私の歴代彼氏
初めて彼氏が出来たのは 中学1年の冬☔
あの頃は恋愛に恋していたのかもしれない💦
私は明日26才の誕生日を迎える🎵
25才の最後の日に 今までの恋愛を思い出してみよぅかな😌
文章力に欠けますが…どうぞお付き合い下さい🌸
私達は会った事もないけれど、付き合う事にした👀
隣の県と言っても、高校生でバイクしか持たない私達にはとても会える距離ではなかった💧
お互い、手紙に写真を付けて交換した👑
その頃は携帯にカメラなんて付いていない時代だった⤵
(直ぐに着き始めるが…)
セイゴウはカッコイイ顔をしていた😄
メールと電話だけの恋愛は親を苦しめた…。
なんとバカな私…電話代が7万もかかってしまったのだ…😱
凄く怒られた…母は
「あんたの電話代でパート代が消えたじゃない💢早くそんな相手とは別れなさい💢💢💢💢」
流石に電話代には反省したが、別れる気なんてなかった。
先に高校を卒業したセイゴウが、私の県で運転免許を取ると言い出したのだ🌀
私の地域に、泊まりがけで普通免許が取れる自動車学校があった✨
20日くらいで取得できるし、えりに会えるからと、その自動車学校に願書を出してくれた🌸
ここで ユウイチ に出会った。
メールも楽しくて、電話をしたりもした😄
そして県外だったが、会う事に🎶
ユウイチは仕事で忙しかったので、休みだった私が会いに行く事になった💡
初めて一人で新幹線に乗った🚅
着くと、ユウイチらしき人が待っていた。
ユウイチは
「よく来たね🎶お疲れさま😄」と手を握ってきた‼
いきなり⁉とビックリしたが…5つ上だったので慣れているんだと思った🔌
セイゴウとはいつも寮の中だったので、外で手をつないで歩くのは初めてでドキドキしたし、嬉しかった🎵
私は 今夜この人とエッチして付き合う事になるんだろう と思っていた🐱
確か、メールや電話でユウイチから付き合いたいと言われていたから、最初からそう思っていた。
翌日の夜…ユウイチから電話がきた💧
「昨日は彼氏がメール見たんでしょ⁉分かってるから大丈夫だよ😄」
…やっぱユウイチは頭がおかしかった💧
「あのさ…本当に私、ユウイチとは友達ってのも無理だ💧振って辛い思いさせたからって我慢してたけど…もう限界…連絡とりたくない。」
すると激怒して声がおかしくなったユウイチが言い返してきた💧
「本気で言ってるの⁉辛い思いさせといて💢また俺に辛い思いさせるんだ⁉えりがそんな女だとは思わなかった💢最低やねっ💢」
そこまで言われたら私も黙ってなかった。
「あのさ💢我慢して黙ってりゃいい気になって何よ‼彼女いるのに元カノと連絡とりたがるあんたがおかしいでしょ‼‼てか、気持ち悪い💢二度と声も聞きたくない‼」
スッキリした✨
ユウイチはまた泣いていた😱
「ほ…本当に…最低や…ね…変な彼氏と付き合うと、性格まで変わるんだね…さよならっ😫‼」
ブツッ⚡
切れた。
これで本当にユウイチとは終わった。
この人は歴代彼氏の中で…一番しつこく…何故か私を凄く引きずる人だった💧
ストーカーとか犯罪者になりやすいタイプの人間かと思う。
ある意味、印象に残る元カレになってしまった⤵
いつものように電話で話しをして、
私が「トシ❤大好きだよ😉」と言うと、
いつもは「俺も❤」って返ってくるのだが…。
今日は返事がなかった😞
不安になった私は「どうしたの?」と聞いてみた。
「辛い…今、本気でえりの事を好きだから辛い…。」
私はトシの言っている意味が分からなかった💧
そして振られるんだと思って涙が出てきた…。
「えっ…泣いてるの⁉」
トシが慌てたようにきいてくる
「もぅ私と別れたいの…?」
「違うよ…。えりに言ってない事があるんだ😞」
私は瞬時に色んな事を考えた。
言ってない事…?え…?他に彼女がいたとか??7つも上だし…まさか…妻子持ち😱⁉
胸がドキドキした。
「言ってない事って何?」
意を決してきいてみた。
「えりと別れたくないから…言いたくない。」
言いたがらないトシに…私はもっと不安になってきた…。
14も年上だったうえに、バツイチだったトシ…。
こんなに好きで、結婚したいって本気で思ってるのに…😞
嘘つかれてたんだ…。
幸せ過ぎる私に神様がイタズラしたのかな…。
色々考えていると、トシが沈黙を破った。
「黙っててごめん…。最初はチャットだから嘘ついてたんだ…でも本当の事話すタイミングが分からなくて…言ったら、えりに嫌われそうで…言えなかった。」
そしてトシはこれから付き合っていけるか考えてと言ったが、私の答えは決まっていた。
「考える事なんてないよ…もぅ好きなんだもん…別れたくない。トシの全部受け止めたい。」
二十歳の私はトシの全てを受け止める事が、どんなに辛い事なのかも分からずに…ただ好きってだけで、その言葉を言った。
話しを聞いてから、私は結婚式の事が気になった。
バツイチならもぅ前妻と結婚式を挙げているかもしれない…。
私は幼い頃から結婚式でキレイなドレスを着るのが夢だった…。
私の両親も祖母達もいつか私の花嫁姿をみたいと楽しみにしている。
その夢は諦めたくない😞
「ねぇ…トシ…。結婚式はちゃんと挙げてくれるよね⁉」
トシは黙っていた。
「何…?結婚式約束したのに…ダメなの⁉」
「俺、前の嫁と大きな結婚式挙げたんだ。もう親には迷惑かけたくないし、親戚も呼べない…。結婚式は無理。」
また胸が痛くなった。
「え…そんな…。私の夢なのに…。きっと結婚式もできないってなれば、うちの両親も悲しむ…😞」
落ち込む私を見て、トシも申し訳なさそうにしていた。
「ごめん…結婚式だけは勘弁してほしい。」
今思えば腹立つ話しだが、その時の私は一生懸命、夢を諦めなきゃと自分に言い聞かせていた。
しかし…そう上手くはいかない💧
私は仕事に追われる日々を送った💨
帰りも毎日22時を過ぎてしまう…😲
それでも、ビジネスマナーや接客の勉強会など、自分の身になる事を教えてくれたり、時にはセミナーへ県外まで出張に出してくれる会社に感謝していた✨
まだまだ新米だけど…キャリアウーマンらしくスーツとハイヒールを身に着けて、働きまくる自分が好きだった😄
- << 108 ★かずさん★ レスありがとうございます(*^^*) 最近…私事ですが、スマホに変わりまして、 使い方がイマイチ分からず(ToT) 更新も躊躇気味になっていたとこにレス 頂けたので嬉しいです!! 書き方は多少変わると思いますが、 最後までお付き合い下さいm(__)m
>> 108
別れたんだ…。
としからの「分かった」と送られてきたメールを見ながらボーっとしていた(-_-)
普通なら悲しくなったり、中には泣く人もいるかもしれない。
でも私は…正直、解放感でいっぱいだった!
これで結婚式も夢見れる!やっぱ結婚するなら、地元の人がいいかも!
親に反対されないような人がい!
あとは…やっぱ14才も違うと子供が全員二十歳になるまで現役で働けるかどうかも悩みだったし、年は離れ過ぎない程度がいいな(^-^)
色々考えてるうちに、少し寂しさを感じてきた…。
ダメだ!ダメだ!ダメだ!
ここでまたヨリ戻したら、また夢とか色々
我慢しなきゃいけなくなる(>_<)
私はとしの名前が入ったアドレスを変えた。
そんな時、友達のキヨカが私が別れたのを知り、よく遊びに来てくれた✨
だけど…ハッキリ物事を言うキヨカは、いつまでも引きずってる私にイライラしていた💨
きっとキヨカは私が引きずってるのは、としが好きなんじゃなくて…ただ男の存在が欲しいだけだと気づいたから…イライラしたのかもしれない⤵
それ以前にキヨカは14才も上の彼氏を反対していたし…😅
そんな時、としから電話がきた‼
何を話したかは覚えてないけど…普通に連絡返せる時は返すって話しで終わった気がする💧
これまたあやふやな関係にキヨカはイライラしていた💨
一方のミカは、としを気に入ってくれていた💡
「お互いにしたいようにすればいいじゃん😄運命の相手ならまた一緒になるっしょ❤」
って言ってくれた(笑)
でも…なんとなく…私はもぅよりを戻す気はなかった…ただ…としの存在がなくなるのが寂しくて…
ずるくて…優柔不断で…ダメ女だ…。
とりあえず、ヤマトは財布も鍵も無くしている…。
私はファミレスでご飯を奢ると言ったが、ヤマトは気を使ったのか…断った💧
仕方ないので、コンビニに勝手に寄って、おにぎりなどを買って渡すと、申し訳なさそうに食べ出した😅
「えり…ありがとう…💦こんな優しくされると…俺…好かれてるのかなって勘違いしちゃうよ💦」
イヤイヤイヤイヤ😒
めっちゃツッコミたかったが…初対面の人にツッコミ入れる程私も成長していなかった😞
「当たり前の事じゃん💦普通だよ😄家までの道は教えてね🎵私、道分からないから💦」
「うん…でも、今夜は父ちゃんも母ちゃんも夜勤で家にいないんだ💧家に帰っても入れないかも😞」
「えっ…💧お母さん達に電話してみたら⁉」
「出ないんだよね⤵」
最悪じゃん…どうしよう💧
「えりの家に泊めてもらってもいいかなぁ💧」
「えっ⁉⁉ダメだょ…💦うち散らかってるし💦💦💦」
本当は片付けていた。
だけど…好きって決まったわけでもない…むしろ好きになれないかもって感じの男の人を部屋に上がらせるのは嫌だ😫‼
「困ったなぁ…。じゃあ駅に降ろして💦今夜は野宿するよ😞」
え…それもそれで…私が酷いヤツになるじゃん…😫💦
「分かった…とりあえず、ヤマトの実家行って、ダメだったら私の部屋泊めてもいいよ💧」
「ありがとう‼」
こうして私はヤマトの家へと車を走らせた🚗💨
話しはやっぱ電話の調子ではずんだ🎵
しかし…ヤマトが道案内をする事はない…。
「ねぇ…まだ曲がったりしないの⁉このままだと…私の市に着いちゃうよ😞⁉」
「まだ真っ直ぐでいいよ😄」
おかしい…。もう…ヤマトの実家があるという市は過ぎた。
「ねぇ…もぅ過ぎたよね?もう私の市になっちゃうじゃん‼」
「あぁ💧どうせ帰っても入れないの分かってるから、ごめんだけど泊めて💦」
「えぇ💢⁉」
私はさすがに腹が立った💢
なんか計画されてる感じがした。
というか…計画されてた😒
「引き返すから💢ちゃんと実家に帰ってよ‼」
「ごめん💦ごめん💦だけど…時間も…もぅ12時だよ😞⁉嫌なら降ろしていいょ…歩いて帰るょ…💧」
もう時計を見ると午前様になっていた😲
しかも山道に入っていた為、ここで降ろしたらあまりにも酷だ…😱
「分かった…もういいよ💧ウチに泊める。だけど、何もやましい事しないでねっ‼」
「当たり前じゃん💦」
ヤマトが笑った。
イヤイヤイヤイヤ😒
笑い事じゃない。
こんな気持ちのまま泊めるなんて…。
としはきっと男なんか泊めたら怒るだろうな…😞
これは黙っておかなきゃ…😞
私はとしを気にしだしていた。
ヤマトともし…何かあったら…二度と、としとは逢えなくなる…。
私はそれが嫌だと思った😞
これは言いづらいのだが…とにかく初めて…極小のアレを掴んだ。
いや…摘んだ。
これってどうなのか分かりませんが…MAXになってるはずなのに…長さが私の親指くらいしかなかったのだ👍キャー
ヤマトとは前に電話で下の話しをした事があったが…本人は普通だと言っていた…むしろ、先輩で小さい奴いるって話してたっけ…😓
その先輩…どんだけなんだろう…💧
戸惑いながらもフ○ラする…気持ち良さそうに息を荒くしてるヤマト…💨💨💨
小さいけど…確かに硬くなってる🍌
そして私にヤマトのが入ってきた…?多分。
全く感じない…入り口をいじられてる感じだけ…😢
何だか悲しい…虚しい…好きじゃない人とのセックス…。
我慢していたのが溢れてしまった…。
そう…溢れてしまったのは大量の涙だった😫
私は声を殺しながら泣いてしまった💧
泣いてるのに気づいたヤマトは慌てて事を止めた💦
「どうしたの⁉痛かった⁉」
正直…痛くも痒くもない💨
「ううん…ごめん…何か涙が止まらないの…ごめん…。」
私はなぜ自分がこの時泣いてるのか分からなかった💧
まさか小さいくらいで泣くわけない⤵
きっと好きじゃない人とのセックスの虚しさに我慢ならなかったのだと思う💧
今までにない感じ…セックスって…こんなんじゃない…嬉しくて…ドキドキして…もっと触って欲しくて…って…そんなんなるはずなのに…😞
ヤマトにはそんな気持ちにならなかった💧
「マジでごめん💦オレが無理矢理したから⤵本当にごめんなさい‼」
ヤマトは土下座してきた💦💦💦
「私が精神的に何か変なのかも💦最近、例の長く付き合ってた彼氏と別れたから💦それから急に涙が出たりするんだよね😅ごめん💦」
何故か私も謝った💧
そして私たちはそのまま眠った☔
翌日、私はヤマトにバス代とタバコ代を置いて仕事へ向かった💨
ヤマトは職場へ風邪をひいたから休むと連絡を入れていた📱
仕事から帰ってくると、ヤマトが待っていた🏠
寂しい一人暮らしの私は何だか嬉しかった✨
「帰らなかったんだ💦」
「うん…。えりのお金だし…使えなくって💧」
「でも…私は明日も仕事だから送るのは無理だよ😞⁉」
「うん…どうしよう💧」
ヤマトは車を放置してるのが気になってる様子だった🚗
結局、翌日は私が仕事を風邪と偽って休んだ💧
初めてのズル休みした⤵
ヤマトは自分の為に仕事を休んでくれた事に喜んでいた💧
そしてエッチした。
今度は泣かなかった💨
私はヤマトの事が好きなフリをした…。
どうしてだろう…。
何だか…ヤマトを好きになれば、寂しいのが終わる気がした…。
としを忘れられる気がした…。
私はヤマトを送った後、ヤマトに電話した…。
「俺はえりが嫌いでメールシカトしたり連絡しなかったんじゃないよ。」
「じゃあ…なんで?私、としから連絡なくて辛かったよ⁉」
「ごめん…俺さ…今でも、えりから貰った手紙も二人で撮った写真も…全部まだ大切にしてるから。」
「…😒??どういう事?」
私は元彼から貰った物は別れても普通に使うタイプなので、としの言ってる意味が分からなかった😅
「だから…💧俺は今でもえりが大切なんだよ‼」
「え…💦じゃあ何でシカトとかしたの⁉意味分からないよ😫‼私、本当に辛くて、毎晩泣いた時もあったんだよ⁉」
この時の私には、としの言葉が嘘にしか聞こえなかった。
どうせ…他の女と上手くいかなかったから…とりあえず、私とより戻そうってやつかなぁ…💧💧💧
でも…としはそんな人じゃないし…💧
訳がわからず…私は泣いていた。
「正直…俺の母ちゃんが今、こんな感じだし…母ちゃんの面倒をみる以上はえりと結婚は無理だと思った…😞えりはまだ若いし…迷惑はかけれない…。このまま冷たくして…えりには俺以外の人と幸せになって欲しいって思った…。」
「ごめん…。私には理解できない💧連絡なくて辛いってメールしてもシカトしたし…電話もシカトだったじゃん‼私は好きな人からのメールも電話もシカトできないもんっ‼(泣)」
私は泣きじゃくっていた😫
「えり…。俺は本当に愛してたから…返事したかったけど、シカトしたんだよ。」
「そんなの分からないよぉ‼何で⁉何で全部話してくれなかったの⁉私はシカトするんじゃなくて、距離を置きたい理由も説明して欲しかった‼今更連絡しないでよっ‼(泣)」
「ごめん…連絡するんじゃなかったね…。我慢できなくなったんだ…。ごめん…😞」
私は『我慢できなくなったんだ…』その言葉にキュンときてしまった⚡⚡⚡⚡
「無理💢もぅお前とはできない💢女に見れない💢」
かなりキレてる💧
としは私が他の男と遊んでたのがショックだったのだろう⤵
「もう私…としが無理なら…一生誰とも付き合わない…としとしか無理…😢」
泣きながら必死の私…嘘つき大魔王😱まだまだ攻める⚡
「としが好きなんだもん‼やっぱ他の男と遊んでも…ずっととしの事しか考えられなかった😫‼私はとしじゃなきゃダメなんだって凄く思ったんだよ😫⁉」
声を出して泣いた😫⚡⚡⚡⚡
「おぃ💦分かったから💦泣くなよ💦」
「だって…としと連絡とれなくなるの嫌だぁ😫‼辛過ぎる‼‼‼わぁ〰😫💦(泣)」
「もう分かったから💦連絡はとるから‼泣くのやめて落ち着け💦💦」
まるで子供とパパみたいな会話になっていた🎠
それにしても…やっぱ恋愛したい‼
私は友達に誘われて今まで断っていた合コンに始めて行った🍺
ワクワクしたし、ドキドキした🎵
でもいざ合コン始まると…とりあえず…タイプいない⤵
全体的に草食系ばかり…私は肉食系男子が好き❤
場を盛り上げてくれるような人がいい‼そんな人なら、ブサイクだろうがモテる👍
のに…何だか…ニコニコして…色々質問してきて…面白くない💨
仕方ないので…私は汚れキャラになって、おとなしい女キャラの可愛い友達をダシに
「この子可愛いやろ~😁お持ち帰り禁止なんで宜しくぅ‼‼‼」
なんてつまらない事を言いながら、なんとか盛り上げる…。
トイレに行くと…隣で合コンしてた男の子と出くわした💨
もちろん知らない人…だけど、酔ってるから関係ない🎵
「おっ‼偶然だねぇ‼久しぶりぃ😁」
「久しぶりぃ😆🍶」
トイレの前でノリに合わせてみる💨
「てか、そっち盛り上がってますね~‼」
「え⁉俺たち⁉当たり前じゃん‼男が盛り上げなきゃさぁ‼てか…正直、今、面白くないから、君たち一緒に合コンしない😁⁉」
「あはは😆冗談きついってぇ✋‼」
「マジだよ~‼」
「あはは😆またね~」
私は笑いながら逃げた💨
面倒なのは避けたい。
こうして私は毎週平日だろうが休みなくても、合コンに行った💨
いつも盛り上げ役だったけど…😒
友達も増えた🎵
酒に強い私にとって一番嬉しかったのは、彼氏じゃなくて酒に強い女友達ができた事(笑)
サキだ🎵サキも仕事ばっかりで彼氏なし💨
共通の友達から誘われた合コンで初めて一緒に酒を飲んだのがきっかけで意気投合😆💕😆✌
毎晩のように二人で飲みに行った🎵
そんな時、合コン仲間のマキ(初登場ですが、幼少期からの友達です)から、友達の友達という同じ年の男の子を紹介された🌱
とりあえずメル友みたいになった💨
私はサキに
「マキにタメ(同じ年)紹介されたから、合コンに繋げるね😄」
と話していた✨
ハルキのマンションに着いた💨
ハルキはヨウタ君とあと名前は忘れたけど…もう一人と3人暮らしで、間取りは3LDK🏠
他の2人は外出中だった🐤
早速DVDを見る…タイトルは忘れた…何だっけ💧
スーツを着たら、カッコ良くなる…もこみちと北川景子がでてたやつ…ハンサムマンだったかなぁ😓
とりあえず、私は変なムードにならないようにギャグっぽいのを選んでいた🐱
これは正解だった💡
楽しく2人で笑えて良かった👍
そして食事に行く事にした🍴
オシャレな居酒屋みたいな感じ✨
ちょっと高めの店だったが💧ハルキがご馳走してくれた😉
だけど…ハルキはバイトだから私より給料少ないはず…何だか申し訳なかったが…断ると逆に失礼な気がした💦
海を見ながら私達は何回かキスをした💋
「帰ろうか😄」
ハルキがそう言って立ち上がった🚻
車に乗る…🚗
「俺…えりん家(ち)に行きたいな❤」
「ダメー🐱」
「どうして⁉俺、まだえりと一緒にいたいよ💧」
「だったら、外で一緒にいようよ💨私、彼氏以外は部屋に入れたくないの💨」
正直…この時…私の頭の中にとしがいた😞
容易に部屋には上がらせちゃいけない…。
「えっ…付き合ってくれないの😫⁉」
ハルキが嘆く💧
「いつ付き合うって言った⁉」
「じゃあ付き合ってよ‼付き合おうよ‼」
こいつ…エッチしたいんだろうな…💧
「私達さ…今日会ったばかりだよ⁉せめて1日は考えてよ💧」
自分も人肌恋しいので、たった1日と言ってしまってる私😒
「なんでキスしたんだよ…俺を好きだからキスしてくれたかと思ってたのにぃ…😢」
落ち込むハルキ💧
「好きっていうか…好きだけど…冷静に付き合うかどうか考えたいし…考えて欲しいし💧」
私はただ単に…もう即体許します的な事はしたくなかった⤵
この日はハルキとバイバイした✋
翌日ハルキからメール✉
✉えり❤付き合って欲しいよ‼
いきなりかよ😅まっいいか(笑)
私達は付き合う事になった✌
やっと彼氏ができた…✨
飲み仲間のサキにも彼氏報告‼
とりあえず、としと別れてから相談しまくってた友達みんなに報告した✉
みんな喜んでくれた…と言うより…やっとかよって感じだった🐷(笑)
サキは「彼氏できても一緒飲もうね❤」って言ってたっけ(笑)
しかし…この恋…二週間で終わったのです⚡⚡⚡⚡
私は別れる理由をハルキのせいにしたけど…本当は自分の気持ちの問題でした…。
ハルキはバイトなんでお金を持っていない⤵
結局、あのデート以来…奢られる事はなく、逆に私がお金を貸す事になりました💨(3000円くらいだけど)
あとバイトも、正社員になる余地がないって理由で辞めました。
まだ何日か経てばくるだろう😅
そう思ったけど…なかなか来ない⚡
そこで私は一人で耐えきれず、別れたハルキに電話した📱
「もしもし…。」
「おぉ‼えり❤どうしたの😆⁉ビックリしたぁ‼」
凄い喜んでる様子が電話越に分かるくらいのテンションで話すハルキ…💧
別れると、それすらもウザく感じる😒
「あのさ…。黙ってたんだけど、私さ…生理遅れてるんだよね💧」
「えっ‼そうなんだぁ✨」
脳天気な口調で返してくるハルキ…💢
「あのさぁ💢そうなんだぁ‼じゃないでしょ⁉どういう事か分かってる💢⁉」
キレ口調で私は質問した💨
「分かってるよ…何で怒るの😞⁉」
こいつ…まさかKY(空気読めない)に近い何かを持ってそぅ…😒
「あんたの返事が脳天気だからよ💢私達別れてるのに‼妊娠してたらどうするの💢💢💢💢」
もぅイライラしながら話す私💧
「え…⁉結婚すればいいじゃん❤」
また脳天気な口調で馬鹿抜かす…。この時…私はマジでハルキと付き合ってた事を後悔した💨
「あのさ…ハルキは無職だよね⁉どうやって結婚しようと考えてるの⁉出産もお金かかるんだよ⁉⁉⁉」
「え…⁉俺働くよ‼えりと子供の為に頑張るつもりだよ‼」
私の中でハルキと話してる事が無駄に感じてきた。
「あのさ…。私はハルキと結婚しようと思ってない💧子供も…産もうとか考えてない💧分からないけど…。」
沈黙になる…。
「そうなんだぁ。分かった。俺じゃどうしようもないし…えりに任せる😞」
「とりあえず、今度調べてみるわ…それから連絡する。」
「分かった‼」
私は一人で調べる勇気がなかった💧
もし妊娠してたら…一人で耐える自信がなかったから⤵
今の私って…そこまで好きでもない男とエッチして…妊娠したら…堕胎を希望する…最低な女だと思った。
そんな女に結婚しようと言ったハルキは…もし本気で言ったのなら…私より立派な人間だと思う。
ひねくれ者の私は、それを確かめようと…わざと検査結果をハルキに連絡しなかった😒
結果は妊娠していなかった。
そしてハルキからも一切連絡はこなかった。
私は自分の事を棚に上げて、やっぱりハルキは口だけのアホ男だと思った。
ただ…私は妊娠したら怖いって気持ちを初めて体験した。
これからは…妊娠したら困るような人とはエッチしないようにしようと思った。
当たり前の事なのに…この頃の私にとってエッチは、女子力を上げる一つで、気持ちよくて、一石二鳥❤
としか考えてなかったと言っても過言ではないくらい軽く考えてた。
妊娠してもいいくらい好きな人…としが浮かんでくる。
もし…としとの間に子供ができたら…これも運命なんだと産むと思う‼
だけど…私は苦労する人生になるな…。結婚はしなくても…としとの子供なら…産みたい。
私は勝手に一人でそう思った。
私はとし以外の人を好きになれないのだろうか…😞
このまま…としだけに依存してしまうのか…。
だけど…今は別にそこまでとしを愛してるかも分からない…。
としの赤ちゃんだったら産みたいって思うのは…ただ初めて長く付き合ってた人だし…情もあるし…前妻に子供がいなかったから、としの子供を残してあげたい気持ちがあるから。
私は…もう…本気の恋愛が出来ない女になってるのかもしれない。
何が何だか分からなくなっていた⤵⤵⤵
そんな時、仕事の研修先(離れた県外)で知り合った男の子から連絡がきた📱
たっ君。
たっ君は別の不動産会社に勤めていて、名刺交換の際に同郷なのが発覚🏠(笑)
そして共通の友達が何人かいたという…奇跡のような出会い方をした。
しかし残念なのが…全くの恋愛対象にならないキャラクター🐧
だけどみんなから愛される存在だ😄
これまた可愛い彼女がいる‼(言い方失礼かな💦)
そんなたっ君からの急な連絡📱
✉えりちゃん😄元気⁉俺、仕事辞めて、そっちに帰ってくる事にしたんだ🌀
✉たっ君久々‼てか…辞めたの⁉彼女はどうするの⁉
私はビックリした。
たっ君の勤めてる会社は結構大きいし…もったいない‼確かに残業しまくりだけど…それに彼女はそっちの人だから…別れたか…😱⁉
✉彼女は理解してくれてるから大丈夫🎵俺、学校の先生になりたいんだ😄
✉そっかぁ🎵帰ってきたら、遊ぼーね😄
もちろん、たっ君達以外の合コンにも行ってたので…私は連続合コンって週もあった😓
だけど私は楽しかった😄合コン終わりの女だけの反省会が何よりも好きになっていた(笑)
自分達の事は棚に上げて、今日の相手を愚痴ったり、良かったと誉めて勝手に盛り上がったり🐱
私達の合コンは恋愛に発展する事はあまりなかった😫(笑)
こうしていくうちに…たっ君も試験が近いからと忙しくなり…また,マキと飲む事が多くなった🍺
私は恋愛はないけれど…仕事をして、それなりに贅沢できる生活に慣れてきていた🎵
むしろ…このまま彼氏はいらないかもって感じになってきた🐷
悩めば支えてくれる友達がいる🌱
病気したら駆けつけてくれる友達もいる🐤
寂しい時も夜遅くたって会いに来て、一緒に飲んでくれる友達もいる😄(これはマキ限定だったかな🍺)
こんなに私は友達に恵まれてるんだから、彼氏は必要ない‼
自由な今が楽しいっ‼‼‼‼‼
この時の私は心身ともに落ち着いていた🎠
一人で夜泣く事もなくなった🐌🍸
仕事にも大分慣れて、繁忙期が終わったのもあり残業も午前様になる事がなくなったので、私は部屋でテレビを見ながらくつろいでいた🐱🎶
~📱🎶
着信が鳴る…見覚えのある番号[人影]
📱「もしもし…。」
📱「あぁ、えり元気してたか?」
相手はやっぱりとしだった。
私はとしの番号を削除していた💧
📱「元気だけど…かなり久々だね💦急にどうしたの⁉ビックリだよ😒」
📱「ごめん。色々忙しくてさ💧もうすぐえり誕生日だろ?」
📱「…‼そうだけど😣⁉」
📱「そっち行くから。いつが大丈夫?」
なにそれ…。ずっと連絡放置しといて…いきなりこっち来るって…💧自己中すぎ⤵
私は返事せずに黙っていた。
📱「何だよ。他に彼氏できたのか⁉」
📱「あのさぁ‼ずっと連絡無視しといて、他に彼氏できたかなんて聞ける立場じゃないよね⁉⁉⁉」
私はイライラしていた😠
だけど…としに会いたい気持ちはある。
でも会ったら…また依存しまくりそうで怖い…。
📱「分かったよ。連絡した俺が悪かった。もう会いに来ない。」
逆ギレしてるとし。
📱「そうじゃないでしょ⁉私は、連絡もしてないのに、男ができたかなんて聞ける立場じゃないでしょ⁉って言いたいだけだよ‼‼‼誰も会いたくないなんて言ってない‼」
しまった…遠まわしに会いたいと言ってしまった😱💦
📱「ごめん…。俺も色々葛藤してしまって…連絡できんかった💧仕事も忙しくて身体ボロボロだよ😞ただ…えりの誕生日だけは一緒に過ごしたいと思って…。何かプレゼントしたいんだけど…何が欲しい?」
としは毎年誕生日とクリスマスは好きな物を買ってくれていた🎁
📱「いらないよ💧私、欲しいのないから。久しぶりに会えるだけで充分だよ💦」
私達は1年半ぶりに会う事になった🚅💨💨💨
久しぶりに見るとしは何だか若返っていた‼
「久しぶりぃ。」
としがいつもと変わらない口調で普通に車へ乗り込む🚗
「久しぶりぃ。何か若返ってない⁉」
「だろ?サプリメントとか飲みまくってる。」
ウケる…だけど…笑っちゃいけない気がして我慢した😣
「私、痩せたでしょ🐱⁉」
自分から変わった所をアピールする私。
「少し痩せたね。」
少しぃ~😠⁉5キロも減ったんだよ‼
なんて言えない💧
「仕事のストレス半端ないんだよね⤵」
他愛ない話しをしながら私の家へ向かった💨
としは何も変わってなかった。
ただ…仕事が忙しくて体がキツイと何度も言ってた💧
年をとればこんなにも体がキツくなるのだろうか…?
ウチのお父さんはこんなに体がキツイとかだるいとか言ったりしない💧
としは体が弱いのかなぁ…。
今思えば、としはいつも疲れてた。
「俺も別にえりを嫌いになった訳でもないし、えり以外の女と付き合う気もない。ただ…今は自分の事とか親の事でいっぱいなんだ😞」
もうそれは聞き飽きたよ…。なんて言えない💧
「うん…じゃあ、来月はとしの誕生日だよね🎵また二人でお祝いしようよ😄」
「うん。」
「絶対だからね‼また連絡シカトしないでよねっ✋」
「出来るだけ返すよ💧」
私ととしはそのまま付き合ってた頃のようにベッドで眠った💤
キスだけした💋
だけどエッチはしなかった🌁
私はどうしてエッチしないのか聞いたら腰を痛めてると返ってきた⚡
私はエッチしたいようなしたくないような微妙な気持ちだったけど…したい素振りで話した。
私はあくまでも、としの前では、としと付き合いたい女を演じていた。
としの中で一番の女になりたいから👠
それはとしに限らない✋
今までの彼氏には今までで一番心に残る彼女になりたいと思うタイプ。
付き合ってるのに、なぜか…別れた後に歴代彼女の中で一番心に残る彼女になりたいと考える癖?があった😱
今思うと、自分でも気づかないうちに、私は最初から別れを予感しながら付き合ってた。
だからだね…たまに友達から、「えりって彼氏に依存してそうに見えて、どこか冷たい時あるよね。」って言われた事ある⤵
私って変わってるのかな💧
この日もまたサキと二人で居酒屋にいた🍺🍸☕
いつも私は日曜日は仕事が忙しいので、あまり土曜日飲みにはいかない💧
だけど、この日の土曜日は無性に飲みたくなって私がサキを誘った📱
「やっぱいつも一緒に酒飲んでくれるのはサキちゃんだけだょ❤」
「まぁ暇だし酒は好きだしね💕」
私もサキも上機嫌で飲んでいた🍺
恋愛、仕事、色んな話ししたけど、やっぱり不調続きの合コンの話しになる😓
「つーか、合コンで付き合うってあるのかなぁ💧」
私は合コンに飽き始めていた😅
「無理かもね…💧もぅこの街にはイイ男残ってないよ⤵みんな彼女いるって💧」
マキも諦めモード💧
「今日はさー思いっきり飲みたいんだよねー‼」
私は何かムシャクシャしていた😲
マキといつも行くバーが開く時間になると、マキが連絡した📱
「あー‼もしもし⁉今どこ⁉一緒に飲んでよ‼はいはーい」
相手は飲み仲間の先輩。その先輩もバーの常連さんで、一応先輩は男なので、合コンの愚痴を聞いてもらおうって話しになった😅
先輩にとってはいい迷惑だ💧
「もうジンさん(先輩)バーにいるって‼」
マキが携帯をしまいながら言った。
私達は居酒屋を後にしてバーへ向かった🎠
バーへ着くと、いつもいない人がいる🐶
小さなバーなので客はジンさんだけだった。
いつもいない人ってのは店員さん💨
だけど…前に初めてこのバーへ来た時、いた人だ‼
ヒゲはやしてて…黙ってて…少し怖いイメージがあった😖💧
「よぉ✋‼座れよ。」
自分の店のように席を指差すジンさん😓
私は怖そうな店員がいるお陰で…今夜は思いっきり愚痴を話せない気分になってしまった😱
「何飲む⁉」
ジンさんが注文聞いてくる💧
「私、パイナップル‼」
サキが普通に注文する。
「どうしよう⤵」
人見知りで、緊張気味の私は注文しかねていた⤵
「てか、ヒロさん久しぶりですねぇ‼」
サキがヒゲの店員に親しげに話しかけた‼‼‼
サキは私よりもずっと前からバーの常連なので、当たり前っちゃー当たり前だった🌀
「久しぶりだね~サキちゃんも元気だった⁉」
あ…怖くない??
「はい‼元気でしたよ~。仕事は死にそうなくらい最悪ですけど⤵(笑)」
「あはは(笑)てか、友達⁉」
いきなり私に話を向けられた😲💦
「あれ⁉初めてだっけ⁉えりちゃんです💡」
サキが紹介してくれた😣
「どうも💦」
私は軽く会釈する🌀
「どうも(笑)まだえりちゃんは注文してないよね😄何飲みたい😄??」
「じゃあ…ペシェウーロンで」
「はい🎵」
意外と優しいかも…。
それから話していくうちに、ジンさんがヒロさん好きで、公私共に仲良しらしかった🌀
そんなこんなで、私も警戒心がなくなり、何でも話せる気分になっていた☀
「てか、お前達彼氏いねーのかよ‼」
ジンさんのこの言葉で私とサキのスイッチが入った👊
「いなーい‼合コン行ってもダメなのばっかり😠‼」
サキが怒り口調でジンさんに言い返す🎐
「えっ⁉えりちゃんも彼氏いないの⁉」
今度はヒロさんが私に聞いてくる💧
「いないですよ⤵てか、合コン行っても、番号すら聞かれないんですよねぇ💢男が女に番号聞くのって礼儀ですよね😠⁉」
私も怒り口調でヒロさんに返した💦
「え…俺聞けない💧」
ジンさんが答える。
他の店員も聞けないらしかった💧
「何で⁉何で聞けないの⁉」
っとサキ。
「断られそうで嫌だ💧」
ジンさんが情けない事を言った途端に私は言い返した💨
「でた。断る女はモテまくってる女くらいだよ⤵別に番号交換で付き合うって訳じゃないんだから💧友達の輪を広げるみたいな感じでいいのにさぁ💢」
「じゃあ、えりちゃん教えるの⁉」
ジンさんが聞いてくる💨
「教えますよ‼」
私は強めに答える。
「え…じゃあ俺聞きたいなぁ。」
んっ⁉
そう言ったのは…ヒロさんだった。
きっとヒロさんは私をからかってる…💧
だけど…そのノリは嫌いじゃない🐱♨
「普通、興味なくてもとりあえず番号とか聞きますよね⁉」
私はヒロさんに同意を求めた🎐
「いやぁ~。興味ないっていうか、タイプだったら、とりあえず聞くかな🚬」
ヒロさんがタバコを吸いながら答える。
私もタバコに火を付けた。
何だかヒロさんとは気が合いそう‼
私が男だったら絶対友達になるタイプかもっ‼‼‼
「あ…えりちゃんタバコ吸うんだね💦ごめん灰皿気づかなかった💦」
ヒロさんが灰皿を渡してくれた✨
「ありがとうございます💦」
「だけど、えりちゃんがあんな事言うなんて思わなかったなぁ👀」
徐々に私とヒロさんの2人の会話になっていた☀
「いやいや…私は最近の草食系にはウンザリなんですよ⤵私は肉食系がいいですね💨💨💨」
「あはは(笑)言うねぇ😄」
そう話してると他のお客も入ってきて、ヒロさんはそっちに行ってしまった😢
その時、バーではEXILEのDVDが流れていた💿📺🎥
あれ…⁉何か…ヒロさんってEXILEっぽい‼‼‼‼‼
そう…ヒロさんはEXILEのメンバーみたいな雰囲気を持った人だった(笑)
またヒロさんがこっちに戻ってきた🎶
サキもジンさんも含めて4人で話す🌱
その時、ヒロさんが私に好きな男のタイプを聞いてきた🐶💦
「私は年上ですね‼今までタメか年上としか付き合った事ないです👀」
「それ俺じゃん。」
ヒロさんが言う🎭
「えっ⁉」
私は上手く返せなかった😱
「そうだよぉ‼ヒロさんタイプなんじゃない😆⁉」
サキが盛り上げてきた💦
「で…ですねぇ‼タイプはヒロさんです😆‼‼(笑)」
「じゃあ番号後から教えてね❤」
ヒロさんがニコっと笑ってきた😉
「後からとかダメっ‼‼今私の目の前で交換して‼‼‼‼」
サキがいきなり声を上げた💦
他のお客さんも私とヒロさんが番号を交換したのを見ていた📱
この日私達以外は男の客ばかりだった🚻
「ヒロさんいいなぁ‼女の子と交換できてぇ‼‼俺もバーの店員なりてぇ😫‼」
客が言ってる…。
「バカ。俺はあまり客と交換しねーから🚬」
ヒロさんが言う…。
えーーー‼まじぃ😍⁉私って特別みたいやん❤⁉
私の心の中は花畑になっていた🍀🌷🌱
だけど顔は冷静にしていた💧だって…ヒロさんは店員だもん…客になりそうな女には番号交換するだろうし…疑似恋愛みたいな事もするだろう😞
私も営業って仕事してるし…そこらへんは分かる…分かってる…。
だけど…話せば話す程、私の中の男らしい男にピッタリ当てはまるヒロさん…💕
ヒロさんの仕草や話し方、タバコ🚬全てがカッコイイ❤
もう…好きになってしまったかもしれない。いや…好き❤
自分にストップかけながらも…好きな気持ちが暴走してしまっていた🚗💨💨💨
私がこんなに人を好きと感じたのは久しぶり…いや…初対面で好きと感じたのは初めてだった‼
ネットで知り合った人は別として💧
これだけ私の気持ちを掴む人…きっと他の客だって私と同じようにヒロさんを好きな人はいるだろう💧
傷つきたくない…からかわれてるだけかも…💧
私は色々考えた…。ジンさんも他の店員さんもみんな
「ヒロさんは一筋な人だから、浮気絶対しないよ‼」
って言う💨
だいたい男達は友達をそう言う💧
だけど…遊び人ではないんだろうな…。
とりあえず、私は冗談っぽいテンションで通した♨
「えりちゃん明日も仕事だし、帰ろうか!」
サキの言葉で帰る事になった(*_*)
まだ居たかったけど…さすがに夜中2時は明日がキツイ
するとヒロさんから
「帰ったらラブメールしてね」
と言われた!
「はい!」
私は絶対メールしようと思った。
帰り道…私はドキドキワクワクしていた♪
「ねぇ!えりちゃんさ、ヒロさんの事まんざらでもないでしょ」
ニヤニヤしながらサキが聞いてくる。
「うん…てか…好きになりそう…てか…タイプかな。」
「帰ったらメールしなよ!」
「うん…一応、メールしてみる」
そう言ってサキとは別れた。
早くメールしたい!
返事はこないかもしれない。
その時はその程度の人だと思えばいい。
元々、私とは世界が違う人だろう…本当は彼女がいるかもしれない。
私は家に着き、酔いに任せて思い切りメールする事にする。
【帰りました♪今日はありがとうございました★】
送信ボタンを押した。
『もしもし?えりちゃん?』
ヒロさんの声。
『もしもし。えりです。』
『メール本当にくれるなんて思わなかった!ありがとう。』
『ヒロさんがメールしてって言ったじゃないですか(笑)まさか私も電話がくるなんて思いませんでした。』
『いやぁ!丁度店閉めて出たトコだったから
さぁ!マジで飯食いに行こうね。』
『はい!絶対ですよ(笑)』
(笑)を入れたけど…私はマジで行きたかった。
明日にでも行きたいと思った。
私とヒロさんはいつ行くかは話さずに電話を切った。
未定の約束になってしまった。
行きたいのに…私はヒロさんと行きたい!
ヒロさんが好き!
当たって砕けろで攻めるしかないな…。
私はその晩、眠れなかった。
我慢の限界。
いつも会えないのは仕事の残業が長引き過ぎるからだ。
仕事さえ早く切り上げれば、会える。
その為には…職場の先輩や同僚の協力を得なければならない。
うちの会社は私以外の社員はみんな男だった。
だからと言って、あまり女扱いされていないのは少しイラつくが、仕事はしやすかった。
変に言葉を選んだりとか、気を使わなくていい。
私は会社の先輩達に、今、いい感じの人がいることを公表した。
「えっ!どんなヤツだよ!」
からかい始める先輩達を遮るように話を進める。
「ですから。私は今、大事な時期なんですよ。今夜会わなきゃ、人生のビックチャンスを逃しちゃうんです!!今日だけは早く帰らせて下さい!!」
そう言って、私はヒロさんに今夜会う約束をした。
ヒロさんのソフトの練習が終わった後に会う事になった。
この日の残業は先輩達のお蔭で、私だけ先に帰らせてくれた。
なんだかんだで、優しい人達と仕事できてるんだなと感じる。
会ったのはヒロさんのソフトが終わった夜10時だった。
久しぶりのヒロさんに緊張する。
お腹のペコペコだった私達は、さんざん店を選んだ挙げ句、いつも行かないような店に入った。
ヒロさんと向き合って座る。
夢みたい…!
プライベートのヒロさん…。
バーではみんなのヒロさんだけど、今夜は私が独り占め\(^o^)/
緊張する…。私とヒロさんは、お互いに口下手だと言いつつ会話は途絶えなかった(笑)
「緊張するねー。」
とか
「久しぶりに女の子とデートした。」
とか
ヒロさん言ってたけど…私は嘘だと思いながら笑っていた。
この後…帰りたくなるくらいの出来事が起こるなんて知りもしない私は…ただ笑って話していた。
そして…その時はきた。
私達のテーブルに頼んだ料理が運ばれる。
お腹ペコペコだったけど、私は上品にゆっくり食べた。
可愛く…出来るだけ、オシャレに見られたい!!
これって、女の子なら誰だって自分を好きになって欲しいと思う相手には抱く思い。
私は大好きな唐揚げに手をつけた。
唐揚げはオシャレに食べるには少し難関。
細心の注意をはらう。
パクり。
ん…んっ?!
か…かたい。
だけど…一度口に入れたのは出せない。
チクショー!かたいー!!!
カキーン!
ヒロさんの皿に…私の唐揚げの衣が飛んだ。
あまりの恥ずかしさに…言葉が出ない。
笑えない。
友達となら笑い話。
でも今は友達と食べてるんじゃない。
私はヒロさんと食べてる。
好きになって欲しい。可愛くみられたい。オシャレに見られたい。
その人の皿に私の口元から唐揚げが飛んだ。
笑えない。帰りたい。
無言の私。
「唐揚げ飛んだね(笑)」
ヒロさんが笑ってくれた。
「固かった…ごめんなさい。」
やっと謝れた。
「えりちゃん面白いね。大人しいコかと思ってたけど、楽しいよ。」
ヒロさんの言葉がうれしかった。
帰りたくなくなった。
今夜はヒロさんに何されてもいい。
私はヒロさんとどうにかなりたかった。
食事が終わると、ヒロさんの車に乗る。
「えりちゃんも明日仕事だっけ?どうする?
帰った方がいいよね。」
「帰りたくない。」
私は凄く帰りたくなくて、即座に返した。
夜中の12時を過ぎていた。
だって私はヒロさんと一緒にいたい。
何されてもいい。
てか、どうにかされたい。
「帰らなくて大丈夫?明日も仕事でしょ?」
「うん。いつも夜中まで起きてるから。…あ!ヒロさんも仕事だよね(汗)大丈夫?」
「俺は大丈夫だよ。まだ話したいし(笑)えりちゃんがそんな事言うなんて意外だな。」
「どうして?」
「いやぁ…。帰りたくないなんて、言うとは思わなかった。」
そうだよ。帰りたくないって言ってるんだから。私の気持ち分かりますよね。今夜はどうにかして下さい!
なんて言えない。
「とりあえずドライブしよっか。」
ヒロさんが車を走らせた。
私にとって、男の人の車でドライブするのは久しぶりだった。
ドキドキするし…ワクワクした♪
とりあえず私達は夜の公園に車を止めた。
寒いので車の中で話した。
今までの恋愛の話しや、バーのお客さんの話し、家族、兄弟の話し、沢山話した。
お互いをどう思っているか気になる。
私は我慢しきれずに聞いた。
「ヒロさんは私の事…恋愛対象になります?」
「なるに決まってるじゃん。ならなきゃ一緒に飯食いに行こうなんて誘わないよ。」
「私、ヒロさんとまたこうやって会いたいです!いいですか?」
「当たり前じゃん(笑)正直、俺、えりちゃんの事イイコだなぁって思ってるよ。」
「本当に?!」
「うん。まだお互い知り合ったばっかだし、これからも遊んだりしようよ。」
嬉しかった。
だけど何か物足りない。
どん欲な私…今夜はヒロさんとどうにかなりたいのだ。
早く深い仲になりたいのに…普通ならこんな夜中に暗い車内で二人っきりなら、キスくらいはするでしょ!
しかし…ヒロさんは指一本触れてこない。
私は話しながらも、わざとヒロさんの肩をタッチしたりアピールするが…腕を組んだまま体制を崩さない。
攻めモードの私も、さすがに初めてのデートで付き合ってもいないのにキスしてなんて自分から言えない。
夜中の3時になってしまった。
「えりちゃん。もう帰らなきゃね。
」
「え↓まだ帰りたくない。」
「ダメだよ。明日仕事だから。えりちゃんが寝不足で朝事故でもしたら大変だし。」
「分かった。まだ一緒にいたかったな。」
「そんな事言われたら、俺、勘違いしちゃうよ(笑)」
「本当にまだ帰りたくないんだもん(笑)」
そう言いながら、私のマンションの近くに着いてしまった。
あえて私は自分のマンションを教えずに近くのコンビニに降ろしてもらった。
いくら好きな人でも、知り合ったばかりの男の人には部屋を教えない事にしてる。
本当はこのまま一緒に部屋へ誘いたかったけど、この自分で勝手に作ったルールだけは守りたかった。
「本当にここでいいの?心配だからマンションまで送るよ?」
「いいよ。私、コンビニに用事あるから★」
「本当に大丈夫?」
「うん。ありがとう。」
「じゃあ帰ったら、必ず連絡してね。」
「うん。今日はありがとう。」
私は車を降りて、ヒロさんを見送った。
もぅ何もかもがカッコイイ。
一緒にいて理想の彼氏だった。
何もなかったのは残念だったけど…。
こんな時間まで一緒にいて何もされなかったのは初めてだった。
私に魅力がないから…?
どうしてキスすらしてくれなかったんだろう…やっぱり私の事はただの妹みたいに感じちゃったのかなぁ。
なんだか…自分に自信がなくなった。
元々、自信あるわけじゃないけど…ヒロさんには私を女として見れなかったのかな。
相手にされなかったんだ…。
何だか泣きたくなる。
部屋に着いた。
とりあえずヒロさんにメールする。
【帰り着いたよ♪今日はありがとうございました。】
すると、ヒロさんからすぐにメールが返ってきた。
【こちらこそありがとう。楽しかったよ。】
私は胸が苦しくなってくる。
ヒロさんに本気になっていくのが分かる。
今なら…今のうちなら、フラれても傷は浅くて済む。
私は恋愛が下手だ…。
好きになったら、すぐに当たって砕けろになってしまう。
すぐに答えを欲しがる。
すぐに答えの出ない恋愛はいらないって思ってしまう。
今思えば…すぐに答えの出ない恋愛でも、本当に好きなら、答えがでるまで待つのもいいのかもしれない。
だけど私には待つ恋愛って…今も無理だろうな。
~♪
着信で起こされる。
泣きながら寝てしまったみたいだ。
朝になっていた。
慌てて電話に出る。
「もしもし?」
「えりちゃん。おはよう。」
ヒロさんだった。
「ヒロさん?おはようございます。」
「今起きたね(笑)昨日遅かったから、寝坊してないように電話した。」
「ありがとう。危ないとこだった(笑)」
「あはは(笑)今日も仕事頑張ってね。」
「うん!ヒロさんも頑張ってね。」
電話を切る。
胸が熱くなる。
ヒロさんからの電話。
この人はどこまで私の心をわし掴みにするんだろう。
フラれたと思ってたけど…まだ脈アリ??
え…?昨日、フラれたから私…声出して泣いたんだよね。
あれってフラれてはなかったのかな。
良かった…。でも…。この先どうなるの?
また、しっかり告った方がいいのかなぁ…。
あやふやな関係が苦手な私……。
分からなくなる。
これは…相談だな…。
一人で考えても分からない時は誰かに相談するのが一番だ。
相談しながら自分の頭を整理する。
相談相手はあの人しかいない!!
仕事を終えると真っ先にサキへメールした。
サキはすぐにウチへ来てくれた。
「ヒロさんとデートしたんだねー!どうだった?!」
サキは興味津々に聞いてくる(笑)
私は全てを話した。
「ねぇ…どう思う?私、脈アリって思っていいと思う?」
そう私が最後に質問するとサキはキョトンとした顔になった。
「え?どう思っても私には付き合う前の話しにしか聞こえなかったけど。」
「そうかなぁ?私的に、今まで恥ずかしい話しだけど…すぐ深い仲になって、即付き合うみたいなのが多かったから…ヒロさんにからかわれてるょうな気がして…。」
「私もそこまでヒロさんを知ってるわけじゃないけど、少なくとも、からかって遊ぶような人じゃないよ。」
サキの言葉に私は不安が消えた気がした。
「じゃあ…私、また頑張ってみる。すごい好きなんだよね。久しぶりに自分から好きになったから…」
「いーなー。恋愛してるー!」
サキはそう言って笑った。
このサキと話してた時が一番ドキドキして楽しい時だったのかもしれない。
サキと恋愛について散々話した後、私の気持ちはヒロさんの事でいっぱいになって盛り上がっていた。
サキが帰るとヒロさんから電話がきた。
「もしもし?サキちゃん帰ったの?」
私はメールでサキが来ていた事をヒロさんに伝えていた。
「うん。明日も仕事だしね。ヒロさんとデートした事も話したよ(笑)」
「マジ?恥ずかしいなぁ。だけど、また会いたいね。」
ヒロさんの言葉に私のスイッチが入った。
「ヒロさん。今から会いたい。」
「え?もう夜遅いよ(笑)明日も仕事でしょ?」
「会いたいな…。」
「あはは(笑)本気で言ってるの?もう本当に遅いから、今度にしようよ。」
あ…会わない雰囲気だ。
私は何故か腹が立ってきた。
この時は寒い季節で、こたつを出していた。
「えりちゃん眠たい?」
「うん。少し。だけど帰って欲しくない。」
「あはは(笑)でも、俺仕事朝が早いよ。」
「私は大丈夫だけど、ヒロさん大丈夫?」
「俺は大丈夫だよ。早いの慣れてるから。」
さて…泊まる事が決まった。
いい感じだ。
このままキスしてこないかな~♪
でも…そんなムードでもない。
とりあえず、寝る場所を決めるか。
そうこう考えていると、ヒロさんがこたつに横になった。
「俺、こたつに寝るから、気にしないで♪」
え…?
別々に寝る?
私のレパートリーにそれはなかった。
あり得ない。
同じ部屋で別々に寝るなんて経験…私には御座いません。
だけど自分から誘えない。
いくら肉食女だとしても…23才にして、付き合う前の男をベッドへ誘えなかった。
まだ…清楚な女の子を演じたい。
なんだか泣きそうになってくる。
その時、ヒロさんが私を引き寄せた。
私もヒロさんに腕をまわした。
優しくキスされる。
もう限界。
覚えてないけど、次は私からキスしたらしい。
ヒロさんに触れられる度に、私は反応してしまう。
「えりちゃん…すげー濡れてる。こんなにエッチなんだ…」
憧れの人に触られるのって、こんなに気持ちいいんだ…。凄く感じてしまう。
私は喘ぎ声しか出せなかった。
次は私がヒロさんに気持ちよくなってもらいたい。
フェラしようとすると、ヒロさんが驚く。
「えりちゃん…してくれるの?」
「うん。」
ヒロさんも感じてくれた。
こんなに心も体も気持ちいいエッチは初めてだ。
久しぶりだったのに何度もイッてしまった。
いつの間にか眠ってしまった私達は、裸のまま朝を迎えた。
ヒロさんが帰る支度をする。
「ごめんね。起こした?」
支度に気づいた私にヒロさんが優しく声をかける。
「大丈夫だよ。気をつけて仕事行ってきてね。」
ヒロさんは部屋を後にした。
すぐに電話がくる。
「えりちゃん?二度寝して遅刻しないようにね。」
「うん。ヒロさん…私たち付き合ってるの?」
「いいの?」
「うん。付き合いたい。」
「良かった。好きだよ。」
「私も好き。気をつけてね!ありがとう。」
こうして私たちは付き合った。
幸せすぎる。
嬉しくて一人でにやける。
この時…これから色々な大きな出来事が待ち構えているなんて私には知る由もない。
その日から、ヒロさんは毎日来てくれるようになった。
私の仕事が忙しくて、休みが無いはもちろん、帰りも毎晩遅いので、私が毎日来るようにお願いした。
遠距離恋愛が多かった私が、毎日会いたいと思うのは初めてだった。
いや…今までは、遠距離だから我慢してただけだったのかも。
帰りが遅い私に、ヒロさんはお風呂を用意してくれたり、部屋の掃除までしてくれてる時もあった。
帰ったら、ヒロさんがいて、お風呂も用意できている★
仕事は忙しくて最悪だけど、夢のような生活だった。
そんな毎日が続き、私たちは同棲する事にした。
ただ私の部屋にヒロさんの荷物を持ってきただけの同棲。
あまりの早い同棲にまわりの友達もビックリしていたけど、仕事ですれ違いの多い私たちには同棲するのが一番だった。
初めての同棲の私。
今までは、部屋では一人になりたいって思ってたけど、ヒロさんとはずっと一緒でも平気だった。
ヒロさんは何度も同棲経験アリらしかった。
金曜と土曜の夜はバーにバイトへ行くヒロさん。
早ければ、夜中か2時に帰ってくる…。
その2日間の夜は寂しかった。
しかし、やっぱりバーの仕事をしていれば、女の子とエッチな話をしたり、仲良く〇〇ゲームとか…意味の分からないタッチの多い遊びをしたりする事も多かった。
そんな時は、私は一切、見ないし、嫌な顔もしない。
普通の客を装う。
ここで怒ってしまえば営業妨害だし、バーの店員を好きになってしまったからには、仕方ないと思っていた。さすがに、酔ったのか…酔ったマネなのか分からない女の客が、ゲームのバツゲームは、お互いキスとか言った時は、見ちゃったけど(--;)
その時は、逆にヒロさんが私を一切見ずに、
「そんなキスとかバッにならないでしょー。一気飲みにしようよ。」
って言った。
その夜、ヒロさんが、バーのバイトは辞めると言った。
私に辛い思いをさせたくないし、結婚を考えた時に、一つの仕事を仕事をしっかり頑張りたい。
という理由から。
確かに…バーはあまり儲かってる感じでもないし、収入も不安定。
結婚するなら、収入の安定した会社に勤めるべきだと私も思った。
それよりも、ヒロさんが、結婚を考えてくれてる事が嬉しかった。
私の中で、ヒロさんの存在がどんどん大きくなっていく。
ヒロさんを信じた。信用しきっていた。
絶対に、裏切らないって…勝手に思っていた。
信じてれば、それだけ裏切られた時の衝撃は大きい。
何もかも、私がバカで浅はかだった。
「ちょっと!ひーくん。携帯鳴ってる!うるさいよ!!」
ヒロさんを叩いて起こすが、全く起きない。
もう、着信音が鳴らなくなった。
イライラMAXの私は、ヒロさんの携帯を見る事にした。
人の携帯を見るのは初めてでドキドキしたが、今は見る事が正しい気がした。見るべきだと思った。
すると…ビンゴー。
着信は女の名前。
「かなこ」ばかりが並んでいた。
誰やねん…。かなこって聞いた事ない女。
イライラじゃなく、怒りに変わっていく。
携帯を持つ手が震える。怖いんじゃない。怒りで震えるのだ。
メールも見なければならない状況だと判断。
見る。
見た途端…唖然とした。
ハートだらけのメール。
【ひーくん(ハート)大好きだよ!】
一番ショックなのは、この女もメールで「ひーくん」と呼んでる。
ひーくん。って…私だけの呼び方だった。
大好きだよ!って…普通の知り合いなんかに言わない。
私はキレた。
初めて、彼氏という人に対してキレた。
「おいこら!!起きろ!」
ヒロさんの顔を叩く。
「う~ん。なに?」
寝ぼけたヒロさん。
「なに?じゃねーよ!かなこからの着信がうるせー!!浮気してるでしょ!」
「うん」
また寝るヒロさん。
うん?認めた?
「浮気してたの?」
「うん。うん。」
怒りというより殺意が芽生える。
「おい!起きろやぁ!くそったれぃ!!」
寝ているヒロさんを殴った。
「え?え?なに?」
マジで寝ぼけてるボケ男。
「なにじゃねーよ。浮気してただろ!」
「は?してないよ?」
「じゃあ!さっきから、着信音ガンガン鳴らすかなこって誰よ!!」
「は?かなこ?あぁ。こいつしつこいんだよね。」
「はぁ?メールも見たから!ひーくんって呼んでるし、大好きって言ってるじゃん!」
「なに?俺浮気してねーし、勝手に言ってるだけだよ。他のメールみればわかるから。俺、一切、その女に好きとか言った事ねーし。彼女いるって言ったよ。」
「じゃあ。メール見させてもらうわ。」
「うん。俺、この女から逃げてたから、疲れた。寝る。」
ヒロさんは寝た。
私はかなこって女のメールを順番に見ていく。
そして、ヒロさんの返信をみる。
そこには…私は見た事ない…しつこくて…めげない…どこか恐怖すら感じさせる女がいた。
かなこのメールは全てが一方的だった。
【ひーくん。彼女ができたって…ひどい。】
【どうして電話に出てくれないの?】
【私はこんなに思ってるのに…どうして分かってくれないの?】
【ずっと待ってるからね】
後は忘れたけど、色々ラブメールがきていた。
一方のヒロさんの返信は
【俺、彼女いるから。もう二度と店にも来なくていいよ。】
【しつこい。電話もしてくるな。】
ヒロさんにしては、かなり冷たいメール。
それでも【大好き】とメールする女。
かなりのMなのだろうか?
読んでいて、何となく浮気はしてないなと感じた。
よく事情を聞いてみると、かなこは大人しい性格で、ヒロさんの先輩の友達らしい。
かなこはヒロさんをずっと好きらしく、先輩からも
「こんなに積極的にかなこが好きになるのは珍しいから、付き合ってよ。」
と、頼まれていたらしい。
まぁ…全て、ヒロさんからの説明なので、本当かどうかは知らないけど。
とにかく、ヒロさんは興味なさそうだったので安心した。
逆にあんなにキレてしまった私に引いてないヒロさんにビックリというか…ホッとした。
普通なら、振られてもおかしくないくらい…言葉遣い悪かった。殴ったし。
ヒロさんが打たれ強い人で良かった。
あの出来事から、私はヒロさんに女の名前で電話がこようが、メールがこようが、気にしなくなった。
免疫力がついたのだろうか…。
嫌いになった訳でもないし、前と何も変わらない。
ただ、例え女と遊んだとしても、私のとこに帰って来たら、それでいい。
って考えになってた気がする。
バーで働いてる以上は仕方ないと思う。
それに、もうすぐヒロさんはバーを辞める事になっている。
友達のオーナーにそう話した。
これから昼の仕事に集中して、二人で結婚に向けて頑張ろうと話したりした。
色々あるけど、私はヒロさんが本当に大好きだった。
少しくらい辛い事があっても、ずっと一緒にいたいと思った。
そんな時、嫌な知らせ。
ヒロさんのお婆ちゃんが、危篤。
ガンだった。
回復に向かってるので、近くの病院に転院したと聞いて、今度、私を紹介するとヒロさんは喜んでいた。
結婚気分だった私たちも、一変。
婆ちゃんが転院したのは、回復したからじゃない。
もう、どうする事もできなくなったから。
ヒロさんの両親が、婆ちゃんっ子だったヒロさんに回復したと嘘をついていた。
幸い、この日、婆ちゃんは頑張って乗りきってくれた。
ヒロさんは凄く怒って泣いていた。
「えりちゃん。早く婆ちゃんに逢いに行こう。また危篤ってなったら、二度とえりちゃんを婆ちゃんに紹介できないかも。」
今度の休みに二人で病院へ行く事にした。
これから私の人生は180度変わる。
まだこの時、私は自分にどんな事が待ち受けているかなんて、知るよしもない。
そしてお見舞いの日。
私は緊張していた。
彼氏の家族にちゃんと会うのは初めての経験だった。
「もしかしたら日曜日だし、父ちゃんがいるかも。」
ヒロさんがサラっと言う。
「えっ!だ…よね。日曜日だしね…いたら緊張する(泣)」
「大丈夫だよ(笑)父ちゃん全然、気難しくないから。」
ヒロさんは笑うけど、私はそれどころじゃなかった。
そうこう緊張してる内に病室へ着いた。
扉が開きっぱなしになっていた。
静かに病室へ入る。
ベッドへ横になる婆ちゃんを覗くヒロさん。
「眠ってる。」
「そっか。」
「父ちゃんも来てないみたい。」
「うん。緊張するから良かったかも。」
「別に、緊張する必要ないのに(笑)」
一時、私たちは寝ている婆ちゃんを見ていた。
その時!
ヒロさんソックリな人が入ってきた。
「おぉ。来てたんだ。婆ちゃんの見舞いに来た。あと、えり。」
いきなり紹介されて、戸惑いながら挨拶する私。
「こんにちは。初めまして。えりです。」
「アハハ。初めまして。ヒロの弟です。」
…どう見てもお父さんだった。
「また…何言ってんだよ。」苦笑
ヒロさんがツっコむ。
「わざわざ彼女も来てくれてありがとうねぇ。婆ちゃんもあれから少し落ち着いてるよ。」
「そっか。良かった。」
ヒロさんが婆ちゃんを見つめながら言った。
「今日はな。ケン達も全員で帰ってくるんだ。」
「あぁ。この前言ってたね。今日だったんだ。何年ぶり?10年くらい?」
「うん。だよな。今回は全員一緒に帰ってくるから、大人だけで嫁とか旦那いるし6人だろ…子どもが合わせて7人って言ってたな。」
どんだけ帰ってくるねん…。
ひそかに心でツッコむ私。
ヒロさんから聞けば、ヒロさんのいとこが、兄弟全員で家族連れて帰ってくるらしい。
「今夜は、バーベキューでもしなきゃなあ。…お前たちも一緒に夜ウチにおいで。」
え?
お前たち?私も?
「うん。いいけど。」
ヒロさんが私を見ながら濁った返事をする。
「ん?二人でどっか出かけるのか?」
「いや。そうじゃないけど…えりちゃん大丈夫?」
いきなり私にふるヒロさん。
「えっ?はい!大丈夫です!」
あわてて敬語になる私(泣)
「アハハ。じゃあ夜に、来なさい♪」
笑顔のお父さん。
私は彼氏の実家なんて初めての経験。しかも…久々の親戚まで帰ってくる日に…そんな日に?しかも…お母さんもいるよね?えぇ?!??
頭がパニックの私。
気づいたら、ヒロさんが運転する車に乗っていた。
初めて実家行くのも大事なのに…久々に帰ってくる親戚までいる。何より緊張するのはお母さんに会う事。
私は夜になるのが億劫で仕方なかった。
しかし…嫌でも夜はやってくるのだ。
そしてヒロさんの実家に到着。
もうバーベキューは始まっていた。
沢山の人が座っている(>_<)
「こっちこっちぃー!!」
イトコらしいお姉さんが手招きする。
「おぉ!ヨウコ!久々やなぁ!!」
ヒロさんが懐かしい感じでテンションが上がる。
「えぇ!ヒロちゃんの彼女?!」
「あっどうも。初めまして。」
私はペコペコする。
そして、小柄で痩せた女の人の横に座らされた。
「あ。えりちゃん。隣は俺の母ちゃん。」
ヒロさんが紹介する。
「えぇ!?はっ初めまして!えりです。」
「どうも。ヒロの妹です。」
お父さんと同じ事言ってる(笑)
しかしビックリした。
想像と正反対。
ヒロさんは男4人兄弟。ヒロさんは、少しマッチョで、ガッチリした体つき。
きっとお母さんは大柄で肝っ玉母ちゃんだろうと思っていた。
実際のお母さんは、痩せて、160㎝の私より遥かに小さい。
ビックリしてしまった。
親戚のお姉さん達も私を凄くよくしてくれた。
お母さんは控えめな大人しい人だった。
というより、久々に帰ってきたイトコ達に圧倒されてる感じだった(笑)
ちょっと疲れたけど、なんとかクリアしたような感じだった。
「また、いつでも遊びにおいで。」
お母さんが言ってくれた。
嬉しかった。
この時には、既に私の体には変化が始まっていた。
何も知らない私とヒロさんはのん気に話ながら帰った。
これから、私にとって大変な出来事、沢山の試練が待っていた。
あれから私は何度か実家に招かれた。
ヒロさんの叔父さんや叔母さんにも紹介され、ほぼ近い親戚には挨拶した。
嫁になった気分だった(笑)
婆ちゃんの様態も安定していて、帰ってきていた親戚達も徐々に帰って行った。
そんな時、久々に中学時代から友達のキヨカとトモコから、一緒に飲みに行こうと誘われた。
彼氏が厳しいキヨカが飲みに出かけるのは本当に久しぶりだった。
「久しぶりに飲むから大丈夫かなぁ!?」
キヨカが嬉しそうにお酒を注文する。
もちろん、飲み放題。
色々話すけど、やっぱり行き着くのは、彼氏やH事情(笑)
キヨカも、トモコも、彼氏と付き合って、2年が過ぎていた。
私たちもこの時24才。結婚しても早くは
ない年齢だった。
「キヨカは結婚しないの?」
私が突拍子に聞く。
「したいんだけど、親が反対してるから、出来婚しかないかも。」
キヨカが、ため息まじりに答える。
「マジかよ!順番守ろうよー。」
ギャル系トモコが言うと説得力ない(笑)
「そう言うトモコは?」
「ないない。まだ私、彼氏と遊びたいもーん♪」
私の質問にソッコー答えるトモコ。
…デキ婚かぁ。
「そう言えば、私、生理遅れてるんだった。」
私は自分が生理が来ていない事に気づいた。
「ぷっ(笑)デキたんじゃないの?」
トモコが言う。
「大丈夫。もう腰が痛いし、胸も張ってきてるから。」
私は生理前よくそうなる。
「だけど、分からないよ。妊娠した時も、生理前と似たような感じになるみたいだから。」
産婦人科で勤めるキヨカが言う。
「そうなの?じゃあマジ生理こなかったら、調べなきゃ。」
私はペシェウーロンを一気飲みした。
ひーくんにも言わなきゃな。
実はこの時、私とヒロさんの同棲を知った私の両親が、一度、挨拶に来なさいと言っていた。
こんな時に妊娠なんてしてたら…大変だ。
挨拶どころの話じゃなくなる。
まぁでも、このまま待てば生理はくるだろう。
もう10年以上、毎月きてるんだから(-_-)
問題は、両親への挨拶だな。
初めて彼氏を親に紹介する。
今まで挨拶に来なさいなんて言われた事なかったのに。
こりゃ…ヒロさんの親戚にもほぼ会ったし、結婚の流れか(゜ロ゜)?
何だか、誰かにから繰られてるかの様な感じだった。
実家に挨拶へ行く日程も決まった。
父には、「一応、結婚前提で付き合ってますって事で挨拶くるから。」と伝えた。
しかし、母は何かしらを感じているのか…デキ婚でもいいとか、孫が早く見たいとか、電話する度に言ってくる。(-_-;)
「お母さん、まだひーくんの婆ちゃんも大変だし、結婚するのは来年だと思うよ?」
私はいつもそう言っていた。
確かに、私もヒロさんの赤ちゃんが欲しい。
ヒロさんも私との子供を望んでいたし、夢を語る感じで、妄想したりしていた。
きっと、ほとんどの恋人達は自分たちの将来を語ると思う。
そこには、子供の話しも出るだろうし、想像して、まだ見ぬ未来に幸せを感じる。
だけど、もし、それがいきなり現実になったら…夢のように結婚や子供の話をしていた恋人達はみんなどんな心境になるんだろう。
もちろん、喜んで、即、結婚?
実際、道徳には反するのかもしれないけど…違う道を選ぶ?
待てど暮らせど私に生理がこない。
挨拶の日程も近づいている。
少しずつ私は覚悟を決めていた。
「ひーくん。やっぱり生理こない。検査薬買ったんだけど、調べようかな。」
たまたま二人で休日だった為、私たちは部屋でまったりしていた。
「うん。もし出来てたら、今度の挨拶で伝えなきゃいけないし。」
ヒロさんは、出来てると思っているらしかった。
私は何度か検査した事はある。
ササッと検査薬にオシッコをかけて、しばし待つ。
だいたい1分も経たないうちに結果は出る。
2つ並んだ小窓。右側にだけ線が出て、陰性って事で、検査終了!
だったよね(-.-)?
…あれ?
オシッコをかけた途端に、サーっと素早く、両方の小窓に線が出た。
陰性って2本線だったっけ?
私は何度も説明を見る。
私の記憶は正しかった。
これは明らかに陽性だった…。
この私が妊娠?
私が…妊娠?
頭の中はポカーンとしていた。
「ひーくん。出来てた。」
「マジ!?」
ヒロさんが私に駆け寄り、抱きしめる。
「えりちゃん。結婚する!?結婚だ!!」
ヒロさんは喜んでくれた。
「う…うん…。」
私は上の空で返事をした。
「え?なに?その返事。」
ヒロさんが不安そうに聞いてくる。
「ひーくん。私、妊娠するの初めてだし…結婚も…まさか私が結婚するなんて…信じられない。混乱してる。」
「産みたくないの?」
「とりあえず、産婦人科行かなきゃ。産むよ。ただ、今はビックリしてる。」
覚悟してたはずなのに…混乱した。
まだ信じられなかった。
私はもう一度検査した。
間違いなかった。
だけど、嬉しい気持ちが確かにある。
そして、私たちは、あの時に出来た子供だと分かった。
あの時…。
ヒロさんと私は子供が欲しいと話して、そのままエッチをした。
ヒロさんの全てが欲しかった。
全てを受け入れたくて、なんだか、いつもより濃厚なエッチだった。
避妊は一切しなかった。
そしてエッチが終わると、私は嬉しくて泣いた。
自分でも分からなかったけど、何故か、
ヒロさんに「ありがとう。」って言って、涙が止まらなかった。
きっと、あの時、赤ちゃんが出来たんだ。
後日、病院で妊娠を確認した。
エコー写真に丸い小さな粒が写っている。
私の可愛い赤ちゃんの卵だ(*^^*)
先生が質問する。
「妊娠してますね。結婚はしてますか?」
「いいえ。」
「結婚の予定はあるのかな?」
「はい。その予定です。」
「じゃあ、出産はしますか?」
「はい。産みます。」
何が何でも、産みたい!
私が望んだ赤ちゃん。私にも赤ちゃんがお腹にきてくれたのだ。
幸せだった。
私はそのまま、ヒロさんの仕事の現場へ行き、昼休みを待ってエコー写真を見せた。
「ちっちゃ!なにこれ??」
ヒロさんは期待はずれみたいな顔だった。
どうして?私はこの粒チャンが可愛いくて嬉しいのに( ̄^ ̄)
やはり、男と女じゃ感じ方が違うのかなぁ?
とりあえず、ヒロさんも妊娠を喜んだ。
ただ…、この時、ヒロさんは、自分に子供が出来たのだと実感した様子だった。
二人とも、子供が出来た事を実感し、先を考え始めた。
これから、私とヒロさんの壮絶な日々が始まる。
私はこの時期を本当は思い出したくないし、今思い出しても、辛い。
母に電話した。
「もしもし。お母さん?あのね。言わなきゃいけない事がある。」
「なに?どうしたの?」
「あのね…。妊娠した。」
「やっぱりね。同棲したって聞いてから、そうなると思ってた。身体、大事にしなさいよ。」
意外な言葉だった。
妊娠を予感してた事じゃない。
母は、結婚もしていないのに妊娠してしまった娘に、怒らず、身体を気遣った。
なんなんだろう…。うちは、周りの家庭と比べると、少し、世間体を気にする家庭だった。
幼い頃から、厳しくて、嫌だった。
同棲も本当は黙っていたけど、話してるうちにバレた感じだった。
実際、この時も父には同棲してるのは話していない。
そんな家庭の娘が未婚で妊娠なんて絶対許されないはず…お母さん、そんなに孫欲しかったのかな?
まぁ…母はともかく、父は怒り狂うだろう。
ヒロさんは絶対殴られる。
私も父には悪い事や反抗するものなら、叩かれる事も多かったし、蹴られたりもした。(虐待とは違って、手加減してるのは痛いけど分かってました)
父には、挨拶の時に伝える事にした。
母が、そうしなきゃ絶対ダメだと言った。
そして、会社にも報告した。
みんなビックリしていた。
私に期待していた専務はガッカリしていた。
この専務は、女なのだが、私からすれば、悪魔のような女だ。
妊娠した私に堕ろせと言ってきた。
ヒロさんの事も、会った事もないのに、「バーで働いてたような男は…」とバカにした。
特に腹がたったのは、「結婚って、家系と家系の繋がりになるのよ。あなたの家系に、彼の血が混ざるのよ。そんな子供が生まれるのよ?あなたのご両親がそれを許すかしら。」
おい。お前、どんだけ人を馬鹿にして生きとんじゃ。
ヒロさんはそんな馬鹿にされるような家系じゃねーよ。
私は、この女には呆れた。
「専務。私の彼はそこまで言われるような人じゃありません。実家の両親もしっかりした方達です。もう産むと決めたんです。何も口出ししないで下さい。」
悪魔はキッパリと言った事のない私が言い返したのにビックリした様子だった。
他にも色々、悪魔には言われたが、省略します。
とにかく…私は話し飛びますが、つわりが酷かった。
つわりは…正直、妊娠と出産を合わせても、一番辛かった。
そんな私をヒロさんは、支えてくれた。
つわりの酷い女と一緒に暮らす人も凄く大変だと思う。
とにかく食べれない。食べても、吐きまくる。
出かける事もままならない。
出かけようとすれば、吐く。精神的にも参ってくる。泣きながら吐く。
ヒロさんの両親から食事に誘われても、行けない。両親にはまだ伝えていなかった。
っと言うより、ヒロさんが言えないでいた。
なかなかヒロさんは両親に話そうとしなかった。
「早く、お父さん達に話してよ。」
イライラしながら私は言った。
「あのさ。俺も、正直悩んでるわけ。一度、失敗して親には迷惑かけてるからさ…。」
そう。ヒロさんはバツイチだった。
前妻ともできちゃった婚だった。
子供も誕生したが、その3ヶ月後に離婚。たった11ヶ月の結婚だった。
それは付き合う前から知っていた。
ただ、離婚はヒロさんが望むものではなかった。
子供好きなヒロさん。
我が子と離れるのはどれだけ辛かっただろか…ヒロさんは、結婚が恐いと言った。
ヒロさんの気持ちも分からなくもない。
ただ…もう私のお腹にはヒロさんの赤ちゃんがいる。
「ひーくん。悩むのはいいよ。気持ちは分かるから。でもね。私はもう産むよ。産まなきゃいけない。」
「あのさ…。まだそんなに早く、決断しなくても、いいんじゃないかな。」
え…?この人何言ってんの?
殴ってやりたい。
「堕ろせって言いたいの?」
「違うよ!ただ…産まなきゃならないって…落ち着いて考えようよ。俺たち貯金もないんだよ?」
「私は、妊娠が分かってから、色々考えました。どうしても堕胎は無理。一生後悔する。会社にも、産休手当と育児手当の話しもしたし、最悪、ひーくんが私と赤ちゃんを見捨てても、私は赤ちゃんと生きていきたいって…。」
涙が溢れてきた。
私は、色々強くならなきゃいけなかった。
結婚しないで妊娠した自分は一人で母親になる覚悟も必要だと思っていた。
ただ…それを口に出して言うと、一人で母親なんて凄い覚悟なんだと急に現実になったような気がして、涙が止まらなかった。
「一人で育てるなんて無理だよ!そんな事、俺がさせない!」
「ひーくん。私は強くなる。もう、産むのは決まったの。エコー見たら、どんどん成長してるんだよ。可愛い。つわり辛いけど、頑張れるんだよ。」
後の生活を考えれば、産まない方が正しい場合もあるのかもしれない。
だけど、私にはそんな考えが全くなかった。
それから数日、ヒロさんは悩んでる様子だった。
そんな中、つわりの私をフォローする。
つわりで頭のイカれた私はヒロさんに当たる。
「いいよね。ひーくんは!こんな辛い事もないし、逃げようと思えば、簡単に逃げれるんだから!」
最低だ…。
「逃げねーよ!お前バカか!」
「じゃあ、いつまでも悩まずに、どうするのか決めれば?まさか、自分の親に伝えないまま、私の親に挨拶するつもり?!そんなの絶対ダメだからね!」
「言うよ!うるせーな」
私たちは喧嘩ばかりの日々が続いた。
私の両親への挨拶まで、後15日となったとき。
ヒロさんの婆ちゃんが、亡くなった。
私は一人でお通夜に行った。
ヒロさんの両親は妊娠を知らない。
私が来た事に、ビックリしていた。
爺ちゃんはわざわざ私のところまで歩み寄り、「来てくれてありがとう。」と頭を下げてくれた。
お母さんが、何か食べて帰りなさいと、控え室まで、案内してくれた。
ヒロさんもきた。
「えりちゃん。親族席に座らせられなくて、ごめん。」
小さな声でヒロさんが言った。
「どうかな…お葬式だもん。入籍してないんだから。当たり前だよ(^^;)」
私はそう言って、軽く食べてから、帰った。
葬儀は仕事だった為、出席できなかった。
父から、「ヒロ君のお婆さんが、亡くなったばかりなのだから、挨拶は先にしなさい。」との事。
私はヒロさんと相談したが、父は妊娠を知らない。
早く伝えなければならない。
「お父さん。やっぱり、挨拶は予定通り行くよ。」と返事をした。
ヒロさんは、葬儀の時に婆ちゃんに自分の子供が出来た事を伝えれなかったのを後悔したらしい。
離婚して落ち込むヒロさんを沢山の人が心配したが、婆ちゃんはずっと気にしてくれていたという。
「俺は二度と、子供を失いたくない。離婚は二度としたくない。もう、あんな思いをするのは恐いんだ。」
ヒロさんは涙目でそう言った。
「同じできちゃった婚だから、前回とかぶって恐いのかもしれないけど、私は離婚しない。どんなに嫌な事があっても、離婚は選ばないよ。」
私はそう言ってヒロさんを抱きしめた。
万が一、ヒロさんが浮気しても、ヒロさんが家に帰って来たらいい。
あとは、暴力意外は何が何でも我慢しようと決めた。
ヒロさんの両親にも妊娠を伝えた。
色々事情もあるだろうから、ヒロさん一人で報告に行かせた。
結果は、出来る事なら、産んで欲しいという事だった。
良かった。
あとは、うちの両親…いや…父だ。
しかし、私は、ヒロさんが結婚を決意してくれた事でホッとしていた。
正直、一人で出産なんて不安で仕方なかった。
だからと言って、子供を諦める事もできない私。
結婚を決意してから、私とヒロさんの喧嘩はなくなった。
ヒロさんも、両親に話せた事で、内心、ホッとしたのだと思う。
ようやく二人で微笑みながら赤ちゃんのエコー写真を見るようになり、早いけど、ベビー用品を見に行ったりもした。
そして…挨拶の日がきた。
実家に着く。庭木が綺麗に剪定されていた。
なんじゃこりゃ…。門の外壁まで綺麗にしてある…。
インターホンを押す。
母が出迎えてくれた。
父の姿がない。
父は台所で、魚を捌いていた。
「お父さん。ヒロさんだよ(*^^*)」
私が明るく紹介する。
「おぅ。どうも。」
無表情の父。
違う。明らかに違う!
いつもの父なら、ニコニコして、何かしら優しく声をかける。
まぁ…。こんなのは想定内。
しかし、ヒロさんは違った。
父は少し、強面な為、無表情だと明らかに怒った顔になる。
父、本人もそれを気にしているため、人前ではできるだけ笑顔を心がけている。
ヒロさんは緊張しすぎて、挨拶する声が震えていた(笑)
私たちは客間に案内された。
畳が新しくなっていた(゜ロ゜;
ヒロさんがスーツで正座する。
顔がひきつったままのヒロさん…ウケる。
ヒロさんは殴られる覚悟をしていたらしい。
「ひーくん。大丈夫。落ち着いて、見た目ほど恐い人じゃないから。」
私が話しかけるが…あまり反応しない。
そして父が客間に入ってきた。
「ごめん。待たせたねぇ。」
魚を捌き終えた父は少し笑顔で座った。
「いえ。あ…あの、神田ヒロです。」
ヒロさんがやっと発した言葉。
隣りの私も緊張しながらも、もっとしっかりした挨拶しろよ…と心の中でつぶやく。
「あぁ。えりの父です。いつもお世話になってるみたいで(笑)」
おっと…友好的(^_^;)
「あ…いえ…こちらの方がお世話になってます…」
汗だくのヒロさん。
私は思わずハンカチをヒロさんに渡した。
「ははは(笑)そんな緊張しないで、足を崩して下さい。まぁ、ビールでも飲みましょうや。」
父が母にビールを持ってくるよう呼んだ。
ビールを持ち入ってきた母はビールを置こうとしない。
「ねぇ。ちゃんと話したの?」
おっと…?
私は首を小さく振った。
「話してないなら、ビールは渡せません。」
そう言って、母はビールを持って台所へ行ってしまった。
そりゃそうか…。
父は微妙な表情をしている。気づいてるか…?
もしかしたら、聞きたくないから、ビールを早めにお願いしたのかもしれない。
沈黙になる…。
父の顔が何かを言われる覚悟をしたような表情になった。
汗だくヒロさんが口を開く。
「あの…実は、えりさんのお腹に子供ができました。」
い…いきなりかよっ( ̄▽ ̄;)
「あ…?」
父はポカーンとしている。
そして下を向いて黙りこむ。
「そっか…。そう…か。それなら仕方ない。反対も何もできないじゃないか。」
そう言って父は私を見て笑顔をみせた。
その笑顔は父にとって精一杯の笑顔だったのを私は後から知る。
「それで…今、何ヵ月なんだ?」
「3ヶ月です。」
私が答えた。
「そうか…。ヒロくん。えりを宜しくお願いします。」
「はい!大切にします!」
「そうだな。あまり出来のいい娘ではないが(笑)大切にしてもらわなきゃ困る(笑)」
父はそう言って笑った。
ヒロさんは汗だくで苦笑いだった。
ご馳走が並んだが、ヒロさんは緊張で食べれなかった。
食べるの大好きなヒロさんが食べないのは初めてだった。
色んな話しをしたが、覚えてない。
ただ、殴られずに済んで良かった。
これで私とヒロさんは結婚できる☆
そう喜ぶのも束の間。
結婚するのがここまで大変とは思わなかった。
こうして、私達は結婚に向けて準備を進めた。
両家の初顔合わせの日程、場所。
初顔合わせで、結納や結婚式をどうするかなどを話し合うのだろう。
妊娠中の私は、普通に仕事もしていた為、身体はだるいし…忙しいしやらで…何もかもが面倒だった。
しかし、更なる面倒な事になる。
初顔合わせ。
緊張した。
「この度はうちのバカ息子が大事な娘さんに、大変な事をしでかしまして…申し訳ありませんでした。」
ヒロさんのお父さんの第一声。
うちの両親は笑いながら、
「素敵な息子さんじゃないですか。」
こんな感じで、なんとか円満に話がはずんだ。
しかし…。
この初顔合わせから…静かな争いというか…両家の違いが露になり…私もヒロさんも悩む事になる…。
この初顔合わせで、結納、結婚式という言葉はヒロさんの両親からは一切でなかった。
そろそろ終わりになった時、痺れを切らした私の父が結婚式の話を持ちかけた。
ヒロさんの両親は何も考えてなかった様子で、一応、私たちに任せるとだけ答えた。
さすがに父も結納までは話さなかった。
しかし、後日、母経由で父が結納の話をしないのに腹を立てていたのを聞かされた。
「犬や猫をあげるわけじゃないんだから!しかも、バツイチなんだし、しっかり結納から結婚式までしてもらわなきゃゆるさないよ!!ひーくんにも言ってて!」
母もキレていた。
初顔合わせが終わってから、私とヒロさんはヒロさんの実家へ行った。
一方のヒロさん両親は
「2回目の結婚だし、あまり派手にしたくないのよね…。ヒロがバツイチって知ってるの?」
とお義母さん。
え…そっから?そんな感じで初顔合わせ来ちゃってたんだ(-_-;)
少しガックリきてしまった。
しかし、お義母さんも義父さんも、「一番はえりちゃんだから、好きなようにしなさい」と言ってくれた。
更に、お義母さんが、
「えりちゃん、ヒロから婚約指輪もらったの?!」
「いいえ…お金もないし…結婚指輪だけでいいので、私がいらないって言いました(笑)」
初顔合わせで緊張しまくって酔って寝てしまったヒロさんの横で私は小さな声で言った。
「まぁ!ヒロは貯金もないものねー!それなら婚約指輪は私が買ってあげるから!一緒に買いに行きましょうね\(^o^)/」
「えぇ!?そんな…いいです!!」
「いいのよ(笑)ヒロには秘密よ(*^^*)」
お義母さんは笑顔つてカレンダーを持ってきた。
日程を決めて、私はお義母さんと二人で指輪を買いに行った。
ダイヤの指輪をもらった。
凄く嬉しかった。
ヒロさんに貰うより嬉しかった。
問題はうちの両親。
結納と結婚式の日取りを急かしてくる。
式場も決まった。
そこで、ヒロさんと話し合った。
「えりちゃん…前の話なんてしたくないんだけど…俺、前に式を挙げた時は人前結婚式って言って、ただ披露宴の前に高砂で指輪交換しただけのやつだったんだ。正直、式代も祝儀で払えたくらい安かったんだけど…えりちゃんどうしたい?」
何をこいつは言いたいのだ?
とにかく金を安く済ませたいって事か?
「そうなんだ。で?人前結婚式ってどうだった?良かったの?」
「いや…あまり。何か…簡単に終わった感じだった。だから、神前かチャペルがいいけど…チャペル…倍以上だよ。」
目の前にある金額表を指差しながらヒロさんが言う。確かに、神前と比べてチャペルは桁が違った。
「うん…。ひーくん、私ねチャペルが夢だったの。チャペルがいいな。」
「えりちゃん…。えりちゃんの気持ちは分かるけど、オーバーしたら親が出すからさぁ…。」
私はムッとした。
「だってチャペルがいいんだもん。」
それを見かねた担当の方が、
「あの…。よく皆さんお金の事で揉めるんですよ。ご両親が出して下さるのであれば、式の大まかなプランは両家で話し合いの場を設けましょう。もちろん、こちらでお食事を用意させて頂きますので。」
ナイスだね。担当者。ヒロさんと話してても喧嘩になりそう。
前の式の話しは気になるけど、こっちは前のより豪勢にしたいのが本音なんだよ!
私たちは、両家で話し合いをする事にした。
この年は、サッカーのワールドカップが盛り上がっていた。
管理人室に入ると、おじさんがTV観戦していた。
「どうぞどうぞー。今、いいとこだよ!」
おじさんがTVを指差しながら私たちに笑いかける。
あの…私たち入籍しに来たんだけども?
「マジっすねー!」
ヒロさんまで腕組みしながら観戦しだす。
おいおい…入籍するんだよね?
「あの…婚姻届…まだ未記入のトコあるんで、教えてもらえませんか?」
私がおじさんを促す。
「あぁ…そうだねぇ…えっと…多分、
ここは…」
自信なさげに説明するおっさん。
なんとか婚姻届完成。
提出。
「はい。多分これで大丈夫だから!一応今日受付にしときますから、もしダメだったら明日連絡くると思うから!」
「はい。」
「じゃあ。お疲れさーん。」
「はい。ありがとうございました。」
こんなもんか。入籍って。
管理人室を出た私たちは笑っていた。
「凄い適当な雰囲気の入籍だったね。」
私がヒロさんに言う。
「役所の友達が拍手してやるから、昼間に入籍来いっていってたんだけど、今日じゃないとダメだったんだろ?」
「うん。」
私は大安吉日に入籍したかった。
そして車に乗る私たち。
入籍した私とヒロさんは夫婦になったのだ。
この私が結婚した。
車にゆられながら、私は昨夜の事を思い出していた。
昨夜…私は入籍前に実家に泊まった。
特別な事はなにもせず、ただ普通に寝転びながらTVを見ていた。
するとメールが…
登録されていないアドレスから…
だけど分かる。
アドレスの中に私の名前を表すeの文字と今は何も意味のなくなった記念日が入っていたから。
まだ…このアドレスだったんだ。
私はアドレスを見ただけで涙が出てきた。
どうして…明日私はヒロさをんと入籍するのに…今さらこの人はメールしてくるの…?
何とも言えないタイミングで…遅すぎるメールだった。
ドキドキしながらメールをひらく。
【えり、元気?久しぶりだね。】
短いメール。
メールから懐かしさが溢れてくる。
一年振りのトシからの連絡だった。
涙ぐんでる私に母が気づく。
「どうしたの?ひーくんから?」
「ううん。元カレから。」
トシの話は母も知ってる。母は眉間にシワを寄せた。
「なによ今さら。シカトしなさい!それか、ガツンと結婚しますって言ってやんなさいよ!」
母は怒っていた。
私は微妙な気分。
トシに結婚の事を言いたくない気持ちがあった。
もしかしたら…私が結婚する事で、トシは傷付くかもしれない。
一年…大人になってから短いって思ってた。
一年って長いんだ。
私は一年の間にヒロさんと出会い。妊娠して。結婚した。
ヒロさんの顔が頭に浮かぶ。
今、私が一番傷つけたくないのはヒロさん。
私は返事する事にした。
【元気だよ。久しぶりだったね!ビックリした。】
何故メールしたのか様子をみる為、普通に返事する。
すると、すぐに返事がきた。
しかし、メールを終えた私の目からは涙が流れていた。
今までで、一番長く付き合った人だったから思い出が多い。
お互い結婚しようって話していたし、この人しかいないって思ってた。
だけど…私が別の人と結婚するってメールが最後になったのだ。
何だか虚しかった。
泣いてる私に母は
「実家にいる時にメールきて良かったじゃない。ひーくんと一緒だったら喧嘩なってたかもよ?ひーくんには言わないのよ。」
確かに…良かった。
そして翌日、ヒロさんと入籍。
帰りの車で思い出す。
ヒロさんに黙っとかなきゃ…だけど…夫婦なのに隠し事は嫌だな…。
この時、私は母からの助言を忘れて昨日の出来事を言いたい衝動にかられた。
バカな私は口を開く。
入籍直後に…。
「ひーくん…。あのね。」
幸せそうなヒロさんが運転しながら私の顔をチラミする。
「昨日、元彼からメールきた。」
一瞬、空気が止まる。
そしてヒロさんのため息。
「で…?本当は俺と入籍したくなかったの?」
「違うよ!」
「じゃあ。何で、今その話しするんだよ。今、俺達入籍したばかりだろ!何で元彼の話しするんだよ!」
「ごめん…。黙ってたくなくて…。」
「いきなり後悔させるんじゃねーよ!」
ヒロさんはキレていた。
確かに…いくら何でも今は言うべきじゃなかった。
私はすぐに後悔した。
黙ったまま部屋に着く。
会話は寝るまで一切なかった。
毎日、ラブラブで眠るのに…この日は離れて眠った。
こんなはずじゃなかったのに…私は泣きながら眠りについた。
翌日、ヒロさんが元彼からどんなメールがきたのか聞いてきた。
私は簡単に説明した。
「お前、返事したのかよ。」
「なんだ。そいつ。」
ヒロさんは機嫌悪く聞いていた。
「で?俺とはどうしたいの?離婚?」
入籍した翌日に離婚話をする新婚が日本にどのくらいいるだろうか。
私はため息が出た。
「離婚なんてバカな事言わないで。私はヒロさんと別れる気なんてないよ!」
「あっそ。お前が別れたいなら、俺はいつでもいいから。」
いつものヒロさんじゃない。
だけど…これが本当のヒロさんなのかも。
別れる事を一番恐れてるのはヒロさん。
怖いから…自分から離婚って言葉を発して異常に怒る。
だから私は絶対に別れないって言い返して、ヒロさんの不安をなくすようにする。
しばらくすると、ヒロさんが普通に話し始める。
「えりちゃん。結婚指輪買いにいかなきゃね。」
「うん!」
結婚指輪は少し奮発しようと二人で決めていた。
奮発と言っても、恥ずかしながら、お
金がないので二人で20万以内で…。
デパートへ向かい、4℃の指輪にした。
「こんな指輪買ったら絶対に離婚なんてできないよね。」
ヒロさんが言った。
「そうだね。何があっても指輪無駄にしちゃダメだよ!(笑)」
私は幸せだった。
ヒロさんと今夜も寝ようかとしてる時だった。
ヒロさんの携帯に何度も非通知で着信が鳴る。
「誰だろ?また、呑んでる奴らの仕業かな…」
ヒロさんは非通知なんて慣れてる様子で、今日は疲れてるからとシカトしていた。
だけど私はそんな気がしない…何か胸騒ぎがした。
「ねぇ…ひーくん…何か気持ち悪いから、また鳴ったら出てみてよ…」
「今日は呑みたくないんだよねー(;´д`)分かった。また鳴ったらね。」
すぐに鳴った。
ヒロさんが出る。
「もしもし?ん…?誰だっけ?あぁ!久しぶり。元気だった?」
女からだ…。ヒロさんの声のトーンで分かる。
私は黙って聞いていた。
「そうそう。今度、結婚するんだよね。誰から聞いたの?」
ヒロさんは普通に話している。
だけど、何となく…私の胸騒ぎが激しくなる。
電話の相手は普通の女じゃない気がした。
私の手は既に震えていた。
ヒロさんの顔が歪む。
私から離れ、玄関先に行き座ってタバコを吸いだした。
ヒロさんは難しい話しや、イラつく話しの時は決まってタバコを吸いながら話すのが癖だ。
「だからなんだよ?今さら。」
ヒロさんの口調がキツい。
「今さらだろ?今まで一切何もしてこなかったのはどっはちだよ!」
キレてる。
私は確信した…。電話の相手は前の奥さんだ。
胸騒ぎはこれだ。
私たちは結婚式の招待状を発送したばかりだった。
きっと、共通の知り合いが教えたのだろう。ヒロさんの番号も一緒に。
私はベッドに入り、耳をすまして聞いていた。
ヒロさんの言葉で、どんな会話か分かる。
「お前なぁ。俺が、どんなに連絡しても全て拒否したのはどっちだ?今さら、そんな言われても何もならないぞ。遅いんだよ。」
「はぁ?お前だって彼氏いるだろ。一緒だよ。何が違うんだよ。」
「忘れてないよ。思ってたよ!忘れるわけないだろ!あほか!!」
もう…聞きたくないかも…。
私は涙が溢れていた。
忘れてない…。ヒロさんの言葉。
きっと、子供の事だろう。
そりゃ忘れるわけないよ。自分の子供だもん。
ズルい…。
子供の話しを出すなんて…。
私は、まだ少ししか膨らんでいないお腹を触った。
まだ妊娠5ヶ月のお腹。もし…生まれる事ができなかったら…産む事ができなかったら…ヒロさんは私を選んでくれるのだろうか…。
誰よりも私を愛してくれるのだろうか。
私はまだ自信がない。ヒロさんに愛されてる自信がないんだ…。泣けてくる。
結婚したのに…情けない。
すると、ヒロさんが携帯をふさぎながら私に話しかけてきた。
「えりちゃん。ごめん。ちょっと外で話してくるよ。」
私は泣いていた。
「嫌だ。横で話して…何処にも行かないで…。」
小さな声で私は言った。
「大丈夫だから。すぐそこの外に出るだけだから。」
ヒロさんが取られる気がした。
聞きたくないけど、ヒロさんに出てほしくなかった。
だけど、気を使ったのだろう。
ヒロさんは携帯を片手に出ていった。
部屋に一人の私。
ヒロさんは何を話すのだろう。
子供と会う事になるのだろうか?
ヒロさんがバツイチなのも、子供がいた事も分かった上で好きになって…覚悟もできてたはずなのに。
私は電話がきただけで…こんなに震えて泣いてる。
しかも…子供に会ってほしくない。って思ってる…最低。
子供には何も罪はない。物心つく前に別れた父親でも…血の繋がった父親。
会う権利はあるし、会うべきなのかもしれない。
だけど、今の私は…それさえ嫌だと思う…。止める権利なんて微塵もないのに。
何も、覚悟できてないじゃん。
バカだ。ヒロさんの全てを受け入れて、何でも平気な気持ちでいたのに。
もし、ヒロさんが子供と定期的に会う事になったりしたら…どうなるんだろう?
私の子も一緒に会うの?それとも…別?
色々考えてしまう。
すると、ヒロさんが戻ってきた。
意外と早かった。
15分くらい。
ヒロさんは泣き顔の私を笑顔で抱き締めた。
「何で泣いてるんだよ?」
ヒロさんが私の涙を拭きながら聞いてくる。
「ひーくんが取られる…。」
言葉がつまってしまった。
「取られるって何だよ(笑)嫌な気分にさせたね。ごめん。」
ヒロさんはそう言って、また抱き締めてくれた。
私もヒロさんに腕をまわす。
きつく抱き締める。
「うっ…。えりちゃん…。」
「なに…?」
「きついよ…。力強すぎて…苦しいんだけど…。」
私は無意識に最強の力でヒロさんに抱きついていた。
誰にもヒロさんを取られたくなかった。
前の奥さんにも。そして、その子供にも。
私は間違った人間かもしれない。
だけど、そう思うのだ。
ただ…。そう思っても、子供に会わないでなんて言ってはいけない。
それはただの私の我が儘で、未熟者の考えなのは分かってるから。
私はヒロさんに聞いた。
「電話…前の奥さんからだった?」
ヒロさんが私を抱き締めながら答える。
「うん。ビックリしたよ。誰かが結婚の事話したみたい。わざわざ。ありがたい話だよ。面倒くさい。面白がってんのかもな。
」
なんとなく…ヒロさんは話した犯人がわかってる様子だった。
私も分かった。
だけど、そんなのどうでもいい。
要は、どんな話になったのか。
気になる。
更に私は聞く。
「何て言われたの?」
怖い…。聞くのが怖いけど…聞かないのも嫌だった。
「他の女と結婚するのがムカついたらしい。彼女がいるのはいいけど、結婚は許せないらしい。もぅ何年振りに話したのに…勝手だよな。自分から離婚しといて。」
あまり離婚した状況を知らない私は、何かヒロさんの悲しい過去を垣間見た気がした。
ヒロさんは、苦労した話しや、悲しい話しをしない。いつもふざけた感じで、楽しませるタイプだ。
「…で?結婚許せないから、何て?」
「分からない。ただ…俺が何しようが勝手だと思ったけど、子供の事を思うと、腹が立ってきたから電話したらしい。だから、子供に会えってさ。」
やっぱり…。
私の不安は的中した。
「会うの?」
ヒロさんは首を横に振った。
「酷いかもしれないけど…生まれた時から会わせてもらってないんだ。だから、俺は子供はいなかった事にした。じゃなきゃ…やってけなかった。辛すぎて。」
ヒロさんが初めて離婚についてゆっくりと話し始めた。
「普通に仕事から帰ってきたら、子供と嫁の荷物が全部なくなってた。意味分からなくて…連絡するけど一切出ない。嫁が夜働いてる店にも行ったけど会うのは拒否。俺狂ったよ。」
私は静かに聞く。
「そしたら、嫁から連絡きて…離婚届だしたからって。…確かに、終わってたんだよね…もう離婚届もお互い記入してた。ただ…子供だけは会いたくてさ…毎月、実家に服とかプレゼントを送った。うちの母ちゃん達も送ってた。だけどさ…また嫁から連絡きて…プレゼント送っても、捨ててるからね。って言われてさ。」
ヒロさんが黙りこむ。
私は涙が溢れてきて、泣きそうなのを我慢した。
「ひどいね…。」
私は涙をこらえながら言った。
「俺が嫌いで仕方なかったんだろうね。嫁の父親からも嫌われてたし…。そしたら、知り合いから、嫁に彼氏がいる事を知らされてさ。俺、確かめたりしてさ…そしたら本当に男と住んでた。だから…全部なかった事にして…県外でて…子供にも会いたいって思わなくなった。今さら会わされても、どう会えばいいのかも分からないし…。」
ヒロさんはため息をつく。
「断ったの?」
「うん…。もう俺には嫁さんもいるし、お腹には子供もいて、生まれるから、子供とは会えないし、会いたくないって言った。
」
会いたくない…は言い過ぎなんじゃないかな…。っと私は思ったが…どこかホッとした自分がいた。
「それで、前の奥さん納得したの?」
「いや?分からないけど…あんた達の子供、ダメになればいいのにって言われた。そんな女だよ。」
ビックリした…。そこまで憎まれるんだ…。
私たちの子供の事はどうこう言われたくない。
それこそ、私の子供にも罪はないんだから。
「もぅ最後には、より戻したいとか言いだしたから、嫁が横にいるからって切った。」
は?より戻したい?!ふざけるな。
それは私が許さない。
だけど…元嫁…ただ者ではない気がした。
ヒロさんも疲れていた。
私も疲れた。
そのまま私たちは眠りについた。
翌日、私は仕事に集中できないでいた。
ヒロさんから聞いた離婚の話…ザックリ聞いたけど、何で?って思う箇所がいくつかある。
それに…また、元嫁から電話がきてないか心配だった。
すると、ヒロさんのお母さんから着信!
今夜、外食に行こうとお誘いの電話だった。
もちろんOKした。
なんてナイスタイミングだろうか。
こんな悩み…お母さんにしか話せない。
ヒロさんも一緒に行く事になった。
場所は行き付けのオシャレ居酒屋(^-^)
私はそこの特製サラダが大好きだ。
お母さんとは現地集合。
向かう道中、ヒロさんに私は聞いた。
「ひーくん。昨日の出来事をお母さんに相談していいかな…。」
「え…何で?」
ヒロさんは嫌な顔をする。
思い出したくもない感じだった。
「私…怖いの。前の奥さんにひーくん取られるんじゃないかって…お腹の子がもし、生まれる事が出来なかった時、私は捨てられそうな気がして…不安でおかしくなりそう。」
「大丈夫だよ。子供も無事生まれる!それに…えりだから、子供作ったんだ。一生結婚しないって思ってたけど…えりとは結婚したいと思った。今までの女とは違う。」
何か…初めてヒロさんに告白されたような気持ちだった。
だけど…私は不安だった。
「ひーくん。ありがとう…だけど、何とも言えない不安感でいっぱいなの。前の奥さんにはひーくんとの子供がいる。私は、ひーくんと血が繋がってるわけでもないから、子供には勝てない。何かあったら…お母さんに助けて欲しいし…お母さんには昨日の事を知ってて欲しいの。」
ヒロさんは黙っていた。
「分かった。えりが安心するなら、母ちゃんに話そう。」
良かった。
居酒屋に着くと、先にお母さんが座って待っていた。
ここでいろんな事が明らかになる。
「あら、来たわね♪もぅサラダとかも頼んだから後は適当に頼んでね!」
お母さんは笑顔で私たちにメニューを渡す。
お母さんが優しい人で良かった。
お母さんになら、何でも相談できる。
私たちはとりあえず他愛もない話をしながら食べた。
そしてヒロさんが話し出す。
「お母さん。あのさ…昨日、前の嫁から電話きた。」
お母さんの箸が止まる。
「は?前の嫁って…さっちゃん?」
さっちゃんって呼んでたんだ…。私は
少し嫌な気分になる。
「うん…。俺たちが結婚するの聞いたみたいでさ…で…えりが凄い不安がってるから、母ちゃん達にも話しとこうと思って。
」
「えりちゃんの前で話したの?!そりゃあ嫌でしょう!!何なんだろう!今さら電話して!」
「いや。何か腹が立つから電話したみたい。もう二度と電話するなって言ったから。」
ヒロさんが淡々と話す。
「当たり前でしょ!えりちゃんがいるのに!子供も生まれるのよ?!裏切るような事があったら、ヒロ!あんたとは親子の縁切るからね!」
いつも温厚なお母さんが…珍しくキレてる。
実は、お母さんはたまにキレると怖い(笑)
ヒロさんが苦笑いする。
「だから、もう連絡とらねーって。あっちから非通知で連絡きたから仕方なかったんだよ。」
「そうだったの?」
お母さんが私に聞いてくる。
「はい。非通知が何度も鳴って…私が気持ち悪いから出てってひーくんに言ったら…前の奥さんだったんです。」
「まぁー!嫌な思いさせたわねぇ…えりちゃん。大丈夫ょ!私たちが絶対に許さないから!お父さんにも言わなきゃ!」
この日、お父さんは出張でいなかった。
ヒロさんが煙草を吸いに外へいった。
そして、お母さんが静かに話しだした。
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「あまりね…こんな話したくなかったし…話そうとは思ってなかったんだけど…。」
私は息を飲む。
「はい…。」
「前の奥さんね…私もどんな子って分からないうちに離婚しちゃったから、何が原因で別れたのか知らないけど…ただね…。」
お母さんが私の顔を見て苦笑いする。
「どうしたんですか?」
「うん…。相手のお父さんが変な人で、初顔合わせの時に、いきなりヒロをバカにしだしたのよ。私たちの前でよ?!」
「え?どんな事言われたんですか?」
「相手のお父さんはヒロと同業者だったんだけど、違うライバル会社でね…何か気に入らなかったみたいで…アホだの何だの酷かったの。もぅ私も腹が立っちゃって!絶対結婚させたくないって思っちゃった!」
お母さんは思い出したのか、興奮して話し出した。
「何か…常識のない人だったわね。変わってた。だけど、生まれた孫は可愛くてね…初めての女の子だったから…私も服とか色々プレゼントして…丁寧にしたのよ。」
そう…。ヒロさんは男兄弟。そして今いる孫たちもみんな男の子だった。
女の子…可愛がったんだろうな…。私はどっちだろう…。もともと女の子がいいと思ってたけど、この話聞くと余計に女の子が欲しくなった。
「だけどね…急に出ていったって言うから、ビックリしちゃって…離婚してから、引っ越しの手伝いに行ったら、部屋もキッチンもヒドイ状態だったわ。」
「はぁ…。そうだったんですか。」
綺麗好きなヒロさんが汚い部屋に住んでたなんて…。どんな気持ちで生活してたんだろう…。
「あっ…こんな事まで話したのはヒロにはナイショよ!」
「はい。」
すると、ヒロさんが戻ってきた。
だけどお母さんはまた話し出す。
「別れてからもね、プレゼントを送ったりしてたの。あっちからは何も言ってこなかったけど…私からしたら孫だと思ってたし…でも、新しい彼氏がいるって噂を聞いて…迷惑になるだろうから、それから送ったりするのもやめちゃったわ。」
ヒロさんは戻って、この話だったので、下を向きながらビールを飲みだした。
「母ちゃん、一度、俺がよそに出た頃、前の嫁来なかった?」
「どうだったかしら?来たかな…?あぁ…一度来たわね!子供の写真持ってきた!それもビックリしたわ。いきなりだったから。」
「あれ…俺が言ったんだよ。俺はいらないけど、母ちゃん達は何も分からないまま孫に会えなくなって、いつも心配してるから、写真くらいは実家に送ってくれって。」
そう…。私がヒロさんと実家でアルバム見てたら、一枚、ヒロさんソックリな女の子の赤ちゃんの写真が出てきた。
あと…私との結婚が決まってから 無くなったけど、写真コーナーに女の子の写真が飾ってあった。
「そうだったの…。ヒロには言わない方がいいと思って黙ってたんだけど…。一回だけウチにきた。それが最後だった。」
お母さんが思い出しながら、上を見ながら話す。
「違うよ。それが最後じゃないよ。」
ヒロさんが言った。
ヒロさんの言葉にお母さんが目を丸くする。
「え?最後よ?いつ会った?」
ヒロさんが嫌な顔で話し出した。
「前の嫁の父ちゃんの葬式の時だよ。」
「あぁ…。」
お母さんの顔も暗くなった。
私は二人の顔を交互に見ながら聞いた。
「あちらのお父さん亡くなったんですか?」
「あぁ。確か…心臓発作でそのまま死んだんだったよな?」
ヒロさんがお母さんに話をふる。
「そうだったかしら?とにかく急にだったわよね…。私はもう関係ないし、酷い事もされてたみたいだから…ヒロには行かなくていいんじゃないかって言ったんだけど…関係なくないってこの人が言うから…。」
お母さんがヒロさんをチラ見しながら話す。
「まじ…。別れても、一度はお父さんになった人だし…葬式は行くべきだと思ったんだけど…間違いだった。」
ヒロさんは珍しく、肩を落とし始めた。
葬式で何があったか気になる…だけど、聞けない空気が漂っていた。
まじで…プライベートで居酒屋なのに緊張する…こんなの私は初めてだ。
すると、またヒロさんが話してくれた。
「葬式に着いたら、親戚の人達から、よく顔だせたなとか…早く帰れとか…色々言われてさ。」
すかさずお母さんが話し出した。
「線香あげに、わざわざよそから帰ってきたの知ってるはずなのに…普通、そんな事言う?!もぅ私は我慢できなかったわよ!!」
ヒロさんが苦笑いする。
「あっちが離婚の原因を何て説明したのか知らないけど…凄い悪者扱いだったんだよね。一応、線香だけはあげて帰ったけど…。」
「そうだったんだ…。」
私はそれ以外言葉がなかった。
「その時にさ…遠くで親戚に抱っこされた子供が見えた。赤ん坊の時から見てないから大きくなってて…。」
「あら、あんた見たの?私、見てなかった。」
お母さんは気づかなかったらしい。
「遠かったけど、抱っこされてたよ。俺さ…冷たいのかな…その時、何も感じなかった。久しぶりに見れたのに、自分の子供って感じが一切なかった…。」
そんなものだろうか…。その時の私には分からなかった。
ただ…今の私には、そうだろうなと思う。
女の人は10ヶ月お腹で育てて、痛い思いして出産する。だから出産した時には母親の気持ちになる。
それでも、育児という苦労がなければ、可愛さはあまり感じない気がする。
私の考えだが、産みの母と育ての母がいるとしたら、本当の母親は育ての母親だと思う。
ましてや、ヒロさんは男で…生まれてすぐに離れた…育児の記憶がお風呂に入れたのしかない。
そして、自分を批判する人達に抱かれて育つ我が子。
何も感じないのは分かる気がする。
「もう、この話は終わりね。えりちゃん。大丈夫よ。私たちがついてるから!何かあったら、ヒロより、えりちゃんの見方よ!」
お母さんが笑顔でそう言ってくれた。
お母さんも色々苦労してきた人だ。
若くで両親を亡くして、父親の葬式の時、お父さんの浮気相手から電話がきたらしい。
そんな話しを子供であるヒロさんの前でペラペラ話すお母さん(笑)
「もう色々あったわよねー。」
お母さんは笑っていた。
お父さんの浮気話しは他にも色々あり…子供の頃、ヒロさんが浮気相手を見て、お母さんにチクった事もあったらしい。
今では想像できない話だ。
浮気か…私は許せないな…。
ヒロさんが浮気する事があるのだろうか…私は浮気されても、ヒロさんから離れる勇気があるだろうか…。
分からない。
ウチに帰り、ヒロさんが私を気遣う。
「母ちゃんに話して少しは楽になった?」
「うん。ありがとう。なんか…色々話せて良かった。今までの不安もなくなった気がする。」
「そっか…それなら良かった。」
ヒロさんは少し疲れた様子だった。
今夜の話題はヒロさんには苦手なジャンルだったもんね。
話してくれてありがとう。ヒロさん。
それから、元嫁から連絡くる事はなかった。
ただ、腹が立っただけだったのかもしれない。
そうこうしてるうちに、結納の日が訪れた。
私は、前日から実家に泊まり、結納の練習をし、朝から準備をし、髪も美容院にセットしに行った。
雲ひとつない。晴れた結納日和だった。
この日、私は厳しかった両親の本当の気持ち…父親の本当の愛を知らされる。
お父さん、お母さん。私は今まで自分の事しか…考えてなかった。
いきなりの妊娠で…うちの家系では、初めての出来ちゃった婚。だけど、誰からも批判される事なく結納の日を迎えた。
今では出来ちゃった婚なんて珍しくない。逆に、孫を早く見せる事もできるし良かったー♪
なんて…結納の日まで私は軽く考えていた。
どんどんウチには、親戚のおじちゃんやおばちゃんが来てくれた。
ヒロさん達は両親とおじいさんが来られるとの事だったので、ウチの親戚も父親の兄弟夫婦まで来てもらった。
幼い頃から、可愛がってくれてるおじちゃんとおばちゃん。
特に私は父の家系で初孫だったのもあり、父の兄弟である、ばあちゃんや、おじちゃん二人には凄く可愛がってもらった。
ばあちゃんは、体調が悪い為、欠席なのが残念だったが、結納が終わったら、お見舞いに行く予定だ。
みんな、私の少し膨らんだお腹を見て、
「おめでとう!大切にするのよ♪」
って声をかけてくれた。
私は結納のセリフをしっかり言えるか心配で緊張していた。
すると!
ヒロさん達の乗った車が庭に入ってきた。
きたぁー(;´д`)
緊張するぅー。
私の緊張はMAX。
ヒロさん達が入ってきた。
軽く挨拶をし、ヒロさんがお父さんに手伝ってもらいながら、床の間の前に結納セットをセッティングし始める。
いよいよ始まった。
両家向かい合って座り、私がお礼を言う。
色々セリフを言った。
(もう忘れました。)
途中、私がカミカミになってしまい…ヒロさんのお父さんが
「えりちゃん。かしこまらなくていいから、自分の言葉でいいよ(笑)」
そう言ってくれたお蔭で緊張していた場が和んだ。
何とか、食事になり、みんなお酒を飲み始めて盛り上がった(*^^*)
しかし、私は緊張していた。
私の父もヒロさんのお父さんも、おじいちゃんまで酔っぱらっていた。
もちろん、おじちゃん達も(笑)
いい結納になった。
4時間程滞在して、ヒロさん達は帰っていった。
私は緊張していたせいか、ヒロさん達が帰った途端にドッと疲れた(>_<)
「はぁー!緊張したぁー」
私の言葉にみんな笑って、
「いい人じゃないの!」
「真面目そうな人ね♪」
とか、おばちゃん達がヒロさんの感想を言ってくれた。
普通ならば、そこで私は、みんなに今日集まってくれた事にお礼を言うべきだ。
しかし、私は疲れて、妊婦だからとソファーに座らされ、周りの言葉に甘えてゆっくりしていた。
それを、見かねたのだろうか…おじちゃんが私に話してきた。
「えり。今日はいい結納ができて良かったな。これは感謝しないといけないぞ。」
そう言うのは、父の一番下の弟になる人で、私はこの人に物凄く可愛いがられてきた。
もしかしたら、父よりもヒロさんへの目が厳しいかもしれない。
「はい。ありがとうございました。」
私は慌ててお礼をみんなに向かって言った。
すると、おじちゃんがまた慌てて話し出す。
「おじちゃん達に、お礼なんていいんだ。ただ…誰に感謝しないといけないのか、分かるか?」
え…?
正直、両親?と思ったが、おじちゃんが何を言いたいのか私には分からない。
「えり…。お前のお父さんが、どんな気持ちで今日まで過ごしてきたか…分かるか?」
…考えてなかった。私は何も返事できずに父を見た。
すると、父がおじちゃんに向かって
「章人…もういい。お前、酔ってるだろ。もう黙っとけ。」
そう言って、部屋を出て行った。
周りのおばちゃん達も、みんな黙っている。
「いいや。えり。お父さんはあんな言うけど、おじちゃんは、黙ってられない!」
私は姿勢を正した。
「えり…。ヒロ君はいい男だと思うよ。おじちゃんも安心した。ただね、順番を間違えた事は分かってるよな?」
「はい…。」
やはり、出来ちゃった婚はまずいよね…。
初めて、それを叱られた気持ちになった。
「まぁ…それが悪いとまでは言わない。だけど、お父さんはヒロ君を殴りたかったと思うぞ。でも、殴らなかった。何でだと思う?」
「え…。分からない…。」
何でだろう。
「えりを幸せにしたいからだよ…。」
おじちゃんの目から涙が出ていた。
私を幸せにしたいから…ヒロさんを殴らなかった?どうして?
何も父の気持ちを考えてなかった私には、おじちゃんの言葉にピンとこなかった。
ただ…周りのおばちゃん達は分かっていた様子で涙を拭いていた。
「えりが、ヒロ君を初めて挨拶に連れてきた日、庭も、外壁も綺麗だったろ?あれな…全部お父さんがしたんだよ。」
「そうだったんだ…。どっか業者に頼んだのかと思ってた。」
「違うよ。えりが嫁に行くかもしれないって…壻さんが見て、恥ずかしくないようにするんだって…休みの時は毎日手入れしてた。」
すると、父のすぐ下のおじちゃんも話しだした。
「そしたら、お前のお腹に赤ちゃんがいただろ?お父さんは、まず、おじちゃん達の家に報告に来たんだよ。もちろん、親戚の家にも報告してた…。えりが、結婚する事になった。だけど、お腹に子供がもういる。本人達も頭を下げてきたし、俺は許した。だから、お前達も許して欲しい。えりを祝福してくれ。って…お父さんがおじちゃん達に頭下げてきたんだよ。お前のお父さんに頭下げられたら…おじちゃん達も何も言えなかったよ。ただ、おじちゃんも、えりに幸せになって欲しい。幸せにならないと、許さんからな!」
…。
私は何も言葉が出なかった。
父が人に頭を下げた姿を私は見た事はない。
私は…なんて事してしまったんだろう…いや…今まで、何してきたんだろ…どれだけ父に守られてきたんだろうか…。
よく、父には
「親の傘のしたにいるうちは、親の言う事を聞け!ただ、何があっても、お父さんがどうにかしてやる。」
って言われ…何かとうるさかった。
それは子供の時の話し。
もう私は24才…。成人になってるのに…。
父はまだ私を守ってくれてる。
私のために、私を幸せにするために…父は結婚を許し、初めての挨拶の日、
「お腹に子供がいるなら、身体を大切にするんだよ。」
そう言って、見送ってくれたのを思い出す。
私は涙が止まらなくなっていた。
私は高校の同級生から、結婚式の前に集まろうと誘われ、夜出掛ける事になった。
「ひーくん。今日は何か自分で夜ご飯食べてね♪」
「うん。楽しんでおいでよ。」
ヒロさんはソファーに横になりながら私に手を振った。
集合場所に行くと、みんなが待っていた。
久しぶりに会う友達もいて、楽しかった。
すると、やっぱり恋愛の話になってくる。
「ねぇ…。彼氏とか旦那の携帯をチェックしたりする?!」
既婚者のトモカが話題を持ち出した。
「私は見ないな。やましい事してないけど、自分も見られたくないし。」
彼氏持ちのレナが答える。
ほとんどが、見ない派だった。
しかし…私は見た事ある。
「私さ…今まで見てなかったんだけど、旦那のは見ちゃったんだよね。」
私は暴露した。
「え?何?何かあったの?!」
話題を持ち出したトモカが聞いてきた。
「うん。旦那が寝てる時にめっちゃ、着信鳴る時があってさ…。女の名前だったから、腹立ってメールまで見ちゃった。」
私は、前にあった出来事を全てはなした。
(この出来事。前のレスに書いてます。若干、私も忘れました。)
すると、トモカも話し出す。
「私も見ちゃった。旦那のだけ。」
「トモちゃんも!?」
私は仲間が出来た気がして、少し嬉しくなった(笑)
「そう。まだ付き合ってた時なんだけど、元カノからの連絡がひどくて…。」
「えー元カノー(;´д`)?!」
ヤジが飛ぶ。
「そう。何か、本人は別れたって言ってたんだけど、彼女は別れた気になってなかったらしくって…それがさ…普通の彼女じゃなくて、ストーカーみたいな感じでさ↓」
「ストーカー(;´д`)?ヤダー!!」
またヤジが飛ぶ。
「そう。私の存在を彼女が知っちゃって、私に被害を与えるような事言ってきたりとか、自殺をほのめかしたりとかするから、旦那も、ほっとけなかったらしくて…夜中の2時とか呼び出されて、行ってたりしてたから…。気になってさ…。」
トモカは社内恋愛だった為、旦那さんとは付き合ってた頃、同じ寮に別の部屋で住んでいた。
「私には言わないけど、バイクの音で分かるんだよね↓。あぁまた行ったなって…で、駐輪場見たらバイクないし。やっぱりな…みたいな。」
トモカは思い出したのか、嫌な顔をしながらはなした。
そりゃ…携帯もチェックしたくなるわな。
結局、トモカの旦那は元カノと別れたらしいが、トモカや子供にも被害を与え兼ねない人格な為、結婚や住んでる場所など元カノの知り合いとかにも極秘にしてるらしい。
トモカの旦那…高収入で…育ちも良さそうだもんな(>_<)
モテそうで大変だ。
そんなこんな話しをしながら、私たちは解散した。
家に着くと、ヒロさんが待っていた。
「おぉ。お帰り。早かったね」
ヒロさんはまだソファーに横になっていた。
「うん。子供連れの友達もいたしね♪私も妊婦だから。」
「そっかぁ(笑)俺、ビール飲みすぎた…。寝ようかな。」
そう言ってヒロさんは寝室へ行った。
忘れてたが、この頃に私の1Kマンションから2LDKのマンションに引っ越した。
そして、別々だった財布も私が管理するようになった。
ヒロさんが自由に使える金は毎月3万になった。
じゃなきゃ、私の収入も育児手当てのみになるし…家賃も高くなったし…貯金ないし…やってられない。
ヒロさんに任せてたら、何かと使う。
趣味の多いヒロさん。
バイク…レトロ雑貨(ボロなのに高額)…少しパチンコ…タバコ…服…。
今まで自由に使っていたであろう。金使いを規制させなければと、私も頑張った。
口うるさく、節約しろとヒロさんには毎日言った。
ヒロさんは友達と飲みに行かなくなっていた。
ヒロさんなりに節約を頑張っていた。
いきなりそんな生活になったヒロさんもストレスを感じたのかもしれない…。
翌朝、私とヒロさんは休みだった。
二人揃っての休みは久しぶりで、私は嬉しかった。
お腹も大きいし、部屋でまったりしてるとお腹が空く。
「ひーくん。お腹空いたね。どっか食べに行く?」
「うーん。今日はゆっくりしたいし…何かないの?」
「ないよ。」
「よし。俺が旨いラーメン作ってやる!買い物してくるから、お金ちょーだい。」
ヒロさんはラーメン大好きで、唯一インスタントラーメンはまともに作れる。
私はラーメン代を渡した。
「余計なもの買わないでね(-_-)」
「分かってるよ。妊婦さんは黙って横になってて下さい!」
ヒロさんは一人で出ていった。
ヒロさんはやる気スイッチが入ると、子供のように上機嫌になりはしゃぐ。
もぅ…文章では現せない程…顔は恵比寿様のようにニッコリなって…歩き方もかなり軽快になる…。
ラーメン作る時は、だいたい…そうなる。
インスタントラーメンなのに、どや顔もひどい。
だけど、そんな時、私は幸せだ。
部屋に一人になった私。
昨日の友達の集まりの事を思い出していた。
楽しかったなー。結婚式の余興もお願いしてるけど…何してくれるんだろう…。
そういや…恋愛とか子供の話メインになっちゃったな(>_<)
ふと、私は床に目をやる。
ん…?
あらら。ひーくん。ケータイ忘れてる。
無防備に…。
また、昨日の事を思い出す。
ケータイチェックの事…。
見ようか…いや…見たらいかん…。
見たって…いい事ない。
昨日の夜…ひーくん。何して過ごしてたのかな…ずっと部屋で私を待ってた?
気になる…。だけど、見ちゃだめ。
良かった。問題なさそう。
見慣れた女友達の名前だった。
サチコさんか…。会った事ないけど、この人からの電話はひーくんも普通にいつも出るし、バーの常連客みたいな感じだったな♪
私は安心した。一応、どんな内容か流して見てみた。
ん…?
なんか赤い絵文字があった?
私は流して見ていたメールを、もう一度、ゆっくり見る。
ハート。
ハートの絵文字。
たかが絵文字。
されど絵文字。
どういう流れで、ハートを使う会話になってるのか…。
私の心拍数は上がっていた。
手が震える。
サチコさんって…安全な人だったよね…?会った事ないけど…。普通の古い友達だから、サチコだけは心配いらないってひーくん言ってたよね…?
え…?
私は受信BOXと送信BOXを交互に見た。
どんな会話か見よう…。
怒りというより…恐怖感を抱きながら私はメールを見た。
ヒロさんからメールしていた。
ヒロ【元気してるか?】
サチコ【元気だよー!仕事忙しい(>_<)最近、会わないね(悲しい顔)】
ヒロ【もうバーにも出てないからね。最近
は大人しくしてる。】
サチコ【私も仕事ばっかりだよ…だけど、明日休みなの!ヒロチャンは?】
ヒロ【俺も休みだよ。】
サチコ【じゃあドライブ行きたいなぁ♪】
ヒロ【たまにはいいねー!】
サチコ【嫁いるの?】
ヒロ【いるよ。】
サチコ【えー(-_-)じゃあ期待しないで待ってるね(ハート)】
ヒロ【うん。待ってて(ハート)】
これでメールは終わっていた。
なんじゃこりゃ。
色んな事が腹立つ。何でひーくんからメールしてるの?しかもサチコは私の事、嫁って呼び方してるし…何よりハートとか普通使う?!
ドライブとか…絶対ダメでしょ!
何?浮気?このやりとり嫌だ!
私は放心状態になった。
泣きたくなってくる。
ただの友達って思っていた女と、いくら冗談だったとしても、ハート使うのは嫌だ。
しかも、サチコとは結構仲良しなのはヒロさんの電話の話し方からして分かる。
ヒロさんは、あまり女の子とは本音で話さない。だけどサチコとは他の人より本音で話すのだ。
ただの古い知人だからだと思って、気にもしていなかったけど…。
他の女とハート使うようなメールされるより余計にショックだった。
どうしよう…。ヒロさんに言いたいけど…また、メール見たのバレたら嫌われそう…。
だけど、黙ってられない。
サチコに取られたくない。
サチコより私の方がいい女だって思わせたい。
怒りより、ヒロさんの気持ちを繋ぎ止めたい思いにかられていた。
どんな汚い事してでも、私はヒロさんを取られたくない。少しも他の女に気持ちを取られたくない。
まだ…私の心は幼くて…ただ、ヒロさんが好きだった。
そうこう考えてるうちにヒロさんが帰ってくる。
私は慌てて、ケータイを元に戻す。
「えりちゃん、ただいまー!」
「おかえり…。」
私の小芝居が始まる。
「えりちゃん?どうした?ラーメン買ってきたよ?」
「うん…ありがとう…。」
私はヒロさんを見て、泣きそうでも、笑いました。みたいな顔をする。
「どうした?泣いてるの?」
ヒロさんが私の肩に手をかけながら横に座った。
「泣いてないよ…。」
少しすねた様な口調で言う。
我ながら、下手な芝居で…少しブリッコ入ってて…キモい。
だけど、何も知らないヒロさんは、マジで騙されてる様子。
「おい。どうした?何かあった?言ってごらん。」
私はこの瞬間に今まで我慢していた涙を流して、ヒロさんに抱きついた。
「ひーくん。どこにも行かないで。」
涙は本当だけど、この演出は…ちとオーバーにした。
ただ、ケータイチェックして、泣いて攻める女よりも、健気にヒロさんを愛してる女を演じたかった。
その方が、勝手にケータイ見たという行動をうやむやに出来る気がした。
ヒロさんは戸惑いながら私を抱き締めてくれた。
「え?えりちゃん?どうした?」
「ごめんなさい…。」
私は小さな声で泣きながら謝る。
「は?」
ヒロさんが私の顔を覗きこむ。
「ひーくんのケータイ見ちゃった…。」
するとヒロさんは、拍子抜けしたような感じだった。
「で?どうしたの?急に泣くから、ビックリしたよー。」
「ひーくん、昨日サチコって人とメールしたでしょ?」
「うん。別に何もないけど?」
「何もなくない!ドライブしようとか、ハートとか使ってた!」
「うん。冗談じゃん。」
ヒロさんは普通に答える。
「私は男友達にハートとか使わない。少し恋愛感情みたいのないと使おうとも思わない!ドライブとか…私がいるのに…。」
「だから…冗談だよ。ドライブなんてサチコとした事ないし、行く気もないよ。」
「ひーくんが取られると思って…怖かった…。」
そう…あまりにも言い過ぎると、ヒロさんが逆ギレするので、ここら辺で責めるのをやめて甘える。
「何言ってるんだよ。えりちゃん以外の女には興味ないよー。」
ヒロさんが笑いながらそう言った。
ヒロさんは、少し?結構なお調子者だ。
他の女にも興味あるのはバレバレ(-_-)
だけど…こうやって、やましい事すればバレるんだという事を心の片隅に刻んで頂きたい。
そんなヒロさんを好きになったのは私。
これからも、こんな事あるんだろうな…ヒロさんには私しかいないんだって思わせるように頑張らなきゃ。
だけど、それから私はヒロさんのケータイを見ていない。
逆に今回の事で、私はヒロさんに浮気されても別れる勇気がない事を思い知らされた。
それなら見ないのが一番。
ヒロさんが私以外の女には興味ないと言ってくれるなら、それを信じて一緒にいたい。
それに…私は変わってるのか…少し刺激を感じさせる関係が心地よく感じてしまう。
ヒロさんを追いかけて、たまにご褒美をもらえるような関係でいたい。
やっぱ私…変わってるのかな。
そして私たちの結婚式の日。
やっとこの日がきた。見事に晴天。
チャペルだからホッとした。
父と歩くバージンロード…母は既に泣いていた。
披露宴も友達からのサプライズDVDが流れたり、ヒロさんが手紙読み出したり、本当に心に残る結婚式になった。
結婚式が終わって、母が
「これで、えりを嫁に出したって感じね。
」
お母さん。ありがとう。
ドレス選びも、ヒロさんの衣装まで、お母さんが付き合ってくれた。
お母さん。私は、お母さんがいなくなったら、今でも無理です。
お母さんって…死ぬまで子供にはかけがえのない存在になるんだね。
私はもうすぐ、お母さんになるんだ。
結婚式の翌日から私は体調が悪くなった。
お腹の張りが頻繁に起こるようになり、仕事も早めの産休に入らしてもらった。
>> 338
楽しかったです( ´ ▽ ` )ノ
お疲れさまでした✨
ただ、気になってたんですが317の別れてるんですよねって何だったんでしょうか…
☆名無し338さん☆
読んで頂いてありがとうございました(*^^*)
ヒロさんとは別れてないですよ?
きっと代名が歴代彼氏なので、中には、全ての恋愛が終わった話しだと思われながら、読んで下さってた方もいらっしゃったかと思います(>_<)
正直、私もどこまで書こうか悩んでいたのですが…ずるずる出産まで書いちゃいました。
実際、結婚してからのヒロさんエピソードが面白いんです(-_-;)
しかし、ここは彼氏について書いてたので、控えさせて頂きます(笑)
本当にありがとうございました(*^^*)
>> 347
お疲れさま
ずっと見てましたヽ(^○^)ノ
お父さんとのくだり・・(涙)なしでは読めません
いつまでもいつまでもご家族皆さまとお幸せに…
☆みいこさん☆
ずっと読んで頂いてたんですね!
ありがとうございました(*^^*)
父との話は私も泣きながら書きました。
世間体ばかりを気にする親と思っていてので、それが間違っていたのを結婚を期に気づかされました。
続きにつきましては、今、現在のわが家の話になるわけですが、お恥ずかしいので検討中です(>_<)
とりあえず、二人目産んでから考えたいと思っております。
もし、書いた時は宜しくお願いします!
本当にありがとうございました(*^^*)
- << 354 ご返答ありがとうございました(^^) もし、part2が始まるならこのスレでお知らせしてくださいね! では、無事安産でご出産されますよーに(笑) ご家族のお幸せを願っています(*^^*)
★ご報告★
昨日、無事二人目を出産しました(*^^*)
チビひろに続き、同じ女の子でした♪
ヒロさんからメールで
「えりちゃん、産んでくれてありがとう」
ってきました。
てか…ヒロさん…立ち会ったんですけどね。
直接言えないシャイな所はたまに可愛いと思います(笑)
応援して下さった方々、ありがとうございました\(^-^)/
報告でした!
- << 361 えりさん ご出産おめでとうございます😄✨ ご家族が増えて、賑やかなお正月になりそうですね🎵 ヒロさんの楽しいエピソードが沢山ありそうで、やっぱり次回作を期待しちゃいました😁 でも、産後のお身体お大事にして頂きたいし、お二人の可愛いお嬢さんと、ヒロパパとのご家族が一番です🍀 えりさんのお幸せを遠くからお祈りしています✨
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