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堕天使【番外編】

レス256 HIT数 25217 あ+ あ-

クロス( ♀ gAVFh )
11/12/20 18:13(更新日時)



【堕天使】

http://mikle.jp/thread/1686010/



本編 存在感
No.1の優ちゃんと

私が織り成した ひとときの
恋模様…


子持ち女の
馬鹿馬鹿し… くもない
数ヶ月。




フィクション…

という事に しておきます(笑)
ので

ゆっくりな更新になるかと思いますが また おつき合いを よろしくお願い致します。




No.1699638 11/11/05 15:38(スレ作成日時)

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No.51 11/11/09 02:20
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 50

「ちょうどいい(笑)…






大好き



ルミ…」







ちょうど


いい?







「はる君…


オッパイ大きいコ




好きでしょ?」




泣きたくなって来た…







「?どして…」


言いながら



口に ふくむ…







「あっ…



だって…」






締まった 若い身体が


私の横に ずれる







もう1度




手のひらで包みながら



「やっぱり

ちょうどいい…」

って笑う。




「俺ね…


こだわりない(笑)オッパイに」



「ほんとに…?」



「好きな人のものだから…



全部 可愛い…」





いいトシをして



泣けてきた…








「綺麗だよ…



ルミ」




はる君は


ふだん あまり




綺麗や


可愛いを





言ってくれない。



照れ屋なんだ…






と 言ってた。








「ほんとに 好きなんだ…!」



私の涙に 興奮したのか

彼は 急に





激しく

私を抱きしめ




夢中で キスをする…





「はる君…




は… る



…くん」






彼の指が




私の秘部に



触れた時には








頭は






カラッポに









なっていた…





No.52 11/11/09 03:53
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 51

「乾杯っ」



会社の自販機前

コーラの缶を 合わせる。





「会社で 祝杯をあげるな!」





「佐久間主任(笑)」


優しい方の お局。





「いい事 あった(笑)?」


「リエさんにっす(笑)

私は さっぱり…」



「なになに? これ?」

親指を立てる 主任。




「イエ~イっ!」




優ちゃんが
両親指を つき立て

主任を寒くさせる。




「いい事なのか

悪い事なのか


わかんないですけどね…」



佐久間主任は いつも

私の 微妙なニュアンスを くみとってくれる 6つ年上の


素敵な人。





後に 一樹と結婚する時も

他県に嫁いでいた彼女は

わざわざ 私達に会いに


遠くから

足を 運んでくれた。





「T君?」



「(笑)あれは もう…


終わりです」



T君は 女性だけの飲み会の度

私を 迎えに来ていた。


誰にでも 人あたりのいい彼は

女性陣の ウケが良かった…






「リエさんの身辺は

忙しいなぁ(笑)」


「ほんと 早く

落ち着きたいです(笑)」








「優チン どした?」

主任が聞く。






「…また 2人して

大人な感じ カモシカして

私だけ カバの外すか…」












おしい。 優ちゃん。



No.53 11/11/09 15:49
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 52

鍵を…


どうしても返してもらえない。




そんな気も

本当は
なかったのかもしれない…


あの頃。




憎い…


のに やっぱり



幸せだった時が

忘れられなくて…





「そいつは やめときな…

リエ」



T君が言う。


「なんでよ…」



「だって 頭悪いだろ?

大学 出てないだろ?
まともな仕事じゃ ないだろ?


俺みたいな

男じゃないだろ…?」





私は 笑い出した。





「だから

好きなんじゃない(笑)」


この ナルシストが!





「俺と 一生

一緒に いよう


結婚しても ずっとずっと…」





そう


これは


彼が いつも口にしていた

望み。





学歴と教養のある

汚れのない女性と結婚し


私を 愛人にしておきたい…


と。






わからないよ。


本心が どれかなんて…



だけど それは





最低の侮辱。



「それなりの男に

なってから 言いなよ(笑)」



目が変わる。



腕をつかまれ

押し倒される。




別に


怖くない…







携帯が鳴る。




女からの電話だろう…






「シっ」

と 人差し指を
自分の口にあてると


「もしもし」

明るい声で 電話を受ける。



話しながら


私から 離れる…







「電話 だぁれ~!?」



私は




大声で 聞いた。



No.54 11/11/09 16:54
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 53

滑稽すぎる…



真夜中の 追いかけっこ。






電話 誰?


自分の 大きな声に

一気に 身体が熱くなる。
頭に 血がのぼる。




ガバッと 立ち上がると

私は T君を追った。




あまり動じないT君も

かなり 慌てた。


家を飛び出し

車には乗らず



話しながら

速足で歩き出した。








電話の相手は

どれほど 清純な女?


さぞや ご立派な家の

学歴のある お嬢さま?


真剣に

あなたを愛してる?


優しい 優しい

完璧な あなたを…








私は 追う。


携帯を奪って

どんなに この男が汚いか


教えてやる!!






息を乱さぬよう

笑いながら話す声が


聞こえる。




シンとした住宅地

足音と 静かな笑い声だけが
響く…


もう少し


もう少し





手が 届きそうになった時


「愛してるよ…」


そう あいつは

携帯に ささやくと



走り出した。




「待ちなさいよ!!!」

絶叫しながら

私も 走り出す…






声が



携帯の向こうの

幸せな女に 届くよう



力いっぱい叫びながら


力いっぱい 走る。








滑稽な


追いかけっこが






はじまってゆく…



No.55 11/11/09 17:40
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 54

「馬鹿っすね(爆笑)!」



爆笑かよ…






「とっつかまえたんすか?」


ビールが 注がれる。

視線を感じて

優ちゃんの手から
慌てて 缶をもぎ取ると

優ちゃんの グラスに注ぐ。





「電話切ってからね…」


「意味ね~(爆笑)!」








真夜中の追いかけっこは


T君を

喜ばせただけだった。





「嫉妬してくれたんだね…」


そう言って

息を乱しながら




力尽きた私を 抱きしめる。






どうして 涙が


出るんだろう…






負けたから?



悔しいから?








違う気がした。










醜い自分への



涙だ。











雄太の時も



そして 今も





なぜ憎しみは


相手の女に 向かうのか…





傷つけたい と


本気で思ってしまった。



何も知らない ひとを…






している事が

馬鹿でも マヌケでも
どんなに きたなくても…



心だけは

汚したくないと


ずっと 思って来たのに…







「少し 素直になったら?」





T君が


私の髪を 撫でる




「リエは…


俺が 好きなんだよ」












手のひらが痛くなる程

思いきり





彼の頬を うった。




No.56 11/11/09 19:14
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 55

私は今…



ひとつの 南星を

見上げて




誓った。






どんな時も…

微笑みを絶やさずに



歩いてゆこうと。











マイクを置くと


ほろ酔いの 社長は
ご機嫌で 言った。



「リエちゃん!うまい!

今まで聴いた 今井美樹の中で
ダントツだよ!!」



「優ちゃんの アムロちゃんは

こんなもんじゃないですよ!」



テンションが上がると

激しいダンスを繰り広げながら唄う 優ちゃんのアムロちゃんは 天下一品だ(笑)




「やめて下さい💦リエさん💦

今日は やんねっすよ💦」


こそこそ言って

顔を 赤らめる。





「え~っ!!

聴きたい 聴きたい~!」


いいトシをした
テカテカの オールバックの 社長が 身体をクネらせる…





例の

優ちゃんファンの


既婚の 車屋の社長。







きっかけは…


私とT君が 仲良しの頃行った 地元では有名な 大きなホールでの 中古車フェア。



練り歩く私達に

彼は 声をかけて来た。



「オークション会場の

お姉ちゃんだよね!?」


知ってる社長が

いっぱい いた。




けど 男連れの私に

声をかけてくる人は
少なかった。









「ばれました(笑)?」





社長には



目的が あったのだ。




No.57 11/11/09 19:39
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 56

「お姉ちゃんと いつも一緒にいるコ… なんてったっけ?」



「優ちゃんのこと?」

T君が 私に聞く。



「…だね」




「ユウちゃんって言うんだ!」

社長が 食いつく。




大きな 大きなホールの

特等席とも呼べる場所。



彼の 中古車業界での

力を 誇示している様だ。


照明に照らされ

並べられた車も
彼の髪も


ツヤツヤとした光りを

放っている。





「電話ちょうだいって

お姉ちゃんから 言って!!


お願い!!!」


名刺を 出しながら


「あっ 彼にも…」

と言って

T君にも名刺を渡す。



「ありがとうございます(笑)」

T君が受け取る。



「言ってあげなよ(笑)

リエ(笑)」


「彼 ありがとう!!!

あっ
リエちゃんって言うんだね

あらためて ヨロシク!」




ってか

おまえ 結婚してんだろ…



会社でも

明るくて目立つ社長。


だいたいの

家族構成は わかる。





察したのかな…



「あ💦 リエちゃん💦

俺 嫁とは終わってるから💦」








「わかりました(笑)

渡しておきます(笑)」




あまり深く考える事もなく


私は 引き受けた。



  • << 59 流れで… ちゃっかり優ちゃんち。 もちろん 子供達も 一緒。 「俺 最高幸せだな~」 社長が言う。 「リエちゃん ありがとうねっ(泣)」 「そんなに 優ちゃん 好きですか(笑) 社長(笑)」 「大好き!ほんとに! ずっと 可愛いなぁって 思ってたんだもん…」 私達 これに よわい… 「だ~って 社長 結婚してるじゃないですか!」 酔ってる優ちゃんは 威勢がいい。 (酔ってなくてもだが…) 「優ちゃんだって 彼氏いるでしょう…」 社長が ふくれる。 こんな風にしていると 現実的な判断が あまくなる。 5年前の私なら 心から 嫌悪する状況も 自らで 選びとる。 そして 黙認する。 だけど ちょっと疑問。 「前に 社長私に 『嫁とは終わってる』って 言いましたよね… あれって どういう意味ですか?」 「男と女じゃないって事。 うち 子供もいないし 俺の親 介護必要だし 嫁は もう放棄しようとしてるから… 俺らのこと…」 「社長は?」 「ん?」 「社長の気持ちは…?」 私が知りたいのは そこだ。 「何も 感じないんだな… 残念ながら」 寂しそうだった。 「空気みたいなもんだから… なくして 気づくのかな…」 「さっぱり わかんね」 バッサリ斬ってくれて ありがとう。優ちゃん。

No.58 11/11/09 21:03
クロス ( ♀ gAVFh )



【お詫び】



ひとつの 南星では

ありません( ̄▽ ̄)…



南の ひとつ星でした😂💦💦💦



訂正致しますm(_ _)m💦





😭😭😭💧


No.59 11/11/09 21:50
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 57 「お姉ちゃんと いつも一緒にいるコ… なんてったっけ?」 「優ちゃんのこと?」 T君が 私に聞く。 「…だね」 …

流れで…


ちゃっかり優ちゃんち。

もちろん
子供達も 一緒。




「俺 最高幸せだな~」


社長が言う。



「リエちゃん

ありがとうねっ(泣)」


「そんなに 優ちゃん
好きですか(笑) 社長(笑)」



「大好き!ほんとに!

ずっと 可愛いなぁって
思ってたんだもん…」



私達


これに よわい…




「だ~って 社長

結婚してるじゃないですか!」


酔ってる優ちゃんは

威勢がいい。

(酔ってなくてもだが…)



「優ちゃんだって

彼氏いるでしょう…」


社長が ふくれる。





こんな風にしていると


現実的な判断が

あまくなる。




5年前の私なら

心から 嫌悪する状況も


自らで 選びとる。




そして

黙認する。






だけど


ちょっと疑問。


「前に 社長私に 『嫁とは終わってる』って 言いましたよね… あれって どういう意味ですか?」



「男と女じゃないって事。

うち 子供もいないし
俺の親 介護必要だし

嫁は もう放棄しようとしてるから… 俺らのこと…」



「社長は?」

「ん?」


「社長の気持ちは…?」

私が知りたいのは そこだ。




「何も 感じないんだな…


残念ながら」






寂しそうだった。






「空気みたいなもんだから…


なくして



気づくのかな…」















「さっぱり わかんね」








バッサリ斬ってくれて


ありがとう。優ちゃん。



No.60 11/11/09 22:24
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 59

「摩耶ちゃんに

会いたいよ… ルミ…」




ロフトの上


私の肩を抱いたまま

はる君が言う。





「じゃあ

今度 連れて来るよ(笑)」


「ほんとにっ!?」



何度も

キスをする。

「嬉しい…」


って 言いながら…




「じゃあ ルミの車で

みんなで
どこか遊びに行こう!


俺 運転するし♪」




幸せな

時間だった。








携帯が 鳴るまでは…









「ルミ 携帯鳴ってるよ」



ほんとは 聞こえてた。
ずいぶん前から。



下に置いた携帯が

しつこく鳴ってること…





「出ないの?」








「俺 出ようか!?」


察して怒った はる君が
ロフトから 降りようとする。




「大丈夫!


… 私 出るよ」








下に降り

携帯を見ると


激しい 着歴。


もちろん T君だ。







また 鳴り出す…



「…なぁに?」


『やめろって言ったのに…

また 馬鹿と
一緒にいるの(笑)?』



「関係ない」



『何時頃 帰る?』



「帰らない…」


『えっ?』






「帰らない!!」




「かして!」


…!!





いつの間にか

降りて来ていた はる君が



私の携帯を


手から 奪った…




No.61 11/11/09 22:49
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 60

「てめ~!!

いい加減にしろよ!!」



はる君が 怒鳴る。







私は

ひどく
ドキドキしていた。



何かが

ばれる気がしたからだ。



名前なのか

年令なのか…



身体の関係が

あることなのか…





ひたすら 祈った。







携帯を奪い返すことは

不自然すぎるから…








『頭の悪い奴の

言いそうなことだな(笑)』



そう 言われたと


後から 聞いた。





「ルミが 嫌がってんの

わかんね~のか!?!?」






もう…


やめて。







笑ってる


あいつの声が



携帯から 聞こえる。








やめて…




やめて…








「おまえ

頭 おかしいのか…!?」






たまらず

携帯を取り上げ

電源を切った。





「相手にしないで…」




かろうじて


そう言った。







はる君は

私を強く抱きしめると



「怖いでしょ?ルミ…


摩耶ちゃん連れて

ここに おいで!!



ここで暮らそう ルミ…」





泣きながら



そう



私に 言った。





No.62 11/11/10 01:17
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 61

私は

怖くもないし








ルミでもない。





俺も一緒に ルミの家へ行くと言って きかない はる君に


実家に逃げるから大丈夫

と 嘘をつき

無理矢理 帰って来た。





なにもかも

嫌になってしまいそうだった…




嘘をついている自分を

棚上げして



すべてに イライラした。





偽物の恋。



見透かされてる 状況…










「ルミちゃん」










「俺の時も

ルミちゃんだったよね…」








「やっぱり

アホそうな男だなぁ(笑)」











「先のこと考えたら

自分が出る状況じゃないって


わかんないのかな(笑)」











「そのてん


おまえの旦那が

アパートに来た日の俺は


…賢明だったよね(笑)」





殺したい…



と 思った。





「馬鹿じゃ…


ルミちゃんを



守れないよ(笑)」








髪を 撫でる。





髪に 触れられると


欲情する私を




知っているから…








「リエは…


俺から 逃げられないんだよ…






一生…




絶対に」








なぜ




殺したい程 憎い男に



濡れるのか





この身体を



呪いたくなる…





No.63 11/11/10 02:39
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 62

「なんと直接解決!!」



いや

まだ 解決してね~よ
優ちゃん…





「とうとう やり合いましたか…


Tさんと はる君さん!」




「ちょっと

おもしろがってるしょ(笑)
優ちゃん(笑)」



「ワクワクするっす!」

「おまえは(笑)…


今に 弘樹と社長も

直接対決に なるかもよ~」



「あ…

それ ねっすねっす。」

「なんでよ?」

「弘樹 クールすから…

ヒデ!

ここ 生2つと コーラと ラムネ追加! 早くしろ!!」



いつもの居酒屋。


「早くって 優さん💦

順番ってもんが…


あっ!

今から 幸治先輩来るっすよ
そう言えばっ」



優ちゃんの 元旦那さん。


私も よく遊ぶ…

どころか 愛の幼稚園の 運動会など 優ちゃん実家に 顔を出せない彼は 私と摩耶と
お昼を食べる(笑)



「あ そう」


「女と(笑)」

「あ そう」








優ちゃんは

まったくもって


本気の本気で

気にしていない。









とは言っても

私だって 雄太への気持ちは

優ちゃんにすら
隠しつづけていたのだから



ほんとのところなんて


わかるわけは

ないんだな。








ただ


その時 私達は


大事な事を




忘れていた…




No.64 11/11/10 03:23
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 63

私が トイレに立った時

彼は 彼女とやって来た。



「おっ!

リエさん♪久しぶり♪」

「こんばんは(笑)コー君

彼女?」


「こんばんは」


コー君から 話しは聞いていた…

激しいヤキモチ話しを(笑)


「こんばんは♪可愛いね♪」


とりあえず 私は

女の子には誰でも
そう言う(笑)



「…優と 一緒?」

「もちろん(笑)」





「ママ!

愛も おしっこだって!」


摩耶だ…




ん?






…ん!?!?








「パパ!!」


















だよね~…









彼女の顔色が

見る見る 変わってゆく…







「愛も来て… たのか…」


彼女を気にする コー君。





「パパ この人だ~れ?」


「愛 おしっこ行こう💦」




私は そそくさと

愛と摩耶を連れ

トイレに向かう。


背中に 痛いほど

視線を感じながら…









ここの居酒屋は

奥に 仕切れる個室がある。



どうやら

優ちゃんの脇を すり抜け


奥に行ったらしい2人。



我関せずの 優ちゃんは

… と言うよりも

またまた 少し
ワクワクしている優ちゃんは

大声で笑い はしゃぐ。





さすが 元夫婦。


ちゃんと わかってたんだ…






「もうすぐ 始まるっすよ…」



No.65 11/11/10 04:30
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 64

「そんな顔してんなら

帰れっ!!!」



「ほら(笑)」





なるほど…





彼女を なだめすかすコー君ばかり 想像していた私は

ちょっと 面食らった。




いろんな恋愛が

あるんだなぁ…




彼女の

泣き声を聞きながら


涙の理由にも
いろいろある事 考える。



知っていながら

過去に 嫉妬する…



私も同じか。






はる君ちの ベランダにあった

女物みたいな サンダル…



見ただけで

少し かたまったもんな(笑)


そういう感情

絶対 表に出したくない私は


「母ちゃんのだよ(笑)」


って言われた時

裸見られるより


恥ずかしかったっけ…



だけど


「母ちゃんに ルミの事話した…

今度 会いたいって
母ちゃん言うんだ(笑)

もちろん 摩耶ちゃんにも…」


って
照れくさそうに言われて


全部 吹き飛んだけど(笑)










「こんな近くに 元の奥さんも子供も居るなんて 私知らなかったもん(泣)!!!」


「聞かないから

言わないんだ!!」






「コー君に 口でかなうわけ
ないっすよ…」

「へ~え」








「さっきの女の人も

関係あったんじゃないの!?」



おいおい おいおい…




「リエさんは ババァだ!!」




こらこら こらこら…




No.66 11/11/10 16:26
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 65

「に~っぽんの未来は!」


おう おう おう おう!


「せ~かいが うらやむ!」


いぇい いぇい いぇい いぇい…






ソファーの上

ジャンプしまくりで唄う
35歳…




「はい ネエさん💖

お疲れさま💖💖💖」



オシボリを渡してくれる。



「ありがと♪

あおいちゃん💖」



「ネエさん 大好き💖」



すごく…



いい においがする。




もたれかかり

頭を くっつけて来る…


「ネエさん

あおいと
同じにおいが する…」



目をとじる あおいちゃん。



私 無臭なはずだけど…

と 腕のにおいを嗅ぐ。




「そういう
意味じゃないよ(笑)」


あおいちゃんが笑う。




… 可愛い💖💖💖








「そこ!!

イチャイチャしな~い!!」



来たよ…

隊長。






会社の
大きなイベントが終わり


その分

大きな 打ち上げ。




有名な 大きな

飲み屋街に 来ていた。




車屋の社長が

私を その名で呼ぶ所(笑)





なぜか私は 昔から

男性には さっぱりモテないが


女性には よくモテる。



本気の告白を

受けたりする(泣)






「だって あおいちゃん

可愛すぎなんだもん💖」



顔をあげると



優ちゃんばかりではなく


男性陣の嫉妬の目も





そこには あった…




No.67 11/11/10 17:38
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 66

ふわふわ

マシュマロみたいな
あおいちゃん。



男なら 絶対惚れてる!





女でも




惚れた。







ただの1度も

女の子にたいして


そんな感情持った事ない…




ムラムラ


して来た。






「ちょっと リエさん!

そこ どいて(怒)!!」


男の子達が

あおいちゃんと私の間に
割って入る。


そして
優ちゃんに

首ねっこを つかまれる…




『あぁ… あおいちゃん…』


「あ~ん(泣)ネエさん…」



「あおいちゃんは ババァの相手しなくていんだからね💖」

男の子達が 群がる。



なんだか 最近

私 さんざん…






「まったく 目~離すと すぐ
あっちこち行くんだから(怒)」


「それが リエさんの いいとこなんだよ(笑) 優ちん(笑)」




佐久間主任…


わかってらっしゃる(泣)






佐久間主任の彼は

つい この間


奥さんとの離婚が

成立したばかり。




私と 優ちゃんしか知らない。




長い 長い 不倫。






愛人側に

自分の親しい人が居る場合


それは

「おめでとう」になる…











また

ムラムラして来た。




だって…



あおいちゃんが

潤んだ瞳で



私をジっと 見つめてる…



No.68 11/11/10 18:26
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 67





キスを




してしまった。






チュッ




とか いうヤツじゃない…










はる君から 電話が来て

私は

うるさい店の外に出た。




目の前が エレベーターの

小さなビル。





『楽しそうだね…

ルミ…』


漏れ聞こえるのかな



「うん♪ 打ち上げだから…」




『会いたい…』



酔ってる私は

いつもより



はる君が 恋しい。



だけど

優ちゃんとの約束。


馬鹿母の掟


その… ?ホニャララ。



会社の飲み会時は

男絡みで バックレない事!




『街で飲んでるの?ルミ…』


「ち… ちがうよ。

会社の近く…」



『そっか…

じゃあ 会えないね…』



「次は 摩耶連れて行くね!」

話題を変える。


『うん(笑)

楽しみだなぁ…』







… ?




エレベーターと

店の扉の間の 細い通路


1番 端の店の 突き当たりの壁ぎわ 大きな窓の前で

電話をしていた私。




通路を背にして…






窓に反射して映る 私の後ろに


小さな 人影。






「ごめん! はる君!

優ちゃんが 呼んでる!


また後で かけるね(笑)」










… あおいちゃん



No.69 11/11/10 21:31
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 68

あおいちゃんのオッパイは

嘘みたいに
ふわふわしてた…




こういう興奮って

した事ない…




マシュマロみたいな
あおいちゃんは

意外にも 激しかった。



私の舌に

からみつく


あおいちゃんの舌…



「あおい 絶対

ネエさんと寝れるって…


思ってた…」


耳元で 囁かれる。




それだけで


昇天してしまいそうになる…




「もしかして

女の子と
セックスした事ない?」


あるわけない。



ってか

出来るのか…?




「こうするんだよ…」





彼女の濡れたものが


私のに




かさなる…




「あおいちゃん…?」




「あおいって 呼んで!」




動きながら


ひらいた唇を また




夢中で 押しつけて来る…




もう…



どうでもいいと思った。





舌を


私から 入れる。




女の子のものって

なにもかも やわらかい…



たかぶり

濡れた 彼女の瞳が



そこにある…



「あおい…


可愛い




あおい…!」




「ネエさん!!

好きよ!! 好き!!」



彼女の舌が



夢中で 私の乳房を

這いまわる…





私は 彼女の

やわらかい髪のふくらみに


手を差し入れ


小さな頭を 優しく



胸に 押しあて




1番 敏感なところへと

導いた…




No.70 11/11/10 22:05
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 69

「リエさんっ!!」





… ?



慌てて自分を見る。



服 着てる…




「あおいちゃんは!?」


「… なに

寝ぼけてんすか?リエさん…」



どこだ? ここ…



「うるさっ…」



「お目覚めですか?

お姫さま♪」


「よっちゃん…」




飲み会の流れで

最後に必ず 立ち寄る


ボーイズバーなるものの

副店長 26歳。





「もう あおいちゃんの店は

2軒前!


どんだけ 寝ぼけてんすか…」



「今 何時?」

「朝の 6時っす…」




もちろん 会社の人間は

私達2人だけだ。












かなり 酔っていた。





はる君との 電話をきって

後ろに立っていた あおいちゃんに 急に腕をつかまれ

小さなエレベーター脇の くぼみに 連れて行かれたのは現実。



そして


キスをしたのも




現実。






やわらかかった。



襲ってしまいたくなった…






そして




急に 気持ち悪くなったんだ!




あぁ…


思い出した。




店を出て

エレベーターで下まで
降りて来た あおいちゃんと


また みんなの前で

「チュっ」って
軽いキスをして


名刺を 握らされたんだ…



「俺も!俺も!」と

青年達が 興奮してる声と


自分の吐き気だけ



記憶にある…




No.71 11/11/10 22:37
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 70

タバコに 火をつけてもらい

大きく煙りを吐き出すと


やっと

まわりが見えて来た…




「大好き(笑)よっちゃん…」



夢のせいで

下半身がムズムズしていたので


思わず 言った。



「俺も リエっち大好き」

キスをする。




「平気だもんな…

そういうの お2人さん」


「なんで あんた居んの!?」



優ちゃんの横に

ちゃっかりベッタリくっついてるのは 違う店の 男の子。


タクミ 22歳。




このコの お店は

会社の お客さん…


要するに 車屋さんの社長が 経営している お店なので

ここへ来ると
タクミの店にも 必ず
支店長に 連れて行かれる。



「タクミ 自分の店は?」


「もう しめたっしょう…

普通に」


そか…

6時か もう(笑)


「リエさん

おぼえてないんすか!?
タクミの店に いたこと!?」




…?




「あっ!

吐いた 吐いた!

あんたんとこの
トイレで 吐いたんだ!
思っきし!!」



やばい…


なんか
テンションあがって来た


朝6時にっ







「よっちゃん! 私 唄う!」


「(笑)aiko?」



「うんっ!!」




No.72 11/11/10 23:59
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 71

こんな小さな空間でも


嫉妬は



渦を 巻く。




夜の街は

よけいに


激しいのかもしれない…

(もう朝だけど)





「あな~たが 好きっ

好き 好き だ~い好き!」


私が 何を唄いたいのか


彼は
ちゃんと 選曲してくれる




指をさしながら

さながら ライブののりで


よっちゃんに向けて

唄う 私。



疼いたままの身体は

自然に 彼に近寄る…


そして お決まり。



よっちゃんは
私が唄い終わると 必ず

私を 抱えあげ
クルクルと まわす。




「はじまったよ(笑)」


優ちゃんとタクミが笑う。



キャっキャ はしゃぐ私…




「リエっち…

もしかして ブラしてない?」



「…ばれたか」



実は さっきはずした。


あまりにも苦しくて。






つねに 薄着の私。

飲むと あつくなるし


今は キャミワンピ1枚。




「生!?」


指をさし

おどろく よっちゃん。


「生(笑)」


「…さわってい?」


「いいよ(笑)」


やっぱり 馬鹿である。






「やばい…

好きだわ… リエっち」




「私も

よっちゃん大好き~(笑)」













「もう やだっ!!!」


大きな泣き声が





突然 あがった。




No.73 11/11/11 00:36
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 72

今日は 店長がいないから…


と こんな時間まで

店を開けていた。



店長がいれば

4時には しめる。





こんな時間に

ずいぶん ねばるな~… と


自分達を 棚にあげ

ひと組の女の子達を
気には していた。





よっちゃん目当てだったんだ…





「あ~あ!

リエさん 泣~かせた(笑)」


優ちゃんと タクミは

またまた 大喜び。





ちょっと イラっとした。


こういう場所で泣くのは

ルール違反だ。





「すぐ戻るね…」

って よっちゃんが言う。


「いんだよ よっちゃん

ゆっくりして来て(笑)

私ジャイアンと 遊んでる♪」







ダーツ中の彼に声を かける…



「俺 郷田タカシです」



「いいよ ジャイアンで(笑)」





泣き声は

さらに 大きくなる。



一緒にいるコが

必死で なだめている…









「バッカみたい…」




「だから

郷田タカシですって!」


「なんにも言ってね~し(笑)」




わざと 大声で

笑ってやった…。




バンっと
テーブルを叩く音。

「誰でも いいんじゃない!」


あきらかに…

私に 言ってる。





その通り。




誰でもいいんです。


私…





No.74 11/11/11 01:05
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 73

よっちゃんは



絶対怒らない。


あたりまえだ




お客さんだもん。





私も


トラブルは 起こさない…

大人だから。



と言うか

どうでもいいからか(笑)






「めんどくせ~奴っすね…」


煙りを吐き出し

優ちゃんが 言った。



「俺なら ガツンと言うな…」


「大丈夫 タクミは そういう状況に おちいらないから(笑)」



「ってか 俺は

郷田タカシですけどね!」


「しつこいって(笑)」



みんなで 爆笑する。






また 泣く。









酒はのんでも のまれるな…





酔うと

たしかに 感情はおさえづらい…



私だって この何年後かに

酔いのせいで 支店長と 大喧嘩するのだから(笑)(笑)






「もう 7時半っすよ!」


「帰ろっか… 優ちゃん」




そっと 席を立ったつもりだったのに タクミと一緒に よっちゃんも 外に出て来た。



「まぶしい…」



朝の光りに

目を ほそめる。





「どこまで ついて来んの?」

かなり長いこと歩いてる(笑)



「リエっち!」

「ん?」


「携番 教えて…」







…は?



No.75 11/11/11 02:52
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 74

ズズズズ…

ずるずるずるずる…









「優ちゃん…

ラーメンすすってんの?
鼻水すすってんの?」


「どっちもっす…」




地元に着いてからの

朝ラーメン。


チーム馬鹿母 恒例。






「しみるっすね…」

「うん!」


なんで 飲んだ後のラーメンって こんなに美味しいんだろ…






「よっちゃん…

本気っぽいっすよね…」


「まさか(笑)

社交辞令でしょ(笑)」



「なにげに 私は

タクミ マジすけどね…」


「へ!? そなの?」


「口説きに 弱いんす」

「知ってる(笑)」


「リエさんもじゃね~すか…」

「そうだけど…」


ゆで卵を 優ちゃんの丼に 移そう… としたら

もうなかった。

すでに 並んでいる(笑)



私は ゆで卵が食べられない。



前に 会社で
お掃除担当のおばちゃんに
ゆで卵を もらった…


「美味しかった

ごちそうさま」と言った
私の横から 優ちゃんは


「食べてないじゃないすか!」


ひぇ~…


「リエさんは なんで嘘つくんすか? 食べらんないもんは 食べられないって 言わないと ダメっす! 次また 嘘つく事になるんすよ!」



と 言われた。




ちょっと 見直した。



作文かよ…



No.76 11/11/11 03:45
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 75

「私は

あおいちゃん口説こうかな…」



優ちゃんが

ぶはっっ!
とラーメンを飛ばす。


「きたねっ 優ちゃん…」




「ちょっと やめて下さいよ~

男にたいして変態だから
私 リエさん好きなんすよっ!

本物の変態は
勘弁して下さいよ~(泣)」



偏見だぞ。 優ちゃん…




「… なんで私達って

ひとりの男に
落ち着けないんすかね」


大事にとっておいた卵を
口に ほうり込むと


優ちゃんは そう言った。




ほんとに そうだね…





あの頃


私の気持ちは

雄太にあったのだろうか…




恋の おいしい部分だけ

つまみ食いして



満足して。






『愛してる』


って


心から言える人に

出会えない…





だけど 信じてるんだよ。


必ず いつか

会えるって…



だから

長い 長い道



もう少し 一緒に歩こうね


優ちゃん。





「私も 優ちゃんも

寂しがりだからね(笑)


しょうがないのさ…」



「もう一杯 食うかな」














話し 終わってる~。




No.77 11/11/11 04:36
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 76

嘘っ!?



嘘 うそ ウソっ!?







「よっちゃん…?」



なんで こんなに興奮すんだ?



『俺でしょう(笑)』



「だって まさか…


ほんとに 電話来るなんて

思ってなかったんだもん…」




『かけないのに

聞かないよ(笑)』


「あ…


そうだね」



『何してたの?』


「今 娘とご飯終わったとこ」


『5年生だっけ?』

「よく おぼえてんね(笑)」


『聞いたばっかだしね(笑)』



「あれ?

よっちゃんは こんな時間に…


やすみ?」



『うん… 』



「ひとり… なの?」




『どういう意味(笑)?』


「彼女とか

いないのかな~って…」


『いたら 電話しなくない?』



「だ、だよね~(笑)💦」

どもるなよ…




だって なぜか

すごく
ドキドキしているんだもの~




なんか喋んなくっちゃ


うんと…



え~と…



『遊びに来て リエっち』


どきっ



「ひ、ひとり暮らし?」

『だよ(笑)』




「な… なんで 私?」




『忘れられないの 俺…』



…?





『リエっちの オッパイ…』







アトムみたいに


キヲツケの姿勢のまま




屋根を突き破って


飛んでいきそうだった。



No.78 11/11/11 17:53
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 77

「摩耶ちゃん!

走ったら 危ないよ💦」

「はる君! 早く~!」






T君と

初めて行った


観光地の牧場を



思い出していた…





『マー💦 あぶない💦』

『大丈夫~♪』







「はいっ!」


目の前に

ソフトクリームが飛び出た。


「ありがと(笑)はる君…」



お天気に恵まれた 日曜日の遊園地は すごいにぎわい…

久しぶりに


ふれた空気。



響きわたる音楽と歓声

笑い声 絶叫 子供の泣き声…


頭が クラクラして来る。



「大丈夫? ルミ」

「え?どして?」


「なんだか 元気ない…」

「そんな事ないよ~(笑)」




摩耶には はる君に会う前に

「い~い?摩耶

ママの名前は『ルミ』
トシは『30歳』」


「ルミ 30歳」



復唱されると

バカバカしさが増すな…


これも
慣れたものの娘は

「りょ~かい」と敬礼。




「はる君! あたし はる君のチョコ味も 食べたい~!」

「摩耶っ」

「いいよ♪ はい あ~ん…」


ベチャっ!

「きゃー(笑)」
「あははは(笑)」





はる君は 人見知りの摩耶に

一瞬で魔法をかけた。



不思議な人だ。











…はぁ。






騙している罪が


ますます


ますます

重くなってゆく






よく晴れた 日曜日。




No.79 11/11/11 18:32
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 78

どんな風に見えてるのかな…


私達。


お父さんと お母さんと

子供…?



それとも カップルが

親戚の子供 連れてる?


…図々しいな(笑)






大嫌いな まわる系に
無理矢理2人に乗せられて

フラフラになって降りて来た。


「無理…」

と つぶやくと

目の前のベンチに どすん!


はる君と摩耶は 大笑い。



そばで 家族が乗り込むのを 手を振って 見送っていた おばあちゃんが笑い声に気づき


「あら お姉ちゃん!

若いパパとママで
いいわね~(笑)♪♪♪」

と 摩耶に声をかけて来た。




具合の悪さが 飛んだ。




「いいでしょう(笑)?」と


はる君が笑う。

摩耶も 笑う。



私も




笑った。







そしてまた


楽しくって 忘れてしまう…






自分の ついてる




嘘。










「摩耶ちゃん

眠っちゃったね(笑)」



帰りの車



「もうアパートなのに…

よっぽど楽しかったんだね(笑)


ありがと… はる君。」




はる君は


車をとめると



私の頭を 腕の中に引き寄せる…



「好きだよ… ルミ」


顔をあげて キスをする。






「愛してる…」







言わせては

いけない言葉が



遠くから





聞こえた。




No.80 11/11/11 19:23
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 79

「ここ 楽しい~♪」






私達の 愛のいとなみの場所…


ロフトから顔を出し
摩耶が はしゃぐ。



「摩耶ちゃん(笑)

泊まっていけば?


そこで寝れるよ~(笑)」


「寝たい!寝たい!」


「明日 学校です~」



「ケチだな(笑)ママは(笑)」

はる君が言う。


「ケチ~ ケチ~」









ママだって ここにいたい。

なにもかも 捨てて…



ここで

笑っていたい。





「ねぇ ルミ…


母ちゃんに 会って」



ドキ。



「ダメだよ はる君…

私なんか…


バツイチ子持ちなんて
お母さん 嫌がるよ…」



「知ってるもん 母ちゃん!

あの人 そういう事に
こだわらないよ(笑)」



ビックリ顔の 京唄子が

どんな性格かはわからないが



世の中の母親が

喜ぶ状況では 間違いなくない…




はる君が

天涯孤独の身なら いいのに…


なんて恐ろしいこと思った。




私が困ってるのを 感じると

「すぐって意味じゃないから…

考えてて(笑)」


と 寂しそうに笑った。





彼にすれば

あの日の出会いは



運命だったんだろうか…




私には まだ



通り道でしか ないのに…




No.81 11/11/11 20:22
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 80

夜 8時過ぎ

はる君の アパートを出た。



外まで 見送りに来た はる君に

キスを ねだったが


「摩耶ちゃん 見てるでしょ」


と 叱られた。




馬鹿母 失態。












「ママ すごいね!

こんな 車いっぱいの道路
走れるんだぁ~(笑)」


「愛のパワーかな(笑)」


「あたしも はる君好き~♪」



無邪気な摩耶に

感謝しながらも



やっぱり…




この 帰り道の


わきあがって来るような

情けなさは



消えない…。





少し慣れて来た頃から


帰り道



感じるようになった。






寂しいんじゃない…


運転している自分が




情けないだけ。





喜ばせるって


私にとって



長続きしない。




チヤホヤされる事ばかり

望むから…






こうしてても 不得手な事への

緊張は 続いている。





「さぁ 摩耶! もう少しで
走り慣れた道だ~(笑)!」


「お~っ(笑)!!」









その時


前方から

見慣れた トラックの灯り…









私の車に 気づき


ファンっ

と ホーンを鳴らし



手をあげて 通り過ぎてゆく。




「パパ?」












泣いているのを



悟られぬよう 私は







「うん」


とだけ








短く 返事をした。




No.82 11/11/11 21:59
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 81

「やっぱ
朝はまだ 寒ぃっすね💦」

「薄着だし(笑)」



コンビニ前
ATMのボックスの中

優ちゃんと肩を 寄せ合う。


チーム馬鹿母の掟。


無駄な金は 使わない。




街から 始発の地下鉄で

この はる君との 初キス駅まで 帰りつき ここからは
地元まで バスに乗る。


しかし 時間が空きすぎ…


やむなく バス停前の ATMのおうちを 拝借したしだい。




会社の飲み会が からまなければ 決して2人で 街まで出るような 飲み方は しないのだが…



なにぶん



2人とも

確かめたい事が
たくさんあったんだ…



夜の街には(笑)





タクミの店には

もちろん 車屋の社長もいた。


「最新から2人って

めずらしいね!?」


なぜか 怖面に
プーさんのエプロンをつけた
社長が言う。




「支店長には

絶対 内緒ですよっ」


とりあえず 私達は
隠し事が 多い…




タクミは とっても嬉しそうで テンションが あがり過ぎてるのが わかりすぎる(笑)


私達のテーブルにばかり

くっついてるもんだから


とうとう 社長に
「皿 洗えっ!!」と
怒鳴られてる(笑)




「カウンターに来て(泣)」




笑いながら

みんなで 席を立った。




No.83 11/11/11 22:39
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 82

「いらっしゃいませ~」

ふだんは 私達が言うセリフを

彼らから聞くのは


なんとなく不思議な気分。




ガヤガヤと
学生の集団らしき グループ。


いたって 普通のスナック風。

タクミの店は 客層が若い。


ただ こんな時間だから

ほとんど みんな 居酒屋などで 出来上がって来てるので
激しく うるさい。



お酒って こわいな…



と ほんとに思う。



自分が 出来上がるまでは(笑)





「楽しそうだね~…」

いやみ半分 口にする。

「リエさんだって スイッチ入ったら 誰よりも 楽しそうっしょ(笑)いつも(笑)」

「うるさいよ タクミは(笑)」

「この間の ゲロに つき合わされたのには 私も まいったすけどね…」


忘れてくれ。優ちゃん。


「先に酔った方の 勝ちだからな… タクミ!
カルアちょうだい!!」


社長が 笑いながら

「じゃあ リエちゃんは
日本酒いくかい?」


と あおって来た。



「ちょっと 社長!

やめてくださいよ~!
今日 私しかいないんすからね! ゲロ処理班!!」


「今日は 大丈夫!!」



頭の中が

すでに よっちゃんで いっぱいになってた私は どうしても…


早く酔いたくて…



社長の出してくれた

綺麗な 大吟醸を



飲みはじめてしまった。



  • << 85 楽しくなって来た… かなり 楽しくなって来てしまった… 「タクミも 行こうね~ ♪♪♪ よっちゃんとこ(笑)(笑)」 「あたりまえじゃないか! 優さんも行くんだよね!?」 「私は 別に 行かなくったって い~んすけどね(笑)(笑)」 「ちょ~っと優ちゃ~ん(泣)」 カラン カラン… と 入口の開く音。 「いらっしゃいませ~」 つられて見ると 女性ひとり。 かなり年配の 身なりはラフだが 水商売の人なのは わかる。 あたりまえのように カウンターに 座った。 「お疲れさま…」 社長が 何も聞かず 彼女の前に 水割りを置いた。 「誰?この人」 お~っと 今日も 声がデカいぞ 優ちゃん! 女性が チラっと こちらを見る… とりあえず 目を そらしておいた。 ってか 今の私には そんな事 どうでもいいんだ!! 「いいから(笑)!優ちゃん! 一緒行こっ 行ってよ~ 頼むよ~(泣)(泣)!」 「言ってるうちに スイッチ入ってるし(笑)」 「タクミは いちいち うるさいっ(怒)(怒)!」 みんなで 笑う。 「私 こういうコ 大っ嫌い」 カウンターの女性が 間違いなく そう言った。

No.84 11/11/11 22:53
クロス ( ♀ gAVFh )



【お詫び】


No.82の

「最新から 2人って…」



「最初から…」


の 間違いですm(_ _)m💦

またまた

やってしまいました😭💦


お詫びして

訂正いたします😭😭😭…


No.85 11/11/11 23:26
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 83 「いらっしゃいませ~」 ふだんは 私達が言うセリフを 彼らから聞くのは なんとなく不思議な気分。 ガヤガヤと 学生の…

楽しくなって来た…



かなり

楽しくなって来てしまった…



「タクミも 行こうね~ ♪♪♪

よっちゃんとこ(笑)(笑)」


「あたりまえじゃないか!

優さんも行くんだよね!?」

「私は 別に 行かなくったって い~んすけどね(笑)(笑)」



「ちょ~っと優ちゃ~ん(泣)」



カラン カラン…

と 入口の開く音。



「いらっしゃいませ~」


つられて見ると

女性ひとり。

かなり年配の


身なりはラフだが
水商売の人なのは わかる。



あたりまえのように

カウンターに 座った。


「お疲れさま…」


社長が 何も聞かず

彼女の前に 水割りを置いた。




「誰?この人」

お~っと 今日も
声がデカいぞ 優ちゃん!


女性が チラっと

こちらを見る…



とりあえず

目を そらしておいた。


ってか

今の私には そんな事
どうでもいいんだ!!


「いいから(笑)!優ちゃん!

一緒行こっ 行ってよ~
頼むよ~(泣)(泣)!」



「言ってるうちに

スイッチ入ってるし(笑)」

「タクミは いちいち
うるさいっ(怒)(怒)!」

みんなで 笑う。






「私

こういうコ 大っ嫌い」





カウンターの女性が

間違いなく そう言った。



No.86 11/11/12 00:09
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 85

…?



「私 あんたみたいな女

大っ嫌い」




彼女は 立ち上がり

私に向けて そう言った。





…ナニ?





「ママ…」

社長が 慌てている。




ツカツカと 近づいて来ると

「チャラチャラして…

若いしか取り柄ないくせに…」



現実とは思えなくて

私は かたまってしまった…





「バカっぽくて 女まる出し(笑) 男に 媚び売るしか 能のないような女だね…」




日本酒を


飲んでいなければ




笑ってただろう。









「あんた 誰?」



クスっと笑う。




「リエちゃん」

社長が 奥から出てくる。




学生のグループが

興味津々で こちらを見ている




優ちゃんは

緊張しすぎたのか…



笑いを こらえていた。







「突然 今会った人間に
そんな事言われる おぼえは
ありませんよ…」


「けっこう まともに
喋れるんじゃない(笑)」


「もうすぐ
36ですから(笑)」


「…へ?」

女が まのぬけた顔になる。


「子供もいます。

旦那は いませんが(笑)」




「… そうなの?」


社長を見る。



「このコ達 昼間仕事してるコ達だよ ママ…

俺が 車
買い付けに行く会社のコ達」



No.87 11/11/12 02:34
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 86

「これも 食べてみて♪」

「んっ… おいしい~♪」


「でしょう(笑)?

こっちも食べな!
ホラ あんたもっ!(笑)」








カウンターには

タッパーに入った
牛タンの味噌漬けやら
煮つけが ひろげられている…




スナック『マリ』のママ
陽子さん(なんでだよ)の 手づくり料理オンパレード。






「あんた 苦労してんだね…」

突然の てのひら返しと

「気に入った!!」

の 言葉を残し


陽子さんは 自分の店に戻ると

お弁当みたいに タッパーを持って また ここへ やって来た…




「変わり者なんだよ(笑)」

いない間に タクミが笑う。



優ちゃんは ぶーっ!!っと

やっと吹き出した。


「久しぶりに キレたリエさん見られるかと思ったのに(笑)」



T君がらみでは

優ちゃんの前で
よくキレてたもんな(笑)私…



「社長の店で トラブル起こすほど 子供じゃないよ 私…」


「助かったよ(笑)」


社長は 心底ホっとしていた。




本当は

横っ面のひとつも
張り倒してやりたかった。


あまりにも…


的を射ていたから。












私は クズだもの。




男や 人生

まるごと なめてる



ただの 卑怯な








バカ女だから…




No.88 11/11/12 03:35
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 87

ほら…


また こんなにドキドキしてる



この バカ女。






店に 入った瞬間

「リエっち~!」


って

よっちゃんが抱きついて来た。



「ちょ、ちょっと よっちゃん…

この間の彼女 いないよね?」


「気にしなくっていいよ

あんなの…」



冷たいよっちゃんに

ちょっと ビックリした。



「リエっち💖チュウは?」


「んっ…」





「すいません!


ボクらも いるんですが!!」







(笑)よっちゃんの店は

今日も 音楽がうるさい。



「ビールで いいの(笑)?」

「うん♪」


「タクミと 優ちゃんは?」

「梅酒~♪」

声が そろう。


「あら 仲良し(笑)

ちょっと 待ってね(笑)」



大きなB系の よっちゃんの後ろ姿を 目で追いかけながら

私は 自問する。



『好き? …かな?』



「好きかも…」

ビックリしたっ
優ちゃんの声だ。



「あれ?💦 タクミは?」


「トイレっす…」

なんとなく

目が 潤んでいる。




「もしかして チュウした?」

「ベロチュウ」


そこまで 聞いてない。





この

2人の馬鹿母の想い。





酒のせいなのか…




夜の街の せいなのか…




No.89 11/11/12 04:31
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 88

みんなで 昼間遊ぼうよ!





… っていう私の提案は

『中学生じゃねんだから』



と 秒殺。





「ラジコン 貸せよ!」



と 話しに割って入って来た


郷田タカシもろともだ…





いい アイデアだと思ったのに…






「2人で遊ぼ」


耳元で 囁かれる。











ゾクゾクした。


やっぱり 病気だ私。





さっきから

Hな想像ばかりしてる。


性欲が 強いのかな…






この時間まで 開いてる店は 少ないから そこそこの混雑。


よっちゃんとは この間みたいに ゆっくり一緒には いられなかった…


それが よけいに

まだ 疑問だった想いに


拍車をかけて しまったのかな…




他の女の子と笑ってると…



おもしろくない。




もちろん

泣いたりしないけど(笑)



これも 夜の魔法。





優ちゃんも 魔法にかかって

タクミと ベッタリ。






「お待たせ(笑)」

よっちゃんの笑顔が
キラキラ まぶしい。


キスされたら

ムズムズして
とろけそうになった。




好き…


よっちゃんが




好き。
















「リサイタル始めるぞ~!!」




郷田タカシが

ヤケクソで 叫んだ。




No.90 11/11/12 17:04
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 89

「奥さん…


ヤキモチや…


きでしょ…」





後ろから

座っている私のうなじに


舌を這わせる男に

私は聞く…



興奮するために





黙ったまま

私の身体を 自分に向ける




深く


沈んでゆくと


「おまえがいい…」




と 吐く息とともに


もらす





私は 強く彼にしがみつくと

激しく 腰を上下させる




あんたも 私も馬鹿だと





その恍惚とした顔を


冷ややかな目で 見つめながら…










「おまえ

なんで老けないの?」


煙りのあがるタバコを

私に渡しながら



雄太が聞く。





若いコと寝てるからじゃない?




それは…




言わない。





「俺は

日に日にボロボロだ(笑)」


本当に そう思う。




「奥さん若いから(笑)

疲れんじゃないの(笑)」


「あいつ 淡泊だし

俺も する気ないし…」






… そうなの?





煙りを吐き出し


雄太に渡す。




「もう 俺

ふつうに 物投げつけたり


殴ったりするしね(笑)」






ご愁傷様。



ざまあみろ。








手放して


よかったと 少し思えた。





あんなに 激しい恋も




5年も経てば



そんなもの…




No.91 11/11/12 17:52
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 90

後味わるいな…




あたりまえか。






私を今

幸せにしてくれるのは


やっぱり はる君だけかな…





よっちゃんへの気持ちは

なぜか いつも

酔いとともに 冷める。




だけど


約束しちゃった。




バカ女…











「やっちゃったっす!!」






いたいた。 ここにも…

元気なバカ友(笑)





「いつっ!?」

「昨日 深夜無名!」


未明だろ。




まるで 私と真逆な優ちゃんは

どこへでも自由に
車で 走りまわれる。


運転するのが好き。

ほんと うらやましい…




弘樹とも

ホテルの駐車場で
待ち合わせたりする(笑)


行く時はいいけど

帰る時 別々の車に乗るって



虚しくないのかな…



どうしても 私には
その光景が


笑えちゃうんだけど(笑)




「ちょっと…

フワフワしてたっすねタクミ」

「たしかに
ちょっと 太ったよね(笑)」


「だけど やっぱ

若いのは いっすね~(笑)」

「… だよね~(笑)(笑)」



「でもねリエさん… 」




…ん?



「店に居るタクミが 好き…

なのかな?私…」






「見た目が…」




わかってるじゃん 優ちゃん。





「あの
胸まで はだけたシャツと…」



うんうん。







「無差別ヘア」
















無造作だな。優ちゃん。



No.92 11/11/12 19:21
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 91

明日 晴れたら


あの海へ 行こう…





「もうすぐ 夏が来るね…」

「リエっち 夏好き?」


「大好き~♪」




よっちゃんの車は

白のサーフ。


助手席が 心地いい。




「俺 汗かくから やだ」

「汗かき? よっちゃん」

「うん」












また


変な想像してる。




「どこ行きたい?リエっち」


ドキ。


「海が見たい!」


「オッケ♪」






大好きな海…



この時 私は




自分の未来も


壊滅状態になる この海も町も




知らずに

はしゃいでいたんだね。








「気持ちい~い…」



波の音を 聞いていると

心が 飛び立つ。





湿った 海風を感じると


泣きたくなる。




それは 間違いなく


T君との

綺麗な 思い出…





にぎわう海岸。


ビールに フランクフルト…



浮輪


笑い声




ジリジリの太陽






彼の



妹。








「リエっち…」


浜辺を見下ろす

小高い急斜面の てっぺん。


並んで 腰をおろす私達…




「ん?」


「泣いてんのかと思った…」

「どして(笑)?」


「悲しい顔してたから」



微笑んだまま


キスをした。






誰もいない


海で…




No.93 11/11/12 20:56
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 92

彼女は いつも


男を はべらせていた。




多い時は 5人くらいと

難無く つき合っていた。



もちろん

それが可能な美貌。



T君の妹 ミアちゃんは

私の理想の女の子。


小さくて ととのった顔

小さな身体に 大きな胸。


健康的な 肌色。




T君が 色白で華奢な身体を好んだのは この妹の身体への嫌悪が あったからかもしれない…



だけど

すごく仲のいい 兄妹だった。


本編には あえて絡ませなかったけれど 旅行 お出かけ

チャオに出会った日も


彼女は いつも一緒だった。




ミアちゃんは


仔犬のように

私になつき過ぎた…





根の深い部分が

私と 同じだった彼女。


どんなに

男と遊びまわっても
寂しさは 消えず


私と彼女は いつも

笑いながら 泣いていた…



必然的に

私がT君を


本気で愛してはいないことも



ミアちゃんは 知っていた。






『ミア また昨日

下着脱いで 玄関で寝てた…』


そんな電話が よく来た。


記憶がない



と 彼女は言う。




明るすぎる性格の


裏の闇。





あまりにも 自分に似た彼女は




『彼の妹』から




『分身』へと



変わりつつあった。




No.94 11/11/12 21:46
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 93

あの T君を刺した女が

訪ねて来た日。



あの日も あの女は


私とミアちゃんの仲の良さに

愕然としていた。




綺麗な兄妹は

私に あの女の容姿の醜さを
笑い話しで 何度も聞かせる。



あの女は

T君ばかりでなく


妹にも 裏切られていたんだ…





ミアちゃんには その時

軸で つき合っていた
同僚の彼氏がいた。


旅行や 外で飲む時は

ほとんどが 彼と一緒。


名前を呼ばず

モジモジばかりしてるから


『もじお』って呼んでた。



ミアちゃんも もっちゃんも

摩耶にも
とても良くしてくれた。


イベントごとに


私には 花束を

摩耶には 高いプレゼントを

必ずくれる。



出かけた先でも

私に 絶対お金を使わせない…



若い彼女の

あの情の深さは
なんだったんだろう。



私達親子を守ろうと

T君以上の 必死さが見えた。





バカみたいに お酒を飲んで

バカみたいに はしゃいで


バカみたいに 泣いて




私達は

毎日が楽しかった。





だけど

そんな状況を


T君が おもしろいわけない。





彼は しだいに


ミアちゃんを



私から 離しはじめたんだ…




No.95 11/11/12 22:22
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 94

悔しいが 頭のいい あの男は


用意周到 罠をしかけて来る。





ある日の夜
私は 家へと歩きながら

実家へ帰っていたT君に
電話をかけた。



「出てって…」


そして そう言った。



『どうしたの!? なんで急に そんな事言うの!?』


「あんたみたいな男

私は いらない…


荷物は実家に送る。

2度と私の前にツラ出すな!」




そう言って 電話を切った。





彼にしてみれば


計画通りの結果。





アツくなってる私には

何も わかってはいない…






寒い夜だったけれど

身体中が 熱かった…




今しがた


ミアちゃんに怒鳴った自分が

まだ 信じられないでいた。




いつも 穏やかな私


男以外には

決して怒らない私



そんな私しか知らない 彼女達には きっと一生 忘れられない出来事なんだろう…



現に その場に居合わせた 優ちゃんが 今でも言うくらい(笑)


女相手に 本気でキレてる私を見たのは あの時が 最初で最後だろう…


って。







はじまりは

ここんとこ 音沙汰のなかったミアちゃんが 突然 家を訪ねて来たこと。



新しい彼と 2人で…



No.96 11/11/12 23:00
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 95

「リエちゃ~ん♪♪♪

いる~???♪♪♪」


玄関の扉を叩く音



ミアちゃんだ。

こりゃ かなり酔ってる…



開けたとたん

ドサっと 倒れこんで来た。


「ちょっとミアちゃん💦

大丈夫???💦」



「へっへ~(笑)

だいじょぶ だいじょぶ♪」


「こんばんはっ!」


「うわっ ビックリした…」



突然 男が飛び出した。

「彼?」

「友達だよ こんなの(笑)」


「ひっで~(笑)(笑)」


軽そうな男だな…




「とりあえず 入りな💦」


「飲み行こ!リエちゃん!」

「こんなに飲んでんのに!?」


「ミア お腹空いたんだもん!

あ…摩耶ちゃんは?」


「まだ 迎えに行ってな…」

「じゃあ 少しだけ!
この間 優ちゃんと飲んだ あの居酒屋でいいから…ねっ!」




私は おしに弱い。



そう言えば 優ちゃん今日
あそこで 同級会って
言ってたよな…


乱入も 楽しそうだな。




「よしっ! 行こか(笑)!」



「やったぁ(笑)!」


と言ってから ミアちゃんは
私に 耳打ちした。



「リエちゃん お兄ちゃんの彼女だって こいつに言ってないからね… 身内に会わせたと 思われたくないから(笑) 先輩って事で(笑)…」


「了解(笑)」




いつものことだ…


特別な思いもなく




私は了承した。



No.97 11/11/13 01:02
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 96

「感じわり~(笑)」


って 初めて言われた。


ミアちゃんの自称彼に。

今じゃ あたりまえに使うけど
初めて聞いた時は
『そんな事 人に言われた事ない』って ズキンとなる程 衝撃だった…


笑ってる軽そうな男の顔 見て

あ…


若者言葉なのか…


と やっと理解した。



まったくもって よく喋る。

この男…


今まで 見たことない人種。

ミアちゃんの男には


相応しくない。





「ありゃ!ミアさんだ!
こんばんは(笑)」

「優ちゃ~ん(笑)
こんばんは~(笑)♪」


ハグ。


「また かなり酔ってるっすね(笑) ミアさんは…」

棒立ちのまま 優ちゃんが
私に 目でうったえる。



「優ちゃんは
まだ酔ってないんだね(笑)」

「なんか ここだと こき使われて さっぱり酔えねっす(泣)」



2階からは 大騒ぎする
優ちゃん同級生達の声…

「あとで 乱入しに行く♪」

「待ってます…

けど

その前に ミアさん
ほどいてください リエさん」



くっついたままだった。



「あれ? そう言えばTさ…」

「しっ」


と ミアちゃんが
優ちゃんの 耳元で言う

事情を 説明してるんだろう。











「ミアさん感じるっす」





昔から バカである。



No.98 11/11/13 01:55
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 97

焼鳥を クチャクチャと
食べながら

「ミアは 本当に
友達多いよね(笑)」

って 男が笑う。


飲みに行った先々でも

ミアちゃんは
スグに友達をつくる。


ただ…

女友達とは 長続きしない。


酔いがさめると 頑ななミアちゃんの性格は 理解されづらいのかもしれないな…



「長続きしないけどね(笑)」

可愛い顔に似合わず
豪快に ビールを飲むと
ミアちゃんは そう言った。


自分で知ってるから…

よけいに辛い。




「だけど リエちゃんとは

ず~っと仲良しだもんね♪」

「ね~っ♪♪♪」










これが…



彼女の笑顔を見た









最後だ。








疎外感を感じたのか

男が言う。



「だけど最近

美咲と仲いいじゃんミア」


ミサキ?

初めて聞く名前。




顔をあげると

ミアちゃんの笑顔が



消えていた。





「… 誰 それ」


「何言ってんの(笑)?
ミア! 美咲だよ 美咲!
そこまで酔ってんのか!?」



「 … 」




「ミアの 兄ちゃん大好きな
ミ・サ・キ!!

よく4人で飲むじゃん!」















「ふざけんなよ…」




私は 静かにそう言うと



席を立った。




No.99 11/11/13 03:57
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 98

久しぶりに感じた

自分の逆上を





おさえる事が出来なかった。




私は 立ち上がると

そのまま
2階へと階段をのぼる。



『財布持たないで』と大騒ぎされて ほんとに手ぶら…




突然あらわれた私に

優ちゃんの同級生達から
歓声が あがる。


ほぼ 顔見知りだ。



無理矢理 笑顔をつくる。

「飲んでるかい(笑)?
若者たち(笑)」



「座って飲んで!」

優ちゃんが ひっぱる。


やばい…


涙が出てきた。


「わるい 優ちゃん…

私 帰るんだわ…」

「え…?」


「ミアさんは?」



「…知らね。

悪いけど優ちゃん
2千円貸してっ」


「ど、ど、どしたんすか?」


「明日 返すから…」

「それは いいすけど
なんで…」



私の ただならぬ様子に

優ちゃんが ついて来る。




私は そのお金を

入口付近に 呆然と立ち尽くしている ミアちゃんの手に握らせると 店を出た。



3人が 後を追って来る。



「どうしたんすか!?
ミアさん!」

「わかんない! なんか誤解してる リエちゃん!!」


私は ピタっと立ち止まると
振り向いた。





「誤解…?


どう誤解してんのか
言ってみろよ!!!」




No.100 11/11/13 04:35
クロス ( ♀ gAVFh )

>> 99

黙り込む 彼女…


「言えねぇだろ?

(笑)さっき はっきり言ったもんな! その男が!!」


「え!? 俺!?」


まさに

鳩が 豆鉄砲くらった顔



ミアちゃんが

男の頬を ひっぱたく。


「あんたが
よけいな事言うから!!」
泣き叫ぶ…



「いって…

なんだよ よけいな事って 」



「そういうの

逆恨みって言うんだよ(笑)」



私は また店を背にして
歩き出す。



ミアちゃんと 優ちゃんだけが
ついて来る。


「とにかく 落ち着いて!
リエさん!」


「優ちゃん 優ちゃん…」


優ちゃんにしがみつき
泣き出す 彼女。




優ちゃんに 迷惑は

かけられない…



「1番 許せない事されたんだ

私…」




旧道沿いの舗道。


車は ほとんど通らない…




「私 してない…」

ガクガクと震えながら
ミアちゃんが 小さな声を出す



「私が 何を嫌ってんのか てめぇが 1番よく知ってたんじゃねぇのかよっ!?!?」








雄太に 裏切られた傷。

自分だけが知らなかった状況。



騙される事への

吐き気がする程の嫌悪。




いつも

いつも 話しては


2人で 泣いていたよね…




ミアちゃん…



  • << 101 「お兄ちゃんのことなんか 好きじゃないくせに!!」 彼女が 叫ぶ。 「ぜっんぜん関係ねぇ」 私は 笑い出す。 「今 そんな事は まったく関係ない…」 涙で濡れた 彼女の瞳が 真っすぐ こちらを 向いている。 憎い… 美しい兄妹に 執着しすぎた あの 醜い女と 自分がかさなる… 「てめぇらが 私を騙した… 事実は それだけだ!!」 立っていられず 優ちゃんに 抱きかかえられたまま ミアちゃんが言う 「リエちゃんは 誰のことも好きじゃない… ミアに リエちゃんから電話をくれたこと ある? ないよね? いつも いつも ミアから… 1度だって ないじゃない!! ミア 寂しかったんだよ! お兄ちゃんも… 」 「寂しけりゃ 人 騙していいのか!?」 … 「てめぇの胸に 聞いてみろ!!!」 私は 優ちゃんに 「ごめん」と言った。 さすがの優ちゃんも 「ミアさんは 私連れて帰りますから… リエさんは行って」 と 震えていた。 歩き出しても… 夜風が冷たくても… わきあがる怒りが消えない。 いつまでも 耳につく 彼女の泣き声が嫌で 私は T君に 電話を かけた…
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