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独身、恋愛経験なし。これから何を目標に生きたらいいか?
女性の友達ってどうやって作れば良いですか?
予想でいいのですが...

堕天使【番外編】

レス256 HIT数 25217 あ+ あ-

クロス( ♀ gAVFh )
11/12/20 18:13(更新日時)



【堕天使】

http://mikle.jp/thread/1686010/



本編 存在感
No.1の優ちゃんと

私が織り成した ひとときの
恋模様…


子持ち女の
馬鹿馬鹿し… くもない
数ヶ月。




フィクション…

という事に しておきます(笑)
ので

ゆっくりな更新になるかと思いますが また おつき合いを よろしくお願い致します。




No.1699638 11/11/05 15:38(スレ作成日時)

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No.1 11/11/05 15:44
クロス ( ♀ gAVFh )



「auって こういう系
充実してるっすよね…」

「確かに…」




「来たすか? リエさん…」


「まだ…



優ちゃんは?」


「おっ!

来たっす!来たっす!」



優ちゃんちのキッチン



換気扇の下で タバコを吸ってた私は 急いで タバコを揉み消し 優ちゃんの元へ走る!



「リエさん

興奮しすぎすからっ…」


「…あ




ごめん ごめん(笑)」





子供達が


そんな様子を見て

笑っている。







「25だって…

ほんとすかね?」


「男の人って トシ嘘つかないよね ほぼ みんな…」



「経験豊富すからね

リエさん…



オッパイちっちぇけど…」


「関係ね~し(笑)」



余談だが 優ちゃんは
オッパイが大きい…





【こっちは2人。
子供ずれです。

ご飯 ご馳走してくれる人がいいなぁ。】


「こんな感じで い~すかね?」


「優ちゃん(笑)
子供連れの『づ』は『つ』に テンテンだよ!(笑)」

「細けっすね💦…」



と言いながら 打ち直す…







私達 【チーム馬鹿母】は

一時期
出会い系サイトにハマった…
(ほんと馬鹿)



恐ろしい目に
ひとつも会わなかったのは
私達の
馬鹿バリアのせいなのか…





それは

摩耶が小5
愛が 幼稚園の時。



要するに

T君のこわれっぷりに
便乗した感 満載の時期。

R君と出会うまでの
ほんの 数ヶ月の間のこと…



No.2 11/11/05 15:48
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 1

馬鹿には


馬鹿が 寄って来る。





あの頃

本当に
嘘のように すぐ釣れた。




お腹が空いたり

もしくは
本気の出会いを求めたり


とりあえずは
一生懸命だったなぁ…







私達の やり方。

すぐ 直で携番を載せる。


話しが早くなる(笑)






『こんばんは~♪』

「うん… こんばんは」


優ちゃんは
もちろん ぶっきらぼう。


『2人なんだよね♪
ちびっこもっ♪♪♪』


「うん…」


『俺らも 2人~♪』


「お金は ないからね!」

優ちゃんストレート。





『…まるっきり?』

「まるっきり!」


『う~ん… それも困…』

「じゃあ 会わない!」



『あ~💦💦💦
わかった わかった💦💦

い~よ い~よ(笑)』






この日は お腹が空いていた。



もう いい加減 酔ってる私達に 羞恥心も何もない…






「美味しいもん
食べに行こう♪♪♪」


「うんっ!」



子供達も慣れたもの。


2人で 手をつなぎ
ピョコピョコ跳びはねている。





待ち合わせは


優ちゃん宅から 少し離れた

バス停。




4人で 歌をうたいながら
バス停まで歩いた。







「カラオケに…


行かせるかっ♪」



「けって~い!!」












やっぱり 馬鹿である。


No.3 11/11/05 15:53
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 2

大きな
ワンボックスが やって来た。


車の印象から

ルックスも期待できる…











『残念』




ちっちゃい お父さんと
おっきい お父さんのコンビ。










「お父さん!
何ご馳走してくれんの?」


車中 見た目の印象で

さっそく呼びはじめる優ちゃん




「お父さんって…」


肩をおとす お父さん達。



「どっか行きたいとこ ある?」


「カラオケ~♪」



後ろから4人で
声を合わせて リクエスト。




「よっしゃ!
じゃあ そうしよう!」


さすが お父さん(笑)







運転している おっきい方の お父さんが 聞く。

「この辺 どこにあるの?」



「何が?」








「カラオケ屋でしょ~💦」



だよね。







つねに

いくらかの



危機感は 持っている…



つもり。









「っつか
マジで金ないんだ?」


「なんだよ!?今さら

お父さん達 金ないの?」


「あんま いっぱいは…




なぁ」


「うん…」



小さい方の お父さんが

小さな声で 返事をする。






「じゃあ 降りよう」


「え!?」



「帰ろう。 優ちゃん♪」

「… そっすね」






「わかった!

わかった わかった!💦


ご馳走するぐらいは
あるよ!!💦 なぁっ💦💦」




「…うん」






よみ通り。




















『♪ガラッスの! 少年!じ~っだいっの~お…♪♪♪! 』


小さい お父さん…




KinKi ノリノリかよ。




子供達 大はしゃぎ。


私達は ひたすら食べて飲む。





今夜 3度目の

『硝子の少年』のイントロが



流れ出した…




No.4 11/11/05 15:58
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 3

「ご馳走さま~♪」




元のバス停。







「また 連絡するね!」


どうやら かなり楽しかったらしい(笑)小さい お父さんが

ニコニコと 手を振る。



「うん! 待ってる~♪」

「バイバ~イ♪♪♪」


子供達にも 手を振る。


「バイバイ!」

小さな手を
振り返す 子供達。






ワンボックスが



小さくなる。








もうすぐ梅雨空の

湿った空気。









「着拒 と…」


優ちゃんが 携帯を取り出す。




今日も







うまく行ってしまった。






まるで




ハマれ と


背中 おされてるみたいに…








少し のぼり坂の

優ちゃんの家まで



みんなで手をつないで歩く。




「楽しかったね(笑)」


私が言う。



「いったい 何回 うたったんすか 『硝子の少年』(笑)」





「次回は 少し


本気モード出すか…」



「そっすよね!

私も いい加減
彼氏欲しいすから!!」




優ちゃんは

下請け会社の彼と
別れたばかりだった…




泣き叫び 『別れたくない』とうったえる優ちゃんに

年下の
超あまいマスクの
彼は言ったんだ。





『優…







ワキ汗 すごいよ』





って。








よりによって

グレーのTシャツを着てた
優ちゃん。





「 で? 優ちゃんどしたの?」

その話しを聞いた時
声が震えた。


笑いを必死で 堪えたために…




「『一生懸命だからでしょ~』って しがみついてやったっす!!」













意地でも 彼氏見つけるべな。



相棒よ…




No.5 11/11/05 16:04
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 4

今日は お互い 別行動だ。


どちらかが
獲物を探しに行く時

片方が 子供を預かる。


チーム馬鹿母の掟だ。



ちなみに 優ちゃんは パチンコもやるので その場合も 愛は私が預かる。


私は いっさいギャンブルはやらないので 幾分 私の子守の回数は 多い(笑)




優ちゃんは 私以上のメンクイ


さらに

今どきの 男の子じゃないと 絶対 受けつけない…



ベルトの位置が高く

Tシャツが入ってたりしたら
殴るだろう。
(誰でもか…)





R君と出会ったばかりの頃

比較的 そっちよりだった彼に



「Rさんっ!!

『イン』は まずいっすよ~」




事もなげに アドバイスした。




次の日から 彼は

私の会社で


『イン』という名前になる。













とりあえず 優ちゃんの車で

待ち合わせ場所まで
一緒に向かう。




日曜日の昼間。



危ない事はない…


だろう。






姿を 遠くから見て

アウトなら


このまま バックレる。







まず 第一段階。


車は 優ちゃんの好みを
マークしていた。




大きな 幹線道路沿い。

飲食店 本屋 満喫などが
ところせましと並んだ敷地の
駐車場。







メールで
車から 引きずりおろす(笑)



「よく 顔 見えねっすね…」


キャップをかぶって

腰パン。




ファッションはクリアらしい…




『道路がわ向いててね』



なんでだよ

の話しだが(笑)
向こうも 百も承知なんだろう…



やっと






ハッキリ顔が見えた…




No.6 11/11/05 18:22
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 5

私には あの頃時間もあった。


摩耶は 『あの家』の 元義父母に 連れまわされる事も多く

T君は 家を空けることが
もちろん多い…



ひとつ難点が あるとすれば…



この携帯だ。


画面が 異様に小さい。



私の 不誠実な行いと
心の内のせいで

私は 携帯を 取り上げられた。



彼が 私に買い与え
月々の支払いも
彼持ちだったのだから…


取り上げられて

あたりまえだ。






いつも 新しい携帯を
買ってもらっていた私が

初めて 自分で買った
ほぼ0円の ブルーの携帯。


奪い取ったくせに

私との連絡が 途絶えると焦った彼は 「そんな オモチャみたいな携帯使ってないで こっち使いな」と 慌てて返して来たが…



「いらない!!」


と ぶつけた。








結局この番号も




教えたのだけれどね…








優ちゃんと おそろいの

パールホワイトの
可愛い 携帯だったな。












そんな 小さな画面に

メールが届く。


『何してたの?』




思わず 笑顔になる。




Sに 張り合ったわけじゃないが(笑) 17歳の 男の子だ。


彼とは 電話でも よく話す。



家が偶然に さほど離れていなかったので 私は 自分の住む場所も 名前も もちろん年令も


全部 嘘を ついていた。




学校へは行かず
仕事をしていた彼から


『俺 明日休み♪

ルミさんに 会いたいな♪』
(また名前…)






いよいよ…

の メールが届けられた。



No.7 11/11/05 18:55
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 6

「だって天パっすよ(泣)」


優ちゃんは
NGポイントが多いな…



一応 顔は そこそこで

結局は

あの日 全員で(笑)
彼の アパートへ遊びに行った…





ガランとして

何もない部屋。



「ひとり暮らし?」

優ちゃんアンテナが
ピピっと動く。



子供達が 散らばったダンボールで 遊び出す…


「越して来たばっかり?」

私が聞く。



質問攻めに

ほぼ「そう」しか言わない。






無口な男だな。







でも 優ちゃんを気に入ったのは ひと目で わかった。





「私ら ハケようか?」


小声で囁くと



「今日は いっす💦」

と 優ちゃんの返事。





2時間ほど
その殺風景な部屋で遊び


私達は 帰路についた。





その後も

ご飯を食べたりの つき合いは
彼らの間で 少し続いた。





そして いよいよ…









その日は 来た!!






1番 大事なことだ。


セックスの相性 合わずして

つき合えるわけがない!


(おまえは 合わない人間と 5年も つき合ったけどな…)


その時は そう思っていた。
(誰と 会話してる?)
















「しかも 天パ…








帽子 取んねんすよ!!」


「ずっと?」







「ずっと(泣)(泣)…」













短い恋は





こうして 終わった。


No.8 11/11/05 22:48
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 7

日曜日。


摩耶は あの家…




バカ母は ひとり

少年M君に 会いに来た。



夏には 必ず来る

大きなプールや スケートリンクが 併設された 公共施設。



夕方 6時…

今は 無人の その大きな駐車場の 入口で 車から降り
少年を 待つ。




あの時 35歳だった私は




いつも 25歳だった(笑)




『8歳差のカップルなんて 世の中いっぱい いるよね!』

電話でよく M少年は


そう言っていた。





うん…



8歳差ならね。

もしかすると



キミのママと変わらないかも しれないんだよ おばさんは…




辺りが 闇に包まれる直前

彼は 自転車でやって来た。




キっと ブレーキを鳴らし

目の前に とまる。


『ちょいデブだよ(笑)』
と 自分を卑下してた彼は


なんのなんの

身長もかなり高いので
体格がいい… 程度のものだ。




「ルミ… さん?」

「うん(笑)」



「やったぁ!ほんとに!?」

「ほんとだよ(笑)」


つられて笑顔になる。




「さっき チャリで 子供が目の前 通っていかなかった?」

「行った…」


「あれ 弟!」



「 … 」



No.9 11/11/05 23:19
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 8

「どういう事?」


「俺 こわくてさぁ…

『外見なんか どうでもいい』とか 電話で言ってたけど もう少し手前で 待機してた時 そこの店屋にさ…」



住宅街の メイン通り。

この 公共施設は
その メイン通りの最終にある


少し手前は

商店街だ。




自分の町だもの。



隅から 隅まで熟知してる…





M少年は
早口で まくし立てる。


「俺 女の人のトシなんて わかんないじゃん? 自分の母ちゃんと 同じくらいとかなら 何となくわかるだろうけど…」


少し バクバクした(笑)


「そこにねっ 女の人が
入って行ったんだよ」



少しずつ わかって来た。



「俺 その女の人見て

『まさか この人 ルミさんじゃないよなっ!?』って…


少し 不安になったの…」




可愛かった。




「それで 弟君呼んで

偵察に来させたんだ(笑)」



「… そう(笑)」



上目づかいが
ますます 可愛い。




「そしたら 弟の奴マッハで戻って来て 『すげ~可愛いぞ!兄ちゃん!』って言うんだよ」



「暗かったからね(笑)」


「明るかった!」




「あぁ(笑) ありがとう(笑)」




「ほんとに…



すげ~可愛かった…」





キュンキュンする。
(馬鹿)


「ルミちゃんって

呼んでいい?」

「もちろん!(笑)」







名前ちがうけど。



No.10 11/11/06 01:16
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 9

「マジすかっ!?」

(また出しちゃった…)



ところで 5年前は
たしかに存在したけれど

10年前って
『マジ』とか言ってたのかな…

『感じワルイ』
とか
『ムカつく』
は 存在してましたがね…


また 余談でした(笑)









とりあえず 嬉しい事は

すぐ報告する。




チーム馬鹿母の掟その2



お互いの知り合いが

相手の容姿を褒めていた場合も 嫉妬を絡めず 必ず報告する。



馬鹿ならではの掟。




だけど 意外と女同士って
そういう事 隠しがち(笑)



そして 1番のルール。


男が出来たら


男 優先。





決めておくと

友情は スムーズである。






「だけど
17は犯罪っすよね(笑)」

「やってね~し(笑)」


「まだ…


っすよね(笑)」



鬼畜か。





「優ちゃんこそ アキラ…


どうした?」


けっこう 出会い系シリーズ(笑)では 長い つき合いだったので あえて実名で…

いや


仮名での登場。






「今も 電話待ちっすよ~…」


大の字に ひっくり返る。




アキラは



ビックリする程 いい男。


華がある

とか言う次元ではなく


オーラが すごい。





「風呂かな… アキラ」

ガバッと起き上がり

携帯を開く。





これも 優ちゃんの可愛い癖。



電話や メールがないと

自分のいいように解釈する。




うらやましい。



No.11 11/11/06 02:11
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 10

1日に 2人



という 偉業も成し遂げた。
(えばるところではナイ)



もちろん

会った人数だ(笑)





かなり ガっついていた



焦っていたのだろう。



17歳では

あまえられない。


しかも

運転を苦手科目とする私には


車のない男の子は つらい。




午前中は

摩耶を 優ちゃんにお願いした…




「必ず 30分後

電話するっす!」


「頼んだよ💦 優ちゃん💦」



昼間に 初めて会う場合

相手が『うわっ💦』でも



バックレずらい



ので



必ず 留守番の人間が

出かけた方に 電話をかける。



相手を気に入れば

『うん♪今 お出かけ中♪』


と 普通に会話する。




NGの場合


『うそっ!?熱あるの!?』

と 帰りやすいよう仕向ける。




馬鹿ならではの 苦肉の策だ。








いよいよ



後者を


使う日が来た。





私は

ワイルド系が苦手である。



毛深かった。




ちなみに ハゲも毛深い

というルールがあるが
(ルールじゃね~し)


ご多分にもれず

一樹も 毛深い(笑)




あの時の彼


ごめんなさい

って感じだ。






だけど 許せなかったの…


35歳の私は。


ハンドルを握る あなたの
手のこうに生える毛が…







何でスイッチが入ったのかは
わからないけれど


かかって来た電話の向こうで

大爆笑する優ちゃんの声が
携帯からもれぬよう



携帯を 耳におしつけ

「熱 あるんだ!?」



と 必死に芝居する


馬鹿な私が いた。



No.12 11/11/06 02:39
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 11

夜も失敗。



摩耶は あの家だし

優ちゃんは今
アキラに夢中な時間帯。




なんだか お断りして帰る元気も 私には なかった…




かなり長いこと 電話で話した人だし 車の整備士って職業も 魅力だった…


のだけれど。







まず 車が汚い。


中途半端なファミリーカー。
(偏見)



羽織っている薄手の
カーディガンらしきものに
無数の毛玉。




『たすけてくれ…』

と 胸の中で
誰にともなく つぶやく。




こうなったら

なるべく人のいない居酒屋で

軽くひっかけて 帰ろう。




みえっぱりの私。


こんなのが 彼氏だなんて
絶対に 絶対に
思われたくない!!

無愛想にしとけば
相手も察するだろう…


















「ぎゃっはっは♪♪♪

ほんとに!?〇〇次長 知ってんの!? 私 コーヒー出すよ(笑)いつも! いや~ 世間ってせまいね~(笑)! 綺麗な バーコードねっ!ぎゃははは♪ あっ… 生 もう1つ~!!」














「こんなに 人と話してて

楽しかったことない。




真剣に つき合って下さい」









あ…






あれ?



No.13 11/11/06 04:02
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 12

M少年からは

あれからも 毎日電話が来る。


私は…


やっぱりトシだ。




長い 若いコの話しに
つき合うのが 苦痛…



『好き』



なら 気にならないのだろうな…




そもそも 好きって

どんな感情なんだか


わからなくなっていた…



雄太が 本当に他人になり

T君は 結婚相手を
探そうとしてる。



玄関先に 結婚情報誌が

無造作に ほうり込まれていた時は 本当に 落ち込んだ。



バツイチの子持ちなんか
いらないよ…



って

言われたみたいだった。



そのくせ 離れて行かない彼に

嫌悪もあったが…



安心もしていたように思う。





そして 結局 今だって

値踏みするみたいに


とっかえひっかえ 会う男を




全部…



全部 比べてるんだ。





T君と。



こうしてる私に

「俺以上の男なんて

あらわれないよ」



って



見透かされたみたいに

言われたことがある。




見つけてやる。


絶対に…




方法なんて



関係ない。











『ルミちゃん!

聞いてる!?』


「あっ… ごめん」



『明日 ご飯食べよ♪

俺 ご馳走する!!』



「無駄づかいしないの(笑)」



『子供あつかいしたね~』

少し ふくれるM少年。





私だって







こんな事 言いたくないよ…



No.14 11/11/06 04:39
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 13

M少年の話しの中で

けっこうな回数で
『母ちゃん』が飛び出す。



あたりまえだよな…

まだ17だもん。



そして どうやら
ご両親は
うまくいってないらしい…



今、暮らす家は
とても立派で 突然 建てられたものだとも 言ってた。














この近辺なら

走れるな…



気が重かった。



私は 助手席の人間。

女友達といたって


私の運転で どこかへ…

なんて ありえないのだ。





まだ 明るい夕方


私は M少年を 助手席に乗せた

「ごめんね きついよね💦」


身体の大きなM君には
軽自動車は 窮屈そうだ。


「母ちゃんも 軽だし(笑)」



出た。 母ちゃん。




「さて どこ行く?…

っても 遠くは無理だよ💦
私 運転苦手な…」

「ルミちゃん 〇〇わかる?」




…!!



「な… なんで?」


「ばぁちゃんちが そこなの!

ご飯行く前に
ちょこっと寄りたい(笑)」




お小遣でも もらうつもりか…



いや 今は そんな事

どうだっていい。





〇〇は



私の実家がある

せまい せまい 住宅地だ…!!



No.15 11/11/06 14:07
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 14

「お母さん…


綺麗な…




人だね…」






なぜか 私は




興奮していた。








少年は





すごい。









初めて…




雄太とセックスした日を…




思い出した。









たどたどしい 愛撫

荒い息



激しい興奮が


伝わって来る…





「M君…


ゆっ

くり…




しよ… うね…」





「ルミちゃ… ん


好きだ…

好きだ…!」




動きが激しくなる…







…泣いて



る?



















「ねぇ おばあちゃんちは
また今度で よくない?」

「どして?
もしかしてルミちゃん
あっちまで 走れない?

じゃあ 俺 代わるよ運転♪」

「だめだよ~

免許もないのに!!」




結局…




来てしまった。


私はどうも

押しに よわい。





メイン道路を挟んで

右と左の 違いはあるものの…




実家は すぐソコである。


「ルミちゃん 一緒に行こう」


「は?」

「ばぁちゃんち♪」


「無理無理 無理無理💦」





知ってる人だったら


どうすんだよ(泣)!?




No.16 11/11/06 14:50
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 15

私が意地でも 車から降りる様子がない事を知ると M少年は


「すぐ戻るからね!」



と 家に飛び込んだ。






早く…


早く…






気が気じゃなかった。






長く感じたが

彼は 本当に
すぐ戻って来たのだろう。


早く この場所から逃れたくて
私は スピードをあげる。


来る時は

「次は?」
「どっち 曲がるの?」


なんて 知らない芝居をしたが

こうなると もう
知ったこっちゃない!




「よく道おぼえてるね!
ルミちゃん!」


「カンはいいんだよ…」





団地を出ると

そこは 旧の国道。


私が 小学生の時
ここへ引っ越して来た頃は
この通りは 往来の激しい この町の メイン道路だった。


今は


ただの旧道だ。





私は 旧道に乗ると
数メーター走り

すぐに ハンドルを左へきった


「ルミちゃん…?」




細い 細い

急な くだり坂。



私が 会社から実家へ 直接行く場合しか 通らない 狭い道。


車と車が

やっと すれ違える細い道…
















「あ!(笑) 母ちゃん!」









でしょう…











はるか前方から

こちらに向かって来る



白い軽自動車
















とりあえず 私は



選択する道を…




いつも










間違える。



No.17 11/11/06 16:51
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 16

「それで『白雪姫』…

入っちまったんすか?」



ダサいネーミング。

ガレージ式の
モーテルってやつだ。


地元じゃ ちょっと有名。



中学生の頃

兄が進学で 他県に出て行き


初めて 2階に
自分の部屋を 与えてもらった…



窓際に机を置いた私は

窓辺から見える


『白雪姫』の照明に 心奪われ

よく


夢中で スケッチしていた。





今は


例の ビジネスホテル兼ラブホが 実家の 真裏に位置する場所にあるため その灯も 見えはしないだろう…





「はぁ…


どうしよ 優ちゃん…」


「やっちまったもんは

しょうがねっす!!」



「だよね…」




セックスをした

後悔では なかった。




この後に

絶対来るであろう


若い彼の執着を思うと





大人として 最低…


と 自分を呪いたくなる。







すれ違い
手をふるM少年の母親は


本当に 綺麗な人だった。

正統な 美人。




ただ


私に向けた 怪訝そうな表情。





あたりまえだ。



女性は 相手の年令に敏感だ。


ましてや

自分の 大切な
息子と一緒にいるのだ。









汚してやりたくなった。


急に


めちゃめちゃに

してやりたくなった。






気づくと 私は

すぐそこに あった



『白雪姫』のガレージへと



車を




入れていたんだ。




No.18 11/11/06 17:31
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 17

なんだか…



この オモチャみたいな

携帯が よくないのかな?



その頃の

自分の精神状態も よく見えず


私は

なんだか パっとしない 日常を



携帯電話のせいに してみた。





「ちがうだろ…」




バタっと 仰向けになる…




T君に買ってもらった
ミニコンポから

宇多田ヒカルが 流れている。






せつない声だなぁ…


















起き上がる。


また勝手に


指が 動く。








『助けてください。


恋をしていないと

死んじゃう女です。



車持ってる
大人の男性が いいなぁ。』






ピッ










バタンと また倒れる。







天井を見る。








宇多田の声を 聴く。









会いたい人が いない








自分に 気づく。











携帯を見る。





『こんにちは(^O^)

俺 今 車はないけど
免許は あるよ!!


俺と 恋をしよう!

毎日 寂しいです(;_;)』









車ないのか…






まっ


暇つぶしだ。









BGMに酔いしれ

寝転んだまま






私は 返事を



送信した。




No.19 11/11/06 18:39
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 18

「なに!? この部屋…

暑っ…」



「別に なにも
つけてないっ…ですよ(笑)」

…?








「どーも…」


「あ どーも(笑)」





寝転んで 頬杖をつく

暑苦しい原因が



そこに いた。






おまえ

花とか しょってんのかよ!?


って ツッコミたくなる
若干気持ちわり~オーラ(笑)





「アキラ君は

いつ見ても いい男だね(笑)」

「リエさんって

口 うまいよね…」



小憎らしい。





「アキラ 何飲む?」

「麦茶」


麦茶かよ。


「はいはい💖」





優ちゃんにまで

気持ちの悪さが 伝染してる!





「少し

こっちの窓 開けたら!?」



たまらず アドバイス。




「だめっ… す だよ リエさん

アキラね 寒がりなの(笑)」



じゃあ 服着ろよ!


と 言いたくなったが

「あぁ… そう」



と 言っておいた。






キッチンで お料理し出す
優ちゃん。

「リエさんも
食べてってくださいね」


だから 気持ちワリって…












「ねぇ アキラ君」


「ん?」




大量の花を 背中から おろせ!






「優ちゃんのこと


…好きだよね?」






フフフと笑う

この
宝塚歌劇団の 横っ面を


思っきし

グーで殴る想像をした




私だった。



No.20 11/11/06 21:15
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 19

駅前の


繁華街で 待ち合わせをした。



車がないという彼にも

電車で動ける範囲が
ちょうどよかったからだ。



比較的 大きい都市の

駅前。


あの町に住むまでは
暮らしていた場所なのに

ここへ来ると

私は いつでも
テンションが あがる。



今や 田舎のネズミに 成り下がった私は 少し 気後れさえ してしまいそうだ…




実は
気後れの理由は

もうひとつ


ある。






1度 失敗したのだ。




電話の感じが明るくて

すごく お喋り上手な男の子。



もちろん 車持ち。





居酒屋でも 意気投合。

ルックスも悪くない。





ただ



気に入ってもらえるとは

限らないこと






初めて知ったんだ。





彼は 私みたいなタイプの女は

好みじゃなかったみたいだ。



食いついて…


来ない。





こちらから 連絡する程

元気も勇気もない。




おしまい


にした。




空しくなるだけだもん…




だけど


けっこう 落ち込んだ(笑)




次に 人と会うのが


少し 怖くなった。







今日

ここへ足を運ぶのも



相当な 覚悟がいった。




嫌われたら


どうしよう…






追いかけられる恋しか

する気のない私には



とても 苦痛な賭け。








人ごみや 車の騒音に

身をゆだねながら


駅前の 大きな時計を

見上げる。





素敵な出会いに
なりますようにと 祈りながら…



No.21 11/11/06 22:06
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 20

「リエさん(泣)

弘樹がぁ~(泣)(泣)!」




「また ですか…」




「痛てっ! チャオ!」


「チャオ おっき~声聞くと
噛みつくんだよ(笑)」


摩耶が笑う。








アキラは

花をしょったまま逃亡した。



立ち直りの早い優ちゃんは

すぐに 獲物を探し出す。





最初から 愛を連れて出かけたモールで 優ちゃんは 弘樹と 待ち合わせをした。


少し買い物したいからと

ゲームコーナーに
愛と弘樹を 置きっぱなしにして 出かけるという 荒業。



そっと戻って来た 優ちゃんは

2人の楽しそうな様子に
感動した。



そして 恋をした。






あっさりした顔の弘樹。


濃い顔面に

食あたりをしていただけだとも思われるが(笑) 彼の顔も とても 気に入っていた優ちゃん。




ただ 彼は




謎が 多すぎた。





優ちゃんは
パソコンの達人である。

私など

会社で 入力に使う端末を 把握するだけで 精一杯…


ワープロを使いこなしていた為 キーボードを叩く指も 素早い優ちゃん。


日本語さえ しっかりマスターすれば 素晴らしい キャリアウーマンに なれると 私は思う。




なので 自宅のパソコンで

チャットなるものも 弘樹と始めた 優ちゃんなのだが…



No.22 11/11/06 22:50
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 21

アナログ人間の私には

今だ そういう仕組みが

わからない…






同じエリア内で

弘樹から聞いた話しを 弘樹ではない 人間が 話している…



と そういう事らしいのは

わかる。





「はいっ

愛ママ ティッシュ」

「サンキュー 摩耶ちゃん」




豪快なラッパみたいな音を出し

鼻をかむと


「あぶねっ💦」

と チャオを警戒。




「音は 大丈夫だよ(笑)」


猫アレルギーの愛は

今は おばあちゃんちで
待機中だ。






「なんで 嘘つくんすかね…」


本当に不思議だ。


免許証を見せろ(笑)と言っても 理由をつけて 見せてくれないらしい…



ただ いつも

その理由が 素晴らしい。


思わず納得…

ばかりなんだ。






このチャットの事も きっと

夜には


こうだったんすよ~(笑) って

優ちゃんから
電話が 来るんだろう。



素直な優ちゃんが 心配だが

2・3度会った弘樹を


私も 信用してた。





タカラヅカの後だから

よけい信用できたのかな(笑)






「はる君さんの 話しは

明日 会社で聞くっすね(笑)」


優ちゃんが立ち上がる。



「なにしろ リエさんち狭ぇ~から 全部 摩耶ちゃんに つつむけっすもんね(笑)(笑)」




なんだか

響きが いやらしいぞ
優ちゃん。



No.23 11/11/07 00:26
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 22

お洒落な カウンターバー…






そう!


私が望んでたのは

こういう事!!





マスターに 私を紹介する
はる君。


「マスター ルミさん。」
(ちがうけど)
「こんばんは♪」


「彼女?」

ありがちな 髭のマスターの

ありがちな質問。



「まだ!!


… 彼女じゃないよ」



心ん中で

ちっちゃくガッツポーズ!


どうやら

嫌われてはいないらしい…




会ってすぐ はる君は

「ほっそいね~…」



と 私に言った。


「はる君 細いコ嫌い?」



優ちゃんの

『オッパイちっちぇ~』
が 頭に 浮かんだんだ。



こいつ 爆乳フェチか?


あまり好意的に感じなかった
そのセリフを

私は また
マイナスにとらえた。





「好きだよ!」


ニッコリした

はる君の 笑顔を見るまでは

だ。



はる君は

かもなく不可もない顔を
していた。


雰囲気いい男(笑)

すごく お洒落だった。




「ルミさん
行きたいとこ ある?」


10歳 年下 25歳。

私のキャラ設定と




タメになる…








「あっ💦 ないない💦

はる君に おまかせ(笑)」



「じゃあ 俺 前にバイトしてたとこ 連れてくよ♪ 行こ♪」


と 彼は











手を つないで来た!




No.24 11/11/07 01:03
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 23

ドキドキしていた。


(『北の国から』のジュンか)




まったくもって

ドキドキしていた…








T君と私は

いつも 腕をくんで歩いてた。



優ちゃんと ワキ汗発言の彼は

いつも 手をつないでいた。





「リエさん達 大人っすよね」

と 必ず言われていたけど



実は 私



手をつないでる優ちゃん達が

すごく すごく


うらやましかったんだ。













おばちゃんは 舞い上がった!





繁華街


イルミネーション





若い彼と


手をつないで 歩く自分…







なに!?


この シチュエーション!!













そんな



脳みその膿んだ私の
頭の中には




『会いたい』と 泣きながら うったえてくる M少年や


たまに 訪ねて来ては

私を 無理矢理に抱いてゆく
T君のことなど






ひとつとして











浮かびもしなかったんだ…




No.25 11/11/07 02:44
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 24

「みんな

今日は 無礼講でね~!」



「 … 」 失笑。






本編では

素晴らしい人間像で描かれた
支店長(うすらハゲ)。



実は あの 忘年会での大喧嘩の前までは 誰にも 好かれやしない ただのワンマン パワハラ野郎でした(笑)


ある意味 私が彼を変えた。
(豪語)





「無礼講って
よく言うよな(笑)」


「さっさと帰れ ハゲ…」




しか~し

飲み会大好きの
私と優ちゃんには


んな事 関係ないっ!!



しかも 彼

私達には いつも優しかったし…






そこここで 話しに花が咲く中


ぐいぐい飲みながらも

視線は つねに
携帯に注がれる 私達。




「ちょっと そこ!

さっきから
何コソコソしてんのよ!?」



私が 会社を辞める頃には

自分より年上は

お掃除担当の 還暦を過ぎた
おばさんだけだったが


この時は まだ

お局が 2人 存在していた。



「してねっす💦」
「してないです!」




こんな 馬鹿な遊びをしてるなんて(本人達 遊びのつもりナシ)こればっかりは 2人だけの 秘密だ…


もちろんの もちろん

Cには
口が裂けても言えない!



酔うと


男が恋しくなる

チーム馬鹿母。






「弘樹…」


「はる君…」







宴も たけなわ…




恋も


たけなわ…




No.26 11/11/07 03:55
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 25

来たっ!


「へっへ~ん♪
来ったもんね~♪♪♪」

「くっそ~…」


と またビールをあおる。


「なんだって?はる君さん…」

口の泡拭けよ 優ちゃん。



『今日は 何してたの?
俺は またボ~っとしてる。


早く ルミちゃんに
会いたいです。


寂しがりやの ルミへ…』



「画面ちっちぇ(爆笑)!」

「うるせ~よ(笑)」



「しかも
ルミちゃんじゃね~し(笑)」




そうなのだ…




私は まだ嘘をついたまま。


年令だけは
会話のジェネレーションギャップが怖いので(笑) 実は…


と 5歳だけ 引き上げた。


「えっ!? お姉さんなの!?

タメだと思いこんでたから
ついていかない…



けど 話してくれて
ありがとうね(笑)」


と 受け入れてもらった手前



名前まで 嘘だとは

とても言いづらい
馬鹿女なの…
私。



「うわっ

これ 飲みこめねっ…」


さっきからずっと

クチャクチャと 口の中で 噛みつづけていた もつ煮の 肉を

「リエはん ひょっと

ちり紙 ひょうだい… うえっ」


と 口から放出した優ちゃんは


「ちり紙ごと食べろ!」


と Oに投げる。


「わっ💦💦

これは ちり紙じゃなく
ティッシュだよ 優さん💦」








おまえらも 馬鹿だな…




No.27 11/11/07 04:23
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 26

入社したばかりのO

この頃には もう



優ちゃんへの恋心は

芽生えてたんだろうな…




優ちゃんは よくモテる。


お客さんからも

現在2人から
アプローチされ続けている。


1人は 既婚者。

話しにならん。



もう1人は

後に出現する 私の亭主の車屋なんか 足元にもおよばない


隣県の どデカい車屋の社長。



『金 持ってんど~』

なんだけどね…



とりあえず 優ちゃんは
年上も NG。



もらった チタンの
10万の ブレスレットも


すぐ
ディスカウントショップに
ぶち込む いさぎよさ!
(いさぎいいのか?)






あくる年の クリスマス前


雪の降る夜 Oは

R君といた 私の家を
訪ねて来た…




どうしても


優ちゃんが好きだと

私に うちあけに。





優ちゃんの魅力


よく知ってるO…






だけど 最後まで


叶うことのない 恋だったね。








惜しい人を なくしました。




死んじゃいないよ~💦💦


No.28 11/11/07 05:13
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 27

地下鉄 北側最終駅。


とは言っても

駅は地上にある…




車のない はる君が
電車で来れる 最終地点。



「私が運転 たっ…

上手なら はる君のアパートまで 行けるのに… ごめんね」


達者と言いそうになって

おばさんクサ過ぎだろ💦
と 慌てて やめた。



「そんな事ないよ(笑)

俺こそ 車なくて… ごめん」


可愛い…。



「ルミ
今日は どこ行きたい?」

「カラオケ~♪」
(好きだな…)





郊外側の 最終駅前

それなりに ひらけている。



遊ぶ場所には 不自由しない

それに


なにより 新鮮だった。



こんな遊び方…





私は

あの頃


はしゃぎ過ぎていたね。





恋の魔法。




あっという間に

時間が過ぎる。







離れたくない。


愛しい気持ちが 加速する。



2人で

何本も 電車を見送った。



「ずっと 一緒にいたいね…」


はる君が言う。


「うん…」


涙を こらえる。





もう



あと5分で 最終だ。







街の灯りが キラキラと輝く

駅構内の ガラスの壁越し



はる君が

ギュっと 私を抱きしめる。



「好きだよ… ルミ…」


「私も…

大好き はる君…」








初めて



キスをした。



No.29 11/11/07 12:33
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 28

なんなの…


なんなの

このシチュエーション!!!
(またかよ…)








みんな 見てる…

それに


ここ2階だから…

明るいから…


ガラス張りだから…!




歩道橋や 下 歩く人たちにも

世界まる見え!!!











トレンディードラマ?
(言い方…)

シンデレラ エクスプレス?
(どこ行った?牧瀬里穗…)


舞い上がる

私…!!








今日も お洒落な可愛いジャケット着た 背の高い はる君が


せつない顔で



私を急に

グっと抱き寄せた時




頭の中の
たくさんの 小ちゃい私が


『みんな ちゅうも~く!』

って叫びながら
パタパタと 走り回った。




絶対 キスされる…


顔を あげたら…










来る!!







ほら…


来た。






みんな


目を 離しちゃダメよ…










1番の


クライマックス。






BGMは




山下達郎は やめてね



宇多田で







お願い…

















家へ 帰りついてからも

何度も 何度も

繰り返し 反芻する。
(牛か…)







そして


優ちゃんに


どう教えようかなって

ニヤニヤする…












ひと粒で 2度おいしい。




No.30 11/11/07 15:11
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 29

『ルミ…

明日も 会いたい…』


「無理だよ はる君…」



『困らせた?

泣かないでね💦ルミ…』


「泣かないよ(笑)

ただ


眠れなくなった…」



『じゃあ 子守唄

うたってあげようか?』

「うん(笑)」


『あ~あ デカメロンっ♪

おっお~う♪♪♪…』


「ぎゃはは(笑)

よけい 眠れないよ…」




…!!






ドアの開く音



T君だ。





「ただいま」

わざと 大声で言う。




『… ルミ?

どうかした?』


「ううん!

どうもしないよ(笑)」



キっと 睨みつける。



口だけの 動きで

『ハ・ナ・シ・テ・ロ』

と 笑う。


「はる君

私 そろそろ寝ようかな… 」



手が 私の胸に のびる…


『やだよ(笑)

まだ ルミの声 聞いてたい…』



あいつの唇が

私の 乳房を 這いまわる


「お願い…


はる君…」




腰を…




『(笑)好きだよ… ルミ』





太ももを…




「私も…

はる君… 」






足が ひろげられる…




『ん?

聞こえな~い(笑)』






身体が


勝手に


…反応をはじめる






「大好き…!


大好きよ…





はる… 君」




No.31 11/11/07 15:56
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 30

カチャカチャ カチャカチャ…




優ちゃんの背中から


炎が 見える。





「ママ!

愛の苺のシールどこ?」


「うるさいっ」



こらこらこら。


「愛 おいで」


摩耶が呼ぶ。


「愛(笑) お姉ちゃんに
探してもらいなさい(笑)」

私が言う。



「は~い」

優ちゃんの背中を
小さな手で バンっと叩き

「イ~っだ!」と
しかめっつらをして 逃げる愛…






カチャカチャ カチャカチャ…



おいおい おいおい。






「(笑)また バトル?」


「あ… リエさん…


ビール 勝手に冷蔵庫から 持ってきて飲んでて 下さいね…」


「はいはい(笑)」



「私のも…」


「はいはい(笑)」





私は 食器棚から グラスを2つ取り 冷蔵庫から ビールを…




???








「優ちゃん…」




「 … なんすか?」






「これは 冷やさなきゃなんね~もんなのかい…(笑)?」










よほど 興奮してたんだろうな…










冷蔵庫の中では

とても 寒そうに




ヴィトンの お財布と

キーケースと




苺のシールが








肩を 寄せ合って泣いていた。




No.32 11/11/07 18:13
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 31

「寒いっす 寒いっす~


… って 泣いてるよ(笑)」



「何がすか?」




キーボードを叩く指が

カチャっという
ひときわ 大きな音とともに


とまった。




振り返った 優ちゃんの顔は

涙と 鼻水まみれだ。






「優ちゃん…」








バタンと
ノートパソコンを閉じると

「ムカつくっす!!」


と 立ち上がる。



とりあえず 顔ふこうよ
優ちゃん…











救出された 財布や
キーケース 苺のシールに
子供達は 大喜びだ。



「冷た~い(笑)冷た~い(笑)」

と 大はしゃぎ。





「はいっ リエさん ついで!」


と グラスを差し出す。


優ちゃんは 缶のまま
決してビールを飲まない…
(家の場合)


そんなとこも

女らしいな なんて 思う私。




だけど

必ず叱られる(泣)(笑)



こうして
グラスをつき出されて

「まったく

リエさんは 気がきかない!」

って…



「親分 気が立ってますね~」


苺のシールちゃんを 見守っていた 缶ビールを 注ぎながら

そっと 聞いてみる。






「弘樹

結婚してんじゃね~かな…」






ビールが溢れ


私は また




叱られた。




No.33 11/11/07 20:34
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 32

こわい…


こわい!



こわい こわい こわい!




バスが 横を走ってる

うわっ


どうすんだよ

3台前に 清掃車が
黄色いランプ点滅させて
ゆっくり走ってるよ…



みんな

追い越すのかよ~…



あ~ あ~ あ~

後続車まで
私ごと 追い抜いちゃったし…


ミラー 見て… と


ガンガン来てるよ~(泣)

どのタイミングで
ウィンカーあげりゃいんだよ…



誰か 助けて~(泣)(泣)!!!











右折無理

二車線無理


の 運転音痴の私が今…





三車線の道路を 走ってる。





もちろん

はる君に 会いにゆく為だ…


「危ないことしないで!」

と 言われたが


弘樹のこともある…



私は はる君の家を

確かめずには いられなかった…




幸い 今 はる君の住むアパートは 私が 小さい頃 住んでいた場所から けっこう近い。



とは言え



その頃 ここは

一車線でしたけど~(泣)!!!






ここを 左折して

少し走れば 住宅地に入る。



何度 鳴らされたかわからない
クラクションの音に
ビビりながら



私は ハンドルを

左に きった。



No.34 11/11/07 21:10
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 33

はる君だ!!




コンビニの駐車場で

こっちを ず~っと見ながら
心配そうに 立ってる。



今日も 可愛い。



やっと デッキから流れる

宇多田の声が(しつこい)


耳に 入って来た…






私を見つけ

大きく手をふる はる君。


笑顔になる。





「よかったぁ

気が気じゃなかったよ」


「こわかった…」

車から降り 気づいたが
手足が ふるえている。


「大丈夫?」


ギュっと

両手を包んでくれる…



「平気」

って 笑ったら


頭ポンポンって…!!!

(これ かなり高ポイント)




「なんか買ってこ♪

ここからは
俺 運転するし(笑)」


二重の 喜び。











サラダの棚を

ジっと見つめる 私…


本当は生野菜は大嫌いだが
可愛い系の食べ物が
これ以外 思いつかない。
(馬鹿まる出し)





後ろから


「ルミの足は

本当に綺麗だね~(笑)


足フェチなら襲われてるよ!」

と笑う はる君。








キミは違うという事だね…





いちいち思うが

絶対 はる君は


肉感的なコが好みなんだ…





『太ろうかな…』




あいそ笑いを残し


私は


ボリュームとんかつ弁当を

手にとった。




No.35 11/11/07 21:44
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 34

小さな

ロフトつき ワンルーム…



「必死で 片づけた(笑)」

と語る彼の 言う通り


適度に ちらかり

適度に 綺麗。




嫁が いる気配はない(笑)





小さな 木造のアパートなのに

玄関には モニターもついてる


「これ 録画出来るんだよ♪」



ピッピッ と 操作して

「この人 母ちゃん(笑)」


おまえも 母ちゃんかよ…



と 思いながら 画面をのぞき

大爆笑してしまった。




アフロヘアで

ビックリ顔の京唄子だ。








「なんか聴く?

それとも テレビがいい?」


緊張して来た。







ちなみに これも余談だが

優ちゃんは 激しく緊張すると 笑い出す。

病院への お見舞い

上司の関係での お葬式など


入口で 必ず 大笑いする。



前の旦那さんを怒らせて
グーで殴られそうになった時も


「うはははは!!」と

大笑いし出したそうだ。













「はる君 なに聴くの?」


「ほとんど 洋楽かな~…」

ガサゴソとCDの山を探る。





みのもんたの


思いっきり生電話の時間だけど…



と思ったが やめておいた。





「あ!」


「どしたの!?💦」







「みのもんたの時間じゃん♪」





はる君が





テレビを つけた(笑)





No.36 11/11/07 23:24
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 35

「やってねんだ!?」



久々 会社の2階のトイレ。




「してないよ(笑)」

少しだけ窓を開けて
煙りを 外に吐き出す…



「浪漫ティックな

お別れの キスだけ(笑)」


「おえっ」


「おえっって言うな!」


「いや マジで 気持ちワリくなったんですって💦💦💦」



「 … 大丈夫?」


「吸いすぎっしょ(笑)」

「なら いいけど…」







最近

優ちゃんの顔が


疲れてる。




素性の知れない男…





こんな出会い方では

つきものなのかもしれない
試練…




わかったところで

それが安心になり 刺激がなくなって 飽きに つながるのかも しれないけどね…






『ちょうどいい』が


見つからない。




ほんとに 恋って

ややこしい…












「Tさん…

ガラガラガラガラ…

ペッ

…だいじょぶなんすか?

ガラガラガラガラガラ…

ペッ


リエさん…」





口の中が 気持ち悪いと

手洗いの水で うがいしながら

優ちゃんが言う。





「うがい終わってから

しゃべろうよ(笑)(笑)」




「だって 下で あんま…

ガラガラガラガラ

喋れないじゃね~すか!」




















飲んだよね? 優ちゃん…



No.37 11/11/08 01:17
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 36

車が ついて来る…

会社を出てから ずっとだ



6時少し前。


まだ 辺りは明るい。






いつもは 会社を
一緒に出る優ちゃんは
今日 お休み。








ひとつ目の角


ついて来る



2つ目の角を曲がる




ついて来る…







3つ目…




間違いない。










本当なら

摩耶を あの家に迎えにゆく為 左へきる ハンドルを


私は 右へきった。









誰かは わかっている。









住宅の並ぶ その通りで

私は 車を降り

急いで家へ 駆け込む。



ピンポーン

ピンポーン

ピンポーン




ガチャッ




「摩耶ちゃんママ!」


「Nちゃんママ

追われてる!隠れさせて!」



「早く入ってください💦」




バタン!




「どれですか!?」



どれ~(笑)(笑)!!




とりあえず ホっとした。


家までは 来ないだろう…





「ごめんね(泣)突然…」

「全然 大丈夫です(笑)

…T君ですか?


あっ

コーヒー どうぞ♪」


「ありがとう!(笑)

ちがう ちがう…


会社の 出入りの業者だよ…」







ほんとに しつこかった。



いつもの居酒屋で

偶然 会ったのが きっかけ…


もう 3.4年経つだろう。



きつく言えない

自分の性格が



わざわいしてるんだけどね…







「あきらめましたよね…」

Nちゃんママが

リビングのカーテンを
少し 開けた時



チャイムが 鳴った。




No.38 11/11/08 01:45
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 37

「いません!!」


玄関から

Nちゃんママの 大きな声。



「ここに入ったでしょう?

見てるんですよ!」


「いませんったら いません!

いても 出しません!!」





Nちゃんママ(泣)

私ゃ あなたと結婚したい(泣)




「警察呼びますよ!!」





とうとう 吠えた。








退散。







「ありがとう。本当に…」




すごく怖かった。


ほんとは すごく





怖かったんだ。









帰り道


運わるくなのか 良くなのか…



T君から 電話が入る。




「ストーカーに追われてね

今 Nちゃんママに
追い払ってもらった…」


優しい言葉が欲しくて


そう言った。




『ふ~ん…』








前に



雄太に相談した時も




『うちのヤツも 狙われて

俺が 追い払ったんだ』






聞きたくもないことを







言われた。









今の私を 守ってくれるのは



いったい誰なんだろう。





はる君?




嘘の私しか 知らないのに…






はる君といる私は




私ではないのに。





No.39 11/11/08 02:47
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 38

心が痛いと

勝手に 指が動く…





『ずいぶん 夜ふかしさんだね

俺は まだ仕事中。

会えるコなのかな?』




こんな時間の仕事って

なんだ?



水系の人?






『うん 俺ホスト(^O^)

いろんな仕事してるけどね♪

090-××××-×…

電話 ちょうだい♪』






すぐに





電話を かけた。







『お~♪
さっそく ありがとう!
嬉しいなぁ』


こなれた喋り。

辺りも ざわついている。



嘘…



ではないのかな?






「こんばんは(笑)

圭介君は 車持ってんの?」


『リエちゃん

そこ 重要ポイントなんだ(笑)

最初から
こだわってんよね(笑)(笑)


持ってる 持ってる

悪いけど すげ~いいの
持ってる(笑)(笑)』







名前ぐらい

本当でいたかった。







「明日 会える?」


『積極的だね~(笑)』



いいから

いいか悪いか 答えろよ。




『全然 オッケー!

ただ…


かなり 遅くなるよ💦💦』


「何時でも かまわないよ


迎えに来てもらえるなら…」



『行っちゃう!行っちゃう!

どこまででも 行っちゃう!』



うるさい奴…



「嬉しい♪ じゃあ…」












真夜中




くだらない遊びが





また




はじまってゆく…




No.40 11/11/08 03:51
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 39

圭介に

初めて会った夜のこと



出会った瞬間の記憶がない。




三角のグラスに

ちょっぴりだけ入ったカクテル…



いつも

そこから はじまる。








「乾杯」


グラスを あわせた。






「リエは 本当に

昼間の仕事の人なの?」


並んで座る

背の高い カウンターチェアに



足が ぶらぶらする。





「そうだよ(笑)どして?」


「夜の人にしか 見えない…」



よく言われる。





「圭介君の いろんな仕事って

な~に?」



「あぁ(笑) 俺?

要するに なんでも屋だな


ブライダル関係の

仕事もしてるし…」






消防署の方から 来ました



と 同じじゃないのか?






ちなみに 一樹は

テレビのニュースを観るたび


「富山の おじさんだ!!」

などと その出て来た地名に
おじさん おばさんを
くっつけて叫ぶ。



最初は 親戚かと
ビックリしていたが

「この人が
富山のオジサンである事は
間違いないべ」

という くだらないオチだった…





ブライダル関係



って

まさに そんな感じ。





ま…


どうだっていい。











「また 会ってくれる?」



いかにもな スーツに身を包んだ彼は 意外にも お酒を ご馳走してくれただけで




別れぎわ




とても 自信なさげに







私に


そう 聞いてきたんだ。




No.41 11/11/08 12:55
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 40

2度目に会ったのは…


朝の7時。




日曜日の朝だった。


3時の約束が


延びて


延びて




延びて 7時…



まめに連絡をくれたから

待つのは

苦痛ではなかったけれど



なにしろ…


朝日の中で

25歳でいる自信が

私にはなかった。





…のだが





ブライダル関係の方(笑)で

遅れたらしい圭介は





もっと

汚かった。






無精髭に 荒れた肌

この間会った時より


確実に 10歳は老けてる…


どう頑張っても

キミの28歳発言には
無理ありすぎ…



って感じだった。





おまけに

「タバコ1本 ちょうだい

リエ…」


彼の セルシオの助手席に

乗り込んで すぐ。




スマートさの カケラもない…






だけど なぜか



そんな圭介に







私は




欲情した。






だから


「じゃあ 行こっか?」

って言われた時



なんだか すごく

あたりまえの気が したんだ…










朝立ちも手伝い(笑)


挿入は ひどく困難だった。




私は セックスに

結合は けっこう不必要。



耳元に

「リエ…」って




熱い息が かかるだけで



充分に




興奮できる。



首すじを 這いまわる

唇と 舌だけで





「圭…介… 」





濡れる。





溢れて…




「好…きよ」





嘘が つける。




No.42 11/11/08 15:32
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 41

すごく ゆっくり眠った。


久しぶりに

圭介の腕の中で
惰眠を むさぼった。



彼もまた

無防備に 寝ている。





ただの

オッサンと オバハンだな…


妙な親近感。





愛情の絡まない セックス。


寝るだけの関係。






嫉妬しない


って すごくラクだから…




上手に


つき合わせてもらおう。





ベッドの上で

タバコを吸っていると
携帯が鳴った。






『ママ』


摩耶だった。




「どした? 摩耶 おはよ♪」


もう 昼過ぎだ。





『何時に お迎え?』



「どしたの(笑)

寂しくなった(笑)?」



『ちがうよ(笑)

じいちゃんと ばぁちゃんと サクランボ狩りに 来てたの!


迎えに行っても
あたしいないからね(笑)』





なんだよ…


楽しそうじゃん。







摩耶には プリペイド式の 携帯電話を 持たせていた。

…と 言っても

私の母が 誕生日に 買ってくれた物で 今では 私の このオモチャより 立派な代物だ(笑)



「お土産 忘れないでね(笑)」


と 電話を切ると





急に 空しくなった。






空いた時間を

圭介と過ごす気にはなれない。



彼も また


同じだろう…




「娘?」


びっくりした。

「うん」


「いくつだっけ?」


「5… 」

年生と言いそうになり


「歳」

セーフ…



「可愛いんだろな」



また…



意外発言。







このあとの時間の事は


終わってから考えよう…



この 腕の中に


また抱かれながら





忘れてゆこう。



No.43 11/11/08 17:49
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 42

「暇だからって ウチに来んの

やめてくんねすかっ!!!」


「え~~~???


聞こえな~~~い(笑)」




こう見えても(笑)
綺麗好きな優ちゃんは

今日も 掃除機をかけている。



「愛はぁ~?」

「ばぁちゃんとこっす」


掃除機を ガタガタと
片づけながら

「姉ちゃん 子供連れて

帰って来てるんで…」



優ちゃんは 三姉妹。

わがまま末っ子。



私と同じだ…




「しかし リエさん

よく あっちのばぁちゃんに
摩耶ちゃん預けるっすよね…」






優ちゃんも

かつては同居だった。



まだ 首もすわらない愛を

義母は 連れまわした。
雨の日も 風の日も…




優ちゃんは

半分ノイローゼだった。


姑にたいする 激しい憎悪。

加えて 流動食しか受けつけない 舅の食事の世話…



彼女の


してはいけない恋は



『逃げ』から はじまったんだ






「摩耶とりあげたら

あの家の人たち死んじゃうよ」


「まぁ リエさんも

それで自由に
できるんすもんね…」



来るぞ…








「モチス モタレル…


か。」















じゃね~よ。





ロシア人とかかよ。

(ツッコミいまいち)



No.44 11/11/08 18:59
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 43

「優ちゃん

ちょっと台所かしてね…」


「卵 使っていい?」



「ザルな~い?」







いったい このオッサンは

何をしようとしてるんだろ…







「はい♪

リエさん💖 ど~ぞ💖」



「リエさんにかよっ

うちの卵だぞ!!」





弘樹が連れて来た

仲良しの先輩。佐藤君。


実年令で(笑)私とタメ。

ずんぐりむっくりの
優しい オッサン。独身。



彼は


今日 私に恋をした。




「佐藤君 器用だね~…」



目の前の 大きな茶わん蒸し。


「うまいっ!」


優ちゃんは 弘樹の前では
飾らない。

いつもの 優ちゃんだ。



「俺も 料理うまいよ。

悪いけど!!」

弘樹が 張り合う。




「ほんとだ…

おいしい…」


ほんとに感動した。

簡単に つくったんだもん…




弘樹は こうして

自分の友達を よく
優ちゃんちに 連れて来る。


多い時は 4・5人…



だから


最終的に 優ちゃんは

弘樹を いつも信用する。



しかも この佐藤君。



私を

闇から救ってくれた親友


あのAちゃんの

中学の 同級生だった!




本人に 確認の電話をする(笑)



切った直後








また 携帯が鳴った。



No.45 11/11/08 19:31
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 44

「はる君…」


やっぱり

胸が キュンとする。




ごめんね

と 玄関の方へ行く私。



「まさか…」

と 佐藤君が涙ぐむ。


「だから!リエさんは

彼氏持ちだって
言ったじゃね~すか(怒)!!」


怒るなよ 優ちゃん…









『ルミ…

どこにいるの?』


はる君には

自宅の番号も教えてある。



「優ちゃんちだよ(笑)」

『摩耶ちゃんも?』



子供がいることは

話してある。


会ってみたいと

はる君は いつも言う。



「うん! もちろん(笑)」

また 嘘をついた。



説明するのも ややこしい…


それに


摩耶が一緒と言うと

はる君は 安心する。






『会いたいよ ルミ…』


キュンキュンする。




「私も 会いたい…」




『車あれば…

すぐ行けるのに…』





「来週 行くよ!

私っ!!」




若い彼には お金がない…





私は 気づかぬうちに

この恋の




主導権を握ってしまっていた。


















「ちょっと弘樹!!

佐藤君 なんとかして!!」




戻った私に

どうか アドレスを教えてくれと 土下座する佐藤君に

優ちゃんがキレている。



「リエさんは 嫌なこと
嫌って言えないの(怒)!!」








よく知ってんな…


優ちゃん。



No.46 11/11/08 21:06
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 45

「優ちゃん!

紙と えんぴつ!!」


「うちには えんぴつとか
ね~すから!

なんすか…

今の時代 えんぴつって…」



すると 佐藤君は

自分のバッグから
メモ用紙と ボールペンを
取り出した。



「持ってるし…


いらないすからね!
佐藤君のアドレスとか!」

「優にじゃないだろ(笑)」


弘樹が 笑う。


「リエさんが いらないの!」





…たしかに



困る。





「俺 口下手だけど

メールとか自信あるんだ…」



丸っこいオッサンが

背中を丸めて 必死に携帯と
にらめっこしながら
アドレスを 書き写してる…




何故だか私は

小さな頃から


『かわいそう』の気持ちが

大きい。



今でも

男性が 一人で食事をとってる姿や 娘の対になってるヌイグルミが 離れてたりしただけで 心が 痛くなる。



相手は 何も思ってない。



むしろ 幸せな場合もある…

ましてや 物に
心などない。



けど



痛む心は

どうしようもない。





佐藤君に


それに似た気持ちを

感じてた。





「よしっ!!」

と言って 佐藤君は立ち上がり


私の元へ 歩み寄ると

メモ用紙を 恥ずかしそうに
差し出しながら


「待ってるから…

メールくださ…」




…!!!!!











哀れ

佐藤君のアドレスは…




優ちゃんの





口の中。




No.47 11/11/08 21:43
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 46

雨が 降っていた…



約束の日。










M少年は


着拒した。



実家同士が もちろん近所のCに なにげない言い方で 〇〇さんを知っているか聞くと


「リエ 知ってんの?

娘さんの方 うちの兄貴の
同級生だよ!


綺麗な人なんだぁ…」




と 言われてしまった!



あの時 すれ違った

M少年の母親だ…








どうか

早く忘れてくださいと






祈るしかない。







そんな事を考える余裕が

少しある。




雨の日は



他の車も

スピードは控えめで


前よりは 走りやすかった。





はる君には

迎えにも出なくていい


と言った。




家で

待っていてほしいと。







あの頃 私は


なんとかして

彼に喜んでほしくて


無理ばかりしていたんだ。





自宅の近所の スーパーで 食材を買い込み どこにも立ち寄らなくていいように準備をした。



健気な女も




演じてみたかった。








彼を思い出す時いつも


BGMが同じなのは(笑)



きっと





あの道を



あの曲を聞きながら





何度も



何度も








往復したせいだね…




No.48 11/11/08 22:18
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 47

「何 つくってくれるの?」

「グラタ~ン…」


と言ってから 私は慌てた。



はたして 一人暮らしの男の子の家のレンジに オーブン機能は ついているのか!?




「はる君?
オーブンついてる?💦」

「なんだ? それ…」



はる君ちの 電子レンジは

テレビの隣にある(笑)




あった♪





もちろん 百均で

グラタン皿も
手にはめるミトンも
買って来た!



ホワイトソース大好きな

はる君。



我ながら グッ チョイス!


「つくった グラタンなんて

何年ぶりだろ~♪♪♪」


最後は どこで誰に
か 聞きたくなったが


やめておいた。




食べ終わってから 聞こう。

(聞くんだ…)






小さな 小さな キッチン…


とても使いづらかったが



ちっとも進まないのには

別な理由がある…






「ル~ミ♪」


横に立って


少し かがんで



キスの おねだり…





『可愛い…!可愛すぎる!』


溶けてしまいそうな感情を

なんとか おさえる。



「チュっ」



「チュっ」



「チュっ」















絶対 絶対

今日は


あなたを

いただきましょう!!!



No.49 11/11/08 22:52
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 48

お互いの


話しをしていた…




はる君は

とても悔しそうに



俺が金持ちなら

ルミに 可愛い携帯を


10コでも20コでも

買ってあげるのに…



と言った。






T君のことも


ストーカーのことも




ルミは 俺のなのに


と 怒り出した。










私は


ルミ じゃない。






話題を変えたくて


はる君の話しを聞いた。





さて…


グラタンは

誰に最後に


つくってもらったのでしょう…


と(笑)














落ち込んだ。





久しぶりの






嫉妬。









1年前まで

ここで 彼女と暮らしていた事…



聞かされた。





また

気にしてないふりの私は


「彼女の写真見たいなぁ」




なんて言う。



「ないよ(笑)」

と言われる事 期待して…








出てきちゃった。



出すなよ…





と思いながら 手にとる。




やっぱり…






そこには


豊満な胸の

肉感的な女性がいた。



なのに

清純そうな…







まるで


私と 正反対。







「可愛いコだね」





大人だから



笑えます…。




No.50 11/11/09 00:48
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 49

なんの感情もない









はる君は 言った。






自分のしてること


棚にあげて





過去にヤキモチやくなんて…



最低。







「今日は…


ルミを 抱きたい」









彼の気持ちが

自分に向いてることに



安心する。







小さな小窓のついた

ロフト。





「まだ…

明るいよ」



「ルミが よく見えて

いい(笑)」





「やだな…」





どうしても


比べてしまう…



自分と


写真の 彼女。




決して
小さいつもりはないけど(笑)


決して

大きくもない 乳房。





雄太も T君も

大きな胸を 嫌悪していた。




だから


私は 自分の身体に

自信があった。






だけど…






「小さい肩…


可愛い」


って

はる君の キスの嵐…



小さいに反応する私は

ちっとも



集中できない。






キスをする。



「好きだよ ルミ…」






恥ずかしくって


目を とじる。







明るすぎる…




明るすぎるよ…











はる君の


あたたかい手が




私の


乳房を





優しく包んだ…




No.51 11/11/09 02:20
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 50

「ちょうどいい(笑)…






大好き



ルミ…」







ちょうど


いい?







「はる君…


オッパイ大きいコ




好きでしょ?」




泣きたくなって来た…







「?どして…」


言いながら



口に ふくむ…







「あっ…



だって…」






締まった 若い身体が


私の横に ずれる







もう1度




手のひらで包みながら



「やっぱり

ちょうどいい…」

って笑う。




「俺ね…


こだわりない(笑)オッパイに」



「ほんとに…?」



「好きな人のものだから…



全部 可愛い…」





いいトシをして



泣けてきた…








「綺麗だよ…



ルミ」




はる君は


ふだん あまり




綺麗や


可愛いを





言ってくれない。



照れ屋なんだ…






と 言ってた。








「ほんとに 好きなんだ…!」



私の涙に 興奮したのか

彼は 急に





激しく

私を抱きしめ




夢中で キスをする…





「はる君…




は… る



…くん」






彼の指が




私の秘部に



触れた時には








頭は






カラッポに









なっていた…





No.52 11/11/09 03:53
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 51

「乾杯っ」



会社の自販機前

コーラの缶を 合わせる。





「会社で 祝杯をあげるな!」





「佐久間主任(笑)」


優しい方の お局。





「いい事 あった(笑)?」


「リエさんにっす(笑)

私は さっぱり…」



「なになに? これ?」

親指を立てる 主任。




「イエ~イっ!」




優ちゃんが
両親指を つき立て

主任を寒くさせる。




「いい事なのか

悪い事なのか


わかんないですけどね…」



佐久間主任は いつも

私の 微妙なニュアンスを くみとってくれる 6つ年上の


素敵な人。





後に 一樹と結婚する時も

他県に嫁いでいた彼女は

わざわざ 私達に会いに


遠くから

足を 運んでくれた。





「T君?」



「(笑)あれは もう…


終わりです」



T君は 女性だけの飲み会の度

私を 迎えに来ていた。


誰にでも 人あたりのいい彼は

女性陣の ウケが良かった…






「リエさんの身辺は

忙しいなぁ(笑)」


「ほんと 早く

落ち着きたいです(笑)」








「優チン どした?」

主任が聞く。






「…また 2人して

大人な感じ カモシカして

私だけ カバの外すか…」












おしい。 優ちゃん。



No.53 11/11/09 15:49
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 52

鍵を…


どうしても返してもらえない。




そんな気も

本当は
なかったのかもしれない…


あの頃。




憎い…


のに やっぱり



幸せだった時が

忘れられなくて…





「そいつは やめときな…

リエ」



T君が言う。


「なんでよ…」



「だって 頭悪いだろ?

大学 出てないだろ?
まともな仕事じゃ ないだろ?


俺みたいな

男じゃないだろ…?」





私は 笑い出した。





「だから

好きなんじゃない(笑)」


この ナルシストが!





「俺と 一生

一緒に いよう


結婚しても ずっとずっと…」





そう


これは


彼が いつも口にしていた

望み。





学歴と教養のある

汚れのない女性と結婚し


私を 愛人にしておきたい…


と。






わからないよ。


本心が どれかなんて…



だけど それは





最低の侮辱。



「それなりの男に

なってから 言いなよ(笑)」



目が変わる。



腕をつかまれ

押し倒される。




別に


怖くない…







携帯が鳴る。




女からの電話だろう…






「シっ」

と 人差し指を
自分の口にあてると


「もしもし」

明るい声で 電話を受ける。



話しながら


私から 離れる…







「電話 だぁれ~!?」



私は




大声で 聞いた。



No.54 11/11/09 16:54
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 53

滑稽すぎる…



真夜中の 追いかけっこ。






電話 誰?


自分の 大きな声に

一気に 身体が熱くなる。
頭に 血がのぼる。




ガバッと 立ち上がると

私は T君を追った。




あまり動じないT君も

かなり 慌てた。


家を飛び出し

車には乗らず



話しながら

速足で歩き出した。








電話の相手は

どれほど 清純な女?


さぞや ご立派な家の

学歴のある お嬢さま?


真剣に

あなたを愛してる?


優しい 優しい

完璧な あなたを…








私は 追う。


携帯を奪って

どんなに この男が汚いか


教えてやる!!






息を乱さぬよう

笑いながら話す声が


聞こえる。




シンとした住宅地

足音と 静かな笑い声だけが
響く…


もう少し


もう少し





手が 届きそうになった時


「愛してるよ…」


そう あいつは

携帯に ささやくと



走り出した。




「待ちなさいよ!!!」

絶叫しながら

私も 走り出す…






声が



携帯の向こうの

幸せな女に 届くよう



力いっぱい叫びながら


力いっぱい 走る。








滑稽な


追いかけっこが






はじまってゆく…



No.55 11/11/09 17:40
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 54

「馬鹿っすね(爆笑)!」



爆笑かよ…






「とっつかまえたんすか?」


ビールが 注がれる。

視線を感じて

優ちゃんの手から
慌てて 缶をもぎ取ると

優ちゃんの グラスに注ぐ。





「電話切ってからね…」


「意味ね~(爆笑)!」








真夜中の追いかけっこは


T君を

喜ばせただけだった。





「嫉妬してくれたんだね…」


そう言って

息を乱しながら




力尽きた私を 抱きしめる。






どうして 涙が


出るんだろう…






負けたから?



悔しいから?








違う気がした。










醜い自分への



涙だ。











雄太の時も



そして 今も





なぜ憎しみは


相手の女に 向かうのか…





傷つけたい と


本気で思ってしまった。



何も知らない ひとを…






している事が

馬鹿でも マヌケでも
どんなに きたなくても…



心だけは

汚したくないと


ずっと 思って来たのに…







「少し 素直になったら?」





T君が


私の髪を 撫でる




「リエは…


俺が 好きなんだよ」












手のひらが痛くなる程

思いきり





彼の頬を うった。




No.56 11/11/09 19:14
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 55

私は今…



ひとつの 南星を

見上げて




誓った。






どんな時も…

微笑みを絶やさずに



歩いてゆこうと。











マイクを置くと


ほろ酔いの 社長は
ご機嫌で 言った。



「リエちゃん!うまい!

今まで聴いた 今井美樹の中で
ダントツだよ!!」



「優ちゃんの アムロちゃんは

こんなもんじゃないですよ!」



テンションが上がると

激しいダンスを繰り広げながら唄う 優ちゃんのアムロちゃんは 天下一品だ(笑)




「やめて下さい💦リエさん💦

今日は やんねっすよ💦」


こそこそ言って

顔を 赤らめる。





「え~っ!!

聴きたい 聴きたい~!」


いいトシをした
テカテカの オールバックの 社長が 身体をクネらせる…





例の

優ちゃんファンの


既婚の 車屋の社長。







きっかけは…


私とT君が 仲良しの頃行った 地元では有名な 大きなホールでの 中古車フェア。



練り歩く私達に

彼は 声をかけて来た。



「オークション会場の

お姉ちゃんだよね!?」


知ってる社長が

いっぱい いた。




けど 男連れの私に

声をかけてくる人は
少なかった。









「ばれました(笑)?」





社長には



目的が あったのだ。




No.57 11/11/09 19:39
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 56

「お姉ちゃんと いつも一緒にいるコ… なんてったっけ?」



「優ちゃんのこと?」

T君が 私に聞く。



「…だね」




「ユウちゃんって言うんだ!」

社長が 食いつく。




大きな 大きなホールの

特等席とも呼べる場所。



彼の 中古車業界での

力を 誇示している様だ。


照明に照らされ

並べられた車も
彼の髪も


ツヤツヤとした光りを

放っている。





「電話ちょうだいって

お姉ちゃんから 言って!!


お願い!!!」


名刺を 出しながら


「あっ 彼にも…」

と言って

T君にも名刺を渡す。



「ありがとうございます(笑)」

T君が受け取る。



「言ってあげなよ(笑)

リエ(笑)」


「彼 ありがとう!!!

あっ
リエちゃんって言うんだね

あらためて ヨロシク!」




ってか

おまえ 結婚してんだろ…



会社でも

明るくて目立つ社長。


だいたいの

家族構成は わかる。





察したのかな…



「あ💦 リエちゃん💦

俺 嫁とは終わってるから💦」








「わかりました(笑)

渡しておきます(笑)」




あまり深く考える事もなく


私は 引き受けた。



  • << 59 流れで… ちゃっかり優ちゃんち。 もちろん 子供達も 一緒。 「俺 最高幸せだな~」 社長が言う。 「リエちゃん ありがとうねっ(泣)」 「そんなに 優ちゃん 好きですか(笑) 社長(笑)」 「大好き!ほんとに! ずっと 可愛いなぁって 思ってたんだもん…」 私達 これに よわい… 「だ~って 社長 結婚してるじゃないですか!」 酔ってる優ちゃんは 威勢がいい。 (酔ってなくてもだが…) 「優ちゃんだって 彼氏いるでしょう…」 社長が ふくれる。 こんな風にしていると 現実的な判断が あまくなる。 5年前の私なら 心から 嫌悪する状況も 自らで 選びとる。 そして 黙認する。 だけど ちょっと疑問。 「前に 社長私に 『嫁とは終わってる』って 言いましたよね… あれって どういう意味ですか?」 「男と女じゃないって事。 うち 子供もいないし 俺の親 介護必要だし 嫁は もう放棄しようとしてるから… 俺らのこと…」 「社長は?」 「ん?」 「社長の気持ちは…?」 私が知りたいのは そこだ。 「何も 感じないんだな… 残念ながら」 寂しそうだった。 「空気みたいなもんだから… なくして 気づくのかな…」 「さっぱり わかんね」 バッサリ斬ってくれて ありがとう。優ちゃん。

No.58 11/11/09 21:03
クロス ( ♀ gAVFh )



【お詫び】



ひとつの 南星では

ありません( ̄▽ ̄)…



南の ひとつ星でした😂💦💦💦



訂正致しますm(_ _)m💦





😭😭😭💧


No.59 11/11/09 21:50
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 57 「お姉ちゃんと いつも一緒にいるコ… なんてったっけ?」 「優ちゃんのこと?」 T君が 私に聞く。 「…だね」 …

流れで…


ちゃっかり優ちゃんち。

もちろん
子供達も 一緒。




「俺 最高幸せだな~」


社長が言う。



「リエちゃん

ありがとうねっ(泣)」


「そんなに 優ちゃん
好きですか(笑) 社長(笑)」



「大好き!ほんとに!

ずっと 可愛いなぁって
思ってたんだもん…」



私達


これに よわい…




「だ~って 社長

結婚してるじゃないですか!」


酔ってる優ちゃんは

威勢がいい。

(酔ってなくてもだが…)



「優ちゃんだって

彼氏いるでしょう…」


社長が ふくれる。





こんな風にしていると


現実的な判断が

あまくなる。




5年前の私なら

心から 嫌悪する状況も


自らで 選びとる。




そして

黙認する。






だけど


ちょっと疑問。


「前に 社長私に 『嫁とは終わってる』って 言いましたよね… あれって どういう意味ですか?」



「男と女じゃないって事。

うち 子供もいないし
俺の親 介護必要だし

嫁は もう放棄しようとしてるから… 俺らのこと…」



「社長は?」

「ん?」


「社長の気持ちは…?」

私が知りたいのは そこだ。




「何も 感じないんだな…


残念ながら」






寂しそうだった。






「空気みたいなもんだから…


なくして



気づくのかな…」















「さっぱり わかんね」








バッサリ斬ってくれて


ありがとう。優ちゃん。



No.60 11/11/09 22:24
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 59

「摩耶ちゃんに

会いたいよ… ルミ…」




ロフトの上


私の肩を抱いたまま

はる君が言う。





「じゃあ

今度 連れて来るよ(笑)」


「ほんとにっ!?」



何度も

キスをする。

「嬉しい…」


って 言いながら…




「じゃあ ルミの車で

みんなで
どこか遊びに行こう!


俺 運転するし♪」




幸せな

時間だった。








携帯が 鳴るまでは…









「ルミ 携帯鳴ってるよ」



ほんとは 聞こえてた。
ずいぶん前から。



下に置いた携帯が

しつこく鳴ってること…





「出ないの?」








「俺 出ようか!?」


察して怒った はる君が
ロフトから 降りようとする。




「大丈夫!


… 私 出るよ」








下に降り

携帯を見ると


激しい 着歴。


もちろん T君だ。







また 鳴り出す…



「…なぁに?」


『やめろって言ったのに…

また 馬鹿と
一緒にいるの(笑)?』



「関係ない」



『何時頃 帰る?』



「帰らない…」


『えっ?』






「帰らない!!」




「かして!」


…!!





いつの間にか

降りて来ていた はる君が



私の携帯を


手から 奪った…




No.61 11/11/09 22:49
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 60

「てめ~!!

いい加減にしろよ!!」



はる君が 怒鳴る。







私は

ひどく
ドキドキしていた。



何かが

ばれる気がしたからだ。



名前なのか

年令なのか…



身体の関係が

あることなのか…





ひたすら 祈った。







携帯を奪い返すことは

不自然すぎるから…








『頭の悪い奴の

言いそうなことだな(笑)』



そう 言われたと


後から 聞いた。





「ルミが 嫌がってんの

わかんね~のか!?!?」






もう…


やめて。







笑ってる


あいつの声が



携帯から 聞こえる。








やめて…




やめて…








「おまえ

頭 おかしいのか…!?」






たまらず

携帯を取り上げ

電源を切った。





「相手にしないで…」




かろうじて


そう言った。







はる君は

私を強く抱きしめると



「怖いでしょ?ルミ…


摩耶ちゃん連れて

ここに おいで!!



ここで暮らそう ルミ…」





泣きながら



そう



私に 言った。





No.62 11/11/10 01:17
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 61

私は

怖くもないし








ルミでもない。





俺も一緒に ルミの家へ行くと言って きかない はる君に


実家に逃げるから大丈夫

と 嘘をつき

無理矢理 帰って来た。





なにもかも

嫌になってしまいそうだった…




嘘をついている自分を

棚上げして



すべてに イライラした。





偽物の恋。



見透かされてる 状況…










「ルミちゃん」










「俺の時も

ルミちゃんだったよね…」








「やっぱり

アホそうな男だなぁ(笑)」











「先のこと考えたら

自分が出る状況じゃないって


わかんないのかな(笑)」











「そのてん


おまえの旦那が

アパートに来た日の俺は


…賢明だったよね(笑)」





殺したい…



と 思った。





「馬鹿じゃ…


ルミちゃんを



守れないよ(笑)」








髪を 撫でる。





髪に 触れられると


欲情する私を




知っているから…








「リエは…


俺から 逃げられないんだよ…






一生…




絶対に」








なぜ




殺したい程 憎い男に



濡れるのか





この身体を



呪いたくなる…





No.63 11/11/10 02:39
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 62

「なんと直接解決!!」



いや

まだ 解決してね~よ
優ちゃん…





「とうとう やり合いましたか…


Tさんと はる君さん!」




「ちょっと

おもしろがってるしょ(笑)
優ちゃん(笑)」



「ワクワクするっす!」

「おまえは(笑)…


今に 弘樹と社長も

直接対決に なるかもよ~」



「あ…

それ ねっすねっす。」

「なんでよ?」

「弘樹 クールすから…

ヒデ!

ここ 生2つと コーラと ラムネ追加! 早くしろ!!」



いつもの居酒屋。


「早くって 優さん💦

順番ってもんが…


あっ!

今から 幸治先輩来るっすよ
そう言えばっ」



優ちゃんの 元旦那さん。


私も よく遊ぶ…

どころか 愛の幼稚園の 運動会など 優ちゃん実家に 顔を出せない彼は 私と摩耶と
お昼を食べる(笑)



「あ そう」


「女と(笑)」

「あ そう」








優ちゃんは

まったくもって


本気の本気で

気にしていない。









とは言っても

私だって 雄太への気持ちは

優ちゃんにすら
隠しつづけていたのだから



ほんとのところなんて


わかるわけは

ないんだな。








ただ


その時 私達は


大事な事を




忘れていた…




No.64 11/11/10 03:23
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 63

私が トイレに立った時

彼は 彼女とやって来た。



「おっ!

リエさん♪久しぶり♪」

「こんばんは(笑)コー君

彼女?」


「こんばんは」


コー君から 話しは聞いていた…

激しいヤキモチ話しを(笑)


「こんばんは♪可愛いね♪」


とりあえず 私は

女の子には誰でも
そう言う(笑)



「…優と 一緒?」

「もちろん(笑)」





「ママ!

愛も おしっこだって!」


摩耶だ…




ん?






…ん!?!?








「パパ!!」


















だよね~…









彼女の顔色が

見る見る 変わってゆく…







「愛も来て… たのか…」


彼女を気にする コー君。





「パパ この人だ~れ?」


「愛 おしっこ行こう💦」




私は そそくさと

愛と摩耶を連れ

トイレに向かう。


背中に 痛いほど

視線を感じながら…









ここの居酒屋は

奥に 仕切れる個室がある。



どうやら

優ちゃんの脇を すり抜け


奥に行ったらしい2人。



我関せずの 優ちゃんは

… と言うよりも

またまた 少し
ワクワクしている優ちゃんは

大声で笑い はしゃぐ。





さすが 元夫婦。


ちゃんと わかってたんだ…






「もうすぐ 始まるっすよ…」



No.65 11/11/10 04:30
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 64

「そんな顔してんなら

帰れっ!!!」



「ほら(笑)」





なるほど…





彼女を なだめすかすコー君ばかり 想像していた私は

ちょっと 面食らった。




いろんな恋愛が

あるんだなぁ…




彼女の

泣き声を聞きながら


涙の理由にも
いろいろある事 考える。



知っていながら

過去に 嫉妬する…



私も同じか。






はる君ちの ベランダにあった

女物みたいな サンダル…



見ただけで

少し かたまったもんな(笑)


そういう感情

絶対 表に出したくない私は


「母ちゃんのだよ(笑)」


って言われた時

裸見られるより


恥ずかしかったっけ…



だけど


「母ちゃんに ルミの事話した…

今度 会いたいって
母ちゃん言うんだ(笑)

もちろん 摩耶ちゃんにも…」


って
照れくさそうに言われて


全部 吹き飛んだけど(笑)










「こんな近くに 元の奥さんも子供も居るなんて 私知らなかったもん(泣)!!!」


「聞かないから

言わないんだ!!」






「コー君に 口でかなうわけ
ないっすよ…」

「へ~え」








「さっきの女の人も

関係あったんじゃないの!?」



おいおい おいおい…




「リエさんは ババァだ!!」




こらこら こらこら…




No.66 11/11/10 16:26
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 65

「に~っぽんの未来は!」


おう おう おう おう!


「せ~かいが うらやむ!」


いぇい いぇい いぇい いぇい…






ソファーの上

ジャンプしまくりで唄う
35歳…




「はい ネエさん💖

お疲れさま💖💖💖」



オシボリを渡してくれる。



「ありがと♪

あおいちゃん💖」



「ネエさん 大好き💖」



すごく…



いい においがする。




もたれかかり

頭を くっつけて来る…


「ネエさん

あおいと
同じにおいが する…」



目をとじる あおいちゃん。



私 無臭なはずだけど…

と 腕のにおいを嗅ぐ。




「そういう
意味じゃないよ(笑)」


あおいちゃんが笑う。




… 可愛い💖💖💖








「そこ!!

イチャイチャしな~い!!」



来たよ…

隊長。






会社の
大きなイベントが終わり


その分

大きな 打ち上げ。




有名な 大きな

飲み屋街に 来ていた。




車屋の社長が

私を その名で呼ぶ所(笑)





なぜか私は 昔から

男性には さっぱりモテないが


女性には よくモテる。



本気の告白を

受けたりする(泣)






「だって あおいちゃん

可愛すぎなんだもん💖」



顔をあげると



優ちゃんばかりではなく


男性陣の嫉妬の目も





そこには あった…




No.67 11/11/10 17:38
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 66

ふわふわ

マシュマロみたいな
あおいちゃん。



男なら 絶対惚れてる!





女でも




惚れた。







ただの1度も

女の子にたいして


そんな感情持った事ない…




ムラムラ


して来た。






「ちょっと リエさん!

そこ どいて(怒)!!」


男の子達が

あおいちゃんと私の間に
割って入る。


そして
優ちゃんに

首ねっこを つかまれる…




『あぁ… あおいちゃん…』


「あ~ん(泣)ネエさん…」



「あおいちゃんは ババァの相手しなくていんだからね💖」

男の子達が 群がる。



なんだか 最近

私 さんざん…






「まったく 目~離すと すぐ
あっちこち行くんだから(怒)」


「それが リエさんの いいとこなんだよ(笑) 優ちん(笑)」




佐久間主任…


わかってらっしゃる(泣)






佐久間主任の彼は

つい この間


奥さんとの離婚が

成立したばかり。




私と 優ちゃんしか知らない。




長い 長い 不倫。






愛人側に

自分の親しい人が居る場合


それは

「おめでとう」になる…











また

ムラムラして来た。




だって…



あおいちゃんが

潤んだ瞳で



私をジっと 見つめてる…



No.68 11/11/10 18:26
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 67





キスを




してしまった。






チュッ




とか いうヤツじゃない…










はる君から 電話が来て

私は

うるさい店の外に出た。




目の前が エレベーターの

小さなビル。





『楽しそうだね…

ルミ…』


漏れ聞こえるのかな



「うん♪ 打ち上げだから…」




『会いたい…』



酔ってる私は

いつもより



はる君が 恋しい。



だけど

優ちゃんとの約束。


馬鹿母の掟


その… ?ホニャララ。



会社の飲み会時は

男絡みで バックレない事!




『街で飲んでるの?ルミ…』


「ち… ちがうよ。

会社の近く…」



『そっか…

じゃあ 会えないね…』



「次は 摩耶連れて行くね!」

話題を変える。


『うん(笑)

楽しみだなぁ…』







… ?




エレベーターと

店の扉の間の 細い通路


1番 端の店の 突き当たりの壁ぎわ 大きな窓の前で

電話をしていた私。




通路を背にして…






窓に反射して映る 私の後ろに


小さな 人影。






「ごめん! はる君!

優ちゃんが 呼んでる!


また後で かけるね(笑)」










… あおいちゃん



No.69 11/11/10 21:31
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 68

あおいちゃんのオッパイは

嘘みたいに
ふわふわしてた…




こういう興奮って

した事ない…




マシュマロみたいな
あおいちゃんは

意外にも 激しかった。



私の舌に

からみつく


あおいちゃんの舌…



「あおい 絶対

ネエさんと寝れるって…


思ってた…」


耳元で 囁かれる。




それだけで


昇天してしまいそうになる…




「もしかして

女の子と
セックスした事ない?」


あるわけない。



ってか

出来るのか…?




「こうするんだよ…」





彼女の濡れたものが


私のに




かさなる…




「あおいちゃん…?」




「あおいって 呼んで!」




動きながら


ひらいた唇を また




夢中で 押しつけて来る…




もう…



どうでもいいと思った。





舌を


私から 入れる。




女の子のものって

なにもかも やわらかい…



たかぶり

濡れた 彼女の瞳が



そこにある…



「あおい…


可愛い




あおい…!」




「ネエさん!!

好きよ!! 好き!!」



彼女の舌が



夢中で 私の乳房を

這いまわる…





私は 彼女の

やわらかい髪のふくらみに


手を差し入れ


小さな頭を 優しく



胸に 押しあて




1番 敏感なところへと

導いた…




No.70 11/11/10 22:05
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 69

「リエさんっ!!」





… ?



慌てて自分を見る。



服 着てる…




「あおいちゃんは!?」


「… なに

寝ぼけてんすか?リエさん…」



どこだ? ここ…



「うるさっ…」



「お目覚めですか?

お姫さま♪」


「よっちゃん…」




飲み会の流れで

最後に必ず 立ち寄る


ボーイズバーなるものの

副店長 26歳。





「もう あおいちゃんの店は

2軒前!


どんだけ 寝ぼけてんすか…」



「今 何時?」

「朝の 6時っす…」




もちろん 会社の人間は

私達2人だけだ。












かなり 酔っていた。





はる君との 電話をきって

後ろに立っていた あおいちゃんに 急に腕をつかまれ

小さなエレベーター脇の くぼみに 連れて行かれたのは現実。



そして


キスをしたのも




現実。






やわらかかった。



襲ってしまいたくなった…






そして




急に 気持ち悪くなったんだ!




あぁ…


思い出した。




店を出て

エレベーターで下まで
降りて来た あおいちゃんと


また みんなの前で

「チュっ」って
軽いキスをして


名刺を 握らされたんだ…



「俺も!俺も!」と

青年達が 興奮してる声と


自分の吐き気だけ



記憶にある…




No.71 11/11/10 22:37
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 70

タバコに 火をつけてもらい

大きく煙りを吐き出すと


やっと

まわりが見えて来た…




「大好き(笑)よっちゃん…」



夢のせいで

下半身がムズムズしていたので


思わず 言った。



「俺も リエっち大好き」

キスをする。




「平気だもんな…

そういうの お2人さん」


「なんで あんた居んの!?」



優ちゃんの横に

ちゃっかりベッタリくっついてるのは 違う店の 男の子。


タクミ 22歳。




このコの お店は

会社の お客さん…


要するに 車屋さんの社長が 経営している お店なので

ここへ来ると
タクミの店にも 必ず
支店長に 連れて行かれる。



「タクミ 自分の店は?」


「もう しめたっしょう…

普通に」


そか…

6時か もう(笑)


「リエさん

おぼえてないんすか!?
タクミの店に いたこと!?」




…?




「あっ!

吐いた 吐いた!

あんたんとこの
トイレで 吐いたんだ!
思っきし!!」



やばい…


なんか
テンションあがって来た


朝6時にっ







「よっちゃん! 私 唄う!」


「(笑)aiko?」



「うんっ!!」




No.72 11/11/10 23:59
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 71

こんな小さな空間でも


嫉妬は



渦を 巻く。




夜の街は

よけいに


激しいのかもしれない…

(もう朝だけど)





「あな~たが 好きっ

好き 好き だ~い好き!」


私が 何を唄いたいのか


彼は
ちゃんと 選曲してくれる




指をさしながら

さながら ライブののりで


よっちゃんに向けて

唄う 私。



疼いたままの身体は

自然に 彼に近寄る…


そして お決まり。



よっちゃんは
私が唄い終わると 必ず

私を 抱えあげ
クルクルと まわす。




「はじまったよ(笑)」


優ちゃんとタクミが笑う。



キャっキャ はしゃぐ私…




「リエっち…

もしかして ブラしてない?」



「…ばれたか」



実は さっきはずした。


あまりにも苦しくて。






つねに 薄着の私。

飲むと あつくなるし


今は キャミワンピ1枚。




「生!?」


指をさし

おどろく よっちゃん。


「生(笑)」


「…さわってい?」


「いいよ(笑)」


やっぱり 馬鹿である。






「やばい…

好きだわ… リエっち」




「私も

よっちゃん大好き~(笑)」













「もう やだっ!!!」


大きな泣き声が





突然 あがった。




No.73 11/11/11 00:36
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 72

今日は 店長がいないから…


と こんな時間まで

店を開けていた。



店長がいれば

4時には しめる。





こんな時間に

ずいぶん ねばるな~… と


自分達を 棚にあげ

ひと組の女の子達を
気には していた。





よっちゃん目当てだったんだ…





「あ~あ!

リエさん 泣~かせた(笑)」


優ちゃんと タクミは

またまた 大喜び。





ちょっと イラっとした。


こういう場所で泣くのは

ルール違反だ。





「すぐ戻るね…」

って よっちゃんが言う。


「いんだよ よっちゃん

ゆっくりして来て(笑)

私ジャイアンと 遊んでる♪」







ダーツ中の彼に声を かける…



「俺 郷田タカシです」



「いいよ ジャイアンで(笑)」





泣き声は

さらに 大きくなる。



一緒にいるコが

必死で なだめている…









「バッカみたい…」




「だから

郷田タカシですって!」


「なんにも言ってね~し(笑)」




わざと 大声で

笑ってやった…。




バンっと
テーブルを叩く音。

「誰でも いいんじゃない!」


あきらかに…

私に 言ってる。





その通り。




誰でもいいんです。


私…





No.74 11/11/11 01:05
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 73

よっちゃんは



絶対怒らない。


あたりまえだ




お客さんだもん。





私も


トラブルは 起こさない…

大人だから。



と言うか

どうでもいいからか(笑)






「めんどくせ~奴っすね…」


煙りを吐き出し

優ちゃんが 言った。



「俺なら ガツンと言うな…」


「大丈夫 タクミは そういう状況に おちいらないから(笑)」



「ってか 俺は

郷田タカシですけどね!」


「しつこいって(笑)」



みんなで 爆笑する。






また 泣く。









酒はのんでも のまれるな…





酔うと

たしかに 感情はおさえづらい…



私だって この何年後かに

酔いのせいで 支店長と 大喧嘩するのだから(笑)(笑)






「もう 7時半っすよ!」


「帰ろっか… 優ちゃん」




そっと 席を立ったつもりだったのに タクミと一緒に よっちゃんも 外に出て来た。



「まぶしい…」



朝の光りに

目を ほそめる。





「どこまで ついて来んの?」

かなり長いこと歩いてる(笑)



「リエっち!」

「ん?」


「携番 教えて…」







…は?



No.75 11/11/11 02:52
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 74

ズズズズ…

ずるずるずるずる…









「優ちゃん…

ラーメンすすってんの?
鼻水すすってんの?」


「どっちもっす…」




地元に着いてからの

朝ラーメン。


チーム馬鹿母 恒例。






「しみるっすね…」

「うん!」


なんで 飲んだ後のラーメンって こんなに美味しいんだろ…






「よっちゃん…

本気っぽいっすよね…」


「まさか(笑)

社交辞令でしょ(笑)」



「なにげに 私は

タクミ マジすけどね…」


「へ!? そなの?」


「口説きに 弱いんす」

「知ってる(笑)」


「リエさんもじゃね~すか…」

「そうだけど…」


ゆで卵を 優ちゃんの丼に 移そう… としたら

もうなかった。

すでに 並んでいる(笑)



私は ゆで卵が食べられない。



前に 会社で
お掃除担当のおばちゃんに
ゆで卵を もらった…


「美味しかった

ごちそうさま」と言った
私の横から 優ちゃんは


「食べてないじゃないすか!」


ひぇ~…


「リエさんは なんで嘘つくんすか? 食べらんないもんは 食べられないって 言わないと ダメっす! 次また 嘘つく事になるんすよ!」



と 言われた。




ちょっと 見直した。



作文かよ…



No.76 11/11/11 03:45
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 75

「私は

あおいちゃん口説こうかな…」



優ちゃんが

ぶはっっ!
とラーメンを飛ばす。


「きたねっ 優ちゃん…」




「ちょっと やめて下さいよ~

男にたいして変態だから
私 リエさん好きなんすよっ!

本物の変態は
勘弁して下さいよ~(泣)」



偏見だぞ。 優ちゃん…




「… なんで私達って

ひとりの男に
落ち着けないんすかね」


大事にとっておいた卵を
口に ほうり込むと


優ちゃんは そう言った。




ほんとに そうだね…





あの頃


私の気持ちは

雄太にあったのだろうか…




恋の おいしい部分だけ

つまみ食いして



満足して。






『愛してる』


って


心から言える人に

出会えない…





だけど 信じてるんだよ。


必ず いつか

会えるって…



だから

長い 長い道



もう少し 一緒に歩こうね


優ちゃん。





「私も 優ちゃんも

寂しがりだからね(笑)


しょうがないのさ…」



「もう一杯 食うかな」














話し 終わってる~。




No.77 11/11/11 04:36
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 76

嘘っ!?



嘘 うそ ウソっ!?







「よっちゃん…?」



なんで こんなに興奮すんだ?



『俺でしょう(笑)』



「だって まさか…


ほんとに 電話来るなんて

思ってなかったんだもん…」




『かけないのに

聞かないよ(笑)』


「あ…


そうだね」



『何してたの?』


「今 娘とご飯終わったとこ」


『5年生だっけ?』

「よく おぼえてんね(笑)」


『聞いたばっかだしね(笑)』



「あれ?

よっちゃんは こんな時間に…


やすみ?」



『うん… 』



「ひとり… なの?」




『どういう意味(笑)?』


「彼女とか

いないのかな~って…」


『いたら 電話しなくない?』



「だ、だよね~(笑)💦」

どもるなよ…




だって なぜか

すごく
ドキドキしているんだもの~




なんか喋んなくっちゃ


うんと…



え~と…



『遊びに来て リエっち』


どきっ



「ひ、ひとり暮らし?」

『だよ(笑)』




「な… なんで 私?」




『忘れられないの 俺…』



…?





『リエっちの オッパイ…』







アトムみたいに


キヲツケの姿勢のまま




屋根を突き破って


飛んでいきそうだった。



No.78 11/11/11 17:53
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 77

「摩耶ちゃん!

走ったら 危ないよ💦」

「はる君! 早く~!」






T君と

初めて行った


観光地の牧場を



思い出していた…





『マー💦 あぶない💦』

『大丈夫~♪』







「はいっ!」


目の前に

ソフトクリームが飛び出た。


「ありがと(笑)はる君…」



お天気に恵まれた 日曜日の遊園地は すごいにぎわい…

久しぶりに


ふれた空気。



響きわたる音楽と歓声

笑い声 絶叫 子供の泣き声…


頭が クラクラして来る。



「大丈夫? ルミ」

「え?どして?」


「なんだか 元気ない…」

「そんな事ないよ~(笑)」




摩耶には はる君に会う前に

「い~い?摩耶

ママの名前は『ルミ』
トシは『30歳』」


「ルミ 30歳」



復唱されると

バカバカしさが増すな…


これも
慣れたものの娘は

「りょ~かい」と敬礼。




「はる君! あたし はる君のチョコ味も 食べたい~!」

「摩耶っ」

「いいよ♪ はい あ~ん…」


ベチャっ!

「きゃー(笑)」
「あははは(笑)」





はる君は 人見知りの摩耶に

一瞬で魔法をかけた。



不思議な人だ。











…はぁ。






騙している罪が


ますます


ますます

重くなってゆく






よく晴れた 日曜日。




No.79 11/11/11 18:32
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 78

どんな風に見えてるのかな…


私達。


お父さんと お母さんと

子供…?



それとも カップルが

親戚の子供 連れてる?


…図々しいな(笑)






大嫌いな まわる系に
無理矢理2人に乗せられて

フラフラになって降りて来た。


「無理…」

と つぶやくと

目の前のベンチに どすん!


はる君と摩耶は 大笑い。



そばで 家族が乗り込むのを 手を振って 見送っていた おばあちゃんが笑い声に気づき


「あら お姉ちゃん!

若いパパとママで
いいわね~(笑)♪♪♪」

と 摩耶に声をかけて来た。




具合の悪さが 飛んだ。




「いいでしょう(笑)?」と


はる君が笑う。

摩耶も 笑う。



私も




笑った。







そしてまた


楽しくって 忘れてしまう…






自分の ついてる




嘘。










「摩耶ちゃん

眠っちゃったね(笑)」



帰りの車



「もうアパートなのに…

よっぽど楽しかったんだね(笑)


ありがと… はる君。」




はる君は


車をとめると



私の頭を 腕の中に引き寄せる…



「好きだよ… ルミ」


顔をあげて キスをする。






「愛してる…」







言わせては

いけない言葉が



遠くから





聞こえた。




No.80 11/11/11 19:23
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 79

「ここ 楽しい~♪」






私達の 愛のいとなみの場所…


ロフトから顔を出し
摩耶が はしゃぐ。



「摩耶ちゃん(笑)

泊まっていけば?


そこで寝れるよ~(笑)」


「寝たい!寝たい!」


「明日 学校です~」



「ケチだな(笑)ママは(笑)」

はる君が言う。


「ケチ~ ケチ~」









ママだって ここにいたい。

なにもかも 捨てて…



ここで

笑っていたい。





「ねぇ ルミ…


母ちゃんに 会って」



ドキ。



「ダメだよ はる君…

私なんか…


バツイチ子持ちなんて
お母さん 嫌がるよ…」



「知ってるもん 母ちゃん!

あの人 そういう事に
こだわらないよ(笑)」



ビックリ顔の 京唄子が

どんな性格かはわからないが



世の中の母親が

喜ぶ状況では 間違いなくない…




はる君が

天涯孤独の身なら いいのに…


なんて恐ろしいこと思った。




私が困ってるのを 感じると

「すぐって意味じゃないから…

考えてて(笑)」


と 寂しそうに笑った。





彼にすれば

あの日の出会いは



運命だったんだろうか…




私には まだ



通り道でしか ないのに…




No.81 11/11/11 20:22
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 80

夜 8時過ぎ

はる君の アパートを出た。



外まで 見送りに来た はる君に

キスを ねだったが


「摩耶ちゃん 見てるでしょ」


と 叱られた。




馬鹿母 失態。












「ママ すごいね!

こんな 車いっぱいの道路
走れるんだぁ~(笑)」


「愛のパワーかな(笑)」


「あたしも はる君好き~♪」



無邪気な摩耶に

感謝しながらも



やっぱり…




この 帰り道の


わきあがって来るような

情けなさは



消えない…。





少し慣れて来た頃から


帰り道



感じるようになった。






寂しいんじゃない…


運転している自分が




情けないだけ。





喜ばせるって


私にとって



長続きしない。




チヤホヤされる事ばかり

望むから…






こうしてても 不得手な事への

緊張は 続いている。





「さぁ 摩耶! もう少しで
走り慣れた道だ~(笑)!」


「お~っ(笑)!!」









その時


前方から

見慣れた トラックの灯り…









私の車に 気づき


ファンっ

と ホーンを鳴らし



手をあげて 通り過ぎてゆく。




「パパ?」












泣いているのを



悟られぬよう 私は







「うん」


とだけ








短く 返事をした。




No.82 11/11/11 21:59
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 81

「やっぱ
朝はまだ 寒ぃっすね💦」

「薄着だし(笑)」



コンビニ前
ATMのボックスの中

優ちゃんと肩を 寄せ合う。


チーム馬鹿母の掟。


無駄な金は 使わない。




街から 始発の地下鉄で

この はる君との 初キス駅まで 帰りつき ここからは
地元まで バスに乗る。


しかし 時間が空きすぎ…


やむなく バス停前の ATMのおうちを 拝借したしだい。




会社の飲み会が からまなければ 決して2人で 街まで出るような 飲み方は しないのだが…



なにぶん



2人とも

確かめたい事が
たくさんあったんだ…



夜の街には(笑)





タクミの店には

もちろん 車屋の社長もいた。


「最新から2人って

めずらしいね!?」


なぜか 怖面に
プーさんのエプロンをつけた
社長が言う。




「支店長には

絶対 内緒ですよっ」


とりあえず 私達は
隠し事が 多い…




タクミは とっても嬉しそうで テンションが あがり過ぎてるのが わかりすぎる(笑)


私達のテーブルにばかり

くっついてるもんだから


とうとう 社長に
「皿 洗えっ!!」と
怒鳴られてる(笑)




「カウンターに来て(泣)」




笑いながら

みんなで 席を立った。




No.83 11/11/11 22:39
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 82

「いらっしゃいませ~」

ふだんは 私達が言うセリフを

彼らから聞くのは


なんとなく不思議な気分。




ガヤガヤと
学生の集団らしき グループ。


いたって 普通のスナック風。

タクミの店は 客層が若い。


ただ こんな時間だから

ほとんど みんな 居酒屋などで 出来上がって来てるので
激しく うるさい。



お酒って こわいな…



と ほんとに思う。



自分が 出来上がるまでは(笑)





「楽しそうだね~…」

いやみ半分 口にする。

「リエさんだって スイッチ入ったら 誰よりも 楽しそうっしょ(笑)いつも(笑)」

「うるさいよ タクミは(笑)」

「この間の ゲロに つき合わされたのには 私も まいったすけどね…」


忘れてくれ。優ちゃん。


「先に酔った方の 勝ちだからな… タクミ!
カルアちょうだい!!」


社長が 笑いながら

「じゃあ リエちゃんは
日本酒いくかい?」


と あおって来た。



「ちょっと 社長!

やめてくださいよ~!
今日 私しかいないんすからね! ゲロ処理班!!」


「今日は 大丈夫!!」



頭の中が

すでに よっちゃんで いっぱいになってた私は どうしても…


早く酔いたくて…



社長の出してくれた

綺麗な 大吟醸を



飲みはじめてしまった。



  • << 85 楽しくなって来た… かなり 楽しくなって来てしまった… 「タクミも 行こうね~ ♪♪♪ よっちゃんとこ(笑)(笑)」 「あたりまえじゃないか! 優さんも行くんだよね!?」 「私は 別に 行かなくったって い~んすけどね(笑)(笑)」 「ちょ~っと優ちゃ~ん(泣)」 カラン カラン… と 入口の開く音。 「いらっしゃいませ~」 つられて見ると 女性ひとり。 かなり年配の 身なりはラフだが 水商売の人なのは わかる。 あたりまえのように カウンターに 座った。 「お疲れさま…」 社長が 何も聞かず 彼女の前に 水割りを置いた。 「誰?この人」 お~っと 今日も 声がデカいぞ 優ちゃん! 女性が チラっと こちらを見る… とりあえず 目を そらしておいた。 ってか 今の私には そんな事 どうでもいいんだ!! 「いいから(笑)!優ちゃん! 一緒行こっ 行ってよ~ 頼むよ~(泣)(泣)!」 「言ってるうちに スイッチ入ってるし(笑)」 「タクミは いちいち うるさいっ(怒)(怒)!」 みんなで 笑う。 「私 こういうコ 大っ嫌い」 カウンターの女性が 間違いなく そう言った。

No.84 11/11/11 22:53
クロス ( ♀ gAVFh )



【お詫び】


No.82の

「最新から 2人って…」



「最初から…」


の 間違いですm(_ _)m💦

またまた

やってしまいました😭💦


お詫びして

訂正いたします😭😭😭…


No.85 11/11/11 23:26
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 83 「いらっしゃいませ~」 ふだんは 私達が言うセリフを 彼らから聞くのは なんとなく不思議な気分。 ガヤガヤと 学生の…

楽しくなって来た…



かなり

楽しくなって来てしまった…



「タクミも 行こうね~ ♪♪♪

よっちゃんとこ(笑)(笑)」


「あたりまえじゃないか!

優さんも行くんだよね!?」

「私は 別に 行かなくったって い~んすけどね(笑)(笑)」



「ちょ~っと優ちゃ~ん(泣)」



カラン カラン…

と 入口の開く音。



「いらっしゃいませ~」


つられて見ると

女性ひとり。

かなり年配の


身なりはラフだが
水商売の人なのは わかる。



あたりまえのように

カウンターに 座った。


「お疲れさま…」


社長が 何も聞かず

彼女の前に 水割りを置いた。




「誰?この人」

お~っと 今日も
声がデカいぞ 優ちゃん!


女性が チラっと

こちらを見る…



とりあえず

目を そらしておいた。


ってか

今の私には そんな事
どうでもいいんだ!!


「いいから(笑)!優ちゃん!

一緒行こっ 行ってよ~
頼むよ~(泣)(泣)!」



「言ってるうちに

スイッチ入ってるし(笑)」

「タクミは いちいち
うるさいっ(怒)(怒)!」

みんなで 笑う。






「私

こういうコ 大っ嫌い」





カウンターの女性が

間違いなく そう言った。



No.86 11/11/12 00:09
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 85

…?



「私 あんたみたいな女

大っ嫌い」




彼女は 立ち上がり

私に向けて そう言った。





…ナニ?





「ママ…」

社長が 慌てている。




ツカツカと 近づいて来ると

「チャラチャラして…

若いしか取り柄ないくせに…」



現実とは思えなくて

私は かたまってしまった…





「バカっぽくて 女まる出し(笑) 男に 媚び売るしか 能のないような女だね…」




日本酒を


飲んでいなければ




笑ってただろう。









「あんた 誰?」



クスっと笑う。




「リエちゃん」

社長が 奥から出てくる。




学生のグループが

興味津々で こちらを見ている




優ちゃんは

緊張しすぎたのか…



笑いを こらえていた。







「突然 今会った人間に
そんな事言われる おぼえは
ありませんよ…」


「けっこう まともに
喋れるんじゃない(笑)」


「もうすぐ
36ですから(笑)」


「…へ?」

女が まのぬけた顔になる。


「子供もいます。

旦那は いませんが(笑)」




「… そうなの?」


社長を見る。



「このコ達 昼間仕事してるコ達だよ ママ…

俺が 車
買い付けに行く会社のコ達」



No.87 11/11/12 02:34
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 86

「これも 食べてみて♪」

「んっ… おいしい~♪」


「でしょう(笑)?

こっちも食べな!
ホラ あんたもっ!(笑)」








カウンターには

タッパーに入った
牛タンの味噌漬けやら
煮つけが ひろげられている…




スナック『マリ』のママ
陽子さん(なんでだよ)の 手づくり料理オンパレード。






「あんた 苦労してんだね…」

突然の てのひら返しと

「気に入った!!」

の 言葉を残し


陽子さんは 自分の店に戻ると

お弁当みたいに タッパーを持って また ここへ やって来た…




「変わり者なんだよ(笑)」

いない間に タクミが笑う。



優ちゃんは ぶーっ!!っと

やっと吹き出した。


「久しぶりに キレたリエさん見られるかと思ったのに(笑)」



T君がらみでは

優ちゃんの前で
よくキレてたもんな(笑)私…



「社長の店で トラブル起こすほど 子供じゃないよ 私…」


「助かったよ(笑)」


社長は 心底ホっとしていた。




本当は

横っ面のひとつも
張り倒してやりたかった。


あまりにも…


的を射ていたから。












私は クズだもの。




男や 人生

まるごと なめてる



ただの 卑怯な








バカ女だから…




No.88 11/11/12 03:35
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 87

ほら…


また こんなにドキドキしてる



この バカ女。






店に 入った瞬間

「リエっち~!」


って

よっちゃんが抱きついて来た。



「ちょ、ちょっと よっちゃん…

この間の彼女 いないよね?」


「気にしなくっていいよ

あんなの…」



冷たいよっちゃんに

ちょっと ビックリした。



「リエっち💖チュウは?」


「んっ…」





「すいません!


ボクらも いるんですが!!」







(笑)よっちゃんの店は

今日も 音楽がうるさい。



「ビールで いいの(笑)?」

「うん♪」


「タクミと 優ちゃんは?」

「梅酒~♪」

声が そろう。


「あら 仲良し(笑)

ちょっと 待ってね(笑)」



大きなB系の よっちゃんの後ろ姿を 目で追いかけながら

私は 自問する。



『好き? …かな?』



「好きかも…」

ビックリしたっ
優ちゃんの声だ。



「あれ?💦 タクミは?」


「トイレっす…」

なんとなく

目が 潤んでいる。




「もしかして チュウした?」

「ベロチュウ」


そこまで 聞いてない。





この

2人の馬鹿母の想い。





酒のせいなのか…




夜の街の せいなのか…




No.89 11/11/12 04:31
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 88

みんなで 昼間遊ぼうよ!





… っていう私の提案は

『中学生じゃねんだから』



と 秒殺。





「ラジコン 貸せよ!」



と 話しに割って入って来た


郷田タカシもろともだ…





いい アイデアだと思ったのに…






「2人で遊ぼ」


耳元で 囁かれる。











ゾクゾクした。


やっぱり 病気だ私。





さっきから

Hな想像ばかりしてる。


性欲が 強いのかな…






この時間まで 開いてる店は 少ないから そこそこの混雑。


よっちゃんとは この間みたいに ゆっくり一緒には いられなかった…


それが よけいに

まだ 疑問だった想いに


拍車をかけて しまったのかな…




他の女の子と笑ってると…



おもしろくない。




もちろん

泣いたりしないけど(笑)



これも 夜の魔法。





優ちゃんも 魔法にかかって

タクミと ベッタリ。






「お待たせ(笑)」

よっちゃんの笑顔が
キラキラ まぶしい。


キスされたら

ムズムズして
とろけそうになった。




好き…


よっちゃんが




好き。
















「リサイタル始めるぞ~!!」




郷田タカシが

ヤケクソで 叫んだ。




No.90 11/11/12 17:04
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 89

「奥さん…


ヤキモチや…


きでしょ…」





後ろから

座っている私のうなじに


舌を這わせる男に

私は聞く…



興奮するために





黙ったまま

私の身体を 自分に向ける




深く


沈んでゆくと


「おまえがいい…」




と 吐く息とともに


もらす





私は 強く彼にしがみつくと

激しく 腰を上下させる




あんたも 私も馬鹿だと





その恍惚とした顔を


冷ややかな目で 見つめながら…










「おまえ

なんで老けないの?」


煙りのあがるタバコを

私に渡しながら



雄太が聞く。





若いコと寝てるからじゃない?




それは…




言わない。





「俺は

日に日にボロボロだ(笑)」


本当に そう思う。




「奥さん若いから(笑)

疲れんじゃないの(笑)」


「あいつ 淡泊だし

俺も する気ないし…」






… そうなの?





煙りを吐き出し


雄太に渡す。




「もう 俺

ふつうに 物投げつけたり


殴ったりするしね(笑)」






ご愁傷様。



ざまあみろ。








手放して


よかったと 少し思えた。





あんなに 激しい恋も




5年も経てば



そんなもの…




No.91 11/11/12 17:52
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 90

後味わるいな…




あたりまえか。






私を今

幸せにしてくれるのは


やっぱり はる君だけかな…





よっちゃんへの気持ちは

なぜか いつも

酔いとともに 冷める。




だけど


約束しちゃった。




バカ女…











「やっちゃったっす!!」






いたいた。 ここにも…

元気なバカ友(笑)





「いつっ!?」

「昨日 深夜無名!」


未明だろ。




まるで 私と真逆な優ちゃんは

どこへでも自由に
車で 走りまわれる。


運転するのが好き。

ほんと うらやましい…




弘樹とも

ホテルの駐車場で
待ち合わせたりする(笑)


行く時はいいけど

帰る時 別々の車に乗るって



虚しくないのかな…



どうしても 私には
その光景が


笑えちゃうんだけど(笑)




「ちょっと…

フワフワしてたっすねタクミ」

「たしかに
ちょっと 太ったよね(笑)」


「だけど やっぱ

若いのは いっすね~(笑)」

「… だよね~(笑)(笑)」



「でもねリエさん… 」




…ん?



「店に居るタクミが 好き…

なのかな?私…」






「見た目が…」




わかってるじゃん 優ちゃん。





「あの
胸まで はだけたシャツと…」



うんうん。







「無差別ヘア」
















無造作だな。優ちゃん。



No.92 11/11/12 19:21
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 91

明日 晴れたら


あの海へ 行こう…





「もうすぐ 夏が来るね…」

「リエっち 夏好き?」


「大好き~♪」




よっちゃんの車は

白のサーフ。


助手席が 心地いい。




「俺 汗かくから やだ」

「汗かき? よっちゃん」

「うん」












また


変な想像してる。




「どこ行きたい?リエっち」


ドキ。


「海が見たい!」


「オッケ♪」






大好きな海…



この時 私は




自分の未来も


壊滅状態になる この海も町も




知らずに

はしゃいでいたんだね。








「気持ちい~い…」



波の音を 聞いていると

心が 飛び立つ。





湿った 海風を感じると


泣きたくなる。




それは 間違いなく


T君との

綺麗な 思い出…





にぎわう海岸。


ビールに フランクフルト…



浮輪


笑い声




ジリジリの太陽






彼の



妹。








「リエっち…」


浜辺を見下ろす

小高い急斜面の てっぺん。


並んで 腰をおろす私達…




「ん?」


「泣いてんのかと思った…」

「どして(笑)?」


「悲しい顔してたから」



微笑んだまま


キスをした。






誰もいない


海で…




No.93 11/11/12 20:56
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 92

彼女は いつも


男を はべらせていた。




多い時は 5人くらいと

難無く つき合っていた。



もちろん

それが可能な美貌。



T君の妹 ミアちゃんは

私の理想の女の子。


小さくて ととのった顔

小さな身体に 大きな胸。


健康的な 肌色。




T君が 色白で華奢な身体を好んだのは この妹の身体への嫌悪が あったからかもしれない…



だけど

すごく仲のいい 兄妹だった。


本編には あえて絡ませなかったけれど 旅行 お出かけ

チャオに出会った日も


彼女は いつも一緒だった。




ミアちゃんは


仔犬のように

私になつき過ぎた…





根の深い部分が

私と 同じだった彼女。


どんなに

男と遊びまわっても
寂しさは 消えず


私と彼女は いつも

笑いながら 泣いていた…



必然的に

私がT君を


本気で愛してはいないことも



ミアちゃんは 知っていた。






『ミア また昨日

下着脱いで 玄関で寝てた…』


そんな電話が よく来た。


記憶がない



と 彼女は言う。




明るすぎる性格の


裏の闇。





あまりにも 自分に似た彼女は




『彼の妹』から




『分身』へと



変わりつつあった。




No.94 11/11/12 21:46
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 93

あの T君を刺した女が

訪ねて来た日。



あの日も あの女は


私とミアちゃんの仲の良さに

愕然としていた。




綺麗な兄妹は

私に あの女の容姿の醜さを
笑い話しで 何度も聞かせる。



あの女は

T君ばかりでなく


妹にも 裏切られていたんだ…





ミアちゃんには その時

軸で つき合っていた
同僚の彼氏がいた。


旅行や 外で飲む時は

ほとんどが 彼と一緒。


名前を呼ばず

モジモジばかりしてるから


『もじお』って呼んでた。



ミアちゃんも もっちゃんも

摩耶にも
とても良くしてくれた。


イベントごとに


私には 花束を

摩耶には 高いプレゼントを

必ずくれる。



出かけた先でも

私に 絶対お金を使わせない…



若い彼女の

あの情の深さは
なんだったんだろう。



私達親子を守ろうと

T君以上の 必死さが見えた。





バカみたいに お酒を飲んで

バカみたいに はしゃいで


バカみたいに 泣いて




私達は

毎日が楽しかった。





だけど

そんな状況を


T君が おもしろいわけない。





彼は しだいに


ミアちゃんを



私から 離しはじめたんだ…




No.95 11/11/12 22:22
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 94

悔しいが 頭のいい あの男は


用意周到 罠をしかけて来る。





ある日の夜
私は 家へと歩きながら

実家へ帰っていたT君に
電話をかけた。



「出てって…」


そして そう言った。



『どうしたの!? なんで急に そんな事言うの!?』


「あんたみたいな男

私は いらない…


荷物は実家に送る。

2度と私の前にツラ出すな!」




そう言って 電話を切った。





彼にしてみれば


計画通りの結果。





アツくなってる私には

何も わかってはいない…






寒い夜だったけれど

身体中が 熱かった…




今しがた


ミアちゃんに怒鳴った自分が

まだ 信じられないでいた。




いつも 穏やかな私


男以外には

決して怒らない私



そんな私しか知らない 彼女達には きっと一生 忘れられない出来事なんだろう…



現に その場に居合わせた 優ちゃんが 今でも言うくらい(笑)


女相手に 本気でキレてる私を見たのは あの時が 最初で最後だろう…


って。







はじまりは

ここんとこ 音沙汰のなかったミアちゃんが 突然 家を訪ねて来たこと。



新しい彼と 2人で…



No.96 11/11/12 23:00
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 95

「リエちゃ~ん♪♪♪

いる~???♪♪♪」


玄関の扉を叩く音



ミアちゃんだ。

こりゃ かなり酔ってる…



開けたとたん

ドサっと 倒れこんで来た。


「ちょっとミアちゃん💦

大丈夫???💦」



「へっへ~(笑)

だいじょぶ だいじょぶ♪」


「こんばんはっ!」


「うわっ ビックリした…」



突然 男が飛び出した。

「彼?」

「友達だよ こんなの(笑)」


「ひっで~(笑)(笑)」


軽そうな男だな…




「とりあえず 入りな💦」


「飲み行こ!リエちゃん!」

「こんなに飲んでんのに!?」


「ミア お腹空いたんだもん!

あ…摩耶ちゃんは?」


「まだ 迎えに行ってな…」

「じゃあ 少しだけ!
この間 優ちゃんと飲んだ あの居酒屋でいいから…ねっ!」




私は おしに弱い。



そう言えば 優ちゃん今日
あそこで 同級会って
言ってたよな…


乱入も 楽しそうだな。




「よしっ! 行こか(笑)!」



「やったぁ(笑)!」


と言ってから ミアちゃんは
私に 耳打ちした。



「リエちゃん お兄ちゃんの彼女だって こいつに言ってないからね… 身内に会わせたと 思われたくないから(笑) 先輩って事で(笑)…」


「了解(笑)」




いつものことだ…


特別な思いもなく




私は了承した。



No.97 11/11/13 01:02
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 96

「感じわり~(笑)」


って 初めて言われた。


ミアちゃんの自称彼に。

今じゃ あたりまえに使うけど
初めて聞いた時は
『そんな事 人に言われた事ない』って ズキンとなる程 衝撃だった…


笑ってる軽そうな男の顔 見て

あ…


若者言葉なのか…


と やっと理解した。



まったくもって よく喋る。

この男…


今まで 見たことない人種。

ミアちゃんの男には


相応しくない。





「ありゃ!ミアさんだ!
こんばんは(笑)」

「優ちゃ~ん(笑)
こんばんは~(笑)♪」


ハグ。


「また かなり酔ってるっすね(笑) ミアさんは…」

棒立ちのまま 優ちゃんが
私に 目でうったえる。



「優ちゃんは
まだ酔ってないんだね(笑)」

「なんか ここだと こき使われて さっぱり酔えねっす(泣)」



2階からは 大騒ぎする
優ちゃん同級生達の声…

「あとで 乱入しに行く♪」

「待ってます…

けど

その前に ミアさん
ほどいてください リエさん」



くっついたままだった。



「あれ? そう言えばTさ…」

「しっ」


と ミアちゃんが
優ちゃんの 耳元で言う

事情を 説明してるんだろう。











「ミアさん感じるっす」





昔から バカである。



No.98 11/11/13 01:55
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 97

焼鳥を クチャクチャと
食べながら

「ミアは 本当に
友達多いよね(笑)」

って 男が笑う。


飲みに行った先々でも

ミアちゃんは
スグに友達をつくる。


ただ…

女友達とは 長続きしない。


酔いがさめると 頑ななミアちゃんの性格は 理解されづらいのかもしれないな…



「長続きしないけどね(笑)」

可愛い顔に似合わず
豪快に ビールを飲むと
ミアちゃんは そう言った。


自分で知ってるから…

よけいに辛い。




「だけど リエちゃんとは

ず~っと仲良しだもんね♪」

「ね~っ♪♪♪」










これが…



彼女の笑顔を見た









最後だ。








疎外感を感じたのか

男が言う。



「だけど最近

美咲と仲いいじゃんミア」


ミサキ?

初めて聞く名前。




顔をあげると

ミアちゃんの笑顔が



消えていた。





「… 誰 それ」


「何言ってんの(笑)?
ミア! 美咲だよ 美咲!
そこまで酔ってんのか!?」



「 … 」




「ミアの 兄ちゃん大好きな
ミ・サ・キ!!

よく4人で飲むじゃん!」















「ふざけんなよ…」




私は 静かにそう言うと



席を立った。




No.99 11/11/13 03:57
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 98

久しぶりに感じた

自分の逆上を





おさえる事が出来なかった。




私は 立ち上がると

そのまま
2階へと階段をのぼる。



『財布持たないで』と大騒ぎされて ほんとに手ぶら…




突然あらわれた私に

優ちゃんの同級生達から
歓声が あがる。


ほぼ 顔見知りだ。



無理矢理 笑顔をつくる。

「飲んでるかい(笑)?
若者たち(笑)」



「座って飲んで!」

優ちゃんが ひっぱる。


やばい…


涙が出てきた。


「わるい 優ちゃん…

私 帰るんだわ…」

「え…?」


「ミアさんは?」



「…知らね。

悪いけど優ちゃん
2千円貸してっ」


「ど、ど、どしたんすか?」


「明日 返すから…」

「それは いいすけど
なんで…」



私の ただならぬ様子に

優ちゃんが ついて来る。




私は そのお金を

入口付近に 呆然と立ち尽くしている ミアちゃんの手に握らせると 店を出た。



3人が 後を追って来る。



「どうしたんすか!?
ミアさん!」

「わかんない! なんか誤解してる リエちゃん!!」


私は ピタっと立ち止まると
振り向いた。





「誤解…?


どう誤解してんのか
言ってみろよ!!!」




No.100 11/11/13 04:35
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 99

黙り込む 彼女…


「言えねぇだろ?

(笑)さっき はっきり言ったもんな! その男が!!」


「え!? 俺!?」


まさに

鳩が 豆鉄砲くらった顔



ミアちゃんが

男の頬を ひっぱたく。


「あんたが
よけいな事言うから!!」
泣き叫ぶ…



「いって…

なんだよ よけいな事って 」



「そういうの

逆恨みって言うんだよ(笑)」



私は また店を背にして
歩き出す。



ミアちゃんと 優ちゃんだけが
ついて来る。


「とにかく 落ち着いて!
リエさん!」


「優ちゃん 優ちゃん…」


優ちゃんにしがみつき
泣き出す 彼女。




優ちゃんに 迷惑は

かけられない…



「1番 許せない事されたんだ

私…」




旧道沿いの舗道。


車は ほとんど通らない…




「私 してない…」

ガクガクと震えながら
ミアちゃんが 小さな声を出す



「私が 何を嫌ってんのか てめぇが 1番よく知ってたんじゃねぇのかよっ!?!?」








雄太に 裏切られた傷。

自分だけが知らなかった状況。



騙される事への

吐き気がする程の嫌悪。




いつも

いつも 話しては


2人で 泣いていたよね…




ミアちゃん…



No.101 11/11/13 17:14
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 100

「お兄ちゃんのことなんか

好きじゃないくせに!!」



彼女が 叫ぶ。





「ぜっんぜん関係ねぇ」


私は 笑い出す。

「今 そんな事は
まったく関係ない…」





涙で濡れた 彼女の瞳が

真っすぐ こちらを

向いている。



憎い…








美しい兄妹に

執着しすぎた


あの



醜い女と 自分がかさなる…





「てめぇらが 私を騙した…


事実は それだけだ!!」





立っていられず

優ちゃんに
抱きかかえられたまま

ミアちゃんが言う


「リエちゃんは

誰のことも好きじゃない…


ミアに リエちゃんから電話をくれたこと ある?
ないよね?
いつも いつも ミアから…



1度だって
ないじゃない!!


ミア 寂しかったんだよ!

お兄ちゃんも… 」


「寂しけりゃ

人 騙していいのか!?」










「てめぇの胸に

聞いてみろ!!!」












私は 優ちゃんに

「ごめん」と言った。



さすがの優ちゃんも

「ミアさんは
私連れて帰りますから…

リエさんは行って」

と 震えていた。








歩き出しても…


夜風が冷たくても…




わきあがる怒りが消えない。





いつまでも 耳につく

彼女の泣き声が嫌で





私は T君に


電話を かけた…




No.102 11/11/13 18:25
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 101

あの日

あの口の軽い男と



私の家へ行くように
仕向けたのは T君…



美咲とやらを あの男と 一緒に会わせろと ミアちゃんに しつこく頼んだのも T君…







かなりの時間が経った頃

もっちゃんから


聞いた話し。



『ミアが

ずっとおかしいから

聞いたんだ…』

と言って。








だけど私は


『ミアが 無理矢理 会ってくれって言うから 2・3度 会っただけだよ』


という言葉と


『俺が 愛してるのは

リエだけだ』


という T君の言葉に


すでに

2度 騙されていた…。








やはり 男を信じてしまう

浅はかな女。




そんな 私も


彼はすべて



お見通し…







『分身』は

私の生活から 消えた。







何年か後に

摩耶と 優ちゃんに言われた。


私達の仲のよさが

異常に見えていたこと…


嫉妬していたこと…












海を見るたび


思い出す 彼女の存在。




T君との関係が
めちゃくちゃな 今…


永久に さようなら



だね。











「砂浜とか 走る!?」


「そういうの いいや(笑)」


大きな 笑い声が




潮風に



さらわれてゆく…




No.103 11/11/13 19:18
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 102

「あんま食べないんだね(笑)

よっちゃん(笑)」


熱いドリアを

フゥフゥと冷ましながら

上目づかいで聞く。




「…バカだね キミは」

「なんでよ(笑)」


「緊張してるんじゃないか…」



大声で笑った。

「笑うとこじゃね~し…」


「だって 意外(笑)」

「っつか リエっちは
緊張とか ないわけ?」


「おばさんだからね(笑)」



どうしてか

私は 本当に素でいられた。


よっちゃんには

隠し事が 何もない。

飾らなくて すむ。




夜の街は アウェーでも


ファミレスは

ホームだし(笑)






「おばさんには 見えないけど

俺は 絶対 飲み屋の姉ちゃんの 同伴だと思われてるな…」



「どっちかってったら

私が 同伴なんだけど(笑)」



「ちがうから~(怒)」

「こわいよ(笑)」





ただ…


つかめない。

彼の本心。



本当に ただの

営業なのかもしれないし…




「本気…


だからね リエっち俺」

「…

本気と言いますと(笑)?」




「本気で 好き」







「(笑)ありがとう。」





私も好き…



は 言えない。








寝てみないと


ワカンナイから…




No.104 11/11/13 20:56
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 103

よっちゃんの家は…


綺麗なマンションだった。



勝手に 汚いアパートを想像してた私は 面食らった。



しかも 広い。



「お邪魔し…」

感想を言う間もなく


唇は ふさがれた。





「リエっち…」

荒い息とともに

すぐに胸に 手がのびてくる…



「ちょ…

よっちゃん ちょっと たんま」


私は スルリと身をかわすと

「1回 落ち着こうよ」

と コンビニの袋から 缶ビールを取り出し 目の前にかざす




情けないけど…




シラフじゃ無理。






「したいんだけど(泣)」

「あ~ そう

よっちゃんは 結局 私の身体目当てだったわけね(笑)」


「ちが!…」

「わない(笑)?」


とか言いながら

かなり 焦っていた。



ムリ ムリ ムリ…

なぜか 私は部屋の豪華さに
尻込みしていた。



薄汚れたアパートなら

玄関で 押し倒されたまま


合体してしまってただろう…




「俺 別に
酒好きじゃないんだよね…」

ぶつぶつ言う よっちゃんを尻目に 勝手に 豪華なソファーに座ると 缶ビールの プルタブを ひいて 私は1人

「乾杯」

と 飲みはじめる。



「おいおいおい(笑)」







早く 酔え

私…





No.105 11/11/13 21:34
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 104

サキイカは…


まずかったな。



さっきから キスが

サキイカの匂いしかしない…




ただ おかげでビールが すすんだので 激しく酔っぱらう事には 成功していた。






「よっ…ちゃん

シャワーとか… しないの?」


「このままでいい…」



私の胸にうずまる

くぐもった 彼の声…




先端を口に含まれた時

なぜか 私の頭の中には


あおいちゃんがいた。




「あ…




…よっちゃん」



「好きだ…

リエっち


好き… だ」



首すじに 舌を這わせる
彼の興奮が


身体をジワジワとくねらせる。



「やっぱり

いやらしいな…


リエっち…」



「や… めて…」




私は


言葉にも



すごい 興奮する…





気づいた よっちゃんは


「どうして ほしいの?」


と ニヤニヤしながら

耳元に熱い息を かける…



「やだ…」

身体がビクンとそる。

「…やだ じゃなくて」



「… お願い」


自分の声に

濡れてゆく…




「可愛い…


リエっち…!」




よっちゃんの息が

ますます荒くなりはじめると












軽快なメロディーが

鳴り出した。




No.106 11/11/13 22:44
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 105

「なんだよ…」




大きな よっちゃんが

テーブルの上の携帯に
手を のばす。



やたらと 小気味のいい
そのリズムは鳴りやまない。






「出ないの?」



私に 体重をかけぬよう

片方の腕は
突っ張ったままだ…



「もしも~し」


下から 声をかけた。




「…え? いいよ今は」



鳴りつづけたままの携帯を

テーブルに戻す。







誰?


…って 聞くべきかな。





そんな事を考えてたら



萎えた。






「今日は ここまで~(笑)」


「ええ~~っ!?」



「続きは またの

お楽しみにしよう(笑)」


「そういうの あり(泣)?」

「あり(笑)」



笑いながら 手早く服を着る。

急に 恥ずかしくなって来た…





「今日は ごちそうさま(笑)」


「帰んの!?展開 早っ!」




名残惜しく…


させたかった。





きっと さっきの電話が


女であることに

間違いはないだろうから…






よっちゃんは 可愛いけど

たぶん


好きではないんだな。







ガクっと肩をおとす
よっちゃんを 揺さぶり

「早く 送ってよ~(笑)」

なんて ふざけてたら







リビングの扉が開いた。



No.107 11/11/13 23:28
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 106

「え~~~っ!?!?」

「ビックリするよね…」



「少し ちびったっす」

「だよね…」



「何が?」

「うぉ~~~~!!」




Oは いつも

気配なく あらわれる。



「あんた 足音たてなよ(怒)」


会社の構内。

車の列の間を
縫って歩きながらする仕事。

絶好の お喋りタイム。
(いつでもだろ…)







あの時も


頑丈なマンションの造りのせいで 扉が開くまで なんの気配もしなかったんだ…






目を


疑った。





「何やってんの?」


小さな赤ちゃんを抱いた

その女性が言った。




顔面蒼白のまま

「おかえり」


と よっちゃんが言う。






本当に


ちびるかと思った。




「…お邪魔してます」



適切か?


とっちらかる。




心の中で

途中でやめた自分に
賛辞を 送る。




どう考えても 間違いない…


結婚してるんじゃん。

よっちゃん。






「早くない?

おまえまだ 帰んないって
昨日…」


「さっき 電話したじゃん!」

「あんな ギリギリ…」

「何が ギリギリなのよ!!」


赤ちゃんが 泣き出す。










ドラマみたいな展開を

私は どう
優ちゃんに伝えようか なんて




不謹慎にも考えていた。



No.108 11/11/14 01:58
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 107

「あんた誰!?」

赤ちゃんの泣き声とともに
女性の…


いや
よっちゃんの奥さんの声は
大きくなる。




突然の こっち側。

いや待て


私だって 知らなかったんだ…




ここは

よっちゃんに まかせよう。



「今 帰るとこだったんだよ」

答えになってない…




「…送って来る」


「逃げんの!?」



奥さんにしてみたら…


青天のへきれきだろう。



「毎回 毎回 あんたは…!」





…は?







常習か。







「知らなかったんでしょ?」


私に聞いている。




コクンとだけ

うなずいた。






ここは


傷心している

女の子を 演じよう…











「ごめんなさいね…」











涙が


流れた。




演技じゃない

ほんものの











どう見たって

私より10は若い この人は




私より


はるかに 大人。






腕の中にいる この天使は


なんて 幸運なのだろう…






よっちゃんも




なんて


幸せなんだろう。







よっちゃんが


どちらへともなく





「ごめん…」




と つぶやいた。




No.109 11/11/14 02:57
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 108

私が 雄太に言った


『彼女

幸せにしてあげて』


とは


まるで種類の違う言葉。




『ごめんなさいね』







よっちゃんは きっと


そんな深い 奥さんの言葉に


懲りることなく

同じ事を 繰り返すのだろう…




『ごめんなさいね』


と言った あの人も




それを 知ってる。




私は きっと

後 何十年生きても



そんな立派な女には

なれそうもない





プライドで放った

私の 夫への言葉より




彼女の

妻としての言葉は




果てしなく


尊い。








「リエっち…」



泣いている私を

ショックからだと
勘違いしている よっちゃんは


帰りの車の中

バツ悪そうに 口を開く





「ごめんね」


「奥さんに ちゃんと

あやまってあげて…」



私なら

女を送ってゆくのを


黙認できるだろうか…



無理だ。




「あいつ 別に 俺のことなんか 好きじゃないんだよ…」


「え?」


「あのマンションだって
あいつの親が買ったもんだし…


俺なんか

飼い犬ぐらいにしか
思ってねんじゃね(笑)?」







余裕


だったのか…







真実は

どこかに あるのだろうが






確かめようとは




思えなかった。




No.110 11/11/14 05:06
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 109

「しかし よく そんな冷静で いられたっすよね…」


今日は
ハンペンと大根の煮物。

「愛ママ これ美味しい💖」

「いっぱいあるから
いっぱい 食べな(笑)!」


摩耶は 優ちゃんの
この煮物が 大好物。

ほんとに 美味しい…


「この間 弘樹に出したら

『虫歯になる』って
言われたんすけどね(怒)」


「そこそこ出来るからね(笑)

うるさいんだ? 弘樹」

「そんな事は
ど~だっていんすけど」


おまえが言い出したんだろ。



「私だったら…


絶対 笑っちゃったっすよ!」


それも どうかと…



「なんとなくね…

あのマンション見た時 予感めいたものは あったのかな…」


「なるほど…」

「それと…


よっちゃんのこと

そんな好きじゃないから…


かな」


「う~ん…

でも ムカつくっすね(怒)
タクミ知ってたのかな」

「もちろん
知ってるでしょう(笑)」

「友達って 隠すんだ?
そういう事…」


「…だろうね」


と 言いながら

しまった!と思った。




難しい顔になる 優ちゃん…






「リエさんの車も 知ってるしな~…はる君さんは車ね~し」



優ちゃん 何を…






「弘樹 尾行するっすよ!」








私も~~~???




No.111 11/11/14 14:33
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 110

「リ…ミェさん…」


ぎゃははは!っと
はる君が 笑う。

「なんすか?」


「優ちゃんって おもしろいね(笑) 生まれ こっち?」


「日本っす」



知ってるよ…



「ダメだ(爆笑)ルミ…

俺 運転出来ない…
おかしくって(笑)(笑)」






結局…

優ちゃんの2番目のお姉ちゃんの車を借りて、運転は はる君


という案で まとまった

【弘樹 尾行大作戦】





「優ちゃん(笑) そういう意味じゃなくってね💦💦

…『ルミ』って たしかに
言いづらいよねっ(笑)💦」



私は 後部座席で 並んでる優ちゃんに 両手を合わせ詫びる。


はる君に 見えないように…



「なまってるって事っすね!

よく言われるっす。


イントローションも違うって」



そもそも それが違う。




「腹いたい(爆笑)ルミ…」



「うんこすか?はる君さん!

今のうち 済ませて下さいよ!


もう少ししたら
真剣勝負すからねっ!

うんこしてる暇ないっすよ…」



うんこ うんこ うるさいよ。




だけど…




はる君 とっても嬉しそう。










現場まわりが仕事の 弘樹は よく 優ちゃんに場所を報告して遊びに来させたりするのだ。



ある土曜日。




【弘樹 尾行大作戦】の

幕は あがった…




No.112 11/11/14 16:35
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 111

この 弘樹の今日の現場…


はる君ちの
けっこう近くだった。



私が 小さな頃

暮らしてた 辺り…




建築中のマンション。

弘樹の仕事は その内装。




夕方 少し離れたコンビニで

飲み物を買う。


「経費で おとすすから…」

どっから出るんだよ。



「っつか 優ちゃん
牛乳飲まないよね?」


「アンパンと牛乳…」


はる君が また

腹を抱えて笑い出す。


「張り込みの傑作っす」

鉄則。




コンビニの店員まで
吹き出させる彼女は
ある意味 天才だ。







ところで この任務には
私にとっても ひじょ~に危険が ともなっている…


私だって

はる君に免許証など
見せたこと… あるわけない。


疑うことを知らない はる君に

よけいな思いを わかせてしまう事になりかねない…





「ところで 優ちゃんは
どうして
弘樹君を そこまで疑うの?」


弘樹の居るマンション並び


眼鏡屋の駐車場に

車をとめた。


カフェオレに ストローを差しながら はる君が聞く…


「それ うんこしたくなるっすよ はる君さん…」



いちいち うるさい。



「あやしいんっすもん」

「なにが(笑)(笑)?」


優ちゃんのキャラ勝ちで
私への飛び火はなさそうだな…


と 少し安心する。




「家 教えねんすよ 私に…」

「へ~… そうなんだ…」






…大丈夫かなぁ(泣)




No.113 11/11/14 17:29
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 112

「来たっす!!!」








「はる君さんは
隠れなくていっす…」



「あ そっか(笑)」

けっこう






可愛い。

チュウしたくなった。



「リュミェさん…

今 変な事考えてるっすね…」


いいよ 今 そういうの。

名前 おぼえてくれよ。





「どの人💦? 優ちゃん!」


「背のちっちゃい… 165くらいの 黒のキャップかぶった 下ジーパンで 靴はいてる奴っす💦💦」


靴は みんな はいてる…



「(笑)見つけた…」

はる君が言う。



「顔出さないで!
リ…ュエミさん💦
目立つんすから!!💦」



まだ少し…

外は 明るかった。




さっき この裏手

陸橋の下に駐車してある
弘樹のオデッセイは
見つけておいた。



「(笑)隊長!どうします?」


「弘樹の車 見えるとこに 移動してくださいっ💦💦」



はる君は 楽しんでるけど

なんだか私は


心臓がバクバクして来た…




いいのかな?


ばれないのかな…?



見たくないもの





見えたり




しないのかな…






「オエッ!!」

「!?どうした優ちゃん!」


「下向いてたら
気持ちワリくなった(泣)」



「(笑)もう暗いから

顔あげて大丈夫だよ2人とも」








弘樹のオデッセイが

走り出した…




No.114 11/11/14 18:12
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 113

「近所までは行ったこと
あるんすよね…」


「あ~ そうなんだ…」



弘樹の車を 見失わないように走る はる君は…



マックスかっこよくって…






犯したくなった。





「また 変なこと

考えてるっすよね…?」


するどい。






「たしかに はる君さん

若干 カッコイイっすよね!」









はる君が ヒーヒー笑う。



「優ちゃん…

あんまり 人ほめる時
『若干』は…
使わないかな(笑)(笑)💦」


むしろ 失礼。





「あ…

ウィンカーあげた…」



コンビニ?


給油か?






「ガソリンスタンドだね…」


ちょうど 隣がコンビニ。

はる君は

コンビニの駐車場に
車を入れた。



「はる君さん

慣れてるっすね…」


「俺 探偵やってたから…」


「マジすか!?!?」

「嘘だよ(笑)」



「ちっ…」


どんだけ悔しい。




「わーっ!!」

なにっ!?と
はる君と2人で 驚く。


「携帯鳴ってるっす…」

バイブか。



「弘樹っす!💦💦💦」



携帯を放る。



いやいやいや…

大丈夫だし(笑)



私は 足元に落ちた携帯を 拾うと 優ちゃんに渡した。





「見えてないんだから

大丈夫(笑)」


と 笑いながら…




No.115 11/11/14 19:26
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 114

優ちゃんは 私達に

「しーっ」と言うと


「もしもし」


と とても堅苦しく言った(笑)




「ううん…

実家…」


やばい。

鼻の穴が膨らんで来た。



「弘樹 どこに居んの?」



今にも 吹き出しそうだ…



「あ~そう…

帰りなん… だ…」


私の 太ももをつねって来る!


「いっ…!」


なんで 私のだよ(泣)




私は ジェスチャーで

はる君に うったえる。



チョイ チョイ と

はる君が おいでおいでをする


ん?


と顔を近づけると

キスして来た。




優ちゃんが 私の頭を叩く。


「いてっ!」

指で「シッ」



「ちがう
姉ちゃん 姉ちゃん… うん…」



はる君が

声を殺して笑う。




「真っすぐ帰んの?弘樹…」





清算を終えて

走り出す 弘樹の車。




はる君が わざと少し遅れて

発進させる。




「じゃあね… はい…」







通話の終了を確認すると


「ちょーっと!!」

と 2人同時に騒ぎ出す。


「はる君さんも
ドサクサまみれに 何やってくれちゃってんすか(怒)!」


まぎれだ 優ちゃん。




「ムラムラしたんだもん(笑)」




あ~ん(泣)💖








「あいつ
金ないはずなんすけどね…」







お腹いっぱいの オデッセイが

真っすぐ 家へ
帰りますようにと祈りながら







はる君に

見とれていた…




No.116 11/11/14 20:59
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 115

お通夜みたいに…


なってしまった。





はる君の アパート。






「誰… なんすかね…」


「うん…」






住宅街に 車が入って行き

なんとなく
3人ともホっとしていた。


家を突き止めて

任務終了…





の はずが。







弘樹は 玄関の呼び鈴を

押している。




自宅じゃない…






中から出て来たのは

20代なかば程の
優ちゃん達くらいの女性…


そんなに 親しげな様子もない



2言3言 会話すると

何かを手渡した様子…



もちろん 物が何かまで
見えない。





すると

その女性は


しゃがみ込み泣き出した。


弘樹も かがみ

頭を撫でている…





車内が シン… となる。





ほら…


だから 怖かったんだ。





私は 深いため息を ついた。






出会い系サイト





そもそもは 遊び。






日常を 何も知らず

突然 出会う男女。



出会ってから聞く事は

どうとでも飾れる。



私のように…









ほんの 数分だったのだろうが


終わりなどないような

時間に思えた。








「まだ



追いかける?」




はる君が聞く。








「もう… いっす…」




優ちゃんが


力なく 答えた。




No.117 11/11/14 23:19
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 116

「だけど そんなに親しい風でも なかったじゃん(笑)」



はる君が 頑張る…




「そっすよね!」


優ちゃんは 素直だ。



「聞くに 聞けないしね…」



「話してくれると 思う


弘樹…」



信じてるんだな 優ちゃん

弘樹のこと。





はる君の顔見たら


胸が ズキンと鳴った。





「今日は ありがとうございました(笑)はる君さん!」


「ってか 優ちゃん
俺の 1コ上だよね(笑)

敬語じゃなくていーし(笑)」


年令の 話し!?💦



「あは💦あははは💦

そうだよ! 優ちゃんが
うえ💦うえ💦」



「そっか(笑)

でも ルミさんの彼氏だし
Tさん!(笑)……」
ピンポ~ン




そこ 来たか~~!!!











ピンポ~ン






「あっ カツ丼来た!」




… 聞こえてない(泣)

セ~フ(泣)(泣)(泣)




「今日の お礼すから!💦💦」

と あきらかに挙動不審 な 優ちゃんと 揉み合いながら はる君は 玄関に向かった…








隠し事…



バレたら






嘘。





騙されること


誰よりも嫌悪してる自分…






もう…




笑い話しじゃ


すまないよな。



No.118 11/11/15 01:39
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 117

なぜに ここの小学校は

梅雨時期に
運動会があるんだろう…

毎年 思う。





子供会が 小規模なため

必ず この朝のテント張りに
参加しなくてはならない…




「おめ~は まったく

やる気ね~な(笑)」

「あるし(笑)」



同級生。

隣の地区の子供会。


もちろん 雄太の友達。




「シャキっとしろ!
シャキっと!!」

「無駄に 元気だな…」




中学の時は 大嫌いだった

すかしてて 無口で…



雄太と つき合うようになってから すごく仲良くなって

今じゃ 1番の男友達。


飲みに出て 2人きりで帰っても ぜっっったいに間違いの起きない 関係…


とても 心地いい。




「幼なじみは いいなぁ(笑)」

地区の 年配者が冷やかす。


「ほんと こいつ 俺と幼なじみで幸せだと 思いますよ(笑)」


「(笑)図々しい…」








今年は…


Nちゃんママと
ずっと 一緒にいよう。


去年までは
毎年 T君が一緒にいた。


家族みたいな顔して
3人で お弁当食べてた。

幸せ…


だったのかな。







「二日酔いか?」

「なんで?」


「いきが悪い…」

「魚か(笑)」








長い1日に


なりそうだ…




No.119 11/11/15 02:52
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 118

「ま~やぁぁあ!!!

キャアーーー!!!」




また 誰よりも

はしゃいでいる…




今は どこでも禁止だが

あの頃 小学校の運動会は
普通に ビールが飲めた。


あちこちに パラソルの花が咲き 親達の プチビアガーデン…




「楽しいね♪

Nちゃんママ(笑)♪」

「女だけだと

自由で いいですよね(笑)」



本当だ…

去年までは
こんな楽しみ方できなかった。



「しばらく

出番ないですね…」



プログラムを見ながら

Nちゃんママが言う。


「よしっ 飲むか(笑)」

「はい(笑)」



こんな日は

缶チューハイを つき合ってくれる Nちゃんママ。


もちろん 地区のテントへなど 行かない。



プール側の 出店が並ぶスペースとの 出入り口あたりに
2人で陣取っていた。




「うわっ! Eちゃんママ 太りましたね~ っ💦💦」


「ほんとだっ(笑)!」




あれ以来

まったく つき合いはない。




「D君ママも

老けちゃって…」


「若い彼と
別れたんでしょうかね~(笑)」



人間ウォッチングに

余念がない私達が

いい加減 酔っ払った頃




「飲んでるか~い(笑)」




今朝の幼なじみ

ゴッちんが やって来た。




No.120 11/11/15 03:56
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 119

こいつは まったく

できあがると 喋りまくり…


中学時代の あの無口さは
なんだったんだろう。



「ゴッちん(笑)

Nちゃんママ目当てだべ?」


「おめ~目当てだ(笑)」

「気持ちわりぃ…」


「言った俺が 気持ち悪いわ」


みんなで 笑った。





ゴッちんは 今の時代
携帯電話を持たない 希少な人

だから 私は ゴッちんに連絡をとる場合 彼の父親が経営する会社に 電話をかける。

『馬鹿(若)社長いますか?』
って(笑)




奥さんが…


この はるか彼方に小さく
視界に入っているが…



けっこう厳しい人らしいのだ。




幼なじみの集まりで 飲むと

必ず タバコのボックスパッケージを 耳に持って行き


「もしもし…」


という自虐ネタを披露する。



悲しい。




こんなに遠くても

奥さんの視線を感じる。



恐ろしい。




たいした男じゃないのに(笑)





「雄太と連絡とってんのか?」

言いながら

Nちゃんママの隣に座る。



「なに あんた ちょっと(怒)」

「いいですよ(笑)」

「ね~♪(笑)
膝に座ったわけでもね~のに」



こいつは…











「あん時 大変だったよな~」






ゴッちんが言う あの時とは

私と雄太が離婚した直後

4年程前の話し…





No.121 11/11/15 05:11
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 120

雄太の女の存在を知り


深い闇に包まれる直前



幸せだった私達の元には
同級会の案内が 届いていた。






雄太と あの女が
恋におちた あの夜の前日


雄太は 珍しく

ゴッちんの家に 同級会の発起人が集まってるから… と

出かけて行った。


要するに ワル仲間。



私と つき合うようになってからは まったく 友達と遊ぶことは なくなった雄太。




忘れもしない…



男の子が欲しくて

産みわけの本を買い


2人で 身体を調整しながら やっと迎えた 排卵日だったから…

よく覚えてる。




「ちょっと
顔だけ出して来る」

って 出かけたんだ。

「すぐ帰って来るよ(笑)」
って…





それ程

同級会を 楽しみにしていた。





だけど…












大きな会場を借りての

同級会。



参加の有無は 迫る…






みんなの顔が 浮かび



幸せに

笑っていた自分も

浮かび上がる。






無理だ…



こんな気持ちで

同級生達の前で




笑えるわけなんかない…






あんなにも2人で

楽しみにしていた同級会。




私達夫婦の欠席は その当日

様々な憶測をよんでいたこと




あとになって


聞かされた。




No.122 11/11/15 12:51
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 121

離婚して 半年ほど経った頃

あのアパートに別れを告げた。


もぬけの殻になった部屋には

食器棚や 壁にかけられていた絵や写真の後が残る壁紙と

私の想いだけ…。




初めて

この部屋で感じた
陽の光を 思い出す。


少しだけ 希望が見えた

あの日を。







さようなら…


ありがとう。









私は 残っていた 少しの荷物を 自分の車に積み込むと

家賃が 15分の1にも満たない 公営の住宅へと 出発した…



別れへの

強い悲しみを ひきずって。





だから…




車で 5.6分の距離の
今の私の家に着くまで


いや そこで

兄嫁からの 電話を受けるまで


車の屋根に乗っかったままの財布が アパートを出て すぐの道路に落ちて 中身が散乱した事になど まったく気づいては いなかった。




『リエちゃん

お財布ないでしょう(笑)』


「え!?なんで?」

『今 交番から電話が来たよ』

「なになに?」

『拾い集めて 届けてくれた人が います… って(笑)』





ボー… っと

し過ぎていた…




『あっ! それと…

夕べ リエちゃんの同級生って 男の人から電話が来たよ』




?誰だろう…




No.123 11/11/15 13:28
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 122

『鈴木だろ(笑)?』


「よく わかったね(笑)
テツ(笑)」


『ゴッちんから聞いたんだ…

おまえら


離婚したって…』



「へへ(笑)」


『笑ってる場合か(笑)

大丈夫…


なのか?』


「全然 大丈夫(笑)!」




私は あの頃

少しも消沈していなかったので
その通りを答えた。




テツは あの同級会の発起人。



テツ ゴッちん あのピザ屋を経営する アヒル…

そして雄太は

中学からの ワル&バンド仲間




小学生のうちから 私に 猛アタックをしかけて来た雄太に 私がなびかなかったのは


ずっと…


テツが 好きだったから。



雄太も それを知ってる。


6年生の時

「俺は テツに 何も敵わね~」

と 泣かれた。



ませガキ(笑)




『雄太とは… ?

会ってんのか?』


「うん(笑)普通に…」


『なんだよ それ!


酷いこと されたのに…』


「お互いさまだし(笑)」


テツの意図は

なんとなく わかった。




『飯でも食おう!鈴木!』



ほら 来た…





「ゴッちんとか みんなでね」


『うっ… ううん…


そういう事じゃねんだけど…』



口ごもるテツが

可笑しくて






嬉しかった。




No.124 11/11/15 18:05
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 123

「同級会の やり直しして!

テツ(笑)!」


テツの行きつけっていう

小さな 居酒屋。


初めて見る スーツ姿のテツは

すごく 大人に感じた。



「おまえは…

その串から はずしたネギを
俺に 食べさせろ(怒)!」


私は ネギも食べられない(泣)



箸でつまんで

テツの口に 入れた…




「子供か(笑)まったく…」



「だから 同級会!!」



もうすでに 酔いのまわってる私は わがまま放題 言いたい放題だ…



これって

ミアちゃんの影響が



かなり ある。





「うるせ…


ん~… だな… 」


「なんだ それ?」


「雄太も

呼ばなきゃないじゃん」

「当然…」



「おまえ 平気なの!?」

「全然…」




テツは いつでも 私を見る時

優秀な生徒を見つめる
先生になる…



ヤンキー化してゆく私に

『無理すんな』



って いつも言ってた。




私は その度


不思議な気持ちになった。







「鈴木が そう言うなら…」


テツは しばらく

眉間にしわをよせて
焼酎を ちびちび呑むと

「やるか(笑)」



と笑った。




「ほんとにっ(笑)!?」


子供みたいに はしゃぐ私を


テツは






あの時




とても複雑な気持ちで


見ていたんだろうな…





No.125 11/11/15 19:19
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 124

先生も呼ばず

ただ 電話だけで集めた

小規模な 同級会。



大きな居酒屋の座敷を借りて

それは 行われた。




もちろん 雄太には

突然 知った事にしてある。


幼なじみで同僚のC
そして 大の親友ルミ(笑)

2人には テツのこと
話してあった。




「すごく嬉しい…」って

ほんものの(笑)ルミが言う。


まだ 誰も来ていない
3人だけの 座敷…


気持ちが はやり過ぎた私達は

とんでもなく早い時間に
着いてしまった。



「リエいない 同級会は

本当に つまんなかったもん」



涙が浮かんで来て

「ご迷惑 おかけしました!」

と 私は おどけてみせた。


「ほんとに リエには迷惑
かけられっぱなし(笑)」

Cだ…


会社での 男がらみ事件を
言ってるんだろう(笑)



「ごめんなさい!!」

大袈裟に頭を下げて
みんなで 笑った。




ほんとに…


すごく楽しみだった。



今から 繰り広げられる時間に

心から ワクワクしてた。




同級会の やり直し。





テツに 感謝した。






「お~っ!!」


「きゃあ♪♪♪」





人が集まる度の 歓声。







深まった秋の夜





なつかしい友との宴が



はじまってゆく。





No.126 11/11/15 20:26
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 125

「おまえ 足だけなら

モデルになれるな…」



トイレに行こうと
立ち上がり歩き出した私に

ゴッちんが言う。


「ほんとに 綺麗だよな~…



足だけ。」


テツだ。



「うるせ~よ(笑)」


みんなが笑う。



チラリと雄太を見る。



おもしろくなさそうな顔…




へっへ~ん。

って ちょっと思う。





「俺も 便所」


雄太が 立ち上がる。




「なんだよ それ!?」


また テツだ…



「おまえら 離婚しなくて

よかったんじゃね(笑)?」

ゴッちんが言う。



そして また みんなが



笑う。





望み通り。






同級生同士の結婚。

小さな町の 中学。


知らない友は いない…




不幸な結末だけを

皆に知られるのは


私には 屈辱だった。




みんな…




離婚しても

幸せそうな 私を見て。




まだ 私に未練がある


雄太を




知って。









「摩耶は 今日カレーだから

ママ(笑)」


あの家に居る摩耶の報告を


雄太は わざと皆の前でする。




「ばばぁの
まずいヤツな(笑)(笑)」

「ひどいなぁ(笑)パパ」




笑いながら

トイレに向かう私達を






また テツは






複雑な顔で 見ていた。





No.127 11/11/15 21:56
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 126

呑めない雄太は

もちろん酔わない…



元義父が

浴びるように呑む人だった。


私が あの家に入ってからの 義父の酔い方は とても楽しいもので 少しも苦にならなかったが


幼い頃は よく


暴力をふるわれていたと
聞いた…



だから 雄太は

酔っばらいが 嫌い。




「おまえ あんま飲むなよ…」


うるさいよ。



と思ったが

「はいはい(笑)」と聞いた。



女子トイレは ひどく混んでいて 座敷に戻るのが少し遅れた…




「リエ 大変!」

座敷の上がり口にルミが居る。


「どした?」


「雄太とテツ 喧嘩してる!」



「…は?」










「鈴木は もともと

あんな女じゃね~!」


テツが 怒鳴ってる。




「おまえ 酔ってんな…」


「あいつは 利口なヤツなんだよ 昔から… 」


「ずいぶん 知ってんだな…」


「根は 真面目なんだ。

あんな金髪で… 派手な化粧するようになったのも おまえと つき合うようになってからだろ!」


「俺の好みの女にした…

それの どこが悪い?」



「おまえは ほんとの鈴木を

知らないんだ!」



「っつか

おまえに 関係ね~だろ!?」


「幸せにもしてやれね~奴よりは 関係あるかもな(笑)!」




…やばい キレる!



「おいおいおいおい(笑)

楽しく飲みましょうよ~(笑)」



ゴッちんだ…



「おまえ 突っ立ってないで

唄えっ(怒)!」




うた…え?





「『ケンカをやめて~♪
2人をとめて~~~♪

わたし~のために~

あらそ~わないで~…』


ってだよ(怒)!!!」













ありがとう。ゴッちん。




No.128 11/11/15 22:33
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 127

いや…


でも 少し…




ううん。

かなり 嬉しかった。




ゴッちんのおかげで

笑い出した2人は


また仲良く喋ってる…




「雄太 まだ
好きなんじゃんね(怒)

リエのこと…」


ルミが 怒りながら
トマトジュースを飲む。

ルミもゲコだ(笑)


こちらは酒豪のC。

グイッと ビールをあおると


「私には なんで テツが あんなに怒るのかが わかんない…」




う~ん…



だね。





「相変わらず3人

仲いいね~(笑)(笑)」



すでに 頭皮が透けて見える 男子が テーブルの向かい側から 声をかけて来る。






「 … 誰だっけ?」


ル~ミ~~💦💦💦


私も 知らんが。






「さ~て 二次会行くべ~!」


ゴッちんが わめいてる。


「あんた 二次会行く金

あんの~(笑)???」




遠くから 大声で言った。




「バカっ💦💦

今日は もらって来た!💦」



ゴッちんは

おこづかいも


あまり もらえない(泣)





帰るかと思っていた 雄太が

「行くだろ?」


と 声をかけて来る。



うなずくと


「俺の車に乗ってけ」



って…





じゃあ あっちでね

って ルミとCと別れて


雄太の助手席に


久しぶりに




座った。




No.129 11/11/15 23:12
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 128

…手を


つないで来た。




「昔は よく

こうして乗ったよな…」


思うほど

深い感慨には ひたれなかった…




「そだね…」




強く 握って来る。



「痛いんだけど(笑)」




「おまえ もしかして

テツのこと 好きなの?」



「冗談(笑)!

テツの奥さんね
私が バーガー屋でバイトしてた時 一緒に働いてた高校生のコだったんだよ(笑)

ビックリだよね!?

すごい可愛いコでさ~


テツにゃあ もったいない!」



「よく 喋るな…(笑)」





手に


キスをして来た…



「このまま

違うとこ 行かね?」




「やだ(笑)」




「だよな…」








私は 今日は

なつかしい友と居たい。


楽しくて 幸せだった
あの時代に


気持ちだけでも


戻りたい。









結局 二次会に来たのは

いつもの 顔ぶれ…



プラス てっぺんハゲ。




ドラムたたいてた司だった(笑)





「なんだよ ニューフェイス

いないんじゃん(泣)」


「なによ アヒル(怒)

不満なの!?」



中学時代 ラブラブだった
ルミが 怒っている。



「いや💦💦 俺は ルミちゃんがいれば 幸せです(笑)💦💦」





薄暗い カラオケボックス。






何かが



起きるかな…




No.130 11/11/15 23:46
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 129

さすが 音楽をやってる人間なだけあって みんな レベルが高い…


ちなみに Cも

めちゃめちゃ歌がうまい。




「なんだよC 本気か!?

今日は そういう会か!?」


なんだよ

そういう会って(笑)



「誰か バラード唄え!

チークタイムだっ!!」


おまえが唄う係しろよ 司…





雄太は 酔ってもいないし

そういう事 大の苦手。



「俺 うたう~(笑)

松山千春~…」






「『恋』な! 雄太!」











愛することに

疲れたみたい



嫌いになった




わけじゃない…









ひどく


胸が 痛かった。








…!







テツが 私の腕をつかみ

ソファーから立たせると


思いきり 抱き寄せる。






「ちょっ… テツ…!」



「黙って…」







画面を見ている雄太は



気づいていない…









「泣くなよ 鈴木…」



そう言うと



顎をひきあげ

キスを して来た。






みんなは…



ただ 私達が


チークを踊ってるとしか



思っていない。








そして 雄太が





私達に 気づく…




No.131 11/11/16 00:31
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 130

マイクが投げ捨てられ



ハウリングの音が


反響する。















ここで修羅場は


勘弁してほしかった…








「おまえ 怒るの

おかしくない?(笑)」



テツが言う。




「鈴木は

おまえの女房じゃないよ…」









雄太は





そのまま 店を出た。








残された私達は




とても重苦しい空気に

包まれ…







なかった。





「あいつは やっぱり

クレイジーだっ!!!」


アヒルが絶叫する。




「だよね~…

雄太が怒るのは おかしい…」


ルミが言う。




「とりあえず離して

テツ…」



「あっ! あぁ…」




大好きな

幼なじみ達が 笑う。







私は


かなり戸惑っていた…






テツの顔が




まともに見れない。






出て行った雄太の事など


これっぽっちも

考えてはいなかった。






「ま~ 鈴木は呑め」


ゴッちんが
ジョッキを差し出す。



「俺の おごりだ」


「嘘つけよ…」







「いまわのきよしろう

だぁぁああ!!!!!」






残されたクレイジー達の

夜も ふけてゆく…






No.132 11/11/16 01:54
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 131

「あれで 終わりにしときゃ よかったんだよ おめ~らは…」



「ゴッちん…


奥さん ずっと見てるけど…」



「恐妻家ですか(笑)?」

Nちゃんママが笑う。



「言うね~(笑)

Nちゃんママ(笑)(笑)」

ゴッちん 酔い過ぎ…



「俺は 女房なんか

こわくないっ!!!」


「あのさ…

今日 運動会なんだけど…」



出店へ行く 親や子供達が

ジロジロと 私達を見て行く…



Eちゃんママも

さっき 目を合わせないよう


横を 過ぎて行った。





「こんな話し聞いたって
退屈でしょ?

Nちゃんママ💦💦」


「そんな事ないです!

何も おもしろいことないんで 毎日…


すごく刺激的です(笑)!」



「Nちゃんママ!!

俺と 刺激的…」


思いきり ぶん殴った。




「いいですね(笑)

幼なじみって(笑)(笑)」













幼なじみ。




恋は


どこからでも

生まれる…






休み明けの月曜日。


会社に 電話が入った。




お昼当番だった主任に
呼ばれ

「〇〇さんって男性から
電話入ってるわよ」

と言われた。





…雄太だった。


「2階の応接室で
とってもいいですか?💦」


いつも 優ちゃんと
お昼を食べる場所。


「ぜんぜん オッケ(笑)」


話しのわかる主任で よかった…



重い足どりで


優ちゃんの待つ2階へと

向かった。



No.133 11/11/16 03:45
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 132

「前の旦那さん💦?」


優ちゃんが慌てている。



たぶん あの頃…

優ちゃんも
離婚したばかりかな?


それとも 下請けの彼と

まだ不倫の最中だったか…



とにかく 私達は
もうすでに恋バナばかりしていたのは 間違いないんだな。



「何か バレたんすかね…💦」


「でも他人だよね?

私達…」



「と、とにかく出て下さい💦」


電話を前に しのごの言ってても しょうがないか…



優ちゃんに 目配せしてから

受話器をあげ

点滅しているボタンを押した



「もしもし…」


『てめぇは

何やってんだ!?!?』


思わず 受話器を 耳から離した



「何をそんなに…」

『自分が何やったか
わかってね~のかよ!?』

「…わかんない」


『相当な馬鹿だなっ!

てめぇも テツも!!』







『あの野郎…

ぜってぇ ぶっ殺してやる…』


「みんな 他人なのに

おかしいって言ってたよ


パパが怒る…」

『じゃあ おまえは平気か!?

おまえの目の前で

仮に ルミやCと 俺があんな事しても おまえは笑ってられんのか!?!?』





想像したけど…




「平気だよ」



『やっぱり てめぇは

大馬鹿野郎だっ!!!』


ガチャン!!



すごい音とともに

電話は切れた…



公衆電話だろう。








「元旦那さん


未練だらだらっすね…」











出会って間もない頃から


優ちゃんは


優ちゃんでした。




No.134 11/11/16 04:25
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 133

私は あの頃

T君にバレないようにと
必死になっていた。




だから


あまり 雄太のことは 気にしていなかったのかもしれない…




もちろんT君には

同級会だなんて言ってない。


ルミとCと いつもみたいに カラオケだって 言ってあった。







あの日から


頭の中は

テツで いっぱいの私。



知ってか知らずか

テツは 毎日
電話を かけて来る…




『鈴木…

俺に会いたくなんない?』



ギョっ…



「なんで 私がテツに会いたくならなくちゃ いけないんでしょうか(怒)???」


『怒んなよ(笑)』



「… 怒ってないよ」








『俺 会いたい…』


「 … 」





『おまえに 会いたい』












「会ってやっても いーよ」


『上から来たね~(笑)(笑)』









どうしよう…




どうしよう…




どうしよう






















テツが 好きだ。





No.135 11/11/16 13:01
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 134

「おまえら
イチャイチャしすぎだな…」

「だよね!?ゴッちん!」





テツと2人で会ってしまったら 絶対 どうにかなってしまう自信があった…


ので


ルミと ゴッちんを誘った。




「俺らも イチャイチャすっか

ルミ…」


「やだ アヒルがいー。」


「はっきり言うね~(泣)」

「ゴッちんだって

ほんとはCが好きなくせに…」


「おまえ そういう リアリティのある話しは やめろよ~」



「はいっ 鈴木

あ~~~ん…」

「あ~ん …美味しい♪」

「おりこうさん(笑)」


頭を撫でる テツ。



「 … 」

「 … 」





「あ…」

「…ん?」



やっと 視線に気づく私達。




「俺ら いらなくね?」




いるんだよ!!




… 抱かれちゃ いけない


絶対に。





「テツ

リエのこと好きなの?」

ルミ 単刀直入。


「好きだよ」


「知ってたけど…」



「堂々と言ってるようだが

おまえには ヒロミちゃんがいるんだ。 忘れんなよ…」




そうだ…

たしか そんな名前だった
あのコ。




「やだな~(笑)

んな 大袈裟な意味じゃないじゃんね~(笑) テツ💦💦」



「 … 」





黙らないで~…




No.136 11/11/16 14:01
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 135

ベタな事するべ(笑) と


4人で 中学校に向かった。




田んぼの真ん中。

校門には 柵もない…



私も ゴッちんも

ここから家が かなり近いので

そんなに感じないが…



ルミと テツには


とても懐かしかったみたいだ。






「おぼえてる?リエ…

この校門んとこに 〇〇中のヤンキー2人組が 来たの(笑)」

「もちろん(笑)」




3年生の時…

放課後 いつもみたいに
廊下で しゃがみ込んで喋ってる 私とルミの元に
友達が 走って来た。



「リエちゃん!ルミちゃん!

助けて(泣)
校門に他校のヤンキーがいる!

怖くて通れないよ(泣)」


金八先生の 三原順子気取って

長い 引きずるような スカートに カラーソックス(笑)の私達は 地元じゃ負け知らずだった。



3階の窓から 下をのぞく…

『やっべ… 本物だよ』

内心 ブルったが(笑)
2人で顔を見合わせ

「行こっ…」と走った。


田舎のヤンキーVSホンモノの

メンチぎりが始まった…





「結局 仲良くなったね(笑)」

「あの後 向こうの中学で
私達 先生につかまったし!」



本当に 楽しかった…





あの時も


そして今も




すぐそばに こうして


仲間がいる。








「テツ!!おまっ(泣)…

やめろよ~~~(泣)(泣)」




雨上がりの校庭の ぬかるみに テツの転がした ゴッちんが

溺れていた(笑)




No.137 11/11/16 14:42
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 136

「これ 母ちゃんに なんて説明すんだよ!? 俺は(泣)!」



寒い寒い夜…




ゴッちんは 泣きながら
怖い奥さんの元へと
汚れたまま帰って行った…


ルミも


旦那が娘みてるから…

と 慌てて帰ってゆく。











2人…



きりになってしまった。











「鈴木 俺さ…」

「帰ろ!」






「帰りな… テツ…」







まずい…



絶対 泣く






私…







テツの右腕が 視界に入ると同時に 私の身体はもう…



テツの 両腕の中にあった。





「泣くなって言ったろ…」


「泣いてないよ」





あったかい…



テツ…






すごく あったかい。




「おまえ すごく冷たい」


「男には冷たいんだ私(笑)」


「そういう意味じゃね~よ」


頭の上から 聞こえる


テツの声。





「あったまりに行こう(笑)」








「結局あんたも

やりたいだけか…」



胸に 顔をうずめたまま

言った。





「そういう事に



しといてやる…」











「俺は鈴木と


やりたいだけだ」







テツ…








テツ…







No.138 11/11/16 18:06
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 137

部屋の中は


すごく あったかくて




本当は

ずっと一緒にいたかったテツに



抱かれてる自分が


幸せすぎて



とけてしまいそうだった…








耳元に

テツの 熱い息…



「リエ…」



「…くすぐったいよ(笑)

テツ…」




名前で呼ばれたことが



くすぐったかった。




「おまえは うるさいな…」



キスで 口をふさがれる。



夢を…


見ているみたい…






テツの唇が

首すじを伝い


下へと おりてゆく…




「卑怯な 身体だな…」


「あっ…


な… にそれ…」



「おまえ

母乳…


やってないだろ…」



「んっ…


あ…


… うん」




「綺麗だ…」


優しくて

あったかいテツの


大きな手が…



私の乳房をつつむ…




舌が


敏感な その先を

とらえる…








いけない



と 思えば思うほど




身体はしなり 腰が


動いてしまう…





「…おまえは(笑)

落ち着きがないね(笑)」


「… だっ …て」




「(笑)可愛いけど…」



強い力で


腰を おさえるテツ







「あ…




れ…?」





あれ?って?







「…どうしたの?」






「…



たたない…」





No.139 11/11/16 18:43
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 138

うそ…




ショック。







「私 魅力ないんだね…


テツ…」



「バカっ 違っ…


俺わるいけど

かなり興奮してんだよ…


必死で おさえてたけど…」




泣きたくなる…





「まぁ…


同じくらい




緊張もしてんだけどさ…」




可愛い テツ。





私は


そっと



静かなテツ自身を


口に ふくんだ…





「鈴木…!」




テツは興奮し


私の頭を

大きな手で包む




「鈴…木…

おまえ…



馬鹿だ… ろ…」



泣きそうな テツの顔を

下から

見上げる…



「うん(笑)


バカだよ…」






こらえきれず

ふたたび 覆いかぶさるテツ











だけど やっぱり



この日は 未遂に終わった。










「おまえも吸う?」



見たこともない

あやしいタバコ。



「いらない…」




テツは

大きく煙りを吐き出すと


「俺は 雄太より前から

おまえのこと…




好きだったよ」


と言った。











知ってる。




だって


私がテツを好きになったのは…




No.140 11/11/16 19:28
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 139

市内から この田舎町に

転校して来た私は

小学4年生ながら


かなり 調子にのった(笑)




おとなしくて 学校へ行くのが大嫌いだった私…

そこそこ勉強も出来た私に
市内のクラスメート達は

『えこひいきされてる。
テストの答え
教えてもらってる。』

と イジメさえ仕掛けて来た。





この田舎町で

私は『都会から来たコ』として


すごくチヤホヤされ始める…



私は変わった。


母が おどろくほどに。



調子にのると

人ってキラキラ輝くのかな…



いるのかいないのか
わからなかった私は

人気者へと変わった。




そして そんな私より

学校中の人気者だった


隣のクラスの テツ。



ある日

6年生の女子が


私のクラスに来ると


「鈴木リエって女 いる?」

と 大声で騒いだ。





「な~に?」


「なんだ…

べつに可愛くないじゃん(笑)


テツが好きな女って

どんなかと思った(笑)」









昔から馬鹿な私は


『好き』に よわい…





要するに


なんら成長していない(笑)













「色白くって 髪ながくって…


人形みて~だな…

って思ったら





好きになってた…」








煙りの


あまい香りが



私を 包む…






テツ



私は今から


あなたを もっともっと


好きになりそうで


こわいんだよ。




No.141 11/11/16 22:25
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 140

好きになっては

いけない人…



好きになればなるほど

寂しくなる恋。




なにもかもが

初めての感情だった。



そして もっと酷い事に

私は この間まで



突然 自分の夫が

見知らぬ女を愛してゆくさまを


目の当たりに

していたじゃないか…




それが どんなに


妻という立場の人間を
追い込むか




経験したばかり。







テツは


人のもの。







隠れて会うことばかり


繰り返している私達。




気持ちの限界は近い…








最近

アヒルの店に行く事が
多い。



雄太以外の この3人は

本当に仲がいい。






「雄太 この間

俺んとこ来たぞ…」


ゴッちんが言う。



「…なんだって?」


たいして興味もなさそうに

テツが聞く。



「おまえ ぶっ殺すって(笑)」



ゴッちんにも言ってんだ…



「殺してもらおうじゃないの…


なぁ(笑)」



私に ふるの?




「殺してもらった方が



ラクかもな…」




テツ…





「おまえ 本気なわけ?


こいつのこと…」




ゴッちんも

いい加減


笑ってられないんだな…




目を


見交わす





「おまえだって

男 いるだろが…」





そうなんだ




それも







あやうい…




No.142 11/11/17 00:15
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 141

T君は 私のため息や
突然のテンションの 浮き沈みを 見逃してはくれない…


それは つき合いはじめて 1年半ほど経った今も 変わることはない。



テツへの気持ちに
気づいてから よけいに

T君が とても



わずらわしい…。






続いている

毎日 毎日


朝と夜のセックス…




私は 目をとじ


テツを思いながら堪える。




この生活も


限界が 近かった…






愛すべき人を


愛せない自分。






愛してはいけない人へと


加速する




想い。








T君は


私の気持ちの向かう先が


雄太であると

勘違いしている。





その方が


まだ マシかもしれない。



あの女からなら

奪い返すことに


なんの 罪悪感も




持たずに 済むから…

















「逃げるか…


鈴木…」



「バカなこと言わないで(笑)

テツ…」



「ふざけんなよ!!」



「アヒル…」





クローズのプレートが

テーブルに置かれる。



「鈴木 出して来て…」



「う、うん…」






あんな 真面目な顔のアヒルを


初めて見た…









ドアを開けると


冷たい風






雪が



降り出しそうだった。





No.143 11/11/17 02:52
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 142

ベッドの上でだけ…


なにもかも

忘れていられるのは







「やっ… と


ひとつになれた…」



「…っ テツ…」


「離れんな… 」




離れない…



「俺…から


離れんなよ… 」




絶対に…


離れない。




「テツ…



テツ… テ… ツ」




「愛してる…」




愛してる…











「気持ちよかったね(笑)」


「… おまえは

そういう事 言うな…」



仰向けで 天井を見つめる。


横で うつぶせになり

肘をついてるテツが


片方の手で

私の髪を 撫でる…




「おまえ 髪切れ」


「どして?」



「長い髪は…


好きじゃない」




「ふ~ん…」





「鈴木さ…


男と寝てんの?」



ガバッと起き上がると

「(笑)気になんの!?」

って聞いた。


「なんだよ

ビックリすんなぁ…」



「気になんの(笑)?」



「…あたりまえだろ」







私はベッドから降りると

バスローブを羽織り
タバコに 火をつける…



「教えな~い…」




深く


煙りを 吸い込み

細く 吐き出す。



「テツは…?」



「なに?」








もう1度


深く



吸う…






「ゲホッ ゲホッ…」


「だいじょぶか!?」



「ゲホッ… むせた…」



「中坊かよ(笑)」









聞きたく…









ないんだよ。




No.144 11/11/17 03:46
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 143

「おっ! リエさん(笑)

スポーツ刈りか(笑)?」


身体の大きな係長が言う。


「よく似合うよ(笑)」




スポーツ刈りって…



タイムカードを押…


「おはようござ…


わ~~~~~っっ!!」



「うるせ~し(笑)」



「リ、リ、リ、リエさん…」



「リエ~~~!?」






みんな…



驚きすぎじゃないですか???






「いいよ! すごく いい!」


C ご満悦。



上司からも さんざん
髪切れ命令が 出されていた。

言うことを ガンとしてきかない私に Cは ほとほと 参っていたからね(笑)








髪を切った理由の方が


Cを 卒倒させてしまう可能性があるけど…











「こりゃ
そうとう惚れたっすね…

テツさんに(笑)」


「そうなのかなぁ…」



「こんだけ頑固なリエさん 変えるなんて スーパーマンす!」



たしかに テツは


私のスーパーマンかも

しれないな。





「だけど…」


「ん?」



「あんま…


のめり込んじゃ…


ダメっすよ リエさん…」


「(笑)大丈夫 大丈夫!

遊びだよ(笑)遊び(笑)」



まだ…


優ちゃんに



本音は 言えなかった。




「元の旦那さんに

仕返ししてるのが


気持ちいいだけすからね…」





恋に関しては


優ちゃんの方が




先輩だな。




No.145 11/11/17 05:04
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 144

ず~っと…



テツは ニヤニヤしてる。




「なに(怒)?」


「俺の目に

狂いはなかった…」








「はい♪鈴木

あ~~~~ん…」





「口 開けよ~(笑)」




ボロボロと涙が 落ちる。



「なんだ!?💦

なんで泣く!?💦💦」




「馬鹿テツ!!」




「なんだバカって💦」




「綺麗とか 可愛いとか

言え(怒)!!




髪なんて…


もう… 何年も…


切ったことなかったのに…」





私にとって

髪を切るって


言葉にならないくらい

重いこと…



短くして

初めて わかった。




「あっ…

ごめん…


俺 言ってない?

言った気になってた…



想像してた以上だったから…」



だったから なんだよ…





「すごい可愛い。


俺の理想の女だ…」


「なんだか言わせたみたいで

おもしろくない…」



「おまえなぁ~(泣)…」





泣いたらスっとした。


困ってるテツも可愛いし…





最初に連れて来てもらった
居酒屋。





あの夜

アヒルがテツに何を言ったのかは 聞いていない…


想像は つくけど。








潮時

なのかな…










「携帯… 鳴ってない?」


「俺?」



「うん…」


ポケットから取り出す


「…見たことね~番号だな」




髪が軽くなると

耳の聞こえも良くなるのかな…


なんて



静かな
テツの着信音聞きながら

くだらないこと


考えていた…




No.146 11/11/17 05:56
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 145

「はい…」




誰だろう。


あ…


今のうちに
ハナをかんでおこう…



「今 一緒にいるし(笑)」



ん?

私か…?



「何度も言わせんな…

てめぇが ごちゃごちゃ言うことじゃね~だろうが…」









雄太か。





「あつくなんなって(笑)
あんまり…


殺すなら 殺せよ

おめ~は ガキか(笑)」




心臓が

ドクドク鳴り出す…


嫌な記憶が

よみがえる…







テツが


私を 見ていた。







「鈴木に手~出したら…

俺も黙ってね~からな

雄太…


それだけ おぼえとけ!!」





電話を切ると



「お姫様は ハナをかみ終わったんでしょ~か(笑)?」

と笑う。





「テツ…」


「ん?」



「おぼえてる…?」


「何を?」



「中3の時…

私が一瞬 雄太と別れた頃

あんた達 ラリって
私を襲撃した事あったよね…」



「(笑)襲撃は

人聞き悪いべ…」



「おぼえてる?」


「もちろん…

あんな大事なこと


忘れるわけない…」



私は 残っていた ジョッキのビールを一息に 飲んだ。



「あん時のこと

高1ん時 友達としてた交換日記に書いてさ…

うち遊びに来た雄太が

それ見つけたんだよね…」



No.147 11/11/17 10:13
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 146

奴らは シンナー中毒だった。


たまっては 同じ事を繰り返す…





兄が結婚し 2階の私の城は

中3で 奪われた。


1階の もともと応接間だった 無駄にデカいシャンデリアのぶら下がった部屋が 私の城になる。

もちろん 照明は 取り替えてもらったけれど(笑)


ある夜

ベッドに寝ていた私は


なんとなく目が覚めた…

壁際に寄せたベッドで

壁を見るカタチで寝ていた。



ゾクっと

背筋が寒くなる


『誰かいる…

背中側に 絶対 人がいる…!』


反射的に そちらを向く


ライターの灯りが

目に飛び込んで来た。



「キャ…」


手で口を塞がれる。



ツンとするシンナーの匂い


見ると 部屋の中に
5.6人の 人間がいる…


恐怖が はい上がる



私の口をおさえてるのは

中学で転校して来た男子…

こいつが ほんとにワルかった


この群れの中に




テツがいた。






「お母さん!!」

って叫びたくても あまりの恐怖に 声すら出そうになかった…



「なんにもしね~から

キスだけさせて…」


シンナー臭い息が
顔にかかる…



怖いのと 寒いのとで ガタガタ震える パジャマ姿の私の唇に

奴の唇が かさなった時

「やめろ!!」


って

奴の肩をテツが はじいた…


「テツ おまえ声でけ~って」


みんな…

慌てて 走り去った…





テツも

「ごめん」って


いなくなった…




No.148 11/11/17 11:37
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 147

「これって…


誰なんだ?」

って もう高校やめて 働いてた雄太が 震える声で聞く。



あいつと あいつと…


深く考えもせず

私は答える。


「…テツもいた」



雄太が 激しく怒り出す



「あの野郎…」




わざと その時
自分をはずしたのだと
雄太は言う。

別れてる間も
雄太が私を好きなこと

テツには話してあったと…


「いつだって

必ず 一緒だったのに…」


「でもテツは 助けてくれたようなもんだし 『ごめん』…」

「かばうなっ!!!」



まだ幼さの残る 雄太の顔が

鬼のように見えた…











「あん時も…

あんた ぶっ殺すって


喚いてた あいつ…」




「来たよ(笑)」


「… そうなの?」


「返り討ちに
してやったけどな(笑)」




あの後

中2ん時つき合ってたコにもらった プレゼントや手紙も

「全部 俺の目の前で燃やせ」

って 言われたんだ。




テツに 敵わない自分を

幼い雄太は 私への束縛で
保っていたのかな…





「あの時 本当にテツの所へ行ったんなら 今度だって…」


「大丈夫だって(笑)」



「テツ あんた家庭があるんだよ! とばっちり受けたら…」

「そのぐらい 覚悟してる」



「テツ…」



「子供の遊びじゃ

ねんだから…」







テツ…




No.149 11/11/17 17:03
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 148

会社帰りだ…

そうそう長くは
一緒に いられない。


小学校の前にある
大きな公民館の 駐車場。

私の車は そこにとめてある。



「また 明日な(笑)」

ってテツが笑う。



「明日なんて…

来るのかな…」


「あれあれ(笑)

もしかして寂しい?鈴木(笑)」



悔しくて

無言で テツの車から
降りようとする 私。



また

腕をつかまれる…



「もう…

やだよ私 テツ…」



絶対


泣かない…



「終わりに…


しよう」




「… おまえ

それでいいの?」




「私ね テツ…


雄太に浮気された時



1番悔しかったのは

相手の女が


『奥さんに悪い』と言って 泣くんだと 雄太に聞いたこと…」




「 … 」



「だから私は

奥さんがいる人と遊んでも


向こう側にいる人間の事なんて

考えないようにしてた…」




「… 考えんなよ」






「そういうわけには



いかないんだよ(笑)…」


「別れりゃいいか?」







「… ナニ 言ってんの」


「覚悟があるってのは

そういうことだ!!!」







ほんとは…




嬉しかった。








「俺は 鈴木を泣かせたくないから… そばにいるのに…」








泣いてないよ テツ










泣いてない…




No.150 11/11/17 17:51
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 149

「わかったよ テツ」



私の言うことは

よけいに彼女を…



テツの奥さんを






追いつめる。








「また 明日ね(笑)」




「おまえ

変なこと考えてるだろ…」


「なにそれ(笑)」





「間違った勝手な答えは

出すなよ…!!」





私は こういうテツの


頭のよさが

好きだ… と思う。





「あっ!

おまえと摩耶ちゃんに
ジュースやるよ(笑)

忘れてた…」



…?



「おりろ(笑)」




「?」


「トランクなんだ」








ドアを開け 降りた私に

冷たい風が 吹きつける。



髪の毛って

あったかかったんだな…


って

また消えた髪を思った。



「おまえのトランク開けて

んで ダンキしとけっ
さっみ~…」



テツは おっきなケースに入ったジュースを 私の車に積む。


「会社のイベントに使ったんだ

重いから1本ずつ運べ(笑)」



「… ありがとう(笑)」






「… 可愛い。

髪 すごく似合う」



テツが


私の身体を 抱きしめる





「テツ…」









テツの腕の中

彼のコートの隙間から


強いヘッドライトの光りが



突然 あらわれた。




No.151 11/11/17 18:26
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 150

「もう少し 早い時間なら

俺あん時
そこ通ったのにな…」


「チャリでね(笑)(笑)」


「ゴッちんさん!

通勤 自転車なんですか!?」


Nちゃんママが

目を まんまるにする。


「Nちゃんママ(泣)

今 俺を ますます 情けない男だと 思ったでしょう(泣)」


「そんな事ないですよ(笑)」



「てめ~は よけいな事ばっか

言ってんじゃね~よ(怒)」




梅雨の晴れ間の 校庭

拍手に 歓声…




4年後の今日

この場所からのぞめる

あの


駐車場を見ながら




大声で 笑った…
















強い光りと ほぼ同時に

激しい クラクションの音



「なんだ…?」



テツが ふり向く。









雄太だ…






「おまえ 車に乗ってろ!!」


腕をつかみ

車のドアに手をかけるテツ


「やだっ!!

テツも乗って!!


あいつ馬鹿だよ!
何するかワカンナイんだよ!」




私は こわくて こわくて

腰がぬけそうだった。



『ぶっ殺す』



最悪な場面ばかりが
頭にチラつく。





「おまえ(笑)

俺ら もう大人だよ(笑)




中学生じゃ




ねぇんだよ…」




No.152 11/11/17 19:30
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 151

来た…





駐車場には 誰もいない。



「警察 呼ぼう」

私は 慌ててポケットを探る


「鈴木(笑) 大袈裟…」




テツは知らない。



狂った こいつを知らない…






「雄太(笑)!」




雄太は どこも見ていない…







私しか



見ていない。







まるでテツなど

いないかのように



「帰るぞ…」


って 私の腕をとる。




「はなして…」


「雄太… やめろ」





離してくれない腕を

ふりほどこうとすると


激しい力で ねじあげる。


「痛っ…」





「聞こえね~のか!?!?

やめろ!!!!!」




テツが 雄太の胸ぐらをつかむ





狂った目が



テツを見る…







「…てめぇは 誰だ?」


テツは さらに雄太を

引き寄せる。



「離せ…」


「雄太っ!!!」

テツが怒鳴る。




雄太は
テツの腕を両腕でつかむと
力いっぱい 引き離し

そのまま
横にいる私の髪をつかんだ。





「誰に言われて 切った…」




雄太の身体が跳んだ






「鈴木に手ぇ出すなって
言っただろ~が!?!?」










テツが



キレた。





No.153 11/11/17 20:55
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 152

「もう…


もう いやだ…」




私は…



無抵抗な雄太を

馬乗りで殴りつづけるテツを



見ていた。







「やめてよ…


雄太 死んじゃうよ…」




吐く息が…


白かった








殺したい程 憎かった


雄太も女も



死んでしまえと




何度となく思った












愛することに



疲れたみたい





嫌いになった…












わけじゃない…













気づくと 私は


雄太の身体を




抱いていた。







「鈴木…」




「やめて… テツ…」







「おまえ…」




「雄太は…


テツに敵わないんだよ…



知ってるでしょ?テツ…」




雄太が


泣いていた


血だらけで



泣いていた





「帰ろう パパ…





摩耶


待ってるから」







「鈴木 おまえ

雄太のこと


まだ



好きなのか…?」







「私達

もう


小学生でも


中学生でもないんだよ(笑)」











卒業してから


みんな




それぞれの 知らない道を




ここまで


歩いて来たんだ。







道は


あの時 別れた






机を並べることは



もう





二度とない。





No.154 11/11/17 22:53
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 153

「全部 ここから

はじまったんだな~…」


缶ビールを持った ゴッちんが

校舎を見ながら 言う。



「 … だね」

私も 残りを飲みほした。


「だいたい おめぇが
転校さえして来なけりゃ
みんな 平和だったんだ(笑)」


「ひどい(泣)

ゴッちんさん(泣)(泣)」



「わっ💦 冗談だよ💦」



泣きじょうごか
Nちゃんママ(笑)



「こいつ いなきゃ

全然つまんね~もん(笑)」


ゴッちん…


「!

おまえ 俺に惚れんなよ!!」





「めんどくせ~女だから(笑)」








「あっ!

次 5年生 徒競走ですよ♪」


プログラムを見ていた
Nちゃんママが立ち上がる。






幼なじみって




やっぱり素敵ですね。







と 言ったあとに…。














テツが


最後に

私に電話をかけて来たのは





レナが お腹にいた

今から 2年ほど前…





『なんだって おまえの旦那になる奴は ヤキモチやきばっかなんだろうな(笑)…』

って あきれながら…




一樹に

アヒルの店へ行くことを
禁止されるまで



1年に 2.3度は

テツやみんなと 会っていた。



もちろん




幼なじみとして…







妊娠を告げた私に


『おまえ かっこい~な(笑)』




って テツは言った。







私はもう二度と


髪を切らないよ…




テツ。






No.155 11/11/17 23:26
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 154

「っん…


圭…すけ…」



「リエ…


… どうしたの?」




「っあ…


なに… が…」




「すごいん… だけど…」



攻めるセックスは


ほんとうは




好きじゃない…





「ちょ…


リエ…




イっ…ちゃうよ 俺 」







思い出話しは



私を





混乱させた。







ゴッちんを 恨む(笑)






「圭介…



んっ…





私が… 好き?」






「大好きだ…よ



愛してる… 」






嘘くさい言葉に



感じてゆく…







「(笑) イかせない…」




「頼むよ…


リエ…




やめない… で…」












こんな事



誰とだって できる。






愛してるなんて




誰にだって







言える。











タバコって




こんな まずかったっけ…







「携帯鳴ってるよ~ リエ」



マヌケなホストが


ベッドから 呼んでいる。




がむしゃらに始めたから

服も 携帯も

あちこちに 散乱してる(笑)



携帯に腕を のばした時


下から 胸をさわられた。




終わると

嘘のように 冷める私は


本気で イラっとした。















はる君だ…





No.156 11/11/18 01:07
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 155

私は 圭介に

『黙っててね』
と合図をしてから


「はいは~い♪」




と 電話に出た。




『ルミ 今どこ?』


明るい はる君の声…



「あ… 」



用意していない。




休みの平日の 午前中…


どこだ?

どこなら ありえる?





「買い物行こうと思って

車…」


『じゃあ 危ないね』


ナイス 私。





「はる君は?

外まわり?」



鍋やら 高い食器やら

店舗ではなく売る商売。


なにやら こちらも

胡散臭い(笑)




『… やめたんだ』


「えっ!?」



『またすぐ 探すよ💦』




「そう…」





少し


ガッカリした。





『じゃあ ルミ運転中でしょ💦



また かけるね』







男には


しっかり仕事をして欲しい。








騙してる



私が言うことじゃないか…







「リエ 摩耶ちゃんの幼稚園

時間 平気なの?


ふわ~…昼になるよ…」







幼稚園?






そうか…



私 今 25歳。






まともな恋愛がしたい。





頼れる男が






欲しい。




No.157 11/11/18 02:39
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 156

「お見合いパーティー?」


声そろえて来んなよ…
優ちゃん。

「仲良しですね(笑)」




会社に面接に行った日

Cに言われた。


カウンターの中にいた

お昼当番の女の子。



ニコニコと愛想のよい彼女は

「リエに すごく似てる」
と…



同じ部署になった その彼女
美香ちゃんは

本当に キャラがかぶっていた…



ただ彼女は

すこぶる真面目。


地方から出て来て 一人暮らし



私が入社するまで

美香ちゃんは 1人


お金にならない
ムードメーカーという役職に
ついていた。





優ちゃんの2つ上で


私の 7つ下。



頑張り屋さんの

この当時 28歳。







「美香さん 経験者すか?」

「うん 2回行った」


「美香ちゃん そゆとこ
アクティブだよね(笑)」

「彼氏欲しいんです!

モテないんで 私…


自分で動かないと!!」



カッコイイな 美香ちゃん…





「お2人…

行ってみませんか(笑)?」



「え~~~~~!?」


だから

声そろえんなよ 優ちゃん。










出会い系より


いい人 見つかるかな…





嘘の私じゃなく

ほんものの私で



受け入れて




もらえるのかな…





No.158 11/11/18 04:07
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 157

「無理っす 無理っす

ダメっす…



ちょっと

1回笑っていすか?」





がーはっはっはっ!!

ひ~っ! … 腹いて…








見ると 美香ちゃんまで
大笑いしている…




大丈夫か 私…




優ちゃんじゃないけど

すごい緊張。






重い扉の会場だった。



考えようによっては

出会い系より
まったく危険はない。



なのに…



この 後ろめたさは何だろう。













「武田です」


「林です」





小規模なパーティー。


丸テーブルに 男女3人ずつで

男性が各テーブルを
ローテーションする。



仕切りも あまく
くだけた感じだったが…

なにぶん


落ち着いた男性ばかりだった。



「帰りてっす…」

美香ちゃんに聞こえぬよう

「だね…」


と、小声で 囁き合う。



美香ちゃんは やる気満々だ。



男性が変わり…


また ご挨拶。




「鈴木です。初めまして…」



「酢の物です…」








榎本だよね…


美香ちゃん。



鈴木の『す』に

つられたよね…




「酢の物好きの 榎本です💦」







彼女は これでゴールイン。





現在 幸せな


二児のママだ(笑)





No.159 11/11/18 04:45
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 158

チーム馬鹿母


貴重な経験により

出会い系の良さ 再確認…





「やっぱ ダメなんすって

私らは あ~いうのは…」


「はぁ~…」



「なんで そんなに

落ち込んでんすか?」




「意外と

期待してたんだよね…」




私は


とても焦っていた。



安定しない 自分と生活…


正直

T君からの収入がない 今


お金のやりくりも

きつくなっていた…




はる君は とても好きだけれど

仕事にたいする気持ちが
あますぎる…



主導権は

握りたくなかった。




「ジャ~ン」


優ちゃんが 缶ビールを
テーブルに置く。



「発泡酒じゃナイ!!」



「弘樹

買ってきてくれたんす♪」


「めずらしい…」





お金を貸してた優ちゃんは

不思議で聞いた。


なぜ足りなくなるのかと…



すると



あの日 玄関で泣いていた女性が 話しに出て来たと言う。


親友が 彼女に

事故で怪我を負わせた。


自分自身も怪我を負った親友は

お金を工面できない…



弘樹が


わずかな金額を



毎月 彼女に渡していたのだ。








「信じてて よかったね…


優ちゃん」







出会い系にも




真実は ある。




No.160 11/11/18 12:02
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 159

深い


深い



谷底だった…





すがる者のない恐怖


強い


孤独




襲う過呼吸…







「大丈夫だよ」



しゃがみ込み
泣きながら 浅い呼吸を
繰り返す私の 背中をさする


T君の手…




私はまだ

この症状の意味を


わかってはいなかった。



彼の声が 聞こえるたび

身体が私に 触れるたび



息が つけなくなる

叫ぶほど 泣いてしまう。


「こわい」

としか 言えない。




「おまえ 不安なんだよ…

あんな馬鹿と 一緒にいたって


何も いい事ない(笑)」




仕事を辞めた はる君を

なぜか
恨めしく思う。




「俺だけで いいでしょう…

リエちゃん…



ずっと

そばにいるから…

一緒に いよう 」





あんたなんか

どこかへ行ってしまうくせに…


私をおいて

いなくなるくせに




「こわい…



こわい 」






「大丈夫だよ…」








私は このまま


また こいつに抱かれ





闇の中に



放置される。











指が


また 動き出す…



No.161 11/11/18 19:12
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 160

やっぱり 嘘をついてしまう


馬鹿な自分。



ほんとの自分に

自信がない…








「俺 騙されてない?」

車に乗り込むとすぐに



聡志は言った。




心臓が 飛び出るんじゃないかと思うほど ビックリした。




「援交とかじゃね~よな(笑)」


…ん?



「お姉ちゃんの後ろから

おっかね~オッサンとか
出て来ない?💦」





そういう意味か…


汗が出そうだった。





「そんなわけないよ(笑)


だって…」





そうだ!!


今 言ってしまおう!!






聡志のルックスと

明るさに惹かれた私は


勝手に この先を思い
決断をした。

ダメもとだ…





「嘘ついて ごめん!


私…



35…

もうすぐ 6になる…」







「…あぶねっ!!」

「キャッ」

ハンドルが急に きられた。





「ビックリさせんな…

させないで下さいよ~」


急に 年上になった私に

気をつかったつもりか…

聡志は30歳だ。




「それ

傷つく…」



もう いいや。



「え?」



「敬語…」




「だって 見えね~もん(笑)

一応 気~つかってみるじゃん
俺だって(笑)(笑)」




No.162 11/11/18 20:37
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 161




「怒って… ないの?」



「逆(笑)」






「ホっとした(笑)」



泣いてしまいそうだった…




「俺こう見えても

かなりビビりね(笑)実は(笑)」


「まだ…

どうも見えてないけど…」



聡志は ハハハと笑うと


「俺 うたぐり深いんだ…」

と言った。




「リエが…


って
リエって言っていいの?」


うん!と私は うなずく。

電話で話していた 聡志とは まるで違う繊細さが見える。




「リエが 自分から言ってくれて 良かった…

じゃなきゃ俺たぶん


身分証 提示させてたよ(笑)」





なんとなく…


何かが あったのだろう


とは わかった。






「結婚してないよね?」


「リエも
うたぐり深いんじゃん(笑)」



騙して

騙されて


化かし合いは

もう たくさんだ…





「バツ1こ」

「同じだ(笑)」






私は 聡志を思い出す時

この出会った日の




はじまりそうな


夏のにおいを 思い出す…



彼の 明るい


笑い声を 思い出す。






「どこ 行きて~?」



ベタな観光地を言った私に


「昭和だな(笑)」


と 聡志は笑った。



No.163 11/11/18 22:06
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 162

手をつないで歩く


初夏の風とともに…



なんだろう

この安心感。




はる君に会った日みたいに

浮足立ってもいない



聡志は なんだか

すごく年上みたいに感じた。


話し方のせいかな…




「リエ ストップ!」


聡志が 突然 大声を出す。



「ちょっ💦

危ないじゃん(泣)
急に とまったら…」



「ここは 渡っちゃダメだ!」



見ると…


真っ赤な 橋。





「縁切り橋だから…」



「聡志(笑)

縁切りたくないんだ?
私と…」

「切りたくねぇ…」



会ったばかりで

そんな風に


思ってくれるの…?





「感動したべ?(笑)今」


「したっ(泣)!」




頭を ぽんぽんされた。




それ出しますかーー!?

きゅんきゅん値が
ハネあがる。



バレぬよう
私は 無理矢理

聡志の背中を 橋に押す。




「やめろ💦 チビ!」


「チビって言うな(怒)」

「おまえの力で
俺が 動くわけね~(笑)!」




…おまえ?





実は『おまえ』も

きゅんきゅんポイント。






聡志…




運命を




感じてしまっても






いいですか…?




No.164 11/11/18 23:47
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 163

「キタすか!?」


「キタね…」



私は 不適な笑いを浮かべる。



出会い系バンザイ。





「はる君さんの時も

言ってたっすよね…」


うるせ~よ。




「っつか

ど~すんすか はる君さん…」









「優ちゃん これ見て」



携帯を出す。


「…ちっちゃくて見えねっす」


だから うるせって…






「はる君だよね…


これ…」




「…名前くらい 変えろって
感じっすね」





サイトに載せられた

彼のメッセージ…






これも


私が そうさせたのかな。





「…ちょうど良かったんじゃないすか?」



「まぁ… ね」





騙していたくせに…


自分も同じ事してるくせに



ショックは大きかった。




なによりも


T君の あざける顔が




浮かぶ。






見せかけの恋。



見破られていた自分…








急に




腹が立って来た。






「優ちゃん

ちょっと電話して来ていい?」


DM用の 案内づくりをしてた 優ちゃんに そう言うと



私は 2階のトイレに向かう。




仕事もせずに

アパートに居るはず…




はる君への感情が

何なのか わからぬまま


私は 階段を駆け上がった。




No.165 11/11/19 01:14
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 164

『めずらしい(笑)

ルミから電話くれるなんて!』



また 明るい


はる君の声だ…




腹立ちが 一気に消えうせ


悲しみばかりが

私を 包み込む…





「… 仕事

見つかった?」



『探してはいるんだけど

なかなか…ね』




私に

責める資格なんかない。




このまま…


電話を切ろうか。




『会いたいよ…


ルミ…』






寂しくさせたのは


私。





「また 行くよ(笑)

はる君 私…」




涙が出るのは


なんでだろう…







ごめんなさい




ごめんなさい




はる君






ごめんなさい…







勝手に求めて


巻き込んで




乱して



捨てるのか。





『嬉しい(笑)


俺 待ってるからね(笑)

うん そうだ!
今から 掃除をしよう!』



立っていられず


しゃがみ込む。






「じゃあ はる君

私 仕事中だから…


またね(笑)」




アパートと はる君が

見える…



『好きだよ ルミ』



「私も… 」







それ以上は



言葉にならなかった。





No.166 11/11/19 03:45
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 165

「どした? チビ…」








「うわっ💦

なんで泣く!?💦」





「聡志は

私のこと好きなの?」



「…


そんなの まだ わかんね~…」



うるさい居酒屋だった。


聡志は ビールを 思いきりよく飲むと 言った。



「好きになっちゃう自信は

あるけどね(笑)」




かなり酔っていた。

そして 焦っていた。



自分でも ウザい女だと思う。



なぜか

イライラもしていた。




「じゃあ リエは

俺のこと好きかよ…」



「 … 」




「ほらな…」



こいつ馬鹿じゃないな。

涙がとまった。





「一緒にいたいとは 思う…


だろ?」




コクンと うなずく。



「俺は 一目惚れって

あんま信じてない…」




たしかに


私も したことない。




後ろのテーブルで

年配の夫婦が口論を始めた。



「うるせ~な… 」

チラリと目をやる。



「ゆっくり…

知っていっちゃダメなのか?」



気が それる…



「聡志が そうしたいなら

そうするよ」



「そういうの 俺 嫌い」

「え?」


「自分の意志もてよ…

おまえ自分から人に『好き』って言ったことね~だろ(笑)?」








図星だった。




No.167 11/11/19 04:58
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 166

「うるせ~な!!

ケンカは家でしろ!!」

ポカンと口を開けてる
年配夫婦…



「帰るよ リエ(笑)」


「う、うん…」


慌てて 立ち上がる。





「たまには出すよ!」

「恥かかせんな(笑)」




基本的に

『男が払って当然』

と思ってる女だけど


こんな風に いろんな人と会ってると みんながみんな
そうじゃないのが わかる。



聡志は そのてん

理想的な男だった…





店から出ると

私はすぐに

「ごちそうさまでした!」
と 聡志の腕に腕をからめた。


「チビ ぶらさがんなよ(笑)」

「猿か(笑)」



「 …


ちくしょっ」


「何が悔しいのよ(笑)」

下から見上げる。




「うるせ~…」



「へ~んなの~(笑)」






風が気持ちよくって

大声で笑った。





イライラも


いつの間にか消えてた。





のんびり…


でも いっか。





恋のパターンに決まりはない。




風と一緒に

聡志のコロンの香り…






が 急に強くなったのは

なぜっ!?








あなた 私を


抱きしめてますね…?





No.168 11/11/19 14:57
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 167

「好きかもワカンナイ女に
ギュってする男か キミは…」


聡志の いい香りを
いっぱい吸い込みながら

モゴモゴと言った。




「黙れ チビ…」



「まぁ 私もワカンナイから

いいんだけど(笑)」





嘘だ。






「うるせって…」




力が…



強くなる。







「うわっ!エロシーンだ!」

「キャーっ(笑)!!」


酔った 若者の集団が

店から出て来た。






聡志は パっと腕を離すと

私の肩を抱き


「続きは家でやります!」


と 宣言した。





若者達から 歓声があがる。

「お兄さん!頑張って!」


「3回は やれよ(笑)!!」


と言った青年が

飛び蹴りをくらっていた。




笑いながら 手をふり

その場を去る…






「するの(笑)?3回?」


実は そうとう
ムラムラしていた私は

期待満々で聞く。




「おまえは 好きかもワカラナイ男と そういう事する女?」






そういう事…





する女です。







「 … 」




「わかってるって(笑)

冗談だろっ!?(笑)(笑)」





つないだ手が

汗ばむ。






「プリクラ撮り行くべ」










なんだよ その流れ。



No.169 11/11/19 16:34
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 168

「なんすか!?これ!?」


「い~べ~(笑)?」





朝1番

更衣室で
プリクラを ひけらかす(笑)



「かっこいっすね💦💦
聡志さん!!」



若干って言うなよ…



「だべ~(笑)?」




「やったんすか?」


「 … 」



鏡を見ながら
社員証を首にかける…



「でぎない~(泣)(泣)」

「子供か…」


と言いながら 社員証を直そうとする 優ちゃんに

「社員証じゃね~よ(怒)」

と ツッコミを入れる。


「ん?」




「おはようございま~す♪」


真面目な美香ちゃんは

朝から さわやかだ。



「おっ♪ 美香ちゃん♪

スッキリした顔して(笑)

さては夕べ 頑張ったな?」


オレは エロおやじか…




「(泣)やりたいんですけど

手~出してくれないんです💦
榊原さん(泣)(泣)」



『やりたい』って美香ちゃん。




たしかに かたそうなオヤジ…

いや


紳士だったな。




「エッチだけが
愛情表現じゃねっすよ!

2人とも…」



おまえが言うか。




「わかるんだけどさ…

優ちゃん(泣)」



優ちゃんは ブラひとつで

片腕をあげると もう一方の手で 腋の下をピシャリと叩いた



「病 ワキからっす!」





すべて違うぞ優ちゃん。



No.170 11/11/19 18:45
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 169

【土曜日の夜は 俺のために
あけていただけますか?】


ドキっ…





aikoが流れる部屋

(今度 aikoかよ)


摩耶の静かな寝息と

チャオの激しい いびき(笑)




【あけてほしいの?】

送信。



顔が ニヤける…






「ありゃ…

電話 来ちゃった(笑)」



『おまえ ふざけんなよ(笑)』


「なにが~???」



『なんで 上からだよ(怒)』



「下から 来たから(笑)」


『ちっ…



(笑)友達と飲むんだわ 土曜』


「へ?」


『へ じゃね~よ(笑)

だから リエも来い!』


「なにそれ…」



『日本語 わからんか?』


優ちゃんじゃない(怒)




「私はその飲み会に

『何あつかい』で参加?」


『 … 』



「嘘だよ(笑)行くよ(笑)」



『ビックリさせんな…』



「ビックリすること!?」




『ん~…

だよな…』



変なの。










胸をつく想いは


絶えず


絶えず


絶えず…



あたしは これからも


きっと


あなたに





焦がれる





「…好きだぁ~!!」



『えっ!?!?💦💦』




「aiko…」





『aikoかよ』



No.171 11/11/19 20:54
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 170

「聡志 てめ~
彼女じゃね~だろ 絶対!!」




…え?



「キャバの姉ちゃんに

金握らせたんだべ(笑)?」


「おまえは 無神経か(怒)!」

オシボリを投げつける。



なにもかも …え?





高校時代の仲間

プラス 奥さんや彼女…


そこには

7.8人の人間がいた。




「リエさん💦ごめんね💦

こいつ 昔っから馬鹿で…」


聡志が 1番仲良し
って言ってた 桜井君。

めっちゃ感じいい。



「気にしなくていいよ(笑)
桜井君(笑)
私慣れてるし(笑)(笑)」


「ごめんな💦 リエ💦」


「だから い~って(笑)」





そんな事より キミは私を

『彼女』だと言ったのか…


そっちの方が 気になる。




「それに こんな おばちゃん

キャバにいないから(爆)💦」


こうなったら自虐だ。

こういう場所で
気をつかわれるのは嫌い。


「おばちゃんって?」


無神経君が 食いつく。

「リエ 5コ年上(笑)」



きゃあ!!嘘!?嘘!?

と 今度は女子が 食いつく。

「なんか
やってるんですか!?💦」

「ん?」

「若さの秘訣ですよ!」






言えない。




「生き血 吸ってる」


聡志が 頭を叩く。

「妖怪か(笑)おまえは(笑)」


みんなが どっと笑う。







… ひとりだけ


つまらなそうな女の子






発見。




No.172 11/11/19 21:41
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 171

「うらやましいな 聡志…!

俺にも早く
春が来ね~かな(泣)!」


グレープフルーツを
グリグリと搾りながら

桜井君が言う。



「桜井君って彼女いないの?」


私は彼女じゃないよ

と思いながらも聞いてみる。


「こいつも バツ持ち。

しかも 子持ち(笑)」



優ちゃんに…

と思ったが ダメだな。



「いい お父さん
してるんだね 桜井君」


「お父さんだって

恋がしたい(泣)!!!」

「だよね~っ!!!」


強く 同意する。




「あれ? もしかして リエさんも 子供さんいるんですか?」

女の子が聞く。


「うん(笑)5年生(笑)」
「なんで聡志が答えんのよ…」


え~~~っ!?と
また 歓声。







「子供かわいそう」












今度は



あきらかに 敵意だ。






「誰だよ
こいつ連れて来たの…」

「来ちゃ いけなかった?」



ちょっと大柄な和風美人。



「おまえ
酒癖わりんだもん…」


「ほんとの事じゃん」



「京子…

リエに謝れ」


聡志が 低い声で言った。



「ちょっと待ってよ(笑)

私 なんとも思ってないよ!」






彼女のキツい目が



私を


真っすぐにとらえた。




No.173 11/11/19 22:36
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 172

「あのね(笑) 京子さん…


たぶん考え方って
いろいろだろけど…」



私は


間違いなく このコが

聡志を好きなこと感じながら


言葉を選んだ。




「私は 娘と

いつでも笑ってる自分で
向き合いたいな…

って思ってるの(笑)」



「きれいごと(笑)

遊びたいだけじゃん」



「おまえ!

いい加減にしろよ!!」

聡志が怒鳴った。


「聡志っ」

手を そっとおさえ


「そうかもね(笑)」

と笑った。




「おまえ 強制退去!!」

「帰れ!帰れ!」


「い~かげん
空気よめよなぁ…」





誰のツレでもないのか

聡志自身の『仲間』なんだ…




彼女は 潤んだ目で

聡志を見ると




「あんた 遊ばれてんのよ!」




と言い捨て 出て行った。











思いきり 勢いよく
聡志が私の方を見る。


「っなに!?💦」



「チビ 俺のこと

遊んでんの(泣)(泣)?」



「鵜呑みかよ…」







みんなが 笑った。




No.174 11/11/20 00:25
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 173

カラオケ行こうの誘いを

聡志は ガンとして断る。


「じゃあ 私だけ行こかな?」

そうしよう そうしよう!
と みんな盛り上がる。




ヘッドロックを くらった。



「チビ…

俺を なめんなよ(笑)」


「ギブ💦ギブ💦」





イチャイチャしてて下さい

と みんな去って行った…












腕が


頭から 肩にまわる。




「…ごめんな リエ」


「なにが~(笑)?」



本当に

気持ちよく酔っていた。


「大騒ぎしながら飲むの

大好き…」




「…おまえ

いい女だな」




「カラオケも行きたかった…」


「流すなよ(泣)」




聞こえてるよ…





「京子さん…

聡志のこと好きなんだね」


道ゆくカップルを見ながら

聡志の男前さに
ちょっと鼻高々で(笑)
私は言う…



「はぁ?

おまえ 何言ってんの?」


「気づいてないの?」

「あいつは いつでも

あんなだよ(笑)」


「聡志にだけでしょ(笑)」


「ん~…」



鈍感か?

自意識過剰より いいけど。




「妬いてんのか!チビ!」






なに勝手に

ひらめいた感じになってんだよ





「…そうですね。」



「おまえは またっ(怒)!」



!!

いや~!!

後ろから 羽交い締め~!!


みんな見てる~~💦💦
(かなり 嬉しい)










そんな様子を





彼女が見ていた事なんて


まるで知らずに





私達は

夜の街を


はしゃぎながら




歩いていた。




No.175 11/11/20 01:39
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 174

「ムカつく女っすね…」

「まったくだ(怒)」



実は かなり

大人を装っていた(笑)





「実際 おばちゃんが
遊び歩いてることは
事実なんだからな…」


「弘樹は 相変わらず

口が悪いね(笑)」



「弘樹は もう(怒)(怒)!

すいません💦すいません💦」


「慣れてるから(笑)

腹も 立たね~し(笑)」




なんだかんだ

優ちゃんは
もう浮気もしていない。


やっと…


落ち着くかな。





「そう言えば リエちゃん

佐藤のオヤジ
彼女 見つけたよ(笑)」


「よかったじゃん(笑)」


心から ホっとする。



けっこう しつこかった(笑)

コルクボードに貼ってある
私の写真を持って行こうとした時 優ちゃんは マジギレした。



「よく突然 違う人
好きになれるっすよね…」

ドキっ




「あんなに
熱くなってたのに…」


ドキっ







一目惚れって信じない…



聡志の言葉が 浮かぶ。









「結婚するって言ってた…」



「どぅえ~~~!?」



「展開 早っ(笑)」





「弘樹は?」


優ちゃんが ふる。



「結婚願望ないの?」




「まだ 独身がいい…」




「どぅえ~~~!?」








優ちゃん… (泣)




No.176 11/11/20 03:27
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 175

「少し酔い さますべ…」



アーケードを それた

小さな公園。


高校時代 部活帰り

Sとよく


ここで肉まんを食べた。


芝居の話しをしながら…




もちろん

あの頃より 遊具やベンチは


綺麗になっているけれど。






どうして

彼女だなんて言ったの?



聞きたかったけれど

質問をかえた。



「なんで 聡志は

出会い系なんて使ったの?」


どう見ても

女に不自由は しなさそうな男…



「俺…

痛い失恋を


したんだよね(笑)」


煙りを

空に向かって吐き出すと


聡志は言った。



「騙されたんだ…」




黙って

聞いていた。



「すごく親しい女だった…」



聡志が愛した女…



嫉妬している自分に驚く。





「身近な人間

怖くなっちゃってね(笑)


友達すら

寄せつけなくなった…」




わかる気がした。






半分バーチャル


半分 現実。




入口が夢の


不思議な世界。







「リエが来てくれて

良かった(笑)」




「え!?私が初めて!?」

思わず言っちゃった。



「メールはしてたけど

会ったのは 初めて…



って おまえ違うの!?」





あいたたたた…




No.177 11/11/20 04:42
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 176

私は 慌ててバッグから
タバコを取り出そうとした…


はずみで

携帯が 地面に転がる。





惨めな携帯。




「これさ…

オモチャみたいでしょ…」




「話しそらす気かよ」


「違うよ…」




涙が


浮かんでくる…




「言い訳に

聞こえるかもしれないけど…」




私は

離婚してからの
T君との事を 短く話す。





「焦ってたんだよね…」



なぜか 手が震えて

タバコにうまく


火がつけられない。





聡志は スっと

私の唇から タバコをぬくと


自分の口で 火をつけて

渡してくれた。





「ありがとう」


言葉と一緒に



涙が 流れる。





「早く…


恋が したかったんだ私…」




ポタポタと 涙がおちる…





「いろんな人と会えば…」


「もう いい!!」





聡志…






「明日…


携帯 買いに行くぞ(笑)!」


「…え?」



「俺が

すげ~の買ってやる(笑)」







嬉しくて…






「すげ~のって


どんなの(笑)?」






嬉しくて…






「…


象牙で 出来たやつ…とか?」




「象の毛なんか

耳にあてたくないよ~(笑)」










優ちゃんに


なっちゃいました。




No.178 11/11/20 14:12
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 177

好きって言っちゃ…


いけないのかな。




聡志は困るのかな。







やっぱり

傷つきたくなくて…




黙る。






「彼女だなんて言って

ごめん…」


「なんか聡志

謝ってばっか(笑)」






『好き』

って言っても


『ごめん』



って 言われそう…





「みんな ぶっ壊れた俺のこと

ずっと気にしてくれててさ…


とくに桜井が」




酔っ払いが

フラフラと 通り過ぎてゆく…





「この間…

『おまえが 元のおまえに戻った理由は なんだ!?』

って 聞かれたんだ(笑)」



なんだろう…






「リエに会ったこと

話した…」





私?





「『彼女出来たのか!?』

って 喜ばれて…



勢いで そうだって言ってしまったんです!ごめんなさい!」





「…嬉しい」



「…え?」




「すごく 嬉しい(笑)」



頭を


聡志の身体に あずける。


「怒んね~の…?」

「好きだよ 聡志」



「リエ…」





「私


聡志が好きだよ」



急に立ち上がった聡志のせいで

身体が そちらに よろめく


「あぶないじゃん(怒)」









「何してんの???」




「見りゃわかんだろ…

顔 洗ってんだよ…」


ぶるぶるっと頭をふる。





私は 慌ててハンカチを出すと


聡志に 駆け寄った。




No.179 11/11/20 15:02
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 178

「ありがとう…」




やけに 丁寧なお礼。


「やだな(笑)ハンカチくら…」
「そうじゃねぇよ!」





「おまえから…


好きって言って くれたこと」




そうだ…







好きって

言っちゃったんだ…






急に こわくなった。




「あっ…

あ 気にしないで(笑)💦


べつに返事とか 欲しくないし

私は このままでいんだよ💦


友達が 心地いいってか

楽しいって言うか… 」



「俺が やなんだよ!」




突然の


キス。











そして



痛いほどの抱擁。





「夢じゃねぇかと 思った…」



頭の上で

聞こえる声…




「好きだ リエ…



俺と

つき合って下さい」











「はい」





と言うのが 精一杯。



気持ちはまるで


中学生だった…








「おまえ…


かかって来いよ…」








「照れんじゃね~かよ…」








「この後

どうすんだよ…」




ドンと 突き飛ばした。



「わっ!!

なにすんだ!?チビ!」

「も1回 チュウして(笑)」





ゆっくり



キスをした…









入口が夢…



飛び込んでも 夢…












突然の悲鳴に



私達は 夢からさめた。




No.180 11/11/20 16:27
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 179

さっきの酔っ払いが

全速力で
目の前を駆け抜けて行く…



無意識に

やって来た方向を見る








「京子だ…」


茂みのそばで

座り込み 震えている。




「なにやってんだ?

おまえは…」



「怒っちゃダメだよ 聡志」



近寄り

「大丈夫?」

と 声をかける。



「うるさいっ!!」

一瞬カっと来たが

「てめ~!!」

と かぶせるように怒鳴った 聡志のおかげで 冷静になれた。


「聡志…」



「聡志 聡志言わないで!!」


「おまえさ…

さっきから何言ってんの?
なんで そんな
リエに つっかかるんだよ」







やっぱり ただの鈍感だ。




「なんで あんたは


あたしを 見ないの…?」

「は?」



「ずっと

ずっと近くにいるのに


何年も
あんたのそばに居るのに…」



「どういう意味だ?」





…私に 聞かないで。




「とにかく おまえは

飲み過ぎ(怒)!!


ほら 立て…」











それは ささいな


出来事

指が触れた時…



小さな仕草に



いつも





まどわされて…。







「心配も


してくれないんだ…」






フラフラと


立ち去る彼女に





aikoの

『初恋』を重ねる私は




少し


いやらしいな…





  • << 182 「い~よ~(笑)」 … 「い~よってばぁ~(怒)」 … 「さ~と~しぃ~!!」 「おまえっ うるさいよ💦」 「だって のぼせちゃう(怒)」 膨れっ面をしながら 絶対に 聡志を見ない… 私は お風呂に入って来る 男を見るのが 嫌い。 どんなに かっこよくても マヌケに見えるから… だから 本当は 先に入っていてほしいんだ。 なのに… 「チビ 先入ってろ… 俺は 心の準備をしてから行く…」 「やだよ! 私も 後がいい!」 「どんな顔して 迎えたらい~のか わかんねんだよ!💦」 「同じじゃん(怒)私も!」 「… じゃあ ジャンケンな!」 … 「単純なヤツは 最初が グーって決まってんだ(笑)」 ちっ… 「おまえ 向こう 向いとけ💦」 黙って反対を向いた。 有り難い… シャワーを浴びる音 まずい… ドキドキして来た。 超 ワクワクして来た。 シャワーが… とまる。 水面が 波うって 身体が 揺れる… 思いのほか大きく揺れた私を 「あぶねっ」 って 聡志の腕が支える。 ドキン! が 大きい… 「ちっちぇ~ 背中だな…」 って 両肩を おさえたまま うなじに キスの嵐… 身体中を 快感が 走りまわる… なにこれ…? どうしたの? 私…

No.181 11/11/20 18:44
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 180

「やり直ししますか…」


彼女の姿が 見えなくなると

聡志が言った。



「なんの?」


「ラブシーンの(笑)」




鈍感で よかった…





「ところで リエは…


今日は

帰らなくちゃならね~の?」



ギック~~!!

バッグが大きめなこと


キミは気づいているのかい💦



ぶんぶんと首をふる。


「扇風機か(笑)(笑)」


例え…




「俺んち行く?

父ちゃんと
母ちゃんいるけど(笑)」


いや!💦

それは…


まだ ちょっと💦💦


しかも






やれないじゃないですか(泣)






「冗談だ(笑)

百面相を やめなさい(笑)」




あ…




そう。





聡志は また


私の頭をぽんぽんすると



黙って手をつないで



歩き出した。






夢のような時間が


また はじまってゆく…






「うまく 出来っかな…」



え?💦 え?💦


なに!?💦

そんな事 言うタイプ~???



つないだ手に

力が こもる…




「久しぶりなんだよな…」



言っちゃいますか それも!💦


「チビは?」


え~~~~!?!?!?
聞くの~(泣)?💦💦💦

答えづれ~(泣)(泣)💦💦




「UFOキャッチャー」















ゲーセンすか…




No.182 11/11/20 22:33
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 180 さっきの酔っ払いが 全速力で 目の前を駆け抜けて行く… 無意識に やって来た方向を見る 「京子だ…」 …

「い~よ~(笑)」








「い~よってばぁ~(怒)」







「さ~と~しぃ~!!」


「おまえっ うるさいよ💦」


「だって のぼせちゃう(怒)」

膨れっ面をしながら
絶対に 聡志を見ない…



私は お風呂に入って来る
男を見るのが 嫌い。


どんなに かっこよくても
マヌケに見えるから…



だから 本当は

先に入っていてほしいんだ。



なのに…









「チビ 先入ってろ…


俺は

心の準備をしてから行く…」


「やだよ!

私も 後がいい!」


「どんな顔して 迎えたらい~のか わかんねんだよ!💦」


「同じじゃん(怒)私も!」



「…


じゃあ ジャンケンな!」







「単純なヤツは

最初が
グーって決まってんだ(笑)」








ちっ…










「おまえ

向こう 向いとけ💦」



黙って反対を向いた。

有り難い…





シャワーを浴びる音



まずい…


ドキドキして来た。

超 ワクワクして来た。





シャワーが…


とまる。





水面が 波うって

身体が 揺れる…


思いのほか大きく揺れた私を

「あぶねっ」


って 聡志の腕が支える。



ドキン!


が 大きい…






「ちっちぇ~ 背中だな…」

って


両肩を おさえたまま


うなじに




キスの嵐…







身体中を


快感が 走りまわる…




なにこれ…?






どうしたの?




私…





No.183 11/11/20 23:19
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 182

オアズケ…



くらってた…

からかな…




聡志の愛撫を


想像しすぎて




いたからかな…






「おい(笑)チビ…



おまえ

だいぶ興奮してるね…」



舌先で チロチロと


耳を舐めながら




後ろから ささやく






「っあ…


テクニシャン… かよ…


…んっ」


喘ぎ声が


反響する…





「チビすけのくせに…



いい声 出しやがって…」




「変…態おやじ か(笑)

あっ…





…いっ いぃ…


さと…し」



私は こらえきれず


身体を

聡志に向ける




目と 目が合う。






「さっきまで


緊張してたくせに(笑)」



「(笑)うるせ~よ…」






唇が


かさなる…





舌が


からまり合う…





「好きだ…


すげ~好きだ…リエ…」



「私も…



聡志 … 大好…き」





本当に



愛おしかった…







セックスの最中は



相手の感度にばかり

気をとられてしまう 私が



嘘のように…





のめり込んでゆく








抱えられているから



聡志自身を






充分




感じているし(笑)









「あっつ!!!」




急に ザバっと立ち上がる。




私を 抱えたまま…








「部屋 行こ(笑)」









ワクワクが



とまらない…




No.184 11/11/21 00:00
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 183

「あれ?

弘樹 帰っちゃうの?」



「現場近いから

中抜けして来ただけだもん」



「んじゃね 弘樹!」


「外まで

見送んね~んだ!?」



「また夜 会うっすもん…」




手を振り 弘樹が出てゆくと


「熟年夫婦かよ…」



と 私は つぶやく。





「いつも こんな感じっすよ」



「私は ダメだな~…


ずっとラブラブしてないと…」




「うちに居ること 多いからじゃ ないすかね 私ら…」





人が 違うと


また 違うんだけどね…

優ちゃん。



前の彼ん時は

いつまでも
あまい雰囲気だったし…



「そんな事より

ほんとは 弘樹帰んの
待ってたっしょ(笑)!

リエさん(笑)(笑)」




「ばれた(笑)?」





「やった!?」


「やった(泣)!!」




イエ~~~イ!!

ハイタッチ。




まだまだ 馬鹿である。





「合格すか?(笑)」



「トップで合格だよ~(泣)」




「ぽよぽよも ぶよぶよも

してないっ!?」



「ないないないない(笑)

理想の ボディー…」




「胸毛も…」


「ね~から(怒)」





優ちゃんは

唯一

弘樹の胸毛で 悩まされていた(笑)





「うまいんすか?」



「上手~…」



目が潤む。



「慣れてんすね…」







「やな事 言うね~(笑)…」





また 過去に


嫉妬してます…





私。




No.185 11/11/21 02:38
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 184

ワクワクが…


ドキドキに…




変わってゆく






聡志は


駅弁(笑)から お姫さま抱っこに 私を 持ち替えると



ふわっと ベッドにおろした…




買って来たワインを

「喉 かわいたべ(笑)?」


と口にふくむと

口うつしで 私の喉に流す…



「おかわり(笑)」


「無料…」



もう 1度…





彼は 唇を離すと


そのまま その唇を



耳元へと這わせる…





「チビ…






感じるんだな…」






昇天。


ち~ん…





「ぁあっ… 」



つま先まで



そってしまう






「おまえ 可愛い…」



好き


好きだ…



なんで…





なんなのコノキモチ…





溶け合って



しまいたい




と 思った






聡志は


胸も



秘部も




たくみに ポイントを

ずらして攻めてくる…




私の 悲鳴にも近い声に


よろこぶ…





終わらないで




永遠に




この時が



続けばいい…






うつぶせに され






背中




熱い息と舌が



執拗に 這いまわり



指が



羞恥をあおる


彼の声とともに



そこに届く…





「ほら…」

って…



自分の喘ぐ声が





やめないで…




と泣き声に変わる…






こわい



なんだか








こわい…




No.186 11/11/21 04:02
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 185

ただ 夢中でしがみつき

2人で果てた…











「よしよし(笑)チビ」


チュっ









無理矢理

腕枕を差し込んで来る




「おまえ…

怒ってねえ?」



「う~ん…

怒ってはいない…」




よく ハンドルを握ると

豹変する人間がいる。



Cが そうだ。

普段 誰よりも常識的なのに

運転し始めると
突然『べらんめ~』になる。



それと…


似た感じ。




「参ったんだな 俺に(笑)」



「降参」


「素直で よろしい(笑)」


チュっ









ほんの


数時間前の聡志と




今 素肌で触れ合ってる聡志が


同じ人間に思えない

私は 変かな…




抱かれて

こんな気持ちに



なったことない。






たぶん




すごく

好きになってしまったのは



わかるんだけど。





「さっきの ワイン

飲~も~っと…」



ピョンと 飛び起きる。


「お~れもっ(笑)」








同じ人だ。






「乾杯」


グラスを 合わせる…





「今日は 記念日だ…」



聡志が



言う。





ずっと


一緒にいようね…








こわくて



言えない。





No.187 11/11/21 05:29
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 186

「なんで そんなに
プライド高いんすか(怒)!

リエさんはっ!」



やべ…



説教はじまっちゃったよ…



「はいっ 注いで!」


「はい💦」





「ママ~ お姉ちゃんと

お外で遊んでも…」


「い~よ!」



返事 早ぇ~し。


「摩耶ちゃん!
暗くなる前に 愛 泣いても
連れて来てね~!」


玄関から

「は~い」と声がする。




本当に



陽が 長くなった…




大好きな
夏が始まりそうなのに


気が重い。




「好きなら好きで なんで
素直になれねんすかね…」



あっ

優ちゃんの不機嫌の原因は


夜 来るはずの弘樹の

どたキャンだ(笑)




「ウザいと思われたくない…」


ちびちびとビールを飲む…

なんだか苦い。



「めんどくせっすね(怒)」


「はぁ~ やばい…

すっごい好き…」



「聡志さんだって

リエさんのこと好きなんす!」



「あ~ん(泣)

イマイチ安心できない…」



「恋は 楽しくしないと

もったいないっすよ!」




いいこと言うじゃん 優ちゃん…







「ちっきしょう(怒)

弘樹の野郎 他の女と
遊んでんじゃね~のか!?」








う~ん




楽しいのかい?

優ちゃんは(泣)(泣)




No.188 11/11/21 10:22
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 187

携帯が鳴る…



待ってました!!




バイブにしないよ…

単音じゃないからっ



4和音~~~♪♪♪♪




「な、なんすか!?それ!?」



「買ってもらったんだも~ん」


「ぅえ~~っ!?!?」



ピンクの携帯…


【愛してるよ❤チビ❤】



く~~~~っっ…!!



もう 画面ちっちぇなんて
言わせないっ


「ほれっ!!」

「チビって(笑)犬か…」


携帯を抱きしめ

ゴロゴロ転げ回る35歳。



「おいおいおい(笑)

とりあえず返事💦💦」


ピタっと止まると

「まだ しな~い…」



ビールをゴクゴク飲む。


「なんで!?」

「待ってたみたいじゃん…」


「…

かなり待ってたっすよね…」









「しかし 金も持ってんのか…
聡志さん…

うらやましいなぁ(泣)」

「うん…

車にあった
給料明細見せてもらった…」


その行為も

とても嬉しかった…



「ダメポイント ねっすね!」


「それが困る…」


「なんで?」



「好きになり過ぎる…」


「だから(怒) なり過ぎて
い~んですって!!」






だって…




急に

自分に自信がなくなって


四六時中

あなたの過去や今ばかり…




気になって


考えてしまうんだもの…



No.189 11/11/21 12:11
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 188

時間が…


急に 惜しくなる。




眠りたくない…

な。



ウトウトしてる聡志に

横向きでギュっ
てされたままの私は

すごく幸せで



すごく 不幸…




『バイバイ』するのが

こわい。





「おまえさ…」


「… 寝てるかと思った(笑)」



「寝たら もったいないべ…」







舞い上がるな。




「聡志って…


絶対 女慣れしてるよね(笑)」


一応 笑ってみる。




「あんま いい事考えてないだろ… って言おうとしたんだ


今…」




泣いてもないのに


寂しさが

伝わったのかな…





「俺は今

リエしか見えてねぇよ…



それじゃ ダメか?」




「(笑)やだな~

そんな真剣に


返さないでよ…」




…やな女だな。





「…えっとね💦💦


… ごめん 」


情緒不安定。





聡志の腕に 力がこもる。




「おまえも

俺だけ見てろよ…」



はぁ



好きだ…




「うん…」





すごい 好き…






「たぶん」



「たぶんって なんだよ(怒)」


聡志が

両手で 私の顔をはさむ…



「わり~口だ…」


唇で ふさがれる…




自分から 舌を入れた


すぐに



からまり合う…







濡れたまま 離した唇が



耳元で ささやく



「おまえの声



また


聞かせて…」







溺れてもいいのかな






「っあ…


さと… し…っ」





あなたに




溺れても




いいのかな…





No.190 11/11/21 17:29
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 189

「おいっ💦

おまえは また泣くな💦」

だって…



「だって嬉しいんだもん(泣)

ありがと(泣)聡志(泣)」


負のオーラばかり

飛ばしてしまったみたいな

オモチャの携帯。


偽物の恋にも

さよならできそう…



かな。



「こんなもんで

そんなに感激してくれんだ…」


「なんだか 聡志

お父さんみたい(泣)(笑)」


本当に

昔から一緒にいるみたいな


あったかさ 感じたんだ…


「お父さんかよ(笑)」

笑い方も好き。



やばい 見とれた💦



ハマり過ぎんな 私…




「今度

摩耶も連れて来いよ(笑)」


「聡志…」



「うわっ チビ💦

俺が泣かせてると
思われんだろがっ!💦」



感情が

コントロールできない…







「おう(笑)!」

「うわっ!」


私の顔ばかり見てた聡志が

前方から 体当たりをくらった



「サム~(笑)!!

久しぶりだな~(笑)」



日本人だぞ。




「彼女? 奥さんか(笑)?」

サムが聞く。



「こんにちは(笑)」



「彼女だよ(笑)」










幸せで

死んでしまうかと思った。





「可愛いべ(笑)?」








殺されても




死にたくないと思った…



No.191 11/11/21 18:13
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 190

サザンが流れる

聡志の ランクル




車の中も

聡志の いい香り…



「もう 助手席は

リエのもんだからな(笑)」









雄太に 浮気された時



『助手席を奪われた』と

とても 悔しかった。





18の時 彼が

初めて買った ケンメリ…


『助手席は

リエさんのものです』


誇らしげに


雄太は言ったのに。




それほど

助手席って


私には 重い…。







「嬉しい…」


「足ぶらぶらするべ(笑)
チビ(笑)

台おくか 台!」


「届いてます(怒)」


床じゃね~けど。





聡志の メール音が鳴る。



私に 気にさせないよう

聡志は 逐一報告して来る(笑)





「なんだか

意味がわからん こいつ…」



誰!?



気にしないふりをしながら

前方見てるって


けっこう大変。




「あ~ 京子だよ…」



「あ そうなんだ(笑)」




顔が ひきつる。


こっち見ないでよ 絶対!!









何を言って来た

あの女…




昨日までとは

まるで違う感情が



私を襲う。





「まだ おまえと一緒なのか…

って」






久しぶりの



どす黒い気持ちだった。



No.192 11/11/21 20:13
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 191

家が

どんどん近くなる…



モヤモヤしたまま。






「今度 チビ小屋見せろ…」


「へ!?」

「だから(笑)

へ じゃね~よ(笑)」



ほんっとに小屋なんだ うち。

聡志にも話してあった。



一樹は 今だに あの家を
『あれは 外だった』
と言うほど(笑)





「うん(笑)

片しとくよ(笑)」



だから

見せたくなくて


私は いつも


あの 公民館の駐車場まで

車を出す。





あぁ


もうすぐ



着いてしまう。




聡志は さっきから

あまり喋らなくなるし…


桑田の声ばかりが

やけに 響いている




『バイバイ』したら

もう


聡志が 見えない。





あの女は

電話をかけたり するのかな…



突然 聡志の家を

訪ねたりしないのかな。


きっと ご両親も顔見知り…



あぁ

妄想が


ひどい事に なってく…




だけど


私は 大人だし…



何も言えない



聞けない。








「おまえさ…」


「ん?」



「なんで黙ってんの?

さっきから…」






「聡志が 黙ってるから…」




「俺は 喋ったら

泣きそうだからだ(怒)」








…え?





No.193 11/11/21 21:16
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 192

「おい!

色ボケばばぁ!」


ビクっとなる。



「うそ うそ(笑)

ごめんね(笑)」



「谷川課長(笑)

いーよ ほんとの事だし(笑)」


1つ年上の

私達の部署の課長。


大人になってから出来た

とても いい男友達…

と 言ったところ。



とにかく気が合う。


笑いのツボも一緒。



彼が転勤になるまで

男性社員や 新人は


間違いなく私達が
不倫の仲だと勘違いしてた程の

仲良し。



とりあえず 自分が暇だと

ずっと私に
くっついてるんだ(笑)




「まったく キミは

仕事中に シッカリ
ぼ~~~っとしてくれるね…」



と言って

また 私の隣に座る。



優ちゃんは パソコンの達人なので 私より 責任ある仕事を 任されている。


あまり触れないが(笑)

彼女の 仕事の能力は優秀だ。



「また 新しい男?」


「うん…」



「波瀾万丈好きだな~
ほんとに……

わざわざトラブルを
引き寄せるよね キミは…」

「引き寄せてる
つもりはないっすよ(怒)」

この人と喋ると
私が 優ちゃん化する(笑)



「俺は やだな

キミみたいな女と
つき合うのは…」

「どして?」


急いで課長の 顔を見る。

昔はモテただろうな…








「心配ばっかり

してなきゃならない…」













そうらしいですね。




No.194 11/11/21 21:51
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 193

駐車場に着いたら…



自分の車が

ボコボコのベコベコに
引っ込んでるとか


誰か そこで死んでるとか(笑)
(笑いごとじゃない…)


聡志が帰れなくなるような 何かを期待していたんだけれど…





平穏無事に

静かな駐車場には


私の愛車が待っていた。




横に 車をつけて とまる…







「帰んだ? チビ…」


「 … うん 」



「タバコ1本

吸ってったら…?」



「うん…」





聡志が 窓を開けると


夏のにおいを 少し感じる…







「なん… 」
「俺… 」


ぷっ

と吹き出して笑い出した。



「な~に(笑)?」

「おまえこそ 何?」



私は…



ただ気になるだけ。

彼女のことが…



でも




こうなったのは



やっぱり 口に出すべき事じゃないっていう 神さまの

シグナルじゃないかと


思ったんだ。






「なんか 楽しかったな(笑)

って 言おうとしたの(笑)」


「うん… 」



「聡志は(笑)?」









「…離れていたくね~な


って 思っちったんだよ(怒)

うるせ~バカ チビ(怒)
ハゲ!!(怒)」









「ハゲては…


ないよ…」








「怒れよ…







泣きたくなるべよ…」





No.195 11/11/21 22:44
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 194

聡志が 大きく伸びをする…





「おまえんち 遠過ぎ(笑)」



聡志の家は

市内の 南側だ。


うちは 郊外の北側。





「ごめんね(泣)」


「そういう意味じゃね~よ💦

やめろよ!ちっちゃくなんの!


なくなっちゃうべ(怒)!」




「なめくじか…」



「なめくじは

なくなんね~から(笑)」



陽が…


沈んでしまった…






「車 乗れ… チビ…」


「やだよ

聡志が 先 出てよ…」

「また
ジャンケンすんのか!?(笑)」





楽しかった時間が



よみがえる。







聡志が 大きく腕をひろげて


私を 真っすぐに見る。





迷わず


飛び込んだ…






身体中を 包まれてる。



ここに ずっと





いたい。





「絶対 浮気すんなよ…」






「俺 絶対

今日から 眠れねぇ…」



「どうして…?」





鼻の奥が


ツンとなる。





「心配で 心配で


しょうがねぇんだ…」




「私もだよ 聡志…」




「愛してるから…」






顔をあげて



キスを待つ





「愛してるよ…聡志」










塩っ辛いキス。











ほんものの








恋の はじまり…






No.196 11/11/21 23:30
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 195

少し 背の高い…



あなたの耳に




寄せた




おでこ





甘い



においに…













玄関の 開く音









「やりに来たの(笑)?」


「人聞き悪いよ リエちゃん」









「俺


結婚するから…」



「おめでとう(笑)」









「披露宴に 来てよ」




「…冗談(笑)」



「昔 ミアに言ってたじゃん

お兄ちゃんと別れても


結婚式には行くから…



って」





「昔の 話しでしょ…」








チャオが


背伸びをする…





「あ…



鍵 返して…」



「やだ」



「本気で言ってんの…!

返して!」




「こんな家

鍵あったってなくたって
一緒じゃん(笑)」








「あの馬鹿に
なんか言われたの?

ルミちゃん(笑)


ここで暮らすとか?(笑)」










「金も力も ない男


利用価値ないでしょ…」





携帯が 鳴り出す。




聡志だ…





今 電話に出たら


こいつに

なにもかも



めちゃくちゃにされる…





「あれ?


携帯 買ったんだ?」

少し目を見開く…






ごめん




聡志




「出れば いいじゃん(笑)」






「帰って!」









誘われた



あたしは





カブトムシ…












【浮気してんのか(;_;)】





聡志…





聡志…





No.197 11/11/22 03:05
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 196

どんな事があっても

この男に
聡志を関わらせたくない…




「どうすれば いい…」


「なにが~?…」




せわしなく携帯に 指を走らせるT君は 目すら上げない…




「どうしたら

ちゃんと別れてくれる?」


「別れたりしない…


って 言ってるでしょ…」




また…




呼吸が



浅くなる…




「こいつ 馬鹿な親父でさ…


何回も待ち合わせ ズラしてんのに いっこうに 気づかないんだよ(笑)(笑)ほんと馬鹿…」



サイト内で

女のふりをして つなげておく


こいつには

どんどん お金だけが入る…



「やれる女は おまえみたいに

すぐ サイト出るっていうの…


知らないんだね(笑)」





なぜ こうも


私の気持ちを乱すのが




うまいのか…





罪にならないのなら



殺したい。





苦しい…


息が




苦しい。




「方法を…



教えてよ…」



「なんの?」



「てめ~が 私の目の前から 消える方法だろうがっ!!」




パッと 立ち上がると


私の口を

手でふさぐ


力いっぱい…



「マー起きちゃうでしょ(笑)」


キチガイが。



「そういう目

しないの…」







苦しい…




こわい…






助けて




聡志…





No.198 11/11/22 04:14
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 197

【もう 寝ちゃったよね…

ごめん(;_;)

ウトウトしてたみたいです…】


送信。








ぼろ雑巾が


メールしてるし(笑)






笑うしかない…







【着信】







涙が 出た…







『寝れねって 言ったべ(笑)』



聡志…



聡志…



「あはは(笑)

繊細だなぁ…


私の… さとし君は…」



聡志…



『おまえは よく
寝れたみて~だけどな(怒)


…って

なんか鼻声じゃね?チビ…』


「聡志の声聞いたら

嬉しくて…


涙…



出てきた…」



『リエ…



そんなに好きか(笑)?

俺が(笑)』



愛してる…




「好きだよ!

… 大好き…」



『俺も 寝れね~ぐらい

おまえが 好き(笑)』



「イヤミか(笑)」


『シェ~っ








とか言うなよ

恥ずかしいから…』


「昭和だね~(笑)(笑)」



『うるせ~よ(怒)






早く

一緒に 暮らしてぇな…』


「うん…」









あなたを好きで

心底愛して


こんなに切ないものなんだって



声を殺して





泣きました…








『また

aiko聴いてんだ?』


「うん…」




『今度 摩耶と3人で


カラオケ行くべ!』



聡志…





「うん(笑)!

摩耶 喜ぶよ(笑)



ありがとう…」







ありがとう




聡志…







ありがとう





No.199 11/11/22 05:37
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 198

「美香さん!
なんすか この切り方!」

「え? なに?」

「ぎゃーはっはっ(笑)」

「個性的でいいじゃん」

「なんか気持ち悪いよ
美香…」






皿の上に 山盛りの…


赤と白3センチ四方の

物体。



たぶん見ても

それが何か
理解できるまで


けっこう 時間がかかるだろう…




「お皿で みんなに出す時は

皮むいて切った方が
いいね(笑)」



美香ちゃんのアパート


女子だけの 宅飲み。




「初めてリンゴ切ったんで…」

「え~~~!?」




ちなみに この美香ちゃんの アパートは かつて暮らしていた 雄太の家の すぐ近所だ…





「美香 男出来たでしょ…」


「なんで わかるんですか💦」



「歯ブラシ並んでる…」



キャーキャー わぁわぁ
大騒ぎ(笑)


優ちゃんと苦笑い。








私には


キッチンから見える この
洗面所の 仲良し歯ブラシが


うらやましくて

しかたがない…






『早く一緒に 暮らしてぇな』





聡志が



頭から

いっときも 離れない…








「リエ!

後で まとめて洗おう~」


Cが呼ぶ。




「は~い…」



「片付けるフリして

なんか1人で そこで
食ってんじゃね~んすか!?」











なんでだよ(泣)(泣)




No.200 11/11/22 15:00
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 199

「最近 T君ちっとも見ないけど… 別れちゃったの?」


声が とても甲高い この主任は

T君を

とても気に入っていた。


「別れ… てる最中です(笑)」


「え~っ

いらないなら
ちょうだいよ(笑)(笑)!」


「Tも 主任

大好きですしね(笑)」




まったく あの男は

外づらが良い上に

年上の女に媚びるのが うまい…



「や~だぁ(笑)

大好きだなんて~(笑)」

クネクネと よく動く


「美香ちゃ~ん!

ビールくださ~い!」



「本気で考えて

リエさん…」




主任は 真剣だった。




わかりました と返事をし

その場を離れた。


タイミングよく

優ちゃんが呼んでくれたから…



「何 言われてたんすか?
主任に…」


「T

『私に ちょ~だ~い』


だって」


「あんなTさんでも
好みはある…

っつ~んですよねババァが…」



みんなに失礼だぞ。

優ちゃん。







携帯が鳴った。


「ちょっと 外でとるね」

と 優ちゃんに言い残し


激しい賑わいの部屋を

飛び出した。







「はいは~い♪」


『酔ってるな(笑)チビ…』




見慣れた風景


階段を降りる 私




「会いたいよ 聡志…」




生暖かい風が

足元から 吹きつけた…




No.201 11/11/22 16:28
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 200

自分で


自分の言葉に驚いていた…



『会いたい』

と言われれば

『私も』


と こたえる。



私の恋は


そうして成り立つ。





「嘘だよ(笑)(笑)」


『嘘かよっ(怒)』




ミュールの先に

小石が あたる。



カツンと蹴ると

細い道路の向かいの空き地


生い茂りそうな 背の高い草村に カサっと消えてゆく…




「こわいなぁ…」

『えっ!?

冗談だろ(笑)俺怒ってね~…』

「聡志じゃないよ」







夕暮れ


茜色の 空を見る




「自分が


だよ…」





『…


酔ってますね~(笑)』



「(笑)聡志にね!!」





会社の女の子だけで
おうちで飲んでることは

メールで教えてある。


聡志は 安心してくれ

その言葉に 私も また…


安心する。





本当は 私も


1分1秒の



あなたが気になる…

気になってしょうがないんだ…





アパートの下の道路にいても

美香ちゃんの部屋の 大騒ぎが もれ聞こえて来る。


階下の住人に

叱られないといいけど…

ちょっと心配。







その時


ファンっ と

聞き慣れたフォンの音。






雄太だ…








『誰だ?』


「ここ道路だよ(笑)聡志(笑)


私に…



鳴らしたわけじゃ


ないよ…」




No.202 11/11/22 17:44
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 201

とまった雄太のトラックに

私は 歩み寄る。



もちろん

あとで またかけるねと


聡志との電話を

終わらせてから…




「何やってんだ?おまえ

こんなとこで…」


高い運転席から 雄太が聞く。


住宅地の

メインから1本それた この道


車など めったに通りはしない…



「そこのアパートに 遊びに来てた(笑) 会社のコの おうちだから(笑)(笑) パパは?」


私は まだ

彼を名前で 呼べずにいた…



「ばばぁに

漬け物もらいに来た(笑)」

「お義父さんの漬け物

美味しいもんね(笑)」



私も 今だにいただいている。



女房に お土産か。




あの家の かつての義父母は

今でも
あの女を許してはいない…


摩耶が出入りしているかぎり

生まれた孫も

あの家に招く気はないのだろう



それを聞いたとき


少し



嬉しかった。




「じゃあな(笑)


飲み過ぎんなよっ」


「なんで わかんの!?」


「酒くせ~(笑)(笑)」




もう1度

ファンっとフォンを鳴らし


雄太は走り去った。






クルリと向きを変え


空を見上げ…





る 途中




玄関のドアを開け

ひしめき合いながら
こちらを見ている


同僚達と 目が合った(笑)



No.203 11/11/22 18:33
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 202

Cの説明で

私の かつての夫であることを
みんなは 知っていた(笑)


「またナンパされてんのかと
思ったわよ(怒)(怒)!」

甲高い声の半魚人…
(谷川課長が こう呼ぶ)

主任が 悪酔いしている。



「だいたいさ~ 」

まだ 続くのか…


「なんだって 会社の客も
カウンターの私達通り越して

後ろの方に居る リエさんと 優ちゃんにばかり ちょっかいかけるわけ!?(怒)(怒)」


あ~ あ~ あ~

Cの前で
そゆ事言うな!ババァ💦


「主任だって モテてるじゃないですかぁ~(笑)💦💦」


「そっすよ!!💦

あの くっせぇ脂ぎった浮浪者みて~な〇〇の社長なんか

私電話とると 必ず
主任に代わってくれって
言いますからね!!💦」











優…


ちゃん。






「私 面食いなの…」












「優ちんは ほんとに

おもしろいっ(爆笑)」

もう1人の お局
佐久間主任が 爆笑する。




は…


はは…は…


はははははっ



わははは(笑)(笑)




「美香ちゃんの

リンゴ~(爆笑)(爆笑)」



「気持ちワリっすよね!!!

わはははははは💦💦💦」





チーム馬鹿母


ピ~ンチっっっ!!!




No.204 11/11/22 21:34
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 203

「ちょっと 知恵貸せ

チビ…




チビチビも…」



「チビチビ言うな(怒)!」



「2人に責められてるし(笑)」




桜井君が笑う。




カラオケ帰り

桜井君の家に寄った。



会いたかった 3歳の息子君は

じいじとばあばと
お出かけ中だった(泣)




「ごめんね💦桜井君…

急に 子連れで来て💦」


「気~つかうな(笑)リエ

そもそも おまえが
俺んちヤダって言うから…」

「リエちゃんだって

急に おまえの親に会えないだろ(笑) ふつうに考えて…


ね~(笑)」




いいコだな~桜井君(泣)



「はい 摩耶ちゃん(笑)

ジュース どうぞ…」


「ありがとう♪」



「い~から!チビチビ!

ここに入る 言葉を考えろ!」


クロスワードの本を
摩耶に買ってくれたのはいいが


聡志が 夢中になっている…




「さとし 嫌~い(怒)」

「なんだ!?摩耶!💦」


桜井君が また笑う。



「サクライのお兄ちゃん
好き~~(笑)」





あぁ(泣) 娘よ…





「なんでだよ~(泣)(泣)」



「さとし 男のくせに

泣き虫だ~~(笑)(笑)」


「…おぉ~!!!

〇〇〇〇 ナ キ ム シ…


チビチビ!ブラボー(笑)!」



「チビチビ言うな(怒)!」





とても




平和だった…






No.205 11/11/22 22:54
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 204

高校3年生の聡志は


とびきり可愛かった!



「なにこれ~…

すっごい可愛い…」


「だべ(笑)?」


「こん時 会いたかった…」

「チ~ビ~(怒)(怒)」



「桜井君も 男前だ~(笑)

変わらないね(笑)」





高校の卒業アルバム。

「見る(笑)?」


と 桜井君が持って来た時

少し 心が揺れた。


過去の聡志に会うのが

こわかった。



その日常までもが

見えてしまいそうで…






私は 無意識に


京子を探していた。




いた…





言うべきか。


言わざるべきか。




「この お姉さん

美人だね~~…」


「どれ?」

「この人」


「京子じゃん(笑)」









「あ…

ほんとだ(笑)


昔から綺麗なのね(笑)」






ちゃんと笑えてんのかな



私。





「摩耶 目~

ワリんじゃね~の(笑)?」


「悪いけど 私に似て

視力は いいの(笑)」



よけいなこと言った…





「たしかに

京子はモテたな(笑)」


桜井君が言う。




「絶対 誰とも

つき合わなかったけどな…」






聞きたくない話しが




はじまってゆく…




No.206 11/11/23 00:01
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 205

近寄りがたい

長身のモデル体型に
冷たい 美しい顔。


男の子たちは

おとしたら自慢になると


こぞってアプローチを

していたらしい。





聡志は?


1度でも

彼女を好きになった事は

ないの…?




それとも




あなたが



彼女を

おとした…?







「興味ね~…」



聡志が

ゴロリと仰向けになる。


「おまえ 昔からそうね(笑)」


「そもそも俺は

デカい女は 女と思えない」




抱きつきたかった…





「おまえらみたいな

チビっこが好き… ぅわっ!」



摩耶が お腹にダイブした。




がはは! と笑ってから


桜井君が言った。




「俺も…

あいつには

男として見てもらった事
ないんだよな…」





ピンポ~ン






「摩耶! ピザ屋だ!

行くぞっ!!」


誰んちだよ…






2人になった部屋で


桜井君に聞いた。




「もしかして 桜井君…


京子さんのこと

好き?」


桜井君は 少し笑うと



「聡志

気づいてないでしょう?


京子の気持ち」


「すごい 鈍感だよね(笑)」


「俺は…」




聡志と摩耶が戻って来た





「ピザ屋じゃなかった(泣)


京子だ 桜井…」




No.207 11/11/23 01:56
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 206

「それで それでっ!?」


ドンっ!!!


目の前に ダンボール…







「シュレッダー お願い…」


立ち去る 半魚…


主任。








「怒らせたね(笑)

深海の生き物を…」


「谷川課長は 彼女を
いろんなものに するんだね」



「嫌いだもん」




「リエさんの話し

いいとこだったんすよ(怒)」


「イヤ ここ会社だから!」


2人で つっこむ。



「仕返しは してやる…」



この男 本当にするから怖い…





2人がかりで 重いダンボールを どデカいシュレッダーのある 倉庫まで運ぶ。


「あの人 1人でこれ

持って来たよね…」


「化けもんだからじゃね~すか(怒)(怒)」



かなりの ご立腹。



「恋をしたいなら もう少し

やわらかくならないとね~…」



「酢 飲みゃい~んすよ(怒)」


身体じゃね~よ。





「私達に意地悪したら
谷川課長に やっつけられんの わかってね~んすかね?」




「気づいてるんじゃない?…


それも

おもしろくないんでしょ…」









庇えば

庇われた側に


憎しみは向く…







女って


ややこしいのよ 優ちゃん。




No.208 11/11/23 03:07
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 207

おおかた

聡志の車を庭先に見つけて


喜びいさんで
チャイムを鳴らしたのだろう…



まさか

私と摩耶が


いるなんて思わずに…




「桜井
入れたりしね~よな…」


入れるに決まってんじゃん。

桜井君は


彼女が 好きなんだから…



「大勢 いた方が
楽しいでしょ(笑)(笑)」

「あいつ おまえに つっかかるから 腹立つんだって 俺…」




理由を 考えなさい。








「ピザも来たよ(笑)」


桜井君と




彼女が来た。





落ち着け… 私。




「京子さん こんにちは(笑)」


「どうも…」



なんだよ どうもって。




「さとし!汚い!」

「うるせ~ チビチビ…」


食べてるし…



「今 皿持って来るよ(笑)」



「おまえ 突っ立ってないで座れよ! デカいんだから(笑)」







はは~ん…

ゴッちんと私みたいなもんか。



聡志だけが。





「行儀悪い…」


座りながら 彼女がつぶやく。



「い~んだよなぁ(笑)

摩耶(笑)(笑)」


「ママ~!
さとし汚い!!」

「今 桜井君 お皿持って来るって(笑) 聡志も待ってたら…」




「年上の人間を 呼びすてにさせる 親も 親よね(笑)…」









はぁ~~~???




No.209 11/11/23 04:28
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 208

「おまえ

本気で腹立つ女だよな…」


「でも それは そうだよね(笑)

摩耶(笑) お兄ちゃんって呼ぼうね… 聡志のこと…」

「俺が 呼ばせたんだ(怒)

おまえに関係ね~し…」





「お待たせ…


って なんか寒くない?」



とてもサムイです。




「リエも早く食え!

おまえも…


わっ! 摩耶は玉ねぎを
俺のに盛るなよっ💦」



「私 お腹空いてないから…

桜井 ビールないの?」

「今 持って来ようと…」



「おまえ リエにからんだら

即刻
出てってもらうかんな!」


「からむってな~に?

さとし」




娘よ…


あんぽんたんで良かった。








「ほらっ!


リエ あ~~ん…」



えっ!?


「おまえ
全然食ってね~じゃん(怒)」


そうなんだ…



緊張すると

一気に食欲がなくなる。


実は かなり酔っていた…





ので パクっと食べた。



「子供の前で

みっともない…」



こちらも かなり



酔ってる ご様子…



「ママもあたしも いつも あ~んしてもらうよ(笑)

ダメなの? お姉ちゃん」



今日は NGワードを
摩耶に 伝えてない!!




聡志の顔色が 変わる。


「おまえ 誰に『あ~ん』してもらうんだよ(泣)(泣)」


詰め寄って来る。



「む、昔の話しでしょ💦」

「昔だって

してもらったんだろ(泣)」




誰か 助けて…




No.210 11/11/23 09:37
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 209

「リエちゃん 困ってるよ(笑)

聡志…」



桜井君(泣)



「だから言ったじゃない(笑)

そういう女なのよ…」






「男は あんた

1人じゃないってこと(笑)」





「てめぇは 出てけ!!」

「落ち着け 聡志…」




「(笑)やつあたり~?」



思わず 彼女の頬をうって


しまいそうな

私がいた。




摩耶が 見てる…





「京子さん(笑)

聡志が好きなのね…」



「なに言ってんのよ!?」


「私に ヤキモチやいてる…」

「バカ言わない…」

「そうでしょう?」



桜井君がいる。

大丈夫だ。




「チビ それは違うだろう…」


「ほらね 京子さん

聡志は いつまでたっても
こんなだよ(笑)


気づいてなんてくれない…」



「あんた

馬鹿じゃないの!?」


「俺の女 馬鹿呼ばわり
すんじゃね~よ!!」

「なんで庇うのよ!?」


彼女が

泣きだす…



「どうして…」





「惚れた女だ

守って あたりめぇだろが…」



「こんな気の強そうな女

あんたが 守んなくったって
生きてけるわよ!!」


「ふざけんな てめ~!!」




「女の子いじめちゃダメだよ

さとし(怒)」




摩耶…



「そうだよね(笑)摩耶ちゃん…


だけど このお姉ちゃんも
悪いんだよ 摩耶ちゃん(笑)」



桜井君が 彼女を見る。




「謝りな 京子」


「なによ桜井 あんたまで…」



「言っていい事と

悪い事が あるよ…」








「聡志が好きなら



いい女になれ…」



No.211 11/11/23 15:00
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 210

バリバリバリバリ…

バリバリバリバリ…



「超かっこいっすね…


桜井さん…」



ソッチかよ。




バリバリバリバリ…


バリバリバリバリ…




「子供いなきゃね…

紹介したのに…



バリバリバリバリ…

バリバリバリバリ…


「えっ!? なに!?」


バリバリバリバリ…



「子供いなきゃ

…したのに!!」


バリバリバリバリ…



「エッチなことしか

考えてねんすね!!!」

バリバリバリバリ…



なんて聞こえてんだよ…



バリバリバリバリ…


「やっても やっても

なくなんねっすね!!

これ!!」


バリバリバリバリ…


バリバリバリバリ…


「1回 やすもうか!?」

バリバリバリバリ…


「★※◇!◎※▲□◇…」

バリバリ…


ピッ


ウィーーーン…





「◇※★◎!▲!…」








「そういうの いいよ

優ちゃん…」



「そうすか…」





耳が おかしい。





「紹介して下さいよ

桜井さん!」


やっぱり聞こえてない…


「3つの息子君 いるんだよ」


「あっちゃあ

それはエッグだな~…」





ネックか?








それに…



彼もまた


叶わぬ恋を



しつづけるのだろうし…




No.212 11/11/23 16:55
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 211

聡志が

いよいよ 気づいた…




「おまえ…


俺のこと …」



「うるさい!!」



「ごめん…


気づかなくて…」





「あやまるな!」


「だけど俺

リエを愛して…」

「黙れ!!」







「喋んないで…」





彼女は バッグをつかむと

速足で 部屋を出た。



小さな声で

「ごめんなさい…」



と私に言って。





桜井君が


あとを 追う…









「ごめんな リエ…


やっぱり気分わるくさせた…

摩耶も…」



「さとし カッコイイ♪」

「うん(笑)!

かっこよかったね!」



「…俺は おまえらが

大好きだよ(泣)(泣)!」





とじられた


卒業アルバム…





過去が あって

今 あなたが ここにいる


見えても


もう 怯えない。




ここにいる あなたに


感謝できるから…










「ところで 摩耶…


摩耶は どのくらい

ママの『あ~ん』を
見たんだ?(泣)(泣)」


「さ~と~しぃ~(怒)」


「また泣いたあ(笑)(笑)」








携帯が鳴り






私の過去は




まだ

過去にすら

なりえていない事実を



突きつけて来た…




No.213 11/11/23 18:36
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 212

泣き声が聞こえる…


そして

低い 怒鳴り声。




経理のMっちが

天井をあおぎながら
私達に 歩み寄る。




5年後

一樹のツレのチャラ男を
カウンターで追い払い


あの日



ブルゾンを間違えた

彼女だ…





「はじまったよ…」

大袈裟に ため息をつく。


「谷川の お局イジメ」



さっきの いきさつを
Mっちは 知らない。


「Mっちが いたたまれないよね~💦 隣でやられちゃ…」

「笑ってやりゃい~んだ(笑)」


優ちゃんは まだ鬼。




「別に あたしには
関係ないんだけどさ(笑)

アレ終わってから
あたしが しんどくなるのまで
谷川は 考えてないんだもん」


主任も経理で

机を 並べているのだ。




「なんで あんな仲悪いかね…

あの人達」



ごめんよMっち(泣)

と 心で詫びる。






更衣室に駆け込む 主任



「… 行ってくる 」


ため息をつくMっちに

手をふる 優ちゃん。




「あ~ 私は

隣がリエさんで幸せっす(笑)」

「私も~(笑)(笑)」





「楽しそうだね~(笑)」

「ナイス! 課長!」

優ちゃんが 親指を出す。



「褒めなくて いいから

1回 やらせて💖💖💖」








てめ~~~(怒)(怒)




No.214 11/11/23 19:43
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 213

休日だからと

油断していた…



結婚する女と 一緒にいる時に

電話など


かけて来ないだろうと…




それは


聡志を



激しい 不安に

おとしいれてしまった。








「あんた 最近

来過ぎじゃない?」


「おまえが 電話に

出ないからでしょう(笑)」



「警察 行くよ…」



「おまえ どうして

この間から
むきになってんの?」






「男…
かわったんだな?


携帯も

買ってもらったのか…」



髪を 撫でてくる



「うまくやろうよ…

リエちゃん…」


「さわるなっ!」



とまらない憎悪と

焦り。



「女いるなら いいじゃん…


結婚するなら いいじゃん

なんで 私にかまうのよ!?」



「好きだから


愛してるんだよ リエちゃん」


「私は あんたを

愛してない!!!」




また


キチガイのように

私を 押し倒し



乱暴に 服を剥ぎ取る。





「私が…

あんたの結婚も…


仕事も


全部

めちゃめちゃに…



して…やろうか(笑)?」




ただ乱暴に

腰を 激しく動かしながら



かつて

優しかった彼は




「やれるもんなら…

やってみな…」




恍惚としながらも

冷たい目で


私を見ながら




そう言って笑った。




No.215 11/11/23 21:58
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 214

「誰か… 来るよ…


聡志…」



「してぇんだよ…」



「さっき

したばっかじゃ… んっ」




激しいキス…










喧嘩が増え


私の



身体ばかり求める…





「足…


ひらいて チビ…」




すぐに 舌を這わせる





「っあ…」



「もっと…


ないて…リエ…」



聡志の息が


荒くなりはじめ




舌先の動きも


速度を増す…



「ぁあっ…


さとしっ…」




「俺のだよな…!



おまえ…


俺のだ… ろ…」



激しい音をたてながら


吸いつき

舐めまわし




縦へ横へと


首を振る





頭が


おかしくなりそう

だった…



「だめだ… ったら


聡志…




外に…


聞こえる…」





駐車場に とめた車。



窮屈な

身体の置き場所と


大きな声を出せない状況




誰か 来たら…




腰のあたりが

ずっと ソワソワして



たまらない

興奮に変わる…




「好きな


くせに(笑)




チビ…


こっち見て…」


「ぃやっ…」




「すげぇ 濡れてる…」



「ゃめて…


お願い…」







やめないで…





No.216 11/11/23 22:48
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 215

重い…



沈黙だった。







「聡志は…


私と やりたいだけ?」



ずっと言いたかったけど

言えずにいた言葉。



「馬鹿なこと言うな!」

「だって…」



「俺 こわいんだ…」





声が


ふるえていた。



「また 俺…


騙されんのか…?」




どうしても


あの男の存在を

聡志には隠しつづけたくて


私は また


嘘ばかり ついていた。




「私を抱けば

安心できるの?」



はぐらかした こたえ…





なぜ


助けてと






言えなかったんだろう…




「何を 隠してる?」



全部

話してしまいたくなった

だけど そうしたら

間違いなく 聡志は
あの男に 手を出す…


それは




あいつの

思う壷なんだ。




「やだなぁ(笑)聡志…

私が 信じられないの?」


「好きになり過ぎた…


俺は

こういう男だ」




私もだよ 聡志…


あなたを失いたくなくて


必死に


もがいてるんだよ。





「私は そういう聡志が

好きだよ(笑)


すごく…




好きだよ…」




「リエ…


頼むから どこへも行くな!!

絶対に


俺から

離れんなよ…」













あの日



別れていれば…





No.217 11/11/24 01:13
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 216

もし あの日に


別れなければ





同じ翼で

旅してた…



時計の針は 戻せないのね


二度と あなたの

腕には





かえれない











「懐メロっすね…」







「なんで泣いてんすか!?」


「優ぢゃ~ん…」



「今

幸せワックスっすよね!?」


マックスだ。


「T 殺して~…」




「… 話せないんすか?

聡志さんに」



「言ったら…


終わりな気がする…」




そう…


こんなに長く

隠し続けてしまったがために



今さら

言えない。



また

あの人を


壊してしまう事になる…




「なんでTさんは

こんなにリエさんに
執着すんすかね…」


「あいつ 壊したのも


私だしね…」





この 出会い系でだって

M少年や はる君

次々と



私は 傷つけた。






バチが




あたっているんだろう…


と思う。










恋という字を


辞書で引いたぞ




あなたの名前 そこに


足しておいたぞ…







娘たちの うたう歌が


心に痛い。




キミ達が


大人になって




恋をする時




どうか


ママのような思いを

する事が




ありませんように…





No.218 11/11/24 04:00
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 217

運命には


逆らえない…




もし あの時


暗い 暗い 闇の中で

出会ったのが



T君ではなく



聡志だったら…



今 私は

幸せだったのかな。



それとも

長い 年月をかけて



聡志を

壊してしまっていたのかな…




すべて 私の罪。


誰のせいでもなく…









「私 引っ越すよ…」


「そんな金


どこにあんの…」



また


目もあげずに…





「そんな金あるなら…



俺に返して…」








「いったい おまえに

いくら使ったと思ってんの?」



携帯をテーブルに置き


目を そっとおさえる。





綺麗な瞳と

長いマツゲ



昔は


とても 愛おしかった。





「おまえの 馬鹿亭主が

金まるっきり 渡さなくなって…



俺いなきゃ

おまえら


野垂れ死んでたよね(笑)」








「感謝の気持ちが


まるで ない…」





「頼んでない」


「…え?」



「方法なんて

いくらでも あった」



タバコに 火をつける。




「私と

一緒に いたかったのは…」


吐いた煙りが


ただよう…



「あんたでしょう?」




No.219 11/11/24 05:20
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 218

「可愛くないねぇ…」



わかってて

スイッチ入れる




本当に


私は 馬鹿だ。





私が 男にたいして

のめり込む事を恐れるのは

きっと…



プライドだけでなく


終わりを迎えた時

争いになった時



避難する場所を

確保しておきたいため



なんじゃないかと思う。



求めたのは


望んだのは




いつも


私ではなく





あなただと。










引っ越しは


聡志が言い出した。


この家を出て

一緒に暮らそうと…




私が絶対

口に出さない足枷が

間違いなく此処にある事


私の言葉の端々に

感じとったんだと思う。




現実問題


それは無理な話しだ。



摩耶の生活と心を守るため

この土地を
離れることは出来ない。


聡志が こちらに来ると言うが

どう考えても
通勤の負担が大きすぎる


そんなリスクをおってまで

私は


守るほどの女じゃない…





だけど

不安がる聡志のためにも


自分のためにも


少し



夢を見たかった…






3人で

幸せに暮らす夢を




描いてみたかったんだ…



No.220 11/11/24 06:41
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 219

耳元に


ふっ と

熱い息をかけて来る…



「もう(怒)

やめて 聡志(怒)」


「(笑)だって

おもしれ~んだもん…」



ベッドの中


激しいセックスの後でも



私の身体が

それを拒否しない…



とても 不思議だった。


なぜ

この人に抱かれると



果てた後でも

冷めないのか…




いつまででも


いつでも



聡志が欲しい…







「したくなったべ(笑)」

「なんないよ(怒)」




「濡れてんじゃね~のか…」


静かに


静かに 耳元で囁く




「もう 乾きました(怒)」


強がってみせても


「嘘つくなよ(笑)チビ…」



内もものモゾモゾで

ばれる。



「なんで 足動いてんの…」


「動いてない…」



「…舐めちゃうぞ(笑)」


耳に


聡志の吐息と あたたかい

舌先…




「や… めて…」


「怒んねんだ(笑)?」



「怒っ… てるよ…」



シーツに擦れる

自分の身体が


激しく動き出す…



「落ち着きなくなって

来ましたね~(笑)」



「して…」


「な~に?チビ…」



聡志の声が


うわずってる…




「してよ 聡志…」



「あぁ~ おまえ可愛い

たまんない 俺…」




彼は 素早く


覆いかぶさると


私の頭を

片手ですくうように持ち



「リエ…


愛してるって言って…」

と 言った。





何度でも


何万回でも 言える




「愛してる…


聡志



あ… い してる… 」




No.221 11/11/24 16:30
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 220

「おまえは

俺達の歴史の重さを…



わかってない

みたいだね…」




知ってて スイッチ入れてる?


ううん…

そうじゃない。




T君は

いつでも 私を許す



最後には 許す




何年も


何年も


そうして

繰り返して来た…






大事なものを見つけても


いつの間にか

また 此処へ戻る私




彼も


私も


それを 知ってる



「リエちゃんが

どこへ行こうと


俺は 離れたりしないよ… 」




優しい


キス






「おまえの気持の中から…


俺を


追い出さないで…」



背中にまわる腕が


やけに あたたかい…




「俺はね…

リエちゃん…」



胸を這う

少し かたい舌に



若かった


彼を思う…




「おまえが

馬鹿亭主の元へ


戻ることだけ



恐れて…




ずっと そばで


生きて来たんだよ…」




腰を ひき寄せる力が


初めて抱かれた日の

ペンションを



思い出させた…





「愛してるんだよ…


リエ…




おまえ以外…




俺は


愛せない… 」



No.222 11/11/24 17:35
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 221

「摩耶にも 会いて~な…」


煙りに 少し

目を細めながら


聡志が言う。




この顔も


大好き…








「一緒に暮らそう

リエ…」


「そうだね(笑)」


「おまえ 返事早過ぎ!」



まなざしが


痛かった…




「冗談で言ってるわけじゃ

ねぇぞ…」




わかってる。






あれから


怖くて

摩耶にも会わせていない



それは いっそう

聡志の不安を あおる。



「ごめんね…」


「本気で考えろよ リエ」



どんなに 幸せだろう…


3人で暮らす。




大好きな

摩耶と聡志が


いつでも

そばにいる 風景…





だけど 今

1番熱い


恋の途中であること




それも

よく わかってる。




「また百面相か チビ(笑)」


「チャオも一緒ね!」

「(笑)もちろん!

ペット可で 探すべ(笑)」



咄嗟に 口から出た言葉が


2人を

希望で 包みはじめる…




聡志に

運命を感じた 私が


少しだけ 冷静になった今も



夢を 見れる。


未来を



繋げて 描ける…





「聡志に会えて


よかった(笑)(笑)」



「チ~ビ~(泣)(泣)」


髪を くしゃくしゃと撫でると



おでこに


キスを くれた。




No.223 11/11/24 18:48
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 222

「私 会社辞めますね!」





言葉が…


出なかった。




「どうしてすか?」



佐久間主任…





佐久間主任…







どんなに


貴女に




助けられて来ただろう…




「泣かないの(笑)リエさん…」


ギュっと 手を握る。



「今すぐって
わけじゃあないし(笑)




やっと幸せになれるんです」


「佐久間主任…」


「結婚するんすね!?」



長い 長い 不倫…


彼女の苦しみは




終わった。





「おめでとうございます(笑)」


「リエさんには…

嫌な話しも たくさん
聞かせてしまった…」

「そんな事ないですよ💦」



された側だった私を


主任は

もちろん知っている。



「私は…

わがままだね…」



「主任だけじゃないです(笑)

女は みんな


わがままですよ…」




私が


1番の

わがまま…





「いつも 明るい2人に

たくさん助けてもらった(笑)」



主任…



「こんな おばさんを

いつも相手してくれて
ありがとう。


本当に 感謝してる…」





主任…






「バカ~ バカ~

主任のバカ~


なんで辞めんだよ~

結婚したって
高速で 通勤しろよ~


私達を おいてくのかよ~ 」




優ちゃんが






泣き出した。





No.224 11/11/24 21:17
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 223

あたしは あなたに

見返りを

期待してたかな



見つめてほしい


抱きしめてほしい…









「コンポも

古くなったね…」





「新しいの 買ってあ…」

「どうして 愛せもしない人と

結婚できるの?」



「バカだね(笑)おまえ…」





「恋愛と結婚は


別ものだよ…」





チャオが


虫を見つけた…





「リエちゃんみたいに

四六時中
男に必要とされてなきゃ
気がすまない女は


結婚には…


向かない」




鼻先で嗅いで



「正妻より

めかけが愛されるのは



古い時代から

ずっと続く
日本の色みたいなもん… 」




少し 爪を出し




「一生


愛され続けたいでしょう?」




もてあそんでみてる…





「恋をしていないと


おまえ…」




急に 羽ばたいた虫に


「死んじゃうでしょう(笑)」




後ずさる。






「私は



愛され続けたいわけじゃない」



飛んでる虫を

チャオが追いはじめた








「愛し続けたいの」










届かなくても


欲しがってみたい…




いつか 掴めると信じて





追ってみたいんだ…





No.225 11/11/24 23:37
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 224

たくさんの好奇の目が


そこには あった。





酔い過ぎ

フラフラになり


もつれ合い

倒れこんだ身体に覆いかぶさり


胸を ドンドンと叩き

泣き叫ぶ




「バカ野郎! バカ野郎!」


好奇の目が


涙に 変わる…



「行くな! 行くな!


おいて行くなぁ!!!」





「もう やめなリエ…」




悲しくて


悲しくて



別れの日

もう会えないことが

つら過ぎて



しがみついて泣いたのは





優ちゃんではなく


私だった。





繁華街で 行われた

佐久間主任の送別会。




立ち去る側の悲しみを


あの時の私は

まだ 知らなかった。




おいてきぼりにされる

焦りと悲しみにばかり
包まれていた。




「リエさん…


ありがとう」



ひっくり返ったまま

佐久間主任は 泣いた。








会社の女性の中で


年下の立場で いられた あの頃…




ほどなくして

谷川課長は


『嫌いな女』
も追い出したので(笑)



気づけば

Cと私が 1番年上。





肩肘はらずに

のびのびしてられた
最後の ひととき…



だったのかもしれないな。









この間


佐久間主任から電話が来た。


『珍しいですね(笑)

リエさんが電話くれるなんて』


「…え?

私 電話したんですか?」



『着信ありましたよ(笑)』











レナのしわざだった(泣)



No.226 11/11/25 01:19
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 225

「聡志ぃーーっ!!!」



力の限り 叫んだ。


まるで

彼の名前を呼ぶのが




最後であること

わかってたみたいに…







あなたに



出会えて よかった。



それは 私の気持ち。




『来てくれたのが

リエで よかった…』


あの日


公園でくれた あの言葉




今でも


そう思って
くれていますか?





夢は 夢のまま


叶うことはなく




あなたは 今でも


私の 永遠の恋人…












「愛してる…」


「素直で いいね(笑)」

「ちがうっ!!」






チャオに

捕えられた虫は



死んだ。





「私は



聡志を 愛してる…」



「誰…? 」




苦しい呼吸と

現実から逃げ出したくて


私は 外へ飛び出す。






大好きな 夏のにおいが



した。






「家 入りな…


おまえ 病気なんだよ…」



「お願いだから…


1人にして…」



「どこに行く気?」






ただ


歩きたかった…



どうせ

行きつく場所など



ないのだから…





No.227 11/11/25 03:46
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 226

「なんで

そんなにバカなんすか!!」


泣くな 心の友よ…



「殺すすから!あの男!」



優ちゃん…






優ちゃん…






「出会い系なんて…


手 出さなきゃよかった…」



「リエさん…」




声がかれるまで


2人で泣いた。








「だけど 優ちゃんには

弘樹がいる(笑)


私は それで満足だよ(笑)」


「リエさんにも

ホスト…


残ってるじゃねすか…」



少し


笑えた。







優ちゃんは

この後 5年…


そう

今の旦那様と出会うまで

弘樹と つき合い続けた…




終わる縁


繋がりつづける縁




入口が夢の


出会い系サイト




決して

遊びなんかじゃなかった



チーム馬鹿母


命をかけた 数ヶ月


本気で



恋を求めた 数ヶ月…







私が この後

R君と つき合い始めてから


いつも



いつも



遠くばかりを

見つめていたのは


きっと




聡志の


『チビ』


って私を呼ぶ声が





ずっと



ずっと







ずっと






聞こえつづけていたから
なんだろう…





No.228 11/11/25 05:28
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 227

夏のにおいを

吸い込みながら



呼吸が

ラクになってゆく…




「電話する気だろ…


男に」






団地の狭い坂を下り


大きな道路へ出かかった所で

私は 立ちどまり叫ぶ


「ついて来ないで!!」


激しい 苛立ち。



「心配で…


1人に 出来ないよ…」




どうしたら…



そんな言葉が 言える?


どうしても

理解できない…




しようと思わなきゃいいのか。




私は 向きをかえると


また スタスタと歩き出す。



朝夕には 酷い渋滞の

この道路も


夜ともなれば
嘘のように車通りがない…


舗道の向こう側の車線を

1台 車が行き過ぎただけだ。




「待って リエ!」


後ろから 腕をつかまれる。


「離せ!!」


「俺が 女と別れたら

おまえも別れてくれる?」






「なに 言ってんの?」

ゆっくり振り向く。






通り過ぎた車だろう…

Uターンしているのが見えた。





「おまえ ヤケになってるだけでしょう? 俺が結婚するって…

言ったから…」



泣いてる…



本気で




そう思ってる…?




「あんたと話してると

こっちまで
頭が変になりそう… 」



「強がるな!」


は?

抱きしめて来た。





ヘッドライトが近づく…


「ちょっと やめてよ」





スピードをおとした車が


「離して!」







とまった。









聡志の ランクルだった…



No.229 11/11/25 09:14
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 228

ドアが


ゆっくりと開く…




「聡志…



どうして…」



「俺は


うたぐり深いって

言ったべ チビ(笑)」



急に

自分のおかれた状況に 気づく



「ちがっ…

聡志 こいつは」


「はじめまして(笑)」








「信じて!

もう とっくに
別れた男なんだよ!!」


「じゃあ 行くぞ…

車 乗れ」



聡志が 私の肩を抱く



「俺 さっき

寝ましたよ(笑)こいつと…」



「嘘だよ!聡志!

相手にしないで…!!」


聡志は黙って

私の肩を強く抱くと
車へと 歩き出す



「いい声出しますよね(笑)

この人…」



「もう

いい加減にしてよ!!」

涙で

何も 見えない…



「どうして

そんな事言うの…」



挑発したいだけ…



今なら わかるのに…





「リエ…」


聡志の声が

ふるえている




「こいつ…




殴っても いいか…?」





ほら…


こうなる…





「だめ…



だめ 聡志…」



「庇うのかよ」



「そうじゃない!!


こいつ キチガイだよ

殴られんの待ってんの



そういう男なんだよ…!!」



No.230 11/11/25 10:08
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 229

「お兄さん(笑)


リエ 共有しませんか?



俺は 手放す気ないし

あなた達の恋愛
邪魔する気もない… 」




さっきの涙は


やっぱり嘘か…




「てめぇは…


俺の女を

馬鹿にしてんのか!?」


聡志が とうとう

胸ぐらを 掴みあげた…





「知ってます(笑)?

こいつの前の 旦那…



単細胞で



あんた そっくりだ(笑)」




黙れ…




「まぁ だから

あんたのこと


好きになったんでしょうね…」




黙れ…





「リエは


あの馬鹿が いつまでも

好きみたいだから(笑)」



強い力で

おしつけるように




聡志が




手を離す…







私は ツカツカと歩み寄ると

力いっぱい


あいつの頬をうった。







泣いて

聡志にすがれば


道は

変わっていたのかもしれない…




「チビ…」


「こういう女なのよ(笑)

私…」



「おまえ…」





「聡志には…


ふさわしくないね(笑)」



No.231 11/11/25 17:52
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 230

私は…


きたない




いっぱい いっぱい



汚れてる…





「聡志には

若くて 綺麗な…



よごれてないコがいいよ(笑)」



真っすぐな


真っすぐな瞳。


これ以上

傷つけたくない…



なんて思いながら

私をさらってくれと


叫び出しそうになってる…



「俺は

おまえを愛してるんだ!!」


また

大好きな 聡志の香りが
強くなる。



夏のにおいと一緒に…




「離して…


聡志…」



「リエ…」



「愛してる


愛してる 聡志…


愛してる 愛してる



愛してる


愛してる…」




繰り返せば

消えてなくなるんじゃないかと


思った。


だけど


繰り返せば 繰り返すほど

強くなる想い…





「離してっ!!!」


力いっぱい

聡志をはねのけた


「おまえの力なんかで

俺は動かねぇって言ったろ!」

「離せ!離せ!離せ!」


狂って


しまったんだ…





「(笑)嫌がってますよね…」


悪魔が


笑い出す






運命は



かえられない…





「もう…


終わりにしよう 聡志…」



もし

あの日 別れていれば


こんなに

あなたを傷つけずに


すんだ…



「あなたには






なんの感情もない…」




No.232 11/11/25 18:52
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 231

「愛してないの…」







走り去る


聡志の ランクル





『助手席は

リエのもんだから(笑)』


からっぽの

助手席の まま…




私は

力の限り


あなたの名を呼ぶ



何度も


何度も




叫びつづける。





小さくなり


その姿が



見えなくなっても…








すがらない女



すがれない女






雄太…


私は また




失敗したのかな。




聡志もまた


あなたと同じように

思うのかな…




『すがって欲しかった』

って…。










「あまのじゃくさん(笑)」


からっぽの 心




「帰ろう…」






麻痺した頭…






私は この悪魔から



逃げられないんだろう…





そもそも


悪魔に変えたのは




私だし。







ただ


彼の誤算は



私と聡志が

これで終わったとは



確信しなかったこと。






私は

ゆがんだ方の愛を



選んでしまったと

いうのに…








家までの 細い坂道を


2人で 歩きながら




いつも


ひき返す自分が




なんだか滑稽で



笑えてきた。




No.233 11/11/25 20:06
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 232

「味しね…」


噛んでるガム。




「味なくなって来ると

気持ちワリくなるっすよね…」




デスクの上に


思いきり 吹いて出す。



「おいおいおい(笑)」


優ちゃんが

急いで拾って 口に入れた!!



「おまえは バカか(笑)!!」




涙が出るほど笑った。






「今日も
エンジョイしてるね~(笑)

キミ達はぁ(笑)(笑)」



谷川課長が

肩を 組んでくる。





「セクハラ…」




「好きなくせに(笑)」



「うん(笑) 好き~(笑)」



「愛してる?」


「愛してる~(笑)」








いつからかな…



簡単に


言えるようになったのは…






「やっべ

やりたくなって来たっす!!」



「会社なんですけど~(泣)」







チーム馬鹿母に


成長はない。




だけど…




もう やめよう


って 2人で決めた。







私達には 手に負えないものが


あの中には




たしかに あるから…






いつまでたっても



女。



お母さんだって



恋したい。





私達


最強の コンビだね(笑)

優ちゃん!!











目の前に携帯。






「向こうも

2人らしいっすよ…」





(泣)愛してる!!!







      ―完―




No.234 11/11/25 20:26
クロス ( ♀ gAVFh )



  【あとがき】


またまた 年寄りの回想に おつき合いいただきましたこと

心より

感謝いたします🍀🍀🍀




実は…


ひとつの恋を
書き終えるたび


激しい感情の波に 揺さぶられ

馬鹿馬鹿しいほどの激情と


戻れない時間への恐怖から


手が とまってしまう事
しばしば(笑)



次回作は

完全フィクションで
いかせていただきます😂

(まだ✏書く気です💦
すみません😭😭😭💦💦)


また

自レス解除させていただきますので よろしければ ご意見 ご感想 ご要望いただけたら…



嬉しいです😭😭😭


本当に

ありがとうございました💖💖💖



読んでくださった皆さまに


心からの

感謝をこめて🍀🍀🍀✨✨





      クロス



No.236 11/11/25 22:41
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 235

サマンサさ~ん😭😭😭💖✨✨✨

レス
ありがとうございます~😭😭😭🍀🍀🍀✨✨✨


これまた

大ファンだなんて言っていただいて いいんでしょうか~😭💕💕💕💕✨✨✨✨

感激で爆死しそう(;_;)✨✨✨

出来るもんなら やってみろって感じですけどね💀💦💦


例の 書き終えた虚無感

消えました💖(単純)



本当に 本当に

ありがとうございました💖💖💖


No.238 11/11/25 23:30
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 237

名無しさ~ん💖💖💖


いつも

ありがとうございます😭🍀🍀🍀


楽しんでいただけて
嬉しいです😭😭😭✨
良かったです😭😭😭✨



今 メール機能に
書きためてます✏✨✨

ドバっと✏出します😂💦



あたしも

名無しさんに会いたい💖✨✨✨



お疲れさまを 本当に

ありがとうございました💖💖💖


No.240 11/11/26 14:03
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 239

名無しさ~ん💖💖💖


見つけてくれて
ありがとうです😭✨✨✨


【if】


初の 男性目線作品…



名無しさんの応援
いただいたんで😤😤😤✨

✏張り切って
頑張っちゃいます🙌🙌🙌🍀🍀🍀


身体の心配まで

ありがとうございます✨


優しい(;_;)💖

名無しさん💖💖💖✨✨✨

No.242 11/12/05 03:57
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 241

りーさん💖💖💖

レス ありがとうございますっ😭😭😭🍀🍀🍀✨✨✨✨


気づくの遅れて

すみませ~ん😹⤵⤵⤵


着レスしてないもんで💦



アドバイスも

ありがとうございます😭💕💕💕


すごく有り難いです🍀✨✨✨


ひとりよがりの暴走

すんません(;_;)💦💦💦



自分の頭の中だけで
わかっててもダメですよね😭💦



これからは

より明確に


わかりやすく書くよう
努力しますっ😤‼✨✨✨


ちなみに

なんレス目か
教えていただいたりしちゃっても よろしいでしょうか…


えへへ🎵
(図々しい…)


『わ~ なんだろうね?

この虫…』 かな❓



これは 妖怪翔子です😂💦💦💦



りーさん💖💖💖

拙い文章で 申し訳ありませんが まだまだ 走りつづけたいと思いますので(興奮しすぎ) これからも どうぞ 叱咤激励を よろしく お願いします💖✨✨✨

(文章つめ過ぎ😂)



本当に 嬉しかったです🍀🍀🍀



ありがとうございました💖💖💖


No.244 11/12/05 11:52
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 243

りーさん🙋💖💖💖


ふたたび

ありがとうございます🎵


あたしも

自分で言っといて(笑)
あとで読み返し

りーさんの言ってるのは

そういう具体的な事じゃナイだろっ … と ひとりツッコミしてましたm(_ _)m💦💦



読解力 文章力がないのは

この あたしです😂⤵💦



不愉快なんてこと

全然ナイですからね🍀✨


感謝しております☺🍀

ありがとうございました🍀🍀🍀


No.246 11/12/08 23:54
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 245

サマンサさ~ん🎵🎵🎵


😭やった~🙌🙌🙌⤴✨✨

『おもしろい』✨✨✨



何より嬉しいっす😭💖✨✨✨

ありがとうございます✨✨🍀




はい☺✨

車屋関係の話し以外は

オールフィクションで
ございますです(>_<)💦



長くなりそうですが(笑)

どうか

これからも おつき合い下さいね💖 サマンサさん💖💖💖✨✨



本当に 嬉しかったです😭😭😭

ありがとうございました🍀🍀🍀


No.248 11/12/11 21:17
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 247

匿名さん💖💖💖


レスありがとうございます😭🍀

またまた
気づくの遅れまして
申し訳ないですっ💦💦



気分悪くなんて
とんでもないっ⤴💦💦


りーさんにも
言っていただいてるんで
匿名さんだけじゃないんですよ💦💦


たぶん 多くの方が
そう思われているのだと😂😂😂

(笑い事じゃないですね💧)
m(_ _)m



気づかされてから

気をつけて書いてるつもりではいたのですが まだまだですね😭😭😭


ただ

セリフの頭に 名前を入れるのは 本意ではないので これから文章内で 明確に出来るよう 努力しますねっ🙌💦💦



面白いと言っていただけて なによりです😭💖💖💖✨✨✨

すごく すごく嬉しいです😭🍀


ありがとうございます🍀✨✨✨
励みになります✨✨🍀




ほんとに 1年
あっという間で…

もう クリスマス🎄✨✨




ぜひ

匿名さんも 素敵なクリスマス🎄✨ お迎え下さいねっ🎵✨


応援
ありがとうございました💖💖💖

ひき続き

おつき合いを
よろしくお願いしま~す
O(≧∇≦)o💖💖💖✨✨✨


No.250 11/12/11 22:14
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 249

楓さ~ん❤❤❤


あたしも
楓さん 愛してます~😭💖💖💖

(即 暴走( ̄▽ ̄))



お忙しい時間の中

おつき合い下さいまして


本当に
ありがとうございます😭🍀🍀🍀


すごい嬉しいです💖
すごい幸せです💖💖💖


身体の心配まで
していただいちゃって😭🍀🍀🍀


バチ あたります(;_;)🍀

応援も

ありがとうございます❤✨✨✨


楓さんのために

頑張りますからねっ😤‼
(ウザい…)



楓さんも

お身体 お気をつけて
お仕事 頑張って下さいね☺🎵


本当に✨

ありがとうございました❤❤❤


No.252 11/12/12 14:08
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 251

楓さ~ん❤❤❤

またまた
レス ありがとうございます~(;_;)🍀🍀🍀✨✨✨✨✨


『おまえ』好き⤴⤴⤴

キュンキュンポイント一緒✨
(〃д〃)❤❤❤

楓さんと
一晩中 恋バナしたいっす😭💕



元気が出るメッセージ✨

ありがとうございます🎵
楓さん❤❤❤



✨愛してる✨

もらっちったO(≧∇≦)o❤❤❤

大好き💕楓💕

(突然 呼び捨てヤメロ)


😂それでは ひき続き

おつき合いくださいね~✨✨🍀
楓さ~ん🎵🎵🎵✨✨


No.254 11/12/19 21:06
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 253

サマンサさん😭😭😭


ごめんなさい~😭😭😭💦💦💦



実はですね…


2日前の夜


主人に とうとう

「おまえの携帯を

折りたいっ💢💢💢」

と 爆発されてしまいまして😂



ちょっと ✏夢中になり過ぎて 夫婦の会話が おろそかになっちまってたようです😂😂😂


なので 完結を急いだあまり

先を 急ぎ過ぎ…

✏暴走してしまいました💦💦💦



美咲が あらわれ

桜子が向けた刃を
達也が奪って 自分を傷つけ そのまま救急車…


で 3人の女性の会話は

その 運ばれた病院の 病室です💦💦



サマンサさん😭

皆さん😭


本当 ごめんなさい(;_;)💦💦💦



感想スレが たってたみたいなので 今 事情を説明してまいりますm(_ _)m



サマンサさん😭❤

いつも 本当に
ありがとうございます🍀✨✨✨


感謝 感謝です😭❤❤❤


No.256 11/12/20 18:13
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 255

サマンサさ~ん😭🎵🎵🎵

大好き❤
(´Д`)ありがとござます~❤


嬉しすぎです(;_;)🍀✨✨✨✨



サマンサさんのおかげで

✏暴走から 目を覚ますことが 出来ましたっ(>_<)⤴✨✨

本当に
感謝してます😭🍀🍀🍀✨✨✨


大好きです✨✨
愛してます✨✨
サマンサさん💖💖💖✨✨

ふわっと あったかい気持ち✨

本当に ありがとうです🍀✨✨



はい(笑)


ゆっくり頑張ります✏✨


あと少し✨✨

おつき合いくださいね❤
サマンサさん❤❤❤✨✨


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