに日にちを決める事が出来た‼この時ばかりは、自分のストーカーチックな行動に感謝していた。
だか、彼女の事が気になりだした。デート…。今まで二人で遊んだ事が無いし、Wデートならば彼女を連れて行けばいいのに…。自分の親友でしょ？その意味は❓❓❓

嬉しさと不安を抱えて当日となった。

• 共感0

>> 2 「おはよ。今から迎えに行くけど支度できた❓」
「うん。出来たよ、いつもの所まで出てるね」支度が出来てないはずは無かった、興奮で三時間以上も前から起きていたのだ。電話を切り鏡の前で最終チェックをして元気よく出ていく。何だかヒールの音が軽やかに高く響いている。
待ち合わせ場所に付くとリップを塗り直し身だしなみを整える。
「よし。完璧」
お迎えが来ると 元気よく挨拶し友達カップルとの待ち合わせ場所に急ぐ。
着くとスタイルの良いお姉さんと背の高い男の人が待っていた。
車から降りて「はじめまして。幸子と言います。今日は誘っていただいてありがとうございます。」と深々と頭を下げた。
二人はお互いの顔を見合わ大笑いしはじめた。「おはよ、気を使わなくて良いよ 私佳奈、こっち達也。さっちゃん、宜しくね」と肩をポンポンとされた。赤面したまま顔が上げられない私を見て健太が「じゃ、行こうか」と助け船を出した。
じゃーねー。と手を振ってくれる佳奈さんと達也さんにﾍﾟｺﾘとお辞儀をして車に乗り込んだ。

• 共感0

>> 3 さぁ出発だ！ と健太は声を張上げた。
「あのさぁ…今更だけど、どこ行くの❓❓」と顔を除き込んだ。
「いいところ」と言って微笑んだ。
車中色んな話しをして一時間を超えただろうと思う頃、健太のケータイが鳴り響いている、だが一向に見ようともしないでいる。
コンビニにトイレ休憩を取るために寄った。トイレから戻ると健太は電話をしていた。
すぐに彼女だと分かった。健太は困った顔をしていた。車に戻ると健太から話し始めた。内容はこうだった。
彼女とは６年付き合っていたが二週間前に別れた。だが私とデートすると聞いたので電話をしてきた。彼女は寄りを戻して欲しいと、戻してくれないなら手首を切って死んでやるという内容だった。

• 共感0