注目の話題
海外の人に原爆について教える。
どっちの妻がいい?
離婚し30年会ってない父親に会う場合

堕天使【番外編】

レス256 HIT数 25220 あ+ あ-

クロス( ♀ gAVFh )
11/12/20 18:13(更新日時)



【堕天使】

http://mikle.jp/thread/1686010/



本編 存在感
No.1の優ちゃんと

私が織り成した ひとときの
恋模様…


子持ち女の
馬鹿馬鹿し… くもない
数ヶ月。




フィクション…

という事に しておきます(笑)
ので

ゆっくりな更新になるかと思いますが また おつき合いを よろしくお願い致します。




No.1699638 11/11/05 15:38(スレ作成日時)

新しいレスの受付は終了しました

投稿順
新着順
主のみ
付箋

No.101 11/11/13 17:14
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 100

「お兄ちゃんのことなんか

好きじゃないくせに!!」



彼女が 叫ぶ。





「ぜっんぜん関係ねぇ」


私は 笑い出す。

「今 そんな事は
まったく関係ない…」





涙で濡れた 彼女の瞳が

真っすぐ こちらを

向いている。



憎い…








美しい兄妹に

執着しすぎた


あの



醜い女と 自分がかさなる…





「てめぇらが 私を騙した…


事実は それだけだ!!」





立っていられず

優ちゃんに
抱きかかえられたまま

ミアちゃんが言う


「リエちゃんは

誰のことも好きじゃない…


ミアに リエちゃんから電話をくれたこと ある?
ないよね?
いつも いつも ミアから…



1度だって
ないじゃない!!


ミア 寂しかったんだよ!

お兄ちゃんも… 」


「寂しけりゃ

人 騙していいのか!?」










「てめぇの胸に

聞いてみろ!!!」












私は 優ちゃんに

「ごめん」と言った。



さすがの優ちゃんも

「ミアさんは
私連れて帰りますから…

リエさんは行って」

と 震えていた。








歩き出しても…


夜風が冷たくても…




わきあがる怒りが消えない。





いつまでも 耳につく

彼女の泣き声が嫌で





私は T君に


電話を かけた…




No.102 11/11/13 18:25
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 101

あの日

あの口の軽い男と



私の家へ行くように
仕向けたのは T君…



美咲とやらを あの男と 一緒に会わせろと ミアちゃんに しつこく頼んだのも T君…







かなりの時間が経った頃

もっちゃんから


聞いた話し。



『ミアが

ずっとおかしいから

聞いたんだ…』

と言って。








だけど私は


『ミアが 無理矢理 会ってくれって言うから 2・3度 会っただけだよ』


という言葉と


『俺が 愛してるのは

リエだけだ』


という T君の言葉に


すでに

2度 騙されていた…。








やはり 男を信じてしまう

浅はかな女。




そんな 私も


彼はすべて



お見通し…







『分身』は

私の生活から 消えた。







何年か後に

摩耶と 優ちゃんに言われた。


私達の仲のよさが

異常に見えていたこと…


嫉妬していたこと…












海を見るたび


思い出す 彼女の存在。




T君との関係が
めちゃくちゃな 今…


永久に さようなら



だね。











「砂浜とか 走る!?」


「そういうの いいや(笑)」


大きな 笑い声が




潮風に



さらわれてゆく…




No.103 11/11/13 19:18
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 102

「あんま食べないんだね(笑)

よっちゃん(笑)」


熱いドリアを

フゥフゥと冷ましながら

上目づかいで聞く。




「…バカだね キミは」

「なんでよ(笑)」


「緊張してるんじゃないか…」



大声で笑った。

「笑うとこじゃね~し…」


「だって 意外(笑)」

「っつか リエっちは
緊張とか ないわけ?」


「おばさんだからね(笑)」



どうしてか

私は 本当に素でいられた。


よっちゃんには

隠し事が 何もない。

飾らなくて すむ。




夜の街は アウェーでも


ファミレスは

ホームだし(笑)






「おばさんには 見えないけど

俺は 絶対 飲み屋の姉ちゃんの 同伴だと思われてるな…」



「どっちかってったら

私が 同伴なんだけど(笑)」



「ちがうから~(怒)」

「こわいよ(笑)」





ただ…


つかめない。

彼の本心。



本当に ただの

営業なのかもしれないし…




「本気…


だからね リエっち俺」

「…

本気と言いますと(笑)?」




「本気で 好き」







「(笑)ありがとう。」





私も好き…



は 言えない。








寝てみないと


ワカンナイから…




No.104 11/11/13 20:56
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 103

よっちゃんの家は…


綺麗なマンションだった。



勝手に 汚いアパートを想像してた私は 面食らった。



しかも 広い。



「お邪魔し…」

感想を言う間もなく


唇は ふさがれた。





「リエっち…」

荒い息とともに

すぐに胸に 手がのびてくる…



「ちょ…

よっちゃん ちょっと たんま」


私は スルリと身をかわすと

「1回 落ち着こうよ」

と コンビニの袋から 缶ビールを取り出し 目の前にかざす




情けないけど…




シラフじゃ無理。






「したいんだけど(泣)」

「あ~ そう

よっちゃんは 結局 私の身体目当てだったわけね(笑)」


「ちが!…」

「わない(笑)?」


とか言いながら

かなり 焦っていた。



ムリ ムリ ムリ…

なぜか 私は部屋の豪華さに
尻込みしていた。



薄汚れたアパートなら

玄関で 押し倒されたまま


合体してしまってただろう…




「俺 別に
酒好きじゃないんだよね…」

ぶつぶつ言う よっちゃんを尻目に 勝手に 豪華なソファーに座ると 缶ビールの プルタブを ひいて 私は1人

「乾杯」

と 飲みはじめる。



「おいおいおい(笑)」







早く 酔え

私…





No.105 11/11/13 21:34
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 104

サキイカは…


まずかったな。



さっきから キスが

サキイカの匂いしかしない…




ただ おかげでビールが すすんだので 激しく酔っぱらう事には 成功していた。






「よっ…ちゃん

シャワーとか… しないの?」


「このままでいい…」



私の胸にうずまる

くぐもった 彼の声…




先端を口に含まれた時

なぜか 私の頭の中には


あおいちゃんがいた。




「あ…




…よっちゃん」



「好きだ…

リエっち


好き… だ」



首すじに 舌を這わせる
彼の興奮が


身体をジワジワとくねらせる。



「やっぱり

いやらしいな…


リエっち…」



「や… めて…」




私は


言葉にも



すごい 興奮する…





気づいた よっちゃんは


「どうして ほしいの?」


と ニヤニヤしながら

耳元に熱い息を かける…



「やだ…」

身体がビクンとそる。

「…やだ じゃなくて」



「… お願い」


自分の声に

濡れてゆく…




「可愛い…


リエっち…!」




よっちゃんの息が

ますます荒くなりはじめると












軽快なメロディーが

鳴り出した。




No.106 11/11/13 22:44
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 105

「なんだよ…」




大きな よっちゃんが

テーブルの上の携帯に
手を のばす。



やたらと 小気味のいい
そのリズムは鳴りやまない。






「出ないの?」



私に 体重をかけぬよう

片方の腕は
突っ張ったままだ…



「もしも~し」


下から 声をかけた。




「…え? いいよ今は」



鳴りつづけたままの携帯を

テーブルに戻す。







誰?


…って 聞くべきかな。





そんな事を考えてたら



萎えた。






「今日は ここまで~(笑)」


「ええ~~っ!?」



「続きは またの

お楽しみにしよう(笑)」


「そういうの あり(泣)?」

「あり(笑)」



笑いながら 手早く服を着る。

急に 恥ずかしくなって来た…





「今日は ごちそうさま(笑)」


「帰んの!?展開 早っ!」




名残惜しく…


させたかった。





きっと さっきの電話が


女であることに

間違いはないだろうから…






よっちゃんは 可愛いけど

たぶん


好きではないんだな。







ガクっと肩をおとす
よっちゃんを 揺さぶり

「早く 送ってよ~(笑)」

なんて ふざけてたら







リビングの扉が開いた。



No.107 11/11/13 23:28
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 106

「え~~~っ!?!?」

「ビックリするよね…」



「少し ちびったっす」

「だよね…」



「何が?」

「うぉ~~~~!!」




Oは いつも

気配なく あらわれる。



「あんた 足音たてなよ(怒)」


会社の構内。

車の列の間を
縫って歩きながらする仕事。

絶好の お喋りタイム。
(いつでもだろ…)







あの時も


頑丈なマンションの造りのせいで 扉が開くまで なんの気配もしなかったんだ…






目を


疑った。





「何やってんの?」


小さな赤ちゃんを抱いた

その女性が言った。




顔面蒼白のまま

「おかえり」


と よっちゃんが言う。






本当に


ちびるかと思った。




「…お邪魔してます」



適切か?


とっちらかる。




心の中で

途中でやめた自分に
賛辞を 送る。




どう考えても 間違いない…


結婚してるんじゃん。

よっちゃん。






「早くない?

おまえまだ 帰んないって
昨日…」


「さっき 電話したじゃん!」

「あんな ギリギリ…」

「何が ギリギリなのよ!!」


赤ちゃんが 泣き出す。










ドラマみたいな展開を

私は どう
優ちゃんに伝えようか なんて




不謹慎にも考えていた。



No.108 11/11/14 01:58
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 107

「あんた誰!?」

赤ちゃんの泣き声とともに
女性の…


いや
よっちゃんの奥さんの声は
大きくなる。




突然の こっち側。

いや待て


私だって 知らなかったんだ…




ここは

よっちゃんに まかせよう。



「今 帰るとこだったんだよ」

答えになってない…




「…送って来る」


「逃げんの!?」



奥さんにしてみたら…


青天のへきれきだろう。



「毎回 毎回 あんたは…!」





…は?







常習か。







「知らなかったんでしょ?」


私に聞いている。




コクンとだけ

うなずいた。






ここは


傷心している

女の子を 演じよう…











「ごめんなさいね…」











涙が


流れた。




演技じゃない

ほんものの











どう見たって

私より10は若い この人は




私より


はるかに 大人。






腕の中にいる この天使は


なんて 幸運なのだろう…






よっちゃんも




なんて


幸せなんだろう。







よっちゃんが


どちらへともなく





「ごめん…」




と つぶやいた。




No.109 11/11/14 02:57
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 108

私が 雄太に言った


『彼女

幸せにしてあげて』


とは


まるで種類の違う言葉。




『ごめんなさいね』







よっちゃんは きっと


そんな深い 奥さんの言葉に


懲りることなく

同じ事を 繰り返すのだろう…




『ごめんなさいね』


と言った あの人も




それを 知ってる。




私は きっと

後 何十年生きても



そんな立派な女には

なれそうもない





プライドで放った

私の 夫への言葉より




彼女の

妻としての言葉は




果てしなく


尊い。








「リエっち…」



泣いている私を

ショックからだと
勘違いしている よっちゃんは


帰りの車の中

バツ悪そうに 口を開く





「ごめんね」


「奥さんに ちゃんと

あやまってあげて…」



私なら

女を送ってゆくのを


黙認できるだろうか…



無理だ。




「あいつ 別に 俺のことなんか 好きじゃないんだよ…」


「え?」


「あのマンションだって
あいつの親が買ったもんだし…


俺なんか

飼い犬ぐらいにしか
思ってねんじゃね(笑)?」







余裕


だったのか…







真実は

どこかに あるのだろうが






確かめようとは




思えなかった。




No.110 11/11/14 05:06
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 109

「しかし よく そんな冷静で いられたっすよね…」


今日は
ハンペンと大根の煮物。

「愛ママ これ美味しい💖」

「いっぱいあるから
いっぱい 食べな(笑)!」


摩耶は 優ちゃんの
この煮物が 大好物。

ほんとに 美味しい…


「この間 弘樹に出したら

『虫歯になる』って
言われたんすけどね(怒)」


「そこそこ出来るからね(笑)

うるさいんだ? 弘樹」

「そんな事は
ど~だっていんすけど」


おまえが言い出したんだろ。



「私だったら…


絶対 笑っちゃったっすよ!」


それも どうかと…



「なんとなくね…

あのマンション見た時 予感めいたものは あったのかな…」


「なるほど…」

「それと…


よっちゃんのこと

そんな好きじゃないから…


かな」


「う~ん…

でも ムカつくっすね(怒)
タクミ知ってたのかな」

「もちろん
知ってるでしょう(笑)」

「友達って 隠すんだ?
そういう事…」


「…だろうね」


と 言いながら

しまった!と思った。




難しい顔になる 優ちゃん…






「リエさんの車も 知ってるしな~…はる君さんは車ね~し」



優ちゃん 何を…






「弘樹 尾行するっすよ!」








私も~~~???




No.111 11/11/14 14:33
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 110

「リ…ミェさん…」


ぎゃははは!っと
はる君が 笑う。

「なんすか?」


「優ちゃんって おもしろいね(笑) 生まれ こっち?」


「日本っす」



知ってるよ…



「ダメだ(爆笑)ルミ…

俺 運転出来ない…
おかしくって(笑)(笑)」






結局…

優ちゃんの2番目のお姉ちゃんの車を借りて、運転は はる君


という案で まとまった

【弘樹 尾行大作戦】





「優ちゃん(笑) そういう意味じゃなくってね💦💦

…『ルミ』って たしかに
言いづらいよねっ(笑)💦」



私は 後部座席で 並んでる優ちゃんに 両手を合わせ詫びる。


はる君に 見えないように…



「なまってるって事っすね!

よく言われるっす。


イントローションも違うって」



そもそも それが違う。




「腹いたい(爆笑)ルミ…」



「うんこすか?はる君さん!

今のうち 済ませて下さいよ!


もう少ししたら
真剣勝負すからねっ!

うんこしてる暇ないっすよ…」



うんこ うんこ うるさいよ。




だけど…




はる君 とっても嬉しそう。










現場まわりが仕事の 弘樹は よく 優ちゃんに場所を報告して遊びに来させたりするのだ。



ある土曜日。




【弘樹 尾行大作戦】の

幕は あがった…




No.112 11/11/14 16:35
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 111

この 弘樹の今日の現場…


はる君ちの
けっこう近くだった。



私が 小さな頃

暮らしてた 辺り…




建築中のマンション。

弘樹の仕事は その内装。




夕方 少し離れたコンビニで

飲み物を買う。


「経費で おとすすから…」

どっから出るんだよ。



「っつか 優ちゃん
牛乳飲まないよね?」


「アンパンと牛乳…」


はる君が また

腹を抱えて笑い出す。


「張り込みの傑作っす」

鉄則。




コンビニの店員まで
吹き出させる彼女は
ある意味 天才だ。







ところで この任務には
私にとっても ひじょ~に危険が ともなっている…


私だって

はる君に免許証など
見せたこと… あるわけない。


疑うことを知らない はる君に

よけいな思いを わかせてしまう事になりかねない…





「ところで 優ちゃんは
どうして
弘樹君を そこまで疑うの?」


弘樹の居るマンション並び


眼鏡屋の駐車場に

車をとめた。


カフェオレに ストローを差しながら はる君が聞く…


「それ うんこしたくなるっすよ はる君さん…」



いちいち うるさい。



「あやしいんっすもん」

「なにが(笑)(笑)?」


優ちゃんのキャラ勝ちで
私への飛び火はなさそうだな…


と 少し安心する。




「家 教えねんすよ 私に…」

「へ~… そうなんだ…」






…大丈夫かなぁ(泣)




No.113 11/11/14 17:29
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 112

「来たっす!!!」








「はる君さんは
隠れなくていっす…」



「あ そっか(笑)」

けっこう






可愛い。

チュウしたくなった。



「リュミェさん…

今 変な事考えてるっすね…」


いいよ 今 そういうの。

名前 おぼえてくれよ。





「どの人💦? 優ちゃん!」


「背のちっちゃい… 165くらいの 黒のキャップかぶった 下ジーパンで 靴はいてる奴っす💦💦」


靴は みんな はいてる…



「(笑)見つけた…」

はる君が言う。



「顔出さないで!
リ…ュエミさん💦
目立つんすから!!💦」



まだ少し…

外は 明るかった。




さっき この裏手

陸橋の下に駐車してある
弘樹のオデッセイは
見つけておいた。



「(笑)隊長!どうします?」


「弘樹の車 見えるとこに 移動してくださいっ💦💦」



はる君は 楽しんでるけど

なんだか私は


心臓がバクバクして来た…




いいのかな?


ばれないのかな…?



見たくないもの





見えたり




しないのかな…






「オエッ!!」

「!?どうした優ちゃん!」


「下向いてたら
気持ちワリくなった(泣)」



「(笑)もう暗いから

顔あげて大丈夫だよ2人とも」








弘樹のオデッセイが

走り出した…




No.114 11/11/14 18:12
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 113

「近所までは行ったこと
あるんすよね…」


「あ~ そうなんだ…」



弘樹の車を 見失わないように走る はる君は…



マックスかっこよくって…






犯したくなった。





「また 変なこと

考えてるっすよね…?」


するどい。






「たしかに はる君さん

若干 カッコイイっすよね!」









はる君が ヒーヒー笑う。



「優ちゃん…

あんまり 人ほめる時
『若干』は…
使わないかな(笑)(笑)💦」


むしろ 失礼。





「あ…

ウィンカーあげた…」



コンビニ?


給油か?






「ガソリンスタンドだね…」


ちょうど 隣がコンビニ。

はる君は

コンビニの駐車場に
車を入れた。



「はる君さん

慣れてるっすね…」


「俺 探偵やってたから…」


「マジすか!?!?」

「嘘だよ(笑)」



「ちっ…」


どんだけ悔しい。




「わーっ!!」

なにっ!?と
はる君と2人で 驚く。


「携帯鳴ってるっす…」

バイブか。



「弘樹っす!💦💦💦」



携帯を放る。



いやいやいや…

大丈夫だし(笑)



私は 足元に落ちた携帯を 拾うと 優ちゃんに渡した。





「見えてないんだから

大丈夫(笑)」


と 笑いながら…




No.115 11/11/14 19:26
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 114

優ちゃんは 私達に

「しーっ」と言うと


「もしもし」


と とても堅苦しく言った(笑)




「ううん…

実家…」


やばい。

鼻の穴が膨らんで来た。



「弘樹 どこに居んの?」



今にも 吹き出しそうだ…



「あ~そう…

帰りなん… だ…」


私の 太ももをつねって来る!


「いっ…!」


なんで 私のだよ(泣)




私は ジェスチャーで

はる君に うったえる。



チョイ チョイ と

はる君が おいでおいでをする


ん?


と顔を近づけると

キスして来た。




優ちゃんが 私の頭を叩く。


「いてっ!」

指で「シッ」



「ちがう
姉ちゃん 姉ちゃん… うん…」



はる君が

声を殺して笑う。




「真っすぐ帰んの?弘樹…」





清算を終えて

走り出す 弘樹の車。




はる君が わざと少し遅れて

発進させる。




「じゃあね… はい…」







通話の終了を確認すると


「ちょーっと!!」

と 2人同時に騒ぎ出す。


「はる君さんも
ドサクサまみれに 何やってくれちゃってんすか(怒)!」


まぎれだ 優ちゃん。




「ムラムラしたんだもん(笑)」




あ~ん(泣)💖








「あいつ
金ないはずなんすけどね…」







お腹いっぱいの オデッセイが

真っすぐ 家へ
帰りますようにと祈りながら







はる君に

見とれていた…




No.116 11/11/14 20:59
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 115

お通夜みたいに…


なってしまった。





はる君の アパート。






「誰… なんすかね…」


「うん…」






住宅街に 車が入って行き

なんとなく
3人ともホっとしていた。


家を突き止めて

任務終了…





の はずが。







弘樹は 玄関の呼び鈴を

押している。




自宅じゃない…






中から出て来たのは

20代なかば程の
優ちゃん達くらいの女性…


そんなに 親しげな様子もない



2言3言 会話すると

何かを手渡した様子…



もちろん 物が何かまで
見えない。





すると

その女性は


しゃがみ込み泣き出した。


弘樹も かがみ

頭を撫でている…





車内が シン… となる。





ほら…


だから 怖かったんだ。





私は 深いため息を ついた。






出会い系サイト





そもそもは 遊び。






日常を 何も知らず

突然 出会う男女。



出会ってから聞く事は

どうとでも飾れる。



私のように…









ほんの 数分だったのだろうが


終わりなどないような

時間に思えた。








「まだ



追いかける?」




はる君が聞く。








「もう… いっす…」




優ちゃんが


力なく 答えた。




No.117 11/11/14 23:19
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 116

「だけど そんなに親しい風でも なかったじゃん(笑)」



はる君が 頑張る…




「そっすよね!」


優ちゃんは 素直だ。



「聞くに 聞けないしね…」



「話してくれると 思う


弘樹…」



信じてるんだな 優ちゃん

弘樹のこと。





はる君の顔見たら


胸が ズキンと鳴った。





「今日は ありがとうございました(笑)はる君さん!」


「ってか 優ちゃん
俺の 1コ上だよね(笑)

敬語じゃなくていーし(笑)」


年令の 話し!?💦



「あは💦あははは💦

そうだよ! 優ちゃんが
うえ💦うえ💦」



「そっか(笑)

でも ルミさんの彼氏だし
Tさん!(笑)……」
ピンポ~ン




そこ 来たか~~!!!











ピンポ~ン






「あっ カツ丼来た!」




… 聞こえてない(泣)

セ~フ(泣)(泣)(泣)




「今日の お礼すから!💦💦」

と あきらかに挙動不審 な 優ちゃんと 揉み合いながら はる君は 玄関に向かった…








隠し事…



バレたら






嘘。





騙されること


誰よりも嫌悪してる自分…






もう…




笑い話しじゃ


すまないよな。



No.118 11/11/15 01:39
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 117

なぜに ここの小学校は

梅雨時期に
運動会があるんだろう…

毎年 思う。





子供会が 小規模なため

必ず この朝のテント張りに
参加しなくてはならない…




「おめ~は まったく

やる気ね~な(笑)」

「あるし(笑)」



同級生。

隣の地区の子供会。


もちろん 雄太の友達。




「シャキっとしろ!
シャキっと!!」

「無駄に 元気だな…」




中学の時は 大嫌いだった

すかしてて 無口で…



雄太と つき合うようになってから すごく仲良くなって

今じゃ 1番の男友達。


飲みに出て 2人きりで帰っても ぜっっったいに間違いの起きない 関係…


とても 心地いい。




「幼なじみは いいなぁ(笑)」

地区の 年配者が冷やかす。


「ほんと こいつ 俺と幼なじみで幸せだと 思いますよ(笑)」


「(笑)図々しい…」








今年は…


Nちゃんママと
ずっと 一緒にいよう。


去年までは
毎年 T君が一緒にいた。


家族みたいな顔して
3人で お弁当食べてた。

幸せ…


だったのかな。







「二日酔いか?」

「なんで?」


「いきが悪い…」

「魚か(笑)」








長い1日に


なりそうだ…




No.119 11/11/15 02:52
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 118

「ま~やぁぁあ!!!

キャアーーー!!!」




また 誰よりも

はしゃいでいる…




今は どこでも禁止だが

あの頃 小学校の運動会は
普通に ビールが飲めた。


あちこちに パラソルの花が咲き 親達の プチビアガーデン…




「楽しいね♪

Nちゃんママ(笑)♪」

「女だけだと

自由で いいですよね(笑)」



本当だ…

去年までは
こんな楽しみ方できなかった。



「しばらく

出番ないですね…」



プログラムを見ながら

Nちゃんママが言う。


「よしっ 飲むか(笑)」

「はい(笑)」



こんな日は

缶チューハイを つき合ってくれる Nちゃんママ。


もちろん 地区のテントへなど 行かない。



プール側の 出店が並ぶスペースとの 出入り口あたりに
2人で陣取っていた。




「うわっ! Eちゃんママ 太りましたね~ っ💦💦」


「ほんとだっ(笑)!」




あれ以来

まったく つき合いはない。




「D君ママも

老けちゃって…」


「若い彼と
別れたんでしょうかね~(笑)」



人間ウォッチングに

余念がない私達が

いい加減 酔っ払った頃




「飲んでるか~い(笑)」




今朝の幼なじみ

ゴッちんが やって来た。




No.120 11/11/15 03:56
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 119

こいつは まったく

できあがると 喋りまくり…


中学時代の あの無口さは
なんだったんだろう。



「ゴッちん(笑)

Nちゃんママ目当てだべ?」


「おめ~目当てだ(笑)」

「気持ちわりぃ…」


「言った俺が 気持ち悪いわ」


みんなで 笑った。





ゴッちんは 今の時代
携帯電話を持たない 希少な人

だから 私は ゴッちんに連絡をとる場合 彼の父親が経営する会社に 電話をかける。

『馬鹿(若)社長いますか?』
って(笑)




奥さんが…


この はるか彼方に小さく
視界に入っているが…



けっこう厳しい人らしいのだ。




幼なじみの集まりで 飲むと

必ず タバコのボックスパッケージを 耳に持って行き


「もしもし…」


という自虐ネタを披露する。



悲しい。




こんなに遠くても

奥さんの視線を感じる。



恐ろしい。




たいした男じゃないのに(笑)





「雄太と連絡とってんのか?」

言いながら

Nちゃんママの隣に座る。



「なに あんた ちょっと(怒)」

「いいですよ(笑)」

「ね~♪(笑)
膝に座ったわけでもね~のに」



こいつは…











「あん時 大変だったよな~」






ゴッちんが言う あの時とは

私と雄太が離婚した直後

4年程前の話し…





No.121 11/11/15 05:11
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 120

雄太の女の存在を知り


深い闇に包まれる直前



幸せだった私達の元には
同級会の案内が 届いていた。






雄太と あの女が
恋におちた あの夜の前日


雄太は 珍しく

ゴッちんの家に 同級会の発起人が集まってるから… と

出かけて行った。


要するに ワル仲間。



私と つき合うようになってからは まったく 友達と遊ぶことは なくなった雄太。




忘れもしない…



男の子が欲しくて

産みわけの本を買い


2人で 身体を調整しながら やっと迎えた 排卵日だったから…

よく覚えてる。




「ちょっと
顔だけ出して来る」

って 出かけたんだ。

「すぐ帰って来るよ(笑)」
って…





それ程

同級会を 楽しみにしていた。





だけど…












大きな会場を借りての

同級会。



参加の有無は 迫る…






みんなの顔が 浮かび



幸せに

笑っていた自分も

浮かび上がる。






無理だ…



こんな気持ちで

同級生達の前で




笑えるわけなんかない…






あんなにも2人で

楽しみにしていた同級会。




私達夫婦の欠席は その当日

様々な憶測をよんでいたこと




あとになって


聞かされた。




No.122 11/11/15 12:51
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 121

離婚して 半年ほど経った頃

あのアパートに別れを告げた。


もぬけの殻になった部屋には

食器棚や 壁にかけられていた絵や写真の後が残る壁紙と

私の想いだけ…。




初めて

この部屋で感じた
陽の光を 思い出す。


少しだけ 希望が見えた

あの日を。







さようなら…


ありがとう。









私は 残っていた 少しの荷物を 自分の車に積み込むと

家賃が 15分の1にも満たない 公営の住宅へと 出発した…



別れへの

強い悲しみを ひきずって。





だから…




車で 5.6分の距離の
今の私の家に着くまで


いや そこで

兄嫁からの 電話を受けるまで


車の屋根に乗っかったままの財布が アパートを出て すぐの道路に落ちて 中身が散乱した事になど まったく気づいては いなかった。




『リエちゃん

お財布ないでしょう(笑)』


「え!?なんで?」

『今 交番から電話が来たよ』

「なになに?」

『拾い集めて 届けてくれた人が います… って(笑)』





ボー… っと

し過ぎていた…




『あっ! それと…

夕べ リエちゃんの同級生って 男の人から電話が来たよ』




?誰だろう…




No.123 11/11/15 13:28
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 122

『鈴木だろ(笑)?』


「よく わかったね(笑)
テツ(笑)」


『ゴッちんから聞いたんだ…

おまえら


離婚したって…』



「へへ(笑)」


『笑ってる場合か(笑)

大丈夫…


なのか?』


「全然 大丈夫(笑)!」




私は あの頃

少しも消沈していなかったので
その通りを答えた。




テツは あの同級会の発起人。



テツ ゴッちん あのピザ屋を経営する アヒル…

そして雄太は

中学からの ワル&バンド仲間




小学生のうちから 私に 猛アタックをしかけて来た雄太に 私がなびかなかったのは


ずっと…


テツが 好きだったから。



雄太も それを知ってる。


6年生の時

「俺は テツに 何も敵わね~」

と 泣かれた。



ませガキ(笑)




『雄太とは… ?

会ってんのか?』


「うん(笑)普通に…」


『なんだよ それ!


酷いこと されたのに…』


「お互いさまだし(笑)」


テツの意図は

なんとなく わかった。




『飯でも食おう!鈴木!』



ほら 来た…





「ゴッちんとか みんなでね」


『うっ… ううん…


そういう事じゃねんだけど…』



口ごもるテツが

可笑しくて






嬉しかった。




No.124 11/11/15 18:05
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 123

「同級会の やり直しして!

テツ(笑)!」


テツの行きつけっていう

小さな 居酒屋。


初めて見る スーツ姿のテツは

すごく 大人に感じた。



「おまえは…

その串から はずしたネギを
俺に 食べさせろ(怒)!」


私は ネギも食べられない(泣)



箸でつまんで

テツの口に 入れた…




「子供か(笑)まったく…」



「だから 同級会!!」



もうすでに 酔いのまわってる私は わがまま放題 言いたい放題だ…



これって

ミアちゃんの影響が



かなり ある。





「うるせ…


ん~… だな… 」


「なんだ それ?」


「雄太も

呼ばなきゃないじゃん」

「当然…」



「おまえ 平気なの!?」

「全然…」




テツは いつでも 私を見る時

優秀な生徒を見つめる
先生になる…



ヤンキー化してゆく私に

『無理すんな』



って いつも言ってた。




私は その度


不思議な気持ちになった。







「鈴木が そう言うなら…」


テツは しばらく

眉間にしわをよせて
焼酎を ちびちび呑むと

「やるか(笑)」



と笑った。




「ほんとにっ(笑)!?」


子供みたいに はしゃぐ私を


テツは






あの時




とても複雑な気持ちで


見ていたんだろうな…





No.125 11/11/15 19:19
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 124

先生も呼ばず

ただ 電話だけで集めた

小規模な 同級会。



大きな居酒屋の座敷を借りて

それは 行われた。




もちろん 雄太には

突然 知った事にしてある。


幼なじみで同僚のC
そして 大の親友ルミ(笑)

2人には テツのこと
話してあった。




「すごく嬉しい…」って

ほんものの(笑)ルミが言う。


まだ 誰も来ていない
3人だけの 座敷…


気持ちが はやり過ぎた私達は

とんでもなく早い時間に
着いてしまった。



「リエいない 同級会は

本当に つまんなかったもん」



涙が浮かんで来て

「ご迷惑 おかけしました!」

と 私は おどけてみせた。


「ほんとに リエには迷惑
かけられっぱなし(笑)」

Cだ…


会社での 男がらみ事件を
言ってるんだろう(笑)



「ごめんなさい!!」

大袈裟に頭を下げて
みんなで 笑った。




ほんとに…


すごく楽しみだった。



今から 繰り広げられる時間に

心から ワクワクしてた。




同級会の やり直し。





テツに 感謝した。






「お~っ!!」


「きゃあ♪♪♪」





人が集まる度の 歓声。







深まった秋の夜





なつかしい友との宴が



はじまってゆく。





No.126 11/11/15 20:26
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 125

「おまえ 足だけなら

モデルになれるな…」



トイレに行こうと
立ち上がり歩き出した私に

ゴッちんが言う。


「ほんとに 綺麗だよな~…



足だけ。」


テツだ。



「うるせ~よ(笑)」


みんなが笑う。



チラリと雄太を見る。



おもしろくなさそうな顔…




へっへ~ん。

って ちょっと思う。





「俺も 便所」


雄太が 立ち上がる。




「なんだよ それ!?」


また テツだ…



「おまえら 離婚しなくて

よかったんじゃね(笑)?」

ゴッちんが言う。



そして また みんなが



笑う。





望み通り。






同級生同士の結婚。

小さな町の 中学。


知らない友は いない…




不幸な結末だけを

皆に知られるのは


私には 屈辱だった。




みんな…




離婚しても

幸せそうな 私を見て。




まだ 私に未練がある


雄太を




知って。









「摩耶は 今日カレーだから

ママ(笑)」


あの家に居る摩耶の報告を


雄太は わざと皆の前でする。




「ばばぁの
まずいヤツな(笑)(笑)」

「ひどいなぁ(笑)パパ」




笑いながら

トイレに向かう私達を






また テツは






複雑な顔で 見ていた。





No.127 11/11/15 21:56
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 126

呑めない雄太は

もちろん酔わない…



元義父が

浴びるように呑む人だった。


私が あの家に入ってからの 義父の酔い方は とても楽しいもので 少しも苦にならなかったが


幼い頃は よく


暴力をふるわれていたと
聞いた…



だから 雄太は

酔っばらいが 嫌い。




「おまえ あんま飲むなよ…」


うるさいよ。



と思ったが

「はいはい(笑)」と聞いた。



女子トイレは ひどく混んでいて 座敷に戻るのが少し遅れた…




「リエ 大変!」

座敷の上がり口にルミが居る。


「どした?」


「雄太とテツ 喧嘩してる!」



「…は?」










「鈴木は もともと

あんな女じゃね~!」


テツが 怒鳴ってる。




「おまえ 酔ってんな…」


「あいつは 利口なヤツなんだよ 昔から… 」


「ずいぶん 知ってんだな…」


「根は 真面目なんだ。

あんな金髪で… 派手な化粧するようになったのも おまえと つき合うようになってからだろ!」


「俺の好みの女にした…

それの どこが悪い?」



「おまえは ほんとの鈴木を

知らないんだ!」



「っつか

おまえに 関係ね~だろ!?」


「幸せにもしてやれね~奴よりは 関係あるかもな(笑)!」




…やばい キレる!



「おいおいおいおい(笑)

楽しく飲みましょうよ~(笑)」



ゴッちんだ…



「おまえ 突っ立ってないで

唄えっ(怒)!」




うた…え?





「『ケンカをやめて~♪
2人をとめて~~~♪

わたし~のために~

あらそ~わないで~…』


ってだよ(怒)!!!」













ありがとう。ゴッちん。




No.128 11/11/15 22:33
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 127

いや…


でも 少し…




ううん。

かなり 嬉しかった。




ゴッちんのおかげで

笑い出した2人は


また仲良く喋ってる…




「雄太 まだ
好きなんじゃんね(怒)

リエのこと…」


ルミが 怒りながら
トマトジュースを飲む。

ルミもゲコだ(笑)


こちらは酒豪のC。

グイッと ビールをあおると


「私には なんで テツが あんなに怒るのかが わかんない…」




う~ん…



だね。





「相変わらず3人

仲いいね~(笑)(笑)」



すでに 頭皮が透けて見える 男子が テーブルの向かい側から 声をかけて来る。






「 … 誰だっけ?」


ル~ミ~~💦💦💦


私も 知らんが。






「さ~て 二次会行くべ~!」


ゴッちんが わめいてる。


「あんた 二次会行く金

あんの~(笑)???」




遠くから 大声で言った。




「バカっ💦💦

今日は もらって来た!💦」



ゴッちんは

おこづかいも


あまり もらえない(泣)





帰るかと思っていた 雄太が

「行くだろ?」


と 声をかけて来る。



うなずくと


「俺の車に乗ってけ」



って…





じゃあ あっちでね

って ルミとCと別れて


雄太の助手席に


久しぶりに




座った。




No.129 11/11/15 23:12
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 128

…手を


つないで来た。




「昔は よく

こうして乗ったよな…」


思うほど

深い感慨には ひたれなかった…




「そだね…」




強く 握って来る。



「痛いんだけど(笑)」




「おまえ もしかして

テツのこと 好きなの?」



「冗談(笑)!

テツの奥さんね
私が バーガー屋でバイトしてた時 一緒に働いてた高校生のコだったんだよ(笑)

ビックリだよね!?

すごい可愛いコでさ~


テツにゃあ もったいない!」



「よく 喋るな…(笑)」





手に


キスをして来た…



「このまま

違うとこ 行かね?」




「やだ(笑)」




「だよな…」








私は 今日は

なつかしい友と居たい。


楽しくて 幸せだった
あの時代に


気持ちだけでも


戻りたい。









結局 二次会に来たのは

いつもの 顔ぶれ…



プラス てっぺんハゲ。




ドラムたたいてた司だった(笑)





「なんだよ ニューフェイス

いないんじゃん(泣)」


「なによ アヒル(怒)

不満なの!?」



中学時代 ラブラブだった
ルミが 怒っている。



「いや💦💦 俺は ルミちゃんがいれば 幸せです(笑)💦💦」





薄暗い カラオケボックス。






何かが



起きるかな…




No.130 11/11/15 23:46
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 129

さすが 音楽をやってる人間なだけあって みんな レベルが高い…


ちなみに Cも

めちゃめちゃ歌がうまい。




「なんだよC 本気か!?

今日は そういう会か!?」


なんだよ

そういう会って(笑)



「誰か バラード唄え!

チークタイムだっ!!」


おまえが唄う係しろよ 司…





雄太は 酔ってもいないし

そういう事 大の苦手。



「俺 うたう~(笑)

松山千春~…」






「『恋』な! 雄太!」











愛することに

疲れたみたい



嫌いになった




わけじゃない…









ひどく


胸が 痛かった。








…!







テツが 私の腕をつかみ

ソファーから立たせると


思いきり 抱き寄せる。






「ちょっ… テツ…!」



「黙って…」







画面を見ている雄太は



気づいていない…









「泣くなよ 鈴木…」



そう言うと



顎をひきあげ

キスを して来た。






みんなは…



ただ 私達が


チークを踊ってるとしか



思っていない。








そして 雄太が





私達に 気づく…




No.131 11/11/16 00:31
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 130

マイクが投げ捨てられ



ハウリングの音が


反響する。















ここで修羅場は


勘弁してほしかった…








「おまえ 怒るの

おかしくない?(笑)」



テツが言う。




「鈴木は

おまえの女房じゃないよ…」









雄太は





そのまま 店を出た。








残された私達は




とても重苦しい空気に

包まれ…







なかった。





「あいつは やっぱり

クレイジーだっ!!!」


アヒルが絶叫する。




「だよね~…

雄太が怒るのは おかしい…」


ルミが言う。




「とりあえず離して

テツ…」



「あっ! あぁ…」




大好きな

幼なじみ達が 笑う。







私は


かなり戸惑っていた…






テツの顔が




まともに見れない。






出て行った雄太の事など


これっぽっちも

考えてはいなかった。






「ま~ 鈴木は呑め」


ゴッちんが
ジョッキを差し出す。



「俺の おごりだ」


「嘘つけよ…」







「いまわのきよしろう

だぁぁああ!!!!!」






残されたクレイジー達の

夜も ふけてゆく…






No.132 11/11/16 01:54
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 131

「あれで 終わりにしときゃ よかったんだよ おめ~らは…」



「ゴッちん…


奥さん ずっと見てるけど…」



「恐妻家ですか(笑)?」

Nちゃんママが笑う。



「言うね~(笑)

Nちゃんママ(笑)(笑)」

ゴッちん 酔い過ぎ…



「俺は 女房なんか

こわくないっ!!!」


「あのさ…

今日 運動会なんだけど…」



出店へ行く 親や子供達が

ジロジロと 私達を見て行く…



Eちゃんママも

さっき 目を合わせないよう


横を 過ぎて行った。





「こんな話し聞いたって
退屈でしょ?

Nちゃんママ💦💦」


「そんな事ないです!

何も おもしろいことないんで 毎日…


すごく刺激的です(笑)!」



「Nちゃんママ!!

俺と 刺激的…」


思いきり ぶん殴った。




「いいですね(笑)

幼なじみって(笑)(笑)」













幼なじみ。




恋は


どこからでも

生まれる…






休み明けの月曜日。


会社に 電話が入った。




お昼当番だった主任に
呼ばれ

「〇〇さんって男性から
電話入ってるわよ」

と言われた。





…雄太だった。


「2階の応接室で
とってもいいですか?💦」


いつも 優ちゃんと
お昼を食べる場所。


「ぜんぜん オッケ(笑)」


話しのわかる主任で よかった…



重い足どりで


優ちゃんの待つ2階へと

向かった。



No.133 11/11/16 03:45
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 132

「前の旦那さん💦?」


優ちゃんが慌てている。



たぶん あの頃…

優ちゃんも
離婚したばかりかな?


それとも 下請けの彼と

まだ不倫の最中だったか…



とにかく 私達は
もうすでに恋バナばかりしていたのは 間違いないんだな。



「何か バレたんすかね…💦」


「でも他人だよね?

私達…」



「と、とにかく出て下さい💦」


電話を前に しのごの言ってても しょうがないか…



優ちゃんに 目配せしてから

受話器をあげ

点滅しているボタンを押した



「もしもし…」


『てめぇは

何やってんだ!?!?』


思わず 受話器を 耳から離した



「何をそんなに…」

『自分が何やったか
わかってね~のかよ!?』

「…わかんない」


『相当な馬鹿だなっ!

てめぇも テツも!!』







『あの野郎…

ぜってぇ ぶっ殺してやる…』


「みんな 他人なのに

おかしいって言ってたよ


パパが怒る…」

『じゃあ おまえは平気か!?

おまえの目の前で

仮に ルミやCと 俺があんな事しても おまえは笑ってられんのか!?!?』





想像したけど…




「平気だよ」



『やっぱり てめぇは

大馬鹿野郎だっ!!!』


ガチャン!!



すごい音とともに

電話は切れた…



公衆電話だろう。








「元旦那さん


未練だらだらっすね…」











出会って間もない頃から


優ちゃんは


優ちゃんでした。




No.134 11/11/16 04:25
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 133

私は あの頃

T君にバレないようにと
必死になっていた。




だから


あまり 雄太のことは 気にしていなかったのかもしれない…




もちろんT君には

同級会だなんて言ってない。


ルミとCと いつもみたいに カラオケだって 言ってあった。







あの日から


頭の中は

テツで いっぱいの私。



知ってか知らずか

テツは 毎日
電話を かけて来る…




『鈴木…

俺に会いたくなんない?』



ギョっ…



「なんで 私がテツに会いたくならなくちゃ いけないんでしょうか(怒)???」


『怒んなよ(笑)』



「… 怒ってないよ」








『俺 会いたい…』


「 … 」





『おまえに 会いたい』












「会ってやっても いーよ」


『上から来たね~(笑)(笑)』









どうしよう…




どうしよう…




どうしよう






















テツが 好きだ。





No.135 11/11/16 13:01
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 134

「おまえら
イチャイチャしすぎだな…」

「だよね!?ゴッちん!」





テツと2人で会ってしまったら 絶対 どうにかなってしまう自信があった…


ので


ルミと ゴッちんを誘った。




「俺らも イチャイチャすっか

ルミ…」


「やだ アヒルがいー。」


「はっきり言うね~(泣)」

「ゴッちんだって

ほんとはCが好きなくせに…」


「おまえ そういう リアリティのある話しは やめろよ~」



「はいっ 鈴木

あ~~~ん…」

「あ~ん …美味しい♪」

「おりこうさん(笑)」


頭を撫でる テツ。



「 … 」

「 … 」





「あ…」

「…ん?」



やっと 視線に気づく私達。




「俺ら いらなくね?」




いるんだよ!!




… 抱かれちゃ いけない


絶対に。





「テツ

リエのこと好きなの?」

ルミ 単刀直入。


「好きだよ」


「知ってたけど…」



「堂々と言ってるようだが

おまえには ヒロミちゃんがいるんだ。 忘れんなよ…」




そうだ…

たしか そんな名前だった
あのコ。




「やだな~(笑)

んな 大袈裟な意味じゃないじゃんね~(笑) テツ💦💦」



「 … 」





黙らないで~…




No.136 11/11/16 14:01
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 135

ベタな事するべ(笑) と


4人で 中学校に向かった。




田んぼの真ん中。

校門には 柵もない…



私も ゴッちんも

ここから家が かなり近いので

そんなに感じないが…



ルミと テツには


とても懐かしかったみたいだ。






「おぼえてる?リエ…

この校門んとこに 〇〇中のヤンキー2人組が 来たの(笑)」

「もちろん(笑)」




3年生の時…

放課後 いつもみたいに
廊下で しゃがみ込んで喋ってる 私とルミの元に
友達が 走って来た。



「リエちゃん!ルミちゃん!

助けて(泣)
校門に他校のヤンキーがいる!

怖くて通れないよ(泣)」


金八先生の 三原順子気取って

長い 引きずるような スカートに カラーソックス(笑)の私達は 地元じゃ負け知らずだった。



3階の窓から 下をのぞく…

『やっべ… 本物だよ』

内心 ブルったが(笑)
2人で顔を見合わせ

「行こっ…」と走った。


田舎のヤンキーVSホンモノの

メンチぎりが始まった…





「結局 仲良くなったね(笑)」

「あの後 向こうの中学で
私達 先生につかまったし!」



本当に 楽しかった…





あの時も


そして今も




すぐそばに こうして


仲間がいる。








「テツ!!おまっ(泣)…

やめろよ~~~(泣)(泣)」




雨上がりの校庭の ぬかるみに テツの転がした ゴッちんが

溺れていた(笑)




No.137 11/11/16 14:42
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 136

「これ 母ちゃんに なんて説明すんだよ!? 俺は(泣)!」



寒い寒い夜…




ゴッちんは 泣きながら
怖い奥さんの元へと
汚れたまま帰って行った…


ルミも


旦那が娘みてるから…

と 慌てて帰ってゆく。











2人…



きりになってしまった。











「鈴木 俺さ…」

「帰ろ!」






「帰りな… テツ…」







まずい…



絶対 泣く






私…







テツの右腕が 視界に入ると同時に 私の身体はもう…



テツの 両腕の中にあった。





「泣くなって言ったろ…」


「泣いてないよ」





あったかい…



テツ…






すごく あったかい。




「おまえ すごく冷たい」


「男には冷たいんだ私(笑)」


「そういう意味じゃね~よ」


頭の上から 聞こえる


テツの声。





「あったまりに行こう(笑)」








「結局あんたも

やりたいだけか…」



胸に 顔をうずめたまま

言った。





「そういう事に



しといてやる…」











「俺は鈴木と


やりたいだけだ」







テツ…








テツ…







No.138 11/11/16 18:06
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 137

部屋の中は


すごく あったかくて




本当は

ずっと一緒にいたかったテツに



抱かれてる自分が


幸せすぎて



とけてしまいそうだった…








耳元に

テツの 熱い息…



「リエ…」



「…くすぐったいよ(笑)

テツ…」




名前で呼ばれたことが



くすぐったかった。




「おまえは うるさいな…」



キスで 口をふさがれる。



夢を…


見ているみたい…






テツの唇が

首すじを伝い


下へと おりてゆく…




「卑怯な 身体だな…」


「あっ…


な… にそれ…」



「おまえ

母乳…


やってないだろ…」



「んっ…


あ…


… うん」




「綺麗だ…」


優しくて

あったかいテツの


大きな手が…



私の乳房をつつむ…




舌が


敏感な その先を

とらえる…








いけない



と 思えば思うほど




身体はしなり 腰が


動いてしまう…





「…おまえは(笑)

落ち着きがないね(笑)」


「… だっ …て」




「(笑)可愛いけど…」



強い力で


腰を おさえるテツ







「あ…




れ…?」





あれ?って?







「…どうしたの?」






「…



たたない…」





No.139 11/11/16 18:43
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 138

うそ…




ショック。







「私 魅力ないんだね…


テツ…」



「バカっ 違っ…


俺わるいけど

かなり興奮してんだよ…


必死で おさえてたけど…」




泣きたくなる…





「まぁ…


同じくらい




緊張もしてんだけどさ…」




可愛い テツ。





私は


そっと



静かなテツ自身を


口に ふくんだ…





「鈴木…!」




テツは興奮し


私の頭を

大きな手で包む




「鈴…木…

おまえ…



馬鹿だ… ろ…」



泣きそうな テツの顔を

下から

見上げる…



「うん(笑)


バカだよ…」






こらえきれず

ふたたび 覆いかぶさるテツ











だけど やっぱり



この日は 未遂に終わった。










「おまえも吸う?」



見たこともない

あやしいタバコ。



「いらない…」




テツは

大きく煙りを吐き出すと


「俺は 雄太より前から

おまえのこと…




好きだったよ」


と言った。











知ってる。




だって


私がテツを好きになったのは…




No.140 11/11/16 19:28
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 139

市内から この田舎町に

転校して来た私は

小学4年生ながら


かなり 調子にのった(笑)




おとなしくて 学校へ行くのが大嫌いだった私…

そこそこ勉強も出来た私に
市内のクラスメート達は

『えこひいきされてる。
テストの答え
教えてもらってる。』

と イジメさえ仕掛けて来た。





この田舎町で

私は『都会から来たコ』として


すごくチヤホヤされ始める…



私は変わった。


母が おどろくほどに。



調子にのると

人ってキラキラ輝くのかな…



いるのかいないのか
わからなかった私は

人気者へと変わった。




そして そんな私より

学校中の人気者だった


隣のクラスの テツ。



ある日

6年生の女子が


私のクラスに来ると


「鈴木リエって女 いる?」

と 大声で騒いだ。





「な~に?」


「なんだ…

べつに可愛くないじゃん(笑)


テツが好きな女って

どんなかと思った(笑)」









昔から馬鹿な私は


『好き』に よわい…





要するに


なんら成長していない(笑)













「色白くって 髪ながくって…


人形みて~だな…

って思ったら





好きになってた…」








煙りの


あまい香りが



私を 包む…






テツ



私は今から


あなたを もっともっと


好きになりそうで


こわいんだよ。




No.141 11/11/16 22:25
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 140

好きになっては

いけない人…



好きになればなるほど

寂しくなる恋。




なにもかもが

初めての感情だった。



そして もっと酷い事に

私は この間まで



突然 自分の夫が

見知らぬ女を愛してゆくさまを


目の当たりに

していたじゃないか…




それが どんなに


妻という立場の人間を
追い込むか




経験したばかり。







テツは


人のもの。







隠れて会うことばかり


繰り返している私達。




気持ちの限界は近い…








最近

アヒルの店に行く事が
多い。



雄太以外の この3人は

本当に仲がいい。






「雄太 この間

俺んとこ来たぞ…」


ゴッちんが言う。



「…なんだって?」


たいして興味もなさそうに

テツが聞く。



「おまえ ぶっ殺すって(笑)」



ゴッちんにも言ってんだ…



「殺してもらおうじゃないの…


なぁ(笑)」



私に ふるの?




「殺してもらった方が



ラクかもな…」




テツ…





「おまえ 本気なわけ?


こいつのこと…」




ゴッちんも

いい加減


笑ってられないんだな…




目を


見交わす





「おまえだって

男 いるだろが…」





そうなんだ




それも







あやうい…




No.142 11/11/17 00:15
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 141

T君は 私のため息や
突然のテンションの 浮き沈みを 見逃してはくれない…


それは つき合いはじめて 1年半ほど経った今も 変わることはない。



テツへの気持ちに
気づいてから よけいに

T君が とても



わずらわしい…。






続いている

毎日 毎日


朝と夜のセックス…




私は 目をとじ


テツを思いながら堪える。




この生活も


限界が 近かった…






愛すべき人を


愛せない自分。






愛してはいけない人へと


加速する




想い。








T君は


私の気持ちの向かう先が


雄太であると

勘違いしている。





その方が


まだ マシかもしれない。



あの女からなら

奪い返すことに


なんの 罪悪感も




持たずに 済むから…

















「逃げるか…


鈴木…」



「バカなこと言わないで(笑)

テツ…」



「ふざけんなよ!!」



「アヒル…」





クローズのプレートが

テーブルに置かれる。



「鈴木 出して来て…」



「う、うん…」






あんな 真面目な顔のアヒルを


初めて見た…









ドアを開けると


冷たい風






雪が



降り出しそうだった。





No.143 11/11/17 02:52
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 142

ベッドの上でだけ…


なにもかも

忘れていられるのは







「やっ… と


ひとつになれた…」



「…っ テツ…」


「離れんな… 」




離れない…



「俺…から


離れんなよ… 」




絶対に…


離れない。




「テツ…



テツ… テ… ツ」




「愛してる…」




愛してる…











「気持ちよかったね(笑)」


「… おまえは

そういう事 言うな…」



仰向けで 天井を見つめる。


横で うつぶせになり

肘をついてるテツが


片方の手で

私の髪を 撫でる…




「おまえ 髪切れ」


「どして?」



「長い髪は…


好きじゃない」




「ふ~ん…」





「鈴木さ…


男と寝てんの?」



ガバッと起き上がると

「(笑)気になんの!?」

って聞いた。


「なんだよ

ビックリすんなぁ…」



「気になんの(笑)?」



「…あたりまえだろ」







私はベッドから降りると

バスローブを羽織り
タバコに 火をつける…



「教えな~い…」




深く


煙りを 吸い込み

細く 吐き出す。



「テツは…?」



「なに?」








もう1度


深く



吸う…






「ゲホッ ゲホッ…」


「だいじょぶか!?」



「ゲホッ… むせた…」



「中坊かよ(笑)」









聞きたく…









ないんだよ。




No.144 11/11/17 03:46
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 143

「おっ! リエさん(笑)

スポーツ刈りか(笑)?」


身体の大きな係長が言う。


「よく似合うよ(笑)」




スポーツ刈りって…



タイムカードを押…


「おはようござ…


わ~~~~~っっ!!」



「うるせ~し(笑)」



「リ、リ、リ、リエさん…」



「リエ~~~!?」






みんな…



驚きすぎじゃないですか???






「いいよ! すごく いい!」


C ご満悦。



上司からも さんざん
髪切れ命令が 出されていた。

言うことを ガンとしてきかない私に Cは ほとほと 参っていたからね(笑)








髪を切った理由の方が


Cを 卒倒させてしまう可能性があるけど…











「こりゃ
そうとう惚れたっすね…

テツさんに(笑)」


「そうなのかなぁ…」



「こんだけ頑固なリエさん 変えるなんて スーパーマンす!」



たしかに テツは


私のスーパーマンかも

しれないな。





「だけど…」


「ん?」



「あんま…


のめり込んじゃ…


ダメっすよ リエさん…」


「(笑)大丈夫 大丈夫!

遊びだよ(笑)遊び(笑)」



まだ…


優ちゃんに



本音は 言えなかった。




「元の旦那さんに

仕返ししてるのが


気持ちいいだけすからね…」





恋に関しては


優ちゃんの方が




先輩だな。




No.145 11/11/17 05:04
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 144

ず~っと…



テツは ニヤニヤしてる。




「なに(怒)?」


「俺の目に

狂いはなかった…」








「はい♪鈴木

あ~~~~ん…」





「口 開けよ~(笑)」




ボロボロと涙が 落ちる。



「なんだ!?💦

なんで泣く!?💦💦」




「馬鹿テツ!!」




「なんだバカって💦」




「綺麗とか 可愛いとか

言え(怒)!!




髪なんて…


もう… 何年も…


切ったことなかったのに…」





私にとって

髪を切るって


言葉にならないくらい

重いこと…



短くして

初めて わかった。




「あっ…

ごめん…


俺 言ってない?

言った気になってた…



想像してた以上だったから…」



だったから なんだよ…





「すごい可愛い。


俺の理想の女だ…」


「なんだか言わせたみたいで

おもしろくない…」



「おまえなぁ~(泣)…」





泣いたらスっとした。


困ってるテツも可愛いし…





最初に連れて来てもらった
居酒屋。





あの夜

アヒルがテツに何を言ったのかは 聞いていない…


想像は つくけど。








潮時

なのかな…










「携帯… 鳴ってない?」


「俺?」



「うん…」


ポケットから取り出す


「…見たことね~番号だな」




髪が軽くなると

耳の聞こえも良くなるのかな…


なんて



静かな
テツの着信音聞きながら

くだらないこと


考えていた…




No.146 11/11/17 05:56
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 145

「はい…」




誰だろう。


あ…


今のうちに
ハナをかんでおこう…



「今 一緒にいるし(笑)」



ん?

私か…?



「何度も言わせんな…

てめぇが ごちゃごちゃ言うことじゃね~だろうが…」









雄太か。





「あつくなんなって(笑)
あんまり…


殺すなら 殺せよ

おめ~は ガキか(笑)」




心臓が

ドクドク鳴り出す…


嫌な記憶が

よみがえる…







テツが


私を 見ていた。







「鈴木に手~出したら…

俺も黙ってね~からな

雄太…


それだけ おぼえとけ!!」





電話を切ると



「お姫様は ハナをかみ終わったんでしょ~か(笑)?」

と笑う。





「テツ…」


「ん?」



「おぼえてる…?」


「何を?」



「中3の時…

私が一瞬 雄太と別れた頃

あんた達 ラリって
私を襲撃した事あったよね…」



「(笑)襲撃は

人聞き悪いべ…」



「おぼえてる?」


「もちろん…

あんな大事なこと


忘れるわけない…」



私は 残っていた ジョッキのビールを一息に 飲んだ。



「あん時のこと

高1ん時 友達としてた交換日記に書いてさ…

うち遊びに来た雄太が

それ見つけたんだよね…」



No.147 11/11/17 10:13
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 146

奴らは シンナー中毒だった。


たまっては 同じ事を繰り返す…





兄が結婚し 2階の私の城は

中3で 奪われた。


1階の もともと応接間だった 無駄にデカいシャンデリアのぶら下がった部屋が 私の城になる。

もちろん 照明は 取り替えてもらったけれど(笑)


ある夜

ベッドに寝ていた私は


なんとなく目が覚めた…

壁際に寄せたベッドで

壁を見るカタチで寝ていた。



ゾクっと

背筋が寒くなる


『誰かいる…

背中側に 絶対 人がいる…!』


反射的に そちらを向く


ライターの灯りが

目に飛び込んで来た。



「キャ…」


手で口を塞がれる。



ツンとするシンナーの匂い


見ると 部屋の中に
5.6人の 人間がいる…


恐怖が はい上がる



私の口をおさえてるのは

中学で転校して来た男子…

こいつが ほんとにワルかった


この群れの中に




テツがいた。






「お母さん!!」

って叫びたくても あまりの恐怖に 声すら出そうになかった…



「なんにもしね~から

キスだけさせて…」


シンナー臭い息が
顔にかかる…



怖いのと 寒いのとで ガタガタ震える パジャマ姿の私の唇に

奴の唇が かさなった時

「やめろ!!」


って

奴の肩をテツが はじいた…


「テツ おまえ声でけ~って」


みんな…

慌てて 走り去った…





テツも

「ごめん」って


いなくなった…




No.148 11/11/17 11:37
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 147

「これって…


誰なんだ?」

って もう高校やめて 働いてた雄太が 震える声で聞く。



あいつと あいつと…


深く考えもせず

私は答える。


「…テツもいた」



雄太が 激しく怒り出す



「あの野郎…」




わざと その時
自分をはずしたのだと
雄太は言う。

別れてる間も
雄太が私を好きなこと

テツには話してあったと…


「いつだって

必ず 一緒だったのに…」


「でもテツは 助けてくれたようなもんだし 『ごめん』…」

「かばうなっ!!!」



まだ幼さの残る 雄太の顔が

鬼のように見えた…











「あん時も…

あんた ぶっ殺すって


喚いてた あいつ…」




「来たよ(笑)」


「… そうなの?」


「返り討ちに
してやったけどな(笑)」




あの後

中2ん時つき合ってたコにもらった プレゼントや手紙も

「全部 俺の目の前で燃やせ」

って 言われたんだ。




テツに 敵わない自分を

幼い雄太は 私への束縛で
保っていたのかな…





「あの時 本当にテツの所へ行ったんなら 今度だって…」


「大丈夫だって(笑)」



「テツ あんた家庭があるんだよ! とばっちり受けたら…」

「そのぐらい 覚悟してる」



「テツ…」



「子供の遊びじゃ

ねんだから…」







テツ…




No.149 11/11/17 17:03
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 148

会社帰りだ…

そうそう長くは
一緒に いられない。


小学校の前にある
大きな公民館の 駐車場。

私の車は そこにとめてある。



「また 明日な(笑)」

ってテツが笑う。



「明日なんて…

来るのかな…」


「あれあれ(笑)

もしかして寂しい?鈴木(笑)」



悔しくて

無言で テツの車から
降りようとする 私。



また

腕をつかまれる…



「もう…

やだよ私 テツ…」



絶対


泣かない…



「終わりに…


しよう」




「… おまえ

それでいいの?」




「私ね テツ…


雄太に浮気された時



1番悔しかったのは

相手の女が


『奥さんに悪い』と言って 泣くんだと 雄太に聞いたこと…」




「 … 」



「だから私は

奥さんがいる人と遊んでも


向こう側にいる人間の事なんて

考えないようにしてた…」




「… 考えんなよ」






「そういうわけには



いかないんだよ(笑)…」


「別れりゃいいか?」







「… ナニ 言ってんの」


「覚悟があるってのは

そういうことだ!!!」







ほんとは…




嬉しかった。








「俺は 鈴木を泣かせたくないから… そばにいるのに…」








泣いてないよ テツ










泣いてない…




No.150 11/11/17 17:51
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 149

「わかったよ テツ」



私の言うことは

よけいに彼女を…



テツの奥さんを






追いつめる。








「また 明日ね(笑)」




「おまえ

変なこと考えてるだろ…」


「なにそれ(笑)」





「間違った勝手な答えは

出すなよ…!!」





私は こういうテツの


頭のよさが

好きだ… と思う。





「あっ!

おまえと摩耶ちゃんに
ジュースやるよ(笑)

忘れてた…」



…?



「おりろ(笑)」




「?」


「トランクなんだ」








ドアを開け 降りた私に

冷たい風が 吹きつける。



髪の毛って

あったかかったんだな…


って

また消えた髪を思った。



「おまえのトランク開けて

んで ダンキしとけっ
さっみ~…」



テツは おっきなケースに入ったジュースを 私の車に積む。


「会社のイベントに使ったんだ

重いから1本ずつ運べ(笑)」



「… ありがとう(笑)」






「… 可愛い。

髪 すごく似合う」



テツが


私の身体を 抱きしめる





「テツ…」









テツの腕の中

彼のコートの隙間から


強いヘッドライトの光りが



突然 あらわれた。




  • << 151 「もう少し 早い時間なら 俺あん時 そこ通ったのにな…」 「チャリでね(笑)(笑)」 「ゴッちんさん! 通勤 自転車なんですか!?」 Nちゃんママが 目を まんまるにする。 「Nちゃんママ(泣) 今 俺を ますます 情けない男だと 思ったでしょう(泣)」 「そんな事ないですよ(笑)」 「てめ~は よけいな事ばっか 言ってんじゃね~よ(怒)」 梅雨の晴れ間の 校庭 拍手に 歓声… 4年後の今日 この場所からのぞめる あの 駐車場を見ながら 大声で 笑った… 強い光りと ほぼ同時に 激しい クラクションの音 「なんだ…?」 テツが ふり向く。 雄太だ… 「おまえ 車に乗ってろ!!」 腕をつかみ 車のドアに手をかけるテツ 「やだっ!! テツも乗って!! あいつ馬鹿だよ! 何するかワカンナイんだよ!」 私は こわくて こわくて 腰がぬけそうだった。 『ぶっ殺す』 最悪な場面ばかりが 頭にチラつく。 「おまえ(笑) 俺ら もう大人だよ(笑) 中学生じゃ ねぇんだよ…」
投稿順
新着順
主のみ
付箋

新しいレスの受付は終了しました

小説・エッセイ掲示板のスレ一覧

ウェブ小説家デビューをしてみませんか? 私小説やエッセイから、本格派の小説など、自分の作品をミクルで公開してみよう。※時に未完で終わってしまうことはありますが、読者のためにも、できる限り完結させるようにしましょう。

  • レス新
  • 人気
  • スレ新
  • レス少
新しくスレを作成する

サブ掲示板

注目の話題

カテゴリ一覧